JP2008543973A - ペメトレキセドの中間体の調製方法 - Google Patents

ペメトレキセドの中間体の調製方法 Download PDF

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Abstract

ペメトレキセドの中間体の調製方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ペメトレキセドの中間体の調製方法に関する。
発明の背景
葉酸拮抗活性を有する化合物は、癌の治療のための化学療法薬として十分認識されている。特に、葉酸化合物群は、それらがデヒドロ葉酸レダクターゼ、葉酸ポリグルタミン酸シンセターゼ、グリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼ及びチミジレートシンセターゼといった酵素を阻害することから、酵素レベルで多様な活性を有する。
最近、一連の4-ヒドロキシピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-L-グルタミン酸誘導体が例えば欧州特許公報0434426号において開示されており、特に有用な葉酸拮抗剤であることが証明されている。それらの4-ヒドロキシピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-L-グルタミン酸誘導体の中に、式Iのペメトレキセド二ナトリウム七水和物がある:
Figure 2008543973
ペメトレキセド二ナトリウム七水和物は、中皮腫の治療や非小細胞肺癌の二次治療用に承認されている多標的葉酸拮抗剤である。
ペメトレキセド二ナトリウム塩七水和物は、Eli Lilly and Companyにより商品名ALIMTA(登録商標)のもと、静脈投与用無菌凍結乾燥粉末として市販されている。葉酸化合物群のこの一員は、悪性胸膜中皮腫の治療や非小細胞肺癌の二次治療用に承認されている。Physicians'Desk Reference, 第60版,pp. 1722-1728 (2006)を参照のこと。市販品はペメトレキセド二ナトリウム七水和物とマンニトールの凍結乾燥粉末であると報告されている。
欧州特許第0432677号公報はペメトレキセド二ナトリウム七水和物の一次合成法の1つを報告している。しかしながら、この合成経路は工程数と乏しい全収率のために、工業生産にはあまり適していない。
ペメトレキセド二ナトリウム七水和物のより最近の合成法(例えば米国特許第5,416,211号)は、式IIの4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-1H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸を経由する別の経路に従う。
Figure 2008543973
式IIの化合物は式IIIの中間体から調製することができる:
Figure 2008543973
(式中、Rは水素又はカルボキシ保護基である)。
米国特許第5,416,211号(以後「'211特許」という)及び米国特許第6,262,262号(以後「'262特許」という)明細書は、式IIIの中間体のハロゲン化による式IIの化合物の調製を開示しており、下記ハロ中間体:
Figure 2008543973
を提供するが、それは単離されない。次いで、そのハロ中間体をピリミジン成分とその場で縮合せしめて、下記式IVのエステルを形成する:
Figure 2008543973
式IVのエステルを次いで加水分解して式IIの化合物を与える。この工程は次のスキームIに示される。
Figure 2008543973
しかしながら、'262特許は、式IIIのアルデヒド中間体が不特定の副産物と共に得られ、殆ど安定でなく、精製中に分解しやすいと報告している。また、'262特許は、式IIIの中間体を調製し、次いで式Vのスルホン酸金属カチオン塩
Figure 2008543973
(これは単離・精製することができる)
へと変換するという追加の方法を記載している。
次いで式Vのスルホン酸金属カチオン塩から式IIIの中間体を再生し、その場で対応するα-ハロ誘導体へと変換し、中間体を単離することなく2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジンで処理して式IVのエステルを得る。式Vのスルホン酸金属カチオン塩を経由する式IIの化合物の調製は下記のスキームIIにより要約される。
Figure 2008543973
別の方法がC.J. Barnett他、“A Practical Synthesis of Multitargeted Antifolate LY231514,"Organic Process Research & Development, 3(3):184-188 (1999) の中に開示されており、それは下記のスキームIIIにより要約される。
Figure 2008543973
化合物9は、4-ブロモ安息香酸メチルと3-ブチン-1-オールをパラジウム触媒の存在下でカップリングせしめ(Heck反応)、次いで得られたアルキンをPd/C(自然発火剤)上のH2で接触還元することにより得られる。次に、式7の還元アルキンをNaOClと2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシ(“TEMPO")触媒で酸化した後、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルアクリレート(“DBBA")とHBrにより臭素化し、化合物9を得る。次いで上記と同じ縮合により、化合物9を化合物IIに変換する。
従って、式IIのペメトレキセド中間体を製造する簡便な方法が必要とされる。
発明の要約
一態様では、本発明は、下記の式VIの化合物:
Figure 2008543973
(ここで、RはCN、CONR'R"、
Figure 2008543973
であり、そしてR'およびR"は独立にH、アルキルまたはアリールである)
を包含する。
別の態様では、本発明は、式VIの化合物の調製方法であって、
a)下記式VIIの化合物:
Figure 2008543973
を、下記式VIIIの化合物:
Figure 2008543973
およびHeckカップリング反応に適当な触媒と反応させ、下記式IXの化合物:
Figure 2008543973
を得;
b)式IXの化合物をハロゲン化剤と反応させて下記式Xの化合物:
Figure 2008543973
を得;
c)式Xの化合物と2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジンを反応させ、式VIの化合物を得;そして所望により、
d)式VIの化合物(X'は脱離基であり;RはCN、CONR'R"、
Figure 2008543973
であり;そしてR'およびR"は独立にH、アルキルまたはアリールであり;X"はOかSのいずれかであり;そしてYはハロゲン脱離基である)を回収する
ことを含んでなる方法に関する。
別の態様では、本発明は、ペメトレキセドまたは下記式のその塩:
Figure 2008543973
の調製方法であって、a)上記方法により式VIの化合物を調製し;そしてb)式VIの化合物をペメトレキセドまたはその塩(M1とM2は独立にアルカリ金属かHのいずれかである)に変換することを含んで成る方法に関する。
別の態様では、本発明は、式VIの化合物から下記式IIの化合物
Figure 2008543973
を調製する方法であって、式VIの化合物を少なくとも1つの強塩基により加水分解して式IIの化合物を得、そして所望により、式IIの化合物(Mがアルカリ金属かHのいずれかである)を回収することを含んでなる方法に関する。
別の態様では、本発明は、式VIIの化合物から式IIの化合物を調製する方法であって、
a)下記式VIIの化合物
Figure 2008543973
、下記式VIIIの化合物
Figure 2008543973
およびHeckカップリング反応に適当な触媒を反応させて、下記式IXの化合物
Figure 2008543973
を得;
b)式IXの化合物とハロゲン化剤とを反応させて、下記式Xの化合物
Figure 2008543973
を得;
c)式Xの化合物と2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジンとを反応させて式VIの化合物を得;
d)所望により式VIの化合物を回収し;
