JP2008535759A - 窒化アルミニウム単結晶を調製するためのシード形成成長方法 - Google Patents

窒化アルミニウム単結晶を調製するためのシード形成成長方法 Download PDF

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Abstract

AlNのバルク単結晶を単結晶シード上に成長させる方法であって、AlN供給源材料を、坩堝のキャップに融合されたシードと空間を開けた関係で、坩堝チャンバー内に配置する方法が提供される。坩堝を、供給源材料とシードとの間にシードが供給源材料より高温である温度勾配を確立するのに十分であるように加熱し、それによりシードの外側層が蒸発され、シードの汚染物を取り除くと共にシード調製中に生じたシードへの損傷を除去する。その後、供給源材料とシードとの間の温度勾配を、供給源材料が昇華しシード上に堆積し、それによりAlNのバルク単結晶が成長するように逆転する。

Description

連邦政府出資研究または開発
本発明の基礎となる研究は、部分的に、海軍研究所(Office of Naval Research:ONR)の認可番号N00014−01−1−0716の資金で支持された。米国政府は、本発明において特定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、単結晶窒化アルミニウムシードを用いる単結晶性構造を有する窒化アルミニウムのバルク結晶を成長させるための物理的蒸気輸送方法に関する。
広い直接バンドギャップ(6.2eV)、高い熱伝導性(3.2W/cmK)および高い電子ドリフト速度故に窒化アルミニウム(AlN)は、高出力、高周波電子および遠紫外線光電子装置のための優れた候補になっている。サファイアおよびSiC基材上に成長したIII族元素−窒化物が市販されている。しかしながら、前記基材と過剰成長した活性層との間のかなり大きな非適合性のために、装置の寿命と性能が制限される。
III族元素−窒化物(III−N)素子製造プロセスにおいて、結晶性AlNウエハのような天然基材を用いると、過剰成長フィルム中の転位密度が1000cm-2より低くなり、素子の性能および寿命の両方が劇的に改良される。III−N結晶のバルク成長は、プロセスの熱力学および極端な操作条件故に困難である。基材用途に適した寸法のAlNまたは窒化ガリウム(GaN)単結晶は、入手できない。
サンドイッチ昇華技術は、大きなAlN結晶の成長に非常に有望である。粉末昇華によるAlN上の自己シード形成成長およびシード形成成長は、誘発する応力が最小限であり、従って、ほぼ転位の無い結晶が得られることが示された。多結晶性自己シード形成AlNブールの垂直断面において、成長方向において漸次的顆粒拡張が観察された。多結晶性材料を用いて出発する顆粒拡張により大きな単結晶性AlNを達成するために、多くの連続的成長ランが必要である。しかしながら、空気に晒された、または切断および研磨されたAlNシード結晶上に成長させるとき、二次的核形成が主要な問題となることが認識されてきた。さらに、AlN結晶において酸素が非常に一般的な不純物である。酸素は、材料の電気的、光学的および熱的特性に重大な影響を有する。例えば、酸素は深部ドナーとして作用し、3.5〜4.5eVの広範囲の吸収バンドを誘発すると考えられている。酸素濃度は、高品質のAlN系光電子工学および電子工学的デバイスの製造のためには、最少化しなくてはならない。物理的蒸気輸送(PVT)によるAlNの成長に対する、酸素および他の不純物の影響が、当分野で議論されることが増えている。
前述したように、予め切断/研磨または空気に晒された単結晶性AlNシード上でのバルクAlNの成長において、二次的核形成が主要な問題であった。二次的核形成は、成長条件に至るまでの間に低温で堆積すること、表面酸化物の存在、ならびに、シードを切断および研磨することにより引き起こされる表面損傷を含む幾つかの理由により生じ得る。供給源および成長雰囲気から発生する不純物も、二次的核形成を高め得る。窒素雰囲気中での粉末昇華によるバルクAlNのPVT成長において1700〜1800℃のような低温であると、Al−O−Nを含むランダム配向されたAlNが、白色多結晶性材料の形で堆積する。この温度範囲では、Al種の、酸素で補助された輸送が起こり、AlOおよびAl2Oが気相中に存在すると考えられる。酸素原子が、粉末供給源および/または成長環境から生じることがある。さらに、Al−N結合と比べてAl−Al結合を壊すための活性化エネルギーが低いので、粉末供給源中の過剰のAlが、低温においてAl種の初期過剰飽和を促進する。Alの過剰飽和は、気相中での中間体種を介する酸素補助輸送と類似の機構により、さらに、不純物を伴うAlの迅速な低温堆積を起こし得る。前述したように、AlNシード上に表面酸化物が存在すると、吸着原子の秩序化が影響を受け、成長方向がランダムになる可能性がある。これらにより、核形成部位として作用する最少エネルギーの多くの不良位置が提供され、それにより、ランダム核形成が促進される。
