JP2008541144A - レーザ走査型顕微鏡のピンホール開口およびピンホール位置を高い再現精度で調整するための装置および方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ピンホール位置の調整が2μmの再現精度誤差しかない場合は、小さなピンホール開口に当たる光により、かなりの口径食が発生することがある。
この仮想ポインタの位置決定は、レーザ走査型顕微鏡に取り付けられる1つのCCDカメラによって行われるのが有利である。この仮想ポインタの、たとえばCCDチップの1つの角のところにX軸とY軸の原点を有する座標系に関する位置が、電子メモリに保存され、マーキングされたそれぞれのピンホール位置をいつでも任意の回数だけ0.5μmの再現精度で検索するために利用される。そのために、0.3μmの解像度をもつ複数のステッピング・モータ・ドライブが、1つの制御ループ内で動作され、この制御ループにより、CCDカメラによって確認されたピンホール開口の実際の位置が仮想ポインタと比較され、偏差が補正されるようになっている。
光電倍増管または受光器は、局所的な解像度をもたないフラットパネル検出器であるため、この解決策の場合は、ピンホール開口のサイズの決定および制御を断念しなければならない。しかし、それによって決定的な不都合がもたらされることはない。というのも、サイズ2μmから50μmまでの小さなピンホール開口の高い再現精度での調整が参照方法(参照は、ピンホールが正に開いており、光が光電倍増管に当たる場合に行われる)によって保証され、50μmから1,000μmまでの大きなピンホール開口の高い再現精度での調整が、高解像度のステッピング・モータ・ドライブによって保証されるからである。
1.1 光学装置(図1、2および3)
マーキング工程のために、ピンホールは、倍率が10倍のレンズVOにより、約10×10mm2大のCCDチップの面上に投影される。
XY座標系の原点としては、たとえばCCD面の左下角が利用される。マーキング工程のためには、ピンホール開口の適切な照明が実現されなければならない。照射は、3つのカラー・ダイオード(赤、緑、青)からなる1つの白色光LEDによって行われるのが有利であり、その結果、使用されるダイクロイック・ミラーの種類に関係なく、照射が保証されるようになる。マーキング工程のためには、有利には1つのIR−LED(900nm)をも使用することができる。その場合は、ダイクロイック・ミラーおよびフィルタが、IRを透過するように構成されるべきである。以下で説明する、CCD受像器を備える光学装置の例はすべて、レーザ・スキャン工程に影響を与えるものではなく、またその際に試料から発する光の損失をもたらすことも皆無である。
LEDによるピンホール開口の表側の照明(図1)
レーザ・スキャン顕微鏡は、試料Pを照射する1つの照射レーザL、1つの対物レンズO、1つのピンホール・レンズPO、光軸に対して垂直に調整可能な1つのピンホールPH、これに後置される1つの光電倍増管PMT、励起光路と検出光路とを分離する1つのダイクロイック・ミラーSPにより、模式的に示されている。1つのサブ・カラー・スプリッタにより、第2の波長をもつ蛍光を同時に照射できるようになっている。
光電倍増管PMTとピンホールPHとの間に配置される1つのLEDまたはハロゲンランプにより、1つのコンデンサKOを介して、ピンホールPHの裏側が、同様に3色またはIRで照射される。ピンホール開口は、少なくとも1つの補助ミラーSP1(ここでは2つのミラーSP1およびSP2)を介し、レーザ走査型顕微鏡内に配置された1つの光学アーム(レンズPO1およびVO)を経由してCCD上に投影される。レーザ走査型顕微鏡の光路内に配置される少なくとも1つの補助ミラーは、レーザ・スキャン工程のためには光路外に旋回可能であり、マーキング工程のためには光路内に精密に旋回可能であるように構成される。レーザ・スキャン工程においては、LEDがオフにされ光路外に旋回される。光電倍増管は、光路外へ旋回させる必要はない。図1、2において、ピンホール位置の調整のために、LEDの代わりにレーザおよびCCDを使用することも可能であるが、いずれにせよ試料には負荷がかかることになる。
レーザおよびリング・ミラーによる検出器ピンホールの照明(図3)
