【発明の詳細な説明】
組換え血液凝固プロテアーゼ
本発明は、EFG マドメイン、活性化ペプチド(AP)及び触媒ドメイン(CD)か
ら構成される第IX遺伝子ファミリー(FVII,FIX,FX及びプロテインC)のトラ
ンケートされた翻訳後非修飾性血漿プロテアーゼ変異体、並びに宿主細胞内、好
ましくは微生物内での発現、試験管内での再生、及び次の適切なプロテアーゼで
の活性化によりそれらを生産するための方法に関する。
本発明による血漿プロテアーゼは、インヒビターを見い出す(スクリーニング
する)ため、X線構造解析及び薬剤モデリングの目的のためのプロテアーゼ変異
体及びインヒビターから構成される共結晶の生産のため、並びにアクティベータ
ーテストにおける診断テストとして適する。
血漿プロテアーゼは、血液凝固、フィブリン形式による創傷治療及びフィブリ
ン溶解、即ち創傷治療における血餅溶解において役割を果たす。創傷の後、創傷
シグナルは、血液凝固を開始し、迅速に創傷が閉じるのを確実にするために不活
性なプロ酵素の連続的な活性化(特定のタンパク質分解)により増幅される。血
液凝固は2つの経路により開始され得る。それらは、全てのタンパク質成分が血
液中に存在する内因性経路及び膜タンパク質、即ちいわゆる組織因子が重要な役
割を果たす外因性経路である。
血液ホメオスタシス(血液凝固、フィブリン溶解及びこの平衡の制御)の分子
メカニズム及びこれに関連する構成物は、いくつかの論文にわかりやすく記載さ
れている(Furie,B.及びFurie,B.C.,Cell 53(1988)505-518;Davie,E.W
.ら、Biochem.30(19
91)10363-10379;Bergmeyer,H.U.(ed.):Methods of Enzymatic Analysis
,Vol.V,chapter 3,3rd ed.,Academic Press,New York(1983))。
血液凝固カスケードのプロテアーゼは極めて複雑なタンパク質である。概して
、それらは、天然の生の材料源、血漿から、複雑な様式で、限られた量で、種々
の質、均一性及び純度でのみ単離することができる(Van Dam-Mieras,M.C.E.
ら.,In:Bergmeyer,H.U.(ed.),Methods of Enzymatic Analysis,Vol.V
,3rd ed.,page 365-394,Academic Press,New York(1983))。それらは、血液
凝固、血餅形成及び溶解の間の平衡である血液ホメオスタンスの制御において重
要な役割を演ずる。この十分に制御されたシステムは、遺伝子欠損、例えば血友
病A(第VIII因子欠損)及び血友病B(第IX因子欠損)により、並びに急性疾患
、例えば心臓の梗塞、塞栓症及び脳卒中により不均衡になり得る。
それゆえ、医療的要求に従って血液凝固及びフィブリン溶解のシステムに影響
を与えることができる物質について必要性がある。例えば、組換え生産された第
VIII因子もしくは第IX因子又は現在は第VII 因子は、血友病A及びBを治療する
のに用いられる。tPA(組織型プラスミノーゲンアクティベーター)及びストレプ
トキナーゼ(バクテリアプロテアーゼ)は、例えば心臓の梗塞後に、例えば血餅
溶解のために用いられる。複合タンパク質に加えて、ヒルジン(65アミノ酸から
なるペプチド、特異的トロンビンインヒビター)、ヘパリン(ヘテログリカン、
トロンビン阻害/補因子)及びビタミンKアンタゴニスト(γ−カルボキシル化
のインヒビター;Gla のドメインのGlu 残基)のような物質も血液凝固を阻害す
るのに用いられる。しかしながら、それら利用できる物質は、しばしばまだ極め
て高価であり(タンパク質因子)、それらの医療的適用に関して理
想的でない(副作用)ので、血液凝固及び血餅溶解を特異的に調節するのに用い
ることができる薬剤についての必要性がある。
血液凝固、フィブリン溶解及びホメオスタシスの新しい調節物質(アクティベ
ーター、インヒビター)についての調査は、例えば物質ライブラリーをスクリー
ニングし、そして次に薬剤モデリングにより同定された先導物質を改良すること
により行うことができる。このためには、スクリーニングのため及び結晶化研究
(例えば、タンパク質成分及び先導構造の3D構造に基づく変化の特定の予測に
よる先導構造の改良)のために適切な量及び質で鍵になるタンパク質(標的)が
利用できることが必要である。
活性化されたセリンプロテアーゼトロンビン、FVIIa,FIXa,FXa,FXIa,FXII
a 、カリクレイン(血液凝固)、tPA 、ウロキナーゼ、プラスミン(フィブリン
溶解)及び活性化されたプロテインC(調節抗凝固物質)及びその不活性な前駆
体(チモーゲン)が、例えば、ホメオスタシスにおいて注目される標的である。
血漿からの不活性なセリンプロテアーゼ(チモーゲン)の単離及び次のタンパ
ク質分解による活性化は難しく、時間を浪費し、高価で、そしてしばしば例えば
結晶化実験のために要求される量及び質を生産しない。例えば、不活性なプロテ
アーゼチモーゲンFX,FIX及びFVIIの血漿濃度は各々10.5及び 0.5mg/lだけで
ある(Furie,B.及びFurie B.C.,Cell 53(1988)505-518)。更に、血漿から単
離され、試験管内で活性化されたプロテアーゼ調製物はしばしば不均一で不安定
である。更に、不均一な翻訳後改変(例えば糖質基)は結晶化実験をじゃまする
。
血漿プロテアーゼは、セリンプロテアーゼファミリーに属する複合糖タンパク
質である。それらは、不活性なプロ酵素(チモーゲン)として肝臓において合成
され、血液中に分泌され、そして特定の
タンパク質分解により、即ち1又は2のペプチド結合の開裂により要求に応じて
活性化される。それらは、それらのタンパク質ドメインの配置及びそれらの組成
に関して構造的に極めて類似している(Furie,B.及びFurie,B.C.,Cell 53
(1988)505-518)。
Furie B.及びFurie,B.C.によれば、第IX因子ファミリー(第VII,IX,X因子
及びプロテインC)のプロテアーゼは、
− プロペプチド、
− GLA ドメイン、
− 芳香族アミノ酸スタックドメイン、
− 2つのEGF ドメイン(EGF1及びEGF2)、
− チモーゲン活性化ドメイン(活性化ペプチド、AP)及び
− 触媒プロテアーゼドメイン(CD)
から構成される。
更に、血漿プロテアーゼは分泌の間に翻訳後に修飾される:
− 11〜12のジスルフィド架橋
− N−及び又はO−グルコシル化(GLAドメイン及び活性化ペプチド)
− Bharadwaj,D.ら、J.Biol.Chem.270(1995)6537-6542 − Medved
,L.V.ら、J.Biol.Chem.270(1995)13652-13659
− プロペプチドの開裂
− Glu 残基(GLAドメイン)のγ−カルボキシル化
− Asp 残基(EGFドメイン)のβ−ヒドロキシル化
− チモーゲン領域の開裂(部分的)
1又は2のペプチド結合の特異的開裂(活性化ペプチド)によるチモーゲン(
タンパク質のチモーゲン形態)の活性化の後、その酵素で活性化されたプロテア
ーゼは、それらの分子量に従って重鎖及
び軽鎖と呼ばれる2つの鎖から構成される。第IXプロテアーゼファミリーにおい