当分野において、AlNシード材料を用いてバルク単結晶AlNを生成する物理的蒸気輸送プロセスであって、シード表面汚染物が除去されると共に成長している結晶中でシードの結晶性が再生されるプロセスが必要とされている。
本発明は、シードの露出表面上の汚染物を除去することができると共に、シード形成プロセス中に切断、粉砕または研磨により引き起こされた表面および表面下損傷を除去することができる原位置シード清浄化/調整工程を特徴とする物理的蒸気輸送プロセスを用いることにより、単結晶シード、好ましくはAlNシードの上に、AlNまたはAlNを含む合金(例えば、AlGaNまたはAlN−SiC合金)のバルク単結晶を成長させる方法を提供する。シード調整プロセスは、供給源材料とシードとの間にシードがより高い温度であるような温度勾配を確立し、それにより、シードの外側層の蒸発を容易にする一方、損傷または汚染されたシードの表面上への供給源材料の堆積を防止することを含む。本発明は、プロセスに汚染の供給源を導入してシードと坩堝キャップとの間の最高熱接触の提供を不能にする高温接着剤またはバインダーあるいは機械的締め付け構造を用いることなく、シードを坩堝キャップに堅く固定する方法も提供する。
一つの態様において、本発明は、単結晶AlNシードの上にAlNのバルク単結晶を成長させる方法を提供する。このプロセスにおいて坩堝が用いられ、その坩堝は、端部開口チャンバーを画定する坩堝本体と、前記チャンバーの開口端部を閉じるように適合された取り外し可能キャップとを含む。前記AlNシードが、坩堝チャンバーの内側に面するように適合されたキャップの表面に融合される。AIN供給源材料は、キャップに融合されたシードと空間を開けた関係で、坩堝チャンバー内に配される。従って、坩堝は、AlN供給源材料とシードとの間にシードが供給源材料より高温であるような温度勾配を確立するのに十分であるように加熱される。このように、シード材料の外側層が蒸発され、これは、シードから汚染物質を除去すると共に、シード調製中に起こることがある表面損傷を補修することに役立つ。シード調整工程に続いて、供給源材料とシードとの間の温度勾配を逆転させ、それにより、供給源材料の一部が昇華されシード上に堆積し、その結果、AlNのバルク単結晶が成長する。
一つの好ましい実施形態において、シード調整工程中に維持される温度勾配は、坩堝の長さ1cm当たり約100℃までである、すなわち、例えば、供給源−シード間隔1cm当たり、供給源材料(低温)とシード(高温)との温度差が約100℃までである。好ましくは、シード調整工程は、少なくとも約1μmの厚さのシードの外側層を蒸発させるのに十分な時間、温度勾配を維持することを含む。バルク単結晶を成長させるために温度勾配が一旦逆転されると、供給源材料とシードとの間の温度勾配は好ましくは約100℃/cmまでの値に維持される、すなわち、供給源材料(高温)とシード(低温)との間の温度差が、例えば、供給源−シード間隔1cmに対して約100℃までである。
本発明の結晶成長方法の一つのさらなる実施形態において、本方法は、端部開口チャンバーを画定する坩堝本体と、チャンバーの開口端部を閉じるように適合された取り外し可能キャップとを含む坩堝を提供する工程であって、AlN単結晶シードが、前記坩堝チャンバーの内側に面するように適合された前記キャップの表面に融合されている工程と、AIN供給源材料を、前記キャップに融合された前記シードと空間を開けた関係で前記坩堝チャンバー内に配置する工程であって、供給源とシードとの間の距離が少なくとも約1cmである工程とを含む。前記坩堝は、AlN供給源材料とAlNシードとの間にAlNシードがAlN供給源材料より高温であるような少なくとも約5℃/cmの温度勾配を確立するのに十分であるように、少なくとも約1μmの厚さのAlNシードの外側層が蒸発するのに十分な時間、加熱される。その後、AlN供給源材料とAlNシードとの間の温度勾配を、温度勾配が少なくとも約5℃/cmである状態で、逆転させ、それにより、供給源材料の一部が昇華されシード上に堆積し、その結果、AlNの単結晶が成長する。
もう一つの態様において、本発明は、結晶成長プロセスで用いるために坩堝にAlNシードを固定させる方法を提供する。本方法は、AlN粉末を坩堝チャンバー内に配し、取り外し可能キャップでチャンバーを閉じることを含む。前記AIN供給源材料は、前記坩堝内で昇華し、AlNの凝縮された多結晶性塊が、坩堝チャンバーの内側表面上に堆積する。その後、単結晶AlNシードを、前記坩堝チャンバーの内側に面する前記取り外し可能キャップの表面上に配置する。次に、前記坩堝チャンバーを、シードを乗せている前記取り外し可能キャップで閉じ、前記シードを前記坩堝キャップに融合させるのに十分な温度に至るまで坩堝を加熱する。
