JP2008539217A - Egfおよび/またはerbb2チロシンキナーゼ阻害剤としてのキナゾリン誘導体 - Google Patents

Egfおよび/またはerbb2チロシンキナーゼ阻害剤としてのキナゾリン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒトなどの温血動物におけるerbB2受容体チロシンキナーゼを阻害することにより単独でまたは一部創出される、抗増殖効果の創出のために使用される式(I):
Figure 2008539217

[式中、置換基は本文に定義されたとおりである]のキナゾリン誘導体に関する。

Description

本発明は、抗腫瘍活性を有し、それ故にヒトまたは動物の身体の処置の方法に有用である、ある種の新規キナゾリン誘導体または医薬として許容されるその塩に関する。本発明はまた、前記キナゾリン誘導体の製造の方法、それらを含有する医薬組成物、および、治療上の方法における、例えば、ヒトなどの温血動物における充実性腫瘍疾患の予防または治療に使用の医薬品の製造におけるそれらの使用に関する。
乾癬および癌などの細胞増殖の調節異常により生じる疾患への現在の処置方式の多くは、DNA合成と細胞増殖を阻害する化合物を利用する。今日まで、そのような処置に使用する化合物は、細胞に対して概して有毒であるが、腫瘍細胞などの急速に分裂する細胞に対するその増強された効果は有益であり得る。これら細胞毒性の抗腫瘍剤に代わるアプローチ、例えば、細胞シグナル伝達経路の選択的阻害剤が現在開発されている。これらのタイプの阻害剤は、腫瘍細胞に対して増強された作用選択性を示す潜在能力を有する可能性があるので、療法において望まれない副作用を伴う確率を低下させる可能性がある。
真核細胞は、生物内の細胞間の情報伝達を可能にする多くの多様な細胞外シグナルへ絶えず応答している。これらのシグナルは、増殖、分化、アポトーシス、および運動性を含む、細胞中の多種多様な身体的応答を調節する。細胞外シグナルは、増殖因子、並びにその他の自己分泌因子、傍分泌因子および内分泌因子を含む、多種多様な可溶性因子の形態をとる。特定の膜貫通受容体へ結合することによって、これらのリガンドは、細胞外シグナルを細胞内シグナル伝達経路へ組み込み、故に、形質膜を通してこのシグナルを伝達し、個々の細胞がその細胞外シグナルへ応答することを可能にする。これらシグナル伝達プロセスの多くは、これらの多様な細胞応答の推進に関与するタンパク質のリン酸化の可逆プロセスを利用する。標的タンパク質のリン酸化状態は、哺乳動物ゲノムによりコードされるすべてのタンパク質の約1/3の調節の原因となる特定のキナーゼおよびホスファターゼにより調節される。リン酸化がシグナル伝達プロセスにおいてかくも重要な調節機序であるので、これら細胞内経路における逸脱が異常な細胞増殖および分化をもたらして、細胞の形質転換を促進することは、驚きではない(Cohenら、Curr Opin Chem Biol、1999年、第3巻、第459〜465頁に概説されている)。
いくつかのこれらチロシンキナーゼは、構成的に活性な形態へ突然変異し、および/または過剰発現されるとき、多様なヒト細胞の形質転換をもたらす。これらのキナーゼの突然変異および過剰発現型は、ヒト腫瘍に高い比率で存在する(Kolibabaら、Biochimica et Biophysica Acta、1997年、第133巻、F217−F248頁に概説されている)。チロシンキナーゼは、多様な組織の増殖および分化において根本的な役割を担うので、新規な抗癌療法の開発においてこれらの酵素に多大な注目が集中してきた。この酵素のファミリーは、2つの群−受容体チロシンキナーゼと非受容体チロシンキナーゼ(例えば、それぞれEGF受容体とSRCファミリー)へ分けられる。「ヒトゲノムプロジェクト」を含む数多くの研究の成果より、ヒトゲノムにおいて約90のチロシンキナーゼが同定され、このうち58が受容体タイプであり、32が非受容体タイプである。これらは、20の受容体チロシンキナーゼと10の非受容体チロシンキナーゼのサブファミリーへ細分化することができる(Robinsonら、Oncogene、2000年、第19巻、第5548−5557頁)。
受容体チロシンキナーゼは、細胞複製を始動させる有糸分裂シグナルの伝達に特に重要である。これらの大きな糖タンパク質は、細胞の原形質膜を貫通し、その特定リガンド(EGF受容体の表皮増殖因子(EGF)など)への細胞外結合ドメインを保有する。リガンドの結合は、この受容体の細胞内部分に存在する、受容体のキナーゼ酵素活性の活性化をもたらす。この活性が標的タンパク質中の重要なチロシンアミノ酸をリン酸化し、原形質膜を越えての増殖シグナルの細胞の伝達をもたらす。
EGFR、erbB2、erbB3、およびerbB4が含まれる、受容体チロシンキナーゼのerbBファミリーは、腫瘍細胞の増殖および生存を推進することにしばしば関与することが知られている(Olayioyeら、EMBO J.,2000年、第19巻、第3159頁に概説されている)。このことが達成され得る1つの機序は、一般的には遺伝子増幅の結果として、この受容体がタンパク質レベルで過剰に発現することによる。このことは、乳癌(Sainsburyら、Brit.J.Cancer、1988年、第58巻、第458頁;Guerinら、Oncogene Res.、1988年、第3巻、第21頁;Slamonら、Science、1989年、第244巻、第707頁;Klijnら、Breast Cancer Res.Treat.、1994年、第29巻、第73頁;および、Salomonら、Crit.Rev.Oncol.Hematol.、1995年、第19巻、第183頁に概説されている)、腺癌(Cernyら、Brit.J.Cancer、1986年、第54巻、第265頁;Reubiら、Int.J.Cancer、1990年、第45巻、第269頁;Ruschら、Cancer Research、1993年、第53巻、2379頁;Brabenderら、Clin.Cancer Res.、2001年、第7巻、第1850頁)が含まれる非小細胞肺癌(NSCLC)、並びに他の肺癌(Hendlerら、Cancer Cells、1989年、第7巻、第347頁;Ohsakiら、Oncol.Rep.、2000年、第7巻、第603頁)、膀胱癌(Nealら、Lancet、1985年、第366頁;Chowら、Clin.Cancer Res.、2001年、第7巻、第1957頁、Zhauら、Mol Carcinog.、第3巻、第254頁)、食道癌(Mukaidaら、Cancer、1991年、第68巻、第142頁)、大腸癌、結腸癌、または胃癌のような胃腸癌(Bolenら、Oncogene Res.、1987年、第1巻、第149頁;Kapitanovicら、Gastroenterology、2000年、第112巻、第1103頁;Rossら、Cancer Invest.、2001年、第19巻、第554頁)、前立腺癌(Visakorpiら、Histochem.J.、1992年、第24巻、第481頁;Kumarら、2000年、第32巻、第73頁;Scherら、J.Natl.Cancer Inst.、2000年、第92巻、第1866頁)、白血病(Konakaら、Cell、1984年、第37巻、第1035頁、Martin−Suberoら、Cancer Genet Cytogenet.、2001年、第127巻、第174頁)、卵巣癌(Hellstromら、Cancer Res.、2001年、第61巻、第2420頁)、頭頚部癌(Shigaら、Head Neck、2000年、第22巻、第599年)、または膵臓癌(Ovotnyら、Neoplasma、2001年、第48巻、第188頁)などの、多くの一般的なヒト癌において観察されてきた(Klapperら、Adv.Cancer Res.、2000年、第77巻、第25頁に概説されている)。より多くのヒト腫瘍組織について受容体チロシンキナーゼのerbBファミリーの発現が検査されるにつれて、その広範な広がりと重要性が将来さらに高まると予想される。
1以上のこれら受容体(特に、erbB2)の誤調節の結果として、多くの腫瘍が臨床的により攻撃的になり、患者のより不良な予後に相関すると広く信じられている(Brabenderら、Clin.Cancer Res.、2001年、第7巻、第1850頁;Rossら、Cancer Investigation、2001年、第19巻、第554頁、Yuら、Bioessays、2000年、第22巻、第7号、673頁)。
これらの臨床知見に加え、豊富な前臨床情報から、受容体チロシンキナーゼのerbBファミリーが細胞の形質転換に関与することが示唆される。これには、多くの腫瘍細胞系が1以上のerbB受容体を過剰発現すること、およびEGFRまたはerbB2が非腫瘍細胞へトランスフェクトされるときにこれらの細胞を形質転換する能力を有することという観察事実が含まれる。この腫瘍形成ポテンシャルは、erbB2を過剰発現するトランスジェニックマウスが乳腺において腫瘍を自然発症することでさらに確証されている。このことに加え、いくつかの前臨床試験により、低分子阻害剤、優性ネガティブまたは阻害抗体により1以上のerbB活性をノックアウトすることによって抗増殖効果を引き起こし得ることが実証されている(Mendelsohnら、Oncogene、2000年、第19巻、第6550頁に概説されている)。このように、これら受容体チロシンキナーゼの阻害剤は、哺乳動物癌細胞の増殖の選択的阻害剤として有用なはずであると認識されている(Yaishら、Science、1988年、第242巻、第933頁、Kolibabaら、Biochimica et Biophysica Acta、1997年、第133巻、第F217−F248頁;Al−Obeidiら、2000年、Oncogene、第19巻、第5690−5701頁;Mendelsohnら、2000年、Oncogene、第19巻、6550−6565頁)。
この前臨床データに加えて、進行性非小細胞肺癌の処置における使用について、小分子EGFRチロシンキナーゼ阻害剤イレッサ(登録商標)(ゲフィチニブおよびZD1839としても知られている)およびタルセバ(登録商標)(エルロチニブおよびCP−358,774としても知られている)が承認されている。さらに、EGFRおよびerbB2に対する阻害性抗体(それぞれ、エルビタックス(登録商標)(c−225/セツキシマブ)およびハーセプチン(登録商標)(トラスツズマブ))が、臨床において選択された充実性腫瘍の処置に有用であることが認められている(Mendelsohnら、2000年、Oncogene、第19巻、6550−6565頁に概説されている)。
近年、EGF受容体の細胞内触媒ドメインのATP結合ポケットでの変異が、非小細胞肺癌(NSCLCs)の特定のサブセットに発見されている。ゲフィチニブおよびエルロチニブなどの化合物の臨床上の有益性がEGFR変異単独で媒介されるのではなさそうであることが明らかになってきたにもかかわらず、当該受容体の変異の存在は、ゲフェチニブなどのEGFRチロシンキナーゼ阻害剤への応答に相関するようである(Lynchら、N Engl J Med 2004年;第350巻:第2129−2139頁;Paezら、Science 2004年;第304巻:第1497−1500頁)。リガンドの刺激が、変異した受容体においては野生型受容体と比べて異なるリン酸化のパターンをもたらすことが示されており、NSCLCが依存するようになる生存シグナルを選択的に伝達すると考えられる。ゲフィチニブなどの化合物によるこれらのシグナルの阻害は、当該薬剤の効果に寄与しうる(Sordellaら Science 2004年;第305巻:第1163−1167頁)。同様に、erbB2キナーゼドメイン内の変異が、NSCLC、グリア芽腫、並びに胃および卵巣の腫瘍などの特定の原発性腫瘍において発見されている。よって、EGFおよび/またはerbB2チロシンキナーゼの野生型および変異型受容体の両方における阻害は、抗癌効果をもたらすことが期待される重要な標的である。
erbBタイプ受容体チロシンキナーゼのメンバーの増幅および/または活性は、乾癬(Ben−Bassat、Curr.Pharm.Des.、2000年、第6巻、第933頁;Elderら、Science、1989年、第243巻、第811頁)、良性前立腺肥大(BPH)(Kumarら、Int.Urol.Nephrol.、2000年、第32巻、第73頁)、アテローム性動脈硬化症および再狭窄(Bokemeyerら、Kidney Int.、2000年、第58巻、第549頁)のようないくつかの非悪性腫瘍性増殖障害でも検出され、ある役割をそこで担うことが示唆されている。故に、erbBタイプ受容体チロシンキナーゼの阻害剤は、これらや他の過剰細胞増殖の非悪性腫瘍障害の治療に有用であることが期待される。
WO96/09294、WO96/15118、WO96/16960、WO96/30347、WO96/33977、WO96/33978、WO96/33979、WO96/33980、WO96/33981、WO97/03069、WO97/13771、WO97/30034、WO97/30035、WO97/38983、WO98/02437、WO98/02434、WO98/02438、WO98/13354、WO99/35146、WO01/21596、WO01/55141、およびWO02/18372の各々は、アニリノ置換基を4位に担うある種のキナゾリン誘導体が受容体チロシンキナーゼ阻害活性を保有することを開示する。
WO99/35132は、特定の4−(インドールー5−イルアミノ)キナゾリン誘導体を開示する。しかし、これらのキナゾリン誘導体はいずれも、キナゾリン環上の5位に置換基を有さない。
WO01/94341は、5−置換基を担うある種のキナゾリン誘導体が、c−Src、c−Yes、およびc−Fynなどの非受容体チロシンキナーゼのSrcファミリーの阻害剤であることを開示する。WO01/94341には、インダゾール基の窒素原子がアリールまたはヘテロアリール基を含む置換基により置換されている4−(インダゾール−5−イルアミノ)キナゾリン誘導体の開示はない。
WO03/040108およびWO03/040109は、5−置換基を担うある種のキナゾリン誘導体が、erbBファミリーのチロシンキナーゼ、特にEGFおよびerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害剤であることを開示する。WO03/040108およびWO03/040109の各々は、特定の4−(インダゾール−5−イルアミノ)キナゾリン誘導体を開示する。開示されたキナゾリン誘導体は、キナゾリン環上の5位にアシルアミノエトキシ基を含まない。
US−2004/0048880は、特定の4−アニリノキナゾリン誘導体および腫瘍性疾患におけるそれらの使用を開示する。当該キナゾリン誘導体は、キナゾリン環上の5位に置換基を含まない。
WO2004/46101は、特定の4−(インダゾール−5−イルアミノ)キナゾリン誘導体、ならびにEGFおよびerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害剤としての使用を開示する。当該キナゾリン誘導体は、キナゾリン環上の5位に置換基を含まない。
WO2004/093880およびWO2005/051923の各々は、特定の4−アニリノキナゾリン誘導体、およびerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害剤としての使用を開示する。これらの文献はいずれも、4−(インダゾール−5−イルアミノ)キナゾリン誘導体を開示していない。
既知のerbBチロシンキナーゼ受容体、特に選択的erbB2チロシンキナーゼ阻害剤である化合物と比較して、改善された薬理学的特性を伴う良好なインビボ活性を有する更なる化合物の発見は依然として求められている。例えば、限定はされないが、例えば、(i)物理的特性;(ii)好ましいDMPK特性(高いバイオアベイラビリティーおよび/または有利な半減期および/または有利な分配量および/または高い吸収性など);(iii)臨床上の薬物−薬物相互作用(例えば、チトクロムP450酵素阻害または誘導)の懸念を軽減させる因子;および(iv)患者におけるQT間隔延長の懸念が低い化合物、例えば、HERGアッセイで不活性か弱い活性の化合物、などの有利なおよび/または改善された特徴を有する新規な化合物が求められている。
今回我々は、驚くべきことに、特定のアシルアミノエトキシ基を含む置換基で5位が置換されている4−(インダゾール−5−イルアミノ)キナゾリン誘導体の選抜された群が、強力な抗腫瘍活性を保有することを見出した。本発明で開示するキナゾリン誘導体が単一の生物学的プロセスに対する効果によるだけで薬理活性を保有すると示唆するつもりはないが、当該キナゾリン誘導体は、腫瘍細胞の増殖をもたらすシグナル伝達工程に関与する、1以上のerbBファミリーの受容体チロシンキナーゼの阻害により抗腫瘍効果をもたらすと考えられている。特に、本発明のキナゾリン誘導体は、EGFおよび/またはerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害により抗腫瘍効果を提供すると考えられている。さらに詳しくいえば、本発明のキナゾリン誘導体は、EGF受容体チロシンキナーゼと比して、erbB2受容体チロシンキナーゼの選択的阻害により抗腫瘍効果を提供すると考えられている。また、本発明のキナゾリン誘導体は、例えば、既に記載したような、好ましい特性の組合せを示すとも考えられている。
本明細書において、erbB受容体、特にerbB2への言及は、他に特定がなければ、野生型および変異した受容体を意味する。用語「変異」は、特に限定はされないが、erbB2などの受容体をコードする1以上のエクソンにおける、遺伝子増幅、ヌクレオチドのインフレーム欠損または置換を含む。
一般に、本発明のキナゾリン誘導体は、erbB受容体チロシンキナーゼファミリーに対して、例えばEGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4受容体チロシンキナーゼの阻害により強力な阻害活性を保有するが、一方で他のキナーゼに対してはさほど強力な阻害作用を保有しない。さらに、概して言えば、本発明のキナゾリン誘導体は、EGFRチロシンキナーゼに対するよりも、erbB2チロシンキナーゼに対して実質的により優れた効力を保有するので、潜在的には、erbB2促進性の腫瘍に有効な治療を提供する。故に、本発明によるキナゾリン誘導体を、erbB2チロシンキナーゼを阻害するのに十分であるが、EGFRまたは他のチロシンキナーゼに対しては有意な影響を及ぼさない用量で投与することが可能であるかもしれない。本発明によるキナゾリン誘導体によってもたらされる選択的阻害は、erbB2チロシンキナーゼにより仲介される状態の処置を提供し得る一方で、他のチロシンキナーゼの阻害に関連する可能性がある望まれない副作用を抑えることができる。
本発明の第1の側面によれば、式I:
Figure 2008539217
[式中:
は、水素、ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシおよび(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルコキシから選択され;
、G、GおよびGは、各々独立に、水素およびハロゲノから選択され;
は、SO、CO、SON(R)およびC(Rから選択され、ここで各Rは、独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、当該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上の置換基を有していてもよく;
、R、RおよびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、または
およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成し、または
およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成し;
は、水素および(1−4C)アルキルから選択され;
Aは、水素、式Z−(CR−の基およびR10から選択され、
ここでpは1、2、3または4であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合するRおよびR基はシクロプロピル環を形成し、
Zは、水素、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、および
10は、(1−4C)アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は既に定義したとおりであり、
およびここでZまたはR10基内の任意のCHまたはCH基は、各々の当該CHまたはCH基上に、ハロゲノ、(1−4C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上の置換基を有していてもよい]
のキナゾリン誘導体、または医薬として許容なその塩が提供される。
本発明の第2の側面によれば、式I:
[式中:
は、水素、ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシおよび(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルコキシから選択され;
、G、GおよびGは、各々独立に、水素およびハロゲノから選択され;
は、SO、CO、SON(R)およびC(Rから選択され、ここで各Rは、独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され;
は、アリールまたはヘテロアリールであり、当該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上の置換基を有していてもよく;
、R、RおよびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され;
は、水素および(1−4C)アルキルから選択され;
Aは、水素、式Z−(CR−の基およびR10から選択され、
ここでpは1、2、3または4であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合するRおよびR基はシクロプロピル環を形成し、
Zは、水素、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、および
10は、(1−4C)アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は既に定義したとおりであり、
およびここでZまたはR10基内の任意のCHまたはCH基は、各々の当該CHまたはCH基上に、ハロゲノ、(1−4C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上の置換基を有していてもよい]
のキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩が提供される。
本明細書において、一般用語「アルキル」には、プロピル、イソプロピル、およびtert−ブチルなどの直鎖および分枝鎖の両方のアルキル基が含まれる。しかしながら、「プロピル」などの個別のアルキル基への言及は直鎖バージョンだけに特定され、「イソプロピル」などの個別の分枝鎖アルキルへの言及は分枝鎖バージョンだけに特定される。同様の慣例が他の一般用語に適用され、例えば(1−6C)アルコキシには、メトキシおよびエトキシが含まれる。