ては、EGF2ドメインとプロテアーゼドメインとの間の分子間ジスルフィド架橋
により一緒に維持される。チモーゲン−酵素変換(活性化)は、プロテアーゼド
メイン内のコンホメーション変化を導く。これは、プロテアーゼ活性のために必
要な必須の塩橋がプロテアーゼドメインのN末端アミノ酸とプロテアーゼドメイ
ン内のAsp 残基との間に形成されるのを可能にする。そのN末端領域はセリンプ
ロテアーゼのこのサブグループのために極めて重要であり、修飾されるべきでな
い。ただセリンプロテアーゼの典型的な活性部位がSer,Asp及びHis から構成さ
れる触媒トリアドを形成することが可能である(Blow,D.M.:Acc.Chem.Res
.9(1976)145-152;Polgar,L.:In:Mechanisms of protease action.Boc
a Raton,Florida,CRC Press,chapter3(1989))。
血漿プロテアーゼは、血液から不活性なチモーゲンを単離し、次にそれらを活
性化することにより伝統的な様式で生産することができ、又はそれらは適切な哺
乳動物細胞系又はイーストにおいて対応するcDNAを発現することにより組換えに
より生産することができる。
真核生物宿主/ベクターシステムによるチモーゲン又は活性なプロテアーゼの
発現/分泌による血漿プロテアーゼの生産
FVII:Hagen,F.S.ら、EPS 0200421;Pedersen,A.H.ら、Biochem.28(1
989)9391-9336;FIX:Lin,S.-W.ら、J.Biol.Chem.265(1990)144-150;F
X:Wolf,D.L.ら、J.Biol.Chem.266(1991)13726-13730;Protein C:Bang
,N.U.ら、EPS 0191606 。
概して、分泌過程において、ネイティブ酵素のように血漿プロテアーゼを翻訳
後に修飾することができる宿主細胞が用いられる。次
にチモーゲン−酵素変換は、例えばプロトロンビン又は第X因子の場合に蛇毒か
らのアクティベーターを用いることにより、下流のプロセッシングの間に行われ
る(Sheehan,J.P.ら、J.Biol.Chem.268(1993)3639-3645;Fujikawa,K.
ら、Biochem.11(1972)4892-4898)。
(既に分泌の間に)生体内でのチモーゲン−酵素活性化の目的のため、天然の
チモーゲン開裂部位又は完全な活性化ペプチドは、宿主細胞の分泌経路において
自然に発生する特異的に開裂するプロテアーゼ、例えばKey2(イースト)又はP
Aした(哺乳動物細胞系)により開裂され得るプロテアーゼ開裂部位(いくつか
の隣接する塩基性アミノ酸)により置換された(FX:Wolf,D.L.ら、J.Biol.
Chem.266(1991)13726-13730;Prothrombin:Holly,R.D.及びFoster,D.C.
,Wo 93/13208)。
真核生物宿主/ベクターシステムによる生産又はプロテアーゼ変異体(FX:Re
zaie,A.R:ら、J.Biol.Chem.268(1993)8176-8180;FIX:Zhong,D.G.ら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91(1994)3574-3578)、突然変異体(FX:Rezai
e,A.R.ら、J.Biol.Chem.269(1994)21495-21499;トロンビン.Yee,J.
ら、J.Biol.Chem.269(1994)17965-17970);FVII:Nicolaisen,E.M.ら
、WO 88/10295)及びキメラ、例えばFIX 及びFXからなるもの(Lin,S.-W.ら、
J.Biol.Chem.265(1990)144-150,Hertzberg,M.S.ら、J Biol.Chem.267
(1992)14759-14766)も周知である。真核生物哺乳動物細胞系における発現の欠点:
− 時間を浪費すること
− 発現生産量に関して制限されること
− 高価であること
− 翻訳後修飾であること
原核生物における発現による血漿プロテアーゼの生産及び後の発現産物の再生
:
Thogersen,H.C.ら(WO 94/18227)は、不活性なFXタンパク質が金属キレート
複合体によりクロマトグラフィーカラム内に固定化される周期的再生過程による
FX変異体の再生(ポリ(His)−アフィニティーハンドル)を記載する。
このため、トランケートされたFX変異体(EGF1,EGF2及びプロテアーゼドメ
イン)、付加的なFXa プロテアーゼ認識配列及び6つのヒスチジン残基から構成
される触媒ドメインのC末端における付着補助体から構成される融合タンパク質
が用いられる。
欠点:
− プロテアーゼ及びポリ−his 付着補助体から構成される融合タンパク質を
作製しなければならない。
− 再生過程が極めて複雑である。
− 多くの再生サイクルが必要である
− 複雑な装置である
− 収率が10%だけである
− 付着補助体は再生後に除去せざるをえない。
− 自己触媒はポリ−His 尾を除去するだけであり、付加的に導入されたFXa
開裂部位は除去しない。
DiBella,E.E.ら(J.Biol.Chem.270(1995)163-169)は、A鎖(49アミノ
酸)及びB鎖(295アミノ酸)から構成されるトランケートされたトロンビン変異
体(プレトロンビン−2)の再生を記載する。
しかしながら、活性化ペプチド及びプロテアーゼドメインから構成される相同
な第Xa因子(実施例4を参照のこと)は再生すること
ができない。FXa 再生のためにはチモーゲン領域(約50アミノ酸か構成される活
性化ペプチド)に加えて、EFG2ドメインが必要である。これはFIX タンパク質
ファミリー(FVII,FIV,FX 及びプロテインC)の全てのメンバーに適用される
。
トロンビンはFIX 遺伝子ファミリーのメンバーでなく、2つのEGF ドメインの
かわりに2つのクリングルドメインを有する。
セリンプロテアーゼ活性を有する酵素として活性なタンパク質は、それらがチ
モーゲン活性化ドメイン及びEGF ドメイン(EGF1及び/又はEGF2)にN末端で連
結したセリンプロテアーゼドメイン(触媒ドメイン)から構成されるなら、原核
生物内での対応するDNAの発現、発現産物の再生及び酵素開裂により生産するこ
とができることが驚くことに見い出された。
第IX因子ファミリーの本発明による活性なトランケートされたセリンプロテア
ーゼの特異性は変わらず(同一である)、結果としてそれらは活性テストにおい
て及び新しいモジュレーター(アクティベーター、インヒビター)についてスク
リーニングするのに用いることができる。
触媒ドメインのみをコードするDNA の発現及び不活性な発現産物の再生により
酵素的に活性なプロテアーゼを作ることは可能でなかった。
例えばFIXa及びFXa の要求される酵素的に活性なプロテアーゼドメインは、選
択的なプロテアーゼ開裂部位(例えばエンテロキナーゼ開裂部位)を有するN末
端プロテアーゼドメイン融合タンパク質によっても生産することはできなかった
。先行技術により発現生産物を再生することは可能でなかった。
本発明は、第IX因子ファミリーからのプロテアーゼの次のドメイン:
a)触媒ドメイン、そのN末端に連結した
b)チモーゲン活性化ドメイン(活性化ペプチド)、そのN末端に連結した
