JP2008536479A5 - - Google Patents

Description

本明細書で使用する“コントートロスタチン”（CN）とは、アメリカマムシ（Agkistrodon contortrix contortrix （サザンカパーヘッド：southern copperhead））毒液から単離されたディスインテグリンをいう（Trikha, Roteら, 1994）。CNは、プロタンパク質、メタロプロテイナーゼ、およびディスインテグリンドメインをコードする1449bpのオープンリーディングフレームを含有する2027bpのマルチドメイン前駆体としてヘビ毒腺で生成される。前駆体は（おそらく自己触媒的に）タンパク分解的プロセシングを受けて成熟CNを生ずる。完全長のCNプレタンパク質は完全長mRNA（GenBank AF212305）のヌクレオチド配列85-1536にコードされ、CNのディスインテグリンドメインはmRNAの1339-1533に相当する。65アミノ酸を含むCNディスインテグリンドメインを以下に示す（RGD配列に下線を付す）。
DAPANPCCDAATCKLTTGSOCADGLCCDQCKFMKEGTVCRRARGDD LDDYCNGISAGCPRNPFHA (SEQ ID NO: 2)

単量体ディスインテグリン、エキスタチンのC-末端アミノ酸配列に相当する配列HKGPATを、CNディスインテグリンドメイン配列のC-末端に含有させた。このコンストラクトはキメラであり、遺伝子操作によって異なる起源を持つ2つのヘビ毒液ディスインテグリン、すなわちエキスタチン（クサリヘビ科動物（vaperid）ディスインテグリン）およびコントートロスタチン（マムシ亜科動物（crotalid）ディスインテグリン）の配列を併せ持つ。このため、C-末端グラフト（graft）を保有するこのディスインテグリンコンストラクトを“ビクロスタチン（Vicrostatin）”または“VN”と称する。HKGPAT配列を有さないCNディスインテグリンドメインを“rCN”または“rCNコンストラクト”と称する。ビクロスタチンのアミノ酸配列を以下に示す。
GDAPANPCCDAATCKLTTGSQCADGLCCDQCKFMKEGTVCRRARGDD LDDYCNGISAGCPRNPHKGPAT (SEQ ID NO: 5)

Claims (15)

1. 第１のディスインテグリンドメインからのＮ−末端配列および第２のディスインテグリンドメインからのＣ−末端配列を含む組換えキメラディスインテグリンドメインであって，前記Ｃ−末端配列は前記第１のディスインテグリンドメインの最もＣ−末端側のシステイン残基の下流に位置しており，前記第２のディスインテグリンからの前記Ｃ−末端配列は前記第１のディスインテグリンドメインにとって外来であり、および前記組換えキメラディスインテグリンドメイン中の前記Ｎ−末端配列は機能性インテグリン結合性ループを含むことを特徴とする組換えキメラディスインテグリンドメイン。
2. 単量体である、請求項１記載の組換えキメラディスインテグリンドメイン。
3. 前記インテグリン結合性ループはインテグリンαＩＩｂβ３に結合する、請求項１記載の組換えキメラディスインテグリンドメイン。
4. 前記インテグリン結合性ループはアミノ酸配列ＲＧＤを含む、請求項１記載の組換えキメラディスインテグリンドメイン。
5. 前記Ｃ−末端配列は、ＳＥＱ ＩＤ ＮＯ：４７に示すアミノ酸配列ＨＫＧＰＡＴを含む、請求項１記載の組換えキメラディスインテグリンドメイン。
6. 前記第１のディスインテグリンドメインはコントートロスタチン由来のものである、請求項１記載の組換えキメラディスインテグリンドメイン。
7. 前記Ｃ−末端配列はエキスタチン由来のものである、請求項１記載の組換えキメラディスインテグリンドメイン。
8. ＳＥＱ ＩＤ ＮＯ：５に示すアミノ酸配列を含む、請求項１記載の組換えキメラディスインテグリンドメイン。
9. さらにディスインテグリンドメインのＮ−末端に位置するチオレドキシンをコードする配列を含む、請求項１記載の組換えキメラディスインテグリンドメイン。
10. チオレドキシンとディスインテグリンドメインとの組換え融合タンパク質であって、
    ａ）前記組換え融合タンパク質のＮ−末端部分に位置する、チオレドキシンからの配列；および
    ｂ）前記チオレドキシンからの配列のＣ−末端に位置する、ディスインテグリンドメインからの配列
    を含み、前記ディスインテグリンドメインからの前記配列は、アミノ酸配列ＲＧＤを含むインテグリン結合性ループを含むことを特徴とする組換え融合タンパク質。
11. αＩＩｂβ３，αｖβ３，αｖβ５，またはα５β１から成る群より選択される１つ以上のインテグリンに特異的なインテグリン受容体を発現する細胞と，αＩＩｂβ３，αｖβ３，αｖβ５，またはα５β１から成る群より選択される１つ以上のインテグリンとの間の結合を阻害するための組成物であって、請求項１記載のキメラディスインテグリンまたは請求項１０記載の組換え融合タンパク質を含む組成物。
12. 前記インテグリン受容体はビトロネクチン受容体である、請求項１１記載の組成物。
13. インビボでの血小板凝集，細胞増殖，細胞接着，転移，または血管新生を阻害するための組成物であって、有効量の請求項１記載のキメラディスインテグリンまたは請求項１０記載の組換え融合タンパク質を含む組成物。
14. 原核生物ホスト細胞において、その生物学的活性に複数の鎖間または鎖内ジスルフィド架橋の形成を必要とする真核生物タンパク質を発現させる方法であって，請求項１０記載の組換え融合タンパク質をコードする発現ベクターで原核生物ホスト細胞を形質転換し、そして前記組換え融合タンパク質を生物学的に活性な形態で発現させることを含む方法。
15. 請求項１４記載の方法によって得られる形質転換された原核生物ホスト。