JP2008512151A - 生物活性剤用の制御放出送達系 - Google Patents

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Abstract

本発明は、生物活性化合物およびマトリックス担体を含む制御放出送達系であって、前記マトリックス担体が、前記生物活性化合物が装填されたアモルファスマイクロポーラス非繊維状のケイ素またはチタンの酸化物であり、前記マトリックス担体のマイクロ細孔が0.4〜2.0nmの範囲の平均サイズを有する制御放出送達系を提供する。

Description

発明の分野
本発明は、一般的に、制御放出送達系、ならびに制御された速度での経時的な生物活性剤の放出、ならびに作用部位への所定の様式および所定の期間での前記生物活性剤の送達に関する。
より詳しくは、本発明は、浸食に抵抗性であり少なくとも一部が分子分散形態の生物活性剤を含むアモルファスマイクロポーラス酸化物マトリックスからの、好ましくは、マイクロポーラスアモルファスシリカまたはチタニアからの生物活性剤の制御放出に関する。このような制御放出送達系は、2つの工程手順を用いて調製される。マイクロポーラス貯蔵体(reservoir)(マトリックス担体)をまず合成する。第2の工程では、栄養補助食品、治療用薬剤、栄養補給食品または医薬品として有用な生物活性剤または分子を多孔質貯蔵体(マトリックス担体)内に導入する。制御放出送達系は、マイクロ構造体(例えば、マイクロ粒子、ミクロスフェア、またはミクロン粉末)、またはマクロ構造体(例えば、錠剤、丸剤、ペレット剤または顆粒剤)で構成されたものであり得る。
発明の背景
生物活性剤、例えば薬理学的に活性な薬剤を制御された様式で放出するために研究されてきた薬物投与のさまざまな経路のうち、経口経路は、断然注目されている。かかる制御放出は、所定の期間、予測可能で再現可能な反応速度論で、好ましくは既知の作用機序で活性成分の連続的送達を提供する系を示唆する。また、該投薬形態は、全身的または局所的作用のために胃腸管内の特定の領域内への薬物放出を可能にするはずである。
投薬形態の改良による制御放出は、種々の物理化学的原理、例えば、溶解、拡散、浸透圧などに依存する。粘膜接着(muco−adhesion)は、依然として低頻度で使用されているが、イオン交換は、ほぼ廃れてしまった。
今日、多くの制御放出調製物が承認され、市場に出ているが、薬物の利便性を改善するため、有効性を増大させるため、または毒性もしくは副作用を低減させるために、制御放出投薬形態を最適化する必要性がなお存在する。実際、現在利用可能な手法は、既存の制御放出製剤を、高齢者や小児などの、ある特定集団の患者のニーズに適合させるための柔軟性を欠く。またさらに、改善された制御放出経口送達系は、現在、非経口で投与しなければならないいくつかの薬物で、注射から経口摂取形態への切り替えを誘導し得る。また、ある特定の医薬では、薬物の利便性が、毎日飲まなければならない丸剤または錠剤の量を減らすことにより、相当改善され得る。また、利用可能なモノリスマトリックス型投薬形態では、貯蔵体系に伴う望ましくない薬物廃棄(dose dumping)または初期バースト効果が依然としてみられる。
いくつかの型のシリカ系薬物送達系が、制御薬物送達の最適化に鑑みて研究されている。このような製剤中のシリカは、各々、治療用化合物が拡散により溶出(elude)される多孔質貯蔵体として作用し得る。他の製剤では、シリカは生体内分解性形態で存在する。生体内分解性は、投与後のシリカマイクロ構造の漸進的崩壊をいい、これは、生物活性化合物の送達を助長する。生体内分解性製剤は、多くの場合、シリカ−薬物複合体のキセロゲルまたは繊維を主成分とする。
アモルファスおよびパラクリスタルな材料は、産業上の用途において長年使用されてい
る多孔質無機固形物の重要な類型を示す。このような材料の典型例は、触媒配合物に一般に使用されているアモルファスシリカ、ならびに固形酸触媒および石油改質触媒支持体として使用されるパラクリスタルな転移性アルミナである。用語「アモルファス」は、本明細書において、長距離規則度(long range order)を有しない材料を示すために用いる。このような材料を示すために用いられている別の用語は、「X線中性(indifferent)」である。例えば、シリカゲルのマイクロ構造体は、10〜25nm粒子の高密度アモルファスシリカからなり、粒子間の空隙に由来する多孔性を有する。このような材料内には長距離規則度がないため、孔径は、かなり広範囲にわたって分布する傾向にある。また、この規則度の欠如は、X線回折パターンにおいて顕在化され、通常、特色がない。
転移性アルミナなどのパラクリスタル材料もまた、広範な分布の孔径を有するが、規定されるX線回折パターンはより良好であり、通常、2〜3個の広いピークからなる。このような材料のマイクロ構造は、非常に小さい結晶性領域の凝縮されたアルミナ相からなり、該材料の多孔性は、これらの領域の不定形な空隙によって生じる。いずれの材料の場合も、材料内の細孔のサイズを制御する長距離規則度がないため、孔径の変動性は、典型的にはかなり高い。このような材料の孔径は、約1.3nm〜約20nmである。
これらとは著しく対照的に、構造的に不明確な固形物は、その材料のマイクロ構造の正確に繰り返された結晶性により制御されるため、その孔径分布が非常に狭い材料である。このような材料は「分子ふるい」と呼ばれ、その最も重要な例はゼオライトである。
ゼオライトは天然および合成のどちらも、これまでに、種々の型の炭化水素変換のための触媒特性を有することが示されている。ある種のゼオライト系材料は、X線回折によって測定したとき明確な結晶性構造を有する規則的な多孔質結晶性アルミノシリケートであり、その内部には多数の小さな空洞があり、これらは、いくつかのさらに小さなチャネルまたは開口(window)によって相互に連結されていることもあり得る。このような空洞および細孔は、特定のゼオライト材料内ではサイズが均一である。このような細孔の寸法は、例えば、ある特定の寸法の吸着分子を受容するが、より大きな寸法のものは拒絶するようになっているため、このような材料は「分子ふるい」として知られ、このような特性を利用する多様な様式で用いられている。
かかる分子ふるいとしては、天然および合成のどちらも、多種多様な陽イオン含有結晶性シリケートが挙げられる。このようなシリケートは、SiOと周期表第IIIB族元素の酸化物(例えば、AlO)との剛性の3次元骨格であって、四面体は酸素原子を共有することにより架橋され、酸素原子に対する第IIIB族および第IVB族(例えば、ケイ素)原子の合計の比が1:2であるものと説明され得る。結晶性マイクロポーラス二酸化ケイ素の多形体は、このような組成の材料ファミリーの末端の組成の構成員を示す。このようなシリカ分子ふるいは、カチオン交換能を有しない。
一般的に、多孔質物質は孔径によって分けられ、例えば、2nmより小さい孔径はマイクロポーラス物質に分類され、2〜50nmの間はメソポーラス物質に分類され、50nmより大きいとマクロポーラス物質に分類される。マイクロ細孔は、1.5nmより小さいウルトラマイクロ細孔、および1.5〜2nmの自由直径を有するスーパーマイクロ細孔に簡便に細分される。多孔質物質のうち均一なチャネルを有するもの、例えば、ゼオライトは、分子ふるいと規定される。これまでに、数百に至る型の種が見い出され、合成されている。ゼオライトは、選択的吸着、酸性度およびイオン交換可能性などのその特徴の効によって、現代化学産業において触媒または担体として重要な役割を果たす。しかしながら、触媒変換反応などに使用され得る反応体の分子サイズは、ゼオライトがウルトラマイクロ細孔分子ふるいであるため、ゼオライトの孔径によって制限される。例えば、ZS
M−5ゼオライトを接触分解反応に適用した場合、その反応性は、反応体がn−アルカンからシクロアルカンおよびさらに分枝アルカンに変化するにつれて、有意に減少する。したがって、ゼオライトのものより大きい細孔を有する分子ふるいを合成するために、世界中で、多大な努力がなされた。その結果、伝統的なゼオライトのものより大きなマイクロ細孔径を有するAlPO、VPI−5、CloverliteおよびJDF−20が開発された。しかしながら、これらの分子ふるいでは、ウルトラマイクロ細孔サイズ制限を超えることができない。
これまでに知られている固形物質の中で、多孔質結晶性ケイ酸アルミニウムおよび多孔質結晶性リン酸アルミニウム(AlPO)に代表されるゼオライトのような、均一なチャネルを有するものは、チャネル侵入口のサイズより小さい分子を選択的に吸着するか、または分子がチャネルを通過するのを可能にするため、分子ふるいと規定される。結晶学の観点では、ゼオライトは、充分に結晶性の物質であって、原子およびチャネルは、完全な規則正しさで配列されている。このような充分に結晶性の分子ふるいは、天然で、または水熱反応によって合成により得られる。これまでに得られた、または合成された充分に結晶性の分子ふるいの数は、数百種類にのぼる。これらは、選択的吸着、酸性度およびイオン交換可能性などのその特徴の効によって、現代化学産業において触媒または支持体として重要な役割を果たす。ゼオライトの特徴を用いる例示的な現行の触媒的処理としては、ZSM−5を用いる石油分解反応、および白金が含浸されたKL−ゼオライトを用いるパラフィンの芳香族変換反応が挙げられる。充分に結晶性の分子ふるいの大きな問題は、結晶内部の活性部位が、約1.3nmより大きいサイズの分子に接近可能でないことである。
一連の規則性のメソポーラス材料、例えば、MCM−41およびMCM−48が、米国特許第5,057,296号および同第5,102,643号において報告された。このような規則性の材料は、均一なサイズのメソ細孔が規則正しく配列された構造を示す。MCM−41は、直線的なメソ細孔の六角形の配列(例えば、ハニカムなど)を示す均一な構造を有し、通常のBETによって測定したとき約1,000m/gの比表面積を有する。
既存の分子ふるいは、無機または有機カチオンを鋳型として用いることにより作製されているが、規則性のメソポーラス材料は、界面活性剤を鋳型として用いることによる液晶鋳型経路によって合成される。これらの規則性のメソポーラス材料は、その孔径が、界面活性剤の種類または作製プロセス中に用いる合成条件を制御することにより、1.6〜10nmの範囲に調整され得るという利点を有する。
SBA−1、−2および3で指定される規則性のメソポーラス材料が、Science(1995)268:1324において報告された。そのチャネルは規則正しく配列されているが、構成原子は、アモルファスシリカのものと同様の配列を示す。規則性のメソポーラス材料は、既存のゼオライトのものより大きい規則正しく配列されたチャネルを有し、したがって、比較的大きな分子の吸着、単離または触媒による変換反応への適用が可能である。
米国特許第6,592,764号には、酸性媒体中で両親媒性ブロックコポリマーを用いることによる、高品質で水熱的に安定なウルトラ大孔径のメソポーラスシリカの一ファミリーが開示されている。該ファミリーの一構成員であるSBA−15は、高度に規則性で二次元の六角形ハニカム、六角形格子(cage)または立方格子のメソ構造を有する。500℃での焼成により、690〜1,040m/gの大きなBET表面積、ならびに2.5cm/gまでの細孔容積、7.45〜45nmのウルトラ大d(100)間隔、4.6〜50nmの孔径および3.1〜6.4nmのシリカ壁厚さを有する多孔質構造
体が得られる。SBA−15は、広範な比(specific)孔径および細孔壁厚さにわたり、低温(35〜80℃)で多様な市販の非毒性で生分解性の両親媒性ブロックコポリマー(例えば、トリブロック(triblock)ポリオキシアルキレン)を用いて容易に調製され得る。米国特許第6,592,764号には、薬物送達におけるかかる材料の使用は示唆されていない。
米国特許第6,630,170号には、塩酸、ビタミンEおよびシリカ源を含む混合物から調製されたメソポーラス組成物が開示されており、該組成物において、前記ビタミンEは、鋳型分子としての機能を果たし、前記メソポーラス組成物は均一な孔径を示す。米国特許第6,630,170号には、かかる組成物を水不溶性薬物用の薬物送達手段として用いることが示唆されているが、薬物放出プロフィールは、なんら示されていない。
米国特許第6,669,924号には、2〜50nmの範囲の直径および少なくとも4nmの厚さを有する壁を有する均一なサイズのメソ細孔の立体規則性の配列ならびにマイクロポーラスナノ結晶性構造を有するメソポーラスゼオライト系材料が開示されており、該メソ細孔壁は、1.5nm未満の直径を有する均一なサイズのマイクロ細孔の立体規則性の配列を有する。米国特許第6,669,924号には、薬物送達におけるかかる材料の使用は示唆されていない。
WO 2005/000740には、ゼオライト骨格を有するナノメートルサイズの構成単位の集成によって得られる規則性のメソポーラスシリカ材料(ゼオライト−4など)が開示されており、前記シリカ材料は、2つ以上のレベルの多孔性および構造的規則度を有する。該材料において、前記ナノメートルサイズの構成単位の内部構造は、前記結晶性メソポーラスシリカ材料の粉末X線回折パターンにおいてBragg型回折を生じない。WO 2005/000740の図5は、20%イトラコナゾールを80%ゼオライト−4中に分散させることにより得られる非常に高速の薬物放出(10分後に63%)を示す。
薬物送達用途のためのシリカ質ゼオライトおよび規則性のメソポーラスシリカ材料の使用は、過去数年で有望な手法として浮上した。精製天然ゼオライトと薬物との組合せが研究されている。かかるゼオライトは、薬物分子を分解せず、胃を通過する間、良好な安定性を有し、ヒトに対して生物学的損傷をもたらさないことが示された。
ゼオライトと比べ、MCM−41などの規則性のメソポーラス材料は、直径が2nmを超える大きな細孔および大きな細孔容積を有する。かかる材料は、その連続多孔性により、吸着およびその後の治療活性を有する多様な分子(イブプロフェンなど)の遅延放出のための潜在的なマトリックスとして適性となる。
いくつかのゾルゲル処理薬物−シリカ複合材料が、制御薬物放出について研究されている。ゾルゲル型シリカの使用を伴う構想の1つは、生体内分解性シリカ−薬物複合体の合成である。クエン酸トレミフェンおよび塩酸デキスメデトミジンがシリカ粒子内に、薬物物質の存在下、テトラエチル−オルトシリケート(以下、本明細書においてTEOSという)から出発する重合プロセスを用いてカプセル封入された(Kortesuoら、Biomaterials 21(2000)193−198;Aholaら、Int.J.Pharm.195(2000)219−227;Kortesuoら、Int.J.Pharm.200(2000)223−229)。タンパク質医薬の存在下で合成されるゾルゲル型シリカはまた、トリプシンインヒビター(Santosら、Biomaterials 20(1999)1695−1700)およびムコ多糖ヘパリン(Aholaら、Biomaterials 22(2001)2163−2170)などのタンパク質の制御放出のための生体内分解性担体材料として用いられた。ゾルゲルアプローチを用
いて調製されるこのようなシリカ系薬物放出系では、薬物分子は、重合中およびシリカマトリックスの加工処理中に導入される。重合は、薬物化合物が改変されないようにするため、比較的温和なpH条件下で行なわれる。このような薬物−シリカ複合材料からの薬物分子の放出は、生体内分解および細孔拡散機構の組合せによって起こる。
シリカゲル系の薬物送達系を作製するための別のアプローチは、薬効化合物の非存在下でのシリカの合成後、乾燥および焼成してキセロゲルを得、次いで、この焼成材料に適切な薬物を装填することである。
