JP2008526597A - 駐車ブレーキレバーシステム - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1本のブレーキケーブル(90)を手動で緊張させ及び釈放する駐車ブレーキレバーシステム(1)に関するもので、該駐車ブレーキレバーシステム(1)は、固定支持部(50)において回動可能に支持されると共に上記ブレーキケーブル(90)に接続された少なくも1つの回転アーム(10,12)と、第1端において上記回転アーム(10,12)に回動可能に接続されると共に第2端においてハンドグリップ(40)に剛性的に接続された少なくとも1つの作動レバー(20,22)とを有し、該作動レバー(20,22)は、上記ハンドグリップ(40)が当該駐車ブレーキレバーシステム(1)の作動の間において曲線状経路をとるように上記固定支持部(50)において滑動的に支持される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特には動力車両用駐車ブレーキ等の駐車ブレーキを作動させる駐車ブレーキレバーシステムであって、手動で作動されるような駐車ブレーキレバーシステムに関する。
従来技術では、駐車ブレーキを締め付ける種々の可能性が開示されている。動力車両における駐車ブレーキは、一般的に、当該車両の後輪に作用し、ブレーキケーブルを介して作動される。ブレーキケーブルを緊張させるためには、駐車ブレーキレバー又はフットペダルの何れかが使用される。通常、駐車ブレーキレバーは、前席の間の当該動力車両の中間トンネルに取り付けられる。
しかしながら、デザイン及び人間工学的配慮の際に、動力車両における他の位置も考えられる。従って、例えば、駐車ブレーキレバーを動力車両のダッシュボード又はセンタコンソールに組み込むことが望ましい場合もあり得る。かくして、例えば特許文献1は、車両のセンタコンソールに組み込まれた駐車ブレーキレバーを示している。該文献において、言及された駐車ブレーキレバーは、センタコンソールの一方の側において垂直方向に配置され、駐車ブレーキを締め付ける間には水平軸の周りで客室の方向への純粋な回動運動を行う。
ヨーロッパ特許出願公開第EP1205368A2号明細書
駐車ブレーキレバーの斯様な回動運動は、デザイン又は人間工学的理由により望ましくない場合がある。
ドイツ国特許出願公開第DE10156920A1号及び同第DE10123525号からは、ハンドグリップの純粋な軸方向変位をブレーキケーブルの張力に変換するような駐車ブレーキが知られている。図示された駐車ブレーキは、純粋な軸方向運動をブレーキケーブルの張力に変換するための、力増強的に作用することを意図した複数の中間エレメントを有している。
駐車ブレーキレバーの斯様な純粋な軸方向運動も、一方においては車両のデザインに柔軟に組み込むことができ、他方においては作動の間に向上された人間工学性を有するような駐車ブレーキレバーシステムに対する要求があるように、デザイン及び人間工学的理由により望ましくない場合があり得る。更に、駐車ブレーキレバーシステムは、安全性に関わる部品であるので、安定性及び信頼性に関する特別な要件を満たす必要がある。本発明の更なる目標は、費用効率的駐車ブレーキレバーシステムを提供することである。
本発明は、この課題を独立請求項1の主題による駐車ブレーキレバーシステムにより解決する。
特に、この課題は、少なくとも1本のブレーキケーブルを手動で緊張させ及び釈放する駐車ブレーキレバーシステムであって、該駐車ブレーキレバーシステムが、固定支持部において回動可能に支持されると共に上記ブレーキケーブルに接続される少なくとも1つの回転アームと、第1端において上記回転アームに回動可能に接続されると共に第2端においてハンドグリップ(握り)に剛性的に接続された少なくとも1つの作動レバーとを有し、該作動レバーが、当該駐車ブレーキレバーシステムの作動中において曲線状経路をとるように上記固定支持部において滑動的に支持されるような駐車ブレーキレバーシステムにより解決される。
