JP2008525620A - フルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマー - Google Patents

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Abstract

Figure 2008525620

コポリマーは、2つ以上のメルカプト官能基を含む少なくとも1種の共反応物質から誘導された繰返し単位、および(a)次式で表される少なくとも1種のフルオロケミカルアルコール:C49−X−OH(式中、式(I)、R=水素、または1〜4個の炭素原子のアルキル基、m=2〜8、Rf2n+1、n=1〜5、y=0〜6、q=1〜8)と、(b)少なくとも1種の非分枝状対称ジイソシアネートと、そのアルキレン部分に2〜約30個の炭素原子を有する少なくとも1種のヒドロキシ末端アルキル(メタまたはア)クリレートまたは2−フルオロアクリレートモノマーとの反応生成物を含むフルオロアクリレートから誘導された繰返し単位を含む。

Description

本発明は、フルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマーに関する。
ウレタン結合を含む様々なアクリル樹脂は、撥水撥油性を有することが知られている(例えば、米国特許第4,321,404号明細書(ウィリアムズ(Williams)ら)、同第4,778,915号明細書(リナ(Lina)ら)、同第4,920,190号明細書(リナ(Lina)ら)、同第5,144,056号明細書(アントン(Anton)ら)、および同第5,446,118号明細書(シェン(Shen)ら)を参照のこと)。これらの樹脂を重合し、例えばテキスタイル、カーペット、壁装材、皮革などの基材にコーティングとして塗布して、撥水撥油性を与えることができる。
通常は、これらの樹脂は、長鎖懸垂型パーフッ素化基(例えば、8個以上の炭素原子)を含む。というのは、長鎖が、アクリル主鎖単位に結合している隣接した側基と平行に容易に配列し、したがって撥水撥油性が最大になるからである。しかし、例えばパーフルオロオクチルを含む化合物など、長鎖パーフッ素化基を含む化合物は、生きている有機体内で蓄積性となる恐れがある(例えば、米国特許第5,688,884号明細書(ベイカー(Baker)ら)を参照のこと)。
上記の点を考えると、より生体内蓄積性でない撥水撥油性アクリルポリマーが必要とされていることがわかる。さらに、一部の用途では、グラフトおよびブロックコポリマーによってもたらされる可撓性が利点であり得ることがわかる。
簡潔に言えば、一態様では、本発明は、より長い鎖のパーフッ素化基より毒性が少なく、かつ生体内蓄積性でないと思われる、4個の炭素鎖のパーフッ素化基を有する撥水撥油性フルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマーを提供する(例えば、国際公開第01/30873号パンフレット)。本発明のコポリマーは、2つ以上のメルカプト官能基を含む少なくとも1種の共反応物質から誘導された繰返し単位、および
(a)次式で表される少なくとも1種のフルオロケミカルアルコール:
49−X−OH
(式中、
X=
Figure 2008525620
Figure 2008525620
Figure 2008525620
または
Figure 2008525620
R=水素、または1〜4個の炭素原子のアルキル基、
m=2〜8、
f=Cn2n+1
n=1〜5、
y=0〜6、
q=1〜8)と、
(b)少なくとも1種の非分枝状対称ジイソシアネートと、
(c)そのアルキレン部分に2〜約30個の炭素原子を有する少なくとも1種のヒドロキシ末端アルキル(メタまたはア)クリレートまたは2−フルオロアクリレートモノマーとの反応生成物を含むフルオロアクリレートから誘導された繰返し単位を含む。
本明細書では、「2つ以上のメルカプト官能基を含む共反応物質」は、多チオール(例えば、ジチオール、トリチオールなど)、またはポリオールに似ているがヒドロキシル基の酸素を硫黄で置換した有機化合物を指す。用語「(メタまたはア)クリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを指す。
本発明のコポリマーは、良好な撥水性および撥油性を示すことが発見された。従来技術を考慮に入れて、より短いパーフッ素化鎖から誘導されたフルオロアクリレートを含むコポリマーであれば、撥水性および撥油性を付与する点で、より長いパーフッ素化鎖から誘導されたものほど有効でないはずであることが予期されよう(例えば、米国特許第2,803,615号明細書(アルブレヒト(Ahlbrecht)ら)および同第3,787,351号明細書(オルソン(Olson))を参照のこと)。しかし、驚くべきことには、本発明のフルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマーは、より長いパーフッ素化鎖を有するフルオロアクリレートに匹敵する撥水性および撥油性を示す。
したがって、本発明のフルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマーは、当技術分野におけるより生体内蓄積性でない、重合可能な撥水撥油性アクリル樹脂の必要性を満たす。
さらに、本発明のフルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマーは、ブロックおよびグラフトコポリマーの可撓性をもたらし、2つの異なるポリマーの特性を組み合わせる。このようなコポリマーは、フルオロアクリレートの独自の特性と様々なメルカプト官能性ポリマーの特性の組合せが必要である用途で使用される。
本発明で有用なフルオロアクリレートは、フルオロケミカルアルコール、少なくとも1種の非分枝状対称ジイソシアネート、および少なくとも1種のヒドロキシ末端アルキル(メタまたはア)クリレートまたは2−フルオロアクリレートモノマーの反応生成物である。
有用なフルオロケミカルアルコールは、次式で表すことができる:
49−X−OH
(式中、
X=
Figure 2008525620
Figure 2008525620
Figure 2008525620
または
Figure 2008525620
R=水素、または1〜4個の炭素原子のアルキル基、
m=2〜8、
f=Cn2n+1
n=1〜5、
y=0〜6、
q=1〜8)。
