JP2003104805A - 液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤 - Google Patents

液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤

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JP2003104805A
JP2003104805A JP2001302798A JP2001302798A JP2003104805A JP 2003104805 A JP2003104805 A JP 2003104805A JP 2001302798 A JP2001302798 A JP 2001302798A JP 2001302798 A JP2001302798 A JP 2001302798A JP 2003104805 A JP2003104805 A JP 2003104805A
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liquid
water
halogenated hydantoin
dimethylhydantoin
microbicide
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Takuya Nakai
卓也 中井
Kenichi Ito
賢一 伊藤
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Hakuto Co Ltd
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Hakuto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】紙パルプ製造業の工程水、工業用循環冷却水、
産業排水、更には一般家屋の浴室、台所などの湿気の多
い場所等に発生する汚れやスライム障害の要因となる微
生物の生育抑制効果と殺微生物効果を有する殺微生物剤
で、液状で取扱性に優れ、ハロゲン化ヒダントイン類の
分解が少なく、製品安定性に優れ、微生物の生育抑制効
果と殺微生物効果に優れた液状のハロゲン化ヒダントイ
ン系殺微生物剤を提供する。 【解決手段】 (A)一般式(1)で表されるハロゲン
化ヒダントイン類の1種以上と、(B)ピロリドン類、
γ−ブチロラクトン類から選ばれる1種以上を有効成分
として含有することを特徴とする液状の殺微生物剤。 (式中、X及びXは独立に少なくとも一方は塩素原
子または臭素原子であり、他方は塩素原子、臭素原子、
水素原子のいずれかを表わし、R及びRは独立に水
素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表わす)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙パルプ製造業の
工程水、工業用循環冷却水、産業排水、更には一般家屋
の浴室、台所などの湿気の多い場所等に発生する微生物
に起因する汚れやスライム障害を除く液状の殺微生物剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工業用循環冷却水系、紙パルプ製造業の
工程水系、産業排水等の水中で微生物が繁殖すると種々
の障害を起こすことはよく知られている。例えば、水系
内に微生物が繁殖し、産生した多糖類の周辺に種々の夾
雑物を付着してスライムが発生すると、工業用循環冷却
水系ではスライムにより配管の閉塞、熱伝導率の低下、
装置壁面の腐食等の障害が生じる。また、紙パルプ製造
工場の工程水中では、装置や配管内に付着したスライム
の一部が剥離して紙に斑点を発生させ、製品品質の低
下、紙切れ、ワイヤーや毛布の目詰まり等の障害を引き
起こしている。また、一般家屋の浴室、台所などの湿気
の多い場所では、例えばカビ類が生育し、外観上、汚い
ばかりか、衛生上も好ましくない。
【0003】これらの微生物障害を抑制するために多く
の提案がなされ、例えば、2,2−ジブロモ−3−ニト
リロプロピオンアミド、5−クロロ−2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オン等の有機ハロゲン系殺菌剤が
一般的に用いられている。しかし、有機ハロゲン系殺菌
剤は、毒性が高いために取り扱い性に難点があり、近
年、環境への影響が大きいことが指摘されている。さら
に一般の工程水では水の節約から水の循環再使用が進め
られ、従来に比べて工程水中の溶解物質が濃縮、増加す
るようになり、微生物にとって好ましい環境になってい
る。その結果、スライムの発生抑制はますます難しくな
り、従来の有機ハロゲン系殺菌剤では十分な効果を得る
ことができなくなってきている。
【0004】そこで、水中で酸化作用を持つ有効塩素、
有効臭素(以下、両者を併せて有効ハロゲンとする)を
利用する方法、例えば、ハロゲン化ヒダントインの使用
(特公昭51−33171号公報、特開平8−1769
96号公報)などが提案された。しかし、ハロゲン化ヒ
ダントイン類は固体で水への溶解性が低いために、使用
