JP2008512586A - 自動車のドアヒンジ補強具 - Google Patents

Abstract

【課題】自動開閉される自動車のドアに対し、自動車の車体に高価な装備を取り付けることなく、標準的な安価なヒンジを用いることができるようにするヒンジ補強具を提供する。
【解決手段】自動車のドアを回動可能に連結するヒンジ１の補強具10であって、ヒンジ１は、締着片２とヒンジ金具６を備え、締着片２は自動車の車体３に接合されるとともにヒンジピン５を支持し、ヒンジ金具６は、自動車のドア７に連結され、かつヒンジピン５に対向する側において、ヒンジピン５の回りに回動しうる２本の支持アーム９を有するようになっているヒンジ補強具10を、ヒンジ金具６に固定しうるよう、ヒンジ金具６と密着しうる形状とし、ヒンジピン５に対向する端部11をフォーク形状とし、この端部11を、ヒンジ金具６の２本のアーム９の間に位置するように、ヒンジピン５に嵌合して、ヒンジピン５により支持させ、ヒンジ金具６と対向する側において、ヒンジピン５の近傍に、ヒンジ金具６から落下することのないよう、ヒンジ金具６の孔13と嵌合する突起12を設け、ヒンジピン５と反対側の端部において、締着手段８により、ヒンジ金具６に連結させる。
【選択図】図１

Description

本発明は、自動車のドアヒンジの補強構造に係り、特に後部ドアを回動可能に連結するヒンジの補強具に関する。公知のヒンジは、ヒンジピンを支持し、かつ自動車の車体に連結しうる締着片と、自動車のドアに連結しうるヒンジ金具とを備えている。また、ヒンジ金具は、ヒンジピンの側において、ヒンジピンの回りに回動しうる、互いに２本のベアリングアームを有する。

後部ドアを自動的に開閉する駆動装置（後部ドアに締着される）を有する自動車においては、そのような駆動装置の付いていない後部ドア用のヒンジ（標準的なヒンジ）に比べて、高い負荷に耐えうるヒンジが必要である。このため、公知のヒンジを、高強度の鍛造ヒンジ、または断面積の大きいヒンジによって置き換えることが提案されている。

しかし、高強度の鍛造ヒンジ、または断面積の大きいヒンジには、製造コストが高いという欠点がある。また、このようなヒンジを用いる場合には、自動車の開発段階から、設置のためのスペースや外側への回転の動き等を考慮に入れなければならない。

下記の特許文献１および２によって、後部ドアの高い負荷に耐えうるよう、自動車の車体におけるヒンジ取付け部分を強化する構造が、公知となっている。しかし、このような構造も、自動車の組立て段階から、考慮に入れなければならないという難点がある。
特開平６−３４４７７４号公報 特開平１０−２０３１７０号公報

本発明は、上記事情に鑑みてなされてもので、自動開閉される自動車のドアに対して、自動車の車体に高価な装備を取り付けることなく、標準的な安価なヒンジを用いることができるようにするヒンジ補強具を提供することを目的としている。

本発明に係るヒンジ補強具は、ヒンジ金具に密着しうるよう、ヒンジ金具に対応する形状を有する。

また、ヒンジ補強具のヒンジピンに対向する側の端部は、フォーク形状であり、この端部は、ヒンジ金具の２本のアームの間に位置するように、ヒンジピンに嵌合され、ヒンジピンによって支持される。

さらに、ヒンジ金具に対向する側におけるヒンジピンの近傍には、ヒンジ金具から落下するのを防止するためのヒンジ金具の孔に嵌合する突起を設ける。

ヒンジ補強具は、ヒンジピンと反対側の端部において、ヒンジを自動車のドアに締着する締着手段を介して、ヒンジ金具へ締着されることにより、負荷を受けることとなる。

本発明に係るヒンジ補強具は、自動車のドアにヒンジを取り付ける前または後に、ヒンジを変形させたり、取り外したりすることなく、ヒンジに装着することができる。

本発明に係るヒンジ補強具のために、特別の設置スペースを設ける必要はなく、またヒンジの回転角度が制限されることもない。

本発明のヒンジ補強具を装着するには、ヒンジ金具に、ヒンジ補強具における突起を嵌合させうる孔を設けるだけでよい。

本発明の上記以外の特徴および有利な効果は、添付の図面を参照して行う、以下の実施形態の説明から明らかになると思う。

図１は、自動車の後部ドアに用いられる、外方へ回転する公知のヒンジ（標準的なヒンジ）１を示す。後部ドアヒンジ１は、この後部ドアヒンジ１を自動車の車体３（破線で示す）に取り付けるための締着片２を備えている。締着片２は、ヒンジピン５を支持する２本のアーム４を有している。