適切なアルコールの代表例としては、C49SO2NH(CH22OH、C49SO2NCH3(CH22OH、C49SO2NCH3(CH24OH、C49SO2NC25(CH26OH、C49(CH24OH、C49CONH(CH24OH、C49SO2NCH3(CH23OH、C49SO2NH(CH26OH、C49CH2OH、C49CONH(CH28OH、C49(CH22OH、C49SO2NCH3(CH22OH、C49CONH(CH22OH、C49SO2NCH3(CH26OH、C49SO2NH(CH27OH、C49SO2NC37(CH22OH、C49SO2NC49(CH22OH、C49CONH(CH22OH、およびC49(CH24OHが挙げられる。
好ましくは、mは2〜4である。好ましくは、qは2である。
好ましくは、Xは、
Figure 2008525620
である。より好ましくは、Xは、
Figure 2008525620
である。最も好ましくは、Xは、
Figure 2008525620
Figure 2008525620
および
Figure 2008525620
からなる群から選択される。
好ましいフルオロケミカルアルコールには、例えばC49SO2NCH3(CH22OH、C49SO2NCH3(CH24OH、およびC49(CH22OHが含まれる。より好ましいフルオロケミカルアルコールはC49SO2NCH3(CH22OHである。
対称ジイソシアナートは、Hawley’s Condensed Chemical Dictionary 1067 (1997)によって定義されるような3つの対称要素を満たすジイソシアナートである。第1に、構成原子がそのまわりに順序付けられた配列で位置している対称中心を有する。このような中心は分子中に1つしかなく、原子でも、または原子でなくてもよい。第2に、分子を鏡像セグメントに分割する対称面を有する。第3に、対称中心を通過する線で表すことができる対称軸を有する。分子が回転する場合、完全な360度回転において、空間で2回以上同じ位置を有する。
本明細書では、用語「非分枝状の」は、対称ジイソシアナートが、1個以上の炭素原子を有する従属的な鎖を全く含まないことを意味する。
非分枝状対称ジイソシアネートの代表例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート(PDI)、1,4−ブタンジイソシアネート(BDI)、1,8−オクタンジイソシアネート(ODI)、1,12−ドデカンジイソシアネート、および1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)が挙げられる。好ましくは、非分枝状対称ジイソシアネートは芳香族である。
好ましい非分枝状対称ジイソシアネートには、例えばMDI、HDI、およびPDIが含まれる。より好ましい非分枝状対称ジイソシアネートはMDIである。MDIは、純粋な形で、ダウケミカル(米国ミシガン州ミッドランド)(Dow Chemical Company (Midland, MI))からアイソネイト(Isonate)(登録商標)125M、およびバイエル・ポリマーズ(米国ペンシルベニア州ピッツバーグ)(Bayer Polymers (Pittsburgh, PA))からモンデュール(Mondur)(登録商標)で市販されている。
本発明のフルオロアクリレートで有用なヒドロキシ末端アルキル(メタまたはア)クリレートおよび2−フルオロアクリレートモノマーは、そのアルキレン部分に2〜約30個の炭素原子(好ましくは、2〜約12個の炭素原子)を有することができる。
好ましくは、ヒドロキシ末端アルキル(メタまたはア)クリレートモノマーはヒドロキシ末端アルキルアクリレートである。好ましいヒドロキシ末端アルキルアクリレートには、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシデシルアクリレート、ヒドロキシドデシルアクリレート、およびその混合物が含まれる。
本発明で有用なフルオロアクリレートは、例えばまずフルオロケミカルアルコールと非分枝状対称ジイソシアナートを溶媒中で化合し、次いでヒドロキシ末端アルキル(メタまたはア)クリレートを添加することによって調製することができる。有用な溶媒には、エステル(例えば、酢酸エチル)、ケトン(例えば、メチルエチルケトン)、エーテル(例えば、メチル−tert−ブチルエーテル)、および芳香族溶媒(例えば、トルエン)が含まれる。
好ましくは、反応混合物を撹拌する。反応は、一般に室温から約120℃の間の温度(好ましくは、約50℃〜約70℃)で実施することができる。
通常は、反応を触媒の存在下で実施する。有用な触媒には、塩基(例えば、第三級アミン、アルコキシド、およびカルボキシレート)、金属塩およびキレート、有機金属化合物、酸、ならびにウレタンが含まれる。好ましくは、触媒は、有機スズ化合物(例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ(DBTDL)または第三級アミン(例えば、ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO))、またはその組合せである。より好ましくは、触媒はDBTDLである。
式C49SO2NCH3(CH2mOH(式中、m=2〜4)で表されるフルオロケミカルアルコールをMDIと反応させる場合、2003年12月31日出願、「フルオロケミカルモノイソシアネートの調製方法」という名称の米国特許出願第10/751142号明細書に記載される方法を使用することができる。
本発明の組成物で有用なフルオロアクリレートは、下記の一般式で表すことができる:
49−X−OC(O)NH−A−HNC(O)O−(Cp2p)(O)COC(R)=CH2
(式中、
X=
Figure 2008525620
Figure 2008525620
Figure 2008525620
または
Figure 2008525620
R=水素、または1〜4個の炭素原子のアルキル基、
m=2〜8、
f=Cn2n+1
n=1〜5、
y=0〜6、
q=1〜8、
A=非分枝状対称アルキレン基、アリーレン基、またはアラルキレン基、
p=2〜30、
R’=H、CH3、またはF)。
好ましくは、qは2である。
好ましくは、Xは
Figure 2008525620
であり、mは2〜4である。
好ましくは、Aは、C612
Figure 2008525620
および
Figure 2008525620
からなる群から選択され、より好ましくは、Aは、
Figure 2008525620
である。
好ましくは、pは2〜12であり、より好ましくは、pは、2、4、6、10、および12からなる群から選択され、最も好ましくは、pは2である。
好ましくは、R’はHである。