上記に定義される式Iの特定のキナゾリン誘導体は、1以上の不斉炭素原子に起因して光学活性型またはラセミ型で存在し得る限りにおいて、本発明には、その定義において、上記の活性を保有するそのようなあらゆる光学活性またはラセミ型が含まれると理解されたい。特に、式Iのキナゾリン誘導体は、基RおよびRおよび/または基RおよびRが同一でない場合、基RおよびRに結合する炭素原子上、および/または基RおよびRに結合する炭素原子上に不斉中心を有しうる。本発明は、本明細書で定義した活性を有する全ての立体異性体、例えば(2R)および(2S)異性体(特に、(2R)異性体)を包含する。さらに、キラル化合物の名称において、(R,S)があらゆるスケールミック(scalamic)またはラセミ混合物を示すのに対し、(R)および(S)は、エナンチオマーを示すと理解されたい。名称に(R,S)、(R)または(S)がない場合、その名称はあらゆるスケールミックまたはラセミ混合物を意味し、ここでスケールミック混合物はRおよびSエナンチオマーを任意の相対比率で含有し、ラセミ混合物はRおよびSエナンチオマーを50:50の比で含有すると理解されたい。光学活性体の合成は、当該技術分野でよく知られた有機化学の標準技術により、例えば、光学活性な出発原料からの合成によるか、またはラセミ体の分割により行うことができる。同様に、上記の活性は、下記に述べる標準実験技術を使用して評価することができる。上記に述べた一般基に適した意義には、以下に示すものが含まれる。
がアリールの場合の好適な意義は、例えば、フェニルまたはナフチル、特にフェニルである。
がヘテロアリールの場合の好適な意義は、例えば、酸素、窒素および硫黄から独立に選択される4までの環ヘテロ原子を有する芳香族5または6員単環式環、例えば、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたは1,3,5−トリアジニルである。Qがヘテロアリールの場合の具体的な意義は、例えば、窒素を含み、酸素、窒素および硫黄から独立に選択される1または2(例えば、1)の追加の環へテロ原子を含んでもよい芳香族5または6員単環式環、例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたは1,3,5−トリアジニル(とりわけ、ピリジルまたはチアゾリル)である。
任意の‘R’基(R〜R13)について、任意の‘G’基(G〜G)について、またはQ、XまたはA基内の種々の基についての好適な意義には以下のものが含まれる:
ハロゲノについて:フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード;
(1−4C)アルキルについて:メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびtert−ブチル;
(1−4C)アルコキシについて:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシ;および
(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルコキシについて:エトキシメトキシ、プロポキシメトキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、メトキシイソプロポキシおよびメトキシブトキシ。
本明細書で既に定義したように、式−X−Qの基において、例えば、XがSON(R)連結基である場合、式Iのインダゾール基に結合するのはSON(R)連結基のSO基であり、Q基に結合するのが窒素原子である。
式Iの特定のキナゾリン誘導体は、非溶媒和型だけでなく、例えば、水和型のような溶媒和型で存在する場合があると理解されたい。本発明には、erbB受容体チロシンキナーゼに対する阻害効果(抗増殖活性など)を示すそのような溶媒和型がすべて含まれると理解されたい。
式Iの特定のキナゾリン誘導体は多形を示す場合があること、そして、本発明には、erbB受容体チロシンキナーゼに対する阻害効果(抗増殖活性など)を示すそのような形態もまたすべて含まれることを理解されたい。
本発明が、erbB受容体チロシンキナーゼに対する阻害効果(抗増殖活性など)を示す式Iのキナゾリン誘導体のすべての互変異性型に関することも理解されたい。
式Iのキナゾリン誘導体の医薬として許容な好適な塩は、例えば、式Iのキナゾリン誘導体の酸付加塩、例えば、無機酸または有機酸との酸付加塩である。好適な無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、または硫酸が含まれる。好適な有機酸には、例えば、トリフルオロ酢酸、クエン酸、またはマレイン酸が含まれる。式Iのキナゾリン誘導体の別の医薬として許容な好適な塩は、例えば、十分に酸性である式Iのキナゾリン誘導体の塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩などのアルカリまたはアルカリ土類金属塩、またはアンモニウム塩、またはメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン、またはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンなどの有機塩基との塩である。
本発明の特別な新規キナゾリン誘導体には、例えば、式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容されるその塩が含まれ、ここで他に述べなければ、R、R、R、R、R、R、G、G、G、G、Q、XおよびAのそれぞれは、上記または下記のパラグラフ(a)〜(mmm)に定義される意味のいずれも有する:
(a)Rは、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシおよびメトキシエトキシから選択される。
(b)Rは、水素およびメトキシから選択される。
(c)Rは水素である。
(d)G、G、GおよびGは、各々独立に、水素、クロロおよびフルオロから選択される。
(e)G、G、GおよびGはすべて水素である。
(f)XはC(Rであり、ここで各々のRは、独立に、水素および(1−4C)アルキル((1−2C)アルキルなど)から選択される。
(g)XはCHである。
(h)Qは、フェニルおよび5または6員単環式ヘテロアリール環から選択され、当該環は、酸素、窒素および硫黄から独立に選択される1、2または3のヘテロ原子を含み、当該フェニルまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよい。
(i)Qは、フェニル、および酸素、窒素および硫黄から独立に選択される1、2または3のヘテロ原子を含む5または6員単環式ヘテロアリール環から選択され、当該フェニルまたはヘテロアリール基は、クロロ、フルオロ、シアノおよび(1−3C)アルコキシから独立に選択される、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよい。
(j)Qはフェニルであり、当該フェニル基は、(h)または(i)で既に定義した、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよい。
(k)Qはフェニルであり、当該フェニル基は、クロロおよびフルオロから独立に選択される1または2の置換基を有していてもよい。
(l)Qはフェニルであり、当該フェニル基は、クロロおよびフルオロから独立に選択される1または2の置換基を有する。
(m)Qはフェニルであり、当該フェニル基は、1または2(特に1)のフルオロ置換基を有する。
(n)Qは3−フルオロフェニルである;
(o)Qは、1つの窒素ヘテロ原子を含み、酸素、窒素および硫黄から選択される1つの追加のヘテロ原子を含んでいてもよい、5または6員単環式ヘテロアリール環であり、当該ヘテロアリール基は、(h)または(i)で既に定義した、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよい。
(p)Qは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、1,3−チアゾリル、1H−イミダゾリル、1H−ピラゾリル、1,3−オキサゾリルおよびイソオキサゾリルから選択され、(h)または(i)で既に定義した、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよい。
(q)Qは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、1,3−チアゾリルおよびイソオキサゾリル(特に、フェニル、ピリジルおよび1,3−チアゾリル)から選択され、(h)または(i)で既に定義した、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよい。
(r)Qは、2−、3−または4−ピリジル、2−ピラジニル、1,3−チアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリルおよび5−イソオキサゾリルから選択され、(h)または(i)で既に定義した、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよい。
(s)Qは、フェニル、2−ピリジルおよび1,3−チアゾール−4−イルから選択され、(h)または(i)で既に定義した、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよい。
(t)Qはピリジル(特に、2−ピリジルまたは3−ピリジル、より具体的には、2−ピリジル)であり、(h)または(i)で既に定義した、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよい。
(u)Qは2−ピリジルであり、フルオロ、クロロおよび(1−2C)アルコキシから独立に選択される1または2の置換基を有していてもよい。
(v)Qは2−ピリジルである。
(w)Qは1,3−チアゾリル(特に、1,3−チアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−4−イルまたは1,3−チアゾリル−5−イル)であり、(h)または(i)で既に定義した、1または2(例えば、1)の置換基を有していてもよい。
(x)Qは1,3−チアゾール−4−イルであり、フルオロ、クロロおよび(1−2C)アルコキシから独立に選択される1または2の置換基を有していてもよい。
(y)Qは1,3−チアゾール−4−イルである。
(z)Qは、2−、3−または4−ピリジル、2−ピラジニル、1,3−チアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリルおよび5−イソオキサゾリルから選択され、(h)または(i)で既に定義した、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよく;および
はC(Rであり、ここで各々のRは、独立に、水素または(1−2C)アルキルである(特に、各々のRは水素である)。
(aa)Qは、2−、3−または4−ピリジル、2−ピラジニル、1,3−チアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリルおよび5−イソオキサゾリルから選択され、(h)または(i)で既に定義した、1、2または3(例えば、1または2)の置換基を有していてもよく;
はC(Rであり、ここで各々のRは、独立に、水素または(1−2C)アルキルであり(特に、各々のRは水素である);および
、G、GおよびGは、全て水素である。
(bb)基−X−Qは、ピリド−2−イルメチル、1,3−チアゾール−4−イルメチルおよび3−フルオロベンジルから選択される。
(cc)基−X−Qはピリド−2−イルメチルである。
(dd)基−X−Qは1,3−チアゾール−4−イルメチルである。
(ee)基−X−Qは3−フルオロベンジルである。
(ff)R、R、RおよびRは、各々独立に、水素および(1−2C)アルキル(メチルなど)から選択される。
(gg)R、R、RおよびRは、各々独立に、水素および(1−2C)アルキルから選択され、ここでR、R、RおよびRの少なくとも1つは(1−2C)アルキル(メチルなど)である。
(hh)R、RおよびRは、全て水素であり、Rは(1−2C)アルキル(メチルなど)である。
(ii)R、RおよびRは、全て水素であり、Rは(1−2C)アルキル(メチルなど)である。
(jj)RおよびRは、両方とも水素であり、RおよびRは、両方とも(1−2C)アルキル(メチルなど)である。
(kk)RおよびRは両方とも水素である。
(ll)RおよびRは水素であり、および
およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成する。
(mm)RおよびRは水素であり、および
およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成する。
(nn)R、R、RおよびRは全て水素である。
(oo)Rは、水素および(1−2C)アルキルから選択される。
(pp)Rはメチルである。
(qq)Rは水素である。
(rr)Aは、式Z−(CR−の基およびR10から選択され、
ここでpは1、2、3,または4であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合するRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し
Zは、水素、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
10は、(1−4C)アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は既に定義したとおりであり、
およびここでZまたはR10基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−4C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上(例えば、1、2または3)の置換基を、各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい。
(ss)Aは、式Z−(CR−の基およびR10から選択され、
ここでpは、1、2または3(1または2など)であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−2C)アルキルから選択され,または同じ炭素原子に結合するRおよびR基はシクロプロピル環を形成し、
Zは、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−2C)アルキルから選択され、
10は、(1−2C)アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は既に定義したとおりであり、
およびここでZまたはR10基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−2C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−2C)アルコキシから独立に選択される1以上(例えば、1、2または3)の置換基を、各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい。
(tt)Aは式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合するRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し、
Zは、水素、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
およびここでZ基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−2C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−2C)アルコキシから独立に選択される1以上の(例えば、1、2または3)の置換基を、各々の当該CHまたはCH上に有していてもよい。
(uu)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
Zは、水素、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
およびここでZ基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−2C)アルキルおよびヒドロキシから独立に選択される1以上(例えば、1、2または3)の置換基を、各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい。
(vv)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは、1または2であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合するRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し、
Zは、水素およびOR11から選択され、ここでR11は、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
およびここでZ基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−2C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−2C)アルコキシから独立に選択される1以上(例えば、1、2または3)の置換基を、各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい。
(ww)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合するRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し、および
Zはヒドロキシである。
(xx)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−2C)アルキルから選択され、および
Zはヒドロキシである。
(yy)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され,または同じ炭素原子に結合するRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し、
ZはNR1213であり、ここでR12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
およびここでZ基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−2C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−2C)アルコキシから独立に選択される1以上(例えば、1、2または3)の置換基を、各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい。
(zz)Aは、式Z−(CR−の基であり、
ここでpは1または2であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され,または同じ炭素原子に結合するRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し、
ただし、(i)RまたはR基の少なくとも1つは(1−4C)アルキルであり、または(ii)同じ炭素原子に結合するRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し、
Zは、水素、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
およびここでZ基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−4C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上(例えば、1、2または3)の置換基を、各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい。
(aaa)AはR10であり、ここでR10は、(1−4C)アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
およびここでR10基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−4C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上(例えば、1、2または3)の置換基を、各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい。
(bbb)AはR10であり、ここでR10は、(1−4C)アルコキシ(特に(1−2C)アルコキシ、メトキシなど)であり、
およびここでR10基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−2C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−2C)アルコキシから独立に選択される1以上(例えば、1、2または3)の置換基を、各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい。
(ccc)AはR10であり、ここでR10はNR1213であり、ここでR12およびR13は、各々独立に水素および(1−4C)アルキルから選択され、
およびここでR10基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−2C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−2C)アルコキシから独立に選択される1以上(例えば、1、2または3)の置換基を各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい。
(ddd)Aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2−(ヒドロキシメチル)プロプ−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、1−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メトキシプロピル、2−メトキシプロピル、2−メトキシプロプ−2−イル、2−(メトキシメチル)プロプ−2−イル、2−メトキシ−2−メチルプロピル、エトキシメチル、2−エトキシエチル、1−エトキシエチル、1−ヒドロキシ−3−ブロモプロピル、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、2−アミノプロプ−2−イル、2−(アミノメチル)プロプ−2−イル、2−アミノ−2−メチルプロピル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、1−(N−メチルアミノ)エチル、3−(N−メチルアミノ)プロピル、1−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノメチル)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノ)−2−メチルプロピル、N,N−ジメチルアミノメチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、1−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)プロプ−2−イル、2−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルプロピル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、(2−クロロエチル)アミノ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルおよび1−ヒドロキシシクロプロピルから選択される。