e)式VIの化合物を少なくとも1つの強塩基により加水分解して式IIの化合物を得;そして
f)所望により式IIの化合物(X'が脱離基であり、RがCN、CONR'R"、CN、CONR'R"、
Figure 2008543973
であり、そしてR'およびR"が独立にH、アルキルまたはアリールであり、X"がOまたはSのいずれかであり、Yがハロゲン脱離基である)
を回収する、
ことを含んでなる方法に関する。
別の態様では、本発明は、下記式のペメトレキセドまたはその塩
Figure 2008543973
の調製方法であって、a)上記方法により式IIの化合物を調製し;そしてb)式IIの化合物をペメトレキセドまたはその塩(M1とM2は独立にアルカリ金属かHのいずれかである)に変換することを含んでなる方法に関する。
別の態様では、本発明は、下記式Xの化合物
Figure 2008543973
(ここでRはCN、CONR'R"、
Figure 2008543973
であり;そしてR'およびR"は独立にH、アルキルまたはアリールであり;そしてYはハロゲン脱離基である)
を包含する。
更に別の態様では、本発明は、式Xの化合物の調製方法であって、
a)下記式VIIの化合物
Figure 2008543973
、下記式VIIIの化合物
Figure 2008543973
、およびHeckカップリング反応に適当な触媒を反応させて、下記式IXの化合物
Figure 2008543973
を得;
b)式IXの化合物とハロゲン化剤とを反応させて、下記式Xの化合物
Figure 2008543973
を得;そして所望により、
c)式Xの化合物(X'は脱離基であり、RはCN、CONR'R"、
Figure 2008543973
であり、R'およびR"は独立にH、アルキルまたはアリールであり、X"はOまたはSのいずれかであり、Yはハロゲン脱離基である)を回収する
ことを含んで成る方法に関する。
一態様では、本発明は、次の式のペメトレキセドまたはその塩:
Figure 2008543973
の調製方法であって、
a)上記方法により式Xの化合物を調製し;そしてb)式Xの化合物をペメトレキセドまたはその塩(M1とM2は独立にアルカリ金属かHのいずれかである)に変換することを含んでなる方法に関する。
発明の具体的説明
本発明は、下記式IIのペメトレキセド中間体:
Figure 2008543973
(MはHまたはアルカリ金属である)
の改良調製方法を提供する。
本発明の方法では、好ましくは高純度で、中間体の精製の必要なしに、直接的方法により、式IIのペメトレキセド中間体を調製することができる。式IIの高純度中間体は高純度のペメトレキセドまたはその塩に変換することができる。
本明細書中で用いる時、異なって定義されない限り、「ペメトレキセド」なる用語は、下記の化学構造
Figure 2008543973
を有するN-〔4-〔2(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-1H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾイル〕-L-グルタミン酸(または「ペメトレキセド二酸」)を意味する。
本明細書中で用いる時、異なって定義されない限り、ペメトレキセド「塩」なる語は、ペメトレキセドの任意の医薬上許容される塩を意味する。好ましくは、医薬上許容される塩は、金属塩、特に二価金属塩、より好ましくはアルカリ金属塩である。金属塩は、下記に示すように、一金属塩(即ち、カルボキシル基の1個だけが金属イオンに配位結合している)または二金属塩(即ち、2つのカルボキシル基の両方が金属イオンに配位結合している)のいずれかであることができる。
Figure 2008543973
本明細書中で用いる時、異なって定義されない限り、式IIのペメトレキセド中間体に関して言及する時の「高度に純粋」または「高純度」なる用語は、少なくとも約93%のHPLC面積を意味する。好ましくは、式IIのペメトレキセド中間体が少なくとも約95%のHPLC面積の純度、より好ましくは約98%、特に少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%、例えば約99.6%のHPLC面積の純度を有することを意味する。
本明細書中、異なって定義されない限り、ペメトレキセドまたはその塩に関して言及する時の「高度に純粋」または「高純度」なる用語は、少なくとも約93%のHPLC面積を意味する。好ましくは、ペメトレキセドまたはその塩が少なくとも約95%のHPLC面積の純度、より好ましくは約98%、特に少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%、例えば約99.6%のHPLC面積の純度を有することを意味する。
本明細書中で用いる時、異なって定義されない限り、「アリール」なる用語は、分子がベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン等に特徴的な環状構造(即ち、ベンゼンの6-炭素環または別の芳香族誘導体の縮合6-炭素環)を有する化合物のことを意味する。好ましいアリールは6〜14個、6〜10個または6〜9個の炭素原子を含み、該アリール基は1または複数のアルキル基(好ましくはC1-6アルキル、より好ましくはC1-3アルキル、特にメチル)のような置換基を含むことができる。
本明細書中に記載の時間は、実験室規模での調製に適した時間である。当業者は、存在する試薬の量に基づいて最適時間が異なるであろうし、それに従って時間を調整することが可能であることを理解する。
一態様では、本発明は、下記式Xの化合物
Figure 2008543973
(式中、RはCN、CONR'R"、
Figure 2008543973
であり;R'およびR"は独立にH,アルキルまたはアリールであり;そしてYはハロゲン脱離基である)
を包含する。
好ましくは、RはCNである。好ましくは、R'とR"の両方が水素である。
好ましくは、アルキルはC1〜C8アルキル、より好ましくはC1〜C6アルキルである。好ましくは、C1〜C6アルキルはC1〜C4アルキル、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはイソブチルである。更により好ましくは、C1〜C4アルキルはメチルかエチルのいずれかであり、最も好ましくはメチルである。好ましくは、アリールはC6〜C14アリール、より好ましくはC6〜C9アリールである。好ましくは該C6〜C9アリールはフェニルまたはトリルのいずれかであり、より好ましくはトリルである。
好ましくはYはヨード、ブロモまたはクロロであり、より好ましくはヨードまたはブロモである。
一態様では、本発明は式Xの化合物の調製方法であって、
a)下記式VIIの化合物
Figure 2008543973
、下記式VIIIの化合物
Figure 2008543973
およびHeckカップリング反応に適当な触媒とを反応させ、下記式IXの化合物:
Figure 2008543973
を得;
b)式IXの化合物とハロゲン化剤とを反応させて下記式Xの化合物
Figure 2008543973
を得;そして所望により、
c)式Xの化合物を回収する
(上記式中、X'は脱離基であり;RはCN、CONR'R"、
Figure 2008543973
であり;そしてR'およびR"は独立にH、アルキルまたはアリールであり;X"はOかSのいずれかであり;そしてYはハロゲン脱離基である)
ことを含んでなる方法に関する。
この反応は下記のスキームIVにより要約することができる。
Figure 2008543973
好ましくはRがCNである。好ましくは、R'とR"の両方がHである。好ましくは、X'がヨウ素、臭素、クロロ、メタンスルホニル、トルエンスルホニルおよびトリフルオロメタンスルホニルから成る群より選択される。好ましくはX"はOである。好ましくは、Yがクロロ、ブロモまたはヨードであり、より好ましくはヨードまたはブロモである。好ましくは、化合物VIIが4-ブロモベンゾニトリルである。好ましくは、化合物VIIIが3-ブテン-1-オールである。
典型的には、式VIIの化合物を、少なくとも1つの極性非プロトン性有機溶剤または少なくとも1つのイオン性液体、および少なくとも1つの弱塩基の存在下で、式VIIIの化合物および触媒と反応させる。
