JP2008509997A - N−ハロゲン置換有機化合物の製造方法 - Google Patents

N−ハロゲン置換有機化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

本方法はハロゲン置換可能アミドもしくはイミド官能基を分子中に1個以上有する化合物の非常に有効なN−ハロゲン置換を可能にするものである。本方法は、例えば、反応槽に(i)水、有機塩基、およびN−ハロゲン置換を受けさせるべき化合物、例えばヒダントインなどと(ii)臭素化剤および/または塩素化剤の供給材料を同時に供給することを伴う。これらの供給材料の比率を、pHが5以下、または指定範囲、例えば5.5−8.5の範囲内に保持されかつ前記アミドもしくはイミドの窒素原子の1つ以上が臭素または塩素原子で置換されるような比率にする。本方法の特徴は、これを約90℃の如き高い温度で反応体の熱分解も生成物の熱分解も評価できるほど起こさせることなく実施することができる点にある。結果として生じた生成物は高収率かつ高純度で連続的に沈澱する。その上、外観が非常に淡い黄色からほとんど純粋に白色の生成物を生じさせることができる。更に、本方法は商業を基に以前に製造された粒径よりもずっと大きな粒径を有する1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインをもたらし得ることも見いだした。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2000年1月18日付けで出願した共通所有で同時係属中の先行出願番号09/484,844(現時点では [認可](これの開示は全部引用することによって本明細書に組み入れられる)の一部継続出願である。
他の出願の言及
本出願の方法を用いて製造可能な1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの粒状固体(この固体は前例の無い向上した特性を有する)および前記粒状固体から結合剤の使用無しに作られた圧縮粒子が特許文献1に記述および請求されている。特許文献2は、一部として、新規な結合剤を用いて1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインを圧縮粒子に変化させることに関する。新規な圧縮もしくは非圧縮形態の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを用いて有効な微生物防御を実施する方法が特許文献3に記述および請求されている。特許文献4は、結合剤を用いることなく1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン以外の1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインを圧縮することとそのようにして生じさせた新規な圧縮形態に関する。特許文献5は、平均粒径が小さい1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの顆粒化およびまたそのような顆粒製品を圧縮してより大きな粒子を生じさせることにも関する。
本発明は、N−ハロゲン置換アミドもしくはイミド、例えばN−ハロゲン置換ヒダントイン、スクシナミド、スクシニミド、フタルアミド、フタルイミド、シアヌール酸およびグリコルリル(glycolurils)などの高度に効率の良い新規な製造方法に関する。本発明の好適な面は、1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインの高度に効率の良い新規な製造方法に関する。ハロゲン、ハロゲン置換およびハロの如き用語を本明細書で用いる場合、これらは臭素および/または塩素を指す。
いろいろなN−ハロゲン置換アミドおよびイミドが有機合成における化学中間体、ハロゲン化剤(halogenating agents)、そして殺生物剤として公知の有用性を有する。例えば特許文献6、7および8を参照のこと。
1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン、特に1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントインおよび1−クロロ−3−ブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、またはこれらの2種以上の混合物は水処理で用いられる殺生物剤である。このような化合物は一般に水に難溶である。1,3−ブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを除くそのような化合物は各々圧縮固体形態、例えば顆粒、錠剤またはブリケット(briquettes)などの形態で供給され、それらは処理を受けさせるべき水に水流でエロージョンフィーダー(erosion feeder)に通して送り込まれる。
N−ハロゲン置換アミドもしくはイミドを製造する改良方法を探求する努力が数年に渡ってかなり行われてきた。特許文献9では、アルキルヒダントインに臭素による処理を次亜塩素酸塩が入っている酸性水溶液中で好適には1から4のpHで受けさせることでN−臭素置換化合物、例えばN−臭素置換5,5−ジ−低級アルキルヒダントインを生じさせている。しかしながら、選択された方法はアルキルヒダントインにハロゲン置換を塩基性の水性媒体中で受けさせる方法であった。ハロゲンをアルキルヒダントインが入っている水性媒体に導入するか或はハロゲンを水性媒体中でインシトゥ(in situ)生成させることが必ずと言っていいほど行われてきた。これに関連して、特許文献10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、非特許文献1、2、3、4および5を参照のこと。
アミドおよびイミドの従来のN−ハロゲン置換方法の欠点には、温度を注意深く管理する必要があること(特に突発的発熱を回避する目的で)、反応時間が長いこと、反応体および/または反応生成物の分解が原因で気体が発生することで発泡が起こること、そして製品の品質が一定でないことが含まれる。
1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインの場合、生成物を比較的大型の粒子として生じさせることを可能にする方法の提供が望ましい目的である。特許文献23には、比較的大型の粒子を構成しているN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン生成物を生じさせることが示されている。しかしながら、不幸なことには、そのような方法ではジメチルヒダントインのハロゲン置換をハロゲン置換脂環式有機化合物、例えばジクロロメタンなどの存在下の水性混合物中でアルカリ性条件下で行う必要がある。
この上に示した欠点を回避するか或は少なくともその度合を最小限にしながらN−ハロゲン置換アミドもしくはイミドをもたらす新規な方法を見つけだすことができれば、これはかなりの利点になるであろう。また、今までに知られていた方法を用いた時にもたらされていた平均粒径よりも大きな平均粒径を有する1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインをもたらす方法を見つけだすことができれば、これも多大な利点になるであろう。また、反応混合物にハロゲン置換有機溶媒を用いる必要なく平均粒径が大きい生成物の製造を達成することができれば、これもかなりの利点になるであろう。
別の利点は、1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン(好適には1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントイン)の「テーラーメード」混合物が必ずしも大きな平均粒径を有するとは限らなくてもそのような混合物の製造を単一のハロゲン置換段階もしくは操作で実施することを可能にする工程技術を提供することであろう。「テーラーメード」混合物は、ハロゲン置換工程を制御または調節することによって、反応生成物が含有する1,3−ジブロモ−5,5−ジアルキルヒダントインとN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジアルキルヒダントイン1種または2種以上と場合により1,3−ジクロロ−5,5−ジアルキルヒダントインの混合物をこの混合物中のそのようなハロゲン置換生成物の比率が前以て決めておいた実験範囲内になるようにそれを制御することが可能な、反応生成物を生じさせることができることを意味する。そのような混合物の数種は新規であり、特に水処理用途で費用効果的殺生物剤として用いるに有用である。
本発明はそのような目的を最も有効かつ効率の良い様式で満足させるものであると考えている。
我々および我々の同僚の中の1人が2000年1月18日付けで出願した共通所有で同時係属中の出願番号09/484,687(現在では米国特許第6,508,954号) 我々の中の1人および我々の同僚の中の1人が2000年1月18日付けで出願した共通所有で同時係属中の出願番号09/487,816(現在では米国特許第6,680,070号) 我々の同僚の中の数人が2000年1月18日付けで出願した共通所有で同時係属中の出願番号09/484,938(現在では米国特許第6,565,868号) 我々の同僚の中の1人が2000年1月18日付けで出願した共通所有で同時係属中の出願番号09/484,891(現在では米国特許第6,495,698号) 我々の中の1人および我々の同僚の中の1人が2000年1月18日付けで出願した共通所有で同時係属中の出願番号09/483,896(現在では米国特許第6,448,410号) 米国特許第2,868,787号 米国特許第2,920,997号 米国特許第2,971,959号 米国特許第2,971,960号 米国特許第2,398,598号 米国特許第2,779,764号 米国特許第2,868,787号 米国特許第2,920,997号 米国特許第2,971,959号 米国特許第3,121,715号 米国特許第3,147,259号 米国特許第4,532,330号 米国特許第4,560,766号 米国特許第4,654,424号 米国特許第4,677,130号 米国特許第4,745,189号 1997年11月20日付けで公開されたWO 97/43264 米国特許第4,745,189号 OraziおよびMeseri、Anales Assoc.Quim.Argentina、1949、37、192−196 OraziおよびMeseri、Anales Assoc.Quim.Argentina、1950、38、5−11 CorralおよびOrazi、J.Org.Chem.、1963、23、1100−1104 Jolles、Bromine and its Compounds、Ernest Benn、London、1966、365頁 MarkishおよびArrad、Ind.Eng.Chem.Res.、1995、34、2125−2127
発明の要約
本発明に従い、効率が高く、製品の均一さに一貫性があり、製品の色が良好でありかつ反応体の利用効率が良いことを特徴とする方法を提供する。本発明は、加うるに、N−ハロゲン置換の発熱反応を費用のかかる冷蔵(refrigeration)の使用なしに行うことを可能にするものである。その上、本発明の方法はバッチ様式(batch mode)、半バッチ様式または連続様式で実施可能であり、かつ非常に淡い黄色からほとんど純粋に白色の製品が高い収率で得られるように発色基を持たない製品を製造しようとする時に、そのような様式のいずれも使用可能である。加うるに、本発明の方法では如何なる種類のハロ有機溶媒も共溶媒も用いる必要がない。
更に、本発明は、工程中に如何なるハロゲン置換溶媒も共溶媒も用いることなく大きな平均粒径を有する1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインの製造を可能にするものである。現在では、本発明に従い、例えば少なくとも175ミクロンの平均粒径を有する1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを容易に生じさせることができる。実際、本発明の方法を用いて平均粒径が300ミクロンを超える1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを製造した。本明細書の以下から分かるであろうように、いろいろな商業源から入手した数種の市販1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインのサンプルに対して実施した測定により、そのような市販品の最大平均粒径はほんの約162ミクロンであることが分かった。
本発明の態様の1つは、ハロゲン置換可能な(halogenatable)アミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物のN−ハロゲン置換(N−halogenation)方法である。この方法は、(a)N−ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物、(b)無機塩基、(c)臭素化剤(brominating agent)および/または塩素化剤および(d)水を同時または実質的に同時に供給することを含んで成り、ここでは、(a)、(b)、(c)および(d)の供給を、これらの供給材料が反応ゾーン内で一緒になるように個別および/または任意組み合わせ1種または2種以上で行う。加うるに、供給する(a)、(b)、(c)および(d)の比率を、前記アミドもしくはイミドの少なくとも1個の窒素原子が臭素もしくは塩素原子で置換されて水性反応混合物中で沈澱を起こす生成物が生じるような比率であり、かつ前記水性反応混合物のpHが前記供給を行っている間の時間全部または実質的に全部に渡って連続的または実質的に連続的に約5.5から約8.5の範囲内に維持されるような比率にする。
ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミド官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物のN−ハロゲン置換を伴う別の態様は、別の同時供給方法である。この場合には、反応槽に個別であるが同時または実質的に同時に供給する供給材料を少なくとも2種類存在させる。一方の前記供給材料は臭素化剤または塩素化剤である。もう一方または更に他の個別供給材料によって、N−ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物と無機塩基と水を反応槽に送り込む。この態様の好適な方法は、反応ゾーンへの
A)(i)ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物と無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーと(ii)臭素化剤および/または塩素化剤の個別供給材料、または
B)臭素化剤および/または塩素化剤が1つの供給材料でありそして(a)および(b)から選択した少なくとも1つと(c)および(d)から選択した少なくとも1つが他の少なくとも2つの供給材料である少なくとも3つの個別の供給材料[ここで、
(a)は、無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーであり、
(b)は、ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物と無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーであり、
(c)は、ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物であり、そして
(d)は、ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物から生じさせた水溶液もしくはスラリーである]
の同時供給を、この同時供給を行っている間の時間全部または実質的に全部に渡って前記アミドもしくはイミドの少なくとも1個の窒素原子が臭素もしくは塩素原子で置換される結果水性反応混合物中で連続または実質的に連続的に沈澱を起こす生成物が連続的または実質的に連続的に生じるような比率であり、かつ前記混合物のpHが前記同時供給を行っている間の時間全部または実質的に全部に渡って連続的または実質的に連続的に約5.5から約8.5の範囲内に維持されるような比率で行うことを含んで成る。
ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミド官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物のN−ハロゲン置換の別の好適な方法は、所望の反応が起こるように個別の供給材料を本質的に2つ存在させる方法である。このような方法は、供給材料が反応混合物を形成するか或は形成し続けるように個別の供給材料を反応ゾーンに同時に供給することを含んで成る。これらの個別の供給材料を、(i)ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物と無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーと(ii)臭素化剤および/または塩素化剤で構成させ、これらの比率を、この同時供給を行っている間の時間全部または実質的に全部に渡って前記アミドもしくはイミドの少なくとも1個の窒素原子が臭素もしくは塩素原子で置換されそしてその結果として生じた生成物が水性反応混合物中で連続的または実質的に連続的に沈澱を起こすような比率であり、かつ前記混合物のpHが連続的または実質的に連続的に約6.5から約8.5の範囲内に維持されるような比率にする。