する際に溶解装置と大量の希釈水を必要とする難点があ
る。
【0005】その改善策として、ハロゲン化ヒダントイ
ン類と安定化剤と溶剤を組み合わせて液体品とする試み
が行われた。例えば、ジクロロジメチルヒダントインと
2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールを組み合
わせた安定化方法(特開平01−31703号公報)、
ハロゲン化ヒダントインとスクシンイミド、カプロラク
タム等の環状アミド化合物、アルカリ金属の臭化物や塩
化物、アルカリ土類金属の臭化物や塩化物、水からなる
組成物による安定化方法(特開昭54−154523号
公報)等が提案された。しかし、環境への影響が少な
く、高いハロゲン化ヒダントイン濃度で溶解することが
でき、溶解したハロゲン化ヒダントインが分解すること
なく殺微生物効果を維持できる溶剤および安定化剤は、
依然、見出されておらず、満足できる液状のハロゲン化
ヒダントイン系殺微生物剤は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紙パルプ製
造業の工程水、工業用循環冷却水、産業排水、更には一
般家屋の浴室、台所などの湿気の多い場所等に発生する
汚れやスライム障害の要因となる微生物の生育抑制効果
と殺微生物効果を有する殺微生物剤に関し、液状で取扱
性に優れ、ハロゲン化ヒダントイン類の分解が少なく、
製品安定性に優れ、微生物の生育抑制効果と殺微生物効
果に優れた液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明者らは、液状のハロゲン
化ヒダントイン系殺微生物剤について鋭意検討を行った
結果、ハロゲン化ヒダントイン類と特定の含窒素化合物
を組み合わせて溶剤に溶解させることにより、液状のハ
ロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤が得られ、その殺微
生物剤が安定性にも優れていることを見い出し、本発明
を完成させるに至った。
【0008】すなわち、請求項1に係る発明は、(A)
一般式(1)で表されるハロゲン化ヒダントイン類(式
中、X及びXは独立に少なくとも一方は塩素原子ま
たは臭素原子であり、他方は塩素原子、臭素原子、水素
原子のいずれかを表わし、R 及びRは独立に水素原
子または炭素数1〜12のアルキル基を表わす。)の少
なくとも1種以上と、(B)ピロリドン類、ブチロラク
トン類から選ばれる少なくとも1種以上を有効成分とし
て含有することを特徴とする液状のハロゲン化ヒダント
イン系殺微生物剤である。
【0009】
【化2】
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1記載の液
状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤であり、ハロ
ゲン化ヒダントイン類が1,3−ジクロロ−5,5−ジ
メチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5−エチル−
5−メチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−
5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロ
ロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、3−ブロモ
−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブ
ロモ−1−クロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイ
ン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイ
ン、1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダン
トインから選ばれる1種以上であることを特徴とする。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1、2に記
載した発明の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物
剤であり、ピロリドン類が2−ピロリドン、ビニルピロ
リドン、ポリビニルピロリドンから選ばれる1種以上で
あることを特徴とする。
【0012】請求項4に係る発明は、請求項1、2に記
載した発明の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物
剤であり、ブチロラクトン類が、γ−ブチロラクトン、
β−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクト
ンから選ばれる1種以上であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0014】本発明の液状のハロゲン化ヒダントイン系
殺微生物剤(以下、「本発明の液状殺微生物剤」とす
る)は、(A)ハロゲン化ヒダントイン類の少なくとも
1種以上と、(B)ピロリドン類、ブチロラクトン類か