昇華工程は、好ましくは、AIN供給源材料と、凝縮された多結晶性塊がその上に堆積されるべき内側表面との間に軸方向温度勾配を確立するのに十分であるように坩堝を加熱することを含む。一つの実施形態において、昇華工程は、供給源材料(高温)と堆積表面(低温)との間に約30℃/cmの温度勾配を維持することを含む。シードを坩堝キャップに融合させるために用いられる工程は、好ましくは、坩堝チャンバーをほぼ等温的に加熱する、すなわち、凝縮された多結晶性塊とシードとの温度をほぼ同じ温度に維持することを含むが、シード付着プロセス中のシードの蒸発を防止するために供給源材料を僅かに高い温度に維持してもよい。
もう一つの態様において、本発明は、前述のプロセスにより調製されたAlNのバルク単結晶を提供する。本発明により成長したバルク結晶は、シード材料の結晶学的方向に相当する予め定められた結晶学的方向を有する。本発明の方法を用いて調製したバルクAlN単結晶基材は、発光素子(例えば、LED、レーザーダイオード)、光検出素子、および高出力および/または高周波数トランジスタのようなAlGaN素子中に組み込むことができる。
本発明を一般的用語でこのように記載してきたが、ここで、縮尺通りに描く必要はない添付の図面を参照する。
本発明を、本発明の全てではないが一部の実施形態を示す添付の図面を参照して、より詳細に以下に説明する。実際に、これらの発明は、種々の異なる形式で具体化することができ、本明細書に説明された実施形態に限定されると解すべきでなく;むしろ、これらの実施形態は、その開示が、適用可能な法律的必要事項を満たすように提供される。全体を通して、同じ番号は同じ要素を表す。
本明細書中で用いられ、添付の特許請求の範囲で用いられる、単一形の「a」、「an」、「the」は、文脈で特記しない限り、複数形を含む。
「単結晶」または「単結晶性」構造との言及は、結晶性構造の各軸に沿って、実質的に等方性の電子的および/または物理的特性を提供するための十分に長い範囲の秩序を有する単結晶性形を指す。
本発明の好ましい実施形態の以下の記載は、AIN供給源材料およびシードの使用と特定しているが、本発明は、当分野で知られている他の供給源材料および他のシード材料を用いて実施することもできる。例えば、AlGaNまたはSiC−AlNのようなAlNの合金を、シード形成結晶成長のための供給源材料として用いることができる。AlNまたはAlN合金供給源材料は、任意に、ベリリウム、マグネシウム、亜鉛、ケイ素、ゲルマニウム、硫黄、酸素、炭素、水素、またはそれらの組み合わせ(共ドーピングとしても知られている)のような一つまたは複数の当分野で知られているドーパントを含むことができる。さらに、成長すべき所望の結晶に好ましく適合される格子構造を示す種々の別のシード材料を用いることができる。AlN以外の例示的シード材料としては、他のIII族元素−窒化物またはSiCがある。
本発明は、物理的蒸気輸送プロセスを用いて大きな寸法のAlN単結晶を形成するための統合的シード形成成長方法であって、供給源材料とシードとが坩堝内で空間的に離れており、供給源材料を昇華させて、それにより蒸発種が供給源からシードに輸送されてシード上に再び凝縮させるのに十分であるように加熱される方法に関する。本発明の方法は、約1900℃〜2400℃の範囲のシード成長温度を発生させることができる任意の高温反応器を用いて行うことができる。特定の実施形態において、反応器は、約1000Torrまでの圧力において操作することができなくてはならない。反応器は、反応器内の温度分布を制御する性能を示すことが重要である。特に、反応器は、プロセス中に逆転することができる軸方向温度勾配(例えば、円筒形坩堝の対称軸に沿って)を達成することができるような構造とすべきである。
前記要求事項を満たす反応器の設計は変更することができる。誘導的に加熱された反応器において、誘導コイルおよびサセプタ/坩堝の相対的位置の変化は、坩堝の頂部および底部の温度の変化を引き起こし、その結果、坩堝の内部の軸方向温度勾配が変化する。誘導コイルと坩堝との相対的位置は、誘導コイルを軸方向に制御可能に動かすことができる機構、または、反応器の熱い領域中で軸方向に坩堝を制御可能に変形させる機構により、あるいは、そのような機構の組み合わせにより変化させることができる。抵抗加熱反応器において、坩堝内の温度勾配に影響を与える一つの方法は、反応器の熱い領域内で、不均一な軸方向温度プロフィールで坩堝を動かすことを含む。そのような温度プロフィールは、長さが制限されている同心ヒーターを用いて達成することができ、ヒーターの境界において温度勾配が得られる。
図1aは、典型的なRF−加熱される水冷反応器を示し、図1bは、典型的な坩堝設計を示す。反応器10は、坩堝20を収容する十分な寸法を有する加熱チャンバー12を含む。示されるように、反応器10は、前記加熱チャンバー12を囲むグラファイト絶縁体14を含む。さらに反応器10は、絶縁体14を囲む二重壁石英管16、および前記二重壁石英管を包囲する誘導コイル18を含む。図1aに示されていないが、前述のように、反応器設計は、軸方向温度勾配を確立するように誘導コイルと坩堝との相対的位置を変化させるための機構を含む。