本発明の実施で用いる特に好適な群の反応体を5−ヒドロカルビル、特に5,5−ジヒドロカルビルヒダントインで構成させる。これらの反応体の中で5,5−ジアルキルヒダントインが更により好適である。従って、本発明の更に別の好適な態様は1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインの製造方法であり、この方法は、(i)個別および/または任意組み合わせ1種または2種以上で供給する水と無機塩基と5,5−ジメチルヒダントインと(ii)臭素化剤および/または塩素化剤の個別供給材料を同時に供給して互いの供給流れを接触させることを含んで成り、ここでは、それらの比率を、1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインが水性反応混合物(この混合物のpHを連続的または実質的に連続的に約6.5から約8.5の範囲内に維持する)中で生じて、前記1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインが、この同時供給を行っている間の時間全部または実質的に全部に渡って、沈澱を起こすような比率にする。
本発明の別の好適な方法は、N−ハロゲン置換を半バッチ、より好適には連続を基礎に実施する方法である。このような方法は、
I)水性反応混合物が入っている反応槽への
A)(i)ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物と無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーと(ii)臭素化剤お
よび/または塩素化剤の個別供給材料、または
B)臭素化剤および/または塩素化剤が1つの供給材料でありそして(a)および(b)から選択した少なくとも1つと(c)および(d)から選択した少なくとも1つが他の少なくとも2つの供給材料である少なくとも3つの個別の供給材料[ここで、
(a)は、無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーであり、
(b)は、ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物と無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーであり、
(c)は、ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物であり、そして
(d)は、ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物から生じさせた水溶液もしくはスラリーである]
の同時連続供給を、この同時供給を行っている間の時間全部または実質的に全部に渡って前記アミドもしくはイミドの少なくとも1個の窒素原子が臭素もしくは塩素原子で置換されそしてその結果として生じた生成物の沈澱物が水性反応混合物中で沈澱を起こし、かつ前記反応混合物のpHが連続的または実質的に連続的に約5.5から約8.5の範囲内に維持されるような比率で行い、そして
II)沈澱物および前記反応混合物の一部を前記反応槽から定期的または連続的に取り出す、
ことを含んで成る。
この上に示した方法のいずれでも臭素化剤を用いる場合には、本発明に従い、本方法で臭化物として生じた臭素価(bromine values)を回収することができる。このような操作を行うと本方法全体の経済性が向上し得る。本発明のそのような1つの態様は、
a)反応槽への(i)水と無機塩基とハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物(これらの成分を個別および/または任意組み合わせ1種または2種以上で供給する)と(ii)臭素化剤の個別供給材料の同時供給を(iii)前記アミドもしくはイミドの少なくとも1個の窒素原子が臭素原子で置換され、(iv)生成物が水性反応混合物(これのpHを連続的または実質的に連続的に約5.5から約8.5の範囲内に維持する)中で連続的または実質的に連続的に沈澱しそして(v)共生成物である無機臭化物塩の水溶液が生じるような比率で行い、
b)沈澱物を前記水溶液から分離し、そして
c)前記溶液に入っている共生成物である無機臭化物塩に酸化を受けさせて元素状の臭素を生じさせる、
ことを含んで成る。
この上に示した態様の各々でpHを好適には約6.5から約8.5の範囲内に維持する。特に前記N−ハロゲン置換可能反応体がヒダントインの時には前記pHを約6.8から約7.2の範囲内に維持しながら前記方法を実施するのが特に好適である。
この上に示したように、本発明の方法は各々バッチ様式、半バッチ様式または連続様式で実施可能である。
以下に行う説明および添付請求の範囲から本発明の他の態様および特徴が更に明らかになるであろう。
さらなる詳細な説明
本発明は、ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する幅広く多様な化合物のN−ハロゲン置換に適用可能である。従って、そのような化合物が有するハロゲン置換可能官能性は1個のみであってもよいか或はそれらはその
ようなハロゲン置換可能官能基を複数含有していてもよい。その上、このような化合物はハロゲン置換可能なアミド官能性とハロゲン置換可能なイミド官能性の両方を分子中に含んでいてもよい。本発明の方法で使用可能な典型的なN−ハロゲン置換可能化合物は、とりわけ、ヒダントイン、スクシナミド、スクシニミド、フタルアミド、フタルイミド、シアヌール酸、グリコルリル(glycolurils)、オキサゾリジノン、スルホンアミド、バルビツレート、イミダゾリノン、尿素およびオキサゾールの如き種類の化合物である。そのような化合物の言及を容易にする目的で、そのような化合物を本明細書では以降時としてN−ハロゲン置換可能化合物と呼ぶ。
アミド基(窒素原子がこれの置換基として水素原子を2原子持ち得る場合)を伴う反応を言及する場合の用語「N−ハロゲン置換可能」は、本開示の全体に渡って、本文でその水素原子の一方のみを除去すべきであるか或はその水素原子の両方を除去すべきであると明らかに示さない限り、脱プロトン化およびハロゲン置換を受けさせる窒素原子から一方の水素原子または両方の水素原子が除去されることを指す。
大部分のケースで、本発明の方法をN−ハロゲン置換可能アミド、特に環状アミドのN−ハロゲン置換にか或はN−ハロゲン置換可能イミド、特に環状イミドのN−ハロゲン置換に適用する。しかしながら、そのようなN−ハロゲン置換可能化合物の中でヒダントインが好適である。5−ヒドロカルビルおよび5,5−ジヒドロカルビルヒダントインがより好適である。特に好適なヒダントインは5−アルキルおよび5,5−ジアルキルヒダントイン、特に各アルキル基が含有する炭素原子の数が約6以下のそのようなヒダントインである。各アルキル基が独立して炭素原子を3個以下の数で含有する5,5−ジアルキルヒダントインが更により好適である。5,5−ジメチルヒダントインが最も特に好適である。
幅広く多様な無機塩基が本発明の方法で用いるに適する。それらは典型的にはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水溶性の塩基性塩もしくは酸化物である。好適な塩基には酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウムまたはこれらのいずれか2種以上の混合物が含まれる。
本発明に従う反応は水と無機塩基とN−ハロゲン置換可能化合物をいろいろな比率で用いて実施可能である。そのような無機塩基が一価カチオンを有する場合、供給する水1リットル当たりに脱プロトン化を受けさせるべきハロゲン置換可能アミドおよび/またはイミドの窒素原子が約0.5から約2.5モルと前記塩基が約0.5から約2.5モル存在するように前記供給材料を管理かつ維持すべきである。他方、そのような無機塩基が二価カチオンを有する場合、供給する水1リットル当たりに脱プロトン化を受けさせるべきハロゲン置換可能アミドおよび/またはイミドの窒素原子が約0.5から約2.5モルと前記塩基が約0.25から約1.25モル存在するように前記供給材料を管理かつ維持すべきである。
好適な態様では、供給する水と無機塩基とN−ハロゲン置換可能化合物の間の比率を下記:
A)前記無機塩基が一価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりにハロゲン置換可能アミドおよび/またはイミドの窒素原子が約1.0から約1.5モルおよび前記塩基が約1.0から約1.5モル存在し、そして
B)前記塩基が二価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりにハロゲン置換可能アミドおよび/またはイミドの窒素原子が約1.0から約1.5モルおよび前記塩基が約0.5から約0.75モル存在する、
ような比率にする。
5,5−ジアルキルヒダントイン、特に5,5−ジメチルヒダントインの使用を伴う本発明の好適な態様を実施する場合には、供給する水と無機塩基と5,5−ジメチルヒダントインの比率を、一価カチオンを有する無機塩基を用いる場合には供給する水1リットル当たりに5,5−ジメチルヒダントインが約0.5から約2.5モルおよび前記塩基が約1.0から約5.0モル存在、好適には供給する水1リットル当たりに5,5−ジメチルヒダントインが約1.0から約1.5モルおよび前記塩基が約2.0から約3.0モル存在し得るような比率にすべきである。二価カチオンを有する無機塩基を用いる場合には供給する水1リットル当たりに5,5−ジメチルヒダントインが約0.5から約2.5モルおよび前記塩基が約0.5から約2.5モル存在、好適には供給する水1リットル当たりに5,5−ジメチルヒダントインが約1.0から約1.5モルおよび前記塩基が約1.0から約1.5モル存在し得るような比率にすべきである。
最良の結果を達成しようとする時には、使用する塩基の量を、N−ハロゲン置換可能化合物が有する少なくとも1個のイミド基の窒素原子を脱プロトン化するか或は前記化合物が有する少なくとも1個のアミド基の窒素原子を完全またはある程度脱プロトン化するに理論的に必要な化学量論的量にするか或は実質的に化学量論的量にする。かくしてN−ハロゲン置換可能化合物がハロゲン置換可能イミド基を分子中に1個有する(かつハロゲン置換可能アミド基を持たない)場合には、用いる塩基の量を、そのイミド基の窒素原子を完全に脱プロトン化するに充分な量にする。同様に、N−ハロゲン置換可能化合物がハロゲン置換可能イミド基を分子中に2つ以上有する場合には、用いる塩基の量を、前記イミド基の望まれる数の窒素原子を脱プロトン化するに充分な量にしてもよい。N−ハロゲン置換可能化合物がハロゲン置換可能アミド基(即ち、式−CO−NHで表される基)を分子中に1個のみ有する場合には、用いる塩基の量を、そのような窒素原子を部分的に脱プロトン化する(それによって、窒素原子に対して一ハロゲン置換を達成する)に充分な量にするか或はそのような窒素原子を完全に脱プロトン化する(それによって、窒素原子に対して二ハロゲン置換を達成する)に充分な量にする。N−ハロゲン置換可能化合物がハロゲン置換可能アミド基を分子中に2つ以上有する場合には、用いる塩基の量を、そのようなアミドの窒素原子の1つ以上を所望度合にまで脱プロトン化するような量にしてもよい。N−ハロゲン置換可能化合物がハロゲン置換可能アミド基を少なくとも1つとハロゲン置換可能イミド基を少なくとも1つ含有する(例えばヒダントインの場合のように)場合、アミド基に有意な影響を与えることなくイミド基の窒素原子を選択的に脱プロトン化することも可能である。これを、前記塩基をイミド基(即ち、酸性度が大きい方の官能基)の窒素原子の脱プロトン化に化学量論的に必要な量で用いることで達成する。別法として、そのような基の両方が有する窒素原子を脱プロトン化するに充分な量で塩基を用いることによってイミド基の窒素原子とアミド基の窒素原子を脱プロトン化することも可能である。
前記水と無機塩基とN−ハロゲン置換可能化合物の供給は個別にか或は任意の組み合わせまたは混合物として実施可能である。しかしながら、前記無機塩基を水溶液としてN−ハロゲン置換可能化合物の共存在の有り無しで供給するのが有利である。このようにして、塩基を水に溶解させる時に起こる熱の発生を、そのような塩基の水溶液を反応ゾーンに導入する前に起こさせる。最も好適には、無機塩基の水溶液を生じさせた後、この溶液にN−ハロゲン置換可能化合物を添加する。そのような手順を用いると過度の熱発生に対する防護が得られる(このようにしないとN−ハロゲン置換可能化合物が悪影響を受ける可能性がある)ばかりでなく供給操作および供給すべき比率の制御が簡潔になる。最良の結果を得ようとする場合には、N−ハロゲン置換可能化合物が水1リットル当たりに約0.5から約2.5モルの範囲で入っている供給材料溶液を用いるのが望ましい。そのような溶液を生じさせる時、塩基が水1リットル当たりに約0.5から約5.0モルの範囲内で入っているアルカリ性溶液の使用が好適である。
本発明の実施では、臭素化剤および/または塩素化剤を用いてN−ハロゲン置換可能化合物のハロゲン置換を達成する。このように、臭素、塩素、塩化臭素、臭素と塩素、臭化物塩と塩素、および/または次亜塩素酸塩アニオンの源、または有機臭素化剤もしくは有機塩素化剤、例えばN−ブロモスクシニミド、N−クロロスクシニミドまたは三臭化ピリジニウムなどを用いてもよい。このようなハロゲン化剤の中で臭素、塩素、塩化臭素、臭素と塩素、臭化物塩と塩素、および/または次亜塩素酸塩アニオンの源が好適である。臭素、および臭素と塩素の混合物(これは塩化臭素を含有するか或はから成る)が特に好適である。理論的考察で範囲を限定することを望むものではないが、水性反応混合物中でハロゲン置換を起こす実際の種には例えばBr、Cl、BrCl、OBr、OCl、Br 、BrCl 、Cl 、ClおよびBrの中の1つ以上が含まれ得ると考えている。実際のハロゲン化種が如何なる種であろうとも、重要なことは、ハロゲン置換を受けさせる化合物が有するアミドもしくはイミド基の少なくとも1個の窒素原子のN−ハロゲン置換をもたらすに適切なハロゲン化剤を水性反応混合物に供給することである。
臭素と塩素の両方を用いる場合、それらを個別の供給材料として供給してもよい。別法として、それらを所望の任意比率で前以て混合しておいてもよく、それによって、供給すべき混合物が塩化臭素を含有するようにし、そしてもしそれらを1:1以外のモル比で混合すると、このような混合物はまた過剰量で用いた方のハロゲンも含有するであろう。塩素の代わりにアルカリもしくはアルカリ土類金属の次亜塩素酸塩を塩素源として用いることも可能である。このような次亜塩素酸塩を典型的には水溶液またはスラリーの形態で供給する。しかしながら、また、固体状の次亜塩素酸塩、例えば次亜塩素酸カルシウムなどを前記水性反応混合物に直接供給することも可能である。臭素置換が望まれる場合の供給材料は、アルカリ金属の臭化物またはアルカリ土類金属の臭化物と、臭素をインシトゥで生じさせるに充分な量の塩素源、例えば塩素またはアルカリもしくはアルカリ土類金属の次亜塩素酸塩の水溶液もしくはスラリー、例えば次亜塩素酸ナトリウム溶液などであってもよい。また、臭素をインシトゥで生じさせる目的で固体状の次亜塩素酸塩、例えば次亜塩素酸カルシウムなどを前記水性反応混合物に供給することも可能である。この種類の供給材料を用いると通常は臭素と塩素の両方を分子中に含有する生成物が生じるであろう。原則として、臭素または塩素の他の源、例えば緩く結合した臭素または塩素を含有する有機化合物などを用いることも可能であるが、そのような有機ハロゲン化剤を用いると生成物の処理および回収操作が複雑になる可能性があることから好適ではない。その上、そのような有機ハロゲン化剤の方が臭素もしくは塩素または臭化ナトリウムと塩素の如き給源に比べて高価である傾向がある。
臭素または塩素が使用するN−ハロゲン置換化合物と密に接触することを確保する目的で臭素または塩素を反応ゾーンに入っている水相の表面下に供給すべきである。臭素をインシトゥで生じさせる目的でアルカリ金属の臭化物もしくはアルカリ土類金属の臭化物と塩素を用いる場合には、そのような臭化物塩を個別の供給材料、典型的には水溶液として供給してもよいか、或はそれを水溶性塩基とN−ハロゲン置換可能化合物から生じさせた水溶液もしくはスラリーと一緒に供給してもよい。そのような如何なる場合にも、それと一緒に用いる塩素を反応ゾーンに入っている水相の表面下に供給すべきである。
塩素を典型的には液体として反応混合物に供給するが、望まれるならば蒸気の状態で供給することも可能である。臭素は気体または液体として反応混合物に供給可能である。この臭素を好適には蒸気の状態で前記水性反応混合物の液相の表面下に供給し、そしてそのように気体状の臭素を不活性ガス、例えば窒素またはアルゴンなどとの混合物の状態で供給するのが望ましい。
二原子ハロゲン(Cl、Br、BrClまたはこれらの混合物、そしてCl自身を塩素化剤として用いるか或は臭素源、例えばアルカリ金属の臭化物および/またはアルカリ土類の臭化物と組み合わせて用いる場合)を水性反応混合物の液相の表面下に供給するのが望ましくかつ好適ではあるが、このような供給を達成する他の方法を用いることも可能である。他の1つの方法は、蒸気状の二原子ハロゲンを反応槽の塔頂空間部に供給しながら水性反応混合物を噴霧しそして/または水を噴霧または霧状にして前記反応槽内でそのような蒸気と密に接触させる方法である。二原子ハロゲンと残りの成分(これらを用いて水性反応混合物を生じさせる)の密な接触を達成する他の方法には、ハロゲンを液体としておよび/または溶液として水性反応混合物に供給しそしてこの場合には前記ハロゲンを望まれるならば水性反応混合物の表面の上に供給してもよいことが含まれる。簡単に述べると、本発明は、ハロゲンの供給を意図したN−ハロゲン置換反応が起こるように成分を互いに密に接触させると言った目的を達成すると考えられる如何なる方法で行ってもよいことを意図する。あらゆるケースで、そのような水性反応混合物を撹拌するのが有利である。
本資料のどこか(請求の範囲を包含)で用語「表面下」を用いる場合、この用語は、反応ゾーンに塔頂空間部があるべきことを表しているのではないことを特記する。例えば、反応ゾーンが水性反応混合物で完全に満たされている(入って来る流れの速度と出て行く流れの速度が同じである)とすると、この場合の用語「表面下」は、表面下に供給すべき物質を水性反応混合物の本体(これの表面は反応ゾーンを取り囲んでいる壁で限定されている)の中に直接供給することを意味する。
これに関連して、本発明の態様の1つでは、N−ハロゲン置換可能化合物、無機塩基、臭素化剤および/または塩素化剤および水を個別および/または任意の組み合わせ1種または2種以上(そのような成分全部の組み合わせを包含)で供給してもよい。そのような成分全部を互いの組み合わせとして供給すると、結果として前記成分は典型的な反応槽または反応容器の外側で一緒になる可能性がある。そのような供給を実施する時、前記成分を最初に前記反応槽もしくは反応容器から離れてはいるがそれの近くに位置する混合装置の中で互いに接触させてもよい。適切な混合装置には固定式ミキサー、導管(好適には乱流を存在させる導管)、またはジェットミキサー(高速の流出流れをもたらす)が含まれる。そのような全てのケースで、前記成分の全部が最初に互いに接触する混合装置自身が反応ゾーンの一部である。