ゾルゲルアプローチにより、多種多様なシリカ材料の合成が可能になる。TEOSの加水分解および縮合によって調製されたゾルゲル処理されたシリカ材料の材質感および特性は、化学組成、ゲル形成時の温度およびpH、ならびに乾燥条件に依存する。特に、シリケート網目と多孔性の連結性は、水/アルコキシド比、および加水分解および縮合に用いる触媒の性質に依存する。モル比r=水/アルコキシド(一般に、加水分解モル比と呼ばれる)は、加水分解および重合反応のシーケンスを決定する。10を超えるr値では、加水分解および縮合反応は、連続する工程で起こる。アルカリ性媒体中では、球状シリカゾル粒子が形成され、これは、最終的に、ゾルゲル転移点でゲルの網目を形成する。塩基性条件下では、分枝シリケート鎖および球状ゾル粒子が好ましく、これは、オストワルト熟成プロセスによって均一な円筒状細孔を有するメソポーラスマトリックスに発展するゲルに変換され得る。より低いr値では、加水分解および縮合は同時に進行する。シリケートポリマーの線形成長は、強酸性媒体において有利である。水が欠乏状態の条件下(低r値)では、シリケート粒子は、残留アルコキシ基を含有する。このような残留有機基を焼成によって注意深く除去することにより、非常に狭い孔径分布を有するマイクロ細孔が得られ得る。
薬物放出系の分野では、これまで、シリカ重合プロセス自体に薬物物質を組み込むために、低r値での酸触媒型シリカ重合のみが使用されていた。かかる適用では、使用前に酸を製剤から除去し得ないことから、薬物物質の劣化を回避するため、および非刺激性薬物送達系を得るために弱酸性条件を用いなければならない。
Adv.Mater.(1993)5:726−730において、Maierらは、分子のサイズ排除ができるマイクロポーラス膜の調製に有用なマイクロポーラスアモルファス酸化物の合成を報告した。酸性条件(高濃塩酸)下でのテトラエトキシシラン(TEOS)の重合および加水分解モル比(r値)が1で始めるゾルゲル技術を用いることにより、繊維状物質でなはくゲルの形成が説明された。MaierらはHCl/TEOSモル比0.30を用い、その後、シリカゲルの焼成および吸蔵(occlude)されたアルコキシ基の除去を行なった。特に、0.6nmの最大細孔直径、800m/gのBET表面積および0.25cm/gのマイクロ細孔容積を有するマイクロポーラスシリカが得られた。狭いモノモード細孔分布および1nm未満の最大孔径を有するマイクロポーラスのチタニア、ジルコニアおよびアルミナが、同様の手順を用いてMaierらによって調製された。
EP−A−812,305には、混合金属酸化物のマトリックスからなるマイクロポーラスアモルファス非セラミックガラスが開示されており、該ガラスにおいて、材料の細孔の約90%が0.3〜1.2nmの有効直径および本質的に同じ孔径および50m/gより大きい表面積を有し、これは、例えば、酸化の誘導、水素付加、水素化分解および縮合のための不均一系触媒に有用である。同様のマイクロポーラスシリカ材料、すなわち、パラフィンの水系異性化の触媒変換における使用のための、アモルファスシリカアルミナゲル(X線回折によって測定)および第VIIIA族に属する1種類以上の金属からなる二元機能触媒がEP−A−590,714に記載されている。また、EP−A−876,
215には、乾燥形態で、狭い孔径分布、3nm未満の直径を有するマイクロ細孔および20〜1,000m/gの全表面積を有し、0.1〜20重量%の割合の非加水分解性有機基を含むマイクロポーラスアモルファス混合酸化物が開示されている。しかしながら、Maierらにも、後者の特許のいずれにも、薬物送達におけるかかる材料の使用は教示されていない。
Radinらによれば、Biomaterials(2002)15:3113−22において、室温で加工処理したシリカ系ゾル−ゲル(シリカキセロゲルと称する)は、生物学的に機能性の分子を制御された様式で放出し得る多孔質で分解性の材料である。Barbeらによれば、Advanced Materials(2004)16:1959−1966において、マイクロポーラス固形物内部での分子の拡散は、メソポーラスゲル内部よりもずっと低速である。これにより、酸触媒反応を用いて合成されるゲルでは、塩基性条件を用いて合成されるものよりも有意に小さい放出速度がもたらされる。
本明細書において上記の先行技術によって明示されるように、当該技術分野において、特定の制御放出速度、特に、低速または遅延型または持続性の放出速度を伴う酸化ケイ素材料系の薬物送達系の必要性が存在する。また、当該技術分野において、特定の多孔性を有する酸化ケイ素材料が、薬物の非存在下で作製され得、後で薬物を広範な薬物装填量内で装填し得るかかる薬物送達系の必要性が存在する。
発明の概要
本発明は、マイクロポーラスアモルファスシリカおよびチタニア材料、例えば、限定されないが、Maierら(前掲)によって記載されたものなどが、制御放出送達系の製造のための賦形剤として特に適し、生物活性剤の形成における使用に卓越した特徴を有するという予期しない知見に基づく。
本発明の特別な利点の一つは、アモルファスマイクロポーラス非繊維状の材料、例えば、限定されないが、マイクロポーラス酸化物に、生物活性剤を容易に装填し得ること、および作用部位での前記生物活性薬剤の放出様式および放出期間を予め決定するために随意に修飾し得ることである。特に、本発明は、
(i)ナノメートルからミリメートルまで、またはその組合せの選択された範囲の粒子によって構成されるマクロ体またはマイクロ粒子状系を含むものであり得るアモルファスマイクロポーラス送達系の形状またはサイズを変更することによって得られ得る、アモルファスマイクロポーラスシリカまたはマイクロポーラス酸化物内に装填された生物活性剤の拡散パス長を制御すること、ならびに
(ii)合成の条件を変更することよって得られ得る、アモルファスシリカ体の孔径およびマイクロ細孔容積または表面積を調整することにより、投薬形態が所定のインビボ薬物放出プロフィール、好ましくは、低速または持続または遅延放出性を有するように患者への投与のための制御放出投薬系を最適化するための容易な方法を伴う。
本発明の制御放出送達系のこの柔軟性は、
−胃腸副作用の可能性を低減する大きな分布面積を得ることを可能にする;
−単回投薬形態において、各生物活性剤がそれ自体の特異的放出プロフィールを必要とする場合、いくつかの異なる生物活性剤(例えば、薬物化合物)の組合せを可能にする、および
−ピーク血中レベルを減少させて、生物活性剤(1つまたは複数)の毒性の潜在性または副作用を低減し、所望される場合は、最適な薬物動態プロフィールに関して前記生物活
性剤(1つまたは複数)の二重形態(bimodal)および/または多重形態の送達を達成する可能性を有する。
本発明は、作用部位への生物活性化合物または薬剤の制御放出に適合させた送達系であって、生物活性化合物およびマトリックス担体を含む該制御放出送達系において、前記マトリックス担体が、前記生物活性化合物が装填されたアモルファスマイクロポーラス非繊維状の酸化物であり、前記マトリックス担体のマイクロ細孔が0.4〜2.0nmの範囲の平均サイズを有することを特徴とする送達系に関する。
マイクロポーラス担体の化学組成は、シリカまたはチタニアを主成分とするものであり得る。本発明は、マイクロポーラス材料、特に、アモルファスマイクロポーラスシリカ材料が、1種類以上の生物活性剤の放出、特に、経口投与される治療用薬剤の放出を制御するための優れた担体であるという予期しない知見に基づく。本発明により、マイクロポーラス担体材料のサイズ適合化による正確な治療用量の経口薬物の投与が可能になる。本発明の制御放出薬物送達系に適したアモルファスマイクロポーラスシリカは、限定されないが、酸触媒ゾル−ゲル条件下、低含水量(すなわち、低い加水分解モル比、r値)で調製され得る。例えば、アモルファスマイクロポーラスシリカは、強酸性条件および低r値を用いながら、TEOSまたは他の類似のシリコンアルコキシドから調製され得る。マイクロポーラスマトリックス材料は、該ゲルの焼成によって得られる。マイクロポーラスチタニアは、それぞれの要素のアルコキシドを用いることにより同様に得られ得る。治療用薬物分子は、有機溶液からの吸着後、エバポレーションによる溶媒の除去によって、アモルファスマイクロポーラスシリカ内に装填され得る。ゼオライトなどの結晶性マイクロポーラス材料と比べた本発明のアモルファスマイクロポーラスシリカ材料の重要な利点は、粒径を、ナノメートルからミリメートルの範囲に容易に適合および調整し得ることである。放出パターンは、拡散率および拡散パス長に依存する。拡散率は、細孔構造、孔径および親水性に感受性である。拡散パス長は、適当な粒径を選択することにより適合させ得る。一実施形態では、該ゲルをミニ鋳型内で鋳造し、マイクロポーラス体に変換させ得る。あるいはまた、粒子微細化手法を用いることにより、ゲル体を所望の均一な粒径に微細化させ得る。この微細化は、焼成工程前、またはゲルの焼成後に行ない得る。合成ゼオライトおよび規則性のメソポーラス材料の使用に関連する欠点は、その合成手順にある。シリカ質合成ゼオライトおよび規則性のメソポーラス材料の合成は、多くの場合かなり高価で多くの場合毒性である有機鋳型分子の使用を伴う。合成後、このような有機鋳型分子は、焼成によって除去されなければならない。廉価で単純な非毒性ゾル−ゲル型合成プロセスを使用することにより、アモルファスマイクロポーラスシリカは、治療薬の制御送達のための魅力的な材料となる。
本発明の一実施形態は、経口投与に適合させた制御放出送達系であり、ここで、マトリックス担体材料は、好ましくは非浸食性であり、生物活性化合物は、好ましくは生理学的活性化合物または栄養学的に活性な化合物である。
一実施形態では、本発明の送達系は、マトリックス担体の少なくとも1種類のモノリスマクロ体を含む。本発明の別の実施形態では、マトリックス担体は、多粒子状、例えば、ナノ粒子状、マイクロ粒子状またはマクロ粒子状の形態である。
本発明の好ましい実施形態では、ケイ素またはチタンの酸化物マトリックス担体は、モノモード孔径分布を有すること、およびその孔径が、送達対象の生物活性化合物の分子サイズに応じて調整されていることを特徴とする。平均細孔直径は、好ましくは、約0.5nm〜2.0nm、例えば、約0.5〜約1.2nmの範囲である。
本発明のまた別の好ましい実施形態では、マトリックス担体は、少なくとも0.01m
l/g、より好ましくは少なくとも0.05ml/g、最も好ましくは少なくとも0.10ml/gかつ最大0.52ml/gのマイクロ細孔容積を有することを特徴とする。例えば、本発明によるシリカマトリックス担体は、0.10ml/g〜0.22ml/gのマイクロ細孔容積を有し得る。
本発明のまた別の好ましい実施形態では、マトリックス担体は、少なくとも25m/g、より好ましくは少なくとも150m/g、最も好ましくは少なくとも250m/gかつ最大1,000m/gのBET表面積を有することを特徴とする。例えば、本発明によるシリカマトリックス担体は、250〜750m/gのBET表面積を有し得る。特定の実施形態では、本発明によるシリカマトリックス担体は、0.10ml/g〜0.22ml/gのマイクロ細孔容積および250〜450m/gのBET表面積の両方を有する。
本発明のまた別の実施形態は、約0.4〜2.0nmの平均サイズを有する本発明のマトリックス担体、すなわち、アモルファスマイクロポーラス非繊維状酸化物(好ましくは、シリカまたはチタニア)の細孔内で少なくとも部分的に分子分散状態である治療有効量の生物活性剤(すなわち、医薬)を含む(好ましくは、これらから本質的になる)医薬投薬形態である。本発明に従った制御放出を得るためには、生物活性剤の分子分散は相当量、好ましくは少なくとも50%分子分散、より好ましくは少なくとも80%分子分散である(これは、示差走査熱量測定によって明示され得る)ことが重要である。
本発明は、生物活性化合物(薬物装填)の割合が、広い範囲内、例えば、送達系または投薬形態の1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは3〜20重量%で異なり得る制御放出送達系および投薬形態を作製するのに有用である。
定義
用語「ゾル」は、本出願書類で用いる場合、マイクロメートル範囲またはより小さい
粒径を有する固形物が懸濁された連続的な液相(例えば、水相)を有するコロイドを意味する。ゾルは、コロイド状懸濁液と同義である。
用語「ゲル」は、本明細書で用いる場合、コロイド状次元の連続的な固相および液相からなる材料をいう。固相の連続性は、液体内に侵入する必要なく、試料の一方から他方へ固相中を移動し得ることを意味する。
用語「ゾル−ゲル」は、本明細書で用いる場合、ゾルを重合して相互に連結された固形マトリックスにすること、またはコロイドゾルの個々の粒子を外部の物質により不安定化することのいずれかによるゾル由来のゲルを意味する。ゾル−ゲル材料は、広範な組成物(多くの場合、酸化物)で、種々の形態、例えば、粉末、繊維、コーティング、薄膜、モノリス、複合体、および多孔質膜に作製され得る。一般に、ゾルゲル処理は、有意に高い粘性を示す「ゲル」相へのコロイド状懸濁液系の転移を伴う。
用語「アモルファス」または「アモルファス構造」は、本明細書で用いる場合、原子位置の明白な長距離規則度がなく、したがって結晶性を欠くことを意味する。
用語「マイクロポーラス材料」は、本明細書で用いる場合、自由な直径の分子寸法を有する細孔を含む固形物(好ましくは固形シリカ)をいう。IUPACによるマイクロ細孔直径範囲の上限は2nmである。マイクロポーラスは、1.5nmより小さい自由直径を有するウルトラマイクロ細孔、および1.5〜2nmの自由直径を有するスーパーマイクロ細孔に細分され得る。
用語「多粒子状(multiparticulate)」は、その全体が、意図される治療上または栄養学的に有用な用量の生物活性化合物または栄養補助食品に相当する多数の粒子を含む投薬形態を包含することが意図される。多粒子状担体は、多粒子状系の単位(粒子)のサイズに応じてナノ粒子状、マイクロ粒子状またはマクロ粒子状であり得る。用語「ナノ粒子状」は、10nm〜100nm、好ましくは50nm〜100nmの範囲のサイズを有する顆粒または粒子を含む系を指す。用語「マイクロ粒子状」は、100nm〜100ミクロンの範囲のサイズを有する顆粒または粒子を含む系を指す。用語「マクロ粒子状」は、100ミクロン〜1mmの範囲のサイズを有する顆粒または粒子もしくは顆粒を含む系を指す。
用語「モノリスマクロ体」は、本明細書で用いる場合、1mmより大きく、最大約10cmのサイズを有する単一の単位、破片または物体に構成された本体をいう。これは、種々の形状(例えば、フィルム)を有し得る。例えば、これは、約3mmの直径を有するモノリスロッド、またはインプラントのコーティングのため、もしくは医薬用パッチ内への組込みのためのモノリス層であり得、前記の層は、1mmより大きい厚さおよび約10cmまでの幅または長さを有する。
用語「生物活性剤」は、本明細書で用いる場合、広義には、生物学的活性を有し、かつ送達系から送達され、投与された被験体、好ましくは哺乳動物において有益で有用な結果をもたらし得る任意の化合物、物質の組成物、またはその混合物を含む。
用語「浸食性」は、本明細書で用いる場合、体液、特に胃腸液の作用により、ある一定期間内で溶解性または分解性であるという意味である。用語「非浸食性」は、生物活性剤が、マイクロポーラスマトリックスからその細孔中への拡散によって放出されたとき、マトリックス担体が該期間中に浸食しないことを意味する。
用語「制御放出」は、本明細書で用いる場合、比較的低速または遅延型または持続性の放出であって、1.0〜8.0の間のpHの水性流体中への生物活性化合物の80%放出が、30分間〜約150時間、好ましくは(送達系の経口投与で)1時間〜約12時間、より好ましくは2〜8時間の範囲の時間より前には得られないものをいう。
AMSおよびAMTという用語は、本明細書において、それぞれ、生物活性剤のマトリックス担体材料として使用されるアモルファスマイクロポーラスシリカおよびアモルファスマイクロポーラスチタニア材料を表すために用いる。AMS材料またはAMT材料の全コードは、それぞれ、その以下のとおりの合成パラメータ:
Figure 2008512151
を示す。
用語「経皮パッチ」は、本明細書で用いる場合、患者への局所投与が意図される薬剤、好ましくは、皮膚を介する薬物の送達のための少なくとも1種類の活性薬剤を含む任意の材料シートまたはフィルム系をいう。