(eee)Aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、2−(ヒドロキシメチル)プロプ−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、1−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メトキシプロピル、2−メトキシプロピル、2−メトキシプロプ−2−イル、2−(メトキシメチル)プロプ−2−イル、2−メトキシ−2−メチルプロピル、エトキシメチル、2−エトキシエチル、1−エトキシエチル、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、2−アミノプロプ−2−イル、2−(アミノメチル)プロプ−2−イル、2−アミノ−2−メチルプロピル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、1−(N−メチルアミノ)エチル、3−(N−メチルアミノ)プロピル、1−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノメチル)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノ)−2−メチルプロピル、N,N−ジメチルアミノメチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、1−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)プロプ−2−イル、2−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルプロピル、シクロプロピルおよび1−ヒドロキシシクロプロピルから選択される。
(fff)Aは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2−(ヒドロキシメチル)プロプ−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、1−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メトキシプロピル、2−メトキシプロピル、2−メトキシプロプ−2−イル、1−ヒドロキシ−3−ブロモプロピル、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、2−アミノプロプ−2−イル、2−(アミノメチル)プロプ−2−イル、2−アミノ−2−メチルプロピル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、1−(N−メチルアミノ)エチル、N,N−ジメチルアミノメチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、(2−クロロエチル)アミノ、メトキシ、エトキシ、シクロプロピルおよび1−ヒドロキシシクロプロピルから選択される。
(ggg)Aは、メチル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2−(ヒドロキシメチル)プロプ−2−イル、メトキシメチル、1−メトキシエチル、1−ヒドロキシ−3−ブロモプロピル、アミノメチル、N−メチルアミノメチル、メチルアミノ、(2−クロロエチル)アミノ、メトキシおよび1−ヒドロキシシクロプロピルから選択される。
(hhh)Aは、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、2−(ヒドロキシメチル)プロプ−2−イルおよび2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルから選択される。
(iii)Aは、メチル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチルおよび2−ヒドロキシプロプ−2−イルから選択される。
(jjj)Aは、メチルおよびヒドロキシメチルから選択される。
(kkk)Aはヒドロキシメチルである。
(lll)Aは、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、3−アミノプロピル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、2−アミノプロプ−2−イル、2−(アミノメチル)プロプ−2−イル、2−アミノ−2−メチルプロピル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、1−(N−メチルアミノ)エチル、3−(N−メチルアミノ)プロピル、1−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロピル、2−(N−メチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノメチル)プロプ−2−イル、2−(N−メチルアミノ)−2−メチルプロピル、N,N−ジメチルアミノメチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、1−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−(N,N−ジメチルアミノ)プロプ−2−イル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)プロプ−2−イルおよび2−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルプロピルから選択される。および
(mmm)Aは、アミノメチル、2−アミノエチル、N−メチルアミノメチル、2−(N−メチルアミノ)エチル、N,N−ジメチルアミノメチルおよび2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルから選択される。
本発明の態様は、式I[式中:
は、水素および(1−2C)アルコキシから選択され(例えば、Rは、水素またはメトキシ、特に水素である);
はCHであり;
はアリールまたはヘテロアリールであり、当該アリールまたはヘテロアリール基は、クロロ、フルオロ、シアノおよび(1−2C)アルコキシから独立に選択される1以上(例えば、1または2)の置換基を有していてもよく;
およびここでG、G、G、G、R、R、R、R、RおよびAは、本明細書で既に定義した意義のいずれかを有する]
のキナゾリン誘導体、または医薬として許容なその塩である。
この態様において、Qの特別な意義は、フェニル、または1つの窒素ヘテロ原子を含み、酸素、窒素および硫黄から独立に選択される1つの追加のヘテロ原子を含んでいてもよい、5または6員ヘテロアリール環であり、当該フェニルまたはヘテロアリール基は、本明細書で既に定義された1、2または3の置換基を有していてもよい。
本発明の別の態様は、式I[式中:
は、水素および(1−2C)アルコキシから選択され(例えば、Rは水素またはメトキシ、特に水素である);
はCHであり;
はヘテロアリールであり、当該ヘテロアリール基は、クロロ、フルオロ、シアノおよび(1−2C)アルコキシから独立に選択される1以上(例えば、1または2)の置換基を有していてもよく;
およびここでG、G、G、G、R、R、R、R、RおよびAは、本明細書で既に定義した意義のいずれかを有する]
のキナゾリン誘導体、または医薬として許容なその塩である。
この態様において、Qの特別な意義は、1つの窒素ヘテロ原子を含み、酸素、窒素および硫黄から独立に選択される1つの追加のヘテロ原子を含んでいてもよい5または6員ヘテロアリール環であり、当該ヘテロアリール基は、本明細書で既に定義された1、2または3の置換基を有していてもよい。
本発明の別の態様は、式I[式中:
は、水素および(1−2C)アルコキシから選択され(例えば、Rは水素またはメトキシ、特に水素である);
はCHであり;
は、フェニル、または1つの窒素ヘテロ原子を含み、酸素、窒素および硫黄から独立に選択される1つの追加のヘテロ原子を含んでいてもよい5または6員ヘテロアリール環であり;
Aは、式Z−(CR−の基であり、ここでpは1または2であり、RおよびRは、各々独立に、水素および(1−2C)アルキルから選択され、ZはOR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−2C)アルキルから選択され;
およびここでG、G、G、G、R、R、R、RおよびRは、本明細書で既に定義した意義のいずれかを有する]
のキナゾリン誘導体、または医薬として許容なその塩である。
この実施態様において、Qの特別な意義は、フェニル、ピリジル、ピラジニル、1,3−チアゾリルまたはイソオキサゾリル(とりわけ、ピリジルまたはチアゾリル)であり、さらに具体的にはQは、2−ピリジル、3−ピリジル、2−ピラジニル、1,3−チアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−4−イル、1,3−チアゾール−5−イルおよび3−イソオキサゾリルから選択され(特に、2−ピリジルまたは1,4−チアゾール−4−イルである)、ここでQは、本明細書で既に定義された1、2または3の置換基を有していてもよい。
式Iのキナゾリン誘導体の別の態様は、式Ia:
Figure 2008539217
[式中:
、G、GおよびGは、各々独立に、水素およびハロゲノから選択され;
はアリールまたはヘテロアリールであり、当該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上の置換基を有していてもよく、
、R、RおよびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、または
およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成し、または
およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成し;
は、水素および(1−4C)アルキルから選択され;
Zは、水素、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
およびここでZ基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−4C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上の置換基を各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい]
のキナゾリン誘導体、または医薬として許容なその塩である。
式Iaのキナゾリン誘導体におけるZの特別な意義は、ヒドロキシである。
式Iのキナゾリン誘導体のさらなる特別な態様は、式Ib:
Figure 2008539217
[式中:
、G、GおよびGは、各々独立に、水素およびハロゲノから選択され;
はアリールまたはヘテロアリールであり、当該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上の置換基を有していてもよく;
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され;
は、水素および(1−4C)アルキルから選択され;
Aは、水素、式Z−(CR−の基およびR10から選択され、
ここでpは、1、2、3,または4であり、
およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、または同じ炭素原子に結合するRおよびR基は、シクロプロピル環を形成し、
Zは、水素、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、および
10は、(1−4C)アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は既に定義したとおりであり、
およびここでZまたはR10基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−4C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上の置換基を、各々の当該CHまたはCH基上に有していてもよい]
のキナゾリン誘導体、または医薬として許容なその塩である。
式Ibのキナゾリン誘導体におけるZの特別な意義は、ヒドロキシである。
いかなる疑義をもさけるために、式IaおよびIbのキナゾリン誘導体において、式Iのキナゾリン誘導体におけるRに対応する基は水素である。
本発明の特別なキナゾリン誘導体は、例えば、以下:
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}アセトアミド;
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{2−[(4−{[1−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}アセトアミド;
N−{2−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}−2−ヒドロキシ−N−メチルアセトアミド;
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(2R)−2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]プロピル}アセトアミド;および
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(R)−1−メチル−2−[4−(1−ピリジン−2−イルメチル−1H−インダゾール−5−イルアミノ)キナゾリン−5−イルオキシ]エチル}アセトアミド;
から選択される1以上の式Iのキナゾリン誘導体、または医薬として許容なその塩である。
式Iのキナゾリン誘導体、または医薬として許容されるその塩は、化学的に関連した化合物の製造に適用可能であることが知られている任意の方法によって製造してもよい。好適な方法には、例えば、国際特許出願WO96/15118、WO01/94341、WO03/040108、およびWO03/040109に例示されるものが含まれる。そのような方法は、式Iのキナゾリン誘導体を製造するために使用するとき、本発明のさらなる特徴として提供され、以下の代表的な変法(process variants)により例示される(ここでは、他に述べなければ、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、G、GおよびAは、上記に定義される意義のいずれかを有する)。必要な出発原料は、有機化学の標準手順により入手することができる。そのような出発原料の製法は、以下の代表的な変法と組み合わせて、そして付帯の「実施例」の中で記載する。あるいは、必要な出発原料は、有機化学者の通常の技量内にある、例示の手順に類似した手順により入手可能である。
製法(a)適宜、好適な塩基の存在下での、式II:
Figure 2008539217
[式中、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、GおよびGは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
のキナゾリン誘導体の、式III
A−COOH
III
[式中、Aは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
のカルボン酸、またはその反応性誘導体とのカップリング;または
製法(b) Aが式Z−(CR−の基であり、ZがNR1213である式Iのキナゾリン誘導体の調製について、式IV:
Figure 2008539217
[式中、Lは好適な置換可能基であり、p、R、R、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、GおよびGは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
のキナゾリンの、式V:
1213N−H

[式中、R12およびR13は、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
のアミンとのカップリング;または
製法(c)適宜、好適な塩基存在下での、式VI:
Figure 2008539217
[式中、R、R、R、R、R、R、A、G、G、GおよびGは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
のキナゾリンの、式VII:
−X−L
VII
[式中、Lは好適な置換可能基であり、QおよびXは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
の化合物とのカップリング;または
製法(d)適宜、好適な塩基存在下での、式VIII:
Figure 2008539217
[式中、Lは好適な置換可能基であり、R、R、R、R、R、RおよびAは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
のキナゾリンの、式IX:
Figure 2008539217
[式中、G、G、G、G、QおよびXは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
の化合物とのカップリング;
であって、およびその後、必要であれば:
(i)式Iのキナゾリン誘導体を式Iを別のキナゾリン誘導体に変換すること;
(ii)慣用の手段により存在する任意の保護基を除去すること;
(iii)医薬として許容な塩を形成すること
を含んでもよい。
上記の反応の具体的な条件は以下の通りである:
製法(a)
製法(a)の反応条件
当業者は理解するであろうが、必要であれば、このカップリング反応は、適宜、カルボジイミドなどの好適なカップリング剤、または好適なペプチドカップリング剤、例えばO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)またはジシクロヘキシルカルボジイミドなどのカルボジイミドの存在下に、場合によってはジメチルアミノピリジンまたは4−ピロリジノピリジンなどの触媒の存在下に行ってもよい。
このカップリング反応は、適宜、好適な塩基の存在下に行う。好適な塩基は、例えば、ピリジン、2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、またはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンなどの有機アミン塩基、または、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウムである。
この反応は、適宜、好適な不活性溶媒または希釈剤、例えば、酢酸エチルなどのエステル、塩化メチレン、クロロホルム、または四塩化炭素などのハロゲン化溶媒、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、またはジメチルスルホキシドなどの双極性の非プロトン性溶媒の存在下に行う。この反応は、適宜、例えば、0℃〜120℃の範囲の温度、簡便には周囲温度またはその付近で行なう。
式IIIのカルボン酸の「反応性誘導体」という用語は、式IIのキナゾリンと反応して対応するアミドを与えるカルボン酸誘導体を意味する。式IIIのカルボン酸の好適な反応性誘導体は、例えば、ハロゲン化アシル、例えば、この酸と無機酸塩化物(例えば塩化チオニル)の反応により生成する塩化アシル;混合無水物、例えば、この酸とイソブチルクロロホルメートなどのクロロホルメートの反応により生成する無水物;活性エステル、例えば、この酸とペンタフルオロフェノールなどのフェノール、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニルなどのエステル、またはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、またはN−ヒドロキシベンゾトリアゾールのようなアルコールの反応により生成するエステル;アシルアジド、例えば、この酸とジフェニルホスホリルアジドなどのアジドの反応により生成するアジド;またはシアン化アシル、例えば、酸とシアン化ホスホリルジエチルなどのシアン化物の反応により生成するシアン化物である。カルボン酸のこのような反応性誘導体のアミン(式IIの化合物など)との反応は、当該技術分野でよく知られていて、例えば、それらは、上記に記載されるような塩基の存在下に、そして上記に記載されるような好適な溶媒において、反応させることができる。この反応は、適宜、上記に記載のような温度で実施することができる。
製法(a)の出発原料の調製
式IIのキナゾリンは、慣用の手法により入手されうる。例えば、式IIのキナゾリンは、適宜、好適な塩基の存在下で、式IIa:
Figure 2008539217
[式中、Lは、好適な置換可能基であり、R、X、Q、G、G、GおよびGは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
のキナゾリンの、式IIb:
Figure 2008539217
[R、R、R、RおよびRは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
のアルコールとの反応、および必要であれば、存在する任意の保護基を慣用の方法で除去することにより入手されうる。例えば、式IIbのアルコールを使用する代わりに、式IIb’(保護基Pgを含む):
Figure 2008539217
[式中、R、R、R、RおよびRは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
を使用し、その後当業者に既知の適切な方法により保護基(Pg)を除去することができる。
式IIaのキナゾリン中の好適な置換可能基Lは、例えば、、ハロゲノまたはスルホニルオキシ基、例えば、フルオロ、クロロ、メチルスルホニルオキシまたはトルエン−4−スルホニルオキシ基などである。特別な置換可能基Lは、フルオロまたはクロロ、さらに具体的にはフルオロである。
式IIaのキナゾリンおよび式IIbまたはIIb’のアルコールの反応のための好適な塩基には、例えば、非求核性強塩基(アルカリ金属ヒドリド、例えば、水素化ナトリウム、またはアルカリ金属アミド、例えば、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)など)が含まれる。