c)EGF1及び/又は EGF2ドメイン(好ましくは EGF2又は EGF1及び EGF
2)
から構成されるグリコシル化されていない酵素的に活性なセリンプロテアーゼ
活性を有するタンパク質及びそのチモーゲン前駆体に関する。
チモーゲン活性化ドメインは、好ましくは50アミノ酸までのオリゴヌクレオチ
ドから構成される。チモーゲン活性化ドメイン内の本発明のチモーゲンの(不活
性な)一本鎖形態の開裂の後、2本鎖の活性プロテアーゼが形成される。2本鎖
形態において、それら2本鎖に分子間ジスルフィド架橋により連結される(鎖間
)(図1及び図2)
本発明によるタンパク質は、好ましくは第X因子及び/又は第IX因子の EGF2
ドメイン、チモーゲン活性化ドメイン及び触媒ドメインから構成される。第X因
子の EGF2ドメイン及び触媒ドメイン並びに第IX因子の活性化ペプチドから構成
されるタンパク質も好ましい。第X因子EGF ドメインのN末端部分(アミノ酸位
置 108−154、図3)、第IX因子EGF-2ドメインのC末端部分、第IX活性化ペプ
チド並びに第IX因子N末端側の半分(アミノ酸位置 133−289 、図4)及び第X
因子C末端側半分(アミノ酸位置 322−454 、図3)から構成されるタンパク質
が特に好ましい。
本発明による第IXファミリーのチモーゲン及び活性化プロテアーゼは、天然の
チモーゲン及びプロテアーゼのかわりに用いることができる。有利な適用は、例
えばバイオテクノロジーにおける制限プロテアーゼ(好ましくは第Xa因子)とし
て、特に血液凝固プロテア
ーゼ活性の間接的測定(好ましくは第IXa 因子測定のための診断における測定の
酵素的方法の構成物としての使用である。重なる適用は、血液凝固、フィブリン
溶解又はホメオスタシスのモジュレーター(アクティベーター、インヒビター)
について調査するためのスクリーニングアッセイにおける標的としてである。最
後に、本発明によるタンパク質は、結晶化研究(好ましくはアクティベーター及
びインヒビターとの共結晶)のために有利に用いることができる結晶化すること
ができるセリンプロテアーゼを供する。
本発明による第IXファミリー(第IXa 因子、第Xa因子、第VIIa因子及びプロテ
インC)の活性なプロテアーゼは、特に好ましくは、インヒビターを同定するの
に用いられる。この場合、第IXa 因子の直接の測定及び第IXa のインヒビターの
同定が特に好ましい。更に、本発明によるチモーゲンは、診断テストにおける成
分として用いることができる。この場合、本発明によるチモーゲン(例えば第X
因子)は、測定されるべきプロテアーゼ(例えば第IXa 因子)により活性化され
る。次に、その活性化されたチモーゲン(例えば第Va因子)は発色性ペプチド基
質(例えばChromozym X)を開裂し、測定シグナル(例えばp−ニトロアニリン
)を作りだす。生ずる色の変化は、サンプル中の第IXa 因子の濃度の基準であり
、測定されるべきプロテアーゼ活性に比例する。
50アミノ酸までのスペーサーが、好ましくはチモーゲン活性化ドメインとEGF
ドメイン(又は複数のEGF ドメイン)との間に挿入される。本発明によるチモー
ゲンの一本鎖形態がチモーゲン活性化ドメイン内で開裂される場合、活性なタン
パク質は2本鎖形態で得られる。両方の鎖はその2本鎖形態における分子間ジス
ルフィド架橋により連結される(図1及び図2)
本発明によるタンパク質は、好ましくは第X因子及び/又は第IX
因子の EGF2ドメイン、活性化ペプチド及び触媒ドメインが構成される。第X因
子の EGF2ドメイン及び触媒ドメイン並びに第IX因子の活性化ドメインから構成
されるタンパク質も好ましい。
方法
組換えDNA 技術
Sambrook,J.ら、(1989)(In:Molecular cloning:A laboratory manual.Col
d Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York)に記載さ
れるように標準的な技術を用いてDNAを操作した。分子生物学的試薬は、製造元
の説明に従って用いた。
タンパク質測定
プロテアーゼ変異体のタンパク質濃度を、アミノ酸配列に基づいて計算したモ
ル吸光度係数を用いて 280nmにおける光学密度(OD)を測定することにより決定
した。
発現ベクター
血液凝固プロテアーゼ変異体の発現のためのベクターは、コア−ストレプトア
ビジンのための発現ベクターpSAM−COREに基づく。プラスミドp-SAM-COREの調製
及び記載は、Kopetzki E.ら(WO93/09144)により記載される。
コア−ストレプトアビジン遺伝子を、pSAM−COREベクター内の要求されるプロ
テアーゼ変異体遺伝子により置換した。
以下の例、出版物、配列プロトコル及び図面は、本発明を更に解明する。ここ
でその保護の範囲は特許請求の範囲から生ずる。記載される方法は、改良の後で
さえ本発明の対象物をなお記載する例として理解されるべきである。
図面の記載
図1は、FIX プロテアーゼファミリーの血漿プロテアーゼの図で
ある。
図2は、作製した、トランケートしたFIX,FX 及びFIX/X キメラ血漿−プロテ
アーゼの図である(rFIX/X-EGF2-AP-CD の場合、第X因子の部分は白で第IX因子
部位は異である)。略語:AP=活性化ペプチド;AA=芳香族アミノ酸スタックド
メイン;CD=触媒ドメイン;EGF に上皮成長因子様ドメイン1; EGF2=上皮成
長因子様ドメインで; GLA=γ−カルボキシグルタミン酸富化ドメイン。
図3は、Kaul.R.Kら(Gene 41(1986)311〜314)に供されるFXについてのヌ
クレオチド及びアミノ酸配列を示す(ヌクレオチド配列は配列番号:15に示す)
。
図4は、McGraw,R.Aら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82(1985)2847〜285
1)に供されるFIX についてのヌクレオチド及びアミノ酸配列を示す(ヌクレオ
チド配列を配列番号:16に示す)。
実施例1
FXプロテアーゼ遺伝子の触媒ドメインのクローニング(プラスミド:pFX-CD)
アミノ酸位置 217〜454 からのFXプロテアーゼドメインをコードするbp位置 6
49〜1362からのFXcDNA(Kaul,R.Kらの出版物(Gene 41(1986)311〜314;図
3)に従うcDNA配列及びアミノ酸配列ナンバリング)を、Mullis,K.B.及びFa
loona,F.A.(Methods Enzymol.155,(1987)350-355)に従って、PCR プラ
イマーN1(配列番号:1)及びN2(配列番号:2):
並びにテンプレートDNA としてのStratagene Company(La Jolla,CA,U.S.A)
からの市販のヒト肝臓cDNAジーンバンク(ベクター:
それらPCR プライマーは、そのコーティング領域の5′末端に単独のBspHI 裂部
位及びATG 開始コドンを、コーティング領域の3′末端に単独のHindIII 開裂部
位を導入した。
その約 740bp長のPCR 産物を制限エンドヌクレアーゼBspHI 及びHindIIで消化
し、その約 720bp長のBspHI/HindIII-FXフラグメントを、アガロースゲル電気泳