発明の詳細な説明
本発明の重要な特色は、生物活性剤(例えば、薬物)が、生体内分解プロセスによって放出されるのではなく、所定の期間後、好ましくは2時間より後でのみ、細孔拡散によって80%以上が放出されることである。
本発明の制御放出経口送達系は、生物活性剤の経口送達に特に有用であり、経口薬物投与に適した任意の生物活性化合物を含むものであり得る。本発明の投薬形態を用いて投与され得る種々の治療用の類型の生物活性剤の例としては、限定されないが:鎮痛剤;麻酔剤;抗関節炎剤;呼吸器剤;抗癌剤;抗コリン作用薬;抗痙攣薬;抗鬱薬;抗糖尿病剤;下痢止め薬;駆虫剤;抗ヒスタミン薬;抗高脂血症剤;抗高血圧剤;抗感染剤、例えば、抗生物質および抗ウイルス剤など;抗炎症剤;抗偏頭痛調製物;制吐薬;抗腫瘍剤;抗パーキンソン剤;抗掻痒薬;抗精神病薬;解熱薬;抗痙攣薬;抗結核剤;抗潰瘍剤および他の胃腸活性剤;抗ウイルス剤;抗不安薬;食欲抑制薬;注意欠陥障害(ADD)および注意欠陥過活動性障害(ADHD)剤;心血管用調製物、例えば、カルシウムチャネル遮断薬、CNS剤および血管拡張薬;β遮断薬および抗不整脈薬剤;中枢神経系刺激薬;咳および感冒用調製物、例えば、うっ血除去薬;利尿薬;遺伝物質;ハーブ療法;ホルモン溶解剤(hormonolytic);催眠薬;低血糖剤;免疫抑制剤;ロイコトリエン阻害薬;分裂抑制剤;筋弛緩薬;麻酔拮抗薬;栄養剤、例えば、ビタミン類、必須アミノ酸および脂肪酸など;副交感神経遮断薬;ペプチド薬;精神刺激薬;鎮静薬;ステロイド類;交感神経興奮薬;ならびに精神安定薬が挙げられる。
胃腸活性剤は、本発明の投薬形態を用いて投与され得る。このような型の薬物としては、胃酸分泌を抑制するための薬剤、例えば限定されないが、H2レセプタ拮抗薬シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、およびニザチジン、H+またはK+−ATPアーゼ阻害薬(「プロトンポンプ阻害薬」とも呼ばれる)オメプラゾールおよびランソプラゾールなど、ならびに制酸剤、例えば限定されないが、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムなどが挙げられる。また、この一般的な群には、ヘリコバクターピロリ(H.pylori)による感染を処置するのための薬剤、例えば、限定されないが、メトロニダゾール、チニダゾール、アモキシリン、クラリスロマイシン、テトラサイクリン、チアンフェニコールおよびビスマス化合物(例えば、次クエン酸ビスマスおよび次サリチル酸ビスマス)なども含まれる。本発明の投薬形態を用いて投与され得る他の胃腸活性剤としては、限定されないが、ペンタガストリン、カルベノキソロン、硫酸化多糖類、例えば、スクラルファート、プロスタグランジン、例えば、ミソプロストール、ならびにムスカリン性拮抗薬、例えば、ピレンゼピンおよびテレンゼピンなどが挙げられる。さらに、下痢止め剤、抗嘔吐剤および胃運動促進剤、例えば限定されないが、オンダンセトロン、グラニセトロン、メトクロプラミド、クロルプロマジン、パーフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、チエチルペラジン、トリフルプロマジン、ドンペリドン、トリメトベンズアミド、シサプリド、モチリン、ロペラミド、ジフェノキシラートおよびオクトレオチドなどが挙げられる。
本発明において使用され得る抗菌剤としては、テトラサイクリン系抗生物質および関連化合物(例えば、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン、メタサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリンおよびロリテトラサイクリン);マクロライド系抗生物質、例えば限定されないが、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、およびアジスロマイシンなど;ストレプトグラミン系抗生物質、例えば限定されないが、キヌプリスチンおよびダルホプリスチンなど;β−ラクタム系抗生物質、例えば、ペニシリン系(例えば、ペニシリンG、ペニシリンVK)、抗ブドウ球菌性ペニシリン系(例えば、クロキサシリン、ジクロキサシリン、ナフシリンおよびオキサシリン)、広域ペニシリン系(例えば、アミノペニシリン系、例えば、アンピシリンおよびアモキシリンなど、ならびに抗シュードモナス性ペニシリン系、例えば、カルベニシリンなど)、セファロスポリン系(例えば、セファドロキシル、セフェピム、セファレキシン、セファゾリ
ン、セフォキシチン、セフォテタン、セフロキシム、セフォタキシム、セフタジジムおよびセフトリアキソン)ならびにカルバペネム類、例えば限定されないが、イミペネム、メロペネムおよびアズトレオナムなど;アミノグリコシド系抗生物質、例えば限定されないが、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシンおよびネオマイシンなど;グリコペプチド系抗生物質、例えば、テイコプラニンなど;スルホンアミド系抗生物質、例えば限定されないが、スルファセタミド、スルファベンズアミド、スルファジアジン、スルファドキシン、スルファメラジン、スルファメタジン、スルファメチゾールおよびスルファメトキサゾールなど;キノロン系抗生物質、例えば限定されないが、シプロフロキサシン、ナリジクス酸およびオフロキサシンなど;抗ミコバクテリア系、例えば限定されないが、イソニアジド、リファンピン、リファブチン、エタンブトール、ピラジンアミド、エチオナミド、アミノサリチル酸(salicylic)およびシクロセリンなど;全身用抗真菌剤、例えば限定されないが、イトラコナゾール、ケトコナゾール、フルコナゾールおよびアンホテリシンBなど;ならびにその他の抗菌剤、例えば限定されないが、クロラムフェニコール、スペクチノマイシン、ポリミキシンB(コリスチン)、バシトラシン、ニトロフラントイン、マンデル酸メテナミンおよび馬尿酸メテナミンなどが挙げられる。
本発明において使用され得る抗糖尿病剤としては、例として、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、シグリタゾン、グリクラジド、グリピジド、グルカゴン、グリブリド、ミグリトール、ピオグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トリアンプテリン(triampterine)、およびトログリタゾンが挙げられる。
本発明において使用され得る非オピオイド系鎮痛剤としては、限定されないが、アパゾン、エトドラック、ジフェンピラミド、インドメタシン、メクロフェナメート、メフェナム酸、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカムおよびトルメチンが挙げられる。本発明において使用され得るオピオイド系鎮痛薬としては、限定されないが、アルフェンタニル、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、ドロコード、フェンタニール、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロポキシフェン、サフェンタニルおよびトラマドールが挙げられる。
本発明において使用され得る抗炎症剤としては、非ステロイド系抗炎症剤、例えば、プロピオン酸誘導体、例えば限定されないが、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ベノキサプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、ブチブフェン、フェンブフェン、アパゾン、ジクロフェナク、ジフェンピラミド、ジフルニサル、エトドラック、インドメタシン、ケトロラク、メクロフェナメート、ナブメトン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダクおよびトルメチンなどが挙げられる。好適なステロイド系抗炎症剤としては、限定されないが、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン−21−モノエステル(例えば、ヒドロコルチゾン−21−アセテート、ヒドロコルチゾン−21−ブチレート、ヒドロコルチゾン−21−プロピオネート、ヒドロコルチゾン−21−バレレート)、ヒドロコルチゾン−17,21−ジエステル(例えば、ヒドロコルチゾン−17,21−ジアセテート、ヒドロコルチゾン−17−アセテート−21−ブチレート、ヒドロコルチゾン−17,21−ジブチレート)、アルクロメタゾン、デキサメタゾン、フルメタゾン、プレドニゾロンおよびメチルプレドニゾロンが挙げられる。
本発明において使用され得る抗痙攣剤としては、例として、アゼタゾラミド(azetazolamide)、カルバマゼピン、クロナゼパム、クロラゼペート、エトスクシミド、エトトイン、フェルバメート、ラモトリジン、メフェニロイン(mephenylo
in)、メフォバルビタール、フェニロイン、フェノバルビタール、プリミドン、トリメタジオン、ビガバトリン、トピラメート、およびベンゾジアゼピンが挙げられる。
本発明において使用され得るCNSおよび呼吸促進薬としては、限定されないが、キサンチン、例えば、カフェインおよびテオフィリンなど;アンフェタミン、例えば、アンフェタミン、塩酸ベンズフェタミン、デキストロアンフェタミン、硫酸デキストロアンフェタミン、レバンフェタミン、塩酸レバンフェタミン、メタンフェタミン、および塩酸メタンフェタミンなど;ならびにその他の促進薬、例えば、メチルフェニデート、塩酸メチルフェニデート、モダフィニル、ペモリン、シブトラミンおよび塩酸シブトラミンなどが挙げられる。
本発明において使用され得る神経弛緩剤としては、抗鬱剤、抗躁剤および抗精神病剤が挙げられる。好適な抗鬱剤としては、
(a)三環系抗鬱薬、例えば限定されないが、アモキサピン、アミトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリンおよびトリミプラミンなど、
(b)セロトニン再取り込み阻害薬、例えば限定されないが、シタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリンおよびベンラファキシンなど、
(c)モノアミンオキシダーゼ阻害薬、例えば限定されないが、フェネルジン、トラニルシプロミンおよび(−)−セレジリンなど、ならびに
(d)他の非定型抗鬱薬、例えば限定されないが、ネファゾドン、トラゾドンおよびベンラファキシンなど
が挙げられる。好適な抗躁および抗精神病剤としては、
(a)フェノチアジン、例えば限定されないが、アセトフェナジン、マレイン酸アセトフェナジン、クロルプロマジン、塩酸クロルプロマジン、フルフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、メソリダジン、ベシル酸メソリダジン、パーフェナジン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、トリフルオペラジン、および塩酸トリフルオペラジンなど、
(b)チオキサンテン、例えば限定されないが、クロルプロチキセン、チオチキセン、および塩酸チオチキセンなど、ならびに
(c)他の複素環式薬物、例えば限定されないが、カルバマゼピン、クロザピン、ドロペリドール、ハロペリドール、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロクサピン、モリンドン、塩酸モリンドン、オランザピン、ピモジド、クエチアピン、リスペリドンおよびセルチンドールなど
が挙げられる。
本発明において使用され得る催眠剤および鎮静薬としては、限定されないが、クロメチアゾール、エチナメート、エトミデート、グルテチミド、メプロバメート、メチプリロン、ゾルピデムおよびバルビツレート(例えば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタルビタール、メフォバルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタールおよびチオペンタール)が挙げられる。
本発明において使用され得る抗不安薬および精神安定薬としては、限定されないが、ベンゾジアゼピン(例えば、アルプラゾラム、ブロチゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼペート、デモキセパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルマゼニル、フルラゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、ノルダゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クアゼパム、テマゼパムおよびトリアゾラム)、ブスピロン、クロルジアゼポキシドならびにドロペリドールが挙げられる。
本発明において使用され得る抗癌剤および抗腫瘍剤としては、限定されないが、パクリタキセル、ドセタキセル、カンプトテシンならびにその類似体および誘導体(例えば、9−アミノカンプトテシン、9−ニトロカンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、イリノテカン、トポテカンおよび20−O−β−グルコピラノシルカンプトテシン)、タキサン(例えば、バッカチン、セファロマンニンおよびその誘導体)、カルボプラチン、シスプラチン、インターフェロン−α2A、インターフェロン−α2B、インターフェロンαN3およびインターフェロンファミリーの他の因子、レバミゾール、アルトレタミン、クラドリビン、トレチノイン、プロカルバジン、ダカルバジン、ゲムシタビン、ミトタン、アスパラギナーゼ、ポルフィマー、メスナ、アミホスチン、分裂抑制剤、例えば、ポドフィロトキシン誘導体、例えば限定されないが、テニポシドおよびエトポシドなど、ならびにビンカアルカロイド、例えば限定されないが、ビノレルビン、ビンクリスチンおよびビンブラスチンなどが挙げられる。
本発明において使用され得る抗高脂血症剤または脂質低下剤または高脂血症剤としては、限定されないが、HMG−CoA還元酵素阻害剤、例えば、アトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチンおよびセリバスタチンなど、ならびに他の脂質低下剤、例えば限定されないが、クロフィブレート、フェノフィブレート、ゲムフィブロジルおよびタクリンなどが挙げられる。
本発明において使用され得る抗高血圧剤としては、限定されないが、アルンロジピン(arnlodipine)、ベナゼプリル、ダロジピン、ジルチアゼム、ジアゾキシド、ドキサゾシン、エナラプリル、エポサルタン(eposartan)、ロサルタン、バルサルタン、フェロジピン、フェノルドパム、フォシノプリル、グアナベンズ、グアナドレル、グアネチジン、グアンファシン、ヒドララジン、メチロシン、ミノキシジル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、フェノキシベンザミン、プラゾシン、キナプリル、レセルピンおよびテラゾシンが挙げられる。
