JP2008520293A - 不正開封防止クロージャ - Google Patents

Abstract

本発明は、カバーキャップ（７）と、このキャップを注射器シリンダ（２）の針基（６）に固定する固定用リング（８）を包含する医療用注射器（１）のための不正開封防止クロージャに関するものである。カバーキャップ（７）と固定用リング（８）は、連結用ピース（１４）により連結されている。第１突起（１６）がカバーキャップ（７）から固定用リング（８）に向かって延びる。第２突起（１７）が固定用リング（８）からカバーキャップ（７）に向かって延びる。

Description

本発明は、医療用注射器のための不正開封防止クロージャに関するものである。この種の注射器は、ＤＥ１９５３７１６３Ｃ１から知られている。

従来公知の注射器は、針基を付けた注射器シリンダを具備する。カバーキャップが、針基を覆うのに役立つ。カバーキャップは、これから間隔をあけた固定用リングと連結用ピースにより連結されている。固定用リングを付けたカバーキャップは、注射器シリンダの針基の上を褶動し、これで、固定用リングは注射器シリンダに嵌着される。褶動時に連結用ピースが壊されないよう、カバーキャップか固定用リングかどちらかに、カバーキャップと固定用リングとの間隔を保つ突起が設けられている。

この種の不正開封防止クロージャは、しかしながら、注射器シリンダの縦軸と重なるカバーキャップの縦軸においてしか褶動できない。仮に、ねじ運動を実行できるようにするためにカバーキャップを回そうとした場合、連結用ピースに剪断力が加えられ、連結用ピースを引きちぎる結果となる。

ＤＥ１９９５６２４３Ａ１から、注射器及びそのための注射器キャップが推知できる。この注射器キャップは、注射器シリンダの先端に冠着できる内キャップを具備する。この内キャップの上に、外キャップ及びこれと連結用ピースにより連結されたスリーブが冠着されており、ここで、両者の間に雌ねじを付けたカフが設けられている。

ＤＥ６９５０３８２５Ｔ２から、開放の事実を知らせる機構を付けたプラスチックキャップが推知できる。ここで、プラスチックキャップは、上プレートからなるキャップ本体と、上プレートの周囲縁から下向きに延びるエプロン状の側壁セクションを具備し、かつ、このプラスチックキャップはそのエプロン状の側壁セクションの下端に周囲バンドセクションを具備する。

ＤＥ２０３０７３５６Ｕ１から、閉じた端と開いた端にねじキャップを具備する、容器用、特にキャニスタ用のねじ密閉栓が推知できる。円形の不正開封防止リング２０が突起を持ち、プルオフセグメントを介してねじキャップと連結されている。

ＤＥ２９８０７２４３Ｕ１から、工具を使ってねじ閉め、ねじ開けが可能で、子供に安全な、独創性を保証された容器密閉栓が推知できる。ここで、工具は容器密閉栓の開口部に差し込むことができる。

よって、本発明の課題は、カバーキャップの縦軸の方向における褶動が可能であるだけでなく、破壊なしに回転運動を実行することもできる、冒頭に挙げた種類の不正開封防止クロージャを提供することである。

この課題は、請求項１に記載の医療用注射器のための不正開封防止クロージャによって解決される。

本発明の好ましい形態が従属請求項に記されている。

カバーキャップ及び固定用リングに第１突起と第２突起を設けることにより、カバーキャップの回転運動が固定用リングに伝達されるので、剪断力を連結用ピースに吸収させなくて済む。これで、緊密な嵌め合いの場合でも、固定用リングをねじりながら注射器シリンダの針基に冠着することができる。

回転力は、両方の突起の互いに向き合うエッジがカバーキャップの縦軸に方向に延びるとき、カバーキャップから固定用リングに伝達されるのが好ましい。

好ましいのは、互いに向き合わない突起のエッジが傾斜していて、その結果、カバーキャップの逆回転によってカバーキャップが固定用リングから持ち上げられ、連結用ピースをちぎっていくことである。これで、固定用リングが注射器シリンダの針基からはずれることなく、カバーキャップは除去できることになる。残っている固定用リングにおいて、カバーキャップが除去されたことは認識できる。これで、カバーキャップが除去されたか否か利用者が何時でも判断できるという安全性が確保されたことになる。

本発明の更なる特徴及び合目的性は、図に則した一実施例の下記説明から明らかになる。図面の示すところは次の通りである。

下記説明において、図１に示した医療用注射器１は、そこに示した位置で使用される。医療用注射器１は、注射器シリンダ２、その中に導き入れられたピストン３、指押さえ４、及び、ピストン３の中にねじ込まれたピストンロッド５を具備する。ピストンがピストンロッドと共に導き入れられた側を下側と呼ぶ。反対側を上側と呼ぶ。注射器シリンダ２の上側に針基６が設けられている。針基６については下で詳述する。

