JP3269192B2 - 2−ハロゲン−4,6−ジアルコキシ−ピリミジンの製造方法 - Google Patents

2−ハロゲン−4,6−ジアルコキシ−ピリミジンの製造方法

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JP3269192B2 JP19103393A JP19103393A JP3269192B2 JP 3269192 B2 JP3269192 B2 JP 3269192B2 JP 19103393 A JP19103393 A JP 19103393A JP 19103393 A JP19103393 A JP 19103393A JP 3269192 B2 JP3269192 B2 JP 3269192B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、一般式
【0002】
【化5】
【0003】[式中、Xはハロゲン原子を、R1および
2は、同一であるか、または異なるものであって、C1
〜C4アルキル基を意味する。]の2−ハロゲン−4,
6−ジアルコキシピリミジンを、プロパンジイミデート
またはその塩を原料として製造するための新規な方法に
関する。
【0004】2−ハロゲン−4,6−ジアルコキシピリ
ミジンは、除草効果を有する2−フェノキシピリミジン
誘導体を製造するための重要な中間体である(JP−A
03200784)。
【0005】2−ハロゲン−4,6−ジアルコキシピリ
ミジン誘導体の既知の製造方法は、J.A.ビーおよび
F.L.ローズ,J.Chem.Soc.,1966,
2031〜2038頁に記載されている。 この方法で
は、2−アミノ−4,6−ジメトキシ−ピリミジンを亜
硝酸ナトリウムでジアゾ化し、続いて濃塩酸で加水分解
することにより、2−ハロゲン−4,6−ピリミジン誘
導体である2−クロロ−4,6−ジメトキシ−ピリミジ
ンを合成している。 この方法の大きな欠点は、2−ク
ロロ−4,6−ジメトキシピリミジンの収率が非常に悪
いことである。
【0006】本発明の目的は、これらの欠点を無くし、
簡単で経済的であり、かつ生成物が良好な収率で得られ
る、2−ハロゲン4,6−ジアルコキシピリミジン誘導
体の製造方法を提供することにある。
【0007】この目的は、請求項1に規定した新規な方
法により達成される。 本発明の方法においては、第一
工程で、一般式
【0008】
【化6】
【0009】[式中、R1およびR2は上記の意味を有す
る。]のプロパンジイミデートまたはその塩を、塩基の
存在下、7を超えるpH値で、式
【0010】
【化7】
【0011】のシアナミドを用いて、一般式
【0012】
【化8】
【0013】[式中、R1およびR2は上記の意味を有す
る。]のシアンイミデートに変換し、これを第二工程で
ハロゲン化水素により式Iの最終生成物に変換する。
【0014】本発明の方法に使用する原料であるプロパ
ンジイミデート(式II)またはその塩は、既知の方法
により、マロン酸ジニトリルを原料として製造すること
ができる(マックエルバインおよびシュレーダー,J.
Am.Chem.Soc.,1949,71,40
頁)。
【0015】プロパンジイミデートの基R1およびR
2は、同一であるか、または異なるものであって、メチ
ル、エチル、プロピル、またはブチル基のいずれかであ
ることが有利である。 好ましくは、プロパンジイミデ
ートとして1,3−ジメチルプロパンジイミデート(R
1=R2=メチル基)を使用する。
【0016】本発明の方法の第一工程は、プロパンジイ
ミデートまたはその塩を塩基およびシアナミド(式II
I)の溶液に加え、pHを7を超える値に調節して行な
うことが有利である。
【0017】プロパンジイミデートの塩としては、たと
えばフッ化−、塩化−または臭化水素酸の塩のようなモ
ノハロゲン化水素酸塩、またはジハロゲン化水素酸塩を
使用することができる。 好ましくは、ジ塩化水素酸塩
を使用する。
【0018】塩基としては、たとえばアルカリ金属また
はアルカリ土類金属の炭酸水素塩、炭酸塩、水酸化物ま
たはアルコラートを使用することができる。
【0019】好ましくは、塩基としてアルカリ金属炭酸
水素塩、たとえば炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カ
リウム、とくに炭酸水素カリウムを使用する。
【0020】塩基は、プロパンジイミデートに対して等
モルか、またはやや過剰に、好ましくはプロパンジイミ
デート1モルあたり1〜1.1モルの量で使用するのが
有利である。
【0021】シアナミドも、プロパンジイミデートに対
して等モルか、またはやや過剰に使用することができ
る。 好ましくはシアナミドは、プロパンジイミデート
1モルあたり1〜1.5モルの量で使用するのが有利で
ある。
【0022】第一工程における変換はpH7〜12、好
ましくは7〜9で行なうのが有利である。
【0023】第一工程における変換は−25〜150
℃、好ましくは0〜50℃で行なうのが有利である。
【0024】第一工程に好適な溶剤は、たとえば水、ア
セトンまたはメチルイソブチルケトンのようなケトン、
メタノールまたはエタノールのようなアルコール、トル
エンまたはキシレンのような炭化水素、ジクロロメタン
または1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化
水素、酢酸メチルまたは酢酸エチルのようなエステルで
ある。 これらの溶剤混合物も使用できる。
【0025】好ましくは溶剤として水を使用する。
【0026】通常1〜10時間の変換時間の後、一般式
IVのシアンイミデートを当業者には一般的な方法によ