動による精製後に、約2.55kbb 長のNcoI/HindIII-pSAM-COREベクターフラグメン
トに消化した。その要求されるプラスミドpFX-CDを制限マッピングにより同定し
、PCR により単離したFX cDNA 配列をDNA 配列決定によりチェックした。
実施例2
N末端の(His)4尾、エンテロキナーゼ開裂部位及び触媒ドメイン(プラスミド
:pFX-EK-CD)を伴うFXプロテアーゼ遺伝子の作製
クローンしたFX−CD遺伝子の読み枠(実施例1を参照のこと)を、その5′端
において、アミノ酸MHHHHDDDDK(配列番号:17)をコードし、ATG 開始コドン、
ポリHis 配列及びエンテロキナーゼ開裂部位を含むヌクレオチド配列に連結した
。FX−CD遺伝子の5′端に位置した単独のBsmI開裂部位及びプロモーター内の上
流にある隣接した単独のEcoRI 開裂部位を用いてこのFX−EK−CD変異体遺伝子を
作製した。
このため、プラスミドpFX−CDを制限エンドヌクレアーゼEcoRI及びBsmIで消化
し、そして約3.25kbp 長のEcoRI/BsmI−pFX−CDベクターフラグメントを、アガ
ロースゲル電気泳動による単離の後に、FX−EK−CD DNAアダプターに連結した。
FX−EK−CDアダプターは、相補性オリゴヌクレオチドN3(配列番号:3)及び
N4(配列
番号:4)からのハイブリダイゼーション(反応緩衝液:12.5mmol/l Tris−
HCl,pH7.0及び12.5mmol/l Mg(l2:N濃度:各々1pmol/60μl)により
作製した。
FX−EK−CDアダプター:
実施例3
EGF2ドメイン、活性化ペブチド及び触媒ドメイン(ブラスミド:pFX-EGF2-AP
-CD)を伴うFXプロテアーゼ遺伝子のクローニング
アミノ酸位置 108〜454 からのEGF2ドメイン、活性化ペプチド及び触媒プロ
テアーゼドメインをコードずるbp位置 322〜1362からのFXcDNAを、PCR プライマ
ーN5(配列番号:5)及びN2(配列番号:2):
並びにテンプレートDNA としてのStratagene Company(La Jolla,CA,U.S.A.)
からの市販のヒト肝臓cDNA遺伝子バクンの(ベクター
イマーは、コーティング領域の5′末端にATG 開始コドン及び単独のEcoRI 開裂
部位を、コーティング領域の3′端に単独のHindIII開裂部位を導入した。
約1.09kbp 長のPCR 産物を制限エンドヌクレアーゼEcoRI 及びBstEIIで消化し
、その約1.02bp長のEcoRI/BstEII-FX フラグメントを
、アガロースゲル電気泳動による精製の後、約2.58kbp 長のEcoRI/BstEII-pFX-C
D ベクターフラグメントに連結した(実施例1)。その要求されるプラスミドpF
X-EGF2-AP-CDを制限マッピングにより同定し、PCR により単離されたFX cDNA 配
列をDNA 配列決定によりチェックした。
実施例4
トランケートされた EGF2ドメイン、活性化ペプチド及び触媒ドメインでのFX
プロテアーゼ遺伝子の作製(プラスミドpFX-ΔEGF2-AP-CD)
アミノ酸位置 154〜454(図3に従うcDNA配列酸配列及びアミノ酸配列ナンバリ
ング)からのトランケートされた EGF2ドメイン、活性化ペプチド及び触媒プロ
テアーゼをコードするbp位置 460〜1362からのFX cDNA を、PCR プライマーN6
(配列番号:6)及びN2(配列番号:2):
並びにテンプレートDNA としてプラスミドpFX-EGF2-AP-CDを用いてPCR により増
幅した。PCR において、構造遺伝子の5′領域(アミノ酸位置2及び3)を、N
6プライマーによりタンパク質配列を変えることなく大腸菌に好ましくは用いら
れるコドンに適合させた(N6プライマーにおいて小文字で書かれた塩基により
示される最適化されたコドン用法でのATG 環境)。
約 960bp長のPCR 産物を制限エンドスクレアーゼEcoRI 及びHindIII で消化し
、そして約 950bp長のEcoRI/HindIII-FXフラグメントを、アガロースゲル電気泳
動により精製後に約2.53kbp 長のEcoRI/HindIII-pSAM-CORE ベクターフラグメン
ト(実施例1)に連結した。要求されるプラスミドpFX-ΔEFG2-AP-CDを制限マッ
ピングにより
同定し、そのPCR により増幅したFX DNA配列をDNA 配列決定によりチェックした
。
実施例5
活性化ペプチド及び触媒ドメインでのFXプロテアーゼの作製(プラスミド:pF
X-AP-CD)
アミノ酸位置 166〜454 からの活性化ペプチド及び触媒プロテアーゼドメイン
をコードするbp位置 496〜1362からのFX cDNA(図3に従うcDNA配列及びアミノ酸
配列ナンバリング)を、PCR プライマーN7(配列番号:7)及びN2(配列番
号:2):
並びにテンプレートDNA としてプラスミドpFX-EGF2-AP-CD(実施例3)を用いて
PCR により増幅した。構造遺伝子の5′領域(アミノ酸位置2及び3)を、N7
プライマーによりタンパク質配列を変えることなく大腸菌に好ましくは用いられ
るコドンに適合させた(N7プライマーにおいて小文字で書かれた塩基により示
される最適化されたコドン用法でのATG 環境)。
約 890bp長のPCR 産物を制限エンドスクレアーゼNcoI及びHindIII で消化し、
そして約 880bp長のNcoI/HindIII-FX フラグメントを、アガロースゲル電気泳動
による精製前に約2.55kbp 長のNcoI/HindIII-pSAM-COREベクターフラグメント(
実施例1)に連結した。要求されるプラスミドpFX-AP-CD を制限マッピングによ
り同定し、そのPCR により増幅したFX DNA配列をDNA 配列決定によりチェックし
た。
実施例6
FIX プロテアーゼ遺伝子の触媒ドメインのクローニング(プラスミド:pFXX-C
D)
アミノ酸位置 181〜415 からのFIX プロテアーゼドメインをコードするbp位置
690〜1403からのFIX-DNA(McGrau,R.A.ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82(
1985)2847-2851:図4)の出版物に従うcDNA配列及びアミノ酸配列ナンバリング
)を、PCR プライマーN8(配列番号:8)及びN9(配列番号:9):
並びにテンプレートDNA としてStratagene Company(La Jolla,CA,U.S.A.)か
らの市販のヒト肝臓cDNA遺伝子バンク(ベクター:La
グ領域の5′端において単独のNcoI開裂部位及びATG 開始コドン並びにコーティ
ング領域の3′端において単独のHindII開裂部位を導入した。
約 730bp長のPCR 産物を制限エンドヌクレアーゼNcoI及びHindIII で消化し、
その約 720bp長のNcoI/HindIII-FIXフラグメントを、アガロースゲル電気泳動に
よる精製の後に約2.55kp長のNcoI/HindIII-pSAM-COREベクターフラグメントに連
結した。要求されるプラスミドpFIX-CD を、制限マッピングにより同定し、その
PCR により単離されたFIX cDNA配列をDNA 配列決定によりチェックした。
実施例7