ら選ばれる少なくとも1種以上とを有効成分として含む
液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤であり、更
に詳しくは、固体の(A)ハロゲン化ヒダントイン類の
少なくとも1種以上を液体の(B)ピロリドン類、ブチ
ロラクトン類から選ばれる少なくとも1種以上に溶解し
て均一液とした液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生
物剤、および固体の(A)ハロゲン化ヒダントイン類の
少なくとも1種以上と液体の(B)ピロリドン類、ブチ
ロラクトン類から選ばれる少なくとも1種以上を使用し
て、溶剤に均一に溶解した液状のハロゲン化ヒダントイ
ン系殺微生物剤である。
【0015】本発明の(A)成分は、一般式(1)で表
される固体のハロゲン化ヒダントイン類である。
【0016】
【化3】
【0017】一般式(1)において、X及びXは独
立に少なくとも一方は塩素原子または臭素原子であり、
他方は塩素原子、臭素原子、水素原子のいずれかを表わ
しいる。また、R及びRは独立に水素原子または炭
素数1〜12のアルキル基を表わす。具体的には、1,
3−ジクロル−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3
−ジクロル−5−エチル−5−メチルヒダントイン、
1,3−ジクロル−5,5−ジエチルヒダントイン、
1,3−ジクロル−5−メチル−5−プロピルヒダント
イン、1,3−ジクロル−5−ブチル−5−メチルヒダ
ントイン、1−ブロム−3−クロル−5,5−ジメチル
ヒダントイン、1−ブロム−3−クロル−5−エチル−
5−メチルヒダントイン、1−ブロム−3−クロル−
5,5−ジエチルヒダントイン、1−ブロム−3−クロ
ル−5−メチル−5−プロピルヒダントイン、1−ブロ
ム−3−クロル−5−ブチル−5−メチルヒダントイ
ン、3−ブロム−1−クロル−5,5−ジメチルヒダン
トイン、3−ブロム−1−クロル−5−エチル−5−メ
チルヒダントイン、3−ブロム−1−クロル−5,5−
ジエチルヒダントイン、3−ブロム−1−クロル−5−
メチル−5−プロピルヒダントイン、3−ブロム−1−
クロル−5−ブチル−5−メチルヒダントイン、3,3
−ジブロム−5,5−ジメチルヒダントイン、3,3−
ジブロム−5−エチル−5−メチルヒダントイン、3,
3−ジブロム−5,5−ジエチルヒダントイン、3,3
−ジブロム−5−メチル−5−プロピルヒダントイン、
3,3−ジブロム−5−ブチル−5−メチルヒダントイ
ン等があり、好ましくは1,3−ジクロロ−5,5−ジ
メチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5−エチル−
5−メチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−
5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロ
ロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、3−ブロモ
−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブ
ロモ−1−クロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイ
ン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイ
ン、1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダン
トインであり、より好ましくは1,3−ジクロロ−5,
5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−
5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロ
ロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ
−5,5−ジメチルヒダントインであり、これらの2種
以上を組み合わせて用いても何ら差し支えない。
【0018】本発明の(B)成分は、ハロゲン化ヒダン
トイン類の安定化剤および溶剤であり、ピロリドン類及
びブチロラクトン類の中から選ばれた1種以上からな
る。
【0019】具体的には、ピロリドン類としては2−ピ
ロリドン、ビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン、
ブチロラクトン類としてγ−ブチロラクトン、β−ブチ
ロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンが好適
である。
【0020】(A)成分と(B)成分の組成比は、
(A)成分と(B)成分が均一に溶解するように、ある
いは(A)成分が(B)成分を併用することで溶剤に均
一溶解するように、適宜選択されれば良く、特に限定さ
れるものではないが、通常、モル比で5:1〜1:1
0、好ましくは2:1〜1:5、より好ましくは1:1
〜1:3である。