上記作動レバーの上記回動可能に支持された回転アームに対する特別な運動学的配置の結果、特別な作動運動装置が得られる。駐車ブレーキの締め付けのために、本発明による駐車ブレーキレバーシステムのハンドグリップは、軸方向運動と回動運動との組み合わせである運動により手動的に作動される。従って、一方においては、使用者が手首を不自然に曲げる必要がないという点で、結果として特別に調和のとれた人間工学的な作動態様が得られる。また、他方においては、このような駐車ブレーキレバーシステムは、小型な構造により、動力車両のダッシュボード又はセンタコンソールに特別に好ましく配置することができる。また、従来の駐車ブレーキにおいて使用されているような長い作動レバーは必要ではない。従って、結果として従来の駐車ブレーキレバーシステムでは有することができなかった特別なデザインの可能性が得られる。
好ましい実施例では、当該駐車ブレーキレバーシステムの作動レバーは、棒状の形状を有し、上記回転アームに接続された第1端と、ハンドグリップに接続された第2端との間で滑動的に支持される。斯かる棒状の形状及び滑動的支持により、本発明による駐車ブレーキレバーシステムの特別に簡素で且つ費用効率的な実施例が得られる。
他の好ましい実施例において、当該駐車ブレーキレバーシステムは、上記作動レバーの滑動的な支持のために、上記固定支持部において回動可能に支持された滑動支持エレメントを更に有する。この運動の間において、作動レバーは固定支持部に沿って滑動するのみならず、同時に僅かに傾けられる。この運動の間において、固定支持部における作動レバーの隙間のない案内を保証するために、該作動レバーと固定支持部との間の接続部は回動され得るものである。
他の好ましい実施例において、当該駐車ブレーキレバーシステムは少なくとも1つの引張バネを更に有し、該バネは、前記回転アームに対し締め付け方向に張力を付与するために、該回転アームと上記固定支持部との間に懸架される。従って、該少なくとも1つの引張バネは力増強的に作用し、かくして、使用者は駐車ブレーキを作動させるためにバネがないよりも小さな力しか掛ける必要がない。更に、引張バネは、例えば圧縮バネ又はガス圧エレメントよりも取り付けるのが容易であると共に、大幅に費用効率的である。好ましくは、該引張バネは、一方において使用者が作動の間に効果的に補助され、他方において当該駐車ブレーキレバーシステムが非作動状態に自動的に戻されるように寸法決めされる。
他の好ましい実施例において、当該駐車ブレーキレバーシステムは、前記回転アームに剛性的に接続されると共に、前記ブレーキケーブルが案内される凹部を有するようなケーブルガイドを更に有する。このような簡単なケーブルガイドにより、追加のケーブルガイドエレメントは不要となり、この結果、費用の低減及び寿命の増加が達成される。
好ましくは、上記ケーブルガイドは、前記ブレーキケーブルが長さ調整可能に接続される受け部を有する。この様にして、ブレーキケーブルの初期懸架は追加の調整手段なしで簡単な方法で調整することができる。
他の好ましい実施例において、当該駐車ブレーキレバーシステムは、前記作動レバーを支持するために、前記固定支持部に剛性的に接続されると共に前記滑動支持エレメントに回動可能に接続された少なくとも1つの支持レバーを有する。この実施例において、前記作動レバーは上記固定支持部において直接支持されるのではなく、該固定支持部に剛性的に接続された追加の支持レバーを介して支持される。該支持レバーは、上記固定支持部と一緒に製造する必要はなく、別に製造することができるので、非常に強固に形成することができる。更に、当該駐車ブレーキレバーシステムの運動学的構造は、該支持レバーの異なる長さにより容易に変化させることができる。この様にして、特に、前記ハンドグリップの曲線状経路を、車両のデザイン及び人間工学的要件に適合させることができる。
他の好ましい実施例において、当該駐車ブレーキレバーシステムは、2つの作動レバー及び/又は2つの回転アーム及び/又は2つの支持レバー及び/又は2つの引張バネを有し、前記ハンドグリップは上記2つの作動レバーを相互に接続して略U字状の配置を形成する。略U字状の配置は、略平らな配置に対して安定性上の利点を有している。このような駐車ブレーキレバーシステムは、該駐車ブレーキレバーシステムの信頼性及び安全性が更に改善されるような非常に安定した枠組みを形成する。
他の好ましい実施例において、前記回転アームと前記作動レバーとの間の角度は、前記ブレーキケーブルが緊張される場合に、85°と95°との間の範囲で変化する。前記回転アームと作動レバーとの間の角度が、85°と95°との間の範囲で変化する場合、本発明による駐車ブレーキレバーシステムは最大に効果的なレバーアームを有することになり、これは、使用者によりハンドグリップに掛けられる引張力が、ブレーキケーブルに対する引張力に最も効果的に変換されることを意味する。これは、ブレーキケーブルに対する力が最大であるべき範囲、即ち緊張された状態である範囲において特に有利である。