本発明の方法は多様な操作様式の中の如何なる操作様式で実施されてもよい。例えば、本方法はバッチ様式、一定したオーバーフローを伴う半バッチ様式、オーバーフローを伴わない半バッチ様式または連続様式で実施可能である。そのような工程操作様式に関する工学詳細は、例えばPerry’s Chemical Engineer’s Hnadbook、第4版、McGraw−Hill、著作権1963を証拠として本技術分野で良く知られている。
連続操作(これが一般的で好適である)では、前記成分の全部が最初に一緒になる混合装置から出た流出液を容積がより大きな反応槽または反応容器(この中に前記水性反応混合物の本体を入れておく)に供給する。反応は前記成分が互いに接触すると本質的に直ぐに始まることから、反応は一般に前記混合装置内で始まって前記反応槽または反応容器(勿論これもまた反応ゾーンの一部である)に入っている水性反応混合物中で継続して起こる。このように、混合装置を用いる場合には、この混合装置をより大きな容積の反応槽もしくは反応容器に非常に近い所に位置させそして前記成分を前記混合装置の中に迅速に入り込ませ、そこを迅速に通して、そこから迅速に容積がより大きな反応槽または反応容器の中に入っている体積がより大きい水性反応混合物の中に入り込ませるのが望ましい。このようにして前記成分の全部が最初に接触する時と前記水性反応混合物が体積がより大き
い水性反応混合物に接触する時の間の時間をこれが反応混合物の温度が如何なる操作段階でも約90℃以下、好適には約70℃以下であるに充分なほど短時間であるように維持する。混合装置を用いる場合には、これを望まれるならば冷却用もしくは冷蔵流体との間接的熱交換で冷却してもよい。
連続操作で中に乱流を起こさせる導管を混合装置として用いる場合、そのような導管自身が反応槽または反応容器全体を構成するようにしてもよい。言い換えれば、前記反応槽または反応容器自身を管状反応槽にしてもよいが、この場合には、これにこれの中で反応と沈澱物の生成が起こるに充分な長さと容積を持たせる。
反応体を好適には少なくとも1基の反応槽で構成されている反応ゾーンに同時供給し、その場合には、それらの成分の全部を個別にか或は任意の副次的組み合わせ1種または2種以上で供給するかに拘らず、前記反応ゾーンの中で全部が初めて一緒になりそしてN−ハロゲン置換反応が始まりそして続く。
本発明の方法における同時供給は好適には連続供給である。また、この供給が共供給である、即ち2つの供給材料、即ち(i)ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物と無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーと(ii)臭素化剤および/または塩素化剤を用いるのも好適である。しかしながら、また、三供給(tri−feed)または他の多供給方法の実施も本発明の範囲内である。実際、例えば共供給および三供給の両方を用いることも可能である(このような操作を行っても特に利点は得られないが)。全てのケースで、供給材料の比率を、分子中に存在するアミドもしくはイミドの少なくとも1個の窒素原子が臭素もしくは塩素原子で置換されるような比率にする。そのような反応成分が互いに接触するとほとんど直ちに生成物の生成が起こり、そして先行する反応に由来する、固体含有ヒール(solids−containing heel)も固体を含まない母液(solids−free mother liquor)も用いない時には、その後直ぐ沈澱が始まる。沈澱が始まると、同時供給を行っている間、生成物の生成と沈澱が連続的または実質的に連続的に起こる。先行する反応に由来する固体含有ヒールまたは固体を含まない母液を用いる場合には、同時供給を行うと沈澱がほとんど直ちに始まりそしてその間連続的または実質的に連続的に継続して起こる。前記供給材料の比率を、前記水性反応混合物が示すpHが約5.5から約8.5の範囲、好適には約6.5から約8.5の範囲、最も好適には約6.8から約7.2の範囲内に維持されるか或は実質的に連続的に維持されるような比率にする。本方法を実施する時、前記同時供給材料に入っている材料が迅速に互いに密に接触するようにすべきである。従って、そのような迅速で密な接触が起こりそしてその結果として供給した成分が相互作用するように、個別であるが同時の供給材料を互いに近い所または相対的に非常に近い所に導入しかつに充分に撹拌するのが好適である。
本発明の方法の実施では、今日までの観察により、反応と沈澱物の生成が極めて速く起こることが分かっている。先行する反応に由来する固体含有ヒールも固体を含まない母液も用いない時には、同時供給を開始した時に起こる沈澱物生成の開始が若干遅れるが、これは単に前記水性反応混合物が生成物で適切に飽和状態になるのに時間が要することによるものであると考えている。先行する反応に由来する固体含有ヒールまたは固体を含まない母液を用いると、同時供給開始時に起こる沈澱物生成の開始が遅れることはないか或はほとんど遅れない。この反応は迅速に起こることから、同時供給を停止した後に水性反応混合物中で継続して起こる沈澱は非常に短時間のみであり得る。
用語「同時」の使用は、供給中に取るに足らない中断が起こる可能性を排除するものではない。また、この用語は供給を時間的に正確に同じ瞬間に開始すべきであることを意味するものでもない。共供給方法の場合、2つの供給の開始を、この開始と開始の間に時間
的な間隔が存在するように行ってもよい(そのような間隔が工程全体に実質的な悪影響が生じないに充分なほど短い限り)。三供給または多供給操作を行う場合にも同様に個々の供給の間に1つまたは2つの異なる時間的間隔を伴わせてもよいが、この場合も再びそのような時間的間隔が工程全体に実質的な悪影響が生じないに充分なほど短いことを条件とする。
本発明の方法をバッチ様式でか或は半バッチ様式でか或は連続様式で実施するかに拘らず、好適には、供給、反応、沈澱物生成および指定pHの維持の如き事項が反応中に「連続的に」起こるように本方法を実施する。しかしながら、そのような事項の1つ以上に関して取るに足らない障害が起こる可能性はないと言った印象を与えるべきでないほど強力にそれを強調することはできないであろう。本方法の実施に実質的な影響を与えない障害を本発明の範囲から排除するものではない。超技術的で形式的な言葉の解釈に対して保護を与える目的で、本発明の記述で「実質的に連続」の如き用語を用いるのが賢明であると考えた。しかしながら、その用いる用語が如何なる用語であろうとも、本方法は本開示全体を完全かつ偏見なしに読んだ後にその読んだことで得た本発明の精神を保持している本分野の通常の技術を持つ技術者が本方法を実施するであろうように実施されるべきである。
これをバッチ様式で実施するか或は半バッチまたは連続工程を開始する時には、生じさせるべき生成物をもたらした先行する反応で生じた反応混合物の固体含有ヒールまたはそのような先行する反応に由来する固体を含まない母液のいずれかを空の反応槽に最初に仕込むのが好適である(必要ではないが)。そのようなヒールまたは母液は典型的に約6から約7の範囲内のpHを示しかつ通常は生成物および/またはこれの前駆体を2重量%以下の量で含有する。次に、適切な比率の供給材料の供給を同時に典型的には室温で開始するとほとんど直ちに沈澱物の生成が始まる(如何なる場合でも数分以内に)。バッチ操作の場合には、供給を典型的には反応槽が所望レベルにまで満たされるか或は反応槽1基または2基以上が所望レベルにまで満たされるまで継続する。通常は、その時点で供給を停止し、生成して沈澱を起こしたN−ハロゲン置換生成物を典型的には濾過、遠心分離またはデカンテーションで回収する。この反応は発熱的で急速に起こることから、通常は、供給が終了した時点で長期のライド期間(ride periods)を置く必要はない。
操作が連続様式でありそして連続供給を開始した時点で、定常状態の操作で望まれる操作条件を確立して維持する目的で操作を微調整する時に前記供給材料を調整してもよい。そのような操作は典型的に休止、例えばプラント保守のための休止を行う前に長期間に渡って問題なく実施可能である。
従って、操作をバッチ様式でか或は半バッチ様式でか或は連続様式で行うかに拘らず、ヒールまたは母液を用いて反応を開始させると効率の良い定常状態の操作をヒールも母液も用いなかった時よりも迅速に達成することができることが分かるであろう。
前記臭素化剤および/または塩素化剤を前記反応槽に供給する時、そのようなハロゲン源を反応槽内の液体の本体の中、即ち反応を開始する時にはヒールもしくは母液の表面の下、そして反応が始まった後では水性反応混合物の表面の下に直接導入すると最良の結果が達成される。それによって、反応槽内の塔頂空間部にハロゲンがいくらか残存し、従ってそれが反応に参与しない可能性が最小限になる。また、反応槽の内容物の液相の表面下に供給を行うと、例えば液状の臭素が水性混合物の表面に当たる時に起こる可能性がある跳ね返りも回避される。
バッチ操作では、前記供給材料によって水性反応混合物の大部分が作り出されかつ体積が増大する。操作をバッチ、半バッチまたは連続様式で行う場合、反応成分の徹底的な混
合を確保する目的で反応混合物を激しく撹拌するのが非常に望ましい。
反応の時間と沈澱が起こる時間が短い(これが本発明の方法の特徴である)ことから、本方法を半バッチ様式、より好適には連続様式で実施することができ、実際その方が好適である。このことはそれ自身が珍しいことである、と言うのは、アミドもしくはイミドのN−ハロゲン置換に関する文献にはバッチ操作のみに関係した教示が豊富に示されているからである。連続様式にすると、製品産出量を損なうことなく反応槽の大きさを実質的に小さくすることができる。
この反応を充分な大きさの反応槽内で実施するならば、反応槽内容物の体積が反応槽内容物の高い体積(high volume)に到達した時点で迅速な排出を開始させそして前記体積が反応槽内容物の低い体積(low volume)に到達した時点で排出を停止させることで、その体積を前以て決めておいた低い体積と高い体積の間で循環させることができる。しかしながら、前記反応槽の内容物(contents of the ractor)の体積が一定または実質的に一定であるままであるように、前記反応槽の内容物の体積とこの反応槽から取り出す沈澱物と反応混合物の一部の体積が等しいか或は実質的に等しくなるように本方法を実施するのが好適である。このようにすると、体積がより小さい反応槽を用いることが可能になる。
このように、連続反応槽では定常状態の条件を一度達成した後、個別の供給材料を連続して適切な比率で供給して反応槽の内容物を実質的に無限の時間に渡って適切な反応条件下に維持することができる。同時に、沈澱物を含有する前記反応混合物(この混合物は典型的にスラリーの形態である)の一部を前記反応混合物から一般におよび好適には連続的に取り出し、その結果として、前記反応槽の内容物の体積が多少とも一定のままであるようにする。
本発明の別の特徴は、共生成物が比較的高純度の塩水溶液であることで環境上および処分の問題が最小限である点にある。その上、本方法で臭素をハロゲンとして用いかつアルカリもしくはアルカリ土類金属の塩または酸化物を塩基として用いると、結果として生じる共生成物はアルカリもしくはアルカリ土類金属の臭化物が入っている水溶液であり、この溶液に例えば塩素などによる処理を受けさせて臭化物のイオンを酸化させて元素状臭素を生じさせることで臭素を回収することも可能である。
典型的なバッチ操作を適切に実施すると、個別の供給材料を同時に供給している間の時間の少なくとも約80%、好適には前記時間の少なくとも約90%に渡って典型的には本質的に高純度の生成物(例えば純度が少なくとも約97%、しばしば純度が99.9%の如く高い生成物)である沈澱物が生じる。また、この所望生成物は反応で用いたハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子を少なくとも1個有する化合物の量を基準にして典型的には少なくとも約80%、しばしば94%以上の高い収率で生じる。典型的な連続操作を適切に実施すると、定常状態の操作を達成した後、(a)典型的にはまた純度が少なくとも約96%、しばしば99.9%の如く高い沈澱物が連続的に生じかつ(b)本方法で反応体として供給したハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子を少なくとも1個有する化合物の量を基準にして典型的には少なくとも約85%の実質的に連続した収率で生じる。
本発明の方法を適切に実施すると、平均粒径が少なくとも約200ミクロン、しばしばこれよりも有意に大きい1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインが生じ得る。
臭素をインシトゥで生じさせる場合には、これを、適切な酸化剤、好適には塩素などと臭素源、例えばアルカリもしくはアルカリ土類金属の水溶性臭化物などの間の反応で最良
に達成する。
本発明の方法はいろいろな様式、例えばバッチ様式、半バッチ様式、または好適には連続様式で実施可能である。これを連続様式で実施する時には、平均滞留時間が約15から約100分の範囲、好適には約30から約60分の範囲内になるように操作を設計するのが望ましい。本明細書に示した数値範囲の全部と同様に、それからの逸脱が必要であるか或は望ましいと思われる場合にはいつでも容認されるが、但しそのような逸脱によって本方法の効率も有効性も実質的に悪化しないことをただ1つの条件とする。
本発明の重要な特徴は、この上に示した個別の供給材料を同時に供給することにある。再び、用語「同時」は供給を正確に同じ時に開始する必要があることを意味するものでも供給を正確に同じ時に止めるべきであることを意味するものでないことを強調すべきであろう。この用語を、むしろ、示した供給を反応時間の実質的に全体に渡って維持する意味で用いる。また、そのような同時供給は好適には連続同時供給であるが、供給に若干の中断があってもこの中断の期間が反応が実質的に悪化しないに充分なほど短いことを条件として受け入れられることも理解されるべきである。このように、用語「同時」および「連続」を本明細書で用いる場合、これらの用語はこの直ぐ上に示した主要でない逸脱を包含すると理解されるべきである。現実に、本分野の技術者は、同時でない時間ができるだけ短くなるように同時供給を利用する努力をするであろう。同様に、本分野の技術者は、勿論、操作を実施する所定環境下で中断の回数ができるだけ少なくなるように連続供給を維持することを探求するであろう。しかしながら、一般に数日間ならば反応混合物を組成の実質的な変化なしに放置することができることから、完成していない操作(この実施がバッチ様式であるか或は半バッチ様式であるか或は連続様式であるかに拘らず)を中断が必要ならばその時間に渡って中断することも可能である。
本発明の別の非常に重要な特徴は、前記水性反応混合物の正確なpHを反応時間の実質的に全体に渡って維持することにある。ここでも再び、pHの若干の逸脱は特に反応の開始時に起こる可能性がある。そのような逸脱は勿論そのような逸脱の結果として実質的な悪影響に直面しないことを条件として本発明の範囲内である。この上に示したように、本発明の方法を典型的には約5.5から約8.5の範囲、好適には約6.5から約8.5の範囲内のpHで実施する。しかしながら、最良の結果を得ようする場合にはpHを最も好適には約6.8から約7.2の範囲内に維持する。
前記水性反応混合物の所望pHを維持しよとする時に前記塩基およびハロゲン化剤の供給材料を供給する速度が重要な役割を果たす。特にハロゲンをpHが所望レベル(例えば5.5、好適には6.5、最も好適には6.8)未満に抑えられるほどの速度で供給すべきでなくまたインシトゥで生じさせるべきでない。言い換えれば、ハロゲンの供給またはハロゲンのインシトゥ生成を前記反応混合物のpHが如何なる実質的な時間に渡っても有意に約5.5未満のpHにまで低下する(酸性度が高くなる)ように行うべきでない。同様に、前記塩基(単独で供給するか、或は塩基の水溶液として添加するか、或は水との混合物として供給するかに拘らず)とN−ハロゲン置換化合物もpHが所望レベル(例えば8.5、好適には7.2)より高くなるほどの速度で供給すべきでない。このように、前記供給材料を前記反応混合物のpHが本明細書に指定する範囲内に維持されるように適切に調整すべきである。
このpH制御問題に関していくつかの追加的指摘を行うことは考慮に価する。まず最初に、操作を低いpH(即ち約5.5から約6.5の範囲)で行うことは技術的に可能ではあるが、ハロゲンを反応混合物に不必要に過剰量で存在させることになることから経済性の観点からあまり望ましくはない。加うるに、そのように酸性度が高い条件にすると製品の品質がいくらか低下する可能性もあり得る。他方、pHが変動していくらか有意な時間
に渡って約8.5より高いpHになってしまうような操作は望ましくない、と言うのは、所望生成物が水性反応混合物中で示す溶解度は一般にそのようにpHが高い条件下では高くなってしまう傾向があるからである。理想的な操作条件(これをプラント規模の操作で達成することができるとしても稀である)下では、本方法を正確に7.0のpHで行う。しかしながら、実際事項として不可避的にそのような理想的な条件からの逸脱に遭遇することになるであろう。このように、本発明の方法を用いた操作を微調整する時に、少なくとも反応時間の大部分に渡って、ハロゲン置換が所望レベルに到達する所まで完了することが達成されることを確保する目的でN−ハロゲン置換可能化合物を基準にしてハロゲン源が化学量論的量より非常に僅かに過剰量で供給されるようにする努力を払うべきである。例えば、ハロゲン置換可能窒素原子を2つ以上有するN−ハロゲン置換可能化合物に一ハロゲン置換を受けさせることを望む場合には、供給を実施している時間の実質的に全体に渡ってN−ハロゲン置換可能化合物を基準にしてハロゲンが1当量より若干高い量で存在するように反応混合物を維持するのが好ましい。同様に、ハロゲン置換可能窒素原子を2つ以上有するN−ハロゲン置換可能化合物に多ハロゲン置換を受けさせることを望む場合には、不完全ハロゲン置換(underhalogenation)の度合を最小限にする目的で、このN−ハロゲン置換可能化合物に導入すべきハロゲン原子の当量数よりも若干多い量でハロゲンを用いるべきでありかつそれを供給を実施している時間の実質的に全体に渡って反応混合物中に維持すべきである。
