JP3881890B2 - 抗菌効果を増強したn−クロロスルファマート組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、抗菌洗浄溶液とその製造方法、使用方法に関する。より詳しくは、本発明は、抗菌効果を増強したN−クロロスルファマート組成物とその製造方法、使用方法に関する。
【0002】
(背景技術)
次亜塩素酸塩溶液や次亜塩素酸溶液は、非常に有効な抗菌剤であるが、反応性及び化学的攻撃性(aggressive)も非常に高く、不安定な溶液である。このため、それらを抗菌洗浄溶液中に含入するのは相応しくない。故に、より安定であり、使用者に好ましい形態の次亜塩素酸塩溶液及び/又は次亜塩素酸溶液を開発する試みが為されてきた。この試みは、次亜塩素酸塩源を種々のアミン類及びアミド類と反応させることにより、種々のN−クロロ化合物(本明細書では、安定化次亜塩素酸塩溶液または安定化次亜塩素酸塩種とも呼ぶ)を生成することにより、概ね達成されている。用語「安定」又は「安定化」とは、活性成分が相当な時間にわたり分解しない化合物、溶液又は種を意味する。
【0003】
例えば、米国特許第2,438,781号は、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンN−ナトリウムスルホンアミド、またはp−トルエンスルホンアミド等の安定剤を添加することにより、アルカリ金属次亜塩素酸塩溶液を安定化する方法を開示している。該特許は、開示された安定剤を使用することにより、それが添加された次亜塩素酸塩溶液の殺菌作用が高まることも言及している。
【0004】
N−クロロスルファマート溶液等の、安定化次亜塩素酸塩水溶液も公知である。例えば、米国特許第3,170,883号は、僅か0.4ppmの濃度のスルファマートイオンを有する塩素溶液を、致死範囲である0.2ppm以上の遊離の有効塩素を生じさせるのに十分な全有効塩素を用いた安定化(例えば、次亜塩素酸塩イオンを生じさせる)について教示している。生成された安定化塩素溶液は、冷却塔での使用に推奨される。また、米国特許第3,177,111号は、セルロース系材料、特に木材パルプを、無機次亜塩素酸塩とスルファミン酸から誘導されたN−クロロスルファミン酸及びN,N−ジクロロスルファミン酸等の作用物質で漂白する方法を教示している。スルファミン酸と次亜塩素酸塩とを併用することで、所定レベルの漂白を行うための次亜塩素酸塩の所要量を、通常の40%〜80%減少させると言われている。更に、概ね通常よりも低いpHにて漂白作業を行うことができ、実質的により高い粘度及び強度のパルプを生産することもできる。米国特許第3,749,672号は、N−ハロ組成物の安定化された水性系を製造する方法を教示しており、該方法では、N−ハロ化合物はN−水素化合物(例えば、スルファミン酸、スルファミド、ジメチルヒダントイン)を、NaOClもしくはNaOBrと混合することにより生成される。水性系は、系のpHを4〜11に維持する緩衝剤を含有させることで安定化される。米国特許第3,767,586号も、N−水素化合物、好ましくはスルファミン酸を水酸化物の存在下で反応させることにより、N−ハロ化合物の安定な溶液を調製するプロセスに関する。
【0005】
N−クロロスルファマート溶液のような安定化次亜塩素酸塩溶液も、抗菌作用を有することが公知である。例えば、米国特許第3,749,672号及び同第3,767,586号に開示されるプロセスでは、プロセスストリーム中での漂白や、微生物制御に有用な溶液を製造すると言われている。更に、米国特許第3,328,294号では、N−クロロスルファマート溶液の製造、及びこの溶液を水性プロセスストリーム中で微生物を制御するために使用することが議論されている。
【0006】
しかしながら、例えばスイミングプール等の、人間との接触が発生する領域では微生物の迅速な除去が必要とされ、かかる領域ではN−クロロスルファマート溶液は殺菌剤或いは消毒剤として非常に望ましいものとはされなかった。