【0021】(B)成分が重合体の場合、例えば、ポリ
ビニルピロリドンの場合には構成単体のビニルピロリド
ンをモル比で5:1〜1:10、好ましくは2:1〜
1:5、より好ましくは1:1〜1:3となるように配
合する。
【0022】本発明の液状殺微生物剤は、(A)成分を
(B)成分に溶解して均一液として得られた液状殺微生
物剤、あるいは、(A)成分と(B)成分を同時に使用
して溶剤に均一溶解して得られた液状殺微生物剤であっ
ても構わない。
【0023】本発明の液状殺微生物剤に使用する溶剤
は、(A)成分と(B)成分と溶剤が均一な溶解物とな
り、さらに均一溶解物中のハロゲン化ヒダントイン類が
分解せず、あるいは殺微生物効果を大きく低下させるこ
とのない溶剤であり、具体的には水、水と水溶性有機溶
剤の混合溶剤、水溶性有機溶剤、水溶性有機溶剤と非水
溶性有機溶剤の混合溶剤、非水溶性有機溶剤がの中から
適宜選択して使用されるが、好ましくは水、水と水溶性
有機溶剤の混合溶剤、水溶性有機溶剤であり、より好ま
しくは水、水と水溶性有機溶剤の混合溶剤である。
【0024】溶剤に用いる水は、特に限定されるもので
はなく、一般の市水、イオン交換水、工業用水などが用
いられる。水を溶剤として使用した場合、液状殺微生物
剤のpHは、安定性を考慮してpH5以上、好ましくは
pH7以上である。pH調整には、通常、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等が用いられる。
【0025】溶剤に用いる水溶性有機溶剤は、具体例に
はアセトン等のケトン類、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル等のグリコール類、メチルセロソルブ、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、メチル
アセテート、ジエチルカーボネート等のエステル類、ジ
オキサン、テトラヒドフラン等のエーテル類、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド類等が
ある。
【0026】また、溶剤に用いる非水溶性有機溶剤とし
ては、プロピレンカーボネート等があり、使用する溶剤
は、(A)成分のハロゲン化ヒダントイン類および
(B)成分のピロリドン類、ブチロラクトン類、さらに
は他の配合成分等を考慮して、これらの溶剤の1種以上
を適宜選択されるものである。
【0027】本発明の殺微生物剤のおいて(A)成分の
配合量は、特に限定されるものではなく、使用するハロ
ゲン化ヒダントイン類及び(B)成分の種類、使用する
溶剤等により適宜選択、決定されるものであるが、通
常、5重量%〜50重量%(以下、「重量%」を「%」
とする)である。
【0028】本発明の液状微生物コントロール剤の製造
は、通常、溶剤を撹拌しながら先に(B)成分を加えて
溶解し、次いで(A)成分のハロゲン化ヒダントイン類
を徐々に加えて均一溶液とする方法で行われる。
【0029】本発明の液状微生物コントロール剤の水系
への添加場所は、スライム障害が発生している工程や処
理対象部分及びその上流に、一般の薬品注入ポンプを用
いて本発明の液状微生物コントロール剤を添加する。ま
た、添加方法は、高濃度を一定間隔で添加する衝撃添加
あるいは間欠的に添加する方法、または連続的に添加し
て水中の残留ハロゲン濃度を特定の値に保つ方法等があ
り、特に限定するものではない。通常は、微生物生存数
を適宜測定し、スライム傷害が起きないように微生物生
存数を設定された基準数以下に保つように添加する。
【0030】本発明の液状微生物コントロール剤の添加
量は、水質、pH、温度など該水系の工程条件、生存微
生物の種類、微生物数、スライムの発生の程度などによ
って大きく異なるので一律に定められるものではない
が、通常、対象とする水系の残留ハロゲン濃度が0.0
1〜10mg/L、好ましくは0.1〜5mg/L、さ
らに好ましくは0.2〜2mg/Lを維持するように添
加される。残留ハロゲン濃度が0.01mg/Lより少
ないと本発明の効果が得られない場合があり、また、1
0mg/Lより多いと、効果は充分にあるが、添加量の
割には効果が大きくなく、経済的にみて不利になること
がある。
【0031】本発明の液状殺微生物剤は、必要により、
その他の安定化剤、界面活性剤等を添加することを制限
するものではない。例えば、安定化剤としては、臭化ナ
トリウム、臭化カリウム等の臭化物、グリシン,α−ア
ラニン,グルタミン酸ナトリウム,アスパラギン酸ナト
リウム,メチオニンおよびリジン塩酸塩等のアミノ酸
類、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジエチル
ヒダントイン等のヒダントイン類、スルファミン酸、コ
ハク酸イミド、カプロラクタム、マレインイミド、ピロ
ールイミド等のアミド類、塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硝酸マ
グネシウム、硝酸亜鉛等の金属塩類、ポリアクリル酸
類、アクリル酸−マレイン酸共重合体類、ヘキサヒドロ
キシシクロヘキサン、立体障害を有する環状の第2級ア
ミン、サッカリンおよびそのナトリウム塩等の塩類さら
にはその水和物等があげられる。