N−ハロゲン置換可能化合物に対する臭素化剤および/または塩素化剤の比率を、ハロゲンがハロゲン置換を受けさせるべきハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子1個当たりに約1.9から約2.1原子の範囲で存在するような比率にすべきである。従って、5,5−ジヒドロカルビルヒダントイン、例えば5,5−ジメチルヒダントインの場合に反応ゾーンに同時供給すべき比率は、ハロゲンが5,5−ジアルキルヒダントイン1分子当たりに約3.8から約4.2原子の範囲で存在するような比率である。この上に示したように、理想的な条件下ではハロゲン置換を受けさせるべきアミドもしくはイミドの窒素原子1原子当たりのハロゲン原子の数は、正確には、選択した化学量論からの逸脱が全く起こらないとしたならば、所望生成物をもたらすに必要な量であろう。この上に示した範囲がそのような理想的な比率よりも下であることおよびそれよりも上であることは、単に、実際の大規模なプラント操作条件下で達成することができる最適な結果に比べて実質的な悪影響なしに理想的な比率よりも若干低いか或は理想的な比率よりも若干高い比率で操作しても構わないことを示している。可能な度合までであるが、反応混合物に入っているN−ハロゲン置換可能化合物を基準にしてハロゲンが若干過剰(即ち、ハロゲン置換を受けさせるべきハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子1原子当たり約2.0から約2.1原子の範囲のハロゲン)の状態で操作を行う方が好適である(約2.0から約1.9の範囲で連続的に操作するよりも)。それによって、ハロゲンを過剰量で用いることなく、従って原料の損失なしに、ハロゲン置換が所望度合にまで充分に起こることが確保される。
このように、臭素を用いるか或は臭素をインシトゥで生じさせそして白色の生成物、例えば1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを生じさせようとする時に臭素添加速度または臭素生成速度を監視する便利な方法は、反応混合物の色が明るい黄色から赤色がかった黄色になるような速度で臭素を供給するか或は発生させる方法である。反応混合物を見た時の色が赤色がかっていることは、臭素が過剰量で存在していることを示している。望まれるならば、ハロゲンの存在を監視する他の方法を用いることも可能であり、例えばpHメーターおよび/または化学的pH指示装置などを用いることも可能である。また、pHを測定するに適した任意の2つ以上の方法を組み合わせてハロゲンの供給または発生を監視することも可能であり、例えばこのパラグラフの上に記述した如き色観察と1つ以上のpHメーターの使用を同時もしくは逐次的または他の何らかの適切な様式で組み合わせることなどで監視を行うことも可能である。2つ以上のpH測定方法の組み合わ
せを用いそしてpH測定結果が偶然に異なる時には、最も正確で再現可能な結果を得る目的で、実際の実施で以前に測定した方法に頼るべきである。較正を注意深く受けさせておいた市販のpHメーターの使用が最も信頼できるpH測定方法の1つであると現在のところ考えているが、本発明の範囲をpHメーターの使用に限定することを意図するものでない。
本発明の更に別の特徴は、前記成分を同時に供給すると反応を高温(例えば40から約90℃)で大部分のN−ハロゲン置換可能化合物またはN−ハロゲン置換を受けたそれの生成物が実質的な分解を起こすことなく実施することができるに充分なほど低い濃度の水性反応混合物を反応槽の中に維持することができる点にある(勿論、これは用いる個々の化合物が示す熱分解温度に依存するが)。それとは正に対照的に、今までは、ハロゲンを添加する装置内に塩基を過剰量で存在させていたことから、そのような分解の問題を軽減する目的で反応槽を約5℃の如き低い温度に冷却することが一般に行われていた。本発明に従い、操作を連続様式で実施する時には、水性反応混合物を構成する成分を、(i)水性反応混合物の体積(リットルで表す)と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給するN−ハロゲン置換可能化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約10から約100リットルの範囲、好適には1分当たりに1モル当たり約30から約60リットルの範囲の比率になるような量で供給するのが好適である。前記供給材料を少なくとも1基の反応槽に供給するバッチ様式で操作を行う場合にも同様に、反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセントに到達するまでは、前記反応混合物に供給する前記供給材料を、(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給するN−ハロゲン置換可能化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約10から約100リットルの範囲、好適には1分当たりに1モル当たり約20から約80リットルの範囲の比率になるように維持する。次に、前記反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセント以上になると、前記反応混合物に供給する供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)反応混合物に1分当たりに供給するN−ハロゲン置換可能化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約30から約60リットルの範囲の比率になるようにする。前記比率を用いて操作を連続、半バッチまたはバッチ方法で行うと、N−ハロゲン置換可能化合物およびN−ハロゲン置換を受けたそれの誘導体が本質的に中性のpH条件(例えば6.8−7.2)下で反応熱によって熱分解を起こす感受性が低下する。
本発明の方法を実施する時の反応温度はかなりの範囲内で多様であり得る。この反応温度は典型的に約0から約90℃の範囲内であるが、特定の状況下のある種の条件下では前記温度範囲からの逸脱も容認され得る。しばしば約20から約80℃もしくは約90℃の範囲の温度がより有効であることが分かるであろう。しかしながら、約30から約70℃の範囲の温度で反応を実施すると生成物が最も高い収率で生じる傾向があることから、そのような温度が一般に好適である。特に5,5−ジメチルヒダントインの如きヒダントインを用いかつ臭素をハロゲン源として用いた時には反応を約40から約60℃の範囲の温度で実施するのが最も好適である。約40から約60℃の範囲の温度が最も好適である、と言うのは、操作をそのような範囲内で行うと大きな粒径を有する生成物が速い反応速度および最も高い費用効果的様式で高収率で生じるからである。このN−ハロゲン置換反応を供給するハロゲンの沸騰温度より高い温度で実施する時には、このハロゲンを水性反応混合物の液相の表面下に供給するのが望ましい。そのような場合には、ハロゲンを不活性ガスで希釈して供給するのが特に望ましい。
典型的には、本発明の水性反応混合物を本質的に4種類の成分、即ちN−ハロゲン置換可能化合物、臭素化剤および/または塩素化剤、無機塩基および水から生じさせる。この水性反応混合物に含める成分の数を最小限にするのが好ましくても、そのような混合物に追加的成分を1種以上含めることも可能であるが、但し、勿論、そのような他の成分1種
または2種以上が反応にも沈澱物の生成にも実質的な悪影響をもたらさないことを条件とする。例えば、通常は推奨しないが、特定の有機溶媒、特に水に混和し得る有機溶媒を前記水性反応混合物に含めることも可能である。そのような有機溶媒1種または2種以上の比率を結果として溶液中に残存する所望のN−ハロゲン置換を受けた最終生成物が不調和に多量にならないような比率にすべきである(勿論、前記溶媒を後で例えば蒸留などで除去しない場合であるが)。有機溶媒の少なくとも1つの可能な有益な使用は、反応ゾーン内に蓄積して来る可能性がある沈澱物外皮を溶解させるか或は除去する目的で、本方法を連続様式で操作する場合の反応ゾーンに供給する供給材料に1種以上の有機溶媒を定期的に入れることを伴う。有機溶媒を水性反応混合物に入れる場合には、その溶媒は意図したN−ハロゲン置換反応に不必要に悪影響を与えるべきでないことに加えて通常の状況下で臭素も塩素も消費すべきでない。また、この溶媒は意図したN−ハロゲン置換生成物と反応すべきでなく、臭素のインシトゥ生成(もしこれを利用する場合)を妨害すべきでなく、かつ結果として処理不能であるか或は過度にペースト状もしくは粘着性の沈澱物の生成をもたらすべきでない、即ち、一般的には本方法の実施にもさらなる実施にも決して他の実質的な悪影響を与えるべきでない。使用を考慮してもよい有機溶媒の数例はN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、1種以上のC1−4アルカノール、テトラヒドロフランまたは他の飽和エーテルなどである。従って、用語「水性反応混合物」を本資料のどこか(請求の範囲を包含)で用いる場合、これは、特に明記しない限り、1種以上の有機溶媒の存在を排除するものではないが、但しそのような溶媒1種または2種以上が反応混合物全体の総量を基準にした存在量で存在することによって反応にも沈澱物の生成にも生成物の特徴にも実質的な悪影響を与えないことを条件とする。
この反応混合物の成分の撹拌をハロゲンが局所的に濃縮することも塩基が局所的に濃縮することも回避されるに充分な度合で行うべきである。従って、例えば実験室規模の操作で反応容器内に良好な混合を達成しようとする時には約300−600rpmの範囲の撹拌速度が望ましいことを確認した。従って、プラント規模の操作では連続撹拌式反応槽の使用を推奨する。
本発明の更に別の特徴は、本方法を反応槽による処理率を実質的に低下させることなく断熱的に実施することができる点にある。従って、本方法を反応混合物に熱エネルギーを添加することも冷蔵を頼みにすることも流動する液体である伝熱剤を用いることも他の様式の冷却(反応槽の壁を通して取り巻いている大気に至る通常は補助なしの伝熱が起こる可能性を除いて)を用いることもなく実施した時でも、供給速度を実質的に遅くすることなく発熱反応による熱蓄積を容易に制御することができる。このような制御は、例えば反応混合物の体積と1分当たりに供給するN−ハロゲン置換可能化合物のモルの比率を本明細書の上に記述した如き比率で用いて連続、半バッチまたはバッチ方法を操作することなどで水性反応混合物を希釈された状態に維持することで達成可能である。それにも拘らず、そのような希釈を行ったとしても、反応および沈澱物の生成はそのような断熱条件下で迅速に進行し得る。
本発明の方法を特に連続様式で実施する時には断熱操作を行うことが可能ではあるが、反応混合物中に定常状態の温度条件が維持されることを確保する目的で、反応槽の内容物との間接的な熱交換が起こるように冷却水または他の熱交換液の流れを用いる方が好適である。しかしながら、望まれるならば、冷蔵を用いて本発明の方法を実施することも可能である。
本発明は高品質の生成物が迅速な反応で高収率でもたらされるように調節可能な反応変数を相互に関係させることを伴うことがこの上に示したことから分かるであろう。このように、本発明は、とりわけ、反応成分を同時供給することに加えて供給速度を用いてpHの指定制御を行うことを特徴とする。好適な態様では、温度を調整および制御することで
大きな粒径を有する生成物を高い収率で迅速に生じさせることができる。また、好適な態様では反応混合物を高度に希釈された状態で用いるが、これが高い収率に実質的に貢献しかつ操作温度の柔軟度をより高くしている。その上、定常状態で沈澱物が迅速に生じることから、連続操作の時に短い滞留時間を用いることが可能になり、従って、このことがプラントの処理率が実質的に向上することに貢献している。
本明細書の以下に示す実施例から容易に分かるであろうように、本発明を用いると大きな平均粒径を有する1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインを生じさせることができる。例えば、本発明を用いると、現在では、少なくとも約175ミクロンの平均粒径を有する粒状の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン固体を製造することができる。実際、本方法の技術を用いて200ミクロン以上、300ミクロン以上、そして500ミクロンさえ超える如き大きな平均粒径を有する粒状の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン固体を得た。ある種のヒダントイン化合物ではこれが大きな粒子を構成するように製造を行うことができるが、知る限りでは、今までに製造された1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの平均粒径は175ミクロン以上ではなかった。その上、本発明の方法では1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインを製造する時に如何なるハロゲン置換有機溶媒も存在させず、例えば塩化メチレンなどを存在させないで生成物を生じさせることから、これには有機ハロゲン化物である溶媒の残渣が痕跡量も存在しない。
本発明を用いると反応生成物である1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを直接生じさせることができかつその回収した粒状の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン固体が少なくとも175ミクロンの平均粒径を有することから、本技術分野に非常に大きないくつかの進展をもたらし得る。例えば、平均粒径が175ミクロンを超える粒状の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン固体は
a)粉じんを発生する傾向がずっと低いことから取り扱いがずっと容易であり、
b)パイプおよび導管を通す時の流動特性およびホッパーから入れる時の流動特性がずっと優れており、
c)結合剤を用いなくても形状を保持する錠剤を破壊なしに圧縮固化させることができる(一方、いくつかの異なる給源から商業的に入手した粒状の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン固体のサンプルを同じ様式で錠剤に変換した時、この変換を破壊なしに行うのは不可能であった)、
ことを見いだした。
前記および関連して見いだした事項はこの上に示した共通所有で同時係属中の出願番号09/484,687に詳細に記述されている。
以下に示す実施例は本発明の実施そして本発明が可能にする利点を説明する目的で示すものである。本実施例は本発明の範囲を本明細書に記述する特別な操作にも条件にも限定することを意図したものでなくかつ限定するとして解釈されるべきでない。実施例1−10および実施例13の各実験でpHメーターを用いてpHを監視しそして臭素の供給をCole−Parmer Masterflexコンピューター制御ドライブおよびEasy−Load(商標)ポンプヘッドを用いて行った。実施例9および10の連続操作を実施する時には、結果として生じた反応スラリーを反応槽の下部から手で時々集めた。各画分を500mLのフラスコに集めた。
1800gの水にNaOHを235グラム(5.85モル)溶解させた後、このNaOH溶液に5,5−ジメチルヒダントインを375g(2.93モル)加える。臭素貯蔵槽にBrを935g(5.58モル)存在させる。1リットルのジャケット付きフラスコ
に前記Brと5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液を供給して冷却用浴で25℃に維持する。前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液をBrとは別であるが同時に前記反応フラスコに共供給する。Brの供給を開始する直前(例えば3−4分前)に前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液の供給を開始した。この5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液の供給速度を10mL/分にしそしてBrの供給速度を1.60−1.70mL/分にする。機械的撹拌機を350−400rpmの速度で用いて反応混合物を撹拌する。反応中のpHは7.4から7.9の範囲であった。反応の進行につれて生じたスラリーを反応フラスコに入っている溶液のレベルが一定のままであるような速度で集める。この反応フラスコの下部から生成物の500mL画分を1画分当たり30分の平均時間で集める。前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液の供給が終了した時点で前記臭素貯蔵槽内に残存しているBrは86g(0.54モル)である。
各生成物画分を濾過し、500mLづつの水で3回洗浄した後、その固体を窒素流下で乾燥させる。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの単離収量は673gであり、5,5−ジメチルヒダントインを基準にした収率は80%であり、またはBrを基準にした収率は89%である。ヨウ素還元滴定で測定した時の活性臭素含有量は少なくとも99%である。
338gの水にNaOHを44グラム(1.1モル)溶解させた後、このNaOH溶液に5,5−ジメチルヒダントインを70.4g(0.55モル)加える。臭素貯蔵槽にBrを175.1g(1.1モル)存在させる。反応フラスコに前記Brと5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液を供給して加熱用浴で35℃に維持する。この反応フラスコに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン濾液(母液)のヒールを〜200mL(238g)仕込む。前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液をBrとは別であるが同時に前記反応フラスコに共供給する。機械的撹拌機を400rpmの速度で用いて反応混合物を撹拌する。反応中のpHは6.9から8.2の範囲であった。この反応温度は0.5時間の添加時間に渡って37℃で安定であった。反応体の添加が終了した時点で、オレンジ色のスラリーを35℃で濾過した後、650mLの水で洗浄した。結果として得た白色固体を窒素流下で一晩乾燥させる。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの単離収量は147.6gであり、収率は94%であり、そしてヨウ素還元滴定で測定した時の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの活性臭素含有量は55.1重量%(理論値の98.6%)である。