図7も、本発明の方法で用いるための典型的な反応器設計を示す。反応器50は、Mesa Electronicsから入手される空冷10kHz RFインバーターのようなインバーター(図示せず)によりエネルギー供給されているコイル32により誘導的に加熱され、反応器の周囲において放射方向に熱を抽出するための二重壁水冷石英管34を特徴とする。前記反応器50は、前記加熱チャンバー38の頂部および底部において冷却バッフル36も含み、そこを通って、軸方向に加熱チャンバーの頂部および底部からの熱を抽出するために冷却水が流れることができる。厚いグラファイト絶縁体40が、坩堝20内の放射方向温度勾配を最小化するために、反応器50内に配置される。加熱チャンバー38の頂部および底部における絶縁体40の厚さ、およびコイル32の相対的位置を利用して、本発明の方法を実施するのに必要な所望の温度勾配を提供することができる。2つのIRパイロメーター42および44が、坩堝20の頂部温度(Tt)と底部温度(Tb)をそれぞれ測定するように配置される。内側石英管は、酸素汚染を減らすために二重Oリングシールアセンブリーを用いて取り付けることができ、Oリング間の体積は、真空ポンプにより減圧される、または、結晶成長プロセスに付活性なガスの定常流によりフラッシングされる。プロセスガス、典型的には、窒素または窒素/水素/アルゴンの混合物が、内側石英管の内側を上方に流れることができる。マスフローコントローラー(図示せず)が、ガス流速を制御することができ、電子的上流圧コントローラー(図示せず)を用いて、反応器圧力を一定に維持することができる。温度は、フィードフォワード電力制御を用いて受動的に、またはフィードバック電力制御スキーム(図示せず)においてプロセス変数としてIRパイロメーター信号を用いて能動的に制御することができる。
図1bに戻ると、本発明で用いるための典型的な坩堝20は、供給源材料26がその中に配置される端部開口チャンバー24を画定する坩堝本体22を含む。図示するように、前記チャンバー24は、前記坩堝本体22の壁面と底面とにより定められる。坩堝20は、さらに、取り外し可能キャップ28を含む。図示するように、本発明の実施中にシード30がキャップ28に融合される。図1bにおいて円筒形を示すが、本発明から逸脱することなく他の坩堝形状を用いることができる。典型的には、本発明の方法で用いられる坩堝は、高さが約2.54cm〜約25.4cm(約1〜約10インチ)(例えば、約2.54cm〜約12.7cm(約1〜約5インチ))であり、壁厚が約1.59mm〜15.9mm(約1/16〜5/8インチ)(例えば、約3.2mm〜約6.4mm(約1/8〜約1/4インチ))であり、幅または外側直径が約1.91cm〜約12.7cm(約3/4〜約5インチ)(例えば、約2.54cm〜約12.7cm(約1〜約5インチ))である。
本発明の方法で用いられる好ましい坩堝は、炭化タンタル(TaC)から構成される。好ましいTaC坩堝は、2工程焼結プロセスで調製され、第1の工程は、最終的な所望の坩堝形状と略同一形状の型内に含まれているTaC粉末を、約1500〜約1700℃の温度で少なくとも約50MPaの単軸圧力を適用して、焼結することを含む。得られるグリーンは、約80%未満の密度であり、所望により、約2300℃の温度および約1atmの圧力で行われる最終的焼結工程の前に加工することができる。炭化ニオブ、炭化ハフニウム、窒化タンタル、窒化ニオブ、窒化ハフニウム、およびそれらの合金のような、耐熱性金属の他の炭化物または窒化物からなる坩堝も、同様のプロセスを用いて調製することができる。坩堝の例が、2005年4月6日に出願された米国特許出願第60/668,744号に示されており、その内容全体は参照によっておよび全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
本発明の方法を、ここで図2〜6を参照して説明する。各プロセス工程前に、約10-5Torr未満の基本圧力まで反応器を減圧して、潜在的汚染物質を減少させることが好ましい。第1の工程において、AlN粉末のようなAIN供給源材料60を、図2に示すように、坩堝20の底部側に昇華させる。昇華した材料は凝縮して固体多結晶性塊64になり、坩堝20の底部表面62に付着する。例えば、図示されるように、この工程は、坩堝をキャップ28の上に乗せる逆転位置にして、キャップの上にAIN供給源材料60を置いて達成することができる。この工程中に、坩堝20を、窒素ガス雰囲気中、約2000〜約2300℃の高温、より好ましくは約2200℃に加熱する。供給源材料60が堆積される坩堝20の底部表面62と、供給源材料そのものとの間に、供給源材料を高温に維持しつつ、軸方向温度勾配が達成される。堆積領域と供給源材料60との間の典型的温度勾配は、少なくとも約30℃/cm程度であるが、約1℃/cm〜約100℃/cmの温度勾配を、本発明から逸脱することなく用いることができる。この工程の目的は、坩堝20の底部に堅く付着する多結晶性塊64を形成することである。