EGF2ドメイン、活性化ペプチド及び触媒ドメインを有するFIXプロテアーゼの
作製(プラスミド:pFIX-EGF2-AP-CD)
アミノ酸位置85〜273 からの EGF2ドメイン、活性化ペプチド及びFIXaプロテ
アーゼドメインのN末端領域をコードするbp位置 402〜986 からのFIX-DNA 図4
に従うcDNA配列及びアミノ酸配列ナンバ
リング)を、PCR プライマーN10(配列番号:10)及びN11(配列番号:11):
並びにテンプレートDNA としてStratagene Company(La Jolla,CA,U.S.A.)か
らの市販のヒト肝臓cDNA遺伝子バンク(ベクター:La
ーティング領域の5′端においてATG 開始コドン並びにNcoI開裂部位を導入した
。
約 590bp長のPCR 産物を制限エンドヌクレアーゼNcoI及びBsmIで消化し、その
約 360bp長のNcoI/BsmI-FIX-EGF2-APフラグメントを、アガロースゲル電気泳動
による精製の後に約3.2kp 長のNcoI/BsmI-pFIX-CDベクターフラグメント(実施
例6)に連結した。要求されるプラスミドpFIX-EGF2-AP-CD を、制限マッピング
により同定し、そのPCR により増幅されたFIX cDNA配列をDNA 配列決定によりチ
ェックした。
実施例8
FIX 及びFXから構成されるキメラプロテアーゼ遺伝子の作製(プラスミド:pF
IX/X-EGF2-AP-CD)
キメラFIX/FXプロテアーゼ遺伝子を、FX EGF2ドメインのN末端部分(bp位置
:322−462;アミノ酸位置108〜154、図3),FIX EGF2のC末端部分、FIX 活
性化ペプチド、並びにFIX N末端半分(bp位置: 397〜867;アミノ酸位置: 13
3−289;図4)及びFX C末端半分(bp位置: 964−1362; アミノ酸位置: 322
−454、図3)から作った。
このため、bp位置 397〜867(アミノ酸位置: 133−289;図4)
からのFIX EGF 2のC末端部分、FIX 活性化ペプチド及びFIX N末端半分をコー
ドするDNAを、PCRプライマーN12(配列番号:12)及びN13(配列番号:13):
並びにテンプレートDNA としてのプラスミドpFIX-EGF2-AP-CD(実施例7)を用
いて第1のPCR 反応において増幅した。そのFX−EGF2 DNA配列を、PCR プライマ
ーN12の5′オーバーハングヌクレオチド配列によりFIX-EGF2 DNA配列に連結し
た。それは、5′端に単独のStuI開裂部位を有するbp位置 430〜462(図3)か
らのFX DNA配列から構成される。そのFIX DNA を、N13プライマーの5′オーバ
ーハンギングヌクレオチド配列を用いてFX DNAに連結した。それは、bp位置: 9
64〜970(図3)からのFX DNA配列で構成される。この配列において、タンパク
質配列を変えることなく(N13プライマー内に小文字で記載される塩基により示
される)2塩基対置換により単独のMroI開裂部位を作った。bp位置: 964−1362
(アミノ酸位置: 322−454:図3)からのFX C末端半分を、PCR プライマー
N14(配列番号:14)及びN2(配列番号:2):
並びにテンプレートDNA としてプラスミドpFX-EGF2-AP-CD(実施例3)を用いて
第2のPCR 反応において増幅した。アミノ酸配列を変えることなく、(N14プラ
イマーにおいて小文字で記載される塩基により示される)2bp置換により、コー
ディングFX−CD領域内の5′端においてN14プライマーにより単独のMroI開裂部
位を導入した
。
第1のPCR 産物をStuI及びMroIで消化し、第2のPCR 産物をMroI及びHindIII
で消化した。次に、約 510bp長のStuI/MroIフラグメントを、約 400bp長MroI/Hi
ndIIIフラグメント及び約2640bp長StuI/HindIII-pFX-EGF2-AP-CD ベクターフラ
グメント(実施例13)に、3フラグメント連結において連結した。要求されるプ
ラスミドpFIX/X-EGF2-AP-CD を制限マッピングにより同定し、PCR により増幅さ
れたFIX/X DNA 配列を、DNA 配列決定によりチェックした。
実施例9
a)大腸菌内でのプロテアーゼ遺伝子の発現
プロテアーゼ遺伝子を発現させるために、大腸菌株UT5600(Grodberg,J.及び
Dunn.J.J;J.Bacteriol.170(1988)1245-1253)を各々の場合、実施例1〜
8に記載される発現プラスミドpFX-CD,pFX-EK-CD,pFX-EGF2-AP-CD,pFX-ΔEGF2
-AP-CD,pFX-AP-CD,pFIX-CD,pFIX-EGF2-AP-CD 及びpFIX/X-EGF2-AP-CD(アン
ピシリン耐性)のうちの1つで、並びにlacIqリプレッサープラスミドpUB5520(
カナマイシン耐性、調製及び記載について、Brinkmann,V.ら、Gene 85(1989
)109-114を参照のこと)で形質転換した。
発現プラスミドpFX-CD,pFX-EK-CD,pFX-EGF2-AP-CD,pFX-ΔEGF2-AP-CD,pFX-
AP-CD,pFIX-CD,pFIX-EGF2-AP-CD 及びpFIX/X-EGF2-AP-CD で形質転換したUT56
00/pUB5520/細胞を、37℃で50〜100mg/lアンピシリン及び50mg/lカナマイシ
ンを含むDYT 培地(1%(w/v)イーストエキス、1%(w/v)バクトトリ
プトン、Ditco 及び50%NaCl)中で振とう培養で、0.6〜0.9 の 550nmの光学密
度(OD550)まで培養して、次にIPTG(最終濃度1〜5mmol/l)で誘導した。3
7℃で4〜8時間(h)の誘導の後、それら細胞を遠心(Sorvall RC-5B centr
ifuge,GG53 ローター、6000rpm,15
分)により収集し、50mmol/l Tris-HCl 緩衝液pH7.2 で洗浄し、更なる処理
まで−20℃に保存した。1lの振とう培養物からの細胞収量は4〜5g(湿潤重
量)であった。
b)発現分析
プラスミドpFX-CD,pFX-EK-CD,pFX-EGF2-AP-CD,pFX-ΔEGF2-AP-CD,pFX-AP-C
D,pFIX-CD,pFIX-EGF2-AP-CD 及びpFIX/X-EGF2-AP-CD で形質転換したUT5600/p
UB5520/細胞の発現を分析した。この目的のために、各々の場合に1mlの遠心し
た培養培地からの細胞ペレットを、0.25mlの10mmol/lのTris-HCl,pH7.2に再度
懸濁し、そしてその細胞を、Branson Company(Heusenstamm,Germany)からのSo
秒の2パルス)により溶解した。その不溶性の細胞成分を沈澱させ(Eppendorf
5415 centrifuge,14000rpm,5分)、1/5容量(vol)の5×SDS サンプル緩衝
液(1×SDS サンプル緩衝液:50mmol/l Tris-HCl,pH6.8,1% SDS,1%
メルカプトエタノール、10%グリセロール、0.001%プロモフエノールブルナを
、その上清に加えた。その不溶性細胞デブリス画分(ペレット)を、6〜8M尿