338gの水にNaOHを44グラム(1.1モル)溶解させた後、このNaOH溶液に5,5−ジメチルヒダントインを70.4g(0.55モル)加える。臭素貯蔵槽にBrを172.0g(1.07モル)存在させる。反応フラスコに前記Brと5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液を供給して加熱用浴で67℃に維持する。この反応フラスコに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン濾液(母液)のヒールを〜200mL(238g)仕込む。前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液をBrとは別であるが同時に前記反応フラスコに共供給する。前記臭素を窒素で希釈して、前記反応フラスコに入っている溶液の表面の下方に供給する。機械的撹拌機を400rpmの速度で用いて反応混合物を撹拌し、反応中のpHは6.7から7.1の範囲であった。この反応温度は0.5時間の添加時間に渡って67℃で安定であった。反応体の添加が終了した時点で、オレンジ色のスラリーを反応フラスコから排出させてビーカーに入れた後、ゆっくり冷却する。このスラリーを〜45℃で濾過した後、500mLづつの水で2回洗浄する。結果として得た白色固体を窒素流下で一晩乾燥させる。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの単離収量は130.5gであり、5,5−ジメチルヒダントインを基準にした収率は〜83%であり、またはBrを基準にした収率は〜85%である。ヨウ素還元滴定で測定した時の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの活性臭素含有量は55.9重量%(理論値の100%)である。この操作で生じた1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン生成物の代表的な乾燥サンプルを基にした粒径データを表1に要約する。
Figure 2008509997
2700gの水にNaOHを354グラム(8.85モル)溶解させる。このNaOH溶液に5,5−ジメチルヒダントインを562g(4.386モル)加える。この反応フラスコに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン濾液(母液)のヒールを500mL仕込む。そのジャケット付きフラスコを加熱も冷却もしないでこれに前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液をBrとは別であるが同時に共供給する。この5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液の供給速度を10mL/分にし、そしてBrの供給速度を最初は1.70mL/分にしたが、後で反応混合物のpHを〜7.0に維持する目的で1.86mL/分に調整する。機械的撹拌機を400rpmの速度で用いて反応混合物を撹拌し、反応温度を約42℃で安定させる。反応の進行につれて生じたスラリーを反応フラスコに入っている溶液のレベルが一定のままであるような速度で集める。この反応フラスコの下部から生成物の500mL画分を1画分当たり30分の平均時間で8画分集めた。この反応中に添加したBrの総量は1374.5g(8.59モル)である。
各生成物画分を濾過し、500mLの水で1回洗浄した後、その固体を真空オーブンに入れて50℃で一晩乾燥させる。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの単離総収量は1152gであり、5,5−ジメチルヒダントインを基準にした収率は92%であり、またはBrを基準にした収率は94%である。ヨウ素還元滴定で測定した時の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの活性臭素含有量は55.4重量%から55.7重量%(理論値の99.1%から99.7%)の範囲である。この1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの平均粒径は150μを超えている。
676gの水にNaOHを89グラム(2.2モル)溶解させた後、このNaOH溶液に5,5−ジメチルヒダントインを141g(1.1モル)加える。臭素貯蔵槽にBrを350g(2.2モル)存在させる。反応フラスコに前記Brと5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液を供給して加熱用浴で67℃に維持する。この反応フラスコに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン濾液(母液)のヒールを〜400mL(483g)仕込む。前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液をBrとは別
であるが同時に前記反応フラスコに共供給する。機械的撹拌機を400rpmの速度で用いて反応混合物を撹拌する。反応中のpHは6.8から7.1の範囲であった。この反応温度は66分の添加時間に渡って67℃で安定であった。反応体の添加が終了した時点で、オレンジ色のスラリーを43℃で濾過した後、1000mL(2x500mL)の水で洗浄した。結果として得た白色固体を窒素流下で一晩乾燥させる。前記反応フラスコに供給したBrは307.3g(1.92モル)であった。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの単離収量は212.5gであり、Brを基準にした収率は77%であり、そして5,5−ジメチルヒダントインを基準にした収率は68%であり、ヨウ素還元滴定で測定した時の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの活性臭素含有量は55.9重量%(理論値の100%)である。
338gの水にNaOHを88グラム(2.2モル)溶解させた後、このNaOH溶液に5,5−ジメチルヒダントインを140.8g(1.1モル)加える。臭素貯蔵槽にBrを352g(2.2モル)存在させる。反応フラスコに前記Brと5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液を供給して加熱用浴で69℃に維持する。この反応フラスコに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン濾液(母液)のヒールを〜200mL(240g)仕込む。前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液をBrとは別であるが同時に前記反応フラスコに共供給する。機械的撹拌機を400rpmの速度で用いて反応混合物を撹拌する。反応中のpHは6.8から7.0の範囲であった。この反応温度は39分の添加時間に渡って68−69℃で安定であった。反応体の添加が終了した時点で、オレンジ色のスラリーを40℃で濾過した後、500mLの水で洗浄する。結果として得た白色固体を窒素流下で一晩乾燥させる。前記反応フラスコに供給したBrは285.5g(1.78モル)であった。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの単離収量は186.8gであり、Brを基準にした収率は73%であり、そして5,5−ジメチルヒダントインを基準にした収率は60%であり、ヨウ素還元滴定で測定した時の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの活性臭素含有量は53.4重量%(理論値の96%)である。
表2に実施例5および6の生成物に関する粒径データを要約する。
Figure 2008509997
338gの水にNaOHを44.2グラム(1.1モル)溶解させた後、このNaOH溶液に5,5−ジメチルヒダントインを70.4g(0.55モル)加える。臭素貯蔵槽にBrを173g(1.08モル)存在させる。反応フラスコに前記Brと5,5−
ジメチルヒダントイン/NaOH溶液を供給して加熱用浴で57℃に維持する。この反応フラスコに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン濾液(母液)のヒールを〜200mL(244g)仕込む。前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液をBrとは別であるが同時に前記反応フラスコに共供給する。機械的撹拌機を400rpmの速度で用いて反応混合物を撹拌する。反応中のpHは6.8から7.2の範囲であった。臭素の供給速度を調整することで所望pHの維持を達成した。この反応温度は33分の添加時間に渡って57℃で安定であった。反応体の添加が終了した時点で、オレンジ色のスラリーを38℃で濾過した後、500mLの水で洗浄する。結果として得た白色固体を窒素流下で一晩乾燥させる。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの単離収量は139.8gであり、Brを基準にした収率は91%であり、そして5,5−ジメチルヒダントインを基準にした収率は89%であり、ヨウ素還元滴定で測定した時の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの活性臭素含有量は55.7重量%(理論値の99.7%)である。
338gの水にNaOHを44.2グラム(1.1モル)溶解させた後、このNaOH溶液に5,5−ジメチルヒダントインを70.3g(0.55モル)加える。臭素貯蔵槽にBrを172.5g(1.08モル)存在させる。反応フラスコに前記Brと5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液を供給して加熱用浴で48℃に維持する。この反応フラスコに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン濾液(母液)のヒールを〜200mL仕込む。前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液をBrとは別であるが同時に前記反応フラスコに共供給する。機械的撹拌機を400rpmの速度で用いて反応混合物を撹拌する。反応中のpHは6.8から7.2の範囲であった。臭素の供給速度を調整することで所望pHの維持を達成した。この反応温度は34分の添加時間に渡って48℃で安定であった。反応体の添加が終了した時点で、オレンジ色のスラリーを38℃で濾過した後、500mLの水で洗浄した。結果として得た白色固体を窒素流下で一晩乾燥させる。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの単離収量は144.8gであり、Brを基準にした収率は94%であり、そして5,5−ジメチルヒダントインを基準にした収率は92%であり、ヨウ素還元滴定で測定した時の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの活性臭素含有量は55.0重量%(理論値の98.4%)である。
表3に実施例7および8の生成物に関する粒径データを要約する。
Figure 2008509997
この実施例では工程を連続様式で実施した。9重量%のNaOH溶液に5,5−ジメチルヒダントインを5,5−ジメチルヒダントインの濃度が約1.1Mになるような量で添加することで5,5−ジメチルヒダントイン/NaOHの供給材料溶液を生じさせた。この5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液をBrとは別であるが同時に前記反応フラスコに共供給した。このフラスコを加熱浴の中に吊るした。機械的撹拌機を500rpmの速度で用いて反応混合物を撹拌した。この反応混合物を約7.0±0.2のpHに維持しかつ反応温度を55℃に維持した。生成物の画分を1画分当たり30分の平均時間で10画分集めた。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの単離収率は5,5−ジメチルヒダントインを基準にして90%でありそして添加したBrを基準にして92%であった。白色の結晶性生成物である1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの純度は理論的臭素含有量を基準にして99.8%であった。画分5−10は、定常状態の操作条件中に生じたままの生成物の粒径を表している。表4に、連続方法の定常状態操作中に取り出したそのような画分各々のサンプルを基にした画分5−10に関する平均粒径データおよび粒径分布データを要約する。測定の結果、生じた生成物は二頂分布を示すことが分かった。この生成物が全体として示した平均粒径は512.3ミクロンであった。
Figure 2008509997
実施例9の様式に類似した様式で別の連続操作を実施した。3550gの水にNaOHを355g(8.87モル)溶解させることを通して供給材料の溶液を生じさせた。この溶液に5,5−ジメチルヒダントインを560g(4.37モル)加えた。水性反応混合物のpHを7.0±0.2に維持すように同時供給を調整した。温度を55℃に維持した。供給した臭素(Br)の総量は1359.4g(8.50モル)であった。実施例9と同様にして反応混合物を10画分集めた。しかしながら、この操作では、平均滞留時間が1画分当たり約1時間になるように添加速度を調整した。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの総単離収率は使用した5,5−ジメチルヒダントインを基準にして88%でありそして添加した臭素を基準にして90%であった。この1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン生成物を白色の結晶性固体として得た。表5に、この反応で生じた生成物に関する平均粒径データおよび生成物分布データを要約する。画分5−10は、定常状態の操作条件中に生じたままの生成物の粒径を表している。この生じた生成物は実施例9の場合と同様に二頂であった。表5に示す「n.d.」は粒径が大きい方の画分の粒径測定を行わなかったことを示しており、用いた装置では粒径が2000ミクロンを超える粒子を測定するのは不可能であった。この生成物が全体として示した平均粒径は少なくとも455.5ミクロンであった。
Figure 2008509997
市販のN,N’−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインのサンプルを入手して、これらにCoulter(商標)LS Particle Size Analyzerを用いた標準的な試験手順を受けさせることで、それらの平均粒径を測定した。表6に、それらの平均粒径測定の結果を要約し、かつまた、実施例4で生じさせた本発明の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン生成物の代表的なサンプルに対して同じ様式で得たデータも挙げる。表7に、市販1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインに関する粒径分布データを要約する。表7では下記の省略形を用いる:DCDMHは1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインであり、BCDMHはN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインであり、そしてDBDMHは1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインである。
Figure 2008509997
Figure 2008509997
Hunter Lab Color Quest Model 450装置を用いて、実施例6に示した臭素含有N,N’−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインのサンプルが示す色の特徴を測定した。この試験では、ASTM試験表示E313−96「Standard Practice for Calculating Yellowness
and Whiteness Indices from Instrumentally Measured Color Coordinates」に従って使用が認められている前記装置を用いて粉末の黄色指数を測定した。前記装置には、色の特徴に関する試験を受けさせるべき粉末が入るるつぼを受け取るステーションと前記るつぼの上に位置する1対の光源が含まれている。1番目の前記光源は光線を前記るつぼの内容物の水平な上表面に対して90゜の角度で導くように前記るつぼおよびこれの内容物の表面の上に間隔を置いて直接配置されている。2番目の前記光源は光線を前記るつぼの内容物の水平な上表面に対して45゜の角度で導くように間隔を置いて配置されている。1つの光電子増倍管検出器が前記1番目の光源から出た光線を受けた表面から反射して来る光を受け取るように前記1番目の光源の直ぐ上に配置されている。別の光電子増倍管検出器が前記2番目の光源から出た光線を受けた表面から反射して来る光を受け取るように前記2番目の光源から出る光線に対して90°の角度で配置されている。前記光電子増倍管は各々が反射して来る光線の波長および量を測定しそしてそのデータをこのデータから粉末の黄色指数値を計算するようにプログラムされているマイクロプロセッサーに入力する。これらの評価の結果を前記黄色指数(YI)に換算して表8に要約する。黄色指数の数値が高ければ高いほど生成物がより黄色である。
Figure 2008509997