好ましくは、極性非プロトン性有機溶剤は、アミド、スルホキシド、ピロリドン、エーテル、ハロゲン化炭化水素およびケトンから成る群より選択される。好ましくは、アミドがC2〜C6アミド、例えばジメチルホルムアミド(“DMF")である。好ましくは、スルホキシドがC2〜C4スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド(“DMSO")である。好ましいピロリドンはC4〜C6ピロリドン、例えばN-メチルピロリドン(“NMP")である。好ましいエーテルはC4〜C6エーテル、例えばテトラヒドロフラン(“THF")、ジイソプロピルエーテル(“DIPE")またはメチルtert-ブチルエーテル(“MTBE")である。好ましくは、ハロゲン化炭化水素がC1〜C3ハロゲン化炭化水素、例えば1,1-ジクロロエタン(“DCE")である。好ましくは、前記ケトンがC3〜C6ケトン、例えばアセトン、メチルイソブチルケトン(“MIBK")またはメチルエチルケトン(“MEK")である。
イオン性液体としては、典型的には比較的低い融点、例えば150℃未満、より好ましくは120℃未満、最も好ましくは100℃未満、特に50℃未満を有する塩が挙げられる。特に好ましいイオン性液体は、室温で液体であるものであり、ここで室温とは、約18℃〜約35℃、好ましくは約20℃〜約25℃の温度範囲を言う。好ましくは、イオン性液体としては、ハロゲンイオンまたはテトラフルオロ硼酸アニオンを有するメチルイミダゾリウムまたはピリジニウムイオンが挙げられる。
適当な弱塩基としては、当業者に周知である任意の弱塩基が挙げられる。典型的には、弱塩基は約7.5〜約10.5のpKaを有する。弱塩基は無機弱塩基または有機弱塩基であることができる。或る態様では、弱無機塩基は酢酸リチウム、炭酸水素リチウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムから成る群より選択される。別の態様では、弱有機塩基がトリアルキルアミン、好ましくはトリ(C1〜C4)アルキルアミンであり、ここで前記アルキル基は同一または異なる。好ましくは、前記弱有機塩基がトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンから成る群より選択される。
所望により、混合物の極性を増加させることができる剤を弱塩基と組み合わせて使用することができる。適当な剤の例としては、非限定的に、アルカリまたはアルカリ土類金属のハロゲン化物塩が挙げられる。好ましくは、前記剤が塩化リチウムまたは塩化ナトリウムである。
適当な触媒としては、Heckカップリング反応を触媒することが当業者に知られている任意の触媒が挙げられる。好ましくは、前記触媒がパラジウム(0またはII)触媒であり、それはキラルであることもできる。好ましくは、パラジウム触媒は、酢酸パラジウム(II)、プロピオン酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(PPh3)Pd、パラジウムジ(ジベンジリデンアセトン)およびパラジウムジクロロ,1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンから成る群より選択される。最も好ましくは、パラジウム触媒は酢酸パラジウムである。所望により、触媒の混合物を使用してもよい。
好ましくは、式VIIの化合物は、相転移触媒(“PTC")の存在下で式VIIIの化合物および触媒と反応させる。典型的には、相転移触媒はハロゲン化テトラアルキルアンモニウム、ハロゲン化テトラアリールアンモニウム、およびハロゲン化テトラ(アルキル)(アリール)アンモニウムから成る群より選択され、ここで前記アルキルおよびアリールは同一または異なることができる。好ましくは、前記アルキルはC1〜C6アルキルである。好ましくは、前記アリールはC6〜C10アリールである。好ましくは、前記ハロゲン化物は塩化物または臭化物である。相転移触媒は好ましくは、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、および臭化トリエチルベンジルアンモニウムから成る群より選択される。
典型的には、式VIIの化合物、相転移触媒、および弱塩基を極性非プロトン性有機溶剤中に溶解させる。次いで、触媒と式VIIの化合物をその溶液に添加して反応混合物を得る。その反応混合物を加熱すると、式IXの化合物が得られる。好ましくは、約40℃〜約100℃の温度、より好ましくは約60℃〜約70℃の温度に、式IXの化合物を得るのに十分な時間の間、反応混合物を加熱する。好ましくは攪拌しながら反応混合物を加熱する。好ましくは、反応混合物を約8〜約20時間、より好ましくは約9〜約11時間加熱する。
式IXの化合物を得るための反応の進行は、例えば、出発材料である式VIIの化合物の量を監視することにより、HPLCによりモニタリングすることができる。
式IXの化合物は、ハロゲン化剤との反応前に回収してもよい。好ましくは、式IXの化合物は溶液の形で回収される。回収は当業者に周知の任意方法を使って実施することができる。好ましくは、式IXの化合物の溶液は、その分解を回避するかまたは最小限に抑えるような方法で回収される。そのような方法としては、非限定的に、抽出が挙げられる。好ましくは、式IXの化合物の溶液は、加熱した反応混合物を冷却し;反応混合物に水不混和性有機溶剤と水を添加し、水相と有機相を有する二相混合物を与え;その二相混合物を攪拌し;相を分離し;水相を水不混和性有機溶剤で抽出し、有機相をブラインで洗浄し、そして溶剤を部分的に留去して、式IXの化合物の濃縮溶液を与えることにより回収される。好ましくは、前記水不混和性溶剤は酢酸エチルまたはジクロロメタンである。前記加熱した反応混合物は、好ましくは約25℃の温度に冷却される。好ましくは、前記溶剤は40℃未満の温度、より好ましくは約37℃の温度で、真空下で留去される。
式IXの化合物の濃縮溶液は、該溶液から式IXの化合物を単離する必要なしに、ハロゲン化剤と反応させることができる。
典型的には、式IXの化合物の溶液を、少なくとも1つの極性非プロトン性有機溶剤の存在下でハロゲン化剤と反応させる。前記極性非プロトン性有機溶剤は、上述した式VIIの化合物と式VIIIの化合物とのカップリング反応に使用したものと同じであってもよい。好ましくは、前記極性非プロトン性有機溶剤は、エーテル、ニトリル、アミドおよびスルホキシドから成る群より選択される。好ましくは、前記エーテルはC4〜C6エーテル、例えばTHFである。好ましくは、前記ニトリルはC2〜C3ニトリル、例えばアセトニトリル(“ACN")である。好ましくは、前記アミドはC4〜C6アミド、例えばジメチルホルムアミド(“DMF")またはジメチルアセトアミド(“DMA")である。前記スルホキシドは、C2〜C4スルホキシド、例えばDMSOである。より好ましくは、前記極性非プロトン性有機溶剤はACNである。
典型的には、前記極性非プロトン性有機溶剤を式IXの化合物の溶液と混合して第二の溶液を提供する。好ましくは、前記第二の溶液は、ハロゲン化剤の添加の前に、約15℃〜約-15℃の温度、より好ましくは約5℃〜約-5℃の温度に冷却される。次いで、冷却された第二の溶液にハロゲン化剤を添加して混合物を与える。好ましくは、前記ハロゲン化剤はN-Br、N-ClまたはN-Iスクシンイミド;ジブロマンチン;N-Br、N-ClまたはN-Iフタルイミド;Br2;またはCl2であり、より好ましくはBr2である。
前記混合物は、式Xの化合物を得るのに十分な時間に渡り加熱することができる。好ましくは、前記混合物を約15℃〜約35℃、より好ましくは約20℃〜約30℃に加熱して式Xの化合物を得る。好ましくは、前記混合物を約1時間〜約4時間、より好ましくは約1.5時間〜約2.5時間維持しておく。
前記混合物から式Xの化合物を回収することができる。好ましくは、式Xの化合物は溶液の形で回収される。回収は当業者に周知の任意方法により実施することができる。好ましくは、分解を回避または最小限に抑えるような方法で、式Xの化合物の溶液が回収される。そのような方法としては、非限定的に、抽出が挙げられる。好ましくは、維持された混合物に水と硫黄還元剤を添加し;水不混和性有機溶剤と水を添加して、水性相と有機相を有する二相混合物を形成させ;そして有機相を分離し濃縮することにより、回収が行われる。
好ましくは、前記硫黄還元剤は、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、およびチオ硫酸カリウムから成る群より選択され、より好ましくは亜硫酸水素ナトリウムである。好ましくは、前記水不混和性有機溶剤はトルエン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルtert-ブチルエーテル、またはDCMである。好ましくは、水と硫黄還元剤を添加することで新規混合物を提供する。この新規混合物を約1時間攪拌する。好ましくは、前記有機相は約37℃の温度で真空下で濃縮される。