ピンホールの照明は、表側については、レーザと、レーザ走査型顕微鏡の内部のテレセントリック光線域に、この場合は対物レンズOとミラーSPとの間に配置された、1つのリング・ミラーRSによって行われ、このリング・ミラーは、ダイクロイック・ミラーSPのコーティングが施されていない周縁部領域で、レーザ光をピンホールPHに向かって反射するようになっている。光電倍増管は、マーキング工程においてはレーザ走査型顕微鏡の光路外に旋回される。リング・ミラーRSは、レーザ・スキャン工程において、レーザ光が光路内に旋回されたフィルタ(不図示)によって遮断され、フォト・マルチプライヤには到達し得ないため、光路外にリング・ミラーRSを旋回させる必要はない。
ピンホール開口のレーザ・マーキングおよび制御(図4および5)
PCまたはマイクロ・コントローラは、CCD信号を評価し、ピンホール開口の輝度重心を決定し、ピンホール開口のマーキングされるべき位置のxy座標を記憶する。CCDのピクセル・サイズは約6μmである。ここではCCDカメラの光学倍率が10倍であるので、再現精度に対する要求は0.5μmから5μmへと緩和される。
ピンホールの開口率および位置は、本発明による装置および本発明による方法により、任意の回数だけ、あらゆる地点において、0.5μmの再現精度で決定し調整することができる。しかし、いずれにせよ、標準器として利用されるCCDカメラは、長期的にもレーザ走査型顕微鏡の光路に対して位置変化が許されることはない。
図6には、カールツァイスLSM510用の、図2に示された本発明による装置の例示的実施形態が示されている。4つのピンホールの裏側が、光路内に旋回する、直列に接続された複数のLED、およびそれぞれにつき1つのコンデンサによって照射される。光路内に精密に旋回可能な1つの補助ミラーSP3により、ピンホールから来る光がCCDチップに偏向され、その信号が評価される。4つのピンホール全てのマーキングおよび調整のために、レーザ走査型顕微鏡において必要とされるCCDカメラが1台だけであること、および、メイン・ダイクロイック・ミラーに起因して生じるマーキング誤差についても検出されることが、有利である。
図7においては、レーザビームと同じ位置を有するはずの1つの軸方向の光ポインタが、複数の補助光学素子によって発生される。
この傾斜姿勢の調整は、LSMの初回キャリブレーションの際に、ピンホールを検索アルゴリズムによりレーザ焦点に合わせて調整し、続いて、LED焦点が基準ピンホールを通り抜け、その後方に位置する光検出器PEが最大輝度を有するように、開口絞り板を位置調整することによって行われる。
PMTおよびレーザは、この調整には不要である。
図9においては、1つの絞りDPのピンホール平面内への光学投影により、1×1mm大のピンホール調整域に100×100=104個の光ポインタからなる1つの面積基準が作成される。ピンホールおよび光電倍増管は、高解像度のステッピング・モータ・ドライブにより、任意のどの光ポインタをも高い再現精度で捕捉し、それから出発して、任意のピンホール位置を10×10μm大の1つの正方形内で調整することができる。この絞りは、複数の貫通穴(直径5μm、間隔10μm)がマトリックス状に設けられた、サイズ1×1mmの1つのクロム・マスクまたはクロス・グリッドである。
f=150mm 投影レンズLの焦点距離
d= 10mm 四重極素子の各マイクロレンズ間の距離
λ=630nm 赤色レーザ・ダイオード
および次の回折式
g=λ・f/d
から、
g=9.5μm
のピンホールの、ピンホール平面内のマトリックス状の各光ポインタ間の距離が求められ、光電倍増管は、高解像度のステッピング・モータ・ドライブにより、任意のどの光ポインタをも高い再現精度で捕捉することが可能であり、それから出発して、任意のピンホール位置を9.5×9.5μm大の正方形内で調整することができる。
−本方法により、ピンホール開口をレーザ焦点に対し0.3μmよりも良好に位置合わせすることができる。
−押し込まれた光学素子(レトロ・フォイルまたはトリプル・プリズム)により、試料は、レーザ負荷を受けず、フェードし得ないので、試料調査中にもピンホールの位置調整を実行することができる。
−たとえばサイズ3μmの小さなピンホール開口を、位置測定システムを使用しなくても、0.3μmに正確に位置調整することができる。
−ピンホールにおけるこの位置調整のために、レーザ光の全輝度を利用できるようにするためには、光路内に配置されるカラー・フィルタを可能な限りゼロとすること。
−もう1つの本発明の提案では、スプリット・ミラーおよびカラー・フィルタの切り換え時に、いかにしてレーザビームの角度誤差を回避できるかが記述される。
−(ミラーは3点接触方式)。
−この方法は、図3に示されるリング・ミラー法に似ているが、位置調整の際に、試料にレーザ光による負荷がかかり、リング・ミラーの光軸に対して垂直な正確な位置合わせを前提とする。