上記に記載するフルオロアクリレートを、2つ以上のメルカプト官能基を含む共反応物質と反応させて、本発明の撥水撥油性フルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマーを形成することができる。
適切な共反応物質には、例えば次式で表される多メルカプタンが含まれる:
(B)n(Q−SH)k
(式中、
B=
Figure 2008525620
−(CH2b−、−(CH2CH2O)b−、−(CHCH3CH2O)b−、−(CH2CH2O)b−(CHCH3CH2O)b、−C48(OC48b−、−C24OC24OC24−、C65CR’’265−、および−(C24O)b65CR’’265(OC24b−からなる群から選択された多価セグメント;
b=1〜100;
R’’=CH3、CF3、またはH;
Q=−(CH2b−、−C(O)(CH2a−、または−OC(O)(CH2a−;
a=1〜10;
n=1以上、
k=2以上)。
他の適切な共反応物質には、例えば次式で表されるジメルカプタンが含まれる:
HS(Q’−(B’)n−Q’S)b
(式中、
B’=−(CH2b−、−(CH2CH2O)b−、−(CHCH3CH2O)b−、−(CH2CH2O)b−(CHCH3CH2O)b、−C48(OC48b−、−C24OC24OC24−、C65CR’’265−、および−(C24O)b65CR’’265(OC24b−からなる群から選択された多価セグメント;
b=1〜100;
R’’=CH3、CF3、またはH;
n=1以上、
Q’=−OC(O)CH2CH2−または−C(O)CH2CH2−)。
これらのジメルカプタンは、米国特許第3,278,352号明細書(エリクソン(Erickson)ら)に記載のように、例えばジ(メタまたはア)クリレートを、ジスルフヒドリル基を含む反応物質(例えば、硫化水素、1,4−ブタンジチオール、2−ヒドロキシ−プロパン−1,3−ジチオール、2,2−ジチオール−ジエチルエーテル、3,3−ジメルカプトジプロピルスルホン、ジエチレングリコール−ビス−チオグリコレートなど)と反応させることによって調製することができる。
さらに他の適切な共反応物質には、例えば次式で表されるフッ素化ジメルカプタンが含まれる:
(Rf’n(Q’’−SH)k
(式中、
f=フッ素化アルキルまたはアルキレン基(例えば、−C24N(SO249)C24−、−(CF2d−、−(CF2CF2O)e(CF2O)fCF2−)を含む多価セグメント;
d=2〜10;
e=2〜30;
f=1〜30;
Q’’=−C(O)NH(CH2b−または−OC(O)(CH2b−;
b=2〜12;
n=1以上、
k=2以上)。
好ましいフッ素化ジメルカプタンには、例えばC49SO2N(C24OC(O)CH2SH)2、HSC24NHC(O)(CF24C(O)NHC24SH、およびHSC24NHC(O)CF2(OC24)e(OCF2fC(O)NHC24SHが含まれる。
これらのフッ素化ジメルカプタンは、例えば英国特許第1120304号明細書に記載のように対応するフッ素化ジオールおよびHS(CH2bCO2Hから、またはフッ素化ジメチルエステルおよびNH224SHから調製することができる。
さらにより適切な共反応物質には、例えば次式で表されるものなどのメルカプト官能性シリコーン化合物が含まれる:
Figure 2008525620
(式中、
1=独立して、同一でも、異なってもよく、アルキル、アリール、アルカリール、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、水素、およびフルオロアルキルからなる群から選択された1価部分;
2=独立して、同一でも、異なってもよい2価の結合基;
3=独立して、同一でも、異なってもよく、アルキル、アリール、アルカリール、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、水素、フルオロアルキル、および−ZSHからなる群から選択された1価部分;
4=独立して、同一でも、異なってもよく、アルキル、アリール、アルカリール、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、水素、フルオロアルキル、および−ZSHからなる群から選択された1価部分;
ここで、
Z=2価の結合基;
r=0〜3;
s=10以上、
t=0〜3;
ここで、下記の少なくとも2つが真である:
t=少なくとも1、
r=少なくとも1、
3は、少なくとも1つの−ZSH部分を含み、
4は、少なくとも1つの−ZSH部分を含む)。
上記に記載するものなどのメルカプト官能性シリコーン化合物は、例えば米国特許第5,032,460号明細書(カントナー(Kantner)ら)に記載のように調製することができる。
好ましいメルカプト官能性シリコーン化合物は、信越(Shin−Etsu, Japan)からKF−2001として入手可能なメルカプト官能性ジメチルシロキサンである。
有用な共反応物質の多くは、市販されている。市販の共反応物質には、例えば2,2’−オキシジエタンチオール、1,2−エタンチオール、2−メルカプトエタンスルフィド、3,7−ジチア−1,9−ノナンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ジメルカプトドデカン、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,1,1−トリメチロールプロパントリス−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、およびトリス[2−(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレートが含まれる。
本発明のフルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマーは、例えばフルオロアクリレートを、2つ以上のメルカプト官能基を含む共反応物質と溶媒中で化合することによって調製することができる。有用な反応溶媒には、エステル(例えば、酢酸エチル)、ケトン(例えば、メチルエチルケトン)、エーテル(例えば、メチル−tert−ブチルエーテル)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド)、およびアルコールが含まれる。
好ましくは、反応混合物を撹拌する。反応は、一般におよそ室温から約120℃の間の温度(好ましくは、約50℃〜約70℃)で実施することができる。