他の好ましい実施例において、当該駐車ブレーキレバーシステムは、駐車ブレーキを解除するために前記ハンドグリップ内に配置された作動板を更に有する。
他の好ましい実施例においては、当該駐車ブレーキの解除が、前記ハンドグリップを回転することにより実行される。
好ましくは、当該駐車ブレーキレバーシステムは、前記支持レバーの端部を相互に接続するウイングを更に有する。このウイングは、上記支持レバーの端部を安定化させる。好ましくは、該ウイングは車両に剛性的に接続される。この場合、該ウイングは当該駐車ブレーキレバーシステムの上部の一層安定した取り付けのために働き、かくして、該駐車ブレーキレバーシステムは支持レバーを一層薄くすることができるにも拘わらず、特に耐歪み性のものとなる。
好ましくは、当該駐車ブレーキレバーシステムは、振動を減衰させるために、前記支持部と車両との間に取り付けられる吸振板を更に有する。該吸振板は、駐車ブレーキを締め付ける間に、当該車両の不快な動力振動が運転者の手に伝わるのを防止する。
好ましくは、当該駐車ブレーキレバーシステムは、前記少なくとも1つの作動レバーを車両の客室内に挿通させるための少なくとも1つのカバーエレメントを更に有する。この目的のために、該カバーエレメントは、車両に剛性的に取り付けられる支持フレームと、該支持フレーム内に変位可能に支持されるスライドエレメントとを有し、前記作動レバーは該スライドエレメントを通って延在する。該カバーエレメントは内部の内張に組み込まれ、上記作動レバーに対して強固且つ視覚的に好ましい通路を提供する。更に、該カバーエレメントは音響的絶縁のための作用をすると共に、すきま風も防止する。上記支持フレーム内でのスライドエレメントの変位可能な支持により、該カバーエレメントは殆ど耐摩耗的となり、且つ、作動レバーの運動に最適に適合される。
好ましくは、上記支持フレームは、上記スライドエレメントの変位方向に対し垂直な方向に湾曲される。該支持フレームの、従って上記スライドエレメントの湾曲により、一方においては特別なデザインの態様を実現することができ、他方においては上記スライドエレメントの変位経路を偏向させることができる。例えば、この場合、該スライドエレメントを当該カバーエレメントの取付領域の下に案内することができる。好ましくは、上記支持フレームの湾曲は波形形状を有するものとする。
本発明の他の好ましい実施例は、従属請求項に関係するものである。
以下、本発明の好ましい実施例を、図面を参照して説明する。
以下、本発明の好ましい実施例を、図面を参照して説明する。
図1及び2には、駐車ブレーキレバーシステム1の第1の好ましい実施例が図示されている。図1は、非作動状態の駐車ブレーキレバーシステム1が示され、これは、ブレーキケーブル90が緊張されておらず、該ケーブルに接続されたブレーキが作動されていないことを意味する。図2は、図1の駐車ブレーキレバーシステム1の同じ実施例を作動状態で示している。この状態においては、ブレーキケーブル90は緊張されており、該ブレーキに接続されたブレーキ(図示略)は作動されている。
該駐車ブレーキレバーシステム1は、好ましくは板状金属からなる固定された支持部50を有し、該支持部は当該車両に適切に接続されている。回転軸100が、該支持部50内に回転可能に支持されている。該回転軸100は、回転アーム10、12及びケーブルガイド70に剛性的に接続されている。
回転アーム10、12は支持部50に直に回転可能に接続され、該回転アーム10、12の回転運動は回転軸100を介してケーブルガイド70に伝達される。ケーブルガイド70は、ブレーキケーブル90が適切に接続される実質的に平らな部品であり、その場合、ブレーキケーブル90は該ケーブルガイド70に巻回することができる。ケーブルガイド70の図1における時計方向の回転の間において、ブレーキケーブル90は該ケーブルガイド70に巻回され、該ブレーキケーブル90は緊張される。図6に示されるように、ブレーキケーブル90はケーブルガイド70におけるU字状凹部74内で案内される。ブレーキケーブル90は、その一端にねじ山付きボルト92を有し、該ボルトは、組み立てのために該ケーブルガイド70の受け部72に挿入される。ブレーキケーブル90を固定し、且つ、該ケーブルの長さを調整するために、ねじ山付きボルト92上に調整ナットが螺合される。