ガラス製反応槽を用いて、これに5,5−ジメチルヒダントインとNaOHから生じさせた水溶液と臭素の個別供給材料を連続を基礎に同時供給することで、別の連続操作を実施した。9重量%のNaOH水溶液に5,5−ジメチルヒダントインを添加することで、前記水溶液を生じさせた。この溶液の5,5−ジメチルヒダントイン含有量は約22.4重量%でNaOH含有量は7重量%であった。外径が72ミリメートルの錨型撹拌機が備わっている内径が82ミリメートルのジャケット付き1リットル反応槽を用い、前記ジャケットの中にシリコン流体(Rhodersil 4720V20流体;Rhone−Poulenc)を循環させた。反応温度を38℃に調節した。両方の供給をポンプで調節し、Prominent Gammma G/4A容積移送式ポンプを用いて前記5,5−ジメチルヒダントイン/NaOH溶液を15.84グラム/分の平均供給速度で供給し、そしてMasterflex Easy−Loadぜん動ポンプを用いて臭素を4.67グラム/分の平均供給速度で供給した。反応混合物を400rpmで撹拌した。pHメーターを用いて流出液のpHを測定することで反応のpHを監視し、反応中のpHは6.06から6.36の範囲であった。この反応槽から取り出す生成物の速度もまたポンプで調節した。滞留時間は1画分当たり平均で30分であり、各画分は約500mLであった。1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを前記反応槽に供給した5,5−ジメチルヒダントインの量を基準にして90.5%の収率で得た。この1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの活性臭素含有量は標準的ヨウ素還元滴定で測定して>55.3%であった。従って、この生成物の純度は99.0%を超えていた。
表9に、実施例13の連続操作で生じた1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン生成物に関する粒径データを要約する。これらのデータは、連続操作中に定常状態になった後、即ち本質的に定常状態に到達した後の異なる時間に採取した2サンプルを基にした平均データである。
Figure 2008509997
実施例14−18では液状の臭素(Aldrich)を反応混合物の表面下に供給する。Cole−Parmer Masterflexコンピューター制御ドライブ(2ポンプヘッド、1から60rpm)およびEasy−Loadポンプヘッドを用いて液状の臭素およびDMH/NaOH溶液の両方を反応槽にポンプ輸送する。臭素ではViton配管をTeflonと協力させて用いる。DMH/NaOH溶液ではC−Flex配管を用いる。塩素ガスを反応スラリーのまた表面下に吹き込む。普通の水道水を用いてNaOH溶液を作成し、次に室温に冷却した後、DMHを添加して透明な溶液を生じさせる。
連続実施(実施例18)では、反応槽のレベルが一定に維持されるように画分(滞留時間)を手動で集めた。各画分(典型的には500mL)を濾過した後、数日以内に元々の濾液を分析した。その固体を水道水で洗浄した。乾燥を漏斗中で窒素下でか或は真空オーブン内で〜55℃で実施した。一緒に供給する反応体をpHメーターを用いて監視した。出発DMH(97%)はAldrichから購入したDMHであった。あらゆる反応を1Lのジャケット付き4つ口ガラス製フラスコ内で実施した。その反応槽に機械的撹拌機、熱電対およびpHメーターを装備した。結果として生じた反応スラリーを反応槽の底から時々手動で集めた。各画分を500mLのフラスコの中に集めた。
実施例14−18に関連して下記の分析手順を用いた:DBDMHまたはBCDMHの粒径をCoulter LS粒径分析装置をサンプル当たり1分の典型的な実行時間で用いて測定した。固体状DBDMHおよびこれの濾液の両方に入っている臭素の純度をヨウ素還元滴定で測定した。プロトンNMRスペクトルをBruker/GE Omega 400WBを用いて無水CDCl中で得た。そのスペクトルは13C付随体が除去されるように分離したブロードバンドC−13であった。重水素化溶媒の残存プロトン共鳴を5.32ppmに割り当てた。臭素置換種および塩素置換種の正規化した重量%を計算した。BCDMHをH−NMRで無水重水素化塩化メチレン中で分析することで異性体
の比率を測定した。各化学シフトはヒダントイン分子中のゲム(gem)ジメチル基(6H、s)に相当していた。
35℃、pH〜6−8におけるバッチ式三供給操作
機械的撹拌機(400rpm)と熱電対とpHメーターを取り付けておいた循環浴による加熱式の1Lのジャケット付き4つ口ガラス製フラスコに5%のNaCl溶液のヒールを200mL仕込む。44.5g(1.11モル)のNaOHを339gの水に溶解させそして室温に冷却した後に5,5−ジメチルヒダントイン(DMH)(70.4g、0.549モル)を加えることでDMH溶液を調製する。このDMH溶液を10.0mL/分の供給速度で供給しながら臭素を〜0.80mL/分で表面下に供給する。また、塩素も一緒に混合物のpHが6から8の範囲になるような速度で表面下に供給する。反応温度を約53℃にする。DMHの供給が終了した時点で消費された臭素の量は約86.4gである(0.540モル、DMH全体の臭素置換に要する臭素の〜98%)。消費された塩素の総量は約0.8モル付近である。この三供給の44分の間、反応スラリーの上部は黄色からオレンジ色のままであった。濾過そして生成物を水で洗浄することでオフホワイトの固体(149.4g、〜96%の収率)を得た。濾液を分析した結果、活性臭素が〜0.2重量%、臭化物が〜0.3重量%および塩化物が〜7.2%存在することが分かった。分析データを表10に要約する。得たDBDMHの純度は>98%であり、ジクロロ種は全く存在せずかつBCDMHの量は〜1重量%のみであった。
52℃、pH〜5−7におけるバッチ式三供給操作
反応体の調製を実施例14と同様に実施し、そして塩素をより速く吹き込むことでスラリーのpHを5−7の範囲(たいていは5−6の範囲)に維持する以外は同様に工程を実施する。38分間の三供給の間に消費された臭素の量は約87.7gである(0.548モル、これはDMH全体の臭素置換に要する臭素の〜99%である)。三供給中に添加した塩素の量は〜40.5g(0.571モル)である。反応スラリーは主に黄色であったが、添加終了時に反応表面に赤色がかった色が現れそしてスラリーが室温に到達した時点で黄色に変わる。処理および乾燥を実施することでオフホワイトの固体(149.2g、〜95%)を得る。分析データを表10に要約する。DBDMHの純度は〜92%であり、生じたBCDMHの量は7重量%でありかつ1,3−ジクロロ種の量は痕跡量である。
Figure 2008509997
53℃、pH〜6−7におけるバッチ式三供給操作
機械的撹拌機(400−475rpm)と熱電対とpHメーターを取り付けておいた加熱式の1Lのジャケット付き4つ口ガラス製フラスコに5%のNaCl溶液のヒールを200mL仕込んだ。44.5g(1.11モル)のNaOHを339gの水に溶解させそして室温に冷却した後にDMH(70.4g、0.549モル)を加えることで〜1.37Mの均一な溶液を〜400mL生じさせることでDMH溶液を調製した[注:ここでは、〜200mLのヒールを用いたことから最終的なハロゲン置換DMH濃度は〜0.9Mである。それによって、ある程度ではあるが、以下の連続実施例18の初期滞留時間の間の色はかなり白色ではあるが、後期滞留時間の間の色がより暗いことを説明することができる]。このDMH溶液を10.0mL/分の供給速度で供給しながら臭素を〜0.40mL/分で表面下に供給した。塩素を反応混合物のpHが6から7の範囲になりかつ反応温度がほぼ53℃で安定になるような速度で表面下に吹き込んだ。DMHの供給が終了した時点で消費された臭素の量は約43.7g(0.273モル)であることに加えて塩素の量は66.6g(〜0.939モル、即ち添加した塩素:臭素は3.4:1、即ち塩素を〜13%の過剰量で用いる)であった。この三供給の37分の間、スラリーの上部はレモンイエロー色のままでありそして実施例14−17で観察した如くスラリーの上部に赤色がかった色が蓄積することはなかった。スラリーを濾過(36℃)し、水(500mL)で洗浄した後、窒素下で一晩乾燥させることで非常に白色(YI 6.75)の固体(118.3g、〜90%の収率)を得た。その無色の濾液を一晩放置するとそれに浮遊する結晶が少し含まれていることを確認し、このことは、濾過を室温以下で実施すべきであることを示している。その単離したBCDMHの異性体分布および他の分析データを表11および12に要約する。異性体の分布は商業的サンプルのそれと同様である。
53℃、pH〜7におけるバッチ式三供給操作
反応体の調製を実施例16と同様にして実施した。異性体の分布に影響を与える試みで臭素供給速度を〜12%低くして0.35mL/分の速度にすると同時に塩素吹き込み速度を変えることで反応を約7.0のpHで実施する以外は反応を同様に実施した。消費された臭素の量は約42.5g(0.266モル)でありかつ添加した塩素の量は53.5g(〜0.75モル、即ち添加した塩素:臭素は2.8:1、即ち必要な塩素の〜93%)であった。
41分間の三供給の間、反応スラリーはほとんど無色であり、ハロゲンの着色は見られなかった。スラリーを濾過(30℃)し、水(700mL)で洗浄した後、窒素下で一晩乾燥させることで白色(YI 7.60)の固体(105.1g、〜80%の収率)を得た。単離したBCDMHの異性体分布および他の分析データを表11および12に要約する。得たDBDMHの比率は予想より高く、これは、明らかに、操作をpH6.0以上で行いかつ添加する塩素の量を必要な化学量論的量より少くした結果であった。
表11では下記の省略形を用いる:
BCはN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインを指し、
DBは1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを指し、
DCは1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインを指し、
MBはN−および/またはN’−モノブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを指し、
MCはN−および/またはN’−モノクロロ−5,5−ジメチルヒダントインを指し、
YIは黄色指数を示し、
APSは平均粒径(ミクロン)を指す。
Figure 2008509997
Figure 2008509997
実施例16および17で添加した塩素の重量を三供給工程を開始する前と後の重量の差を計算することで決定した。表12に示した結果から、塩素の制御をより良好に行いかつ塩素の重量を連続的に監視することで反応中に生じる混合物に入っている意図した生成物の前以て選択しておいた比率をより正確に達成することができると結論付けた。一般的に言って、おおよそ〜0.55モルのDMHに要する総塩素量=0.266モル、即ち18.9gの臭化物を酸化させるに充分な塩素に加えて0.55モル、即ち39.0gのCl、即ち全体で少なくとも57.9gの塩素。
この上に示した実施例14−17をバッチ操作として実施した。本明細書の以下に示す実施例18を連続工程として実施した。操作を連続工程で実施する時の主な利点のいくつかは、生じた熱を連続的に除去することができることに加えてその発熱臭素置換/インシトゥ酸化/塩素置換反応の生成物を連続的に取り出すことができる点にある。DMH/NaOHとハロゲンの個別供給材料を供給することの利点は、所定時間における所定反応体の濃度蓄積が最小限になる点にある。それによって、高温における反応速度がより速くなりかつ結果として生じた生成物(例えばBCDMHおよびDBDMH)がほとんど直ちに結晶形態で溶液から確実に析出することが可能になる。反応槽の中の反応混合物は主に生成物のスラリーでありかつ存在するハロゲンの濃度もDMHの濃度もNaOHの濃度も非常に限られた濃度のみであることは明らかであろう。存在する臭化物の量は典型的に最低限のみでありかつ臭素の量は本質的にゼロである。供給材料の供給速度はそれらがほぼ化学量論的量(即ちBCDMHをもたらす理論的量)(NaOH:DMH:Br:Cl=2.0:1.0:0.5:1.5)で存在しかつ全部が低い濃度で存在するように調整
可能である。分かるであろうように、BCDMHをもたらす理論的な量にすると実際結果としてBCDMHとDBDMHの両方が豊富に存在する生成物の生成がもたらされる。
53℃、pH〜5.8−6.8における連続三供給操作
この連続三供給工程では、6画分(即ち6バッチの滞留時間に相当する連続操作)を反応槽のレベルが一定になるような速度で手動で集めた。画分1と2を一緒にした。また、画分4と5も一緒にした。最終的な反応槽内容物に画分#6の標識を付けた。各画分(500mL)を濾過した後、元々の濾液を独立して分析した。固体を水道水で洗浄した。乾燥を漏斗中で窒素下でか或は真空オーブン内で〜60℃で実施した。また、得た固体画分も独立してヨウ素還元滴定、プロトン−NMRおよび粒径測定で分析した。
機械的撹拌機(400rpmの撹拌速度)と熱電対とpHメーターを取り付けておいた1Lのジャケット付き4つ口ガラス製フラスコに300mLの水と先行するバッチ実験(実施例18または19のいずれか)の濾液200mLで構成させた500mLのヒールを仕込んだ。循環加熱浴を用いて反応槽の温度を一定に維持した。222.5g(5.56モル)のNaOHを1690gの水に溶解させそして室温に冷却した後にDMH(352g、2.74モル)を添加して均一な溶液、即ち1.37Mの溶液を約2リットル生じさせることでDMH供給材料溶液を調製した[注:この実験の濃度は実施例16および17のそれと同様である。それの濃度は実施例14および15(〜1.1MのDMH溶液を臭素と一緒に供給することで白色のDBDMH固体を生じさせた)で用いたDMH供給材料に比べて〜25%高い。
このDMH溶液を10.0mL/分の供給速度で供給しながら液状の臭素を〜0.39mL/分で表面下に供給した(この上に示した実施例16および17と同様に)。塩素を反応混合物のpHが5.8から6.8の範囲になりかつ反応温度がほぼ53℃で安定になるような速度でまた表面下に吹き込んだ。DMHの供給が終了した時点で消費された臭素の量は約238.1g(1.489モル)[または臭化物の全部が酸化されて臭素になったと仮定すると2.97モルのブロモニウムイオン]でありかつ塩素の量は276.5g(〜3.89モル、即ち全体として添加した塩素:臭素は2.6:1であり、このことは塩素の使用量が約15%少ないことを意味し、これは、用いた操作規模ではガスの制御を正確に維持するのが困難なことによる)であった。このことは、また、達成されたDBDMH異性体分布の比がより大きいことを説明している。各画分の平均滞留時間は〜30分であった。各画分を個別の反応混合物として処理しかつほぼ等しい体積の水で洗浄した。乾燥を真空オーブン内で一晩実施することで固体を全体で610g集めた(DMHと添加した臭素を基準にして〜91%の収率)。あらゆる画分(1−6)の分析を表13および14に要約する。画分3−6の濾液にはまたヨウ素還元滴定による検査も受けさせた。それらの濾液では活性ハロゲン損失が最小限であり、このことは、表15に見られるように、臭化物の大部分が塩素で酸化されたことを示している。
Figure 2008509997
Figure 2008509997
Figure 2008509997
本資料で用語「水溶性」を用いる場合、この用語は、記述した物質がこの物質が入っている溶液を用いた操作をこの溶液の個々の使用条件下で実施することを可能にするに少なくとも充分な量で当該物質(恐らくはイオン化した形態の)が溶解している水溶液が生じるに少なくとも充分な溶解度を水中で示すことを意味する。当然、この物質の溶解度がこれがそのような条件下の水中で示すそれよりも高い方が望ましい。しかしながら、この用語は当該物質がそのような条件下の水にあらゆる比率で溶解すべきであることを意味するものでない。
本資料のどこかで化学名または化学式を用いて化合物を言及する場合、この言及が単数であるか或は複数であるかに拘らず、それらが別の物質[化学名または化学タイプで言及する](例えば別の成分、溶媒など)に接触する前にそれらが存在するようにそれらを同定する。結果として生じる混合物または溶液中でどんな予備的化学変化(もしあれば)が起ころうとも問題でない、と言うのは、そのような変化は特定の物質を本開示に従って要求する条件下で一緒にする結果として自然に起こる事であるからである。また、本請求の
範囲で物質を現在時制(「含んで成る」、「である」など)で言及することがあり得るかもしれないが、そのような言及は、本開示に従ってそれを他の1種以上の物質に最初に接触、ブレンドまたは混合する直ぐ前の時間にそれが存在していたように当該物質を言及するものである。
冠詞「a」または「an」を本明細書で用いる場合、他の様式であると明らかに示すことができない限り、請求項を前記冠詞で示す単一の構成要素に限定することを意図するものでなく、限定するとして解釈されるべきでない。むしろ、冠詞「a」または「an」を本明細書で用いる場合、本文で他の様式であると明らかに示さない限り、それに1種以上のそのような構成要素を包含させることを意図する。
また、用語「実質的な」および「実質的に」は化学過程が通常は絶対を伴わないことを表すことも理解されるであろう。従って、変数を絶対値として記述するのではなく、そのような変数がその示した変数の実質的な周辺に存在するとして記述する方がずっとより現実的である。例えば、化学量論的量を記述する時にはその量を実質的に化学量論的な量として示す方がずっとより現実的である、と言うのは、本分野の技術者は絶対的化学量論から若干逸脱しても結果にはあまり大きな差が生じないであろうことを充分に理解しているからである。従って、如何なる面においてもあらゆる面においても本資料は常識を適用して読まれるべきである。
本明細書のいずれかの部分に言及した特許または出版物は各々および全てがあたかも本明細書に詳細に挙げる如く引用することによって全体として本開示に組み入れられる。
本発明は本発明の実施においてかなりの変形を受け易い。従って、この上に行った説明は本発明を本明細書の上に示した特別な例示に限定することを意図するものでなくかつ限定するとして解釈されるべきでない。むしろ、保護することを意図する事項は本請求項に挙げる如き事項および法の問題として許可されるそれの相当物である。

Claims (72)