式IIaのキナゾリンおよび式IIbまたはIIb’のアルコールの反応は、適宜、好適な不活性溶媒または希釈剤、例えば、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒,またはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オンまたはジメチルスルホキシドなどの双極性非プロトン性溶媒の存在下で行われる。この反応は、適宜、例えば、10℃〜250℃の範囲の温度、好ましくは40℃〜150℃の範囲の温度で行なう。適宜、この反応は、マイクロ波ヒーターなどの好適な加熱装置を使用して、反応剤を密封容器において加熱することによって実施してもよい。
適宜、式IIaのキナゾリンと式IIbまたはIIb’のアルコールの反応は、好適な触媒、例えば、15−クラウン−5などのクラウンエーテルの存在下に実施してもよい。
式IIbまたはIIb’のアルコールは、市販の化合物であるか、またはそれらは文献に知られているか、またはそれらは当該技術分野で知られた標準法によって製造することができる。例えば、RおよびRが共に水素の場合の式IIbまたはIIb’のアルコールは、反応スキーム1に例示するように、対応の酸またはそのエステルの還元により調製してもよい:
Figure 2008539217
[式中、R、RおよびRは、本明細書で既に定義したとおりであり、Pgは好適な保護基(アリルまたはtert−ブトキシカルボニルなど)を表し、TMSはトリメチルシランを表し、Dibal−Hはジイソブチルアルミニウムヒドリドを表す]。
反応スキーム1において、TMS−ジアゾメタンとの反応は、適宜、メタノールの存在下で行われ、好適な不活性溶媒または希釈剤の存在下で行ってもよく、約25℃の温度で行われる。
反応スキーム1において、DiBal−H、LiAlHまたはLiBHとの反応は、適宜、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランなどの好適な不活性溶媒または希釈剤の存在下で、例えば−78℃〜60℃の範囲の温度で行われうる。
あるいは式IIbまたはIIb’のアルコールは、反応スキーム2に示すように調製されうる:
Figure 2008539217
[式中、Pgは好適なアミン保護基(アリルなど)であり、およびR、R、R、RおよびRは本明細書に既に定義したとおりである]。
反応スキーム2の工程(i)カップリングおよび開環反応は、適宜、イッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホネートなどの好適な金属触媒の存在下で行われる。反応は好適には、ジオキサンなどの不活性な溶媒または希釈剤の存在下で行われる。反応は、好ましくは、例えば、50℃〜約150℃に加温して行われる。
反応スキーム2の工程(ii)では、保護基Pgは、慣用の方法を使用して除去してもよく、例えば、Pgがアリル基の場合は金属で触媒される開裂により除去されうる。金属触媒開裂のための好適な触媒は、例えば、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)である。
既に述べたとおり、いくつかの態様において、反応スキーム2の式IIb’のアルコールは、製法(a)において直接使用してもよい。この態様において、アミン保護基(Pg)は、式IIIの酸(またはその反応性誘導体)とのカップリングの前の、製法での便宜的な段階で除去してよい。
式IIaのキナゾリンは慣用の手法により得られる。例えば、式IIc:
Figure 2008539217
[式中、Rは既に定義したとおりであり、LおよびLは置換可能基であり、およびLはLよりも不安定である]
のキナゾリンを、式IId:
Figure 2008539217
[式中、X、Q、G、G、GおよびGは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
の化合物と反応させ、その後、存在する任意の保護基を慣用の手段により除去してもよい。
好適な置換可能基Lは、既に定義したとおりであり、特に、フルオロである。好適な置換可能基Lは、例えば、ハロゲノ(特に、クロロ)、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホニルオキシまたはアリールスルホニルオキシ基、例えば、クロロ、ブロモ、メトキシ、フェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ、メチルチオ、メタンスルホニル、メタンスルホニルオキシまたはトルエン−4−スルホニルオキシ基である。
式IIcのキナゾリンの式IIdの化合物との反応は、適宜、触媒量の酸の存在下で行ってもよい。好適な酸には、例えば、(適宜、ジエチルエーテルまたはジオキサンに溶解させた)塩化水素ガスまたは塩酸が含まれる。
あるいは、式IIcのキナゾリンの式IIdの化合物との反応は、好適な塩基の存在下で行ってもよい。好適な塩基は、例えば、ピリジン、2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンなどの有機アミン塩基、または、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、もしくは炭酸カルシウムなどのアルカリまたはアルカリ土類金属炭酸塩、または水素化ナトリウムなどのアルカリ金属ヒドリドである。
あるいは、Lがハロゲノ(例えば、クロロ)である式IIcのキナゾリンは、酸または塩基の不存在下で、式IIdの化合物と反応させてもよい。この反応において、ハロゲノ脱離基Lの置換により、酸HLの系中での形成および反応の自己触媒作用がもたらされる。
前記の反応は、適宜、好適な不活性溶媒または希釈剤、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくは酢酸エチルなどのアルコールまたはエステル、塩化メチレン、クロロホルム、または四塩化炭素のようなハロゲン化溶媒、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、またはジメチルスルホキシドのなどの双極性の非プロトン性溶媒の存在下で行う。上記の反応は、適宜、例えば、0℃〜250℃の範囲、便宜的には40℃〜80℃の範囲の温度で、または好ましくは、使用する場合には溶媒の還流温度またはその付近で行なう。
あるいは、反応スキーム3:
Figure 2008539217
[式中、L、LおよびLは好適な置換可能器であり、R、X、Q、G、G、GおよびGは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有し、その後、任意の存在する保護基は慣用の手段により除去される]
で説明されるように式IIaのキナゾリンを得ることができる。
反応スキーム3において、式VIIの化合物の好適な置換可能基Lは、例えば、、ハロゲノまたはスルホニルオキシ基、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチルスルホニルオキシまたはトルエン−4−スルホニルオキシ基である。特定の基Lは、ブロモ、クロロまたはメチルスルホニルオキシである。好適な置換可能基LおよびLは、本明細書で既に定義されたとおりである。
式IIcの化合物および式IId’の化合物の反応は、適宜、式IIcのキナゾリンおよび式IIdの化合物の反応について既に述べた条件と類似の条件を使用して行われる。
式IIeの化合物および式VIIの化合物の反応は、適宜、製法(c)について以下に述べる条件と類似の条件を使用して行われる。
式IIcのキナゾリンは、慣用の方法を使用して得てもよく、例えば、、Rが水素であり、Lがフルオロであり、およびLがハロゲノの場合、5−フルオロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンを、チオニルクロリド、ホスホリルクロリド、または四塩化炭素およびトリフェニルホスフィンの混合物などの、好適なハロゲン化剤と反応させてもよい。5−フルオロ−3,4−ジヒドロキナゾリンの出発原料は、購入により入手可能か、または、例えば、J.Org.Chem.1952年、第17巻、第164−176頁に記載された慣用の方法を使用して調製可能である。
式IIdおよびIId’の化合物は、購入により入手可能な化合物であるか、またはそれらは文献において既知であるか、またはそれらは当該技術分野で知られた標準的製法により調製することができる。例えば、式IIdおよびIId’の化合物は、反応スキーム4:
Figure 2008539217
[Lは既に定義した好適な置換可能基であり、X、Q、G、G、GおよびGは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で定義された意義のいずれかを有し、その後、存在する任意の保護基は慣用の手段により除去される]
で説明されるように調製してもよい。
反応スキーム4の工程(i)の反応は、適宜、製法(c)について以下に述べる条件と類似の条件を使用して行われる。
反応スキーム4の工程(ii)の還元は、慣用の方法を使用して行ってもよい。例えば、工程(ii)のニトロ基の還元は、標準条件下で、例えば、白金/カーボン、パラジウム/カーボンまたはニッケル触媒またはパラジウム(IV)オキシドでの触媒水素化、鉄、塩化チタン(III)、塩化スズ(II)、またはインジウムなどの金属での処理、またはジチオン酸ナトリウムなどの別の好適な還元剤での処理により行ってもよい。
あるいは、式IIのキナゾリンは、慣用の手法、例えば反応スキーム5:
Figure 2008539217
[LおよびLは好適な置換可能基であり、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、GおよびGは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
で説明されるように得ることができる。
好適な置換可能基Lは本明細書で既に定義されたとおりである。例えば、Lはクロロまたはフルオロなどのハロゲノであってもよい。
式IIa’の化合物の好適な置換可能基Lは、例えば、ハロゲノまたはスルホニルオキシ基、例えば、フルオロ、クロロ、メチルスルホニルオキシまたはトルエン−4−スルホニルオキシ基である。特定の基Lは、フルオロ、クロロまたはメチルスルホニルオキシ、特にクロロである。
反応スキーム5の工程(i)は、既に述べた、式IIaの化合物および式IIbまたはIIb’のアルコールの反応について使用する条件と類似の条件を使用して行うことができる。
反応スキーム5の工程(ii)は、好適な変換反応を使用して行うことができる。例えば、Lがクロロの場合、工程(ii)は、チオニルクロリドなどの適当なクロロ化剤を使用して行うことができる。
反応スキーム5の工程(iii)において、式IIa’の化合物の式IIgのアミンとの反応は、適宜、好適な塩基の存在下で行ってもよい。好適な塩基は、例えば、ピリジン、2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、またはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンなどの有機アミン塩基、または、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウムなど)、または、例えば、アルカリ金属ヒドリド、例えば、水素化ナトリウムである。あるいは、反応には、上述の好適なアミンの代わりに、過剰量の式IIgのアミンを使用してもよい。
必要であれば、式IIa’の化合物の式IIgのアミンとの反応は、適宜、好適な触媒、例えばテトラブチルアンモニウムヨージドの存在下で行ってもよい。
式IIa’の化合物および式IIgのアミンの反応は、適宜、好適な不活性溶媒または希釈剤、例えば、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、またはジメチルスルホキシドなどの双極性の非プロトン性溶媒の存在下に行う。この反応は、簡便には、例えば、25℃〜100℃の範囲の温度で、便宜的には約100℃で行なう。
式IIaの化合物は、例えば上述したように、慣用の手法を使用して得ることができる。
式IIfおよびIIgの化合物は、購入により入手可能な化合物であり、またはそれらは文献において既知であり、またはそれらは当該技術分野において既知の標準的製法により調製することができる。
製法(b)
製法(b)の反応条件
式IVの化合物中の好適な置換可能基Lは、例えば、、ハロゲノまたはスルホニルオキシ基、例えば、フルオロ、クロロ、メチルスルホニルオキシまたはトルエン−4−スルホニルオキシ基などである。特定の置換可能基Lは、フルオロ、クロロまたはメチルスルホニルオキシ、特にクロロである。
式IVの化合物の式Vのアミンとの反応は、適宜、好適な塩基の存在下で行ってもよい。好適な塩基は、例えば、ピリジン、2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、またはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンなどの有機アミン塩基、または、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウムなど)、または、例えば、アルカリ金属ヒドリド、例えば、水素化ナトリウムである。あるいは、反応には、上述の好適なアミンの代わりに、過剰量の式Vのアミンを使用してもよい。
必要であれば、反応は、適宜、好適な触媒、例えばテトラブチルアンモニウムヨージドの存在下で行ってもよい。
式IVの化合物および式Vのアミンの反応は、適宜、好適な不活性溶媒または希釈剤、例えば、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、またはジメチルスルホキシドなどの双極性の非プロトン性溶媒の存在下に行う。反応は、適宜、例えば、25℃〜100℃の範囲の温度で、便宜的には約100℃で行なう。
製法(b)の出発原料の調製
式IVのキナゾリンは、例えば上述したように、慣用の方法を使用して調製してもよい。
式Vのアミンは、購入により入手可能な化合物であり、またはそれらは文献において既知であり、またはそれらは当該技術分野において知られた標準的手法により調製することができる。
製法(c)
製法(c)の反応条件
式VIIの化合物中の好適な置換可能基Lは、例えば、、ハロゲノまたはスルホニルオキシ基、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチルスルホニルオキシまたはトルエン−4−スルホニルオキシ基などである。特定の置換可能基Lは、ブロモ、クロロまたはメチルスルホニルオキシである。
式VIのキナゾリンの式VIIの化合物との反応は、適宜、好適な塩基の存在下で行われる。好適な塩基は、例えば、ピリジン、2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、またはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンなどの有機アミン塩基、または、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウムなど)、または、例えば、アルカリ金属ヒドリド、例えば、水素化ナトリウムである。
式VIのキナゾリンおよび式VIIの化合物の反応は、適宜、好適な不活性溶媒または希釈剤、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、または四塩化炭素などのハロゲン化溶媒、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル、トルエンなどの芳香族溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、またはジメチルスルホキシドなどの双極性の非プロトン性溶媒の存在下に行う。あるいは、反応は不活性溶媒または希釈剤の不存在下で行ってもよい。反応は、適宜、例えば、25℃〜100℃の範囲の温度で、便宜的には周囲温度またはその付近で行なってもよい。
製法(c)の出発原料の調製
式VIのキナゾリンは、慣用の方法、例えば、式VIa:
Figure 2008539217
[式中、R、R、R、R、R、R、G、G、GおよびGは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることを除き、本明細書で既に定義された意義のいずれかを有する]
の化合物を、式III:
A−COOH
III
[式中、Aは、必要な場合に任意の官能基が保護されていることの除き、本明細書で定義された任意の意義を有し、その後、存在する任意の保護基は慣用に手段により除去される]
のカルボン酸、またはその反応性誘導体と反応させることにより調製することができる。
式VIaのキナゾリンおよび式IIIの化合物の反応は、製法(a)について上述した条件と類似の条件を使用して行われる。
式VIIの化合物は、購入により入手可能な化合物であり、またはそれらは文献において既知であり、またはそれらは当該技術分野において知られた標準的手法により調製することができる。
製法(d)
式VIIIの化合物および式IXの化合物の反応は、適宜、式IIcのキナゾリンおよび式IIdの化合物の反応について既に述べた条件と類似の条件を使用して行われる。
製法(d)の出発原料の調製
式VIIのキナゾリンは、既に述べたように、慣用の手法により得ることができる。
式IXの化合物は、購入により入手可能な化合物であり、またはそれらは文献において既知であり、またはそれらは当該技術分野において知られた標準的手法により調製することができる。
式Iのキナゾリン誘導体は、上記の方法より、遊離塩基の形態で得てもよく、あるいは、塩の形態、例えば、酸付加塩の形態で得てもよい。式Iのキナゾリン誘導体の塩から遊離塩基を得ることが望まれる場合、当該塩は、好適な塩基、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩または水酸化物、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムで処理しても、アンモニアで、例えば、メタノール中7Nアンモニアなどのメタノール性アンモニア溶液を使用して処理してもよい。
上記の製法に使用する保護基は、一般に、問題の基の保護に適切なものとして文献に記載されているかまたは熟練化学者に知られている基のいずれより選択してよく、慣用の方法により導入することができる。保護基は、問題の保護基の除去に適切なものとして文献に記載されているかまたは熟練化学者に知られている任意の簡便な方法によって除去してもよく、そのような方法は、分子中の他所にある基をほとんど妨害せずに保護基の除去を実効するように選択される。
保護基の具体的な例を便宜上以下に示すが、ここで、例えば、低級アルキルにあるような「低級」はそれが適用される基が、好ましくは1〜4の炭素原子を有することを意味する。これらの例は、網羅的ではないと理解されよう。保護基の除去の方法の具体的な例を以下に示す場合、これらも同様に網羅的ではない。具体的に言及しない保護基の使用と脱保護の方法も、当然ながら、本発明の範囲内にある。
カルボキシ保護基は、エステルを形成する脂肪族またはアリール脂肪族アルコールの、またはエステルを形成するシラノールの残基であり得る(前記アルコールまたはシラノールは、好ましくは1〜17の炭素原子を含有する)。カルボキシ保護基の例には、直鎖または分岐鎖(1〜12C)アルキル基(例えば、イソプロピル、およびtert−ブチル);低級アルコキシ−低級アルキル基(例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、およびイソブトキシメチル);低級アシルオキシ−低級アルキル基(例えば、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、およびピバロイルオキシメチル);低級アルコキシカルボニルオキシ−低級アルキル基(例えば、1−メトキシカルボニルオキシエチル、および1−エトキシカルボニルオキシエチル);アリール−低級アルキル基(例えば、ベンジル、4−メトキシベンジル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、ベンズヒドリル、およびフタリジル);トリ(低級アルキル)シリル基(例えば、トリメチルシリル、およびtert−ブチルジメチルシリル);トリ(低級アルキル)シリル−低級アルキル基(例えば、トリメチルシリルエチル);および(2−6C)アルケニル基(例えば、アリル)が含まれる。カルボキシル保護基の除去に特に適した方法には、例えば、酸、塩基、金属、または酵素触媒による切断が含まれる。
ヒドロキシ保護基の例には、低級アルキル基(例えば、tert−ブチル)、低級アルケニル基(例えば、アリル);低級アルカノイル基(例えば、アセチル);低級アルコキシカルボニル基(例えば、tert−ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル基(例えば、アリルオキシカルボニル);アリール−低級アルコキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、および4−ニトロベンジルオキシカルボニル);トリ(低級アルキル)シリル(例えば、トリメチルシリル、およびtert−ブチルジメチルシリル)、およびアリール−低級アルキル(例えば、ベンジル)基が含まれる。
アミノ保護基の例には、ホルミル、アリール−低級アルキル基(例えば、ベンジル、および置換ベンジル、4−メトキシベンジル、2−ニトロベンジル、および2,4−ジメトキシベンジル、およびトリフェニルメチル);ジ−4−アニシルメチル、およびフリルメチル基;低級アルコキシカルボニル(例えば、tert−ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル(例えば、アリルオキシカルボニル);アリール−低級アルコキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、および4−ニトロベンジルオキシカルボニル);低級アルカノイルオキシアルキル基(例えば、ピバロイルオキシメチル);トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリル、およびtert−ブチルジメチルシリル);アルキリデン(例えば、メチリデン)とベンジリデンおよび置換ベンジリデン基が含まれる。
ヒドロキシおよびアミノ保護基の除去に特に適した方法には、例えば、2−ニトロベンジルオキシカルボニルなどの基に対する酸、塩基、金属、または酵素触媒による加水分解、ベンジルなどの基に対する水素化、そして2−ニトロベンジルオキシカルボニルなどの基に対する光分解が含まれる。例えば、tert−ブトキシカルボニル保護基は、トリフルオロ酢酸を使用する酸触媒加水分解によってアミノ基より除去すことができる。
読者には、反応条件および試薬に関する一般ガイダンスとしては「最新有機化学(Advanced Organic Chemistry)」第4版、J.March著、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(1992年刊行)が、そして保護基に関する一般ガイダンスとしては「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」第2版、T.Greenら監修(ジョン・ウィリー・アンド・サンズ刊行)が参考になる。