開始剤を使用して、反応を実施する。有用な開始剤には、例えば置換アゾニトリル化合物、過酸化物、過酸、および過エステルが含まれる。有用な開始剤の具体例としては、2,2−アゾ−ビス−(イソブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾ−ビス−イソブチレート、アゾ−ビス−(ジフェニルメタン)、4−4’−アゾ−ビス(4−シアノペンタン)酸、1,1’アゾ−ビス−(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾ−ビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾ−ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾ−ビス−ジメチルバレロニトリル、4,4’−アゾ−ビス−(4−シアノ吉草酸)、過酸化ベンゾイル、クミルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、グルタル酸過酸化物、ラウロイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化水素、ブチルヒドロペルオキシドやクメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド、過酢酸、過安息香酸、過炭酸ジイソプロピルなどが挙げられる。
本発明のコポリマーは、様々な用途のために特性および性能を改変するために、1種以上のコモノマーまたは官能化コモノマーから誘導された繰返し単位を含むことができる。
例えばアルキルアクリレートなどのコモノマーは、耐久性および成膜性を改善することができる。有用なコモノマーの代表例としては、メチル(メタまたはア)クリレート、ブチルアクリレート、イソブチル(メタまたはア)クリレート、ヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、およびオクタデシルアクリレートが挙げられる。
他のコモノマーは、例えば、接着性、親水性、反応性、またはガラス転移温度などの特性を改変することができる。コモノマーで有用な基としては、例えばヒドロキシ、カルボキシ、第四級アンモニウム、アセテート、ピロリジン、ポリエチレングリコール、スルホン酸、トリアルコキシシラン、およびシリコーンが挙げられる。有用なコモノマーには、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシデシルアクリレート、ヒドロキシドデシルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、N−ビニル2−ピロリジノン、ヒドロキシプロピルアクリル酸、ジアセトンアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)メチルエチルエーテル、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、2−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリクロロシラン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、N−メチロールメタクリルアミド、およびN−メチロールアクリルアミドが含まれる。
本発明のコポリマーをコーティング組成物で使用して、広範囲の基材に撥水性および撥油性を与えることができる。コーティング組成物は、本発明のコポリマー、および溶媒(例えば、水および/または有機溶媒)を含む。溶媒が水である場合、コーティング組成物は、通常はさらに界面活性剤を含む。
本発明のフルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマーを広範囲の溶媒に溶解、懸濁、または分散して、基材に被覆するのに適したコーティング組成物を形成することができる。コーティング組成物は、一般にコーティング組成物の重量に対して、約0.1〜約10パーセントのフルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマー(好ましくは、約1〜約5パーセント)を含有することができる。
コーティング組成物を、例えば繊維基材や硬質基材など、広範囲の基材に塗布することができる。繊維基材には、例えば織物、編物、および不織布、テキスタイル、カーペット、皮革、および紙が含まれる。硬質基材には、例えばガラス、セラミック、メーソンリー、コンクリート、天然石、人造石、グラウト、金属、木材、プラスチック、および塗面が含まれる。
コーティング組成物は、例えば噴霧、パジング、浸漬、ロールコーティング、刷毛塗り、または吸尽などの標準的方法で基材(または基材を含む物品)に塗布することができる。場合によっては、組成物を乾燥させて、残留している水または溶媒を除去することができる。
本発明のフルオロアクリレート−メルカプト官能性コポリマーを剥離コーティングで使用することができる。剥離コーティングで有用なコモノマーには、例えばオクタデシルアクリレート、N−ビニル2−ピロリジノン(pyrollidinone)、メタクリルオキシプロピルジメチルシロキサン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、およびメチルアクリレートが含まれる。剥離コーティング組成物は、基材に被覆した後、硬化ステップを必要としてもよく、または必要としなくてもよい。
剥離コーティングに有用なコーティング組成物は、接着剤からの剥離特性を必要とする表面に塗布することができる。剥離コーティングに適した基材には、例えば紙、金属シート、箔、不織布、ならびにポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカルボナート、およびポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂のフィルムが含まれる。
剥離コーティング組成物を、例えば巻線ロッド、直接グラビア、オフセットグラビア、反転ロール、エアナイフ、およびトレーリングブレードコーティングなど、通常のコーティング技法で適切な基材に塗布することができる。得られる剥離コーティング組成物は、例えば天然ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アクリル接着剤、および他の合成成膜エラストマー接着剤など、広範囲の感圧接着剤に、有効な剥離を提供することができる。