  1. N−ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物のN−ハロゲン置換方法であって、(a)N−ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物、(b)無機塩基、(c)臭素化剤および/または塩素化剤および(d)水を反応ゾーンに同時または実質的に同時に供給するが、少なくとも(a)と(c)の同時もしくは実質的に同時の供給材料を少なくとも(a)と(c)が前記反応ゾーン内で初めて一緒になるように互いから離させ、供給する前記(a)、(b)、(c)および(d)の比率を、前記アミドもしくはイミドの少なくとも1個の窒素原子が臭素もしくは塩素原子で置換されることで水性反応混合物の液相中で沈澱を起こす生成物が生じるような比率であり、かつ前記液相のpHが前記供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って連続的または実質的に連続的に約5.5から約8.5の範囲内に維持されるような比率にすることを含んで成る方法。
  2. 前記pHを約6.5から約8.5の範囲内にする請求項1記載の方法。
  3. (a)と(b)と(d)を前以て生じさせておいた単一の水溶液もしくはスラリーの形態で供給する請求項1記載の方法。
  4. 前記方法の開始時に前記供給を、(i)生じさせるべき生成物をもたらした先行する反応で生じた反応混合物の固体含有ヒールまたは(ii)生じさせるべき生成物をもたらした先行する反応で生じた反応混合物の固体を含まない母液を入れておいた反応槽への供給を行うことで開始する請求項1記載の方法。
  5. 前記反応ゾーンに同時もしくは実質的に同時に供給する材料が(a)と(b)、または(a)と(d)、または(b)と(d)、または(c)と(d)、または(a)と(b)と(d)を前以て混合することで生じさせておいた供給材料を含んで成る請求項5記載の方法。
  6. 前記前以て混合しておく供給材料を(a)と(b)、または(a)と(d)、または(b)と(d)、または(c)と(d)、または(a)と(b)と(d)を混合装置に供給して(a)と(b)、または(a)と(d)、または(b)と(d)、または(c)と(d)、または(a)と(b)と(d)から生じた流出流れがもたらされるようにすることで生じさせ、そして前記流出流れを前記水性反応混合物がより大きな体積で入っている前記反応槽に供給し、前記流出流れの温度が約90℃を超える前に前記流れに希釈を前記水性反応混合物中で受けさせ、そして前記水性反応混合物の温度を前記混合装置への供給および前記反応槽への供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って約0から約90℃の範囲に維持する請求項5記載の方法。
  7. 前記混合装置が固定式ミキサーであり、そして前記ミキサーから出た流出流れを前記水性反応混合物の液相の表面下に供給する請求項6記載の方法。
  8. 前記混合装置が高速の流れをもたらすジェットミキサーであり、前記流れを前記水性反応混合物の液相の表面下に供給する請求項6記載の方法。
  9. 前記水性反応混合物を約0から約90℃の範囲内の1種以上の温度にする請求項1記載の方法。
  10. (a)が各アルキル基が独立して炭素原子を約3個以下の数で有する5,5−ジアルキルヒダントインであり、(b)が水溶性アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩基性
    塩もしくは酸化物であり、前記塩基の量を前記ヒダントインが有する少なくとも1個の窒素原子を脱プロトン化するに理論的に必要な化学量論的量にするか或は実質的に化学量論的量にし、(c)が(i)臭素、(ii)塩素、(iii)塩化臭素、(iv)アルカリ金属の臭化物もしくはこれの水溶液またはアルカリ土類金属の臭化物もしくはこれの水溶液と、臭素をインシトゥで生じさせるに充分な量の塩素または次亜塩素酸塩もしくは次亜塩素酸塩水溶液、または(v)(i)、(ii)、(iii)および(iv)の中のいずれか2つ以上の組み合わせであり、少なくとも気体状態の(c)の全部またはそのような気体状態の部分がもしあればそれを前記水性反応混合物の液相の表面下に供給し、前記水性反応混合物の温度を前記供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って連続的または実質的に連続的に約30から約90℃の範囲内にし、そして前記供給材料の比率を、供給する5,5−ジアルキルヒダントインにN−ハロゲン置換を受けさせる目的で供給する(c)の総量がハロゲンが5,5−ジアルキルヒダントイン1分子当たり約3.8から約4.2原子の範囲内で存在するような総量であるような比率にする請求項1記載の方法。
  11. 前記方法を連続様式で実施し、この場合には、定常状態条件下で前記供給材料1種または2種以上を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給する(a)の前記化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約10から約100リットルの範囲内であるように維持する請求項1、2または9のいずれか記載の方法。
  12. 前記方法を少なくとも1基の反応槽内でバッチ様式で実施し、この場合には、反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセントに到達するまでは、前記反応混合物に供給する前記供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給する(a)の前記化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約10から約100リットルの範囲内であるように維持し、そして反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセント以上になると、前記反応混合物に供給する前記供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給する(a)の前記化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約30から約60リットルの範囲内であるように維持する請求項1、2または9のいずれか記載の方法。
  13. ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミド官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物のN−ハロゲン置換方法であって、反応ゾーンへの
    A)(i)ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物と無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーと(ii)臭素化剤および/または塩素化剤の個別供給材料、または
    B)臭素化剤および/または塩素化剤が1つの供給材料でありそして(a)および(b)から選択した少なくとも1つと(c)および(d)から選択した少なくとも1つが他の少なくとも2つの供給材料である少なくとも3つの個別の供給材料、
    の同時供給を、この同時供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って前記アミドもしくはイミドの少なくとも1個の窒素原子が臭素もしくは塩素原子で置換されることで水性反応混合物の液相中で沈澱を起こす生成物が連続的または実質的に連続的に生じるような比率であり、かつ前記液相のpHが前記同時供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って連続的または実質的に連続的に約5.5から約8.5の範囲内に維持されるような比率で行うことを含んで成り、ここで、
    (a)が無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーであり、
    (b)がハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物と無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーであり、
    (c)がハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個
    有する化合物であり、そして
    (d)がハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物から生じさせた水溶液もしくはスラリーである、
    方法。
  14. 前記pHを約6.5から約8.5の範囲にする請求項13記載の方法。
  15. ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する前記化合物が環状アミドもしくは環状イミドであり、そして前記臭素化剤および/または塩素化剤が臭素、塩素、塩化臭素またはこれらのいずれか2つまたは3つ全部の組み合わせであり、そしてこれを前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項14記載の方法。
  16. ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する前記化合物が環状アミドもしくは環状イミドであり、そして前記臭素化剤および/または塩素化剤が(i)アルカリ金属の臭化物またはアルカリ土類金属の臭化物と(ii)臭素をインシトゥで生じさせるに充分な量の塩素、次亜塩素酸塩もしくは次亜塩素酸塩水溶液であり、そしてもし(ii)が塩素の場合には少なくとも前記塩素を前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項14記載の方法。
  17. 前記無機塩基がアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水溶性の塩基性塩もしくは酸化物であり、そして前記塩基の量を前記化合物が有する少なくとも1個のイミド基を脱プロトン化するか或は前記化合物が有する少なくとも1個のアミド基を完全または部分的に脱プロトン化するに理論的に必要な化学量論的量にするか或は実質的に化学量論的量にする請求項14記載の方法。
  18. 前記水性反応混合物を約0から約90℃の範囲内の1種以上の温度にし、そしてもし前記臭素化剤および/または塩素化剤が蒸気の形態の時には前記蒸気を前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項13記載の方法。
  19. 前記方法を連続様式で実施し、この場合には、定常状態条件下で前記供給材料1種または2種以上を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給するハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する前記化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約10から約100リットルの範囲内であるように維持する請求項13−16のいずれか記載の方法。
  20. 前記方法を少なくとも1基の反応槽内でバッチ様式で実施し、この場合には、反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセントに到達するまでは、前記反応混合物に供給する前記供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給する(a)の前記N−ハロゲン置換可能化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約10から約100リットルの範囲内であるように維持し、そして前記反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセント以上になると、前記反応混合物に供給する前記供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)反応混合物に1分当たりに供給する前記N−ハロゲン置換可能化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約30から約60リットルの範囲内であるように維持する請求項13−16のいずれか記載の方法。
  21. 前記pHを約6.8から約7.2の範囲内にする請求項13記載の方法。
  22. ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する
    前記化合物が5−アルキルヒダントインまたは5,5−ジアルキルヒダントインであり、前記反応混合物の温度を約20から約80℃の範囲内にし、そしてもし前記臭素化剤および/または塩素化剤の全部または一部が蒸気の形態の場合には前記蒸気を前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項21記載の方法。
  23. 供給する水と無機塩基と前記化合物の比率を、
    A)前記無機塩基が一価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりにハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子が約0.5から約2.5モルおよび前記塩基が約0.5から約2.5モル存在し、そして
    B)前記塩基が二価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりにハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子が約0.5から約2.5モルおよび前記塩基が約0.25から約1.25モル存在する、
    ような比率にする請求項13記載の方法。
  24. 供給する水と無機塩基と前記化合物の比率を、
    A)前記無機塩基が一価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりにハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子が約1.0から約1.5モルおよび前記塩基が約1.0から約1.5モル存在し、そして
    B)前記塩基が二価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりにハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子が約1.0から約1.5モルおよび前記塩基が約0.5から約0.75モル存在する、
    ような比率にする請求項13記載の方法。
  25. 前記方法をバッチ様式で実施する請求項13記載の方法。
  26. 少なくとも約97%の純度を有する沈澱物が前記同時の個別供給を実施している時間の少なくとも約80%に渡って生じるようにする請求項25記載の方法。
  27. 前記方法を連続様式で実施し、前記水性反応混合物の温度を約20から約90℃の範囲内にし、そしてハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する前記化合物および前記無機塩基を水中の個別の溶液またはスラリーとしてか或は水中の単一の溶液またはスラリーとして供給する請求項13記載の方法。
  28. 定常状態の操作中では(a)少なくとも約97%の純度を有しかつ(b)前記反応槽に供給するハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を少なくとも1個有する前記化合物の量を基準にして少なくとも約85%の連続的または実質的に連続的な収率で形成される沈澱物が連続的に生じるようにする請求項27記載の方法。
  29. アミドもしくはイミド官能基を分子中に少なくとも1個有する前記化合物がヒダントインであり、これの5位に位置する2つの置換基の各々が独立して水素原子またはヒドロカルビル基である請求項13記載の方法。
  30. 前記ヒダントインが5−アルキルヒダントインまたは5,5−ジアルキルヒダントインである請求項29記載の方法。
  31. 前記方法を連続様式で実施し、この場合には、定常状態条件下で前記供給材料1種または2種以上を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給する前記ヒダントインのモルの比率が1分当たりに1モル当たり約10から約100リットルの範囲内であるように維持する請求項30記載の方法。
  32. 前記比率を1分当たりに1モル当たり約30から約60リットルの範囲内にする請求項31記載の方法。
  33. 前記方法を少なくとも1基の反応槽内でバッチ様式で実施し、この場合には、反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセントに到達するまでは、前記反応混合物に供給する前記供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給する(a)の前記化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約10から約100リットルの範囲内であるように維持し、そして反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセント以上になると、前記反応混合物に供給する前記供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)反応混合物に1分当たりに供給する前記ヒダントインのモルの比率が1分当たりに1モル当たり約30から約60リットルの範囲内であるように維持する請求項30記載の方法。
  34. 前記反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセントに到達するまでは前記反応混合物に供給する前記供給材料を前記比率が1分当たりに1モル当たり約20から約80リットルの範囲内であるように維持する請求項33記載の方法。