本来の不正開封防止クロージャは、主としてカバーキャップ７及び固定用リング８からなる。

カバーキャップ７は、特に図６において分かる通り、下向きに開いた杯の形を呈する。カバーキャップ７は、その縦軸２６を中心としてほぼ回転対称の形をなしている。カバーキャップ７の開放端に相対する上側で、カバープレート９がカバーキャップ７と一体をなしている。カバープレート９は、後に説明する通り、回転工具を導き入れるほぼ円弧状の長穴１０を有する。カバーキャップ７の周囲側面は、力学的補剛用の溝１１を付けている。

図６及び７において最も良く分かる通り、カバーキャップ７は、その下端がねじ込みセクション１２の中まで広げられている。広げられたねじ込みセクション１２の中に、特に図７において分かる通り、雌ねじ２５が設けられている。広げられたねじ込みセクション１２の外周面にも補強縁１３が設けられている。

図３、４及び５において最も良く分かる通り、固定用リング８は、カバーキャップ７の下側と連結用ピースにより連結されている。連結用ピース１４は、本実施形態では、カバープレートの縦軸に関して対称形をなした台形を呈する。固定用リング８は、更に、固定用リング８をその周囲に沿って包囲する波形リブ１５を付けている。特に図５において分かる通り、カバーキャップ７の下縁に第１突起１６が設けられ、他方、固定用リング１５の上側に第２突起１７が設けられている。

特に図５において分かる通り、カバーキャップ７の下側の第１突起１６が固定用リング８の上側の第２突起１７に隣接して形作られている。第２突起１７の方を指し示す第１突起１６のエッジ１８は、ほぼカバーキャップ７の縦軸２６の方向に延びる。第１突起１６の方を指し示す第２突起１７のエッジ１９は、ほぼ固定用リング８の縦軸の方向に延びる。ここで、固定用リング８の縦軸はカバーキャップ７の縦軸２６と重なる。これに対し、第２突起１７に背を向けた第１突起１６のエッジは、特に図５において分かる通り、カバーキャップ７の縦軸２６に対して傾斜している。第１突起１６に背を向けた第２突起１７のエッジ２１は、図５に示す通り、固定用リング８の縦軸に対して傾斜している。

不正開封防止クロージャを使用するために、不正開封防止クロージャは医療用注射器１の針基６に冠着される。針基６は、そのために、カバーキャップ７の雌ねじ２５に対して相補的に形作られた雄ねじ２２を付けている。更に、針基６は、固定用リング８の周回する内表面２４に対して相補的に形作られた周囲表面２３を有する。特に図７において分かる通り、固定用リング８の周回する内表面２４は円錐形をなしているので、固定用リング８は、針基６の周回する外周表面２３に効果的に冠着できる。好ましくは、針基６の周回する外周表面２３も、固定用リング８の周回する内表面２４に対して相補的に円錐形をなしている。

不正開封防止クロージャの使用は、下記の仕方で行われる。図１に示した注射器にピストン３とピストンロッド５を付ける。注射器を充填する。注射器１を密封するために針基６に密閉栓（図示なし）を詰め込む。次に、カバーキャップ７と固定用リング８からなる不正開封防止クロージャを注射器２の針基６にかぶせてねじる。これで、カバーキャップ７の雌ねじが針基２の雄ねじ２２と噛み合う。カバーキャップ７を針基６にかぶせ、固定用リング８の周回する内表面２４が針基６の周回する外表面と噛み合い、固定結合を作るまで、ねじる。このねじり動作は、カバーキャップ７の第１突起１６の各々の真直エッジ１８が固定用リング８の第２突起１７の各々の真直エッジ１９と突き当たり、固定用リング８を連れていくことによって容易となる。これにより、カバーキャップ７を固定用リング８と連結する連結用ピース１４に剪断力は確実に加えられなくなる。これで、連結用ピース１４は相対的に弱い作りにすることが可能となる。このねじり動作は、図２に示した斜視図において時計回りで描かれている。これにより、図５において、カバーキャップ７は固定用リング８に相対して少し左へ移動し、これで、両方のエッジ１８及び１９は噛み合うことになる。連結用ピース１４により固定用リング８と連結されたカバーキャップ７が存在することは、注射器１が傷つけられていないことを指し示す。最後に、注射器１を選択的に滅菌する。

注射器を使用しようとするときは、カバーキャップを、図２に示した位置において反時計回りに回す。これで、図５において、カバーキャップ７は、自らの周回する内表面２４をもって注射器１の外周表面２３と摩擦で締め合っている固定用リング８に相対して右へ移動する。このカバーキャップ７の固定用リング８に対する相対移動は、連結用ピース１４がちぎれるまで実行される。その後、カバーキャップ７は自在にねじ山通りに回すことができる。第１突起１６の斜角エッジ２０と第２突起１７の斜角エッジ２１を利用して、第１突起１６は第２突起１７を越えていくことができ、これで、カバーキャップ７を固定用リング８に相対して回すことができ、カバーキャップ７をねじって針基６からはずすことが可能となる。