本発明の目的および利点を、下記の実施例によってさらに説明するが、これらの実施例に記載されている特定の材料およびその量、ならびに他の条件および詳細を、本発明を不当に限定するものと解釈すべきではない。
Figure 2008525620
試験方法
動的接触角測定
試験溶液、乳濁液、または懸濁液(通常は、約3%固形分)を、浸漬コーティングによって細片のナイロン66フィルム(デュポン(DuPont)から入手可能)に塗布した。被覆する前に、フィルムをメチルアルコールで清浄した。小型バインダークリップを使用して、ナイロンフィルムの一端を保持し、細片を処理溶液に浸し、次いで溶液からゆっくりかつ円滑に引き出した。被覆細片を保護位置で最低限30分間風乾させて、次いで150℃で10分間硬化した。
CAHN動的接触角アナライザー、モデルDCA 322(コントロールおよびデータ処理用のコンピュータを装備したウィルヘルミー(Wilhelmy)バランス装置、ATI、米国ウィスコンシン州マディソン(Madison, WI)から市販)を使用して、被覆フィルムの前進および後退接触角を測定した。水およびヘキサデカンを調査液体として使用した。水とヘキサデカンに対しての値を報告する。
49SO2N(CH3)CH2CH2OH(MeFBSE)の調製
米国特許第6,664,354号明細書(サウ(Savu)ら)、実施例2、パートAに記載されている手順に本質的に従うことによって、MeFBSEを調製した。
49SO2N(CH3)C24OC(O)NHC64CH264NCO(MeFBSE−MDI)の調製
加熱装置、窒素入口、還流冷却器、および熱電対を備えた1リットルの三口丸底フラスコに、MeFBSE(357.0g;1.0mole)およびMEK(600mL)を加え、MEKを30mL留去しながら、加熱還流した。次いで、混合物を30℃に冷却し、MDI(750g;3.0mole)で処理した。次いで、混合物の温度を4時間約40℃に上げ、濾過し、4リットルのトルエンに加えた。得られたオフホワイトの沈殿物を濾過で回収し、トルエンで再結晶した(白色固体;689.4g;収率57%)。液体クロマトグラフィー/質量分光法(LC/MS)およびLC/UV分析を用いて、構造を確認した。
49SO2N(CH3)C24OC(O)NHC64CH264NHCOOCH2CH2OC(O)CH=CH2(MeFBSE−MDI−HEAまたはC4MH)の調製
500mlの酢酸エチルを入れた1リットルのフラスコを、N2中で加熱還流し、100mLの酢酸エチル(EtOAc)を留去した。残留溶媒を乾燥空気中で冷却し、151.9gのMeFBSE−MDI、29.1gの2−ヒドロキシエチルアクリレート、2滴のDBTDL、および7mgのフェノチアジンで処理した。50℃で5時間後、赤外分光によって、イソシアネートの完全な変換が示された。曇った溶液を40gの珪藻土で濾過し、熱酢酸エチルですすぎ、473.5gの透明溶液が得られた(29.6%固形分、MeFBSE−MDI−HEAとしての収率77%)。
49SO2N(CH3)CH2CH2OC(O)CH=CH2(MeFBSEA)の調製
米国特許第6,664,354号明細書(サウ(Savu)ら)、実施例2、パートA&Bに記載されている手順に本質的に従うことによって、MeFBSEAを調製した。
PEGDS−1048の調製
250mlの三口丸底フラスコに、30gのPEG−900(MW=900、33.33mmol)、6.13gのメルカプト酢酸(MW=92、66.66mmol)、150gのトルエン、および3滴のCF3SO3Hを加えた。混合物をN2中、磁気撹拌しながら加熱還流した。副生成物として生成した水を、共沸凝縮トラップで捕捉した。混合物を6時間還流させ、1.20gの水を単離した。トルエンを回転蒸発によって除去し、32.56gの生成物を回収した。
PEGDS−1598の調製
250mlの三口丸底フラスコに、45.4gの溶融カーボワツクス(CARBOWAX)−1450(MW=1450、31.31mmol)、5.76gのメルカプト酢酸(MW=92、62.62mmol)、150gのトルエン、および3滴のCF3SO3Hを加えた。混合物をN2中、磁気撹拌しながら加熱還流した。副生成物として生成した水を、共沸凝縮トラップで捕捉した。混合物を4時間還流させ、1.13gの水を単離した。トルエンを回転蒸発によって除去し、51.46gの生成物を回収した。
HSCH2C(O)−O−(CH210−O−C(O)CH2SH(C10DS)の調製
250mlの三口丸底フラスコに、34.86gの溶融1,10−デカンジオール(MW=174.28、200mmol)、36.80gのメルカプト酢酸(MW=92、400mmol)、150gのトルエン、および3滴のCF3SO3Hを加えた。混合物をN2中、磁気撹拌しながら加熱還流した。副生成物として生成した水を、共沸凝縮トラップで捕捉した。混合物を8時間還流させ、約7.2gの水を単離した。トルエンを回転蒸発によって除去し、65.2gの生成物(C10DS)を回収した。
49SO2N(CH2CH2OH)2(FBSEE)の調製
等モル量のC49SO2NH2をC817SO2NH2の代わりに使用する点以外は、米国特許第3,787,351号明細書(オルソン(Olson))の実施例8に記載のように、フルオロケミカルジオールであるC49SO2N(C24OH)2を調製することができる。
49SO2N(CH2CH2OC(O)CH2SH)2(FBSEESS)の調製
250mlの三口丸底フラスコに、23.22gのFBSEE(MW=387、60mmol)、11.06gのメルカプト酢酸(MW=92、120mmol)、150gのトルエン、および0.15gのCH3PhSO3H(触媒)を加えた。混合物をN2中、磁気撹拌しながら加熱還流した。副生成物として生成した水を、共沸凝縮トラップで捕捉した。混合物を8時間還流させ、2.20gの水を単離した。トルエンを回転蒸発によって除去して、32.5gの生成物FBSEESSを得た。
HSC24NHC(O)−LTM−C(O)NHC24SH(LTMDS)の調製
150mlのパイレックス(登録商標)チューブに、79gのLTMDME(MW=2000、39.5mmol)および6.13gのシテアミン(cyteamine)(MW=77、79mmol)を加えた。チューブをN2で洗浄し、シールし、混合物を磁気撹拌しながら、120℃に6時間加熱した。赤外分析によって、完全にLTMDSに変換したことを確認した。
ポリマー調製の一般的手順:
実施例および比較例ではそれぞれ、120mlのビンに、表1に記載する様々なモル比のフッ素化モノマー、ジメルカプタン、場合によっては第3の炭化水素(メタまたはア)クリレートモノマー、0.5〜1重量%のバゾ(Vazo)−67開始剤、および十分な溶媒を加えて、15〜30重量%固形分の濃度のモノマーを得た。窒素で35〜60秒間パージした後、ビンをシールし、混合物を70℃の油浴で24時間重合した。得られたポリマーの前進および後退接触角を、上記に記載するように決定し、結果を下記の表1に報告した。
選択された実施例および比較例の詳細な手順
実施例2: C4MH/PEGDS−1048(12/1)
120mlのビンに、5.85gのC4MH(MW=723、8.095mmol)、0.71gのPEGDS−1048(MW=1048、0.672mmol)、40.34gの酢酸エチル、および0.058gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付けた。溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた溶液は、室温で沈殿することを示した。5.gのDMFを添加すると、12.8%固形分の清澄な溶液になった。接触角データを下記の表1に報告した。
実施例3: C4MH/PEGDS−1048/HEMAPA(2.9/0.3/1)
120mlのビンに、5.03gのC4MH(MW=723、6.956mmol)、0.72gのPEGDS−1048(MW=1048、0.691mmol)、0.50gのHEMAPA(MW=210.13、2.379mmol)、25.2gのEtOAc、および0.058gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付けた。溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた溶液は、室温で沈殿することを示した。5.gのDMFを添加すると、13.61%固形分の清澄な溶液になった。接触角データを表1に報告した。
実施例5: C4MH/PEGDS−1598(12/1)
120mlのビンに、5.0gのC4MH(MW=723、6.91mmol)、0.87gのPEGDS−1598(MW=1524、0.57mmol)、35.0gのEtOAc、および0.056gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付けた。溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた溶液は、室温で沈殿することを示した。5.0gのDMFを添加すると、清澄になった。接触角データを下記の表1に報告した。
実施例7: C4MH/EGDS(8.07/1)
120mlのビンに、5.0gのC4MH(MW=723、6.912mmol)、0.18gの(HSCH2CO2CH22(MW=210.27、0.856mmol)、11.94gのEtOAc、および0.047gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付けた。溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた溶液は、室温で沈殿することを示した。2.40gのDMSOを添加すると、14.3%固形分の清澄な溶液になった。サイズ排除クロマトグラフィー分析によって、変換率94.0%;Mn=6,700;Mw=8,710、Mw/Mn=1.3が明らかになった。接触角データを下記の表1に報告した。
実施例9: C4MH/DOODS(5.8/1)
120mlのビンに、3.00gのC4MH(MW=723、4.154mmol)、0.13gのHSC24OC24OC24SH(MW=182.31、0.713mmol)、17.74gのEtOAc、および0.033gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付けた。溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた溶液は、室温で沈殿することを示した。5.0gのDMFを添加すると、12%固形分の清澄な溶液になった。接触角データを下記の表1に報告した。
実施例11: C4MH/MeOPEGA/DOODS(11.46/1.8/1)
120mlのビンに、5.0gのC4MH(MW=723、6.916mmol)、0.50gのCH3O(C24O)nC(O)CH=CH2(MW=454、1.10mmol)、0.11gのHSC24OC24OC24SH(MW=182.31、0.603mmol)、10.53gのEtOAc、および0.055gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付けた。溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた溶液は、室温で沈殿することを示した。5.0gのDMFを添加すると、16.9%固形分で溶液が清澄になった。接触角データを下記の表1に報告した。
実施例13: C4MH/C10DS(8/1)
120mlのビンに、31.62gのC4MH(EtOAc中36.6%、MW=723、16mmol)、0.65gのC10DS(MW=322、2mmol)、28.85gのEtOAc、および0.15gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付けた。溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた20%の溶液は、室温で沈殿することを示した。5.0gのDMFを添加すると、溶液が清澄になった。接触角データを下記の表1に報告した。
Figure 2008525620
実施例19: C4MH/KF−2001(90/10)
120mlのビンに、4.50gのC4MH(MW=723、6.22mmol)、0.49gのKF−2001、28.4gのEtOAc、および0.056gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付け、溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた溶液はわずかに曇っていた。5gのDMFを添加すると、溶液(13.16%固形分)が清澄になった。サイズ排除クロマトグラフィー分析によって、変換率93.4%、Mn=11,600、Mw=21,800、およびMw/Mn=1.9が明らかになった。接触角データを下記の表2に報告した。
実施例20: C4MH/KF−2001(80/20)