本発明において使用され得る心血管用調製物としては、例として、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、例えば限定されないが、エナラプリル、1−カルボキシメチル−3−1−カルボキシ−3−フェニル−(1S)−プロピルアミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−(3S)−1−ベンズアゼピン−2−オン、3−(5−アミノ−1−カルボキシ−1−S−ペンチル)アミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−3−S−1−H−ベンズアゼピン−1−酢酸または3−(1−エトキシカルボニル−3−フェニル−(1S)−プロピルアミノ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−(3S)−ベンズアゼピン−1−酢酸一塩酸塩など;強心配糖体、例えば限定されないが、ジゴキシンおよびジギトキシンなど;変力作用薬、例えば、アムリノンおよびミルリノンなど;カルシウムチャネル遮断薬、例えば限定されないが、ベラパミル、ニフェジピン、ニカルジピン、フェロジピン、イスラジピン、ニモジピン、ベプリジル、アムロジピンおよびジルチアゼムなど;β遮断薬、例えば限定されないが、アテノロール、メトプロロール;ピンドロール、プロパフェノン、プロプラノロール、エスモロール、ソタロール、チモロールおよびアセブトロールなど;抗不整脈薬、例えば限定されないが、モリシジン、イブチリド、プロカインアミド、キニジン、ジソピラミド、リドカイン、フェニロイン、トカイニド、メキシレチン、フレカイニド、エンカイニド、ブレチリウムおよびアミオダロンなど;心臓保護剤、例えば、デクスラゾキサンおよびロイコボリンなど;血管拡張薬、例えばニトログリセリンなど;ならびに利尿剤、例えば限定されないが、ヒドロクロロチアジド、フロセミド、ブメタニド、エタクリン酸、トルセミド、アゾセミド、ムゾリミン、ピレタニドおよびトリパミドなどが挙げられる。
本発明の投薬形態を用いて送達され得る抗ウイルス剤としては、限定されないが、抗ヘルペス剤、例えば、アシクロビル、ファムシクロビル、ホスカネット、ガンシクロビル、
イドクスウリジン、ソリブジン、トリフルリジン、バラシクロビルおよびビダラビンなど;抗レトロウイルス剤、例えば、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、テノボビル(tenovovir)およびジドブジンなど;ならびに他の抗ウイルス剤、例えば限定されないが、アマンタジン、インターフェロン−α、リバビリンおよびリマンタジンなどが挙げられる。
本発明において使用され得る性ステロイドとしては、プロゲストゲン、例えば限定されないが、アセトキシプレグネノロン、アリルエストレノール、酢酸アナゲストン、酢酸クロルマジノン、シプロテロン、酢酸シプロテロン、デソゲストレル、ジヒドロゲステロン、ジメチステロン、エチステロン(17α−エチニル−テストステロン)、エチノジオールジアセテート、酢酸フルロゲストン、ゲスターゲン、ヒドロキシプロゲステロン、酢酸ヒドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシメチルプロゲステロン、酢酸ヒドロキシメチルプロゲステロン、3−ケトデソゲストレル、レボノルゲストレル、リネストレノール、メドロゲストン、酢酸メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチステロン、酢酸ノルエチステロン、ノルエチノドレル、ノルゲスティメート、ノルゲストレル、ノルゲストリエノン(norgestrienone)、ノルメチステロン(normethisterone)およびプロゲステロンなどが挙げられる。また、この類型には、エストロゲン、例えば、β−エストラジオール(すなわち、1,3,5−エストラトリエン−3,17β−ジオール、または17β−エストラジオール)およびそのエステル、例えば、エストラジオールの安息香酸塩、吉草酸塩、シピオン酸塩、ヘプタン酸塩、デカン酸塩、酢酸塩および二酢酸塩;17α−エストラジオール;エチニルエストラジオール(すなわち、17α−エチニルエストラジオール)ならびにそのエステルおよびエーテル、例えば、エチニルエストラジオール−3−アセテートおよびエチニルエストラジオール−3−ベンゾエート;エストリオールおよびエストリオールのコハク酸塩;リン酸ポリエストロール;エストロンならびにそのエステルおよび誘導体、例えば、エストロンアセテート、エストロンスルフェート、およびピペラジンエストロンスルフェート;キネストロール;メストラノール;ならびに結合型ウマエストロゲンが含まれる。男性ホルモン剤もまた性ステロイドの類型に含まれ、天然に存在するアンドロゲンであるアンドロステロン、酢酸アンドロステロン、プロピオン酸アンドロステロン、安息香酸アンドロステロン、アンドロステンジオール、アンドロステンジオール−3−アセテート、アンドロステンジオール−17−アセテート、アンドロステンジオール−3,17−ジアセテート、アンドロステンジオール−17−ベンゾエート、アンドロステンジオール−3−アセテート−17−ベンゾエート、アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEAまたはプラステロン)、デヒドロエピアンドロステロン硫酸ナトリウム、4−ジヒドロテストステロン(DHTまたはスタノローン)、5α−ジヒドロテストステロン、ドロモスタノローン、プロピオン酸ドロモスタノローン、エチルエストレノール、フェニル(phen)プロピオン酸ナンドロロン、デカン酸ナンドロロン、フリルプロピオン酸ナンドロロン、シクロヘキサンプロピオン酸ナンドロロン、安息香酸ナンドロロン、シクロヘキサンカルボン酸ナンドロロン、オキサンドロロン、スタノゾロールおよびテストステロン;テストステロンおよび4−ジヒドロテストステロンの薬学的に許容され得るエステル、典型的には、C−17位に存在するヒドロキシル基から形成されるエステル、例えば限定されないが、エナント酸塩、プロピオン酸塩、シピオン酸塩、フェニル酢酸塩、酢酸塩、イソ酪酸塩、ブシクラート(buciclate)、ヘプタン酸塩、デカン酸塩、ウンデカン酸塩、カプリン酸塩およびイソカプリン酸エステル;ならびにテストステロンの薬学的に許容され得る誘導体、例えば限定されないが、メチルテストステロン、テストラクトン、オキシメトロンおよびフルオキシメステロンなどの薬物である。
本発明において使用され得るムスカリン性受容体作用薬としては、例として、コリンエ
ステル、例えば限定されないが、アセチルコリン、メタコリン、カルバコール、ベタネコール(カルバミルメチルコリン)、塩化ベタネコール、コリン様作用性の天然アルカロイドならびにその合成類似体、例えば、ピロカルピン、ムスカリン、McN−A−343およびオキソトレモリンなどが挙げられる。本発明において使用され得るムスカリン性受容体拮抗薬としては、ベラドンナアルカロイドまたはその半合成もしくは合成類似体、例えば限定されないが、アトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、臭化メチルホマトロピン、イプラトロピウム、メタンテリン、メトスコポラミンおよびチオトロピウムなどが挙げられる。
本発明の好ましい制御放出送達系は、所定の期間、予測可能で再現可能な反応速度論での生物活性剤の連続的送達を提供する。また、好ましくは、バイオ薬剤が、経口投与された場合、全身的または局所的作用のために、胃腸管内の特定の領域内に放出されることが可能になる。
本発明は、任意の所与のバイオ薬剤(例えば、薬物物質)の放出プロフィールを、その所望の吸収プロフィールに適合できる可能性を提供する。送達系の放出速度は、主に、製剤中のシリカまたはチタニア粒子の拡散係数および粒径によって決定される。両パラメータは、所望の放出速度を得るために微調整され得る。任意の薬物物質の放出プロフィールを適合させる本発明の柔軟性は、「患者特異的」薬物送達系を設計する可能性を提供する。小児、高齢者または改変された(病理学的または遺伝的のいずれか)胃腸輸送時間を有する患者は、したがって、古典的な薬物送達手法に基づく処置と比べ、本発明の送達系によってより有効に処置されることが期待され得る。
またさらに、記載の材料により、胃腸管における部位特異的薬物ターゲティングが可能になる。実際、該材料は、治療用量が、胃を通過後、所与の期間以内に放出されるように設計され得る。これは、いわゆる吸収時間枠を有する薬物に極めて好都合である。
また、本発明により、遠位回腸または結腸の異なる部分への有効なターゲティングがなされ得る。結腸ターゲティングは、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、結腸癌などの病理を有効に処置するその潜在性のため、非常に注目されている。大腸に薬物を送達することが意図された市販の製品は、主に、胃腸管内のpH勾配を利用するものである。しかしながら、被験体間および被験体内の大きな変動性は、薬物放出誘発体としての胃腸管のpHに問題を起こす。本発明による薬物放出は、比較的一定の胃から結腸への輸送時間(4〜6時間)に基づき、pHに基づくものでないため、有効な結腸ターゲティングが、より信頼性の高い様式でなされ得る。
本発明により、所定のラグタイム後での薬物の放出が可能になる。したがって、喘息、高血圧および/または疾患あるいは概日パターンを示す機能不全の処置のためのパルス型薬物放出が高度に制御可能になる。
本発明のまた別の実施形態は、拍動性送達を行なうことができ、かつ、1つより多いサイズの粒子集団であって、各サイズの集団が生物活性成分を異なる時間間隔で放出する粒子集団を含有する(好ましくは、経口)投薬形態からなる医薬送達系である。それぞれの粒子における細孔直径は、所望の放出パターンを得るために微調整され得る別のパラメータである。初期バースト放出の後、連続的な薬物送達が所望される場合、異なるマイクロ細孔径を有する2つのサイズの粒子集団および/または粒子を含む送達系が設計され得る。広い方の細孔を有する小さい方の粒子である第1の集団は、このような粒子において、短い拡散パス長および高速拡散により初期バースト放出を担う。狭い方の細孔を有し、大きい方のマイクロポーラス粒子である第2の集団は、より長期間にわたって薬物を放出し、初期バースト放出後に連続的な薬物送達をもたらす。
本発明の制御薬物送達、特に、30分間〜150時間の範囲の所定の期間以降での生物活性化合物の少なくとも80%の放出プロフィールを有するものは、経粘膜、皮膚経由または経皮送達を必要とする化粧用、皮膚科用および医薬用途に特に適している。本発明の制御薬物送達系は、身体のこれらの特定の領域において持続型処置が必要とされる場合、経粘膜、皮膚経由または経皮送達系に組み込むのに特に好適である。経口送達の他、本発明の制御送達系の医薬適用は、このように、皮膚経由および経皮などの異なる投与経路、ならびに粘膜を介する経路(経粘膜送達)、例えば、口腔内、舌下、経直腸、眼経由または経膣送達に関する。
適用部位からの吸収によって生物活性薬剤を全身に送達するための生体接着性医薬製剤もまた、本発明の枠組みに含まれる。この型の送達の主な要件の1つは、有効な濃度の特定の生物活性剤が該部位に、全身性効果のための充分な吸収を可能にするのに充分に長い期間維持されることであり、この要件は本発明の制御送達系によって満たされる。後者は、例えば、皮膚科適用のために皮膚に生物活性剤を局所的に送達するように設計された皮膚経由薬物送達デバイス内に組み込まれ得る。本発明の制御送達系の皮膚科適用は、その作用を皮膚などの身体表面に適用するための皮膚および生物活性薬剤の局所投与の生理学および病理学と関連する。生物活性剤が組み込まれた皮膚用および創傷包帯のための皮膚への接着系は、当該技術分野でよく知られており、例えば、米国特許公開公報第2005/0019383号およびAnselらによってPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Lippincott Williams & Wilkins,第7版(1999)に記載されている。
本発明の制御送達系はまた、皮膚を介して生物活性剤を投与するように設計された経皮薬物送達デバイスに組み込まれ得る。かかる経皮送達は、比較的簡便な投薬レジメン(regime)を提供し、初回通過代謝および胃腸管内の酵素の分解を回避し、患者コンプライアンスを増大させるという利点を提示する。また、全身循環内への生物活性剤の放出のための比較的低速な制御経路が提供される。本発明のこの実施形態に有用な経皮デバイスとしては、経皮パッチ、ポリマー系および/または感圧接着剤配合物内への生物活性剤の組込みが挙げられ、これにより、血流中に皮膚を介して徐放用量の医薬を送達するために皮膚上に経皮製剤が配置される。多くのかかる経皮パッチには、接着剤基剤、例えば、熱可塑性エラストマー(天然ゴムなど)、アクリレートポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーまたは当該技術分野で知られた他の適当な接着剤が用いられる。本発明の制御送達系は、特に、マトリックス担体から生物活性化合物の少なくとも80%の放出が得られるのが約10〜100時間の期間より前でない所定の速度の場合、かかる経皮製剤内への組込みに好適である。本発明の制御送達系内に1種類以上の生物活性剤を含む経皮デバイスは、したがって、本発明の一実施形態である。治療有効量の生物活性剤を投与するための手段としての経皮薬物送達系の使用は、当該技術分野でよく知られている。経皮パッチは、例えば、米国特許第5,662,923号、米国特許第4,409,206号、米国特許第6,264,980号、米国特許出願公開公報第2005/0142176号、米国特許出願公開公報第2005/0129748号およびWO 95/18603として公開された国際特許出願に開示されている。かかる経皮パッチは、例えば、抗炎症性、産児調節、またはホルモン補充療法のため、および乗物酔いの抑制のためのいくつかの生物活性剤を投与する一般に普及した手段となっている。ほとんどの医薬用パッチは、該経皮系の裏材または剥離ライナーのいずれかに適用される薬物無含有のポリマーおよび/または接着剤のコーティングと近接する1種類以上のポリマー層および/または接着剤層で構成されている。これらは、皮膚または粘膜に対する所望の接着を提供すると同時に、薬物送達プロフィールのモジュレーションを提供するとともに、薬物装填が最適となるように製造される。経皮パッチが単層または多層の薬物装填接着剤である
場合、本発明の制御放出系は、経皮パッチの接着層(1つまたは複数)内に含まれる。この型のパッチでは、接着層は、種々の層を互いに接着させるとともに系全体を皮膚と接着させる役目を果たすだけでなく、薬物放出を担い、あるいはまた、本発明の制御放出系は、独立した薬物層、好ましくは、接着層に囲まれた半固形層内に組み込み得る。本発明の制御送達系内への小さな生物活性分子(例えば、約700以下の分子量を有する)の組込みは、このような化合物が、接着層に対して可塑化効果を有することが知られているため、制御経皮送達に加えてさらなる利点を有し得る。
本発明のまた別の実施形態は、本発明の制御送達系を含む経粘膜製剤に関与する。粘膜に接着し、生物活性剤が内部に組み込まれた生体接着剤配合物は、当該技術分野でよく知られており、ゲル、ペースト、錠剤およびフィルムが挙げられる。例えば、米国特許第5,192,802号;米国特許第5,314,915号;米国特許第5,298,258号;および米国特許第5,642,749号には、生体接着剤ゲルが記載されている。義歯接着剤ペーストが米国特許第4,894,232号および米国特許第4,518,721号に記載されている。口腔ただれの緩和のための厚いゲルまたはペーストである商品名Orabaseの市販品は、好適な接着剤ペーストの別の例である。生体接着性錠剤は、米国特許第4,915,948号;米国特許第4,226,848号;米国特許第4,292,299号;および米国特許第4,250,163号に記載されている。これらは、単層または二層を有する。薄くて柔軟性であり、したがって異物感の少ない絆創膏または生体接着剤で積層されたフィルムの使用は、米国特許第3,996,934号および米国特許第4,286,592号に記載されている。さらに、米国特許第6,159,498号および米国特許第5,800,832号には、生体内分解性の水溶性接着剤が記載されており、これは、局所送達のために粘膜表面に接着させることができ、粘膜を介して薬物を送達するために使用される。積層フィルムは、通常、接着層および裏材層を、任意選択で中間貯蔵体層とともに含む。粘膜表面上における使用のためのフィルム送達系もまた、当該技術分野で知られている。かかる系は、水不溶性で、通常、積層、押出または複合体フィルムの形態であり、米国特許第4,517,173号;米国特許第4,572,832号;米国特許第4,713,243号;米国特許第4,900,554号;および米国特許第5,137,729号に記載されている。また、粘膜送達用の生体内分解性フィルムも当該技術分野において報告されている。米国特許第6,159,498号および米国特許第5,800,832号には、第1の水溶性接着層、第2の水溶性非接着層、および医薬組成物を有する柔軟性フィルムを構成する生分解性水溶性フィルムが記載されている。口腔内粘膜を介する吸収によってオメプラゾールを送達する接着性錠剤は、ChoiらによってJ.Control.Rel.68:397−412(2000)に記載された。任意のこれらの経粘膜接着性製剤が、本発明の制御送達系と組み合わせて使用され得る。