別の態様では、こうして得られた式Xの化合物を、下記式
Figure 2008543973
(式中、M1とM2は独立にアルカリ金属またはHのいずれかである)
のペメトレキセドまたはその塩に変換することができる。
本発明の方法によれば、化合物Xからペメトレキセドまたはその塩への変換は、式VIの化合物から調製される式IIの化合物を経由して行われる。この変換は下記のスキームVにより概略される。
Figure 2008543973
(RとYは上述した通りであり、そしてMはアルカリ金属またはHのいずれかである)。
上記方法により得られた式Xの化合物の溶液は、該溶液から式Xの化合物を単離する必要なしに、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジンと反応させて式VIの化合物を与えることができる。
一態様では、本発明は、式VIの化合物:
Figure 2008543973
(式中、RはCN、CONR'R"、
Figure 2008543973
であり、そしてR'とR"は独立にH、アルキルまたはアリールである)
を包含する。
好ましくは、RはCNである。好ましくは、R'とR"が共に水素である。
好ましくは、前記アルキルはC1〜C8アルキル、より好ましくはC1〜C6アルキルである。好ましくは、該C1〜C6アルキルはC1〜C4アルキル、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはイソブチルである。更により好ましくは、C1〜C4アルキルはメチルかエチルのいずれかであり、最も好ましくはメチルである。好ましくは、前記アリールはC6〜C14アリール、より好ましくはC6〜C9アリールである。好ましくは、該C6〜C9アリールはフェニルかトリルのいずれかであり、より好ましくはトリルである。
RがCNである時、前記式VIの化合物は、次の式:
Figure 2008543973
を有する4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾニトリルに相当する。
この4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾニトリルは、2.84、3.02、6.00、6.30、7.39、8.3、7.71、10.15および10.62 ppmのところにピークを有する1HNMR(DMSO-d6)スペクトルにより特徴付けられる。前記4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾニトリルは、m/z 280に〔(M+H)+〕ピークを有するMS(ES)によっても特徴付けられる。
上述したように、式VIの化合物はペメトレキセドまたはその塩の調製に用いられる。RがCNである式VIのペメトレキセド中間体、即ち、4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾニトリルの使用は、下記式IVのペメトレキセド中間体('262特許に開示されている)
Figure 2008543973
の使用を上回る利点を提供する。何故なら、シアノ誘導体は典型的には易結晶性であり、よって、エステル誘導体よりも結晶化および精製が容易であるからである。従って、本発明のシアノ中間体の使用は、'262特許のエステル中間体によって獲得することができるものよりも高純度でペメトレキセドを獲得できるようにする。
一態様では、本発明は、式VIの化合物の調製方法に関する。この方法は、式Xの化合物と下式
Figure 2008543973
の2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジンとを反応させて式VIの化合物を得;そして所望により式VIの化合物を回収することを含んでなる。
式Xの化合物は、更に単離することなく、上記方法によって得られた溶液の形で使用することができる。典型的には、式Xの化合物の溶液は、水と少なくとも1つの弱塩基の存在下で、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジンと反応せしめられる。前記弱塩基は、式VIIの化合物と式VIIIの化合物とのカップリング反応に使用したものと同じであることができる。弱塩基は無機弱塩基でも有機弱塩基でもよい。好ましくは、無機弱塩基は、酢酸リチウム、酢酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムから成る群より選択され、より好ましくは酢酸ナトリウムである。好ましくは、有機弱塩基は、トリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンから成る群より選択される。最も好ましくは、前記弱塩基は酢酸リチウムである。
典型的には、式Xの化合物、弱塩基および水の混合物に、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジンを添加して反応混合物を得る。次いでこの反応混合物を加熱することにより、上述の式VIの化合物を得ることができる。好ましくは、式VIの化合物を得るのに十分な時間の間、反応混合物を約20℃〜約40℃、より好ましくは約35℃〜約40℃の温度に加熱する。好ましくは、反応混合物を約1時間〜約4時間、より好ましくは約1.5時間〜約2.5時間加熱する。
式VIの化合物は、当業者に周知の任意方法により、反応混合物から回収することができる。そのような方法としては、非限定的に、反応混合物から式VIの化合物を沈澱させそして該沈澱を濾過することが挙げられる。好ましくは、式VIの化合物は、加熱した反応混合物を冷却して式VIの化合物の沈澱を含む懸濁液を提供し;該懸濁液を維持し;該懸濁液を濾過して沈澱を単離し;該沈澱を洗浄し;そして該沈澱を乾燥することにより、回収される。好ましくは、加熱反応混合物は約24℃の温度に冷却される。好ましくは、懸濁液は攪拌しながら約42時間維持される。
こうして得られた式VIの化合物は、少なくとも約93%のHPLC面積の化学純度を有し、好ましくは少なくとも約95.5%のHPLC面積、より好ましくは少なくとも約98%のHPLC面積の化学純度を有する。
別の態様では、かくして得られた式VIの化合物は、次の式:
Figure 2008543973
(式中、M1とM2は、独立にアルカリ金属かHのいずれかである)
を有するペメトレキセドまたはその塩へと変換することができる。
本発明の当該方法によれば、この変換は、式IIの化合物を経由して達成される。
別の態様では、本発明は、式VIの化合物を式IIの化合物に変換する方法に関する。該方法は、式VIの化合物を少なくとも1つの強塩基により加水分解して式IIの化合物を得;そして式IIの化合物を回収することを含んで成る。
典型的には、前記加水分解は溶剤の存在下で行われる。該溶剤は、水、または水と少なくとも1つの極性溶剤との混合物であることができる。適当な極性溶剤の例としては、非限定的に、アミド、スルホキシド、およびアルコールが挙げられる。好ましいアミドはDMFである。好ましくは、スルホキシドがDMSOである。好ましいアルコールはC1〜C4アルコールである。好ましくは、該C1〜C4アルコールはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールまたはイソブタノールである。
適当な強塩基としては、当業者に既知である任意の強塩基が挙げられる。典型的には、前記強塩基は無機塩基である。好ましくは、前記無機塩基はアルカリ塩基である。好ましくは、該アルカリ塩基はアルカリ水酸化物である。好ましくは、該アルカリ水酸化物は水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、および水酸化カリウムから成る群より選択される。
典型的には、前記式VIの化合物、強塩基、および溶剤を混合して、懸濁液を与える。次いで該懸濁液を加熱して式IIの化合物の溶液を得る。好ましくは、該懸濁液を約70℃〜約100℃の温度、より好ましくは約90℃〜約100℃の温度に、式IIの化合物を得るのに十分な時間の間、加熱する。好ましくは、該懸濁液を約2時間〜約4時間、より好ましくは約3時間〜約4時間加熱する。