その後、図3に示すように、シード68を前記坩堝キャップ28に固定する。シード68は好ましくは坩堝20の頂部に配され、坩堝キャップ28の下側に釣り下がるので、およびシードが結晶成長中に坩堝キャップに良好に熱的接触している必要があるので、シード固定が重要である。図3に示すように、本発明の方法を用いて、従来技術において知られているような任意の高温接着剤または機械的締め付け構造を用いることなく、シード68を坩堝キャップ28に堅く固定することができ、それにより、潜在的汚染供給源を除去し、シードとキャップとの熱的接触を最高にする。先の工程で形成された多結晶性塊64を、坩堝キャップ28の上に配置された単結晶シード68の上方に釣り下げる。坩堝20が、窒素含有ガス雰囲気中で、ほぼ等温的条件下に、約1800〜約2400℃、好ましくは2200℃の温度に加熱される、すなわち、坩堝内の全ての領域がほぼ同じ温度に維持されるが、シード付着プロセス中にシードの蒸発を防止するように供給源材料64をシード68よりも僅かに高い温度に維持してよい。小さな勾配が存在する場合、これは典型的には約10℃/cm以下であり、多くの場合約5℃/cm以下であり、供給源材料64がより高い温度に維持される。シード68と坩堝キャップ28との間の狭いギャップにおける、およびシードの端部の周囲における再結晶化により、シードは、この加熱工程中に、坩堝キャップと緊密な結合を形成する。典型的に、坩堝20は、シード68の温度および寸法に依存して、ほぼ等しい温度に約30分〜約3時間維持される。反応器は、典型的には、約2.67×104Pa〜約1.33×105Pa(約200〜約1000Torr)の圧力、好ましくは約1.07×105Pa(約800Torr)の圧力に維持される。
前記シード68を前記坩堝キャップ28に融合した後、前記坩堝20をもう一度逆さまにすることができ、AIN供給源材料70を図4に示すように坩堝20のチャンバー内に配置することができる。図3に示すシード融合工程からの供給源材料64は、さらなる供給源材料を補足し、予備焼結して、図4に示すプロセス工程において用いられる供給源材料70を形成することができる。あるいは、シード融合工程で用いられる供給源材料64を除去し、完全に新しい供給源材料で置き換えることができる。AIN供給源材料70は、市販の粉末であり得る、または別のプロセスで形成された予備焼結されたAlN供給源であり得る。粉末供給源を、供給源材料を2000℃を超える温度に晒すことにより予備焼結して、任意の過剰のAlを除去すると共にAlとN原子との化学量論的比率を確保することができる。焼結プロセスに依存して、比較的高い平衡蒸気圧の酸素および他の汚染物質も、市販の粉末と比較して著しく減少される。
供給源材料70の形状は、本発明から逸脱することなく変えることができる。供給源材料70は、坩堝20の下側部分の内側寸法に相当するような形状(すなわち、中実円筒の形状)にする、または、供給源材料は、中空円筒、多孔質形状等のような、坩堝チャンバーの内側寸法に嵌まる任意の他の形状を有してよい。
十分なAIN供給源材料70が、好ましくは、供給源とシードとの間に約1mm〜約5cm、より好ましくは約1cm〜約3cmの隙間または空間を形成するように、坩堝20内に配される。坩堝20に一旦、供給源材料が負荷されると、反応器中に存在する酸素を排気により、および続いて窒素含有プロセスガスまたは不活性気体雰囲気で反応器を再充填することによりパージする。
シード表面上のエピタキシャル成長を可能にすると共に不必要なランダム方向の成長を防止するために、シード表面に、汚染物質が無い、および/または、シード形成プロセス中に用いられる切断、粉砕または研磨手順から生じる表面および表面下損傷が無いことが重要である。空気に晒されたAlN表面上に結晶を直接成長させようとすると、空気に晒されたときに自発的に形成する薄い酸化物層の存在が部分的な理由となり、単結晶性構造が得られない。
図4に示す本発明の原位置シード調整プロセスは、逆転した温度勾配、すなわち、シード68が供給源材料70より高い温度に維持された状態でシード材料を高温蒸発させることにより、任意の汚染物質および表面/表面下損傷を完全に除去することができる。このように、シード表面が清浄化および再結晶化される前に、シード68の位置において正味結晶成長が起こらない。シード調整工程の持続時間、並びに、プロセス温度、プロセス圧力および軸方向温度勾配の程度により、除去されるシード材料の量が決まる。シードの表面または表面下への機械的損傷を除去すべき場合、より多くのシード材料を蒸発させる必要がある。典型的に、シード調整プロセスは、少なくとも約10μmのシード厚さを蒸発させることを含む。一部の実施形態において、この工程中に、約1〜約500μmもシード厚さが除去される。表面酸化物層の除去のために、シード厚さの約1〜約10μmを蒸発させることが典型的である。シードへの表面下損傷を除去するためには、シード厚さの約100μm以上を蒸発させることが典型的である。プロセス温度は、好ましくは、約2000〜約2300℃の範囲であり、供給源材料とシードとの間の軸方向温度勾配は、ほぼ等温〜約100℃/cmの範囲であり、好ましい温度勾配は、約5〜約30℃/cmである。清浄化工程の持続時間は変化することができるが、典型的には、約15分間〜約2時間の範囲である。反応器全圧は変化することができるが、典型的には、約100Torr〜約1000Torrの範囲である。好ましい反応器圧は約500Torrである。