また別の実施形態は、フィルム様もしくは層様コーティング内または埋込み可能な医療用デバイス(例えば、整形外科用インプラント、歯科用インプラント、管腔内インプラント、埋込み可能な電極、組織改変操作用のフィルムもしくは骨格など)上のコーティング内への本発明の制御送達系の組込みである。用語「インプラント」は、本明細書において、1種類以上の治療または予防目的、例えば、組織増大、輪郭復元(contouring)、生理学的機能の復元、疾患もしくは外傷により損傷した組織の修復もしくは復元のため、および/または正常、損傷もしくは疾患状態の器官もしくは組織への生物活性剤の送達のために患者の身体内に部分的または完全に配置されるように設計された任意の物体を指すために用いる。典型的なインプラントは、例えば、チタン、チタン合金(例えば、チタン、アルミニウムおよびバナジウムを含む)、生体適合性ステンレス鋼、ニッケル−クロム合金もしくはニッケル−クロム−コバルト合金を含むものであるか、またはインプラントは、外来性ポリマー、例えば限定されないが、ポリウレタン、シリコーン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸またはそのコポリマーなどを含むものである。使用する材料の生体
適合性を増大させるため、防御および/または拒絶反応を抑制するため、あるいは、特定の薬物溶出を達成するため、好適な様式で、医療用インプラントの表面をコーティングするための種々のアプローチが、先行技術においてなされている。また、不活性なポリマー、例えば、熱可塑性ポリウレタン、シリコーン、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリエチレン−ビニルアセテートおよびセルロース系ポリマーまたは生体脂肪、油類もしくは脂肪酸系コーティング(WO 2005/027996に記載のものなど)が、医療用インプラントコーティングするために使用されている。例えば、米国特許第5,891,507号には、金属ステントの表面を、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレンおよび金属ステントの生体適合性が増大した生物活性剤でコーティングするための方法が記載されている。アモルファス炭化ケイ素でのコーティングを有する冠状動脈ステントは、DE−A−19,951,477で知られている。米国特許第6,569,107号には、カーボンコートステントが記載されており、該ステントにおいて、カーボン材料は、化学気相蒸着法または物理気相蒸着法(それぞれ、CVDまたはPVD)によって適用されている。米国特許第5,163,958号には、抗血栓特性を示すカーボンコート表面を有する管状エンドプロテーゼまたはステントが記載されている。WO 02/09791には、シロキサンのCVDによって作製されたコーティングを有する脈管内ステントが記載されている。生物活性化合物の少なくとも80%の放出が30分間〜150時間の範囲の所定の期間より前でない本発明の制御放出送達系は、とりわけ、抗炎症剤(例えば、デキサメタゾン、クロベタゾール、ベクロメタゾンおよびその類似体など)、または傷害および創傷修復を改善する生物活性剤、例えば限定されないが、抗増殖剤、抗遊走(anti−migratory)剤、抗腫瘍剤、抗再狭窄剤および免疫抑制剤、または外傷部位での治癒および再内皮化を促進する薬剤などの制御放出用の埋込み可能な医療用デバイスのフィルム様または層様コーティング(1つまたは複数)内への組込みに特に適している。より具体的には、かかる生物活性剤としては、限定されないが、パクリタキセル、シロリムス、エベロリムス、タクロリムス、アクチノマイシン−D、デキサメタゾン、ミコフェノール酸、シクロスポリン、エストラジオール、およびその類似体が挙げられる。
少なくとも80%の生物活性化合物の放出が30分間〜150時間の範囲の所定の期間より前でない本発明の制御薬物送達系はまた、化粧用および/または再建外科処置のために、軟組織インプラント内への組込みに好適である。用語「軟組織インプラント」は、本明細書で用いる場合、組織の増大または再建のため、生体構造の全部または一部と置き換えるための容積置換材料を含む医療用デバイスまたはインプラントをいう。軟組織インプラントは、外科処置もしくは外傷により生じた組織空隙の再建、組織または器官の増大、組織の輪郭復元、老化組織に対する嵩の復元のため、および軟組織のひだまたはしわを矯正するために使用される。軟組織インプラントは、化粧的(審美的)増強のため、または疾患もしくは外科的切除後の再建外科処置と関連した組織の増大ために使用され得る。軟組織インプラントの代表例としては、乳房インプラント、顎インプラント、腓骨インプラント、頬インプラントおよび他の顔面インプラント、殿部インプラント、ならびに鼻インプラントが挙げられる。かかる軟インプラントは、生物活性剤、好ましくは:
−組織再生を低減させる薬剤、
−炎症を抑制する薬剤、
−線維症を抑制する薬剤、
−デバイスと該デバイスが埋め込まれる宿主間の接着を抑制する薬剤、
−新脈管形成を抑制する薬剤、
−結合組織細胞の遊走を抑制する薬剤、
−結合組織細胞の増殖を抑制する薬剤、
−線維芽細胞遊走を抑制する薬剤、
−線維芽細胞増殖を抑制する薬剤、
−細胞外マトリックス生成を抑制する薬剤、
−細胞外マトリックス破壊を増強する薬剤、
−細胞外マトリックスの堆積を抑制する薬剤、
−組織リモデリングを抑制する薬剤、または
−デバイスを封入する繊維状の結合組織カプセルの形成を抑制する薬剤
の放出を制御するために本発明の制御送達系を組み込むのに特に好適であり得る。かかる生物活性剤は、例えば、U.S.2005/0187639に開示されている。
少なくとも80%の生物活性化合物の放出が30分間〜150時間の範囲の所定の期間より前でない本発明の制御放出薬物送達系はまた、生体材料内、特に、患者の組織内への直接埋込みおよび薬物放出用に設計されたもの(「薬物インプラント」)内への組込みに特に適している。薬物インプラントは当該技術分野で知られており(例えば、EP−A−748,634、EP−A−075,540、EP−A−160,633、EP−A−202065、EP−A−306543、EP−A−537165、米国特許第5,607,686号、米国特許第5,756,127号、米国特許第4,381,780号、米国特許第4,432,965号、米国特許第4,475,916号、米国特許第4,505,711号、米国特許第4,678,466号、米国特許第4,685,883号およびWhittleseyらのExp Neurol.(2004)190(1):1−16により)、種々の有害な副作用のリスクなく経口または静脈内のいずれかで投与することができない薬物に有用である。薬物放出生体材料は、注射可能なミクロスフェアとして、または3次元インプラントとしてのいずれかで、目的のバイオ薬剤(例えば、約700以下の分子量を有する小分子薬物)を、標準的なボーラス注射によるものより長期間にわたって送達するために使用され得、したがって、反復投与の必要性が回避される。さらにまた、かかる徐放系は、標的部位で治療濃度を維持し得、したがって、毒性の可能性が低減される。薬物埋込み系は、例えば、挿入針による皮下挿入によって、その関連組織内に挿入し得る。好適な薬物インプラント注射デバイスは、例えば、U.S.2003/0135153に記載されている。かかる薬物インプラントは、取り出し可能であり得るか、または乳酸のポリマーおよびオリゴマー、グリコール酸のポリマーおよびオリゴマー、乳酸およびグリコール酸のコポリマー、ならびにその混合物からなる群より選択される生分解性材料を含むものであり得る。薬物インプラント内に本発明の制御送達系を組み込むことで、生分解性ポリマー、コポリマーまたはオリゴマーが小分子薬物と相互作用し、したがって、その放出特性および/または送達系の薬物装填能に影響し得るというよく知られた問題が解決されることにより、生体材料を主成分とする埋込み可能な送達系からの制御放出が改善され得る。
ケイ素の酸化物は、一般的にはシリカと呼ばれ、生体適合性酸化物である。本発明による制御放出薬物送達に適したアモルファスマイクロポーラスシリカは、文献の以下の手順に従って合成され得る。Maierら(Adv.Mater.(1993)5:726−730)は、狭いモノモード孔径分布および1nm未満の最大孔径を有するマイクロポーラス材料を得るためのゾル−ゲル調製方法を最適化した。マイクロポーラスシリカ、チタニア、ジルコニアおよびアルミナは、したがって、それぞれのアルコキシドの酸性低温重合によって得られ得る。300℃未満の温度で注意深く乾燥および焼成した後、これらの酸化物(高解像透過型電子顕微鏡写真によって示したとき)は、原子レベルにおいてさえ、連続的でアモルファスである。
Maierら(前掲)の開示内容の代わりに、他の溶媒および/または他のアルコキシドおよび/または重要な試薬間の他のモル比(特に、他の加水分解モル比、r値)を、本発明のマイクロポーラス材料の合成において使用することができる。好適な溶媒としては、限定されないが、アルコール、好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールなどの水溶性アルコールが挙げられる。好適なシリコンアルコキシドとしては、限定されないが、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)およびテトラブトキシシラン(T
BOS)が挙げられる。好適なチタンアルコキシドとしては、限定されないが、チタニウムテトラ−n−ブトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ−2−エチルヘキソイド(hexoide)、チタニウムテトラ−n−ヘキソイド、チタニウムテトラ−n−ペントキシド、チタニウムテトライソブトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラ−n−プロポキシドが挙げられる。
AMS材料の調製における水/アルコキシド比は、1〜7、好ましくは2〜6の範囲であり得る。AMS材料の調製における酸/アルコキシド比は、0.05〜2.5、好ましくは0.2〜2の範囲であり得る。AMS材料の調製における溶媒/アルコキシド比は、0〜10、好ましくは1〜5の範囲であり得る。
AMT材料では、水/アルコキシド比は、1〜7、好ましくは2〜6の範囲内であり得る。AMT材料の調製における酸/アルコキシド比は、0.01〜2.5、好ましくは0.02〜2.0の範囲であり得る。AMT材料の調製における溶媒/アルコキシド比は、0〜150、好ましくは1〜100の範囲であり得る。
アモルファスマイクロポーラス材料は、ゾルゲルの処理によって得られ得る。ゾルゲル処理は、ナノメートルからマイクロメートルを超えてミリメートル、さらにマクロ体までの任意の規模の材料の合成を可能にする用途の広い方法である。ゼオライトなどの結晶性マイクロポーラス材料と比べたアモルファスマイクロポーラスシリカまたはチタニア材料の重要な利点は、粒径を、ナノメートルからミリメートルの範囲に容易に適合および調整し得ることである。その結果、拡散パス長は、適切な粒径を選択することにより適合させ得る。適用用途に依存する所望の均一な粒径のアモルファスマイクロポーラスシリカまたはチタニアは、いくつかの様式で、粒子微細化手法を用いることにより得られ得る。焼成の前または後のゲル体を、粉砕またはカッティング操作によって微細化し得る。
適切な粒径の生成は、
−液体状態からの微粒化、または
−モルタルグラインダー、ナイフミル、カッティングミルまたは破砕による固体状態からの粉体作製
などの粉体技術により知られたいくつかの手順によって得られ得る。
本発明のマイクロポーラス材料の粒子微細化に用いられる粉体作製方法は、かなり広い粒径分布をもたらし得る。続いて、分布の分画(fractioning)、したがって所望の粒径が、異なるメッシュ幅の篩を用いた分級によって得られ得る。自動ミル処理により、限定的な時間量で、例えば、2〜3分後に粒径を調整する機会が提示される。一般に、自動ミリングにより、粒径分布の均一性の維持がもたらされる。
粉体作製は別として、粉末形態は、プラズマ処理、またはミル内での研磨処理、またはボールミル処理によって適合させ得る。最後に、粉末粒子を焼成または噴霧乾燥によって凝集させ得る。
本発明の目的と関連する重要なパラメータは、粉末または粒子のサイズ分布である。拡散のFickianモデルに従う放出速度は粒子の拡散パス長に反比例するため、1つの単一の圧密放出試料における粒径分布は、放出速度における主要なパラメータとなる。したがって、粒径分布の制御は、本発明の制御薬物放出送達系の作製における重要な課題である。粒径分布は、種々のサイズ範囲の各々に分類される固体粒子の特定の寸法:重量、または純容積内にある粒子の割合(対象の試料におけるあらゆるサイズの全固体のパーセントで示す)に関する情報を提供する。
上記の技術は、Pharmaceutical Practice(編集Dinan M.Collet Michael E.Aulton,Churchill Livingston,1990);Pharmaceutics:The Science of dosage design(編集M.E.Aulton,Churchil Livingstone,1988)およびThe Theory and Practice of Industrial Pharmacy,第3版(1986)ISBN:0−8121−0977−5などの書籍に記載されている。
ナノメートル、マイクロメートルまたはミリメートルのアモルファスマイクロポーラス粒子は、凝集結合、攪拌法、加圧法、熱的方法、分散法または公知の手順に従う他のもの(例えば、Particle Size Enlargement,J.C.Williams & T.Allen,Elsevier Co.(1980)を参照のこと)によって再度拡大し得る。
粒径は、篩分析、光散乱、帯電オリフィス中の通過、沈降速度または他の方法によって測定され得る。
本発明において有用なアモルファスマイクロポーラス材料は、多くの場合、シリカおよびチタニアである。これらは、噴霧乾燥、小球化(prilling)、ペレット化および押出しなどの手法によって作製され得、例えば、球形粒子、押出し成形物、ペレット剤および錠剤の形態のマクロ構造体として作製され得る。このような手法の概要は、Catalyst Manufacture,A.B.Stilesら,Marcel Dekker編(New−York,1995)に記載されている。
薬物投与の経口経路は、全身的効果のために薬物を投与する重要な方法である。錠剤およびカプセルなどの固形経口投薬形態は、経口投与に好ましい類型の薬物製剤に相当する。これが好ましい理由は、錠剤およびカプセルが、最大の用量正確性および最小の内容量変動性を提供する単位投薬形態に相当することである。錠剤およびカプセルは最も簡便な経口投薬形態を代表し、この場合、固形医薬用担体が使用される。