また、後部ドアヒンジ１は、ヒンジピン５の回りに回動しうるヒンジ金具６を備えている。ヒンジ金具６は、後部ドア７（自動車の車体と同様に破線で示す）に、２本の締付けねじ８（一点鎖線で示す）によって取り付けられている。後部ドア７は、この後部ドア７を開閉する駆動装置（図示せず）を支持している。ヒンジ金具６のヒンジピン５と対向する側には、ヒンジピン５が挿通される２本のアーム９が設けられている。

スチール製のヒンジ補強具10は、軸方向100においてヒンジ金具６よりも細く、かつヒンジ金具６と対応する形状を有し、ヒンジ金具６の下方に取り付けられている。ヒンジ補強具10は、ヒンジ金具６の少なくとも一部に密着して、使用時には、ヒンジ金具６を支持する。

ヒンジ補強具10におけるヒンジピン５側の端部11は、フォーク形状とされている。このため、端部11は、ヒンジ金具６の２本のアーム９の間に位置するように、下方からヒンジピン５に嵌め合わせることができ、ヒンジピン５によって支持される。フォーク形状の端部11は、ベアリングとして働くため、テフロン（登録商標）塗装された部分11'を有している。

さらに、ヒンジ補強具10は、ヒンジ金具６と対向する側（図２では上面の湾曲した領域）において、突起12を有している。この突起12は、ヒンジ補強具10が、ヒンジ金具６から落下して、再度位置合わせをしなければならなくなるのを防止するため、図２では上方に位置するヒンジ金具６の対応する孔13に嵌合するようになっている。ヒンジ補強具10は、まずヒンジピン５に嵌合し、ついでヒンジピン５の回りに回動させることによって、ヒンジ金具６に密着させる。

ヒンジ補強具10におけるフォーク状の端部11と反対側に位置する端部14には、ヒンジ金具６における２つの孔16のうちの一方と一致する孔１５が設けられており、これらの孔15,16に通した締付けねじ８によって、ヒンジ金具６に固定されている。

ヒンジ補強具10の装着には、ヒンジ金具６を自動車のドア７に締着する２本の締付けねじ８のうちの１本だけが用いられるため、予め車体３と整列させてある後部ドア７の位置が影響を受けることはない。

本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に限定されるものではない。ヒンジ補強具の幅は、ヒンジ金具のそれとほぼ同じにすることもできる。また、ヒンジ補強具は、軽金属またはこの合金から形成することもできる。

本発明に係るヒンジ補強具を取り付けた、後部ドア用ヒンジの斜視図である。 図１に示す後部ドア用ヒンジにおけるヒンジ補強具の斜視図である。

符号の説明

１ 後部ドアヒンジ
２ 締着片
３ 自動車の車体
４ アーム
５ ヒンジピン
６ ヒンジ金具
７ 後部ドア
８ 締着手段（締付けねじ）
９ アーム
10 ヒンジ補強具
11 端部
11' テフロン（登録商標）塗装された部分
12 突起
13 孔
14 端部
15,16 孔

Claims (4)

1. 自動車のドアを回動可能に装着するヒンジ(１)の補強具であって、前記ヒンジ(１)は、締着片(２)とヒンジ金具(６)を備え、前記締着片(２)は自動車の車体(３)に取り付けられるようになっているとともにヒンジピン(５)を支持し、前記ヒンジ金具(６)は、自動車のドア(７)に連結され、かつ前記ヒンジピン(５)に対向する側において、このヒンジピン(５)の回りに回動しうる２本の支持アーム(９)を有するようになっているものにおいて、
   ａ）ヒンジ金具(６)に固定しうるよう、ヒンジ金具(６)に対応する形状を有しており、
   ｂ）ヒンジピン(５)に対向するフォーク形状の端部(11)を有し、この端部(11)は、ヒンジ金具(６)の２本のアーム(９)の間に位置するように、ヒンジピン(５)に嵌合されるとともに、ヒンジピン(５)によって支持されており、
   ｃ）ヒンジ金具(６)と対向する側において、ヒンジピン(５)の近傍に、ヒンジ金具(６)から落下することのないよう、ヒンジ金具(６)の凹部(13)に嵌合する突起(12)を有し、
   ｄ）ヒンジピン(５)と反対側の端部において、締着手段(８)を介して、ヒンジ金具(６)に連結されていることを特徴とするヒンジ補強具。
2. スチール、軽金属、または軽金属の合金から形成されることを特徴とする請求項１記載のヒンジ補強具。
3. 前記締着手段(８)は、ヒンジ金具(６)を自動車のドア(７)に締着する役割をも果たすようになっていることを特徴とする請求項１または２記載のヒンジ補強具。
4. 前記フォーク形状の端部(11)は、ベアリングとして働く、テフロン（登録商標）塗装された部分(11')を有することを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載のヒンジ補強具。

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