Claims (21)
- レーザ・スキャン顕微鏡(LSM)のピンホールの位置および/またはサイズを調整するための装置であって、
1つの別体の光源またはLSMレーザによって該ピンホールの照射が行われ、光軸を横切るピンホールの変位が、1つの受像器に最大強度が生じるまで行われる、装置。 - 前記ピンホール位置の検出が、1つの受像器によって行われ、該ピンホール位置が、複数の交換可能な光学素子に属するデータとともに記憶される、請求項1に記載の装置。
- 前記受像器が局所的な解像度をもつ、請求項1または2に記載の装置。
- 前記ピンホールを通過する光線の照射重心が検出される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
- ピンホール開口が光学的に拡大されて前記局所的な解像度をもつ受像器に投影される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
- 少なくとも1つの開口絞り板の前記ピンホール上への投影が行われる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
- 前記ピンホールの照射が検出光の光方向に行われる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
- 1つの別体の検出器が照射方向で前記ピンホールの後側に設けられる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
- 1つの別体の検出器が、照射方向で前記ピンホールの後側に設けられ、また該ピンホールと強固に結合された1つの基準ピンホール(図8)が設けられる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の装置。
- 前記LSM検出器が検出のために利用される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置。
- 前記ピンホールの照射が前記検出器側から行われる、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の装置。
- 複数の個別光源の前記ピンホールに向かう光を、前記局所的な解像度をもつ受像器に向けて伝送するための、旋回可能な少なくとも1つの補助ミラーがLSM光路内に設けられる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の装置。
- 1つの光ポインタまたは1つの開口絞り板が前記ピンホール平面内に投影される、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の装置。
- 複数の穴からなる1つの穴あきマスクが前記ピンホール平面内に投影される、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の装置。
- 1つのマイクロレンズ・アレイが前記開口絞り板平面、ピンホール平面に投影される、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の装置。
- 前記ピンホール照射が多色またはIRで行われる、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の装置。
- 前記ピンホールの照射が1つのLSM照射レーザによって行われる、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の装置。
- 1つの平行な光路内の1つのリフレクタにより、前記ピンホール平面内に1つの照射焦点が発生される、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の装置。
- 試料に向かって1つのリング・ミラーが設けられ、このリング・ミラーが前記照射光の一部を前記ピンホールに向けて反射する、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の装置。
- 1つのレトロ・フォイルまたは1つのトリプル・プリズムが、前記光路内に押し出し可能または旋回可能である、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の装置。
- 請求項1乃至20の少なくともいずれか1項に記載のレーザ・スキャン顕微鏡の動作方法。
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