本発明による好ましい製剤は、カプセル内に、または錠剤に圧縮されたマイクロポーラスマトリックス担体/生物活性剤粒子を含有する。カプセル化材料は、カプセルが摂取された後、マイクロポーラス酸化物体または粒子が胃腸管内に送達され、速やかに分散され得るように、好ましくは高溶解性である。かかる好ましい投薬形態は、医薬製剤の分野の人に知られ、例えば、Gennaroにより「The Science and Practice of Pharmacy」(編集Remington)に記載された従来の方法を用いて調製される。本発明の生物活性剤/マイクロポーラスマトリックス担体粒子はまた、パックカプセルにて投与され得る。好適なカプセルは、硬質または軟質のいずれかであり得、一般的に、ゼラチン、デンプンまたはセルロース系材料で作製されており、ゼラチンカプセルが好ましい。2ピース硬質ゼラチンカプセルは、好ましくは、例えばゼラチンバンドなどで封止されている(例えば、上記「The Science and Practice of Pharmacy」を参照のこと)。
本発明の好ましい製剤は、典型的には、錠剤またはカプセルの形態である。カプセルと比べ、錠剤は、いくつもの利点を有する。錠剤のコストは、すべての経口薬物製剤のうちで最も低い。錠剤は、すべてのうちで最も軽量で、最もコンパクトであり、これらは、最も容易な嚥下を提供し、胃上部での「ひっかかり(hang−up)」の傾向が最も少ない。錠剤は、標準的な錠剤加工処理手順および設備、例えば、直接圧縮湿式造粒または乾式造粒プロセスなどを用いて製造され得る。錠剤はまた、含水その他の扱いやすい材料か
ら出発し、圧縮単位に適合した適当な鋳型を用いる射出または圧縮成形技術を用いて、圧縮ではなく鋳型成形され得る。錠剤はまた、ペーストの形態で鋳型内への押出しによって調製され得るか、または押出し成形物を錠剤に切断して提供され得る。しかしながら、圧縮および造粒手法が好ましく、直接圧縮が特に好ましい。本発明の制御放出送達系の細孔特徴は、高圧打錠によって、わずかに改変され得るが実質的には改変されない。したがって、粗装填AMSまたはAMTに特徴的な徐放性パターンが、錠剤製剤において保持される。
本発明に従って経口投与用に調製され、例えば直接圧縮を用いて製造される錠剤は、一般的に、1種類以上の他の材料、例えば、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、安定化剤、界面活性剤、着色剤などを含有する。結合剤は、錠剤に、圧密下の顆粒を互いに結合させるのに必要とされる密着特性を付与し、したがって、圧縮後に錠剤がそのままで維持されるのを確保するために用いられる。好適な結合剤材料としては、限定されないが、デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびアルファ化デンプン)、ゼラチン、糖類(例えば、スクロース、グルコース、デキストロースおよびラクトース)、ポリエチレングリコール、ワックス、ならびに天然および合成ガム、例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど)、ならびにVeegumが挙げられる。滑沢剤は、錠剤製造、粉末流動の促進および圧力が解放されたときの粒子キャッピング(すなわち、粒子破断)の抑制を助長するために使用され得る。これらは、低剪断強度のフィルムを、錠剤、ダイ壁およびパンチ面間の界面に介在させることにより機能を果たす。有用な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム(0.25%〜3重量%、好ましくは1重量%未満の濃度で)、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、および硬化植物油(好ましくは、水素化され、精製されたステアリン酸またはパルミチン酸のトリグリセリドから構成され、約1%〜5重量%、より好ましくは約2重量%未満の濃度で)が挙げられる。崩壊剤は、錠剤の崩壊を助長し、それにより溶解速度と比べて浸食速度を増大させるために使用され得、デンプン、クレイ、セルロース、アルギン、ガム、または架橋ポリマー(例えば、架橋ポリビニルピロリドン)が挙げられる。基本的に、崩壊剤の主要な機能は、錠剤結合剤の効率および錠剤を形成するための圧縮下で作用する物理的な力と対立するものである。充填剤は、薬物投薬量自体では必要な嵩をもたらすのが不充分である場合、必要とされる錠剤の嵩を構成するように設計される。錠剤製剤は、副次的な理由により、例えば、良好な錠剤特性(例えば、改善された密着性)を提供するために希釈剤を含有し得る。充填剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナ、タルク、カオリン、粉末セルロース、および微晶質セルロースなどの材料、ならびに可溶性材料、例えば、マンニトール、ウレア、スクロース、ラクトース、デキストロース、塩化ナトリウム、およびソルビトールなどが挙げられる。また、溶解性向上剤、例えば、可溶化剤自体、乳化剤、および錯化剤(例えば、シクロデキストリンまたはマルトデキストリン)が、本発明の製剤中に好都合に含まれ得る。公知の安定化剤が、薬物分解反応(例えば、酸化反応)を抑制または遅滞させるために使用され得る。
充分な錠剤の硬度ならびに粉末化および破砕性に対する抵抗性は、消費者に受容されるために必要な要件である。錠剤は、製造および包装時の機械的衝撃ならびに消費者による使用時のほどほどの不正使用に耐えるための一定量の強度を必要とする。錠剤硬度は、ジアメトリック(diametric)圧縮試験において錠剤を破壊するのに必要とされる力と定義する。この試験を行なうため、錠剤を2つのアンビル間に配置し、アンビルに力を装填し、ちょうど錠剤の破壊が起こった破砕強度を記録する。
インビトロ放出実験により、AMS−錠剤およびAMSカプセルは、経口投与される薬物の遅延放出のための優れた薬物製剤であることが示されている。
マイクロポーラスマトリックス担体内に生物活性剤(1種類または複数)を装填するために使用され得る溶媒は、水系溶媒または有機溶媒であり得る。好適な溶媒は、その構造または機能を不可逆的に変更することなく生物活性物質を溶解または希釈し、生物活性剤の破壊なくマトリックス担体から分離または回収され得る任意の物質である。種々の溶媒分離または回収手法が、当該技術分野でよく知られている。好適な溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、エタノール、メタノール、クロロホルム、アセトンまたはその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
これらを含む本発明の制御放出送達系または投薬形態は、保護(例えば、腸溶性)コーティングでコーティングしてもよい。かかる腸溶性コーティングを本発明の投薬形態上に提供することにより、胃貯留および胃腸管への緩徐な放出という利点が、腸溶性コーティングの好都合な特性と組み合わされ得る。保護コーティングの使用と関連する好都合な特性としては、例えば、胃腸管の有害な環境(例えば、消化酵素および低pH)からの生物活性剤(薬物)の保護が挙げられる。胃内での分解の結果として失われる薬物が少なくなるため、同じ治療有効性を達成するのに、薬物の量を少なくし得る。いったん放出されると、腸溶性コーティングの使用により安定化された薬物は、腸による吸収に、より容易に利用可能となり得る。また、本発明のマイクロポーラス体または該マイクロポーラス体を含む投薬形態には、遅延放出を確保するための保護コーティング、すなわち、胃の酸性環境を通過するまで薬物粒子の溶解を遅延させる機能を果たすコーティングを施してもよい。これは、薬物が、所望の制御放出プロフィールが維持されるように中程度から有意に水溶性である場合、特に好ましい。遅延放出コーティングを有する薬物粒子は、標準的なコーティング手順および設備を用いて製造され得る。かかる手順は当業者に、例えば、Remington(前掲)により知られている。遅延放出コーティング組成物は、コーティングパン、エアレススプレイ手法、流動床コーティング設備などを用いて適用され得る。遅延放出コーティング組成物は、例えば、セルロースブチレートフタレート、セルロースハイドロジェンフタレート、セルロースプロピオネートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ジオキシプロピルメチルセルローススクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、アクリル酸、メタクリル酸および/またはそのエステルから形成されるポリマーおよびコポリマーからなる群より選択されるポリマー系材料を含み得る。本発明における使用に好ましい腸溶性コーティングは、市販のメタクリル酸コポリマー、ならびに市販のセルロースアセテートフタレートラテックスの水系分散液で構成されたものである。
実施例
本発明を、その好ましい具体的な実施形態と関連させて記載したが、前述の記載ならびに以下の実施例は、例示することが意図され、本発明の範囲を限定しないことを考慮されたい。本発明の範囲内である他の態様、利点および変形例は、本発明が属する技術分野の当業者には自明であろう。
実施例1(比較)−超安定なYゼオライトからのβ−エストラジオール放出
ゼオライトYは、それぞれ約0.7および約1.2nmの最小および最大直径の細孔を有するゼオライトである。結晶サイズは、典型的には約1マイクロメートルである。超安定なYゼオライト(US−Y)結晶は、マイクロ細孔の隣にメソ細孔を含む。
コード名CBV 760を有し(Zeolyst Internationalにより提供)、約60のSiO/Al比を有するUS−Yゼオライトの市販の試料に、ジクロロメタンを溶媒として用い、以下のようにしてβ−エストラジオールを装填した。
該薬物を激しい振盪下、ジクロロメタンに溶解し(1mg/ml)、ゼオライトを添加した(9mg/ml)。3日後、ジクロロメタンを減圧下(200ミリバール)、25℃でエバポレートした。
模擬体液(SBF)を溶解媒体として用いた。SBFは、最初に、1%ラウリル硫酸ナトリウムおよび0.9%NaClを蒸留水に溶解することにより調製した。この溶液をエタノールと、溶液:エタノールが24:1の容量比で混合した。
インビトロ放出実験を室温で、10mg量の装填されたゼオライトを20ml量のSBF中に分散させることにより行なった。外的な拡散制限による送達速度の制限を回避するため、連続的な振盪を維持した。異なる時間後の該液体中の薬物濃度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定することにより、放出プロフィールを得た。
時間に対するUSY CBV 760からのβ−エストラジオール放出のパーセントを図1に示す。薬物放出は、10分間後で約95%および1時間後で100%と非常に高速である。時間の平方根に対するβ−エストラジオール放出を図2に示す。溶液中のβ−エストラジオールの濃度と時間の平方根との二重線形の関係は、マイクロ細孔の隣にメソ細孔を有するUSY CBV 760の二重細孔系の異なる直径を有する2つの型の細孔内への拡散による薬物放出によって説明され得る。第1の最も急勾配の傾きは、メソ細孔中へのβ−エストラジオールの高速拡散と解釈され得る。マイクロ細孔中への拡散は、より低速であり、第2のより勾配の緩やかな傾きによって示される。放出時間は孔径を反映する。
実施例2−アモルファスマイクロポーラスシリカ(AMS)の合成およびキャラクタライゼーション
アモルファスマイクロポーラスシリカ材料は、(i)シリコンアルコキシド源、(ii)溶媒、および(iii)酸触媒(HCl溶液)を合わせることにより調製した。AMS材料の合成は、以下のようにして進行させた。HCl溶液を、溶媒中のシリコンアルコキシドの攪拌溶液に滴下した。攪拌を24時間、室温で継続した。続いて、混合物を40℃で静穏条件下、炉内で3日間加熱した。固い透明なゲルが得られた。この固形ゲル体を破砕し、乳鉢を用いて微細化した。この粉末を65℃まで0.1℃/分の加熱速度で加熱した。65℃で5時間後、材料を250℃の最終温度まで0.1℃/分の速度で加熱した。250℃で5時間後、粉末を周囲温度まで冷却した。
AMS材料を、TEOS、TMOSまたはTEOSとTMOSの混合物から調製した。ゾルゲル処理に用いた溶媒は、エタノール、メタノールまたはイソプロパノールとした。シリカゾルにおける異なるH:Siモル比およびHO:Siモル比は、HCl溶液の容量モル濃度を変更することにより達成され得た。AMS材料のコードは、以下のとおりの合成パラメータ:
Figure 2008512151
を示す。
Tristar装置(Micromeritics)において−196℃で測定した異なるAMS材料の窒素吸着等温線を図3(AMSTEOS,EtOH,3,0.35,1.2(A)、AMSTEOS,EtOH,3,0.07,1.2(B)、AMSTEOS,EtOH,3,0.12,2(C)、AMSTEOS,EtOH,3,0.58,2(D)、AMSTEOS,EtOH,3,0.2,3.5(E)、AMSTEOS,EtO
H,3,0.35,3.5(F)、AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2(G)、AMSTEOS,EtOH,3,0.35,6(H)、AMSTEOS,EtOH,3,1.01,3.5(I)、AMSTEOS,EtOH,3,1.74,6(J))および図4(AMSTEOS,i−PrOH,3,0.35,2(A)、AMSTMOS,EtOH,3,0.35,2(B)、AMSTEOS,MeOH,3,0.35,2(C)、AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2(D)、AMSTMOS,MeOH,3,0.35,2(E))に示す。すべての吸着等温線は、Brunauer分類によるI型のものであり、マイクロポーラス材料のフィンガープリントである。図3および4は、AMS材料の多孔性に対するゾルゲル合成パラメータの影響を示す。例えば、AMSTEOS,EtOH,3,0.35,1.2(A)の吸着等温線は、調べたうちで最も狭い細孔を有するウルトラマイクロ細孔材料を示す。AMSTEOS,EtOH,3,0.35,1.2材料のマイクロ細孔直径は、ASAP 2020装置(Micromeritics)においてHorvath Kawazoe法を用いて測定した。メジアン細孔幅は約4Åであった。AMSTEOS,EtOH,3,0.35,1.2のマイクロ細孔容積は0.13ml/gであった。スーパーマイクロポーラス材料は、0.5までのP/Po相対圧力で相当な窒素取込みを示す。AMSTEOS,EtOH,3,1.74,6(J)は、直径が1.5〜2nmの範囲でマイクロ細孔容積が0.48ml/gのスーパーマイクロ細孔を有する。シリカゾルにおける加水分解モル比およびH:Siモル比を増大させることにより、マイクロ細孔容積が大きく、ウルトラマイクロ細孔からスーパーマイクロ細孔への移行が得られた(図3)。
異なるシリコンアルコキシドおよび溶媒から調製されたAMS材料の吸着等温線を図4に示す。0〜0.5の相対圧力P/Po範囲における窒素吸着等温線の傾きに基づくと、AMSTMOS,MeOH,3,0.35,2は、AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2より広いマイクロ細孔を有する材料である。AMSTMOS,MeOH,3,0.35,2は、TEOSおよびエタノールから調製されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2材料におけるウルトラマイクロ細孔とは対照的に、スーパーマイクロ細孔を含む(図4)。
本発明における使用のための種々のAMS材料のマイクロ細孔容積およびBET表面積を表1に示す。
Figure 2008512151
実施例3−AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2からのβ−エストラジオール放出
実施例2に記載のようにして合成したAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2に、ジクロロメタンを溶媒として用い、β−エストラジオールを装填した。インビトロ放出実験を実施例1に記載したのと同様にして行なった。