固定用リング８が針基６の上に存在することは、カバーキャップ７がはずされ、不正開封防止クロージャが壊されていることを指し示す。

図１は、医療用注射器の概略図である。 図２は、本発明に係る不正開封防止クロージャの一実施形態の斜視図である。 図３は、不正開封防止クロージャの実施形態の側面図である。 図４は、図３においてＡで表された領域の拡大図である。 図５は、図３においてＢで表された領域の拡大図である。 図６は、不正開封防止クロージャの実施形態の断面図である。 図５は、図６においてＣで表された領域の拡大図である。 図８は、不正開封防止クロージャの実施形態の平面図である。 図９は、図８においてＤで表された領域の拡大図である。

符号の説明

１ 医療用注射器
２ 注射器シリンダ
３ ピストン
４ 指押さえ
５ ピストンロッド
６ 針基
７ カバーキャップ
８ 固定用リング
９ カバープレート
１０ 円弧状長穴
１１ カバーキャップ７の周囲表面の溝
１２ 広げられたねじ込みセクション
１３ 補強縁
１４ カバーキャップ７を固定用リング８と連結する連結用ピース
１５ 固定用リング８の波形リブ
１６ カバーキャップ７の下側の第１突起
１７ 固定用リング８の上側の第２突起
１８ 第２突起１７に面した第１突起１６の真直エッジ
１９ 第１突起１６に面した第２突起１７の真直エッジ
２０ 第２突起１７に背を向けた第１突起１６のエッジ
２１ 第１突起１６に背を向けた第２突起１７のエッジ
２２ 針基６の雄ねじ
２３ 針基６の周回する外表面
２４ 固定用リング８の周回する内表面
２５ カバーキャップ７の雌ねじ
２６ カバーキャップ７の縦軸

Claims (7)

1. 注射器（１）の注射器シリンダ（２）の針基（６）を覆うカバーキャップ（７）を有し、
   前記カバーキャップ（７）が上カバープレート（９）を具備し、
   前記注射器シリンダ（２）の針基（６）に固定する固定用リング（８）を有し、
   前記カバーキャップ（７）と前記固定用リング（８）が互いに間隔をあけて連結用ピース（１４）により相互連結されており、
   前記カバーキャップ（７）に第１突起（１６）が前記固定用リング（８）に向かって延びる形で設けられており、
   前記固定用リング（８）に第２突起（１７）が前記カバーキャップ（７）に向かって延びる形で前記第１突起（１６）に隣接して設けられている
   医療用注射器（１）のための不正開封防止クロージャであって、
   前記第１突起（１６）と前記第２突起（１７）が、前記カバーキャップ（７）の回転運動を前記固定用リング（８）に伝達するために配置されており、かつ、
   前記固定用リング（８）の内表面（２４）が、前記注射器シリンダ（２）の針基（６）の外面（２３）との固定結合を作るべく形作られている
   ことを特徴とする不正開封防止クロージャ。
2. 前記連結用ピース（１４）が前記カバーキャップ（７）の縦軸の方向に対して傾斜している
   ことを特徴とする、請求項１に記載の不正開封防止クロージャ。
3. 前記連結用ピース（１４）が前記カバーキャップ（７）の縦軸に関して対称の台形を呈する
   ことを特徴とする、請求項１に記載の不正開封防止クロージャ。
4. 前記隣接する突起（１７、１６）に面した突起（１６、１７）のエッジがほぼ前記カバーキャップ（７）の縦軸の方向に延び、かつ、
   前記隣接する突起（１７、１６）に背を向けた突起（１６、１７）のエッジが前記カバーキャップ（７）の縦軸に対して傾斜している
   ことを特徴とする、請求項１〜３の１項に記載の不正開封防止クロージャ。
5. 前記カバーキャップ（７）が、前記注射器シリンダ（２）の針基（６）の雄ねじ（２２）と噛み合う雌ねじ（２５）を付けている
   ことを特徴とする、請求項１〜４の１項に記載の不正開封防止クロージャ。
6. 前記上カバープレート（９）の中に、回転工具を導き入れる円形の長穴（１０）が作られている
   ことを特徴とする、請求項１〜５の１項に記載の不正開封防止クロージャ。
7. 前記注射器シリンダ（２）の針基（６）が円錐形の外表面（２３）を有し、前記固定用リング（８）の内表面（２４）がそれに対して相補的である
   ことを特徴とする、請求項１〜６の１項に記載の不正開封防止クロージャ。

Images