回転アーム10、12は本質的に長尺の部品からなり、該アームは一端において回転軸100に直に接続され、これにより支持部50内に回転可能に支持されている。他端においては、該回転アーム10、12は作動レバー20、22に直に回動可能に接続されている。該作動レバー20、22はロッド又は棒状の部品からなっている。既述したように、作動レバー20、22は一端において回転アーム10、12に回動可能に接続されている。他端においては、該作動レバー20、22はハンドグリップ40に接続されている。ハンドグリップ40は、当該駐車ブレーキレバーシステム1の手動による作動のための働きをする。当該駐車ブレーキレバーシステム1の使用者は、ハンドグリップ40を掴み、該ハンドグリップ40における曲線的引張運動により駐車ブレーキを作動させることができる。
好ましくは、当該駐車ブレーキレバーシステムは、ハンドグリップ40を当該車両内で水平に配置することができるように設けられる。作動の間におけるハンドグリップ40の曲線的運動は、運転者の人間工学に適応された特別に好ましい締め付け運動を可能にする。
作動レバー20、22は滑動支持エレメント34、35により滑動的に支持され、該滑動支持エレメントは支持部50にジョイント又は軸36により回動可能に接続されている。図1に示す実施例においては、滑動支持エレメント34、35はジョイント36を介して支持レバー30、32に接続され、その場合において、支持レバー30、32は支持部50に剛性的に接続されている。この様に、支持レバー30、32は支持部50の延長部として作用する。支持部50及び支持レバー30、32が、支持レバー30、32が支持部50の要素となるように一体的に形成されることも考えられる。
支持レバー30、32が支持部50に剛性的に接続される別部品である場合、該支持レバーの形状、特にその断面は、当該駐車ブレーキレバーシステム1の特別な安定性及び剛性を提供するように選定することができる。
図7に示されるように、歯付ラチェット板80が支持部50に固定されており、該ラチェット板80は当該駐車ブレーキレバーシステム1を作動状態にロックするよう作用する。ラチェット板80は、回転アーム10、12に回転可能に取り付けられた爪110と一緒に働く。爪110はラチェット板80の歯82と、回転アーム10、12の位置を作動状態にロックすることができるように相互に作用し合う。
釈放するために、爪110は適切なリンク及び接続手段に接続されている。該接続手段は、好ましくは、作動レバー20、22の内部を経て延び、ハンドグリップ40内の適切な作動板42に接続される。該作動板42への圧力は、上記爪のラチェット板80とのロックが解除されると共に、回転アーム10、12を再び反時計方向に回転させることができるように、上記リンクを介して爪110に伝達される。
図7に示されるように、爪110を釈放するための上記リンク及び接続手段は、一方においてハンドグリップ40内の作動板42に接続されると共に、他方において作動レバー22内で軸16の周りに回動可能に支持された回動エレメント116に接続された引張ケーブル120を有している。上記エレメント116にはレバー114が接続され、該レバー114はエレメント116の運動を爪110に伝達する。該レバー114は、ジョイント113及び115において爪110及びエレメント116に回動可能に接続されている。
駐車ブレーキを解除するためには、作動板42に圧力が印加されねばならず、これにより該作動板は好ましくは軸44の周りで回動する。勿論、ハンドグリップ40内で作動板42を支持する他の可能性も考えられる。引張ケーブル120は作動板42に対する上記圧力により緊張され、回動エレメント116が時計方向に回動される(図7参照)。レバー114は該エレメント116の回動運動を爪110に伝達し、該爪も軸112の周りで回動する。これにより、該爪はラチェット板80の歯82から外れ、回転アーム10、12のロックが解除される。
爪110を釈放するために、勿論、他の作動手段を使用することもできる。例えば、爪110は、ハンドグリップ40の縦材の周りの又は横軸の周りの回転により釈放することもできる。