120mlのビンに、3.98gのC4MH(MW=723、5.510mmol)、1.01gのKF−2001、27.62gのEtOAc、および0.050gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付け、溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた溶液はわずかに曇っていた。5gのDMFを添加すると、溶液(13.37%固形分)が清澄になった。サイズ排除クロマトグラフィー分析によって、変換率87.4%、Mn=12,500、Mw=23,700、およびMw/Mn=1.9が明らかになった。接触角データを下記の表2に報告した。
実施例21: C4MH/KF−2001(70/30)
120mlのビンに、3.51gのC4MH(MW=723、4.849mmol)、1.52gのKF−2001、26.75gのEtOAc、および0.053gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付け、溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた溶液はわずかに曇っていた。5gのDMFを添加すると、清澄な溶液(13.78%固形分)になった。サイズ排除クロマトグラフィー分析によって、変換率87.7%、Mn=12,300、Mw=24,900、およびMw/Mn=2が明らかになった。接触角データを下記の表2に報告した。
実施例22: C4MH/KF−2001/AA(60/30/10)
120mlのビンに、2.99gのC4MH(MW=723、4.142mmol)、1.50gのKF−2001、0.50gのアクリル酸(AA、MW=72、6.944mmol)、25.76gのEtOAc、および0.055gのバゾ(Vazo)−67を加えた。磁気撹拌棒を取り付け、溶液を2分間窒素バブリングした。シールしたビンを70℃の油浴に入れ、磁気撹拌しながら24時間重合した。得られた溶液は清澄であった(16.40%固形分)。サイズ排除クロマトグラフィー分析によって、変換率84.8%、Mn=6,420、Mw=14,600、およびMw/Mn=2.3が明らかになった。接触角データを下記の表2に報告した。
Figure 2008525620
実施例23〜25および比較実施例C5
本発明のコポリマーを、トルエンで5%固形分に希釈した。次いで、溶液を、#6の巻線(Mayer)ロッドで1.6ミルの下塗り付きポリエステルテレフタレートフィルムに被覆した。被覆フィルムを繊維板枠に取り付け、65℃で15分間乾燥した。
剥離コーティングを評価するために使用する試験方法は、感圧接着剤で被覆された材料を評価するために使用される、業界の標準的な剥離接着力試験を改変したものであった。標準試験は、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia, PA.)の米国材料試験協会(ASTM)および米国イリノイ州グレンビュー(Glenview, Ill)の感圧テープ協議会(PSTC)の様々な刊行物に詳述されている。改変した標準的方法を下記に詳述する。標準試験方法のレファレンス情報源は、ASTM D3330−78 PSTC−1(11/75)である。
2.54cm×15.24cmの細片のスコッチパフォーマンスマスキングテープ(SCOTCH PERFORMANCE MASKING TAPE) 233+(スリーエム、米国ミネソタ州セントポール((3M Company, St. Paul, MN))から入手可能)を、2.04kgのゴムローラで、被覆ポリエステルフィルム上に圧延した。次いで、積層した試料を22℃および50%相対湿度で7日、または65℃で16時間熟成した。試験する前に、熱老化させた試料を22℃および50%相対湿度に24時間平衡化させた。
剥離試験は、マスキングテープ/被覆フィルム積層物を、両面被覆テープでインスツルメンターズ(Instrumentors, Inc.)の滑り/剥離試験機(モデル3M90)のステージに載せることによって実施した。次いで、180度および228.6cm/分で、マスキングテープを取り外すのに必要とされた力を測定した。新たに剥離したマスキングテープを清浄なガラス板に貼り付け、剥離接着力を、上記に記載した同じインスツルメンターズ(Instrumentors)の滑り/剥離試験機を使用し、この場合も228.6cm/分および剥離角180度で剥離させて通常の方式で測定することによって、テープ再接着力も測定した。これらの剥離試験の結果を表3に示す。
細片のスコッチパフォーマンスマスキングテープ(SCOTCH PERFORMANCE MASKING TAPE) 233+の裏面は、対照試料として機能した。
Figure 2008525620
実施例26〜28および比較実施例C6
スコッチパフォーマンスマスキングテープ(SCOTCH PERFORMANCE MASKING TAPE) 233+の代わりに、スコッチマジックテープ(登録商標)(SCOTCH MAGIC TAPE) 810(スリーエム(3M Company)から入手可能)を使用した点以外は、上記に記載する方法に従って、本発明のコポリマーのいくつかを被覆し、試験した。細片のスコッチマジックテープ(登録商標)(SCOTCH MAGIC TAPE) 810の裏面は、対照試料として機能した。結果を下記の表4に示す。
Figure 2008525620
本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な修正形態および変更形態が、当業者に明らかになるであろう。本発明は、本明細書に記載された例示的実施形態および実施例によって不当に限定されるものではないこと、このような実施例および実施形態は、例として提示され、本発明の範囲は、以下の通りここに記載される特許請求の範囲によってのみ限定されるものでしかないことと理解されたい。

Claims (21)

  1. コポリマーであって、
    2つ以上のメルカプト官能基を含む少なくとも1種の共反応物質から誘導された繰返し単位、および
    (a)次式で表される少なくとも1種のフルオロケミカルアルコール:
    49−X−OH
    (式中、
    X=
    Figure 2008525620
    Figure 2008525620
    Figure 2008525620
    または
    Figure 2008525620
    R=水素、または1〜4個の炭素原子のアルキル基、
    m=2〜8、
    f=Cn2n+1
    n=1〜5、
    y=0〜6、
    q=1〜8)と、