本発明のキナゾリン誘導体中の様々な環置換基の特定のものは、上記に言及する方法に先立って、またはその直後に、標準的な芳香族置換反応によって導入しても、慣用の官能基修飾によって形成してもよいと理解され、それ自体が本発明の製法の側面に含まれる。当該反応および修飾には、例えば、芳香族置換反応による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアルキル化、および置換基の酸化が含まれる。当該手法のための試薬および反応条件は、化学の技術分野でよく知られている。芳香族置換反応の特定の例には、濃硝酸を使用するニトロ基の導入;例えば、ハロゲン化アシルおよびルイス酸(三塩化アルミニウムなど)をフリーデル・クラフツ条件下に使用するアシル基の導入;ハロゲン化アルキルおよびルイス酸(三塩化アルミニウムなど)をフリーデル・クラフツ条件下に使用するアルキル基の導入;およびハロゲノ基の導入が含まれる。
式Iのキナゾリン誘導体の医薬として許容される塩、例えば、酸付加塩が求められるとき、それは、例えば、慣用の手法を使用して、前記キナゾリン誘導体の好適な酸との反応によって入手することができる。
上記に言及されるように、本発明の化合物の中には、1以上の不斉中心を含有し得て、それ故に立体異性体として存在し得るものがある。立体異性体は、慣用の技術、例えば、クロマトグラフィーまたは分画結晶化を使用して分離することができる。エナンチオマーは、例えば、分画結晶化、分割、またはHPLCによるラセミ体の分離によって単離することができる。ジアステレオ異性体は、ジアステレオ異性体の異なる物理特性による分離、例えば、分画結晶化、HPLC、またはフラッシュクロマトグラフィーによって単離することができる。あるいは、ラセミ化やエピマー化を引き起こさない条件下でのキラル出発原料からの不斉合成によるか、またはキラル試薬での誘導体化によって、特定の立体異性体を作製してよい。特定の立体異性体を単離するとき、それは、好適には、他の立体異性体を実質的に含まずに単離し、例えば、20重量%未満、特に10重量%未満、そしてより特別には5重量%未満の他の立体異性体を含有する。
式Iのキナゾリン誘導体の製造に関連する上記のセクションにおいて、表現「不活性溶媒」は、目的の生成物の収率に悪影響を及ぼすようには、出発原料、試薬、中間体、または生成物と反応することがない溶媒を意味する。
当業者は、本発明のキナゾリン誘導体を、代わりの、そして場合によってはより簡便なやり方で入手するために、上記に言及した個別の製法工程を異なる順序で実施してよく、および/または、個別の反応を全体経路の異なる段階で実施してもよい(即ち、上記において特定の反応と関連したものとは異なる中間体に対して化学変換を実施してよい)ことを理解されよう。
上記に記載の方法に使用する特定の中間体は新規であり、本発明のさらなる特徴を形成する。故に、上記に定義されるような式II、IV、VI、およびVIIIの化合物より選択される化合物またはその塩が提供される。中間体は、中間体の塩の形態であってもよい。当該塩は、医薬として許容な塩である必要はない。例えば、そのような塩が式Iのキナゾリン誘導体の製造において有用であるならば、例えば、中間体を医薬として許容されない塩の形態で製造することが有用であり得る。
本発明の特定の中間体化合物は、以下から選択される式IIの1以上のキナゾリン誘導体である:
5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン;
5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン;
N−[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]−5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]キナゾリン−4−アミン;
5−[(1R)−1−メチル−2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン;および
5−[(R)−2−(メチルアミノ)プロポキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン;
またはそれらの塩。
生物学的アッセイ
非細胞ベースのタンパク質チロシンキナーゼアッセイ、並びに細胞ベースの増殖アッセイにおいて化合物の阻害活性を評価した後で、異種移植片試験においてそれらのインビボ活性を評価した。
a)タンパク質チロシンキナーゼリン酸化アッセイ
この試験は、チロシン含有ポリペプチド基質のEGFR、erbB2およびerbB4チロシンキナーゼ酵素によるリン酸化を阻害する、試験化合物の能力を測定する。
EGFR、erbB2、およびerbB4の組換え細胞内断片(それぞれ、受入れ番号:X00588、X03363、およびL07868)をクローニングして、バキュロウイルス/Sf21系において発現させた。氷冷した溶解緩衝液(20mM N−2−ヒドロキシエチルピペリジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)pH7.5、150mM NaCl、10%グリセロール、1%Triton X−100、1.5mM MgCl、1mMエチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)N’,N’,N’,N’−四酢酸(EGTA))+プロテアーゼ阻害剤での処理によりこれらの細胞より溶解液を調製してから、遠心分離により澄明にした。
これら組換えタンパク質の構成的なキナーゼ活性を、合成ペプチド(グルタミン酸、アラニン、およびチロシンの6:3:1の比のランダム共重合体より作製される)をリン酸化する能力によって決定した。具体的には、MaxisorbTM96ウェル免疫プレートを合成ペプチドでコートした(100μlのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)溶液中0.2μgのペプチドを4℃で一晩インキュベートした)。プレートを50mM HEPES(pH7.4)において室温で洗浄し、過剰な非結合の合成ペプチドを除去した。EGFRまたはerbB2活性を、50mM HEPES(室温でpH7.4)、それぞれの酵素のKm濃度でのアデノシン三リン酸(ATP)、10mM MnCl、0.05mM NaVO、0.1mM DL−ジチオトレイトール(DTT)、0.05% Triton X−100において、DMSO中の試験化合物(最終濃度:2.5%)とともに、ペプチドコート済みプレートにおける室温で20分間のインキュベーションによって評価した。アッセイの液体成分の除去により反応を止め、続いてこのプレートをPBS−T(リン酸緩衝化生理食塩水+0.05% Tween20)で洗浄した。
この反応の固定化ホスホ−ペプチド産物を免疫学的方法によって検出した。はじめに、マウスにおいて産生した抗ホスホチロシン一次抗体(アップステート・バイオテクノロジー製の4G10)により、プレートを室温で90分間インキュベートした。しっかりと洗浄した後で、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)がコンジュゲートしたヒツジ抗マウス二次抗体(アマーシャム製のNXA931)でプレートを室温で60分間処理した。さらなる洗浄の後で、22’−アジノ−ジ[3−エチルベンズチアゾリンスルホネート(6)]二アンモニウム塩結晶(ロッシュ製のABTSTM)を基質として使用する比色定量により、プレートの各ウェル中のHRP活性を測定した。
発色とそれによる酵素活性の定量は、モレキュラー・デバイス・サーモマックス(Molecular Devices ThermoMax)マイクロプレートリーダーによる405nmでの吸光度の測定によって行った。所与の化合物のキナーゼ阻害をIC50値として表した。これは、このアッセイにおいてリン酸化の50%阻害を与えるのに必要とされる化合物の濃度の算出によって決定した。陽性(担体+ATP)および陰性(担体−APT)対照の数値よりリン酸化の範囲を算出した。
b)EGFR推進性のKB細胞増殖アッセイ
このアッセイは、ヒト腫瘍細胞系、KB(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)より入手)の増殖を阻害する試験化合物の能力を測定する。
KB細胞を、37℃で7.5%CO空気インキュベーターにおいて、10%胎仔ウシ血清、2mMグルタミン、および非必須アミノ酸を含有するダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)中で培養した。トリプシン/エチルアミンジアミン四酢酸(EDTA)を使用して、ストックフラスコより細胞を採取した。血球計を使用して細胞密度を測定し、トリパンブルー溶液を使用して生存能力を算出した後で、37℃、7.5%COで、2.5%活性炭処理血清、1mMグルタミン、および非必須アミノ酸を含有するDMEMにおいて、96ウェルプレートのウェルにつき1.25x10細胞の密度で細胞を播き、4時間静置した。
プレートへの接着に続き、EGF(最終濃度:1ng/ml)を含めるかまたは含めずに、そしてジメチルスルホキシド(DMSO)(最終0.1%)中の様々な濃度の化合物を含めるかまたは含めないで細胞を処理してから、4日間インキュベートした。このインキュベーション期間に続き、50μlの3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)(ストック:5mg/ml)の2時間の添加により細胞数を決定した。次いで、MTT溶液を吸引により除去し、プレートを穏やかにたたいて乾燥させて、100μlのDMSOの添加により細胞を溶かした。
モレキュラー・デバイス・サーモマックスのマイクロプレートリーダーを使用して、この可溶化細胞の吸光度を540nmで読み取った。増殖の阻害をIC50値として表した。これは、増殖の50%阻害を与えるのに必要とされる化合物の濃度の算出によって決定した。陽性(担体+EGF)および陰性(担体−EGF)対照の数値より増殖の範囲を算出した。
c)クローン24ホスホ−erbB2細胞アッセイ
この免疫蛍光エンドポイントアッセイは、全長の野生型erbB2タンパク質を過剰発現する細胞系(以下、「クローン24」細胞)を得るための標準法を使用して、全長erbB2遺伝子でMCF7(乳癌)細胞をトランスフェクトすることによって産生したMCF7由来細胞系においてerbB2のリン酸化を阻害する試験化合物の能力を測定する。
クローン24細胞を増殖培地(10%胎仔ウシ血清、2mMグルタミン、および1.2mg/ml G418を含有する、フェノールレッドを含まないダルベッコ改良イーグル培地(DMEM))において、7.5%CO空気インキュベーター中に37℃で培養した。PBS(リン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)、ギブコ、番号:10010−015)中で1回洗浄することによってT75ストックフラスコより細胞を採取して、2mlのトリプシン(1.25mg/ml)/エチルアミンジアミン四酢酸(EDTA)(0.8mg/ml)溶液を使用して採取した。この細胞を増殖培地に再懸濁させた。血球計を使用して細胞密度を測定して、トリパンブルー溶液を使用して生存度を計算した後で、増殖培地でさらに希釈して、1x10細胞/ウェル(100μl中)の密度で、底が澄明な96ウェルプレート(パッカード、番号6005182)へ播いた。
3日後、増殖培地をウェルから除去し、erbB阻害化合物を含むかまたは含まない100μlのアッセイ培地(フェノールレッドを含まないDMEM、2mMグルタミン、1.2mg/ml G418)で置き換えた。プレートをインキュベーターへ4時間戻してから、20μlのPBS中20%ホルムアルデヒド溶液を各ウェルへ加え、プレートを室温に30分間放置した。この定着性の溶液をマルチチャネルピペットで除去し、100μlのPBSを各ウェルへ加えてからマルチチャネルピペットで除去し、次いで50μlのPBSを各ウェルへ加えた。次いで、プレートを密封して、4℃で2週間までの間保存した。
免疫染色は、室温で実施した。プレート洗浄器を使用して、200μl PBS/Tween20(1サシェのPBS/Tween乾燥粉末(シグマ、番号P3563)を1Lの二重蒸留HOへ加えることによって作製する)で1回ウェルを洗浄してから、100μlの0.5% Triton X−100/PBSを各ウェルに加えて、細胞を透過性にした。10分後、プレートを200μl PBS/Tween20で洗浄してから、100μlの阻止溶液(PBS中5%Marvel乾燥スキムミルク(ネッスル))をウェル毎に加えて、プレートを15分間インキュベートした。プレート洗浄器での阻止溶液の除去に続き、阻止溶液で1:250希釈した、30μlのウサギポリクローナル抗ホスホerbB2 IgG抗体(エピトープ、ホスホ−Tyr1248、SantaCruz,番号SC−12352−R)を各ウェルへ加えて、2時間インキュベートした。次いで、プレート洗浄器を使用してこの一次抗体溶液をプレート洗浄器を使用してウェルより除去して、続いてプレート洗浄器を使用して、200μl PBS/Tween20で2回洗浄した。100μlの阻止溶液をセル毎に加え、プレートを10分間インキュベートした。次いで、阻止溶液で1:750希釈した、30μlのAlexa−Fluor488ヤギ抗ウサギIgG二次抗体(モレキュラー・プローブス、番号A−11008)を各ウェルへ加えた。これ以降は、可能であるときはいつでも、この段階では黒いバッキングテープでシールすることによって、プレートを光曝露より保護した。このプレートを45分間インキュベートしてから二次抗体溶液をウェルより除去し、続いてプレート洗浄器を使用して、200μl PBS/Tween20で3回洗浄した。次いで、100μl PBSを各プレートへ加え、10分間インキュベートしてから、プレート洗浄器を使用して除去した。次いで、50μlのPBSを各ウェルへ加え、プレートを黒いバッキングテープで再びシールして、分析の前に4℃で保存した。プレートは免疫染色の完了の6時間以内に分析した。
レーザースキャニングにより作成される画像の特徴を速やかに定量するために使用し得るプレートリーダーである、Acumen Explorer Instrument(Acumen Bioscience社)を使用して、各ウェルの蛍光シグナルを測定した。あらかじめ設定された閾値より高い蛍光物体の数を測定するようにこの機器を設定して、これによりerbB2タンパク質のリン酸化状態の測定値を得た。各化合物で得られた蛍光−用量応答データを好適なソフトウェアパッケージ(Originなどの)へ入力して、曲線適合解析を実施した。erbB2リン酸化の阻害をIC50値として表した。これは、erbB2リン酸化シグナルの50%阻害を与えるのに必要とされる化合物の濃度の計算によって決定した。
d)インビボBT474C異種移植片アッセイ
このアッセイは、雌性スイス無胸腺マウス(Alderley Park,nu/nu遺伝型)において異種移植片として増殖するBT−474腫瘍細胞系の特定の変異株の増殖を阻害する試験化合物の能力を測定する(Baselga,J.ら、(1998年)Cancer Research、第58巻、第2825−2831頁)。
BT−474腫瘍細胞系(ヒト乳癌)はBaselga博士(Laboratorio Recerca Oncologica、Paseo Vall D’Hebron 119−129、バルセロナ08035、スペイン)から入手した。この細胞系をサブクローニングし、特定の個体群(以下、「BT474C」と称する)を得た。
雌性スイス無胸腺(nu/nu遺伝型)マウスは、Alderley Parkにおいて陰圧アイソレータ(PFIシステムズ社)で飼育して管理された。12時間の明/暗周期の遮蔽施設にマウスを収容し、滅菌済みの食餌および水を任意に提供した。すべての手順は、少なくとも8週齢のマウスに対して実施した。ドナーマウスの後脇腹に動物あたり100μlの50% Matrigel入り無血清培地中1x10個の新鮮培養細胞を皮下注射することによって、BT474C腫瘍細胞異種移植片を確立した。細胞移植の前の日のエストラジオールベンゾエート(Mesalin、Intravet UK 0.2mg/ml)の100μg/動物の皮下注射、およびその後の毎週50μ/動物の追加を動物に補充した。移植から14日目に、マウスを10匹の群へ無作為化した後で、0.1ml/10g体重で1日1回投与する化合物または担体対照で処理した。式:(長さ×幅)×√(長さ×幅)×(π/6)(ここで、「長さ」は腫瘍を横切る最長の直径であり、「幅」は対応する垂線である)を使用して、両側のノギス測定により、週2回、腫瘍体積を評価した。対照群と処置群について腫瘍体積の平均変化の比較により処置の開始からの増殖阻害を算出し、スチューデントのt検定を使用して、2つの群間の統計学的有意差を評価した。
e)BT474C細胞増殖アッセイ
BT474C細胞は、上述のインビボコンピテント細胞のサブクローニングした個体群である。
BT474Cアッセイは、MTS(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム、内塩−Promega G1111)終点型細胞増殖アッセイであって、4日間の細胞増殖の阻害のための試験化合物の能力を測定する。増殖培地(10%胎仔ウシ血清、10%M1サプリメント(アストラゼネカ内部で供給)、1%オキサロ酢酸を含有する、フェノールレッドを含まないダルベッコ改良イーグル培地(DMEM))において、7.5%CO空気インキュベーター中に37℃で培養して、細胞を対数期とする。PBS(リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4,Gibco No.10010−015)中で一度洗浄することにより、ストックフラスコから細胞を採取し、2mlのトリプシン(1.25mg/ml)/エチルアミンジアミン四酢酸(EDTA)(0.8mg/ml)溶液を使用して除去する。細胞をアッセイ培地(10%活性炭/デキストラン処理胎仔ウシ血清、10%M1サプリメント、1%オキサロ酢酸を含有する、フェノールレッドを含まないダルベッコ改良イーグル培地(DMEM))中に再懸濁させる。血球計を使用して細胞密度を測定し、トリパンブルー溶液を使用して生存能力を算出した後で、アッセイ培地でさらに希釈し、1×10細胞/ウェル(100μl中)の密度で、底が澄明な96ウェルプレート(Costar3598)へ播く。1枚の別のプレートを、0日目対称プレートとして機能するように設定する。
4時間後、薬量応答の形式で連続的に100%DMSO(Sigma D5879)で希釈された、試験化合物を含むアッセイ培地を、プレートにわたって3連で加える。0日目プレートをMTS溶液(テトラゾリウム化合物−フェナジンエトスルフェート(PES−シグマP4544)/PBS中のMTS粉末から作成)で処理し、2時間インキュベートした後に、10%SDSの添加により反応を停止する。スペクトロフォトメーター上で、490nmでプレートを測定する。
アッセイプレートを37℃で4日間放置し、その後、活性細胞により可溶なホルマザン生成物に変換されるMTS溶液(上記のとおり)で処理する。2時間プレートをインキュベートした後で、10%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の添加により反応を停止し、スペクトロフォトメーター上で490nmでプレートを測定し、変換した色素の濃度に関する吸収値を得る。
各化合物について得られる吸収薬量応答データを適切なソフトウェアパッケージ(Originなど)に入力し、曲線適合分析を行う。BT474C細胞増殖の阻害は、IC50値(0日目吸収値より上のlog/linプロット−分析データの使用によりGI50として計算される)として表される。これは、細胞増殖の50%阻害を与えるために必要な化合物の濃度の計算により決定される。
f)hERGにコードされたカリウムチャネル阻害アッセイ
IonWorksTMHTのための細胞培養:
Perssonら(Persson、F.、Carlsson、L.、Duker、G.,およびJacobson、I.、「Blocking characteristics of hERG、hNav1.5、and hKvLQT1/hminK after administration of the novel anti−arrhythmic compound AZD7009.」、J.Cardiovasc.Electrophysiol.、第16巻、第329〜341頁、2005年)に記載されたhERG発現チャイニーズハムスター卵巣K1(CHO)細胞を、L−グルタミン、10%胎仔ウシ血清(FCS)および0.6mg/mlハイグロマイシン(すべてSigma)を含むF−12Ham培地中で、加湿環境(5%CO)、37℃でセミコンフルエンスまで培養した。使用前に、あらかじめ加温した3mlのVersene 1:5,000のアリコット(Invitrogen)を使用して、単層を洗浄した。この溶液の吸引後に、更なる2mlのVersene 1:5,000のアリコットと共に、フラスコをインキュベーター内37℃で6分間インキュベートした。その後、軽くたたいて細胞をフラスコの底から取り外し、カルシウム(0.9mM)およびマグネシウム(0.5mM)(PBS;Invitrogen)を含むダルベッコPBS(10ml)をフラスコに加え、15ml遠心分離チューブ内に吸引により導入し、その後遠心分離した(50g、4分間)。上澄み液を廃棄し、ペレットを3mlのPBS中に軽く再懸濁させた。細胞懸濁液の0.5mlのアリコットを取り出し、トリパンブルー染色排除試験(Cedex;Innovatis)に基づき生存細胞数を決定し、所望の最終細胞濃度にするために細胞再懸濁液の量をPBSで調節した。IonWorksTMHTの電圧設定を調節するために使用したCHO−Kv1.5細胞を保持し、同じ方法での使用のために調製した。
IonWorksTMHT電気生理学:
このデバイスの原理および操作は、Schroederら(Schroeder、K.、Neagle、B.、Trezise、D.J.,およびWorley、J.、Ionworks HT:a new high−throughput electrophysiology measurement platform、J.Biomol.Screen.、第8巻、第50〜64頁、2003年)により記載されている。端的に言えば、当該技術は、2つの分かれた流体チャンバーを分けるように、小孔に細胞を置いて保持するために吸い込みを使用することにより、各ウェルでの記録を行う384−ウェルプレート(PatchPlateTM)に基づいている。一度シールされると、PatchPlateTMの下側の溶液は、アンフォテリシンBを含むものに変えられる。これにより、各ウェルの孔を覆う細胞膜のパッチは透過性となり、事実上穴が空くことにより、全細胞のパッチクランプ法が行われる。