り分離することができる。
【0027】第二工程では、シアンイミデートをハロゲ
ン化水素により式Iの最終生成物に変換する。
【0028】ハロゲン化水素としては、塩化水素、臭化
水素またはヨウ化水素を使用することができる。 好ま
しくは、塩化水素または臭化水素を使用する。
【0029】ハロゲン化水素はシアンイミデート1モル
あたり2〜20モルの量で使用できる。 好ましくは、
ハロゲン化水素は反応容器に気体の形で飽和するまで導
入する。
【0030】第二工程の温度は−50〜50℃、好まし
くは−20〜10℃が有利である。
【0031】第二工程に好適な溶剤は、不活性有機溶
剤、たとえばテトラヒドロフラン、トルエン、アセトニ
トリル、塩化メチレンまたは低沸点アルコールである。
好ましくは、テトラヒドロフランまたはトルエンを使
用する。
【0032】通常1〜10時間の変換時間の後、式Iの
2−ハロゲン−4,6−ジアルコキシピリミジンを、当
業者には一般的な方法により分離することができる。
【0033】
【実施例1】2−クロロ−4,6−ジメトキシピリミジンの製造 炭酸水素カリウム10gを水50mlに溶解させ、0℃
に冷却した後、シアナミド5.58gを加えた。 pH
値は8.3であった。 続いて0℃で約7分間の間に、
ジメチルプロパンジイミデート−ジハイドロクロライド
20.3gを加えたが、この間にCO2が発生した。
加えた後、室温に温めたところ、黄色の透明溶液から固
体が沈殿した。 室温で4時間後、沈殿した固体を濾別
し、水20mlで洗浄した。 濾過後の残留物を、真空
中、20℃で2日間乾燥させることにより、3−アミノ
−3−メトキシ−N−シアノ−2−プロペンイミデート
11.17gが白色固体として得られたので、これをN
2気流中でテトラヒドロフラン50ml中に分散させ、
−20℃に冷却した。 この分散液に、−20℃〜−1
5℃で、合計40gのHClガスを飽和させた。 HC
lを5時間導入した後、反応混合物を5〜10℃に温
め、回転蒸発装置で十分に濃縮した。 蒸発残留物を水
50ml中に採り、撹拌し、濾過した。 フィルター残
留物を水50mlで3回洗浄して塩素を除去し、真空
中、30℃で一晩乾燥させた。 2−クロロ−4,6−
時メトキシピリミジン10.12gが白色結晶として得
られた(GC98.4%)が、これは投入したジメチル
プロパンジイミデート−ジハイドロクロライドに対して
57%の収率に相当する。
【0034】
【実施例2】2−ブロモ−4,6−ジメトキシピリミジンの製造 3−アミノ−3−メトキシ−N−シアノ−2−プロペン
イミデートの製造(第一工程)は、実施例1と同様に行
なった。 3−アミノ−3−メトキシ−N−シアノ−2
−プロペンイミデート5gをトルエン50mlに加え
た。 この分散液を−5℃に冷却した。 続いてこの温
度で3時間、HBrガスを反応分散液中に導入した。
この混合物を回転蒸発装置で濃縮し、残留物を酢酸エチ
ル中に採り、水で洗浄した。 有機相をNa2SO4で乾
燥し、蒸発させた。 生成物0.67gが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルネ イムヴィンケルリート スイス国 カントン・ヴァリス ブリッ ク−グリス クロスターヴェク 1 (56)参考文献 欧州特許出願公開476554(EP,A 1)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中、Xはハロゲン原子を、R1およびR2は、同一で
    あるか、または異なるものであって、C1〜C4アルキル
    基を意味する。]の2−ハロゲン−4,6−ジアルコキ
    シピリミジンの製造方法において、第一工程で、一般式 【化2】 [式中、R1およびR2は上記の意味を有する。]のプロ
    パンジイミデートまたはその塩を、塩基の存在下、7を
    超えるpH値で、式 【化3】 のシアナミドにより、一般式 【化4】 [式中、R1およびR2は上記の意味を有する。]のシア
    ンイミデートに変換し、これを第二工程でハロゲン化水
    素により式Iの最終生成物に変換することを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 第一工程におけるプロパンジイミデート
    として1,3−ジメチルプロパンジイミデートまたはそ
    の塩を使用することを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 第一工程における塩基として、アルカリ
    金属炭酸水素塩を使用することを特徴とする請求項1ま
    たは2の方法。
  4. 【請求項4】 第一工程における変換をpH7〜12で
    行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの方
    法。
  5. 【請求項5】 第一工程における変換を−25〜150
    ℃の温度で行なうことを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかの方法。
  6. 【請求項6】 第二工程におけるハロゲン化水素とし
    て、塩化水素または臭化水素を使用することを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかの方法。
  7. 【請求項7】 第二工程における変換を−50〜50℃
    の温度で行なうことを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かの方法。
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