式IIの化合物は、次の方法により回収することができる:該溶液を冷却し;該溶液のpHを約6〜約10に調整して懸濁液を得;該懸濁液から式IIの化合物を回収し(例えば、該懸濁液を濾過することにより、式IIの化合物を獲得する);そして所望により、式IIの化合物を乾燥する。好ましくは、該溶液は約30℃〜約5℃の温度、より好ましくは約25℃〜約15℃の温度に冷却する。好ましくは、冷却は、約1時間〜約2時間、より好ましくは約1.5時間〜約2時間の期間に渡り実施される。好ましくは、前記溶液のpHは、冷却溶液に希酸を添加することにより、約6〜約10、より好ましくは約7.5〜約9.5、更により好ましくは約8.5〜約9.5に調整される。好ましくは、前記酸はHCl、H2SO4、HNO3、HBr、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、並びにアルキルおよびアリールスルホン酸から成る群より選択される。より好ましくは、前記酸がHClである。好ましくは、前記希酸が約0.1M〜約2Mの濃度、より好ましくは約0.1M〜約1Mの濃度を有する。好ましくは、前記式IIの化合物は、加熱しながら真空乾燥される、例えば、式IIの化合物は約60℃の温度で、約18ミリバール(mbar)の圧力で、約16時間乾燥することができる。
こうして得られた式IIの化合物は、好ましくは少なくとも約93%のHPLC面積、好ましくは少なくとも約95%のHPLC面積、より好ましくは少なくとも約98%のHPLC面積、最も好ましくは約99.6%のHPLC面積の化学純度を有する。
所望により、式IIの化合物を更に精製してもよい。式IIの化合物は、約10〜約14のpHを有する式IIの化合物の溶液を提供し;該pHを約6〜約10に低下させて式IIの精製化合物を沈澱させ;そして精製された式IIの化合物を回収することを含んで成る方法により、精製される。
典型的には、前記約10〜約14のpHを有する式IIの化合物の溶液は、式IIの化合物を強塩基と化合させることにより提供される。好ましくは、該pHは約11〜約13である。好ましくは、前記強塩基はアルカリ水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウムである。好ましくは、前記強塩基の水溶液を式IIの化合物と混合する。約10〜約14のpHを有する式IIの化合物の溶液は、水混和性有機溶剤、例えばエタノール、メタノールまたはアセトンを含有してもよい。
好ましくは、該溶液のpHは、該溶液を酸と組み合わせることにより約6〜約10へと低下させられる。好ましくは、該溶液のpHは約7.5〜約9.5、より好ましくは約8.5〜約9.5に低下させられる。好ましくは、前記酸はHCl、H2SO4、HNO3、HBr、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、並びにアルキルおよびアリールスルホン酸から成る群より選択される。好ましくは、該溶液を希酸と混合する。好ましくは、前記希酸は約0.1M〜約2M、より好ましくは約0.1M〜約1Mの濃度を有する。
好ましくは、酸と溶液とを混合することで、懸濁液を提供する。好ましくは、該懸濁液を、攪拌しながら、約1時間〜約3時間維持する。固体を濾過し、水または所望により約9のpHを有する水性溶液で洗浄し、そして乾燥することにより、前記懸濁液から式IIの精製化合物を回収することができる。
更に別の態様では、上記方法により得られた式IIの化合物は、下記式
Figure 2008543973
(ここでM1とM2は上述した通りである)
のペメトレキセドまたはその塩に変換することができる。この変換は、例えば、米国特許第6,262,262号明細書(参考として本明細書中に組み込まれる)に開示された方法により実施することができる。式IIの化合物は、精製してまたは精製せずに、ペメトレキセドまたはその塩の調製に使用することができる。
幾つかの好ましい態様に関して本発明を説明してきたが、本明細書の考察から他の態様も当業者には明白であろう。本発明は下記の実施例への参照により更に明確にされる。本発明の範囲から逸脱することなく、材料および方法の両者に様々な改変を成しえることは、当業者に明白であろう。
実施例1:4-(4-ベンゾニトリル)ブタナール(化合物IX)の調製
4-ブロモベンゾニトリル(20g、109.87ミリモル)、酢酸リチウム(12.33g、120.86ミリモル)、塩化リチウム(13.97g、329.62ミリモル)、および塩化テトラブチルアンモニウム(14.35g、51.64ミリモル)を274mlのジメチルホルムアミドに溶解した。生じた溶液を水面下窒素パージにより脱気した。3-ブテン-1-オール(9.51g、11.30mL、131.85ミリモル)と酢酸パラジウム(672mg、2.75ミリモル)を該溶液に添加し、そして反応混合物を窒素雰囲気下で攪拌しながら約17時間の間65℃に加熱した。反応の進行は、出発の4-ブロモベンゾニトリルの残存量により、HPLCで追跡した。
HPLCにより測定した時に<0.4%の4-ブロモベンゾニトリル残存率であった時、反応が完全であると見なした。反応が完了した後、反応混合物を自然に25℃に冷却し、水(200mL)と酢酸エチル(200mL)を添加した。次いで反応混合物を更に10分間攪拌し、その後、相を分離した。有機相を保持し、水性相を酢酸エチル(200mL)で2回抽出した。全ての有機相を一緒にし、ブライン(100mL)で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。生じた表題化合物の溶液を、70mLの容積になるまで37℃にて濃縮し、そして周囲条件のもと保存した。
実施例2:1-ヒドロキシ-2-ブロモ-4-(4-ベンゾニトリル)ブタナール(化合物X)の調製
実施例1にて調製した4-(4-ベンゾニトリル)ブタナールの酢酸エチル溶液を、酢酸エチルがアセトニトリルにより置き換わるまで、アセトニトリルの分割連続添加(3×70mL)後に3回蒸発させた。生じた溶液に10分間窒素ガスを通気し、冷却浴を使って混合物を5℃に冷却し、臭素(17.6g、5.6mL、109.87ミリモル)を添加して、橙色溶液を得た。次いで、その溶液を冷却浴から取り出し、更に2時間攪拌した。残った臭素をクエンチング(失活)するために水(100mL)と亜硫酸水素ナトリウム(1.1g、10.90ミリモル)を添加し、生じた混合物を1時間攪拌した。次いで、混合物を塩化メチレン(100mL)と追加量の水(50mL)の間に分配させた。有機相を分離し、210mLの容積まで37℃にて濃縮した。生じた表題化合物1-ヒドロキシ-2-ブロモ-4-4(4-シアノフェニル)ブタナールの溶液は、次の反応の前に単離または更に精製しなかった。
実施例3:4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾニトリル(化合物VI)の調製
1-ヒドロキシ-2-ブロモ-4-4(4-シアノフェニル)ブタナールを含む実施例2からの塩化メチレン溶液70mLに、水(60mL)と酢酸ナトリウム(4.20g、51.19ミリモル)を添加した。その混合物に10分間窒素ガスを通気させ、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン(3.20g、25.37ミリモル)を添加した。該混合物を窒素雰囲気下で2時間40℃に加熱し、次いで24℃まで自然冷却した。懸濁液を24℃で42時間攪拌し、攪拌せずに2時間静置しておき、その後濾過した。収集した固体をアセトニトリル:水の1:1混合物(70mL)で洗浄した。濾過ケークを40℃で2時間真空乾燥し、白色粉末として1.0gの表題化合物を得た(HPLC純度95.8%)。
実施例4:4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸とそのナトリウム塩の混合物(化合物II)の調製
段階a.4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸ナトリウム塩の調製
フラスコに4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾニトリル(4.1g)と2M水酸化ナトリウム水溶液(40mL)を入れた。懸濁液を90℃で3時間攪拌すると、その間に透明溶液が得られた。その溶液を次いで24℃に1.5時間冷却し、希塩酸の添加によりpHを9に調整した。生じた懸濁液を1時間攪拌し、濾過し、固体をオーブン中で真空乾燥し、上記生成物(3.8g)を得た(HPLC純度99.6%)。