  35. ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する前記化合物が各アルキル基が独立して炭素原子を約6個以下の数で有する5,5−ジアルキルヒダントインであり、前記無機塩基がアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩基性塩もしくは酸化物であり、前記塩基の量を前記ヒダントインが有する少なくとも1個の窒素原子を脱プロトン化するに理論的に必要な化学量論的量にするか或は実質的に化学量論的量にし、前記臭素化剤および/または塩素化剤が(i)臭素、(ii)塩素、(iii)塩化臭素、(iv)アルカリ金属の臭化物もしくはこれの水溶液またはアルカリ土類金属の臭化物もしくはこれの水溶液と、臭素をインシトゥで生じさせるに充分な量の塩素または次亜塩素酸塩もしくは次亜塩素酸塩水溶液、または(v)(i)、(ii)、(iii)および(iv)の中のいずれか2つ以上の組み合わせであり、少なくとも気体状態の臭素化剤および/または塩素化剤の全部またはそのような気体状態の部分がもしあればそれを前記水性反応混合物の液相の表面下に供給し、前記水性反応混合物の温度を前記供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って連続的または実質的に連続的に約20から約80℃の範囲内に維持し、そして前記方法を連続様式で実施し、この場合には、定常状態条件下で前記反応混合物に供給する前記供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給する前記5,5−ジアルキルヒダントインのモルの比率が1分当たりに1モル当たり約30から約60リットルの範囲内であるように維持する請求項13記載の方法。
  36. ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する前記化合物が各アルキル基が独立して炭素原子を約6個以下の数で有する5,5−ジアルキルヒダントインであり、前記無機塩基がアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩基性塩もしくは酸化物であり、前記塩基の量を前記ヒダントインが有する少なくとも1個の窒素原子を脱プロトン化するに理論的に必要な化学量論的量にするか或は実質的に化学量論的量にし、前記臭素化剤および/または塩素化剤が(i)臭素、(ii)塩素、(iii)塩化臭素、(iv)アルカリ金属の臭化物またはアルカリ土類金属の臭化物と、臭素をインシトゥで生じさせるに充分な量の塩素、次亜塩素酸塩もしくは次亜塩素酸塩水溶液、または(v)(i)、(ii)、(iii)および(iv)の中のいずれか2つ以上の組み合わせであり、少なくとも気体状態の前記臭素化剤および/または塩素化剤の全部またはそのような気体状態の部分がもしあればそれを前記水性反応混合物の液相の表面下に供給し、前記水性反応混合物の温度を前記供給を行っている間の時間全部または実質的に全部に渡って連続的または実質的に連続的に約20から約80℃の範囲内に維持し、そして前記方法を少なくとも1基の反応槽内でバッチ様式で実施し、この場合には、反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセントに到達するまでは前記反応混合物に供給する前記供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給する前記5,5−ジアルキルヒダントインのモルの比率が1分当たりに1モル当たり約20から約80リットルの範囲内であるように維持し、そして反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセント以上になると、前記反応混合物に供給する供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)反応混合物に1分当たりに供給する前記5,5−ジアルキルヒダントインのモルの比率が1分当たりに1モル当たり約30から約60リットルの範囲内であるように維持する請求項13記載の方法。
  37. 前記pHを約6.8から約7.2の範囲内にする請求項35記載の方法。
  38. 前記pHを約6.8から約7.2の範囲内にする請求項36記載の方法。
  39. 前記5,5−ジアルキルヒダントインが5,5−ジメチルヒダントインである請求項35記載の方法。
  40. 5,5−ジアルキルヒダントインが5,5−ジメチルヒダントインである請求項36記載の方法。
  41. 前記pHを約6.8から約7.2の範囲内にし、前記温度を約30から約70℃の範囲内にしそして前記臭素化剤および/または塩素化剤が臭素である請求項39記載の方法。
  42. 前記pHを前記供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って連続的または実質的に連続的に約6.8から約7.2の範囲内に維持し、前記水性反応混合物の前記温度を前記供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って約30から約70℃の範囲内に維持しそして前記臭素化剤および/または塩素化剤が臭素である請求項30記載の方法。
  43. ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミド官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物のN−ハロゲン置換方法であって、反応ゾーンへの(i)ハロゲン置換可能なアミドもしくはイミドの窒素原子を分子中に少なくとも1個有する化合物と無機塩基から生じさせた水溶液もしくはスラリーと(ii)臭素化剤および/または塩素化剤の個別供給材料の同時供給を、この同時供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って前記アミドもしくはイミドの少なくとも1個の窒素原子が臭素もしくは塩素原子で置換されそしてその結果として生じた生成物が反応混合物の液相中で沈澱を起こすような比率であり、かつ前記混合物のpHが前記同時供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って連続的または実質的に連続的に約6.5から約8.5の範囲内に維持されるような比率で行うことを含んで成る方法。
  44. (ii)が臭素、塩素、塩化臭素またはこれらのいずれか2つまたは3つ全部の組み合わせでありそしてこれを前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項43記載の方法。
  45. (ii)がアルカリ金属の臭化物またはアルカリ土類金属の臭化物と、臭素をインシトゥで生じさせるに充分な量の塩素、次亜塩素酸塩もしくは次亜塩素酸塩水溶液であり、そしてもし(ii)が塩素の場合には前記塩素を前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項43記載の方法。
  46. 前記無機塩基がアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水溶性の塩基性塩もしくは酸化物であり、そして前記塩基の量を前記化合物が有する少なくとも1個のイミド基を脱プロトン化するか或は前記化合物が有する少なくとも1個のアミド基を完全または部分的に脱プロトン化するに理論的に必要な化学量論的量にするか或は実質的に化学量論的量にする請求項43記載の方法。
  47. 前記塩基性塩もしくは酸化物が酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウムまたはこれらのいずれか2種以上の混合物から本質的に成る請求項46記載の方法。
  48. 前記pHを約6.8から約7.2の範囲内にする請求項43記載の方法。
  49. 前記反応混合物の温度を約0から約90℃の範囲内にし、そしてもし(ii)が蒸気の形態の場合には(ii)を前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項43記載の方法。
  50. 前記反応混合物の温度を約30から約70℃の範囲内にし、そしてもし(ii)が蒸気の形態の場合には(ii)を前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項43記載の方法。
  51. 供給する水と無機塩基と前記化合物の比率を、
    A)前記無機塩基が一価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりにハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子が約0.5から約2.5モルおよび前記塩基が約0.5から約2.5モル存在し、そして
    B)前記塩基が二価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりにハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子が約0.5から約2.5モルおよび前記塩基が約0.25から約1.25モル存在する、
    ような比率にする請求項43記載の方法。
  52. 供給する水と無機塩基と前記化合物の比率を、
    A)前記無機塩基が一価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりにハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子が約1.0から約1.5モルおよび前記塩基が約1.0から約1.5モル存在し、そして
    B)前記塩基が二価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりにハロゲン置換可能アミドもしくはイミドの窒素原子が約1.0から約1.5モルおよび前記塩基が約0.5から約0.75モル存在する、
    ような比率にする請求項43記載の方法。
  53. 前記方法を少なくとも1基の反応槽内でバッチ様式で実施し、この場合には、反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセントに到達するまでは、前記反応混合物に供給する前記供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給する(a)の前記N−ハロゲン置換可能化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約10から約100リットルの範囲内であるように維持し、そして前記反応混合物の体積が反応槽1基または2基以上の全体積の50パーセント以上になると、前記反応混合物に供給する前記供給材料を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)反応混合物に1分当たりに供給する前記N−ハロゲン置換可能化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約30から約60リットルの範囲内であるように維持する請求項43記載の方法。
  54. 前記方法を連続様式で実施し、この場合には、定常状態条件下で前記供給材料1種または2種以上を(i)リットルで表す前記反応混合物の体積と(ii)前記反応混合物に1分当たりに供給する前記N−ハロゲン置換可能化合物のモルの比率が1分当たりに1モル当たり約10から約100リットルの範囲内であるように維持する請求項43記載の方法。
  55. アミドもしくはイミド官能基を分子中に少なくとも1個有する前記化合物がヒダントインであり、これの5位に位置する2つの置換基の各々が独立して水素原子またはヒドロカルビル基である請求項43記載の方法。
  56. 前記ヒダントインが5−アルキルヒダントインまたは5,5−ジアルキルヒダントインである請求項55記載の方法。
  57. 前記方法の開始時に前記供給を(i)生じさせるべき生成物をもたらした先行する反応で生じた反応混合物の固体含有ヒールまたは(ii)生じさせるべき生成物をもたらした先行する反応で生じた反応混合物の固体を含まない母液を入れておいた反応槽への供給を行うことで開始する請求項43記載の方法。
  58. 1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインとN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインで主に構成されている混合物を製造する方法であって、反応ゾーンへの(i)個別および/または任意組み合わせ1種または2種以上で供給する水と無機塩基と5,5−ジメチルヒダントインと(ii)臭素化剤の個別供給材料と(iii)塩素化剤の個別供給材料の同時供給を、この同時供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って5,5−ジメチルヒダントインのハロゲン置換が起こりそしてその結果として生じたハロゲン置換生成物が水性反応混合物の液相中で沈澱を起こし、かつ前記液相のpHが前記同時供給を行っている間の全時間または実質的に全時間に渡って連続的または実質的に連続的に約5.5から約8.5の範囲内に維持されるような比率で行うことを含んで成る方法。
  59. 前記pHを約6.5から約8.5の範囲内にする請求項58記載の方法。
  60. 前記pHを約6.8から約7.2の範囲内にする請求項58記載の方法。
  61. (ii)が臭素でありそしてこれを前記反応混合物の液相の表面下に供給しそして(iii)が塩素でありそしてこれを前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項58記載の方法。
  62. 前記水性反応混合物の温度を約30から約70℃の範囲内にする請求項58記載の方法。
  63. 前記水性反応混合物の温度を約40から約60℃の範囲内にする請求項58記載の方法。
  64. 供給する水と無機塩基と5,5−ジメチルヒダントインの比率を、
    A)前記無機塩基が一価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりに5,5−ジメチルヒダントインが約0.5から約2.5モルおよび前記塩基が約1.0から約5.0モル存在し、そして
    B)前記塩基が二価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりに5,5−ジメチルヒダントインが約0.5から約2.5モルおよび前記塩基が約0.5から約2.5モル存在する、
    ような比率にする請求項58記載の方法。
  65. 供給する水と無機塩基と5,5−ジメチルヒダントインの比率を、
    A)前記無機塩基が一価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりに5,5−ジメチルヒダントインが約1.0から約1.5モルおよび前記塩基が約2.0から約3.0モル存在し、そして
    B)前記塩基が二価カチオンを有する場合には、水1リットル当たりに5,5−ジメチルヒダントインが約1.0から約1.5モルおよび前記塩基が約1.0から約1.5モル存在する、
    ような比率にする請求項58記載の方法。
  66. (ii)が臭素であり、前記pHを約6.8から約7.2の範囲内にし、前記水性反応混合物の温度を約30から約70℃の範囲内にし、そしてもし前記温度が前記臭素の沸点より高い時には前記臭素を前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項65記載の方法。
  67. (ii)が臭素であり、前記塩基が水酸化ナトリウムであり、前記pHを約6.8から約7.2の範囲内にし、前記水性反応混合物の温度を約40から約60℃の範囲内にし、そしてもし前記温度が前記臭素の沸点より高い時には前記臭素を前記反応混合物の液相の表面下に供給する請求項65記載の方法。
  68. (i)の水と無機塩基と5,5−ジメチルヒダントインの導入を5,5−ジメチルヒダントインと無機塩基の水溶液を混合してそれらの3者全部から生じさせた供給材料溶液として行う請求項58記載の方法。
  69. 前記供給材料溶液を生じさせる時に用いた無機塩基がアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水溶性の塩基性塩もしくは酸化物であり、そして前記pHを約6.8から約7.2の範囲内にする請求項68記載の方法。
  70. 前記供給材料溶液を生じさせる時に用いた無機塩基が酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウムまたはこれらのいずれか2種以上の混合物から本質的に成り、そして前記塩基の量を前記供給材料溶液を生じさせる時に用いた5,5−ジメチルヒダントインを完全に脱プロトン化するに理論的に必要な化学量論的量にするか或は実質的に化学量論的量にする請求項58記載の方法。
  71. 前記方法を(a)生じさせるべき1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインをもたらした先行する反応で生じた反応混合物の固体含有ヒールまたは(b)生じさせるべき1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインとN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインで主に構成されている混合物をもたらした先行する反応で生じた反応混合物の固体を含まない母液を入れておいた反応槽への(i)と(ii)の同時供給を開始し、そして(i)と(ii)の同時供給を、前記反応槽が所望レベルにまで満たされた時点で中止することによるバッチ様式で実施する請求項58記載の方法。
  72. 前記方法を(a)生じさせるべき1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインをもたらした先行する反応で生じた反応混合物の固体含有ヒールまたは(b)生じさせるべき1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインをもたらした先行する反応で生じた反応混合物の固体を含まない母液を入れておいた反応槽への(i)と(ii)の同時供給を開始し、そして(i)と(ii)の同時供給を、前記反応槽が所望レベルにまで満たされた時点で中止することによるバッチ様式で実施する請求項68記載の方法。
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