    (b)少なくとも1種の非分枝状対称ジイソシアネートと、
    (c)そのアルキレン部分に2〜約30個の炭素原子を有する少なくとも1種のヒドロキシ末端アルキル(メタまたはア)クリレートまたは2−フルオロアクリレートモノマーと、
    の反応生成物を含むフルオロアクリレートから誘導された繰返し単位を含むコポリマー。
  2. Xが、
    Figure 2008525620
    である、請求項1に記載のコポリマー。
  3. 前記フルオロケミカルアルコールがC49SO2NCH3(CH22OHである、請求項1に記載のコポリマー。
  4. 前記非分枝状対称ジイソシアネートが4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートである、請求項1に記載のコポリマー。
  5. 前記ヒドロキシ末端アルキル(メタまたはア)クリレートまたは2−フルオロアクリレートモノマーが2−ヒドロキシエチルアクリレートである、請求項1に記載のコポリマー。
  6. (a)、(b)、および(c)の前記反応生成物が次式で表される:
    49−X−OC(O)NH−A−HNC(O)O−(Cp2p)(O)COC(R’)=CH2
    (式中、
    X=
    Figure 2008525620
    Figure 2008525620
    Figure 2008525620
    または
    Figure 2008525620
    R=水素、または1〜4個の炭素原子のアルキル基、
    m=2〜8、
    f=Cn2n+1
    n=1〜5、
    y=0〜6、
    q=1〜8、
    A=非分枝状対称アルキレン基、アリーレン基、またはアラルキレン基、
    p=2〜30、
    R’=H、CH3、またはF)、請求項1に記載のコポリマー。
  7. (a)、(b)、および(c)の前記反応生成物が、C49SO2N(CH3)C24OC(O)NHC64CH264NHCOOCH2CH2OC(O)CH=CH2である、請求項6に記載のコポリマー。
  8. 前記共反応物質が次式で表される:
    (B)n(Q−SH)k
    (式中、
    B=
    Figure 2008525620
    −(CH2b−、−(CH2CH2O)b−、−(CHCH3CH2O)b−、−(CH2CH2O)b−(CHCH3CH2O)b、−C48(OC48b−、−C24OC24OC24−、C65CR’’265−、および−(C24O)b65CR’’265(OC24b−からなる群から選択された多価セグメント;
    b=1〜100;
    R’’=CH3、CF3、またはH;
    Q=−(CH2b−、−C(O)(CH2a−、または−OC(O)(CH2a−;
    a=1〜10;
    n=1以上;
    k=2以上)、請求項1に記載のコポリマー。
  9. 前記共反応物質が次式で表される:
    HS(Q’−(B’)n−Q’S)b
    (式中、
    B’=−(CH2b−、−(CH2CH2O)b−、−(CHCH3CH2O)b−、−(CH2CH2O)b−(CHCH3CH2O)b、−C48(OC48b−、−C24OC24OC24−、C65CR’’265−、および−(C24O)b65CR’’265(OC24b−からなる群から選択された多価セグメント;
    b=1〜100;
    R’’=CH3、CF3、またはH;
    n=1以上;
    Q’=−OC(O)CH2CH2−または−C(O)CH2CH2−)、請求項1に記載のコポリマー。
  10. 前記共反応物質が次式で表される:
    (Rf’n(Q’’−SH)k
    (式中、
    f’=フッ素化アルキルまたはアルキレン基を含む多価セグメント;
    Q’’=−C(O)NH(CH2b−または−OC(O)(CH2b−;
    b=2〜12;
    n=1以上;
    k=2以上)、請求項1に記載のコポリマー。
  11. 前記共反応物質が次式で表される:
    Figure 2008525620
    (式中、
    1=独立して、同一でも、異なってもよく、アルキル、アリール、アルカリール、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、水素、およびフルオロアルキルからなる群から選択された1価部分;
    2=独立して、同一でも、異なってもよい2価の結合基;
    3=独立して、同一でも、異なってもよく、アルキル、アリール、アルカリール、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、水素、フルオロアルキル、および−ZSHからなる群から選択された1価部分;
    4=独立して、同一でも、異なってもよく、アルキル、アリール、アルカリール、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、水素、フルオロアルキル、および−ZSHからなる群から選択された1価部分;
    ここで、
    Z=2価の結合基;
    r=0〜3;
    s=10以上、
    t=0〜3;
    ここで、下記の少なくとも2つが真である:
    t=少なくとも1、
    r=少なくとも1、
    3は、少なくとも1つの−ZSH部分を含み、
    4は、少なくとも1つの−ZSH部分を含む)、請求項1に記載のコポリマー。
  12. 少なくとも1種のコモノマーから誘導された繰返し単位をさらに含む、請求項1に記載のコポリマー。
  13. 前記コモノマーが、(メタまたはア)クリレートまたはフルオロ(メタまたはア)クリレートである、請求項12に記載のコポリマー。
  14. 溶媒および請求項1に記載のコポリマーを含む組成物。
  15. 剥離コーティング組成物である、請求項14に記載の組成物。
  16. 請求項14に記載の組成物で被覆された1つ以上の表面を有する基板を含む物品。
  17. 前記基板が、ポリエチレンテレフタラート、ポリオレフィン、およびポリオレフィンで被覆された紙からなる群から選択された材料を含む、請求項16に記載の物品。
  18. 前記基板が繊維基材である、請求項16に記載の物品。
  19. 前記基板が不織基材である、請求項16に記載の物品。
  20. 請求項15に記載の組成物で被覆された1つ以上の表面を有する基板を含む物品。
  21. 剥離ライナである、請求項20に記載の物品。
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