【0032】界面活性剤は、任意に選ばれるが、製剤の
微生物安定性及び洗浄性を考慮して非イオン性界面活性
剤、アニオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面
活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブ
ロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸モ
ノエステル等が挙げられる。
【0033】アニオン性界面活性剤の具体例としては、
脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エス
テル塩、高級アルコール硫酸エステル塩、N−アシルメ
チルタウリン等が挙げられる。
【0034】本発明の液状殺微生物剤は、(A)成分と
(B)成分を混合することにより、(A)成分のハロゲ
ン化ヒダントイン化合物の溶剤への溶解性および安定性
が向上し、液状で高濃度のハロゲン化ヒダントイン系殺
微生物剤が得られるものである。例えば、ブロモクロロ
ジメチルヒダントインの水に対する溶解度が約1.5
(mg/100g−水)と低くても、ブロモクロロジメ
チルヒダントイン:20%と2−ピロリドン:10%
(対全量)および水:70%の配合で、ブロモクロロジ
メチルヒダントイン:20%濃度のブロモクロロジメチ
ルヒダントインの液状殺微生物剤が得られる。これは、
(A)成分のハロゲン原子が、(B)成分中の窒素原子
と結合して塩を形成するために(A)成分の水への溶解
性および安定性が高くなるためと推定される。
【0035】
〔A成分〕
A−1:ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン
(1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダント
インと3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダ
ントインの混合物)(グレート・レイクス・ケミカルズ
社製) A−2:1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダント
イン(東京化成(株)) A−3:1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダント
イン(東京化成(株)) 〔B成分〕 B−1:2−ピロリドン〔試薬、和光純薬工業(株)
製〕 B−2:ビニルピロリドン〔試薬、和光純薬工業(株)
製〕 B−3:ポリビニルピロリドン〔試薬、分子量40,0
00、和光純薬工業(株)製〕 B−4:γ−ブチロラクトン〔試薬、和光純薬工業
(株)製〕 〔その他〕 C−1:スルファミン酸〔試薬、関東化学(株)製〕 C−2:グリシン〔試薬、関東化学(株)製〕 C−3:コハク酸イミド〔試薬、和光純薬工業(株)
製〕 C−4:エチレングリコール〔試薬、和光純薬工業
(株)製〕 C−5:プロピレンカーボネート〔試薬、和光純薬工業
(株)製〕 [微生物コントロ−ル剤−1の調製]水79.1gを攪拌
しつつ、2−ピロリドン(B−1)0.9gを入れ、均
一に溶解した後、ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダ
ントイン(A−1)20gを加えた。0.1モル/L塩
酸及び0.1モル/L水酸化ナトリウム水溶液でpHを
7に調整し、微生物コントロ−ル剤−1を得た。
【0036】同様にして、A−1〜A−3、B−1〜B
−4、C−1〜C−5を用いて、表1に記載した下記配
合の微生物コントロ−ル剤−1〜41を調製した。
【0037】
【表1】
【0038】[安定性試験]表1記載の殺微生物剤をそ
れぞれ無色のガラスビンに入れ、40℃の恒温器内で静
置した。静置14日後、30日後、60日後にそれぞれ
から一部を取り、「JIS K 0102−1991:
残留塩素」に記載のヨウ素滴定法にて残留塩素濃度を測
定し、有効塩素濃度とした。本方法の有効塩素濃度測定
値は、有効塩素濃度と有効臭素濃度の合計値であり、こ
れを有効ハロゲン濃度として次式により殺微生物剤の分
解率を求めた。 分解率(%)={(X−Y)/X}×100 X:初期有効ハロゲン濃度,Y:静置後の有効ハロゲン
濃度 得られたこの結果を表2に示した。
【0039】この結果から、本発明の液状殺微生物剤
は、スルファミン酸、グリシン、コハク酸イミドを安定
化剤として使用した従来の液状殺微生物剤よりもハロゲ
ン化ヒダントイン類の安定性が大きく向上していること
が分かる。 [カビ除去効果試験]表1記載の殺微生物剤をそれぞれ
無色のガラスビンに入れ、室温下に60日静置した後、
浴室内のタイル壁面に発生した黒カビの除去試験を行っ
た。除去試験は、調製直後の液状殺微生物剤と60日間
40℃で静置した液状殺微生物剤をそれぞれについて、
20cm平方のタイル壁面を覆う程度にスプレーし、3
0分後のタイル壁面の黒カビ除去程度を目視評価した。
黒カビ除去効果の評価は、以下のようにした。 ○:タイル壁面の80%以上の黒カビを除去できた。 △:タイル壁面の50%以上〜80%未満の黒カビを除