前述したように、図1は当該駐車ブレーキレバーシステムを非動作状態で示している。駐車ブレーキを作動させるために、使用者はハンドグリップ40を引っ張り、その場合、引張運動は作動レバー20、22を介して伝達される。該作動レバー20、22は回転アーム10、12に回動可能に接続されているので、該回転アーム10、12は時計方向に回転される。この運動の間において、作動レバー20、22は滑動支持エレメント34、35内を滑動する。また、回転アーム10、12の時計方向の回転により、回転軸100及びケーブルガイド70も時計方向に回転される。これにより、ケーブルガイド70に接続されたブレーキケーブル90が緊張される。図2は、緊張状態の駐車ブレーキレバーシステム1を示す。尚、図2は特別に強く緊張された状態を示し、図1の位置と図2の位置との間の各中間位置も勿論可能であることに注意すべきである。
図1及び図2を比較すると、駐車ブレーキを緊張させる間において、回転アーム10、12と作動レバー20、22との間の角度αが変化することが明らかであろう。緊張される状態において、該角度αは好ましくは85°から95°の範囲内である。作動レバー20、22と回転アーム10、12との間の90°なる角度αにおいて、当該駐車ブレーキレバーシステム1の結果としてのレバーアームは最大となり、これは、ハンドグリップ40に生ぜられる引張力がブレーキケーブル90に最も効果的に伝達されることを意味する。
駐車ブレーキレバーシステム1は、好ましくは、支持部50と回転アーム10、12との間に懸架された少なくとも1つのバネ60、62を有する。バネ60、62は、当該ブレーキを締め付けるためにハンドグリップ40上に発生されるべき引張力に対して力増強的に作用する。この目的のため、バネ60、62は、2つの接続点14、52により回転アーム10、12及び支持部50に適切に接続される。図1においては、非作動状態において、バネ60、62は回転アーム10、12と略整列され、その場合において、上記接続点52は支持部50において回転アーム10、12の回転軸100を超えて延びる方向に配置されていることが分かる。
非緊張状態を示す図1に示される位置において、バネ60、62は回転アーム10、12を僅かに反時計方向に引っ張る。ここで、駐車ブレーキレバーシステム1が作動されると、バネ60、62の中間軸は最初は接続点15、52と回転軸10の中心点との両方を経て延びる。この位置では、バネ60、62は回転アーム10、12に対して回転方向の力を生じさせることはできない。この死点を超えると、図2に示されるように、バネ60、62は回転アーム10、12を時計方向に引っ張るので、該バネは当該駐車ブレーキレバーシステム1に対して力増強的に作用する。
図3ないし6を参照すると、駐車ブレーキレバーシステム1の他の好ましい実施例が示されている。図3ないし6は、実質的に対称な構成を示すもので、右側の回転アーム10、作動レバー20及び支持レバー30、並びに左側の回転アーム12、作動レバー22及び支持レバー32を有し、左作動レバー22及び右作動レバー20は、ジョイント14とは反対側の端部においてハンドグリップ40により接続されている。これにより、ハンドグリップ40は両作動レバー20及び22と共にU字状の配置を形成している。
この実施例において、回転アーム10、12、作動レバー20、22、支持レバー30、32及びバネ60、62は二重に設けられている。この結果、安定した耐歪み構成が得られ、これは、駐車ブレーキの確実な作動を保証する。この構成によれば、各部分は小さな荷重しか受けないので、単一の構成要素は比較的小さくすることができる。
当該駐車ブレーキレバーシステムの作動の間において、ハンドグリップ40は、小さな回動運動と組み合わされた直線的な運動を実行する。従って、例えばハンドグリップの専ら回動する運動、又は専ら軸方向の若しくは直線的な運動によるような人間工学的問題は回避される。ハンドグリップ40の運動及び必要とされる引張力Fの方向が、図8の動作シーケンスに示されており、該図において、ステップ1は非作動状態、ステップ2は中間位置、そしてステップ3は可能な最大の緊張状態を示している。
駐車ブレーキレバーシステム1の他の好ましい実施例が図9ないし12に示されている。この実施例は、これまで述べた実施例と同じ機能的思想を実現するが、幾つかのフィーチャで相違する。