前述したように、種々のシード材料を用いると共に、自然に成長する傾向のあるAlN単結晶、先に成長したAlN単結晶から作られたプレートまたはウエハ、および軸方向が大きなシード(例えば、広範囲の長さ/直径比の円筒形シード)を含む、種々のシード結晶形状を用いて、シード清浄化/調整工程を使用することができる。しかしながら、シード68は、清浄化プロセス中に完全に蒸発しないように全ての寸法において十分に厚くすべきである。典型的には、約100μmの最少厚さが好ましい。
原位置シード調整工程に続いて、本発明の方法を直ちに、加熱を中断することなく、結晶成長に進めてよい。プロセスの結晶成長ステージを開始する前に、反応器内で坩堝/キャップアセンブリーをさらに逆さまにする必要はない。図5に示すように、プロセスの結晶成長相中に、温度勾配を、シード清浄化工程と比べて逆にする。これは、外部制御により、反応器の熱い領域中の温度領域を変化させることにより行われる。例えば、これは、可動のRF誘導コイルを用いることにより、または一つまたは複数の補助ヒーターを用いることにより達成することができる。あるいは、熱的に不均一な反応器の熱い領域中に、坩堝を物理的に移動することができる。清浄化工程から成長工程への遷移が連続的であること、すなわち、供給源材料70およびシード68の温度が、熱勾配の逆転中に突然変化しないことが重要である。当分野で理解されるように、シード形成成長工程中に堆積した結晶材料は、シードと同じ結晶学的配向を有する。本発明の方法の結晶成長工程中に調製された単結晶材料72を集め、さらなる使用のために細分することができる。
シード清浄化工程について前述したものと同じ窒素含有雰囲気、反応器圧力および温度範囲を、結晶成長相において用いることができる。しかしながら、シードの温度が供給源の温度より高い代わりに、温度勾配の方向を、供給源材料70がシード68の温度より高くなるように逆転させる。シード調整工程に関して前述したものと同じ程度の勾配を、プロセスの結晶成長相において用いることができる。
図5は、シード形成成長工程のために用いることができる種々の幾何的構造の一つのみを示している。前述したように、供給源材料70およびシード68は、種々の形状を有することができる。図5の実施例において、単結晶は、主に、軸方向温度勾配に沿った軸方向に成長する。しかしながら、本発明は、中空円筒形供給源により囲まれた長い円筒形シードのような他の幾何学的構造に適用することもできる。そのような実施形態において、結晶成長が、放射方向温度勾配の存在下で放射方向に進行する。蒸発による原位置シード清浄化およびその直後のシード形成成長の両方を含む統合プロセスの原理は、必要な温度勾配を確立し制御する性能以外の任意の因子により制限されない。
図6は、本発明の方法中における、供給源材料70およびシード68の温度の変化を図式的に示す。図示されるように、相1におけるプロセス温度に最初に至った後、シード清浄化目的(相2)で逆転された勾配が達成される。シード清浄化工程が完了すると、遷移相(相3)中に供給源70およびシード68の温度を、成長に必要な温度に達するまで、連続的に調節する。結晶成長期間を図6の相4に示す。任意に、および定められた方法での結晶成長を中断するために、成長勾配を、温度下降中にさらなる不必要な成長が生じないように、成長相4の最後に逆転することができる。成長抑制相を、図6の相5に示す。好ましくは、このプロセスの任意の成長抑制相中に達成される温度勾配は、約1〜約100℃/cm、より好ましくは約10〜約30℃/cmである。冷却期間を、図6の相6に示す。冷却期間に続いて、反応器を通気し開き、坩堝20を回収し、結晶を坩堝キャップ28から除去することができる。
前述の本発明の好ましい実施形態において、まず、シード68を坩堝20のキャップ28に融合し、供給源材料70を、坩堝キャップと空間を開けた関係で坩堝チャンバーの底部に配置する。しかしながら、当業者に容易に明白であるように、シード68と供給源材料70との相対的位置を、本発明から逸脱することなく坩堝20内で逆転するまたは他の実施形態で変化させることができる。例えば、シード68を、キャップ28と対向するように、坩堝20の内側チャンバーの底部表面62に融合させることができる。そのような実施形態において、坩堝20が、プロセスのシード清浄化および結晶成長相中に逆さまにされ、供給源材料70は坩堝のキャップ28上に残る。坩堝20内のシード68および供給源材料70の正確な位置は本発明に重要でないことが当業者により容易に理解される。