素を含む 0.3mlの1×SDS サンプル緩衝液に再度懸濁し、そのサンプルを95℃で
5分、インキュベートし、そして再び遠心した。次に、そのタンパク質を、SDS
ポリアクリル電気泳動(PAGE)(Laemmli,U.K.,Nature.227(1990)680-685)
により分離し、クーマシーブリリアントブルーR染料で染色した。
大腸菌内で合成されたプロテアーゼ変異体は均一であり、不溶性細胞デブリス
内で排他的に見い出された(封入体、IBs)。その発現収量は全大腸菌タンパク質
に対して10〜50%であった。
実施例10
細胞溶解プロテアーゼ変異体の可溶化及び再生
a)細胞溶解及び封入体(IBs)の調製
3lの振とう培養物(約15g湿潤重量)からの細胞ペレットを75mlの50mmol/
l Tris-HCl,pH7.2に再度懸濁した。その懸濁液を0.25mg/mlのリゾチームと混
合し、それを0℃で30分、インキュベートした。2mmol/lのMgCl2及び10μg
/mlのDNaseI(Boehringer Mannheim GmbH,catalogue No.164159)を加えた後、
その細胞をSL
圧破砕により機械的に破壊した。次に、そのDNA を室温(RT)で30分、消化した
。その調製物に37.5mlの50mmol/l Tris-HCl,pH7.2,60mmol/l EDTA,1.5mol
/l NaCl,6% Triton X-100 を加え、それを更に30分、RTでインキュベートし
、Sorvall RC−5B遠心機(GSA Rotor,12000rpm,15分)で遠心した。その上清
を捨てて、そのペレットに 100μlの50mmol/l Tris-HCl,pH7.2,20mmol/l
EDTAを加え、それを4℃で撹拌しながら30分、インキュベートし、再び沈澱さ
せた。その最後の洗浄ステップをくり返した。その精製したIBs(1.5〜2.0 g湿
潤重量、25〜30%乾燥量、100〜150mgプロテアーゼ)を更なる処理まで、−20℃
で保存した。
b)IBs の可溶化及び誘導化
精製されたIBs を1〜3時間、室温で撹拌しながら、6mol /lグアニシニウ
ム−HCl,100mmol/l Tris-HCl,20mmol/l EDTA,150mmol/l GSSG 及び15mm
ol/l GSH,pH8.0 中5〜10mg/mlのタンパク質に相当する 100mgのIBペレット
(湿潤重量)/mlの濃度に溶かした。次に、そのpHをpH5.0 に調節し、その不溶
性成分を遠心(Sorvall RC−5Bセントリフュージ、5534ローター、16000rpm,
10分)により分離した。その上清を4℃で24時間、100容量の4〜6mol /lグ
アニジウム−HCl pH5.0 に対して透析した。
c)再生
6mol /lのグアニジウム−HCl 中に可溶化し、及びGSSG/GSHで誘導化したプ
ロテアーゼ変異体の再生を、24時間の間隔で各々の場合、50mlの50mmol/lのTr
is-HCl,0.5mol/lのアルギニル、20mmol/lのCaCl2,1mmol/lのEDTA及び
0.5mmol/lシスティン、pH8.5 への 0.5mlのIB可溶化物/誘導体のくり返し(
例えば3回の)添加により4℃で行った。再生反応を終えた後、不溶性成分を、
Seitz Company(Bad Kreuznach,Germany)からの深床フイルターK
置でのろ過により分離した。
d)再生調製物の濃縮及び透析
プロテアーゼを含む透明な上清を、Filtron Company(Karlstein,Germany)か
らのMinisette(膜タイプ:Omega 10K)におけるクロス・フローろ過により10〜
15倍に濃縮し、グアニジウム−HCl 及びアルギニンを除去するために 100容量の
20mmol/l Tris-HCl 及び50mmol/l NaCl,pH7.2に対して4℃で24時間、透析
した。沈澱したタンパク質を遠心(Sorvall RC−5B Centrifuge,5534 ロー
ター、16000rpm,20分)し、その透明な上清をNalge Company(Roc
0.2 μm)でろ過した。
e)再生効率の測定
再生し、濃縮し、そしてろ過した再生調製物のタンパク質濃度を、rFX-CD,rF
X-EK-CD,rFX-EGF2-AP-CD,rFX-ΔEGF2-AP-CD,rFX-AP-CD,rFIX-CD,rFIX-EGF2-
AP-CD 及びrFIX/X-EGF2-AP-CD についてのアミノ酸配列に基づいて計算したモル
吸光度係数を用いて 280nmにおいて光学密度を測定することにより決定した。
ネイティブと同様に折りたたまれたプロテアーゼ及び誤ってジスルフィド架橋
されたプロテアーゼオリゴマーから構成される再生調
製物のサンプルを、非還元性SDS PAGE(実施例13b)により分離した。要求され
る可溶性モノマープロテアーゼチモーゲンを、見掛け分子量及びそのバンドの強
度により同定した。残存するバンド(タンパク質スミア)に対するモノマーのプ
ロテアーゼチモーゲンのバンド強度の比較(比率)から再生効率を評価した。
結果:
EGF2ドメイン、活性化ペプチド(AP)及び触媒ドメイン(CD)で、プロテア
ーゼ変異体を再生するのみが可能であった。
実施例11
再生された不活性化プロテアーゼ変異体の精製
再生調製物からの不活性プロテアーゼ変異体は、必要に応じて、当業者に周知
であるクロマトグラフィー法で更に精製することができる。
a)Q−Sephrose−ffでのイオン変換クロマトグラフィーによるプロテアーゼ
変異体の精製
20mmol/lのTris-HCl及び50mmol/lのNaCl,pH8.0 に対して透析した濃縮し
た再生調製物を、同じ緩衝液で平衡化したPharmacia
Biotech Company(Freiburg,Germany)からのQ−Sepharose offカラム(1.5×1
1cm,V=20ml;ローディング能;10mgタンパク質/mlゲル)に適用し(2カラ
ム容量/時間、2CV/h)、そしてそれを溶出液の 280nmにおける吸光度が緩衝
液のブランク値に達するまで、平衡緩衝液で洗った。その結合した材料を、20mm
ol/l Tris-HCl,pH8.0(2CV/h)中50〜500 mmol/l NaCl の勾配により溶
出した。プロテアーゼを、100〜150 mmol/lのNaCl濃度で溶出した。プロテア
ーゼを含む画分を、非還元性及び還元性SDS PAGEにより溶出し、その溶出ピーク
をプールした。
b)ヘパリン−Sepharose CL−6Bでのイオン変換クロマトグラフィーによる
不活性なプロテアーゼ変異体の最終精製
Q−Sepharose ffカラムでのクロマトグラフィーの後、その組み合わせたプロ
テアーゼを含む画分を、20mmol/l Tris-HCl 及び 200mmol/l NaCl,pH8.0で
平衡化したPharmacia Biotech Company(Freiburg,GFR)からのヘパリン−Sephar
ose CL−6Bカラム(1.5×11cm,V=20ml、ローディング能:1mgタンパク質
/mlゲル)に直接適用した。次に、それを、280nmにおける溶出液の吸光度がそ
の緩衝液についてのブランク値に達するまで、平衡緩衝液で洗った。その結合し