先ず、ここでは、駐車ブレーキレバーシステム1は軸16の代わりにウイング120を有し、該ウイング120は支持レバー30、32の端部を互いに接続する。これにより、こえらは安定化される。好ましくは、ウイング120は整形された板状金属材料からなると共に2つの取り付けフラップ122を備え、これらフラップによりウイング120を当該車両に取り付けることができる。従って、支持レバー30、32の端部は特別に固定され、全体の駐車ブレーキレバーシステム1は特別に剛性となる。
更に、当該駐車ブレーキレバーシステム1は、好ましくは、プラスチック又はゴム材料からなる吸振板150を有する。該吸振板150は支持部50と車両(図示略)との間に配置され、発振又は振動を減衰するように作用する。このようにして、駐車ブレーキレバーシステム1の作動音は当該車両の車体に伝達されることはなく、動力の振動が該駐車ブレーキレバーシステム1に侵入することもない。
図10及び11に示されるように、取付部50には、当該駐車ブレーキレバーシステム1を車両の車体に取り付けるために、取付フラップ54が更に設けられている。好ましくは、上記取付フラップは、製造誤差を均等化することができると共に、該駐車ブレーキレバーシステム1が左側運転車両及び右側運転車両に使用することができるように設けられる。
更に、当該駐車ブレーキレバーシステム1は、作動レバー20、22を当該車両の客室内へと通過させるための少なくとも1つのカバーエレメント140、142を有することができる。従って、作動レバー20、22の通路は綺麗に閉じられ、すきま風又は塵埃の侵入若しくは漏れが防止される。
図12ないし14に詳細に示されるように、カバーエレメント140、142は支持フレーム144を有し、該支持フレームは取付領域148により当該車両に剛性的に接続される。図示の実施例において、支持フレーム144は、当該車両の車体又は内張に、例えばネジ止めし、鋲止めし又はクリップにより接続することができる。
支持フレーム144内には、平らな形状のスライドエレメント146が変位可能に支持されている。該スライドエレメント146はプラスチック条片からなり、該条片には、長手方向には容易に湾曲され得るが横方向には比較的に剛性となるように、小さな横方向リブを備えることができる。該スライドエレメント146には中央開口147が設けられ、該開口を介して前記作動レバー20、22が延在し得る。該開口147は作動レバー20、22の断面に適合されている。
当該駐車ブレーキレバーシステム1の作動の間において、一方においては作動レバー20、22が上記開口147内を軸方向に移動し、他方においてはスライドエレメント146が該作動レバー20、22の回動運動により支持フレーム144内で変位される。
図13A及び13B並びに14A及び14Bは、このようなカバーエレメント140及び支持フレーム144の好ましい実施例を各々図示している。ここで、上記支持フレームは、上記スライドエレメントが取付領域148の背後の端部領域149までスライドされ得るように、該スライドエレメント146の変位方向に対して垂直方向に湾曲されている。従って、上記端部領域149は、運転者から見て取付領域148の背後に配置され、かくして、取付後には最早見ることができない。従って、スライドエレメント146は、作動の間において当該車両の内張の下に部分的に隠れる。スライドエレメント146の長さは、該スライドエレメント146が何れの作動位置においても通路領域を覆うように選定される。
好ましくは、支持フレーム144は図12〜14に示されるように2重波の形状を有している。従って、ハンドグリップ40は、当該駐車ブレーキレバーシステム1が車両のデザインに一層良好に統合されるように、図12に示されるごとく内張内に沈み込むようにすることができる。
図12には、ハンドグリップ40に横方向釈放ノブ46を設けることができることも示されており、該横方向釈放ノブは前記作動板42と同様にロック機構80、110を釈放する。