段階b.4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸ナトリウム塩からその遊離酸への変換
段階aの混合物を水(6容)に懸濁した。次いで水中の2M水性水酸化ナトリウム溶液でpHを約12に修正し、完全に溶解するまで該混合物を攪拌した。次いで6N水性塩酸によりpHを約4.4に修正して懸濁液を得た。次いで、その懸濁液を約2時間攪拌し、4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸を濾過し、オーブン中で真空乾燥した。こうして得られた4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸はHPLCにより約99.6%の純度を有する。
実施例5:4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸(化合物II)の精製
フラスコに4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸(5.0g;93.85%のHPLC純度)と水(30mL)を入れ、2M水性水酸化ナトリウム溶液を使ってpHを約13に修正すると、完全な溶解が観察された。次いで1M水性塩酸溶液によりpHを約9に調整すると、豊富な固体形成が観察された。生じた懸濁液を約25℃にて1時間攪拌し、固体を濾過により収集し、オーブン中で真空乾燥し、白色固体として99.6%純度(HPLC)で4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸ナトリウム塩を得た。
1HNMR(DMSO-d6)δ2.84 (m,2H), 3.02 (m,2H), 6.00 (bs,2H), 6.30 (bs,1H), 7.39 (d,J=8.3 Hz,2H), 7.71 (d,J=8.2 Hz,2H), 10.15 (bs,1H), 10.62 (bs,1H);MS(ES)m/z 280〔(M+H)+〕。
4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸ナトリウム塩は、上記実施例4bに記載の手順により表題化合物に変換することができる。
実施例6:N-(4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-1H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾイル)-L-グルタミン酸ジエチルエステルp-トルエンスルホン酸塩の調製(米国特許第6,262,262号特許に基づく)
フラスコに1.93gの4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-1H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕安息香酸または実施例4で得られた混合物、および13.5mLのジメチルホルムアミドを投入した。スラリーを20分間攪拌し、1.94gのN-メチルモルホリンを添加した。混合物を5℃に冷却し、そして1.46gのクロロジメトキシトリアジンを一度に全部添加した。
該混合物を1時間攪拌し、次いで1.99gのL-グルタミン酸ジエチルエステル塩酸塩を添加した。反応液を周囲温度にまで温めた。反応の終了は約1時間後にHLPCによりモニタリングした。その時点で36mLの水と36mLのジクロロメタンを反応混合物に添加し、該反応混合物を15分間攪拌し、相を分離した。有機相を収集し、13gまで濃縮し、次いで60mLの無水エタノールにより置換した。該溶液を75℃に加熱し、55mLの無水エタノール中に溶かした3.16gのp-トルエンスルホン酸を滴下添加した。生じたスラリーを1時間還流させ、次いで周囲温度に冷却し、濾過した。湿潤ケークを乾燥し、25mLのエタノールで洗浄し、40℃のオーブン中で一晩真空乾燥すると、3.66gの表題化合物が得られた。
実施例7:N-(4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-1H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾイル)-L-グルタミン酸の調製(米国特許第6,262,262号に基づく)
N-(4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-1H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾイル)-L-グルタミン酸ジエチルエステルp-トルエンスルホン酸塩(1.0g)を6.7mLの水性水酸化ナトリウムに溶解し、完全な溶液が得られるまで攪拌した。6mLの水を添加し、希塩酸の添加によりpHを3.0〜3.5に調整した。生じたスラリーを1時間70℃に加熱し、次いで濾過すると、99.6%純度(HPLC)において表題化合物が得られた。
実施例8:米国特許第6,262,262号に従ったN-(4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-1H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾイル)-L-グルタミン酸二ナトリウム塩の調製
実施例7のN-〔4-〔2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-1H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾイル〕-L-グルタミン酸を水(3.8mL)と1N水酸化ナトリウム(2.2mL)中に溶解した。1N塩酸の添加により、混合物のpHを7.5-8.5に調整した。該溶液を70℃に加熱し、無水エタノール(40mL)を該混合物に添加した。溶液をゆっくりと室温まで放冷した。スラリーを濾過し、無水エタノールと水(4:1)の混合物で洗浄した。生じた白色固体を50℃のオーブン中で18時間に渡り真空乾燥した。

Claims (76)

  1. 下記式Xの化合物
    Figure 2008543973
    (ここで、RはCN、CONR'R"、
    Figure 2008543973
    であり;R'およびR"は独立にH、アルキルまたはアリールであり;そしてYはハロゲン脱離基である)。
  2. RがCNである、請求項1に記載の化合物。
  3. R'およびR"が共に水素である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. Yがヨード、ブロモまたはクロロである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 下記式Xの化合物の調製方法であって、
    Figure 2008543973
    a)下記式VIIの化合物:
    Figure 2008543973
    を、下記式VIIIの化合物:
    Figure 2008543973
    及びHeckカップリング反応に適当な触媒と反応させ、下記式IXの化合物:
    Figure 2008543973
    を得;そして
    b)式IXの化合物をハロゲン化剤と反応させて式Xの化合物を得ることを含んでなり、
    ここでX'は脱離基であり、RはCN、CONR'R"、
    Figure 2008543973
    であり、R'およびR"は独立にH、アルキルまたはアリールであり、X"はOまたはSのいずれかであり、そしてYはハロゲン脱離基である、式Xの化合物の調製方法。
  6. RがCNである、請求項5に記載の方法。
  7. R'およびR"が共に水素である、請求項5または6に記載の方法。