時間に対するAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2からのβ−エストラジオール放出のパーセントを図5に示す。AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2からのβ−エストラジオール放出は、結晶性マイクロポーラス材料US−Yゼオライト(実施例1)の場合よりも低速である。薬物放出は、1時間後で約80%および4時間後で100%であった。時間の平方根に対するβ−エストラジオール放出を図6に示す。薬物の最初の80%の放出は、時間の平方根と線形に起こり、放出が拡散によって起こることを示す。
実施例4−AMSTEOS−TMOS X−Y,EtOH.3.0.35,2材料からのβ−エストラジオール放出
アモルファスマイクロポーラスシリカを、(i)TEOSとTMOSの混合物、(ii)エタノールおよび(iii)HCl 8Nをシリコンアルコキシド:水:エタノール:HClが1:2:3:0.35のモル比で合わせることにより調製した。このような材料を、AMSTEOS−TMOS X−Y,EtOH.3.0.35,2で示す。コードTEOS−TMOS X−Yは、シリカゾルにおけるTEOS:TMOSがX:Yのモル比を有する材料を示す。
AMSTEOS−TMOS X−Y,EtOH,3,0.35,2材料に、ジクロロメタンを溶媒として用い、β−エストラジオールを装填した。
インビトロ放出実験を実施例1に記載したのと同様にして行なった。時間に対するAMSTEOS−TMOS X−Y,EtOH,3,0.35,2材料からのβ−エストラジオール放出のパーセントを図7に示す。最も高速の放出がAMSTEOS.TMOS 90−10,EtOH,3,0.35,2で観察された(30分間後で約81%、および1時間後で約90%)。AMSTEOS−TMOS 95−5,EtOH,3,0.35,2およびAMSTEOS−TMOS 85−15,EtOH,3,0.35,2からの放出は、より低速であった(1時間後でそれぞれ約66%および61%)。この実施例は、放出が、ゾルゲル処理においてTEOSおよびTMOSケイ素源を合わせることにより微調整され得ることを教示する。
実施例5−溶解媒体としての模擬胃液および模擬腸液中におけるAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2からのイブプロフェン放出
実施例2のAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2へのイブプロフェンの装填を、以下のようにして進行させた。薬物を激しい振盪下でジクロロメタンに溶解し(1mg/ml)、AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2を添加した(9mg/ml)。3日後、ジクロロメタンを減圧下(200ミリバール)、25℃でエバポレートした。
模擬胃液(SGF)および模擬腸液(SIF)を溶解媒体として用いた。SGF(pH
1.2)を、2gのNaClを500mlの脱イオン水に溶解し、7mlの濃HCl(37%)を添加し、脱イオン水で容量を1000mlに調整することにより調製した。SIF(pH 6.8)は、0.01M KHPOおよび0.01M KHPOをKHPO:KHPOが39:100の容量比で混合することにより調製したリン酸緩衝溶液である。
インビトロ放出実験を室温で、10mg量の装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2を75ml量のSGFおよび10ml量のSIF中に分散させることにより行なった。外的な拡散制限による送達速度の制限を回避するため、連続的な振盪を維持した。異なる時間後の該液体中の薬物濃度をHPLCによって測定することにより、放出プロフィールを得た。
図8は、時間に対するSGFおよびSIF中でのAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2からのイブプロフェン放出のパーセントを示す。SGF中でのイブプロフェン放出は非常に低速であり、2時間後、SGF中での累積放出はわずか約43%である。SIF中でのイブプロフェン放出は、SGF中よりも高速であったが、それでも低速であった(6時間後で約90%)。時間の平方根に対するSGFおよびSIF中でのイブプロフェン放出を図9に示す。
実施例6−胃腸管を模擬した溶解媒体中でのAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2からのイブプロフェン放出
実施例2のAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2へのイブプロフェンの装填を、実施例5に記載したのと同様にして進行させた。装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2粉末の粒子直径分布を図10に示す。イブプロフェン装填AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2の粒径を、COULTER LS 100装置を用いて測定した。COULTERでの測定前に、粉末を脱塩水中で30分間超音波処理した。95%信頼域は2.8μm〜264μmであり、平均粒子直径は約27μmである。
人体の胃腸(Gl)管を模擬した溶解媒体中でのインビトロ放出実験を、以下のようにして行なった。10mg量の装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2を75ml量のSGF中に分散させた。2時間後、KHPOを、溶液のpHが6.8に
なるまで添加した。外的な拡散制限による送達速度の制限を回避するため、連続的な振盪を維持した。異なる時間後の該液体中の薬物濃度をHPLCによって測定することにより、放出プロフィールを得た。
時間に対するAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2からのイブプロフェン放出のパーセントを図11に示す。2時間後、薬物送達速度は、KHPOの添加後のpHの増大のため増大する。累積放出は、約5時間後で80%および8時間後で97%であった。
胃腸管を模擬した溶解媒体中でのおよそ8時間の放出時間により、AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2経口投与されるイブプロフェンの遅延放出のための優れた担体材料となる。
実施例7−AMS顆粒の合成
AMSゲルを先に記載したのと同様にして調製した。固形ゲルを65℃まで0.1℃/分の加熱速度で加熱した。65℃で5時間後、生成物を250℃の最終温度まで0.1℃/分の速度で加熱した。250℃で5時間後、生成物を周囲温度まで冷却した。生成物を分級し、0.8mm〜1mmの間の大きさを有する顆粒を回収し、以下の実施例の薬物放出実験に使用した。
実施例8−胃腸管を模擬した溶解媒体中でのAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2顆粒からのイブプロフェン放出
0.8mm〜1mmの間の大きさを有するAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2顆粒を、実施例7の方法に従って作製し、次いで、実施例5に記載したのと同じ装填手順を用いてイブプロフェンを装填した。有効薬物装填は3.6重量%であった。
このようなAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2顆粒中での薬物物質の物理的状態を解明するため、示差走査熱量測定(DSC)を行ない、図12に示す。75℃で観察され得る結晶性イブプロフェンの融解ピークは、結晶性イブプロフェンが顆粒内の全薬物量の約25%に相当することが推測され得るピーク表面を有する。したがって、これは、イブプロフェン量の約75%がAMS顆粒のマイクロ細孔中で分子分散状態であったことを意味する。
胃腸管を模擬した溶解媒体中での薬物物質の放出を試験するため、このような装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2顆粒を攪拌下、37℃で1000ml SGF中に分散させた。2時間後、KHPOを、溶液のpHが6.8になるまで添加した。特定の時間間隔で、溶解媒体中の薬物物質の濃度を、HPLCを用いて測定した。
時間に対するこのようなAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2顆粒からのイブプロフェン放出のパーセントを図13に示す。45時間後、累積放出は70%である。この実施例は、約1ミリメートルサイズのAMS材料の粒子を用いることにより、薬物の放出がどのように実質的に低速となり得るかを示す。時間の平方根に対するイブプロフェン放出のプロットを図14に示す。pHが6.8となるとすぐ、このようなパラメータ間には明白な比例関係が存在し、細孔拡散が支配的な放出機構であることを示す。
実施例9−胃腸管を模擬した溶解媒体中でのAMSTEOS,EtOH,3,1.74,6顆粒からのイブプロフェン放出
AMSTEOS,EtOH,3,1.74,6顆粒は、実施例8のAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2顆粒と比べ、高いマイクロ細孔容積および大きなマイクロ細孔径を有する。
AMSTEOS,EtOH,3,1.74,6顆粒を実施例7の方法に従って作製し、次いで、それぞれ8重量%および16重量%のイブプロフェンを、ジクロロメタン溶液からの吸着によって装填した。3日後、ジクロロメタンを減圧下(200ミリバール)、25℃でエバポレートした。
AMSTEOS,EtOH,3,1.74,6顆粒中での薬物物質の物理的状態を解明するため、DSC解析を行なった。結晶性イブプロフェンの融解に特徴的な75℃での定量化可能な吸熱ピークは、図15に示すように、DSC解析において非存在である(8%薬物装填はパートA、16%薬物装填はパートB)。イブプロフェンは、結晶性化合物として存在していないが、アモルファス材料の細孔内部に位置していることが確認される。この実施例は、マイクロ細孔内部での高イブプロフェン装填は、AMS材料の孔径を適合させることによって達成され得ることを示す。
インビトロ放出実験を実施例8に記載したのと同様にして行なった。時間に対するそれぞれ8%および16重量%のイブプロフェンを装填したAMSTEOS,EtOH,3,1.74,6顆粒からのイブプロフェン放出のパーセントを図16に示す。6時間後、累積放出は両方の試料で88%である。より大きな細孔直径を有するAMSTEOS,EtOH,3,1.74,6顆粒からのイブプロフェン放出は、AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2(実施例8)からの薬物放出と比べて高速である。この実施例は、異なる細孔直径を有するAMS材料を選択することにより放出パターンがどのように適合され得るかを示す。細孔直径が大きいほど、高い放出速度がもたらされる。時間の平方根に対するイブプロフェン放出を図17に示す。放出は、放出の主要部分にわたって時間の平方根に比例する。
AMSTEOS,EtOH,3,1.74,6顆粒をイブプロフェン担体として用いると、放出時間は、薬物がGI管内に吸収される制限時間に相当する。マイクロ細孔内での高イブプロフェン装填との組合せのこの最適な放出時間により、AMSTEOS,EtOH,3,1.74,6顆粒は、経口投与されるイブプロフェンの制御放出のための優れた担体となる。
実施例10−AMSTEOS−TMOS 90−10,EtOH,3,0.35,2顆粒からのβ−エストラジオール放出
AMSTEOS−TMOS 90−10,EtOH,3,0.35,2顆粒を実施例7の方法に従って作製し、ジクロロメタンを溶媒として用い、10重量%のβ−エストラジオールを装填した。
インビトロ放出実験を実施例1に記載したのと同様にして行なった。時間に対するAMSTEOS−TMOS 90−10,EtOH,3,0.35,2顆粒からのβ−エストラジオール放出のパーセントを図18に示す。13時間後、累積放出は28%である。0.8mm〜1mmの間の直径を有するAMSTEOS−TMOS 90−10,EtOH,3,0.35,2顆粒からのβ−エストラジオールの放出速度は極めて低い。この実施例は、ミリメートルサイズのアモルファスマイクロポーラス材料の粒子を用いることにより、薬物の放出がどのように実質的に低速となり得るかを示す。時間の平方根に対するβ−エストラジオール放出のプロットを図19に示す。このようなパラメータ間には明白な比例関係が存在し、薬物放出が細孔拡散によって支配されていることを示す。図19に基づくと、80%放出は約145時間後に達成され得ることが推測され得る。
実施例11−制御経口送達のためのイブプロフェン−AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2錠剤の調製および該錠剤の医薬特性のキャラクタライゼーション
それぞれ10重量%および20重量%のイブプロフェン装填を有する薬物−シリカ複合体を、先に記載の方法に従って調製した。実施例2のAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2を担体材料として用い、粒子拡大後、AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2の粒径は125〜250μmの間であった。イブプロフェンの装填は、実施例5に記載したのと同様にして進行させた。
装填されたAMS材料(AMSIP)を希釈剤および結合剤と混合し、打錠に適した顆粒を形成した。Avicel(微晶質セルロース)を、打錠プロセスにおいて希釈剤として用いた。ポリビニルピロリドン(PVP)を結合剤として選択した。全PVP量の50%を乾燥粉末として添加し、残りのPVP量を水で希釈した。粒状体賦形剤の質量比を表2に示す。
Figure 2008512151
Primojel(登録商標)(改質デンプン)を崩壊剤として、およびステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として用い、顆粒を錠剤に圧縮した。粒状体:崩壊剤:滑沢剤の質量比は0.975:0.02:0.005とした。錠剤は、18〜21kNで、単発式(single−punch)打錠機を用いて圧縮した。錠剤重量は250mgとした。錠剤および3中のイブプロフェンが装填されたAMS(AMSIP)の最終量は、それぞれ29.25重量%(粒状体1と2)および39重量%(粒状体3)であった。
粒状体1、2および3から作製された製剤の錠剤硬度は、それぞれ、5.7kPa、7.5kPaおよび5.2kPaであった。硬度を測定するため、錠剤を2つのアンビル間に配置し、アンビルに力を装填し、ちょうど錠剤の破壊が起こった破砕強度を記録する。
錠剤崩壊時間(水中で測定)は、それぞれ:
−粒状体1から作製された錠剤で14分11秒、
−粒状体2から作製された錠剤で18分41秒、および
−粒状体3から作製された錠剤で9分58秒
であった。
実施例12−胃腸管を模擬した溶解媒体中でのAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2錠剤からのイブプロフェン放出
イブプロフェンが装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2錠剤を実施
例11に記載した手順に従って調製した。
インビトロ放出実験を実施例8に記載したのと同様にして行なった。
異なるイブプロフェンおよびAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2装填量を有する錠剤からのイブプロフェン放出を図20〜22に示す(各図において、パートAは時間に対するものであり、パートBは時間の平方根に対するものである)。薬物送達速度の急激で有意な増加が、2時間後に、すべての溶解プロフィールで観察される。これは、KHPOの添加後の溶解媒体のpH増大によって説明され得る。