本発明は、所与の結晶学的配向のAlNシード上への高品質AlN結晶のホモエピタキシャル成長を可能にする結晶成長方法を提供する。本方法により、原位置でおよび成長プロセスの開始時においてのAlNシードの統合的調整が、シードの表面から汚染物質を脱着することができると共に先のシードの切断または研磨から生じる表面および表面下損傷を除去することができる調整または清浄化プロセスが可能になる。本発明により、さもなければ結晶品質に悪影響を与える不必要な二次的核形成を抑制しつつ、成長プロセスの中断および、先の成長面上でのエピタキシャル成長の連続的回復が可能になる。さらに、本発明の方法により、先に堆積された成長および過剰成長材料の間の結晶学的関係を損なうことなく、先に堆積された材料上での反復再成長により、大きな寸法の単結晶性AlNブールの調製が可能になる。本発明の方法は、その間に、先に成長したブールからのスライスまたはウエハカットが次のブールの成長のためのシードとして用いられるバッチプロセスブール製造のための統合的プロセスルートも提供する。自己シード形成成長スキームを用いるプロセスと対照的に、本発明のシード形成結晶成長プロセスの再生性および信頼性により、AlN産業のためのAlN基材の製造のための商業的に有利な経路が提供される。
本発明により製造されたAlNウエハを、半導体産業において、AlGaN素子用の次世代天然基材として用いることができる。AlN基材は、AlGaN素子層とほとんど完全に格子が適合しており、それにより、素子の層品質を劇的に改良することが予想されるので、現在使用されているSiCまたはサファイア基材と比べて多くの利点を有する。
前述の記載および関連する図面に示された教示の利益を有するこれらの発明が関係する当業者は、本明細書に提示した本発明の多くの変形および他の実施形態を考え付く。従って、本発明は開示された特定の実施形態に制限されず、かつ変形および他の実施形態が添付の特許請求の範囲に含まれるものと理解すべきである。特定の用語を本明細書で用いたが、これらは、一般的および説明的意味でのみ用いられ、制限を目的とするものではない。
本発明の方法で用いることができる典型的な反応器の断面図を示す。 本発明で用いるための典型的な坩堝の断面図を示す。 軸方向温度勾配を用いて供給源材料を昇華させることにより坩堝の底部に凝集された多結晶性塊を付着させる方法の実施形態の模式図である。 シードを坩堝キャップに融合させる方法の実施形態の模式図である。 シード調整工程中に供給源材料とシードとの間に温度勾配を確立させる方法の工程の実施形態の模式図である。 図4のシード調整手順に続いて温度勾配を逆転させることにより成される単結晶成長方法の実施形態の模式図である。 本発明の方法の実施形態の各相における供給源材料とシードとの温度を示すグラフである。 本発明の方法で用いるためのもう一つの典型的な反応器の断面図である。

Claims (21)

  1. 結晶成長プロセスに用いるために単結晶シードを坩堝に固定する方法であって、
    端部開口チャンバーを画定する坩堝本体と、前記チャンバーの前記開口端部を閉じるように適合された取り外し可能キャップとを含む坩堝を提供する工程、
    前記坩堝チャンバー内にAlN供給源材料を配置する工程、
    前記坩堝チャンバーの内側表面上に、前記AlN供給源材料の凝縮された多結晶性塊を堆積させるのに十分な時間および温度で、前記坩堝内の前記AlN供給源材料を昇華させる工程、
    前記坩堝チャンバーの内側に面している前記取り外し可能キャップの表面上に、単結晶シードを配置する工程、
    前記シードを乗せている前記取り外し可能キャップで、前記坩堝チャンバーの前記開口端部を閉じる工程、および
    前記シードを前記坩堝キャップに融合させるのに十分な温度に、前記坩堝チャンバーを加熱する工程を含む方法。
  2. 前記単結晶シードがAlNシードである請求項1に記載の方法。
  3. 前記昇華工程が、前記AlN供給源材料と凝縮された多結晶性塊がその上に堆積されるべき内側表面との間に、軸方向温度勾配を確立するのに十分であるように坩堝を加熱して、前記AlN供給源材料が前記堆積表面よりも高い温度に維持されるようにすることを含む請求項1に記載の方法。
  4. 前記昇華工程が、前記AlN供給源材料と前記堆積表面との間に約1℃/cm〜約100℃/cmの温度勾配を維持することを含む請求項3に記載の方法。
  5. 前記昇華工程が、前記AlN供給源材料と前記堆積表面との間に少なくとも約30℃/cmの温度勾配を維持することを含む請求項4に記載の方法。
  6. 前記加熱工程が、前記坩堝チャンバーを略等温的に加熱することを含む請求項1に記載の方法。
  7. 前記AlN供給源材料が、AlN、AlN合金および、1つ以上のドーパントを含むAlNまたはAlN合金からなる群より選択される請求項1に記載の方法。