図1は、非作動状態の本発明による駐車ブレーキレバーシステムを側面図で示す。 図2は、作動状態の図1の駐車ブレーキレバーシステムを側面図で示す。 図3は、駐車ブレーキレバーシステムの好ましい実施例を正面図で示す。 図4は、図3の駐車ブレーキレバーシステムを上面図で示す。 図5は、図3の駐車ブレーキレバーシステムを立体図で示す。 図6は、図3の駐車ブレーキレバーシステムを他の立体図で示す。 図7は、駐車ブレーキレバーシステムの側断面図であり、ロック機構のエレメントが図示されている。 図8は、非作動状態(ステップ1)から作動状態(ステップ3)までの、本発明による駐車ブレーキレバーシステムの概略動作シーケンスを示す。 図9は、非作動状態の本発明による駐車ブレーキレバーシステムの他の好ましい実施例の立体図である。 図10は、図9による他の好ましい実施例の作動状態における立体図である。 図11は、図9による他の好ましい実施例の底側からの立体図である。 図12は、図9による他の好ましい実施例の部分立体図であり、グリップが部分的に断面で示されている。 図13Aは、好ましいカバーエレメントの上側からの立体図である。 図13Aは、好ましいカバーエレメントの底側からの立体図である。 図14Aは、カバーエレメントの支持フレームの上側からの立体図である。 図14Bは、カバーエレメントの支持フレームの底側からの立体図である。
符号の説明
1 駐車ブレーキレバーシステム
10、12 回転アーム
14 接続点
16 軸、ジョイント
20、22 作動レバー
30、32 支持レバー
34、35 滑動支持エレメント
36 軸、ジョイント
40 ハンドグリップ
42 作動板
44 作動板の回動軸
46 釈放ノブ
50 支持部
52 接続点
54 取付フラップ
60、62 バネ
70 ケーブルガイド
72 受け部
74 凹部
80 ラチェット板
90 ブレーキケーブル
92 ねじ山付きボルト
94 調整ナット
100 回転軸
110 爪
112 爪の回動軸
113、115 ジョイント
114 レバー
116 回動エレメント
118 引張ケーブル
120 ウイング
122 取付フラップ
140、142 カバーエレメント
144 支持フレーム
146 スライドエレメント
147 開口
148 取付領域
149 端部領域

Claims (17)

  1. 少なくとも1本のブレーキケーブル(90)を手動で緊張させ及び釈放する駐車ブレーキレバーシステム(1)において、
    a)前記ブレーキケーブル(90)に接続されると共に、固定された支持部(50)に回動可能に支持された少なくとも1つの回転アーム(10,12)と、
    b)第1端において前記回転アーム(10,12)に回動可能に接続され、第2端においてハンドグリップ(40)に剛性的に接続された少なくとも1つの作動レバー(20,22)と、
    を有し、
    c)前記作動レバー(20,22)が前記固定された支持部(50)において、当該駐車ブレーキレバーシステム(1)の作動の間において前記ハンドグリップ(40)が曲線状経路をとるように滑動的に支持されるような駐車ブレーキレバーシステム。
  2. 請求項1に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記作動レバー(20,22)が、棒状の形状を有すると共に、前記回転アーム(10,12)に接続された前記第1端と前記ハンドグリップ(40)に接続された前記第2端との間で滑動的に支持されるような駐車ブレーキレバーシステム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記作動レバー(20,22)の前記滑動的支持のための、前記固定された支持部に回動可能に支持された滑動支持エレメント(34,35)を更に有しているような駐車ブレーキレバーシステム。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、更に少なくとも1つの引張バネ(60,62)を有し、該引張バネが、当該駐車ブレーキレバーシステム(1)の作動の間において前記回転アーム(10,12)に対し緊張方向に張力を付与するために前記回転アーム(10,12)と前記固定された支持部(50)との間に懸架されているような駐車ブレーキレバーシステム。
  5. 請求項1ないし4の何れか一項に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記回転アーム(10,12)に剛性的に接続されると共に、前記ブレーキケーブル(90)が案内される凹部(74)を有するようなケーブルガイド(70)を更に有する駐車ブレーキレバーシステム。