10wt%のイブプロフェンが装填された29.25wt%のAMSIPを含有する錠剤からのイブプロフェン放出は以下のようにして進行した。2時間後、薬物放出のパーセントは15%である。KHPOの添加によりイブプロフェン放出の増大がもたらされ、さらに5分後、35%の値まで上昇する。8時間後、累積放出は83%である(図20A)。
20重量%のイブプロフェンが装填された29.25重量%のAMSIPを含有する錠剤からの薬物送達は、さらに高速である。イブプロフェン装填量が高いほど、高い送達速度がもたらされる。2時間後、累積放出は34%であり、pH増大後、5分間で75%まで上昇する。6時間後、100%放出が達成される(図21A)。
10wt%のイブプロフェンが装填された39wt%のAMSIPを含有する錠剤での時間に対する薬物放出のパーセントもまた測定した。20%の累積放出は2時間後に観察される。pH増大により、KHPO添加後5分間で40%の全イブプロフェン放出がもたらされる。8時間後、すべての薬物分子が放出される(図22A)。
GI管を模擬した溶解媒体中でのおよそ8時間の放出時間は、10wt%のイブプロフェンが装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2を含有する錠剤の溶解プロフィールにおいて観察される。この放出期間は、薬物が充分に吸収されることが期待され得る制限時間に相当する。これにより、イブプロフェン−AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2錠剤は、経口投与されるイブプロフェンの遅延放出のための優れた薬物製剤となる。
実施例13−AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2カプセルからのイブプロフェン放出
10重量%のイブプロフェンが装填された薬物−シリカ複合体を、先に記載の方法に従って調製した。実施例2のAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2を担体材料として用い、粒子拡大後、AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2の粒径は125〜250μmの間であった。イブプロフェンの装填は、先に記載したのと同様にして進行させた。
第1の製剤では、200mgのイブプロフェンが装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2粉末をカプセル(Capsugel(登録商標)サイズ00)内に充填した。第2の製剤では、イブプロフェンが装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2を希釈剤および結合剤と混合し、粒状体1(実施例11、表2を参照)を形成した。283mgの粒状体1を同じカプセル内に充填した。
インビトロ放出実験を実施例8に記載したのと同様にして行なった。該装填AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2粉末およびAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2顆粒が充填されたカプセルの溶解プロフィールを、それぞれ図23および24に示す。それぞれ36%および35%の累積放出が2時間後に観察される。KHPOの添加
によりイブプロフェン放出の増大がもたらされ、さらに10分後、それぞれ51%および48%の値まで上昇する。10時間後、イブプロフェン放出は、それぞれ87%および89%であった。溶液中のイブプロフェン濃度と時間の平方根との線形の関係は、薬物放出がAMSの細孔中への拡散によって支配されていることを示す。この実施例は、該装填AMSTEOS,EtOH,3,0.35,2材料(粉末または顆粒のいずれか)が充填されたカプセルは、経口投与されるイブプロフェンの遅延放出のための優れた薬物製剤であることを示す。
実施例14−薬物送達系用のアモルファスマイクロポーラスチタニアの合成
チタニアゲルを調製し、次いで、Maierら(前掲)によって記載された方法による焼成手順に供した。焼成チタニア材料の窒素の吸着および脱離等温線を図25に示す。焼成チタニアの吸着等温線はI型であり、0.7nmを超えない平均サイズを有するアモルファスマイクロポーラス材料を示す。
このマイクロポーラスアモルファスチタニアにエストラジオール(実施例3および4と同様の手順を使用)またはイブプロフェン(実施例5および6と同様の手順を使用)を装填すると、マイクロポーラスアモルファスシリカと比べたとき、これらの生物活性剤の放出プロフィールに関して同様の観察結果がもたらされる。このマイクロポーラスアモルファスチタニアを、エストラジオールまたはイブプロフェンを装填する(実施例8〜10と同様の手順を使用)前に顆粒に製剤化する(実施例7と同様の手順を使用)か、または薬物装填マイクロポーラスアモルファスチタニアを錠剤の作製もしくはカプセル充填(実施例11〜13と同様の手順を使用)のための顆粒に製剤化すると、マイクロポーラスアモルファスシリカと比べたとき、これらの生物活性剤の放出プロフィールに関して同様の観察結果がもたらされる。
それぞれ時間および時間の平方根に対する超安定なYゼオライトCBV 760(比較材料)からのβ−エストラジオール放出を示す。 それぞれ時間および時間の平方根に対する超安定なYゼオライトCBV 760(比較材料)からのβ−エストラジオール放出を示す。 −196℃における本発明によるAMS材料の窒素吸着等温線を示す。 −196℃における本発明によるAMS材料の窒素吸着等温線を示す。 それぞれ時間および時間の平方根に対するAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2(本発明による材料)からのβ−エストラジオール放出を示す。 それぞれ時間および時間の平方根に対するAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2(本発明による材料)からのβ−エストラジオール放出を示す。 時間に対するAMSTEOS−TMOS X−Y,EtOH,3,0.35,2(本発明による材料)からのβ−エストラジオール放出を示す。 それぞれ時間および時間の平方根に対するSGF(A)およびSIF(B)中でのAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2(本発明による材料)からのイブプロフェン放出を示す。 それぞれ時間および時間の平方根に対するSGF(A)およびSIF(B)中でのAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2(本発明による材料)からのイブプロフェン放出を示す。 イブプロフェンが装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2(本発明による材料)の粒子直径分布を示す。 人体の胃腸管を模擬する溶解媒体中での、時間に対するAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2(本発明による材料)からのイブプロフェン放出を示す。 3.6重量%イブプロフェンが装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2顆粒(本発明による材料)のDSC曲線を示す。 それぞれ時間および時間の平方根に対するAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2顆粒(本発明による材料)からのイブプロフェン放出を示す。 それぞれ時間および時間の平方根に対するAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2顆粒(本発明による材料)からのイブプロフェン放出を示す。 それぞれ8重量%(A)および16重量%(B)のイブプロフェンが装填されたAMSTEOS,EtOH,3,1.74,6粒子(本発明による材料)のDSC曲線を示す。 それぞれ時間および時間の平方根に対するAMSTEOS,EtOH,3,1.74,6顆粒(本発明による材料)からのイブプロフェン(IP)放出を示す(8%および16重量%IP装填で)。 それぞれ時間および時間の平方根に対するAMSTEOS,EtOH,3,1.74,6顆粒(本発明による材料)からのイブプロフェン(IP)放出を示す(8%および16重量%IP装填で)。 それぞれ時間および時間の平方根に対するAMSTEOS−TMOS 90−10,EtOH,3,0.35,2顆粒(本発明による材料)からのβ−エストラジオール放出を示す。 それぞれ時間および時間の平方根に対するAMSTEOS−TMOS 90−10,EtOH,3,0.35,2顆粒(本発明による材料)からのβ−エストラジオール放出を示す。 時間(A)および時間の平方根(B)に対する、10重量%イブプロフェンが装填された29.25重量%のAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2材料を含有する錠剤からのイブプロフェン放出を示す。 時間(A)および時間の平方根(B)に対する、20重量%イブプロフェンが装填された29.25重量%のAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2材料を含有する錠剤からのイブプロフェン放出を示す。 時間(A)および時間の平方根(B)に対する、10重量%イブプロフェンが装填された39重量%のAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2材料を含有する錠剤からのイブプロフェン放出を示す。 時間(A)および時間の平方根(B)に対する、10重量%イブプロフェンが装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2粉末材料が充填されたカプセルからのイブプロフェン放出を示す。 時間(A)および時間の平方根(B)に対する、10重量%イブプロフェンが装填されたAMSTEOS,EtOH,3,0.35,2材料を含有する顆粒が充填されたカプセルからのイブプロフェン放出を示す。 アモルファスマイクロポーラスチタニア(AMT)の窒素の吸着および脱離等温線を示す。

Claims (26)

  1. 生物活性化合物およびマトリックス担体を含む制御放出送達系において、前記マトリックス担体が、前記生物活性化合物が装填されるアモルファスマイクロポーラス非繊維状のケイ素またはチタンの酸化物であり、前記マトリックス担体のマイクロ細孔が0.4〜2.0nmの範囲の平均サイズを有することを特徴とする、制御放出送達系。
  2. 前記生物活性化合物の少なくとも50%が前記マトリックス担体の細孔内で分子分散状態である、請求項1に記載の制御放出送達系。
  3. 前記生物活性化合物の少なくとも50%が前記マトリックス担体の細孔内で分子分散状態である、請求項1または請求項2に記載の制御放出送達系。
  4. 前記マトリックス担体の細孔内の前記生物活性化合物の分子分散が、示差走査熱量測定によって明示される、請求項2または請求項3に記載の制御放出送達系。
  5. 前記生物活性化合物の量が送達系の1〜30重量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  6. 前記生物活性化合物の量が送達系の2〜25重量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  7. 1.0〜8.0の間のpHの水性流体内への前記生物活性化合物の80%放出が、30分間〜約150時間の範囲の時間より前には得られない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  8. 前記送達系が経口投与用であり、前記1.0〜8.0の間のpHの水性流体内への生物活性化合物の80%放出が、2時間〜12時間の範囲の時間より前には得られない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  9. 前記アモルファスマイクロポーラス非繊維状の酸化物が非浸食性アモルファスマイクロポーラスシリカまたはチタニアであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  10. 生物活性化合物が生理学的に活性な化合物であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  11. 生物活性化合物が栄養学的に活性な化合物であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  12. マトリックス担体の少なくとも1種類のモノリスマクロ体を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  13. ナノ粒子状形態のマトリックス担体を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  14. マイクロ粒子状形態のマトリックス担体を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  15. マトリックス担体がモノモードマイクロ細孔径分布を有することを特徴とする、請求項
    1〜14のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  16. 活性化合物の分子サイズが前記マトリックス担体のマイクロ細孔の平均サイズより大きくない
    ことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  17. マトリックス担体が、少なくとも0.01ml/gかつ最大0.52ml/gのマイクロ細孔容積を有することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  18. マトリックス担体が、少なくとも25m/gかつ最大1,000m/gのBET表面積を有することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  19. まず、0.4〜2.0nmの範囲の平均サイズのマイクロ細孔を有する前記アモルファスマイクロポーラス非繊維状の酸化物マトリックス担体を合成し、ここで前記合成は、任意選択で焼成工程を含み、次いで、前記生物活性剤を前記マトリックス担体内に装填することにより作製される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  20. 経口投与用の錠剤またはカプセルの形態である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  21. 局所投与用の経皮パッチ、創傷包帯または化粧用クリームの形態である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の制御放出送達系。
  22. 哺乳動物への少なくとも1種類の生物活性剤の投与のための請求項1〜21のいずれか1項に記載の制御放出送達系の使用。
  23. 前記哺乳動物に対する投与が胃腸投与である、請求項22記載の使用。
  24. 前記哺乳動物に対する投与が局所投与である、請求項22記載の使用。
  25. 前記哺乳動物に対する投与が経口投与である、請求項22記載の使用。
  26. 前記哺乳動物に対する投与がインプラントによるものである、請求項22記載の使用。
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