IonWorksTMHT(Essen Instrumentsのβ−テスト装置)を室温(〜21℃)で以下の方法により操作した。“バッファー”ポジションのリザーバーに4mlのPBSを充填し、“細胞”ポジションのリザーバーに上記のCHO−hERG細胞懸濁液を充填した。試験する化合物(それらの最終試験濃度の3倍で)を含む96ウェルプレート(V−底、Greiner Bio−one)を“プレート1”ポジションに置き、PatchPlateTMをPatchPlateTMステーションに固定した。各化合物プレートを、10本の8点濃度−効果曲線の作成を可能とするように12のカラムに配置し、プレート上の残りの2つのカラムには、アッセイのベースラインを定義するための賦形剤(最終濃度0.33%のDMSO)および100%阻害レベルを定義するための最大阻害濃度を超える濃度のシサプリド(最終濃度10μM)を入れた。その後、IonWorksTMHTのフルイディクスヘッド(fluidics−head、F−ヘッド)からPatchPlateTMの各ウェルに3.5μlのPBSを加え、その底面を、以下の組成(単位:mM)を有する“内部”溶液で潅流させた:K−グルコネート 100、KCl 40、MgCl 3.2、EGTA 3およびHEPES 5(すべてSigma)(10M KOHを使用してpH7.25−7.30)。プライミングおよび脱泡後、エレクトロニクスヘッド(E−ヘッド)をPatchPlateTM上で作動させて、ホールテスト(すなわち、各ウェルに穴が空いているかを確認するために電圧パルスを加える)を行った。その後、F−ヘッドで上述の細胞懸濁液3.5μlをPatchPlateTMの各ウェルに分注し、各ウェルの穴に細胞が到達して塞ぐまで200秒待った。この後、各ウェルで得られるシール抵抗(seal resistance)を確認するために、E−ヘッドをPatchPlateTM上で作動させた。次に、PatchPlateTMの底面の溶液を、以下の組成(単位:mM)を有する“アクセス”溶液に変えた:KCl 140、EGTA 1、MgCl 1およびHEPES 20(10M KOHを使用してpH7.25−7.30)および100μg/mlのアンフォテリシンB(すべてSigma)。パッチの穿孔(パッチパーホレーション)を行うために9分待った後に、化合物処理前のhERG電流試験測定値を得るために、PatchPlateTM48ウェル同時にE−ヘッドを作動させた。その後、PatchPlateTMの4ウェルにF−ヘッドで化合物プレートの各ウェルから3.5μlの溶液を加えた(各ウェルで最終DMSO濃度は0.33%であった)。これを行うにあたって、任意の化合物のキャリーオーバーによる影響を最小化するために、化合物プレートの最も希釈されたウェルから最も濃度の高いウェルへ移動するようにした。約3分半のインキュベーション後に、E−ヘッドをPatchPlateTMの384ウェル全てに作動させて、化合物処理後のhERG電流測定値を得た。この方法では、十分なパーセンテージのウェルで受け入れ判定基準が達成された時(以下を参照)には、非累加的濃度−効果曲線を得ることができ、試験化合物の各濃度の効果は、1〜4の細胞からの記録に基づくこととなる。
20秒間の−70mVの維持、−60mVへの160m秒のステップ(リークの見積もりを得る)、−70mVへ戻る100m秒のステップ、+40mVへの1秒のステップ、−30mVへの2秒のステップおよび最後の−70mVへの500m秒のステップからなる単回の電圧パルスにより、化合物処理前および処理後のhERG電流を誘発させた。化合物処理前および処理後の電圧パルスの間に膜電位の遮断(clamping)はなかった。電圧パルスプロトコルの開始時の+10mVステップの間に誘発される電流の見積もりに基づいて、電流はリークを控除した。電流シグナルは2.5kHzでサンプリングした。
スキャン前後のhERG電流量は、−70mVでの最初の維持期間の電流の40m秒平均を取り(ベースライン電流)、これをテール電流応答のピークから控除することにより、IonWorksTMHTソフトウェアによりリークを控除した出力記録から自動的に測定した。各ウェルで誘発される電流の受け入れ判定基準は、スキャン前シール抵抗>60MΩ、スキャン前hERGテール電流振幅>150pA;スキャン後シール抵抗>60MΩである。hERG電流の阻害度は、スキャン後hERG電流を各ウェルのそれぞれのスキャン前hERG電流で割って評価した。
予期したとおり、構造変化に伴って、式Iのキナゾリン誘導体の薬理学的特性は変動したが、一般に、式Iのキナゾリン誘導体が有する活性は、1以上の上述の試験(a)、(b)、(c)、(d)および(e)において、以下の濃度または薬量で示された:
試験(a):− 例えば、0.001−1μMの範囲のIC50
試験(b):− 例えば、0.001−5μMの範囲のIC50
試験(c):− 例えば、0.001−5μMの範囲のIC50
試験(d):− 例えば、1−200mg/kg/日の範囲の活性;
試験(e):− 例えば、0.001−1μMの範囲のIC50
本発明の試験したキナゾリン誘導体の有効薬量では、試験(d)で生理学的に許容できない毒性は観察されなかった。試験(f)は、標的とhERG活性の間の安全マージンを示し、hERGチャネルの阻害に起因する不整脈が起こりそうにないことを示唆している。したがって、本明細書で既に定義した式Iのキナゾリン誘導体、または医薬として許容なその塩を以下に定義する薬量の範囲で投与した場合、有害な毒性面の影響は予想されない。
例示として、表Aに本発明の代表的化合物の活性を示す。表Aの第2欄は、EGFRチロシンキナーゼタンパク質リン酸化の阻害についての試験(a)からのIC50データを示し;第3欄は、erbB2チロシンキナーゼタンパク質リン酸化の阻害についての試験(a)からのIC50データを示し;および第4欄は、上述の試験(c)でのMCF7由来細胞系におけるerbB2のリン酸化の阻害についてのIC50データを示す:
Figure 2008539217
本発明のさらなる側面によれば、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩を、医薬として許容な希釈剤または担体とともに含む医薬組成物が提供される。
本発明の組成物は、経口使用(例えば、錠剤、トローチ剤、硬もしくは軟カプセル剤、水性または油性の懸濁液剤、乳剤、分散性の散剤または顆粒剤、シロップ剤、またはエリキシル剤として)、局所使用(例えば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、または水性もしくは油性の溶液剤もしくは懸濁液剤として)、吸入による投与(例えば、微砕性散剤または液体エアロゾル剤として)、通気による投与(例えば、微砕性散剤として)、または腸管外投与(例えば、静脈内、皮下、または筋肉内投薬用の無菌の水性または油性溶液剤として、または直腸投薬用の坐剤として)に適した形態であってよい。
本発明の組成物は、当該技術分野でよく知られた慣用の医薬賦形剤を使用する慣用の手法により得ることができる。したがって、経口使用に企図される組成物は、例えば、1以上の着色剤、甘味剤、香味剤、および/または保存剤を含有してよい。
単一剤形を製造するために1以上の賦形剤と組み合わせる活性成分の量は、治療される対象と具体的な投与経路に依存して必然的に変動する。例えば、ヒトへの経口投与を企図する製剤は、全組成物の約5〜約98重量%へ変動し得る適当で便宜的な量の賦形剤と調合されて、例えば0.5mg〜0.5g(より適切には、0.5〜100mg、例えば1〜30mg)の活性薬剤を概して含有する。
式Iのキナゾリン誘導体の治療または予防の目的での用量のサイズは、当然ながら、よく知られた医学の諸原理に従って、状態の特質および重篤性、動物または患者の年齢および性別、および投与の経路により変動するものである。
式Iのキナゾリン誘導体を治療または予防の目的に使用する場合、それは、分割量で求められるならば、例えば0.1mg/kg〜75mg/kg体重の範囲の1日用量が服用されるように概して投与される。一般に、非経口経路が利用される場合は、より低い用量が投与される。従って、例えば、静脈内投与では、例えば0.1mg/kg〜30mg/kg体重の範囲の用量が概して使用される。同様に、吸入による投与では、例えば0.05mg/kg〜25mg/kg体重の範囲の用量が使用される。しかしながら、特に錠剤の形態での、経口投与が好ましい。典型的には、単位剤形は約0.5mg〜0.5gの本発明の化合物を含有する。
我々は、本発明の化合物が抗癌特性などの抗増殖特性を保有することを見出したが、これは、そのerbB、特にEGF、そしてより特別にはerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害活性より生じると考えられている。さらに、本発明によるキナゾリン誘導体のあるものは、EGFRチロシンキナーゼなどの他のチロシンキナーゼ酵素に対してよりも、erbB2受容体チロシンキナーゼに対する実質的に優れた効力を保有する。こうしたキナゾリン誘導体は、erbB2受容体チロシンキナーゼに対する十分な効力を保有するので、EGFRなどの他のチロシンキナーゼ酵素に対してほとんど、または有意により低い活性しか示さない一方で、erbB2受容体チロシンキナーゼを阻害するのに十分な量で使用することができる。こうしたキナゾリン誘導体は、erbB2受容体チロシンキナーゼの選択的な阻害に有用である可能性があり、例えばerbB2推進性の腫瘍の有効な処置に有用である可能性がある。
したがって、本発明のキナゾリン誘導体は、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼ単独でまたはそれに一部仲介される疾患または医学的状態の治療に有用であることが期待される。すなわち、当該キナゾリン誘導体は、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼ阻害効果をそのような処置の必要な温血動物においてもたらすために使用することができる。このように、本発明のキナゾリン誘導体は、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害を特徴とする、悪性細胞の処置のための方法を提供する。特に、本発明のキナゾリン誘導体は、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害単独でまたはそれに一部仲介される抗増殖、および/またはアポトーシス促進、および/または抗浸潤の効果をもたらすために使用することができる。特に、本発明のキナゾリン誘導体は、これら腫瘍細胞の増殖および生存を推進するシグナル伝達工程に関与している、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼの阻害に感受性がある腫瘍の予防または治療に有用であることが期待される。したがって、本発明の化合物は、抗増殖効果をもたらすことによっていくつかの過剰増殖性障害の治療および/または予防に有用であると期待される。これらの障害には、例えば、乾癬、良性前立腺肥大症(BPH)、アテローム性動脈硬化症および再狭窄、および、特にerbB、より特別にはerbB2受容体チロシンキナーゼ推進性の腫瘍が含まれる。こうした良性または悪性の腫瘍はどの組織にも影響を及ぼす場合があり、白血病、多発性骨髄腫またはリンパ腫などの非充実性腫瘍と、さらに充実性腫瘍、例えば、胆管、骨、膀胱、脳/CNS、乳房、結直腸、頚部、子宮内膜、胃、頭頚部、肝臓、肺、筋肉、神経細胞、食道、卵巣、膵臓、胸膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮、および外陰部の腫瘍が含まれる。
本発明のこの側面によれば、医薬品としての使用のための、式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩が提供される。
したがって、本発明のこの側面によれば、ヒトなどの温血動物における抗増殖効果の産生に使用の医薬品の製造における、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用が提供される。
本発明のこの側面のさらなる特徴によれば、ヒトなどの温血動物において抗増殖効果を産生する方法であって、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量をそのような治療の必要な前記動物へ投与することを含む前記方法が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、ヒトなどの温血動物における抗増殖効果の産生に使用する、式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、ヒトなどの温血動物においてerbB2受容体チロシンキナーゼを阻害することによって単独でまたは一部産生される抗増殖効果の産生に使用の医薬品の製造における、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用が提供される。
本発明のこの側面のさらなる特徴によれば、ヒトなどの温血動物においてerbB2受容体チロシンキナーゼを阻害することによって単独でまたは一部産生される抗増殖効果を産生する方法であって、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量をそのような治療の必要な前記動物へ投与することを含む前記方法が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、ヒトなどの温血動物においてerbB2受容体チロシンキナーゼを阻害することによって単独でまたは一部産生される抗増殖効果の産生において使用するための、式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼ単独でまたはそれに一部仲介される疾患または医学的状態(例えば、本明細書に言及されるような癌)の処置に使用の医薬品の製造における、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用が提供される。
本発明のこの側面のさらなる特徴によれば、ヒトなどの温血動物においてerbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼ単独でまたはそれに一部仲介される疾患または医学的状態(例えば、本明細書に言及されるような癌)の処置方法であって、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量をそのような治療の必要な前記動物へ投与することを含む前記方法が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、erbB、特にerbB2受容体チロシンキナーゼ単独でまたはそれに一部仲介される疾患または医学的状態(例えば、本明細書に言及されるような癌)の治療において使用する、式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、腫瘍細胞の増殖をもたらすシグナル伝達工程に関与する1以上のerbB受容体チロシンキナーゼ(EGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(とりわけerbB2)受容体チロシンキナーゼなど)の阻害に感受性がある腫瘍の予防または治療に使用の医薬品の製造における、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用が提供される。
本発明のこの側面のさらなる特徴によれば、ヒトなどの温血動物において腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル伝達工程に関与する1以上のerbB受容体チロシンキナーゼ(EGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(とりわけerbB2)受容体チロシンキナーゼなど)の阻害に感受性がある腫瘍の予防または治療の方法であって、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量をそのような治療の必要な前記動物へ投与することを含む前記方法が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル伝達工程に関与する1以上のerbB受容体チロシンキナーゼ(EGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(とりわけerbB2)受容体チロシンキナーゼなど)の阻害に感受性がある腫瘍の予防または治療において使用するための、式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、EGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(とりわけerbB2)受容体チロシンキナーゼ阻害効果を提供することに使用の医薬品の製造における、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用が提供される。
本発明のこの側面のさらなる特徴によれば、ヒトなどの温血動物においてEGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(とりわけerbB2)受容体チロシンキナーゼ阻害効果を提供する方法であって、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量をそのような治療の必要な前記動物へ投与することを含む前記方法が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、EGFおよび/またはerbB2および/またはerbB4(とりわけerbB2)受容体チロシンキナーゼ阻害効果を提供することに使用する、式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、選択的erbB2キナーゼ阻害効果を提供することに使用の医薬品の製造における、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用が提供される。
本発明のこの側面のさらなる特徴によれば、ヒトなどの温血動物において選択的erbB2キナーゼ阻害効果を提供する方法であって、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量をそのような治療の必要な前記動物へ投与することを含む前記方法が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、選択的erbB2キナーゼ阻害効果を提供することに使用する、式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩が提供される。
「選択的erbB2キナーゼ阻害効果」は、式Iのキナゾリン誘導体が、他のキナーゼに対してよりもerbB2受容体チロシンキナーゼに対してより強力であることを意味する。特に、本発明による化合物の中には、他のerbB受容体チロシンキナーゼなどの他のチロシンキナーゼ、特にEGFRチロシンキナーゼに対してよりもerbB2受容体キナーゼに対してより強力なものがある。例えば、本発明による選択的erbB2キナーゼ阻害剤は、好適なアッセイにおける相対IC50値{例えば、上記に記載されるような所与の試験化合物について、クローン24ホスホ−erbB2細胞アッセイからのIC50値(細胞におけるerbB2チロシンキナーゼ阻害活性の指標)をKB細胞アッセイからのIC50(細胞におけるEGFRチロシンキナーゼ阻害活性の指標)と比較することによる}より決定されるように、EGFRチロシンキナーゼに対してよりもerbB2受容体チロシンキナーゼに対して、少なくとも5倍、好ましくは少なくとも10倍強力である。
本発明のさらなる側面によれば、癌(例えば、白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、胆管、骨、膀胱、脳/CNS、乳房、結直腸、頚部、子宮内膜、胃、頭頚部、肝臓、肺、筋肉、神経細胞、食道、卵巣、膵臓、胸膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮、および外陰部の癌より選択される癌)の処置に使用の医薬品の製造における、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用が提供される。
本発明のこの側面のさらなる特徴によれば、癌(例えば、白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、胆管、骨、膀胱、脳/CNS、乳房、結直腸、頚部、子宮内膜、胃、頭頚部、肝臓、肺、筋肉、神経細胞、食道、卵巣、膵臓、胸膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮、および外陰部の癌より選択される癌)をそのような処置の必要なヒトなどの温血動物において処置する方法であって、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量を前記動物へ投与することを含む前記方法が提供される。
本発明のさらなる側面によれば、癌(例えば、白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、胆管、骨、膀胱、脳/CNS、乳房、結直腸、頚部、子宮内膜、胃、頭頚部、肝臓、肺、筋肉、神経細胞、食道、卵巣、膵臓、胸膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮、および外陰部の癌より選択される癌)の処置において使用する、式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩が提供される。
上記のように、特定の疾患の療法的または予防的処置に必要とされる用量のサイズは、とりわけ、処置される対象、投与の経路、および処置する疾患の重症度に依存して必然的に変動するものである。
本発明のキナゾリン誘導体はプロドラッグの形態で投与されてもよく、当該用語により、ヒトなどの温血動物において分解し、本発明のキナゾリン誘導体を放出する化合物を意図する。プロドラッグは、本発明のキナゾリン誘導体の物理特性および/または薬物動態特性を変えるために使用されてもよい。プロドラッグは、本発明のキナゾリン誘導体が特性修飾基を結合させることができる好適な基または置換基を含む場合に形成することができる。プロドラッグの例としては、式Iのキナゾリン誘導体のヒドロキシ基で形成することができるインビボで開裂可能なエステル誘導体、および式Iのキナゾリン誘導体のアミノ基で形成することができるインビボで開裂可能なアミド誘導体が挙げられる。
したがって、本発明には、有機合成により作製可能で、そのプロドラッグの開裂によりヒトまたは動物の体内で作製可能な場合は、上記に定義される式Iの前記キナゾリン誘導体が含まれる。したがって、本発明には、有機合成的手段により製造される式Iの前記キナゾリン誘導体が含まれ、および、合成的に製造されるキナゾリン誘導体または代謝的に製造されるキナゾリン誘導体でありうる式Iのキナゾリン誘導体である前駆化合物の代謝によりヒトまたは動物の体内で製造される前記キナゾリン誘導体が含まれる。
式Iのキナゾリン誘導体の医薬として許容される好適なプロドラッグは、望ましくない薬理活性なしで、かつ過度の毒性なしでヒトまたは動物の生体に投与するために適切な、合理的な医療上の判断に基づくものである。
プロドラッグの種々の形態は、例えば以下の文献に記載されている:−
a)Methods in Enzymology、第42巻、第309〜396頁、K.Widderら編集(Academic Press、1985年);
b)Design of Pro−drugs、H.Bundgaard編集、(Elsevier、1985年);
c)A Textbook of Drug Design and Development、Krogsgaard−LarsenおよびH.Bundgaard編集、第5章「Design and Application of Pro−drugs」、H. Bundgaard編集、第113〜191頁(1991年);
d)H.Bundgaard、Advanced Drug Delivery Reviews、第8巻、第1〜38頁(1992年);および
e)H.Bundgaardら、Journal of Pharmaceutical Sciences、第77巻、第285頁(1988年)。