  6. 請求項5に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記ケーブルガイド(70)が、前記ブレーキケーブル(90)が長さ調整可能に接続される受け部(72)を有するような駐車ブレーキレバーシステム。
  7. 請求項1ないし6の何れか一項に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記作動レバー(20,22)を支持するために、前記固定された支持部(50)に剛性的に接続されると共に前記滑動支持エレメント(34,35)に回動可能に接続された少なくとも1つの支持レバー(30,32)を更に有するような駐車ブレーキレバーシステム。
  8. 請求項1ないし7の何れか一項に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、2つの作動レバー(20,22)及び/又は2つの回転アーム(10,12)及び/又は2つの支持レバー(30,32)及び/又は2つの引張バネ(60,62)を有し、前記ハンドグリップ(40)が前記2つの作動レバー(20,22)を相互に接続して略U字状の配置(20,22,40)を形成するような駐車ブレーキレバーシステム。
  9. 請求項1ないし8の何れか一項に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記回転アーム(10,12)と前記作動レバー(20,22)との間の角度(α)が、前記ブレーキケーブル(90)が緊張される場合に、85°と95°との間の範囲で変化するような駐車ブレーキレバーシステム。
  10. 請求項1ないし9の何れか一項に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、当該駐車ブレーキを解除するために前記ハンドグリップ(40)内に配置された作動板(42)を更に有するような駐車ブレーキレバーシステム。
  11. 請求項1ないし9の何れか一項に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、当該駐車ブレーキの解除が、前記ハンドグリップ(40)の回転により実行されるような駐車ブレーキレバーシステム。
  12. 請求項8ないし11の何れか一項に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記支持レバー(30,32)の端部を相互に接続するウイング(120)を更に有するような駐車ブレーキレバーシステム。
  13. 請求項12に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記ウイング(120)が車両に剛性的に接続されるような駐車ブレーキレバーシステム。
  14. 請求項1ないし13の何れか一項に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、振動を減衰させるために、前記支持部(50)と車両との間に取り付けられる吸振板(150)を更に有するような駐車ブレーキレバーシステム。
  15. 請求項1ないし14の何れか一項に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記少なくとも1つの作動レバー(20,22)を車両の客室内に挿通させる少なくとも1つのカバーエレメント(140,142)を更に有し、該カバーエレメント(140,142)が、
    a)前記車両に剛性的に取り付けられる支持フレーム(144)と、
    b)前記支持フレーム(144)内で変位可能に支持されるスライドエレメント(146)と、
    を有し、
    c)前記作動レバー(20,22)が前記スライドエレメント(146)を通って延在するような駐車ブレーキレバーシステム。
  16. 請求項15に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記支持フレーム(144)が前記スライドエレメント(146)の変位方向に対し垂直な方向に湾曲しているような駐車ブレーキレバーシステム。
  17. 請求項16に記載の駐車ブレーキレバーシステムにおいて、前記支持フレーム(144)の湾曲が波形形状を有しているような駐車ブレーキレバーシステム。
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