た材料を、20mmol/lのTris-HCl,pH8.0(2CV/h)中の 0.2〜1.0mol/lのNaC
lの勾配により溶出した。そのプロテアーゼを 500〜600 mmol/lのNaCl濃度で
溶出した。プロテアーゼを含む画分を、非還元性及び還元性SDS PAGEにより同定
し、その溶出ピークを組み合わせ、20mmol/l Tris-HCl,50〜200 mmol/l NaC
1,5 mmol/l CaCl2,pH7.8 に対して透析した。
実施例12
活性化プロテアーゼ変異体の活性化及び精製
再生された精製されたrFIX及びrFX プロテアーゼ変異体を、精製
されたラッセルクサリヘビ毒(RVV−X)プロテアーゼで活性化した。RVV−Xプロ
テアーゼは、Esmon,C.T.(プロトロンビン活性化、博士論文、Washington Uni
versity,St.Louis,MO(1973))による出版物に記載されるように、Sigma Aldri
ch Chemie GmbH Co(Deisenhofen)からの市販の蛇毒凍結物から、ゲルろ過及び次
のQ−Sepharose ffでのイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。
a)RVV−XでのrFIX-EGF2-AP-CD プロテアーゼの活性化及び精製
プロテアーゼ変異体rFIX-EGF2-AP-CD を25℃で20mmol/l Tris-HCl,50mmol/
l NaCl,10mmol/l CaCl2,pH7.8 中 0.5〜2.0 mg/mlの濃度及び1:10〜1:
20のプロテアーゼ/基質化で消化した。酵素的FIX 活性化の時間経過を、消化が
完了するまで(安定水準最大活性化)、色源基質(実施例13aを参照のこと)を
測定することによりモニターした。この目的のために、24時間までの期間にわた
って3〜4時間の間隔で反応調製物からサンプル(10〜100 μl)をとり、そし
て生成されたrFIXa 活性を測定した。活性安定期に達した後、RVV−X消化物を
、Q−Sepharose-ffでのネガティブクロマトフラフィーにより精製した。
RVV−X及び非活性化rFIX-EGF2-AP-CD プロテアーゼは所定の条件下でQ−Sep
harose-ffに結合したが、rFIXa-EGF2-AP-CDプロテアーゼは結合しなかった。
その消化調製物を、20mmol/l Tris-HCl,50mmol/l NaCl,pH7.8で平衡化し
たPharmacia Biotech Company(Freiburg,GFR)からのQ−Sepharose-ffカラム
(1.0×10cm,V=8ml)に適用し(2CV/h)、そのカラムを、分画しながら平
衡化緩衝液で展開した。rFIXa-EGF2-AP-CDプロテアーゼを含む画分を、非還元性
及び還元性SDS PAGE並びに活性測定により同定した。
b)RVV−XでのrFX-EGF2-AP-CDプロテアーゼの活性化及び精製
プロテアーゼ変異体rFX-EGF2-AP-CDを、25℃で、20mmol/l Tris-HCl,50mmol
/l NaCl,10mmol/l CaCl2,pH7.8 中 0.5〜2.0 mg/mlの濃度及び1:100 〜
1:200 のプロテアーゼ/基質比で消化した。酵素的rFX-EGF2-AP-CD活性化の時
間経過を、消化が完了するまで(安定状態、最大活性化)、色源基質(実施例13
aを参照のこと)でその活性を測定することによりモニターした。この目的のた
め、サンプル(10〜100 μl)を、4時間までの期間にわたり、15〜30分の間隔
で、その反応調製物からとり、形成されたFXa 活性を測定した。活性安定期に達
した後、その活性rFXa-EGF2-AP-CD プロテアーゼを、ベンズアミジン−Sepharos
e-CL−6Bでのクロマトフラフィーにより精製した。
活性化されたrFXa-EGF2-AP-CD プロテアーゼ変異体のみが特定の条件下でベン
ズアミジン−Sepharose-CL−6Bに結合する。
その消化調製物を、20mmol/l Tris-HCl,200mmol/l NaCl,pH8.0 で平衡化
したPharmacia Biotech Company(Freiburg,GFR)からのベンズアミジン−Seph
arose-CL−6Bカラム(1.0×10cm,V=8ml;ローディング能:2〜3mgタンパ
ク質/mlゲル)に適用し(2CV/h)、280nmにおける溶出液の吸光度がその緩
衝液のブランク値に達するもので、平衡化緩衝液で洗った。その結合した材料を
、20mmol/l Tris-HCl,200mmol/l NaCl,pH8.0中10mmo1/lのベンズアミジ
ンで溶出した(2CV/h)。rFXa-EGF2-AP-CD プロテアーゼを含む画分を非還元
性及び還元性SDS PAGE並びに活性測定により同定した。
c)RVV−Xでの活性化及びキメラrFIX/X-EGF2-AP-CD プロテアーゼ変異体の
精製
プロテアーゼ変異体rFIX/X-EGF2-AP-CD を、25℃で、20mmol/l
Tris-HCl,50mmol/l NaCl,10mmol/l CaCl2,pH7.8中 0.5〜2.0mg/mlの濃度
及び1:10〜1:20のプロテアーゼ基質比で消化した。酵素的rFIX/X-EGF2-AP-C
D 活性化の時間経過を、その消化が完了する(安定状態、最大活性化)まで色源
基質(実施例13aを参照のこと)でその活性を測定することによりモニターした
。この目的のため、サンプル(10〜100 μl)を、24時間までの期間にわたって
3〜4時間の間隔で反応調製物からとり、形成されたrFIX/Xa-EGF2-AP-CD活性を
測定した。活性化安定状態に達した後、RVV−X消化物をQ−Sepharose-off で
のネガティブクロマトグラフィーにより精製した。
FVV−X及び非活性化rFIX/X-EGF2-AP-CD プロテアーゼは所定の条件下で、Q
−Sepharose-ffに結合するが、活性化rFIX/Xa-EGF2-AP-CDプロテアーゼ変異体は
そうでない。
その消化調製物を、20mmol/l Tris-HCl,50mmol/l NaCl,pH7.8で平衡化し
たPharmacia Bioctech Company(Freiburg,GFR)からのQ−SephaRose-ffカラム(
1.0×10cm,V=8ml)に適用(3CV/h)、そしてそのカラムを分画しながら平
衡緩衝液で展開した。rFIX/Xa-EGF2-AP-CDプロテアーゼを含む画分を、非還元性
及び還元性SDS PAGE並びに活性測定により同定した。
実施例13
精製されたプロテアーゼ変異体のキセラクチリゼーション
a)活性化テスト
再生された活性化rFIXa-EGF2-AP-CD,rFXa-EGF2-AP-CD 及びrFIXa/Xa-EGF2-AP
-CD プロテアーゼ変異体の活性を、色源基質Chromozym X(Boehringer Mannheim
GmbH,Mannheim,GFR,cat.No.789763)を用いて測定した。10〜100 μlのサ
ンプルを、190〜100 μlの50mmol/l Tris-HCl,150mmol/l NaCl,5mmol/
l CaCl2,0.1
%ポリエチレングリコール8K(PEG8000),pH8.0で200 μlにし、20μlのChrom