  8. Yがヨード、ブロモまたはクロロである、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. X'がヨード、ブロモ、クロロ、メタンスルホニル、トルエンスルホニルおよびトリフルオロメタンスルホニルから成る群より選択される、請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. X"がOである、請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記式IXの化合物が段階a)より溶液の形で回収され、そして該溶液が段階b)で使用される、請求項5〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記方法が式Xの化合物を溶液の形で回収することを更に含んでなる、請求項5〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 段階a)の反応が、(i)少なくとも1つの極性非プロトン性有機溶剤または少なくとも1つのイオン性液体、および(ii)少なくとも1つの弱塩基の存在下で実施される、請求項5〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記極性非プロトン性有機溶剤が、アミド、スルホキシド、ピロリドン、エーテル、ハロゲン化炭化水素およびケトンから成る群より選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記極性非プロトン性有機溶剤がC2〜C6アミド、C2〜C4スルホキシド、C4〜C6ピロリドン、C2〜C4エーテル、C1〜C3ハロゲン化炭化水素、およびC3〜C6ケトンから成る群より選択される、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記極性非プロトン性有機溶剤が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、1,1-ジクロロエタン、アセトン、メチルイソブチルケトンおよびメチルエチルケトンから成る群より選択される、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記極性非プロトン性有機溶剤がジメチルホルムアミドである、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記弱塩基が約7.5〜約10.5のpKaを有する、請求項13〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記弱塩基が酢酸リチウム、炭酸水素リチウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、およびジイソプロピルエチルアミンから成る群より選択される、請求項13〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記弱塩基が酢酸リチウムである、請求項13〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記弱塩基が塩化リチウムまたは塩化ナトリウムと組み合わせて提供される、請求項13〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記イオン性液体が、ハロゲンイオンまたはテトラフルオロホウ酸アニオンを有するメチルイミダゾリウムまたはピリジニウムイオンである、請求項13〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記Heckカップリング反応に適当な触媒がパラジウム(0またはII)触媒である、請求項5〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記Heckカップリング反応に適当な触媒が、酢酸パラジウム(II)、プロピオン酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、Pdテトラキス(PPh3)、Pd(dba)2およびPdCl2(dppf)から成る群より選択される、請求項5〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記Heckカップリング反応に適当な触媒が酢酸パラジウムである、請求項5〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記式VIIの化合物、式VIIIの化合物およびHeckカップリング反応に適当な触媒が、相転移触媒の存在下で反応せしめられる、請求項5〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記相転移触媒が塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、および臭化トリエチルベンジルアンモニウムから成る群より選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記相転移触媒が塩化テトラブチルアンモニウムである、請求項26または27に記載の方法。
  29. 前記式VIIの化合物、式VIIIの化合物およびHeckカップリング反応に適当な触媒を加熱することにより式IXの化合物が得られる、請求項5〜29のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記式VIIの化合物、式VIIIの化合物およびHeckカップリング反応に適当な触媒を、約40℃〜約100℃の温度に加熱する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記式IXの化合物を、少なくとも1つの極性非プロトン性有機溶剤の存在下でハロゲン化剤と反応させる、請求項5〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記極性非プロトン性有機溶剤がエーテル、ニトリル、アミドおよびスルホキシドから成る群より選択される、請求項31に記載の方法。
  33. 前記極性非プロトン性有機溶剤がC4〜C6エーテル、C2〜C3ニトリル、C4〜C6アミド、およびC2〜C4スルホキシドから成る群より選択される、請求項31または32に記載の方法。
  34. 前記極性非プロトン性有機溶剤が、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシドから成る群より選択される、請求項31〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記極性非プロトン性有機溶剤がアセトニトリルである、請求項31〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記式IXの化合物を前記ハロゲン化剤と反応させる前に冷却する、請求項5〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記式IXの化合物を約15℃〜約-15℃の温度に冷却する、請求項36に記載の方法。
  38. 前記ハロゲン化剤がN-Brスクシンイミド(ブロモスクシンイミド)、N-Clスクシンイミド(クロロスクシンイミド)、N-Iスクシンイミド(ヨードスクシンイミド)、ジブロモマンチン;N-Brフタルイミド、N-Clフタルイミド、N-Iフタルイミド、Br2またはCl2である、請求項5〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記ハロゲン化剤がBr2である、請求項5〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記式IXの化合物とハロゲン化剤を加熱して式Xの化合物を得る、請求項5〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記式IXの化合物とハロゲン化剤を約15℃〜約35℃の温度に加熱する、請求項40に記載の方法。
  42. 下記式VIの化合物:
    Figure 2008543973
    (RはCN、CONR'R"、
    Figure 2008543973
    であり、そしてR'およびR"は独立にH、C1〜C8アルキルまたはC6〜C14アリールである)。
  43. RがCNである、請求項42に記載の化合物。
  44. R'およびR"が共に水素である、請求項42に記載の化合物。
  45. 約2.84,3.02,6.00,6.30,7.39,8.3,7.71,10.15および10.62ppmにピークを有する1HNMR(DMSO-d6)スペクトルにより特徴づけられる、請求項43に記載の化合物。
  46. m/z 280に[(M+H)+]ピークを有するMS(ES)により特徴づけられる、請求項43または45に記載の化合物。
  47. 下記式VIの化合物の調製方法であって、
    Figure 2008543973
    下記式Xの化合物:
    Figure 2008543973
    を、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジンと反応させて式VIの化合物を得ることを含んで成り、
    ここでX'は脱離基であり、RはCN、CONR'R"、
    Figure 2008543973
    であり、R'およびR"は独立にHであり、そしてYはハロゲン脱離基である、式VIの化合物の調製方法。
  48. RがCNである、請求項47に記載の方法。
  49. R'およびR"が共に水素である、請求項47または48に記載の方法。
  50. Yがヨード、ブロモまたはクロロである、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記式Xの化合物が請求項5〜41のいずれか一項に記載の方法により調製される、請求項47〜50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記式Xの化合物が水および少なくとも1つの弱塩基の存在下で2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジンと反応せしめられる、請求項47〜51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記弱塩基が無機塩基である、請求項52に記載の方法。
  54. 前記無機塩基が酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび酢酸リチウムから成る群より選択される、請求項53に記載の方法。
  55. 前記弱塩基が有機塩基である、請求項52に記載の方法。
  56. 前記有機塩基がトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンから成る群より選択される、請求項55に記載の方法。
  57. 前記弱塩基が酢酸リチウムである、請求項52に記載の方法。
  58. 前記式Xの化合物、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、
    塩基および水を加熱して、式VIの化合物を得る、請求項52〜57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記式Xの化合物、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、
    塩基および水を約20℃〜約40℃の温度に加熱する、請求項58に記載の方法。
  60. 前記式VIの化合物を回収することを更に含んで成る、請求項47〜59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 下記式IIの化合物の調製方法であって、
    Figure 2008543973
    a)下記式VIの化合物:
    Figure 2008543973
    を、少なくとも1つの強塩基により加水分解して式IIの化合物を得;そして、所望により、
    b)式IIの化合物を回収する
    ことを含んでなり、ここで
    Mはアルカリ金属かHのいずれかであり;RはCN、CONR'R"、
    Figure 2008543973
    であり;そしてR'およびR"は独立にHである、式IIの化合物の調製方法。
  62. 前記式VIの化合物が請求項47〜60のいずれか一項の方法により調製される、請求項61に記載の方法。
  63. 前記加水分解が、水または水と少なくとも1つの極性溶剤との混合物の存在下で実施される、請求項61または62に記載の方法。
  64. 前記極性溶剤がアミド、スルホキシドまたはアルコールである、請求項63に記載の方法。
  65. 前記アルコールがC1〜C4アルコールである、請求項64に記載の方法。
  66. 前記極性溶剤がジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールまたはイソブタノールである、請求項63に記載の方法。
  67. 前記強塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムおよび水酸化カリウムから成る群より選択される、請求項61〜66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記式VIの化合物と前記強塩基の懸濁液を加熱して式IIの化合物の溶液を得る、請求項61〜67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記式VIの化合物と前記強塩基の懸濁液を約70℃〜約100℃の温度に加熱する、請求項68に記載の方法。
  70. 前記式IIの化合物を含有する溶液を冷却し;該溶液のpHを約6〜約10に調整して懸濁液を得;該懸濁液から式IIの化合物を回収することを含んで成る方法により、式IIの化合物が回収される、請求項61〜69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記式IIの化合物を精製することを更に含んで成る、請求項61〜70のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記式IIの化合物が、約10〜約14のpHを有する式IIの化合物の溶液を提供し;pHを約6〜約10に低下させることにより、式IIの精製化合物を沈澱させ;そして該式IIの精製化合物を回収することを含んで成る方法により精製される、請求項71に記載の方法。
  73. 下記式IIの化合物の調製方法であって、
    Figure 2008543973
    a)下記式VIIの化合物
    Figure 2008543973
    、下記式VIIIの化合物
    Figure 2008543973
    、およびHeckカップリング反応に適当な触媒を反応させて、下記式IXの化合物
    Figure 2008543973
    を得;
    b)式IXの化合物とハロゲン化剤とを反応させて、下記式Xの化合物
    Figure 2008543973
    を得;
    c)式Xの化合物と2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジンとを反応させて、下記式VIの化合物
    Figure 2008543973
    を得;
    d)式VIの化合物を少なくとも1つの強塩基により加水分解して、式IIの化合物を得;そして、所望により
    e)式IIの化合物を回収する
    ことを含んで成り、ここで
    Mはアルカリ金属かHのいずれかであり;X'は脱離基であり;RはCN、CONR'R"、
    Figure 2008543973
    であり;R'およびR"は独立にH、アルキルまたはアリールであり;X"はOまたはSのいずれかであり;そしてYはハロゲン脱離基である、式IIの化合物の調製方法。
  74. 下記式のペメトレキセドまたはその塩
    Figure 2008543973
    (ここでM1とM2は独立にアルカリ金属かHのいずれかである)
    の調製方法であって、
    a)請求項5〜41のいずれか一項に記載の方法により式Xの化合物を調製し;そして
    b)該式Xの化合物をペメトレキセドまたはその塩に変換する
    ことを含んで成る方法。
  75. 下記式のペメトレキセドまたはその塩
    Figure 2008543973
    (ここでM1とM2は独立にアルカリ金属かHのいずれかである)
    の調製方法であって、
    a)請求項47〜60のいずれか一項に記載の方法により式VIの化合物を調製し;そして
    b)該式VIの化合物をペメトレキセドまたはその塩に変換する
    ことを含んで成る方法。
  76. 下記式のペメトレキセドまたはその塩
    Figure 2008543973
    (ここでM1とM2は独立にアルカリ金属かHのいずれかである)
    の調製方法であって、
    a)請求項61〜73のいずれか一項に記載の方法により式IIの化合物を調製し;そして
    b)式IIの化合物をペメトレキセドまたはその塩に変換する
    ことを含んで成る方法。
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