去できた。 ×:タイル壁面の50%未満の黒カビを除去できた。 結果を表3に示した。
【0040】
【表2】
【0041】本発明の液状殺微生物剤は、調製直後、調
製後60日経過後の製剤の両方ともに黒カビ除去効果に
優れており、安定性に優れていることを認めた。しか
し、ハロゲン化ヒダントイン類単独及びスルファミン
酸、グリシン、コハク酸イミドをそれぞれ混合した液状
殺微生物剤は、調製直後では黒カビ除去効果に優れてい
たものの、調整後60日を経過すると黒カビ除去効果を
ほとんど失っていた。 [殺菌試験]工業用水系に生育する代表的な細菌である
シュードモナス属(四日市工業用水から単離培養)をTG
Y液体培地を用いて24時間、32℃で振とう培養を行
い活性化させた。この液を滅菌水で1,000倍(重
量)に希釈し、希塩酸液または希水酸化ナトリウム液に
てpHを7に調整した液を試験液とした。この試験液を
300ml三角フラスコに100mlづつ採取し、調製
直後および室温下で60日静置した殺微生物剤の(A)
成分の添加量が2mg/Lになるように殺微生物剤を加
え、振とう器にて振とうした。試験液と殺微生物剤を接
触させて1時間後及び1日後にTGY平板培地に接種
し、32℃で3日間培養し、試験液1ml当たりの生存
微生物数を測定した。「接触時間1時間の微生物数」と
無添加の場合の微生物数を比べることにより「短時間接
触による殺微生物効果」が分かり、「接触時間1日の微
生物数」と無添加の場合の微生物数を比べることにより
「長期にわたる微生物の増殖の抑制効果」が分かる。結
果を表3に示した。
【0042】
【表3】
【0043】本発明の液状殺微生物剤は、調製直後、調
製後60日経過後の製剤の両方ともに殺菌効果に優れて
おり、安定性に優れていた。しかし、ハロゲン化ヒダン
トイン類とスルファミン酸、グリシン、コハク酸イミド
の1種を使用した液状殺微生物剤の殺菌効果は、調製直
後、本発明の液状殺微生物剤と同等であるが、調製60
日を経過すると殺菌効果が著しく低下した。
【0044】
【発明の効果】本発明によるハロゲン化ヒダントイン類
の液状の殺微生物剤は、取り扱い性に優れ、且つ、長期
にわたり安定に殺微生物効果を維持することができ、作
業性の改善、コスト低減が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 520 C02F 1/50 520K 520L 520P 532 532D 540 540B ZAB ZAB

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)で表されるハロゲン
    化ヒダントイン類(式中、X及びXは独立に少なく
    とも一方は塩素原子または臭素原子であり、他方は塩素
    原子、臭素原子、水素原子のいずれかを表わし、R
    びRは独立に水素原子または炭素数1〜12のアルキ
    ル基を表わす)の1種以上と、(B)ピロリドン類、ブ
    チロラクトン類から選ばれる1種以上を有効成分として
    含有することを特徴とする液状のハロゲン化ヒダントイ
    ン系殺微生物剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 ハロゲン化ヒダントイン類が、1,3−
    ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジ
    クロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1−ブ
    ロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1
    −ブロモ−3−クロロ−5−エチル−5−メチルヒダン
    トイン、3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒ
    ダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5−エチル−5
    −メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジ
    メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−エチル−
    5−メチルヒダントインから選ばれる1種以上である請
    求項1記載の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物
    剤。
  3. 【請求項3】 ピロリドン類が、2−ピロリドン、ビニ
    ルピロリドン、ポリビニルピロリドンから選ばれる1種
    以上である請求項1または2記載の液状のハロゲン化ヒ
    ダントイン系殺微生物剤。
  4. 【請求項4】 ブチロラクトン類が、γ−ブチロラクト
    ン、β−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラ
    クトンから選ばれる1種以上である請求項1または2記
    載の液状のハロゲン化ヒダントイン系殺微生物剤。
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