  8. 結晶成長プロセスに用いるために単結晶シードを坩堝に固定する方法であって、
    端部開口チャンバーを画定する坩堝本体と、前記チャンバーの前記開口端部を閉じるように適合された取り外し可能キャップとを含む坩堝を提供する工程、
    前記坩堝チャンバー内にAlN供給源材料を配置する工程、
    前記AlN供給源材料と前記AlN供給源材料の凝縮された多結晶性塊がその上に堆積されるべき内側表面との間に軸方向温度勾配を確立するのに十分であるように前記坩堝チャンバーを加熱して前記AlN供給源材料が前記堆積表面よりも高い温度に維持されるようすることを含み、前記加熱工程が前記坩堝チャンバーの内側表面上に、前記AlN供給源材料の凝縮された多結晶性塊の堆積をもたらす、前記坩堝内の前記AlN供給源材料を昇華させる工程、
    前記坩堝チャンバーの内側に面している前記取り外し可能キャップの表面上に、単結晶AINシードを配置する工程、
    前記シードを乗せている前記取り外し可能キャップで、前記坩堝チャンバーの前記開口端部を閉じる工程、および
    前記シードを前記坩堝キャップに融合させるのに十分な温度に、前記坩堝チャンバーを略等温的に加熱する工程を含む方法。
  9. 前記昇華工程が、前記坩堝を約2000〜約2300℃の温度に加熱することを含み、前記温度勾配が、前記AlN供給源材料と前記堆積表面との間で約1℃/cm〜約100℃/cmである請求項8に記載の方法。
  10. 前記坩堝チャンバーを略等温的に加熱する前記工程が、前記坩堝チャンバーを約1800〜約2400℃の温度に加熱することを含む請求項8に記載の方法。
  11. 単結晶シード上にAlNのバルク単結晶を成長させる方法であって、
    端部開口チャンバーを画定する坩堝本体と、前記チャンバーの前記開口端部を閉じるように適合された取り外し可能キャップとを含む坩堝を提供し、前記坩堝チャンバーの内側に面するように適合された前記キャップの表面に単結晶シードを融合させる工程、
    AlN供給源材料を、前記キャップに融合された前記シードと空間を開けた関係で、前記坩堝チャンバー内に配置する工程、
    前記AlN供給源材料と前記シードとの間に、前記シードが前記AlN供給源材料より高温になるような温度勾配を確立するのに十分であり、それにより前記シードの外側層が蒸発するように前記坩堝を加熱する工程、および
    前記AlN供給源材料と前記シードとの間の温度勾配を逆転させ、それにより、供給源材料の一部が昇華すると共にシード上に堆積し、それにより、AlNの単結晶が成長する工程を含む方法。
  12. 前記単結晶シードがAlNシードである請求項11に記載の方法。
  13. 前記加熱工程が、少なくとも約1μmの厚さの外側層を蒸発させるのに十分である時間、温度勾配を維持することを含む請求項11に記載の方法。
  14. 前記加熱工程が、約1〜約500μmの厚さの外側層を蒸発させるのに十分である時間、温度勾配を維持することを含む請求項11に記載の方法。
  15. 前記加熱工程が、約100℃/cmまでの温度勾配を維持することを含む請求項11に記載の方法。
  16. 前記逆転工程が、供給源材料とシードとの間に、前記供給源材料が前記シードより高温であるような約100℃/cmまでの温度勾配を確立することを含む請求項11に記載の方法。
  17. 請求項11に記載の方法により調製されたAlN単結晶基材。
  18. 請求項17に記載のAlN基材を含むAlGaN素子。
  19. 単結晶シード上にAlNのバルク単結晶を成長させる方法であって、
    端部開口チャンバーを画定する坩堝本体と、チャンバーの開口端部を閉じるように適合された取り外し可能キャップとを含む坩堝を提供し、坩堝チャンバーの内側に面するように適合されたキャップの表面にAlN単結晶シードを融合させる工程と、
    前記AlN供給源材料を、前記キャップに融合された前記シードと空間を開けた関係で、前記坩堝チャンバー内に配置し、前記供給源と前記シードとの距離が少なくとも約1cmになるようにする工程と、
    前記AlN供給源材料と前記AlNシードとの間に、前記AlNシードが前記AlN供給源材料より高温であるような少なくとも約5℃/cmの温度勾配を確立するのに十分であるように、少なくとも約1μmの厚さの前記AlNシードの外側層が蒸発するのに十分な時間、前記坩堝を加熱する工程、および
    前記AlN供給源材料と前記AlNシードとの間の前記温度勾配を逆転させ、前記温度勾配は少なくとも約5℃/cmとし、それにより、前記供給源材料の一部が昇華すると共に前記シード上に堆積し、それにより、AlNの単結晶が成長する工程を含む方法。
  20. 請求項19に記載の方法により調製されたAlN単結晶基材。
  21. 請求項20に記載のAlN基材を含むAlGaN素子。
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