上記に定義される抗増殖処置は、単独療法として適用しても、本発明の化合物に加えて、慣用的な外科または放射線療法、または化学療法を伴ってもよい。そのような化学療法には、以下の抗腫瘍剤カテゴリーの1以上が含まれてもよい:
(i)アルキル化剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾラミドおよびニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えば、ゲムシタビン、および5−フルオロウラシルおよびテガフールといったフルオロピリミジン類、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシドのような抗葉酸剤、およびヒドロキシ尿素);抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシンのようなアントラサイクリン類、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシン);有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンのようなビンカアルカロイドと、タキソールおよびタキソテールのようなタキソイド類、およびポロキナーゼ阻害剤);およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカンおよびカンプトテシン)などの、医科腫瘍学において使用されるその他の抗増殖/抗新生物薬とその組合せ;
(ii)抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、抗アンドロゲン(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、および酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリン、およびブセレリン)、プロゲストゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、およびエキセメスタン)、並びにフィナステリドなどの5α−レダクターゼの阻害剤といった、細胞増殖抑止剤;
(iii)癌細胞浸潤を阻害する薬剤(例えば、4−(6−クロロ−2,3−メチレンジオキシアニリノ)−7−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]−5−テトラヒドロピラン−4−イルオキシキナゾリン(AZD0530;国際特許出願WO01/94341)およびN−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−{6−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ}チアゾール−5−カルボキサミド(ダサチニブ、BMS−354825;J.Med.Chem.、2004年、第47巻、第6658−6661頁)のようなc−Srcキナーゼファミリー阻害剤、およびマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、ウロキナーゼプラスミノゲンアクチベーター受容体機能の阻害剤、またはヘパラナーゼの抗体);
(iv)増殖因子機能の阻害剤、例えば、そのような阻害剤には、増殖因子抗体および増殖因子受容体抗体(例えば、抗erbB2抗体のトラスツズマブ[HerceptinTM]と抗erbB1抗体のセツキシマブ[エルビタックス、C225])が含まれ;またそのような阻害剤には、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、上皮増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、ZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)、および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI1033)などのEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、ラパチニブなどのerbB2チロシンキナーゼ阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、イマチニブなどの血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤、セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤(例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤などのRas/Rafシグナル阻害剤(例えば、ソラフェニブ(BAY43−9006)))、MEKおよび/またはAKTキナーゼを介する細胞シグナルの阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、c−kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インスリン様増殖因子)キナーゼ阻害剤;オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、AZD1152、PH739358、VX−680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX−528およびAX39459)、およびCDK2および/またはCDK4阻害剤などのシクリン依存キナーゼ阻害剤が含まれる;
(v)血管内皮増殖因子の効果を阻害するものなどの抗血管新生剤(例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体のベバシズマブ[AvastinTM]、4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−(1−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474;WO01/32651の実施例2)、4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;WO00/47212の実施例240)、バタラニブ(PTK787;WO98/35985)およびSU11248(スニチニブ;WO01/60814)などのVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856およびWO98/13354に開示されるような化合物、ならびに別のメカニズムにより作用する化合物(例えば、リノミド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤およびアンジオスタチン));
(vi)コンブレタスタチンA4および国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434およびWO02/08213号に開示される化合物などの血管傷害剤;
(vii)アンチセンス療法、例えば、ISIS2503、抗rasアンチセンスなどの、上記に列挙される標的を指向するもの;
(viii)例えば、異常p53または異常BRCA1もしくはBRCA2などの異常遺伝子を置換するアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ、または細菌の窒素レダクターゼ酵素を使用するものなどのGDEPT(遺伝子指向型酵素プロドラッグ療法)アプローチ、および、多剤耐性遺伝子治療などの、化学療法または放射線療法への患者耐性を高めるアプローチが含まれる、遺伝子治療アプローチ;
(ix)例えば、インターロイキン2、インターロイキン4、または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインでのトランスフェクションなどの、患者腫瘍細胞の免疫原性を高めるためのエクスビボおよびインビボアプローチ、T細胞アネルギーを減少させるアプローチ、サイトカインにトランスフェクトされた樹状細胞などのトランスフェクトされた免疫細胞を使用するアプローチ、サイトカインにトランスフェクトされた腫瘍細胞系を使用するアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチが含まれる、免疫療法アプローチ。
こうした併用処置は、処置の個別成分の同時、連続、または別々の投薬により行うことができる。そのような組合せ製品は、上記に記載される投与量範囲内にある本発明のキナゾリン誘導体と、承認された投与量範囲内にある他の医薬活性薬剤を利用する。
本発明のこの側面によれば、癌の併用処置のための、上記に定義される式Iのキナゾリン誘導体と上記に定義される追加の抗腫瘍剤を含んでなる医薬製品が提供される。
式Iの化合物は、(ヒトが含まれる)温血動物における使用のための治療薬剤として主に有用であるが、それらはまた、erbB受容体チロシンタンパク質キナーゼの効果を阻害することが求められる場合はいつでも有用である。したがって、それらは、新たな生物学的試験の開発と新たな薬理学的薬剤の探索における使用のための薬理学的標準品として有用である。
これから本発明を以下の非限定的な実施例により例示するが、ここでは、他に述べなければ:
(i)温度はセルシウス度(℃)で示し;操作は、室温または周囲温度で、即ち18〜25℃の範囲の温度で行った。
(ii)有機溶液は無水硫酸マグネシウムで乾燥させた;溶媒のエバポレーション(濃縮、留去)は、60℃までの浴温で、減圧(600〜4000パスカル;4.5〜30mmHg)下でロータリーエバポレーターを使用して行った。
(iii)クロマトグラフィーは、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーを意味する;薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲルプレートで行った。
(iv)全般に、反応の経過は、TLCおよび/または分析用LC−MSにより追跡し、反応時間は例示のためだけに示す。
(v)最終生成物は、満足すべきプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび/または質量スペクトルデータを示した。
(vi)収率は例示のためだけに示し、必ずしも入念なプロセス開発により得ることができるものではない;より多くの原料が必要とされる場合、製造を繰り返した。
(vii)NMRデータは、示す場合、主要な特徴的プロトンについてデルタ値の形式で、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で示し、他に示さなければ、パーデューテリオ(perdeuterio)ジメチルスルホキシド(DMSO−d)を溶媒として使用して300MHzで決定した;以下の略号を使用した:s,一重項;d,二重項;t,三重項;q,四重項;m,多重項;b,ブロード。
(viii)化学記号はその通常の意味を有する;SI単位および記号を使用する。
(ix)溶媒比率は、容量:容量(v/v)条件で示す。
(x)質量スペクトルは、直接曝露プローブを使用する化学イオン化(CI)モードにおいて70電子ボルトの電子エネルギーで実施し;ここでは、示したイオン化を電子衝撃(EI)、高速原子衝突(FAB)、またはエレクトロスプレー(ESP)により行った;m/zの値を示す;全般に、親の質量を示すオンのみを報告する;そして、他に述べなければ、引用する質量イオンは、(MH)であり、これはプロトン化した質量イオンを意味する;Mは、電子の損失により産生される質量イオンを意味する;M−Hは、プロトンの損失により産生される質量イオンを意味する。
(xi)他に述べなければ、不斉に置換された炭素および/またはイオウ原子を含有する化合物は、分割しなかった。
(xii)ある合成が先の実施例の記載に類似しているとして記載される場合、使用する量は、先の実施例に使用した量に対するミリモル比と同じである;
(xiii)マイクロ波反応は、いずれもCEM DiscoverTMマイクロ波合成機で行った;
(xiv)分取用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、以下の条件を使用して、Gilsonの機器で実施した:
カラム: 21mm×10cm Hichrom RPB
溶媒A: 水+0.1%トリフルオロ酢酸
溶媒B: アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸
流速: 18ml/分
作動時間: 15分+5〜95% Bの10分勾配
波長: 254nm,帯域幅10nm
注入量: 2.0〜4.0ml;および
(xv)以下の略号を使用した:
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロリン酸塩;および
THF テトラヒドロフラン;
DMF N,N−ジメチルホルムアミド;
DMA N,N−ジメチルアセトアミド;
DCM ジクロロメタン;
DMSO ジメチルスルホキシド;
IPA イソプロピルアルコール;
エーテル ジエチルエーテル;および
TFA トリフルオロ酢酸。
実施例1
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}アセトアミド
DCM(5ml)中の5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(300mg、0.71mM)およびトリエチルアミン(107mg、1.07mM)の撹拌中の溶液に、0〜4℃で、アセトキシアセチルクロリド(106mg、0.78mM)を滴下して加えた。溶液を周囲温度まで昇温し、30分間攪拌した。溶液をDCMで希釈し、NaCO水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、ガム状となるまで濃縮した。ガム状物を7.0M NH/メタノール(10ml)およびDCM(10ml)の混合液に溶解させ、48時間攪拌した。溶媒を留去し、表題化合物をエタノールから再結晶させた(275mg、80%);NMRスペクトル(400MHz、373°K)3.01(s、3H)、3.96(t、2H)、4.09(m、3H)、4.55(t、2H)、5.75(s、2H)、7.07(d、1H)、7.19(d、1H)、7.29(dd、1H)、7.38(d、1H)、7.61(d、2H)、7.73(m、2H)、8.10(s、1H)、8.21(s、1H)、8.45(s、1H)、8.55(d、1H)、9.33(s、1H);質量スペクトルMH484。
出発原料として使用した5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンは、以下のように調製した:
チオニルクロリド(10ml)中の5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−3H−キナゾリン−4−オン(1.64g)の懸濁液中に、DMF(0.2ml)を加え、混合物を80℃で6時間加熱撹拌した。エバポレーションで揮発性の物質を除去し、残渣をトルエン(20ml)で共沸した。激しく撹拌した飽和重炭酸ナトリウム(50ml)、砕いた氷(50g)およびDCM(50ml)の混合物に、得られた固体を温度を5℃未満に保ちながら少しずつ加えた。有機相を分離し、乾燥し、濃縮して、4−クロロ−5−フルオロキナゾリン(1.82g、99%)を固体として得て、これを更なる精製なしに使用した;NMRスペクトル(CDCl)7.35−7.45(m、1H)、7.85−7.95(m、2H)、9.0(s、1H)。
イソプロパノール(300ml)中の4−クロロ−5−フルオロキナゾリン(10.95g、60mM)および5−アミノインダゾール(7.98g、60mM)の撹拌中の部分的溶液を3時間加熱還流した。周囲温度まで冷却して、生成物の塩酸塩を濾別し、イソプロパノールおよびエーテルで洗浄した。塩を水(400ml)およびエタノール(100ml)の混合液中で加熱し、この部分的溶液をアンモニア水溶液で塩基性化した。析出した5−フルオロ−N−1H−インダゾール−5−イルキナゾリン−4−アミンを濾別し、水で洗浄した(14.91g、89%);NMRスペクトル7.42(dd、1H)、7.53(s、2H)、7.60(d、1H)、7.83(m、1H)、8.08(d、2H)、8.50(s、1H)、9.20(d、1H)、13.05(s、1H);質量スペクトルMH280。
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物、1.01g、25.2Mm)を、撹拌中のDMF(60ml)中の5−フルオロ−N−1H−インダゾール−5−イルキナゾリン−4−アミン(3.35g、12mM)および2−ピコリルクロリド塩酸塩(2.07g、12.6mM)の部分的溶液に少しずつ加えた。少し冷却して、反応混合物を周囲温度に保持し、その後18時間攪拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(5ml)を加えて反応混合物をクエンチし、高度の減圧下で濃縮した。残渣を2.5M NaOH水溶液およびDCM間で分配し、有機相を無水NaSOで乾燥し、濃縮した。その後、有機相をクロマトグラフィー(5%メタノール/酢酸エチル)により精製し、エーテルで摩砕することにより結晶化させ、5−フルオロ−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(1.8g、41%)を得た;NMRスペクトル5.75(s、2H)、6.97(d、1H)、7.27(m、1H)、7.41(dd、1H)、7.54−7.75(m、4H)、7.84(q、1H)、8.12(d、2H)、8.50(m、2H)、9.23(d、1H);質量スペクトルMH371。
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物、100mg、2.5mM)を、撹拌中の乾燥THF(5ml)中で懸濁化させ、2−(メチルアミノ)−エタノール(188mg、2.5mM)を滴下して加えた。5〜10分間撹拌後、5−フルオロ−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(370mg、1.0mM)を加え、混合物をマイクロウェーブリアクター中で15分間130℃で加熱した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(1ml)を加えて反応混合物をクエンチし、2.5M NaOH水溶液およびDCM間で分配させた。有機相を無水NaSOで乾燥し、ガム状まで濃縮し、これをアセトニトリルで摩砕して容易に結晶化させて、5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(332mg、74%)を得た;NMRスペクトル2.17(bs、1H)、2.38(s、3H)、3.03(t、2H)、4.35(t、2H)、5.74(s、2H)、6.95(d、1H)、7.12(d、1H)、7.30(m、2H)、7.69(m、4H)、8.12(s、1H)、8.42(s、1H)、8.50(m、2H)、10.68(s、1H);質量スペクトルMH426。
実施例2
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{2−[(4−{[1−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}アセトアミド
5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンおよびアセトキシアセチルクロリドを出発原料として使用して、実施例1に記載した手法を繰り返した。脱保護は、7.0M NH/MeOH、DCM、DMFの混合物中で5日間室温で撹拌することにより行った。得られた溶液を濃縮し、表題の化合物をエタノールから34%の収率で結晶化させた;NMRスペクトル(400MHz、373°K)3.00(s+bs、4H)、3.94(t、2H)、4.07(s、2H)、4.53(t、2H)、5.78(s、2H)、7.18(d、1H)、7.36(d、1H)、7.45(s、1H)、7.60(dd、1H)、7.69(m、2H)、8.05(s、1H)、8.16(d、1H)、8.44(s、1H)、9.00(s、1H)、9.86(s、1H);質量スペクトルMH490。
出発原料として使用した5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンは、以下のように調製した:
5−フルオロ−N−[1−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンは、出発原料4−(クロロメチル)−1,3−チアゾール塩酸塩および5−フルオロ−N−1H−インダゾール−5−イルキナゾリン−4−アミン(実施例1、出発原料の調製に記載のようにして得た)を使用して、31%の収率で実施例1(出発原料の調製)に記載されているように調製した;NMRスペクトル5.79(s、2H)、7.42(q、1H)、7.50(s、1H)、7.59(t、2H)、7.72(d、1H)、7.81(q、1H)、8.18(s、2H)、8.50(s、1H)、9.03(s、1H)、9.22(d、1H);質量スペクトルMH377。
その後、5−フルオロ−N−[1−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンおよび2−(メチルアミノ)−エタノールを出発原料として、69%の収率で、5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンを実施例1(出発原料の調製)に記載されているように調製した;NMRスペクトル2.16(bs、1H)、2.38(s、3H)、3.03(t、2H)、4.35(t、2H)、5.78(s、2H)、7.15(d、1H)、7.22(d、1H)、7.50(s、1H)、7.73(m、3H)、8.08(s、1H)、8.40(s、1H)、8.48(s、1H)、9.03(s、1H)、10.60(s、1H);質量スペクトルMH432。
実施例3
N−{2−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}−2−ヒドロキシ−N−メチルアセトアミド
N−[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]−5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]キナゾリン−4−アミンおよびアセトキシアセチルクロリドを出発物質として使用して、実施例1に記載の手法を繰り返して、表題の化合物を73%の収率で得た;NMRスペクトル(400MHz、373°K)3.00(s、3H)、3.92(t、2H)、4.02(bs、1H)、4.07(m、2H)、4.52(t、2H)、5.66(s、2H)、7.05(m、3H)、7.17(d、1H)、7.36(q、2H)、7.63(m、2H)、7.71(t、1H)、8.09(s、1H)、8.19(m、1H)、8.43(s、1H)、9.80(s、1H);質量スペクトルMH501。
出発原料として使用したN−[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]−5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]キナゾリン−4−アミンは、以下のように調製した:
出発原料3−フルオロベンジルクロリドおよび5−フルオロ−N−1H−インダゾール−5−イルキナゾリン−4−アミン(実施例1、出発原料の調製に記載のようにして得た)を使用して、40%の収率で、5−フルオロ−N−[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンを調製した;NMRスペクトル(500MHz)5.70(s、2H)、7.06(m、2H)、7.10(m、1H)、7.36(m、1H)、7.42(dd、1H)、7.60(m、2H)、7.72(d、1H)、7.82(m、1H)、8.12(s、1H)、8.15(s、1H)、8.49(s、1H)、9.23(d、1H);質量スペクトルMH388。
その後、5−フルオロ−N−[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンおよび2−(メチルアミノ)エタノールを出発原料として使用して、81%の収率で、N−[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]−5−[2−(メチルアミノ)エトキシ]キナゾリン−4−アミンを実施例1(出発原料の調製)に記載のように調製した;NMRスペクトル2.16(bs、1H)、2.37(s、3H)、3.04(t、2H)、4.36(t、2H)、5.70(s、2H)、7.09(m、4H)、7.33(m、2H)、7.70(m、3H)、8.13(s、1H)、8.44(s、1H)、8.50(s、1H)、10.68(s、1H);質量スペクトルMH443。
実施例4
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(2R)−2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]プロピル}アセトアミド
5−[(1R)−1−メチル−2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンおよびアセトキシアセチルクロリドを出発原料として使用して、実施例1に記載の手法を繰り返した。7.0M NH/メタノールによる脱保護の後に、表題の化合物をクロマトグラフィー(シリカ、5−10%メタノール/DCM)により単離し、エーテルでの摩砕により66%の収率で結晶化させた;NMRスペクトル(400MHz、373°K)1.48(d、3H)、3.00(s、3H)、3.57(m、1H)、4.09(bm、4H)、5.14(m、1H)、5.73(s、2H)、7.05(d、1H)、7.25(m、2H)、7.35(d、1H)、7.62(m、2H)、7.70(m、2H)、8.09(s、1H)、8.30(s、1H)、8.45(s、1H)、8.52(d、1H)、9.98(s、1H);質量スペクトルMH498。
出発原料として使用した5−[(1R)−1−メチル−2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンは、以下のように調製した:
(2R)−2−メチルオキシラン(13.76g)を、ジオキサン(100ml)中のN−メチルプロプ−2−エン−1−アミン(25ml)およびイッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホネート(100mg)の懸濁液に加え、マイクロ波照射下、140℃に1時間加熱した。減圧下溶液を濃縮し、残渣を水(100ml)および酢酸エチル(200ml)間で分配した。有機抽出液を乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、(2R)−1−[アリル(メチル)アミノ]プロパン−2−オールを黄色の油状物として得た(8.8g、29%);NMRスペクトル(CDCl)1.20(d、3H)、2.33(s、3H)、2.27−2.46(m、2H)、3.05(m、1H)、3.23(m、1H)、3.88(m、1H)、5.19−5.29(m、2H)、5.90(m、1H);質量スペクトル129。
その後、出発原料として、5−フルオロ−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(実施例1、出発原料の調製に記載されているようにして得た)および(2R)−1−[アリル(メチル)アミノ]プロパン−2−オールを使用して、94%の収率で、5−{(1R)−2−[アリル(メチル)アミノ]−1−メチルエトキシ}−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンを実施例1(出発原料の調製)に記載されているように調製した(粗生成物、精製なしで次の工程に使用した);質量スペクトルMH480。
撹拌中の5−{(1R)−2−[アリル(メチル)アミノ]−1−メチルエトキシ}−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(450mg、0.94mM)およびクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(70mg、0.075mM)のMeCN/水 5:1(6ml)中の混合物を、マイクロウェーブリアクター内で20分間110℃に加熱した。追加のクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(70mg)を加え、加熱をさらに20分間継続した。溶媒を留去し、残渣を水およびDCM間で分配した。有機相を無水NaSOで乾燥し、濃縮した。生成物をクロマトグラフィー(シリカ、2−10%アンモニア−MeOH/DCM)により単離し、エーテルで摩砕して、5−[(1R)−1−メチル−2−(メチルアミノ)エトキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(193mg、47%)を得た;NMRスペクトル1.42(d、3H)、2.16(bs、1H)、2.31(s、3H)、2.90(m、2H)、4.90(m、1H)、5.74(s、2H)、6.96(d、1H)、7.17(d、1H)、7.30(m、2H)、7.69(m、4H)、8.10(s、1H)、8.39(s、1H)、8.46(s、1H)、8.52(d、1H)、10.68(s、1H);質量スペクトルMH440。
実施例5
2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(R)−1−メチル−2−[4−(1−ピリジン−2−イルメチル−1H−インダゾール−5−イルアミノ)キナゾリン−5−イルオキシ]エチル}アセトアミド
DMF(2.5ml)中の5−[(R)−2−(メチルアミノ)プロポキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミン(239mg、0.54mM)、グリコール酸(36mg、0.47mM)およびジイソプロピルエチルアミン(123mg、0.95mM)の撹拌中の溶液に、周囲温度で、HATU(179mg、0.47mM)を少しずつ加えた。溶液を120分間周囲温度で撹拌した。溶液を、最初はメタノール、その後1%NH/メタノール溶液で溶出するSCX−2カートリッジを通した。後者のフラクションを合わせ、濃縮して、明褐色の油状物を得て、これをクロマトグラフィー(1〜10%メタノール/DCM)により精製し、エーテルで摩砕して結晶化し、表題の化合物を得た(168mg、63%);NMRスペクトル(400MHz、373°K)1.27(d、3H)、2.85(s、3H)、3.93(s、1H)、4.03−3.96(m、2H)、4.38−4.34(m、1H)、4.52−4.48(m、1H)、4.96(bs、1H)、5.72(s、2H)、7.05(d、1H),7.20(d、1H)、7.28−7.25(m、1H)、7.37−7.35(m、1H),7.61−7.53(m、2H)、7.73−7.68(m、2H)、8.08(d、1H)、8.13−8.12(m、1H)、8.42(s、1H)、8.54−8.51(m、1H)、9.67(bs、1H);質量スペクトルMH498。
出発原料として使用した5−[(R)−2−(メチルアミノ)プロポキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンは、出発原料5−フルオロ−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンおよび(R)−2−メチルアミノ−プロパン−1−オール(Beckerら、J.Chem.Soc.1957年、第858頁に記載されているようにして得た)を使用して、実質的に実施例1(出発原料の調製)に記載されているようにして調製した。粗物質をクロマトグラフィー(1−10%MeOH/DCM)で精製し、5−[(R)−2−(メチルアミノ)プロポキシ]−N−[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]キナゾリン−4−アミンを69%の収率で得た;NMRスペクトル(400MHz)1.20(d、3H)、2.37(s、3H)、3.07−3.14(m、1H)、4.13−4.17(m、1H)、4.30−4.34(m、1H)、5.76(s、2H)、7.00(d、1H)、7.14(d、1H)、7.28−7.34(m、2H)、7.65−7.77(m、4H)、8.14−8.13(m、1H)、8.42−8.43(m、1H)、8.49(s、1H)、8.52−8.54(m、1H)、10.71(bs、1H);質量スペクトルMH440。

Claims (29)

  1. 式I:
    Figure 2008539217
    [式中:
    は、水素、ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシおよび(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルコキシから選択され;
    、G、GおよびGは、各々独立に、水素およびハロゲノから選択され;
    は、SO、CO、SON(R)およびC(Rから選択され、ここで各々のR は、独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され;
    は、アリールまたはヘテロアリールであり、当該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上の置換基を有していてもよく;
    、R、RおよびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、または
    およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成し、または
    およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成し;
    は、水素および(1−4C)アルキルから選択され;
    Aは、水素、式Z−(CR−の基およびR10から選択され、ここで、pは1、2、3,または4であり;
    およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され,または同じ炭素原子に結合するRおよびR基はシクロプロピル環を形成し;
    Zは、水素、OR11およびNR1213から選択され、ここでR11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され;および
    10は、(1−4C)アルコキシおよびNR1213から選択され、ここでR12およびR13は、既に定義したとおりであり;
    およびここで、ZまたはR10基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−4C)アルキル、ヒドロキシおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1以上の置換基を各々の前記CHまたはCH基上に有していてもよい]
    のキナゾリン誘導体、または医薬として許容なその塩。
  2. が、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシおよびメトキシエトキシから選択される、請求項1に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  3. が水素である、請求項2に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  4. 、G、GおよびGが、各々独立に、水素、クロロおよびフルオロから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  5. 、G、GおよびGが全て水素である、請求項4に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  6. がC(Rであり、ここで各々のRが、独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  7. がCHである、請求項6に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  8. が、フェニル、および酸素、窒素および硫黄から独立に選択される1、2または3のヘテロ原子を含む5または6員単環式ヘテロアリール環から選択され、当該フェニルまたはヘテロアリール基は、ハロゲノ、シアノおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1、2または3の置換基を有していてもよい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  9. は、フェニル、2−ピリジルおよび1,3−チアゾール−4−イルから選択され、ハロゲノ、シアノおよび(1−4C)アルコキシから独立に選択される1、2または3の置換基を有していてもよい、請求項8に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  10. 、R、RおよびRが、各々独立に、水素および(1−2C)アルキルから選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  11. 、R、RおよびRが、各々独立に、 水素および(1−2C)アルキルから選択され、ここで少なくともR、R、RおよびRの1つが(1−2C)アルキルである、請求項10に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  12. 、R、RおよびRが全て水素である、請求項10に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  13. がメチルである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  14. Aが式Z−(CR−の基であり
    ここで、pが1または2であり、
    およびRは、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
    Zは、水素、OR11およびNR1213から選択され、ここで、R11、R12およびR13は、各々独立に、水素および(1−4C)アルキルから選択され、
    およびここでZ基内の任意のCHまたはCH基は、ハロゲノ、(1−2C)アルキルおよびヒドロキシから独立に選択される1以上の置換基を、各々の前記CHまたはCH基上にを有していてもよい、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  15. Aが、式Z−(CR−の基であり、
    ここで、pが1または2であり、
    およびRが、各々独立に、水素および(1−2C)アルキルから選択され、および
    Zがヒドロキシである、請求項14に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  16. Aがヒドロキシメチルである、請求項15に記載の式Iのキナゾリン誘導体。
  17. 1以上の以下の化合物:
    2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}アセトアミド;
    2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{2−[(4−{[1−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}アセトアミド;
    N−{2−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]エチル}−2−ヒドロキシ−N−メチルアセトアミド;
    2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(2R)−2−[(4−{[1−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}キナゾリン−5−イル)オキシ]プロピル}アセトアミド;および
    2−ヒドロキシ−N−メチル−N−{(R)−1−メチル−2−[4−(1−ピリジン−2−イルメチル−1H−インダゾール−5−イルアミノ)キナゾリン−5−イルオキシ]エチル}アセトアミド;
    から選択される式Iのキナゾリン誘導体、または医薬として許容なその塩。
  18. 医薬として許容な希釈剤または担体と共に、請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩を含む、医薬組成物。
  19. 請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩、および癌の併用処置のための追加の抗腫瘍剤を含む、医薬製品。
  20. 医薬として使用する、請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩。
  21. 温血動物における抗増殖効果の創出において使用のための医薬の製造における、請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用。
  22. 温血動物における抗増殖効果の創出方法であって、請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量を、当該処置を必要とする温血動物に投与することを含む前記方法。
  23. erbB2受容体チロシンキナーゼ単独でまたはそれに一部仲介される疾患または医学的状態の処置に使用する医薬の製造における、請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用。
  24. 温血動物におけるerbB2受容体チロシンキナーゼ単独でまたはそれに一部仲介される疾患または医学的状態の処置方法であって、請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量を、当該処置を必要とする温血動物に投与することを含む前記方法。
  25. 温血動物における腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル伝達工程に関与する1以上のerbB受容体チロシンキナーゼの阻害に感受性がある腫瘍の予防または治療に使用する医薬の製造における、請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用。
  26. 温血動物における腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル伝達工程に関与する1以上のerbB受容体チロシンキナーゼの阻害に感受性がある腫瘍の予防または治療の方法であって、請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量を、当該処置を必要とする温血動物に投与することを含む前記方法。
  27. 癌の処置のための医薬の製造における、請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の使用。
  28. 温血動物における癌の処置方法であって、請求項1〜17のいずれかに記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の有効量を、当該処置を必要とする温血動物に投与することを含む前記方法。
  29. 請求項1に記載の式Iのキナゾリン誘導体または医薬として許容なその塩の製造方法であって:
    (a)適宜、好適な塩基存在下での、式II:
    Figure 2008539217
    [式中、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、GおよびGは、必要であれば任意の官能基が保護されていることを除き、請求項1に定義した意味のいずれかを有する]
    のキナゾリンの、式III
    A−COOH
    III
    [式中、Aは、必要であれば任意の官能基が保護されていることを除き、請求項1に定義した意味のいずれかを有する]
    のカルボン酸または、その反応性誘導体とのカップリング;または
    (b)Aが式Z−(CR−の基であり、Zが−NR1213である場合の式Iのキナゾリン誘導体の製造について、式IV:
    Figure 2008539217
    [Lは、好適な置換可能基であり、およびp、R、R、R、R、R、R、R、R、X、Q、G、G、GおよびGは、必要であれば任意の官能基が保護されていることを除き、請求項1に定義した意味のいずれかを有する]
    のキナゾリンの、式V:
    1213N−H

    [式中、R12およびR13は、必要であれば任意の官能基が保護されていることを除き、請求項1に定義した意味のいずれかを有する]
    のアミンとのカップリング;または
    (c)適宜、好適な塩基存在下での、式VI:
    Figure 2008539217
    [式中、R、R、R、R、R、R、A、G、G、GおよびGは、必要であれば任意の官能基が保護されていることを除き、請求項1に定義した意味のいずれかを有する]
    の化合物の、式VII:
    −X−L
    VII
    [式中、Lは好適な置換可能基であり、QおよびXは、必要であれば任意の官能基が保護されていることを除き、請求項1に定義した意味のいずれかを有する]
    の化合物とのカップリング;または
    (d)適宜、好適な塩基存在下での、式VIII:
    Figure 2008539217
    [式中、Lは、好適な置換可能基であり、R、R、R、R、R、RおよびAは、必要であれば任意の官能基が保護されていることを除き、請求項1に定義した意味のいずれかを有する]
    のキナゾリンの、式IX:
    Figure 2008539217
    [式中、G、G、G、G、QおよびXは、必要であれば任意の官能基が保護されていることを除き、請求項1に定義した意味のいずれかを有する]
    の化合物とのカップリングを含み、その後、必要であれば:
    (i)式Iのキナゾリン誘導体の、式Iの別のキナゾリン誘導体への変換;
    (ii)存在する任意の保護基の除去;および/または
    (iii)医薬として許容な塩の形成
    を含んでもよい、前記方法。
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