ozym X(0.5〜40mmol)と混合し、405nmの波長及びRTにおいて、ELISA リーダー
において試薬ブランク値に対して測定した。活性及び速度定数を、ミカエリス・
メンテン等式に従って、直線の最初の傾きから決定した。
b)SDS PAGE
分子間ジスルフィド架橋形成によるオリゴマー及び凝集物形成並びに再生され
活性化された及び精製されたプロテアーゼ変異体の均一性及び純度を、非還元(
−メルカプトエタノール)及び還元(+メルカプトエタノール)SDS PAGE(Laemm
l,UV,Nature 227(1970)680-685)により検査した。
実施例14
FXアクティベーターテスト
組換えにより作られた高純度の不活性なrFX-EGF2-AP-CDチモーゲン(いずれの
干渉する副活性もない)は、例えば水溶液中、好ましくは体液、例えば血液又は
血漿中で低FIXa濃度を測定するのに極めて適する。FIXaは、開裂により不活性な
rFX-EGF2-AP-CDチモーゲンを活性化する。そのチモーゲン活性化は、色源性FXa
ペプチド基質、例えばChromozym Xを用いて、共役したインジケーター領域によ
り測定される。決定されるべきFIXa活性は、チモーゲン活性化の増幅システムに
より増幅される。このようなFIVaテストは、例えばVan Dam-Mieras,M.C.E.ら
、(Bergmeyer,H.U.(ed.),Methods of Enzymatic Analysis,Vol.V,page
365-394,3rd ed.,Academic Press,New York(1983))により記載される。
テスト原理:
測定シグナル1:pNA(p−ニトロアニリン)
FXa 基質: MOC-D-NleGlyArg-pNA(Chromozym X)
テスト混合物: 200μl緩衝液
+20μl rFX-EGF2-AP-CD(0.13mg/ml;4μmol/l)
+25μl 基質(Chromozym X,8mmol/l)
+20μl FIXaサンプル
緩衝液: 50mmol/l Tris-HCl,pH8.0,150mmol/l
NaCl; 5mmol/l CaCl2;0.1% PEG 8000
テスト混合物をRTでマイクロタイタープレート内でインキュベートし、その吸
光度を、試薬ブランク値に対して 405nmにおいて、時間に対して測定した。FIXa
によるChromozym Xの直接の変換は所定のテスト条件下でごくわずかである。
チモーゲン rFX-EGF2-AP-CD の第IXa 因子触媒活性化は、色源ペプチド基質Ch
romozym Xを用いて測定される。p−ニトロアニリン(測定シグナル)の形成は
、存在する(測定されるべき)第IX因子活性の基準(比例)である。
実施例15
rFXa-EGF2-AP-CD の結晶化
活性化され、精製され、組換え生産されたrFXa-EGF2-AP-CD プロテアーゼを6
時間、4℃で、2×100 容量の5mmol/l HEPES緩衝液、pH6.5 に対して透析し
、次にAmicon Company(Witten,GFR)か
の濃度に濃縮した。それを、シッティングドロップにおいて蒸気拡散法により結
晶化する。(インヒビターH−Glu −Gly −Arg −クロロメチルケトン(Bacher
Biochemica,GmbH,Heidelberg,GFR)と
等モル濃度の)4mlに濃縮したrFXa-EGF2-AP-CD プロテアーゼを4℃で、4μl
の 100mmol/l Tris-HCl,5mmol/l CaCl2,22%ポリエチレングリコール6
K(PEG6K),pH8.2 と混合し、4℃で、シッティングドロップにおける蒸気拡
散法により 500μlの 100mmol/l Fris-HCl,5mmol/l CaCl2,22% PEG6
K,pH8.2 のリザーバーに対して平衡化した。
実施例16
FXa インヒビターを見い出すためのテスト
FXa プロテアーゼインヒビターを、FXa 活性の阻害により同定した。このため
、組換え生産されたrFXa-EGF2-AP-CD プロテアーゼ変異体のFXa 活性を、テスト
されるべき基質の、又は基質混合物の欠如又は存在下で測定し、そして阻害割合
を、その比率を計算することにより計算した。阻害定数Kiは、阻害速度から決定
した。
テスト原理:
測定シグナル :pNA(p−ニトロアニリン)
FXa 基質: MOC-D-NleGlyArg-pNA(Chromozym X)
テスト混合物: 200μl緩衝液
+20μl rFXa-EGF2-AP-CD(0.13mg/ml;4 μmol/l)
+25μl 基質(Chromozym X,8mmol/l)
+20μl インヒビター
緩衝液: 50mmol/l Tris-HCl,pH7.4,150mmol/l
NaCl; 5mmol/l CaCl2;0.1% PEP
テスト混合物を、マイクロタイタープレート内でRTでインキュベートし、その
直線の最初の勾配(ΔA/分)を、405nmにおける吸光度測定により決定した。
引用文献のリスト
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【手続補正書】
【提出日】1999年1月7日
【補正内容】
請求の範囲
1.第IX因子ファミリーからのプロテアーゼの次のドメイン:
a)触媒ドメイン、そのN末端に連結した
b)チモーゲン活性化ドメイン、そのN末端に連結した
c)EGF1及び/又は EGF2ドメイン
から構成される、セリンプロテアーゼ活性を有する、グリコシル化されておらず
、酵素として活性なタンパク質、又はそのチモーゲン形態。
2.請求項1に記載のタンパク質又はそのチモーゲン形態を生産するための方
法であって、前記プロテアーゼをコードする組換え遺伝子を含む発現ベクターで
原核宿主生物を形質転換し、該遺伝子を発現させ、そして生産されたプロテアー
ゼを単離することにより、前記生物内で、前記タンパク質をコードする核酸を異
種発現させることによる方法。
3.第IX因子ファミリーからのプロテアーゼのアクティベーター及び/又はイ
ンヒビターを同定するための請求項1に記載のタンパク質又はそのチモーゲン形
態の使用。
4.請求項1に記載のチモーゲン及び色原ペプチド基質とのインキュベーショ
ンにより、水溶液において第IXa 因子を測定するための方法であって、前記ペプ
チド基質が、活性化されたチモーゲンにより特異的に開裂されることを特徴とす
る方法。
5.前記水溶液が体液であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
(C12N 9/64
C12R 1:19)
(31)優先権主張番号 96110959.2
(32)優先日 1996年7月6日
(33)優先権主張国 ヨーロッパ特許庁(EP)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,
LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M
X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,
UG,US,UZ,VN,YU
(72)発明者 ホフナー,カルル―ペーター
ドイツ連邦共和国,デー―81673 ミュン
ヘン,ノイマルクター シュトラーセ 86
ベー