これは、次亜塩素酸塩を含有する他の化合物(例えば、NaOCl、HOCl、塩素化イソシアヌル酸類(例えば、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)、塩素化ヒダントイン類(例えば、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン))と比較して、抗菌作用が劣るためである(例えば、J.E. Delaney及びJ.C. Morrisの「Bactericidal Properties of Chlorosulfamates」(Journal of the Sanitary Engineering Division - Proceedings of the American Society of Civil Engineers, 98(SA1), 23-26頁);L.S. Stuart及びL.F. Ortenzioの「Swimming Pool Chlorine Stabilizers」(Soap and Chemical Specialties (1964年8月号));及びL.F. Ontenzio及びL.S. Stuartの「A Standard Test for Efficacy of Germicides and Acceptability of Residual Disinfecting Activity in Swimming Pool Water」(Journal of the A.O.A.C., 47, 540-547頁、1964年)を参照のこと)。N−クロロスルファマート溶液は非常に安定であるのみならず、中性範囲に近いpHも有しているので、これは残念なことである。中性範囲に近いpHを有する溶液は、使用の際に人間に対する刺激や傷害を起こす傾向が低いので、非常に望ましい。
【0007】
最後に、米国特許第5,565,109号は、特定のN−水素化合物(例えば、ジメチルヒダントイン、メチルヒダントイン、シアヌル酸、スクシンイミド、グリコールウリル)及びこれらの塩素化誘導体が、恐らくは活性塩素の寿命を延ばすことにより、パルプスラリー中での次亜塩素酸塩溶液の殺菌効果を劇的に改善し得ることを教示している。該'109特許によると、ジメチルヒダントインを次亜塩素酸ナトリウム溶液に添加すると、次亜塩素酸ナトリウムの殺菌作用が高められ、ヒダントインの活性はスルファミン酸よりも高く、シアヌル酸と同様である。
【0008】
しかしながら、スルファミン酸もしくはスルファマートを用いて安定化された次亜塩素酸塩溶液は、5,5−ジアルキルヒダントインもしくはイソシアヌル酸誘導化合物を用いて安定化された次亜塩素酸塩溶液と比較して、長期にわたり優れた化学的安定性を示す。更に、アルキルヒダントインもしくはシアヌル酸化合物を含む安定化次亜塩素酸塩溶液は、前掲のN−クロロ化合物が次亜塩素酸塩を含む組成物中での溶解性に欠けるため、通常は懸濁液もしくはスラリーの形態をとる。これに対し、スルファミン酸を含む安定化次亜塩素酸塩溶液は、代表的には、均質な(単層)溶液のままである。均質な(単層)溶液は、消費者に好まれ、より商品化が実行し得る。
【0009】
従って、家庭用洗浄剤、プロセスストリーム、冷却塔を含む多様な用途に用いることができる、抗菌作用が増強された溶液に対する要望がある。特に、安定で、すぐに使える状態にあり、不快な塩素臭を発生しないばかりでなく、中程度に酸性から中性に近いpHにより「使用者に好ましい」溶液でもある、非常に効果の高い抗菌溶液を有することは有用であろう。
【0010】
発明の開示
驚くべきことに、我々は、スルファマートを添加することによって安定化され、さらに特定の有機アミドドープ剤を含む次亜塩素酸塩溶液が、当初のスルファマートのみにより安定化された次亜塩素酸塩溶液に対して、増強された抗菌作用を有することを見い出した。スルファマートで安定化された次亜塩素酸塩溶液には抗菌効果がないと知られていたため、これは意外な結果である。
【0011】
具体的には、1つの態様において、我々は、モノ−N−クロロスルファマート(HClNSO3 -)とジ−N−クロロスルファマート(Cl2NSO3)との緩衝化された水性混合物から本質的に成る安定化された次亜塩素酸塩溶液;およびジアルキルヒダントイン、好ましくは5,5−ジアルキルヒダントイン類(例えば、5,5−ジメチルヒダントイン、5−エチル−5−メチルヒダントイン、又は5,5−ジエチルヒダントイン)、アリールスルホンアミド(例えば、ベンゼンスルホンアミド、トルエンスルホンアミド、4−カルボキシベンゼンスルホンアミド)、スクシンイミド、及びグリコールウリルから成る群から選択される少なくとも1種のドープ剤、を含む抗菌溶液を発明した。ドープ剤で増強された、この安定化次亜塩素酸塩溶液は、約2〜約10、好ましくは約2〜約7、最も好ましくは約3〜約6のpHを有する。
【0012】
別の態様において、我々の発明は、スルファマートで安定化された次亜塩素酸塩;および5,5−ジアルキルヒダントイン、アリールスルホンアミド、スクシンイミド、及びグリコールウリルから成る群から選択されるドープ剤を含み、増強された抗菌特性を有する、安定化次亜塩素酸塩溶液も提供する。
【0013】
さらに別の態様において、我々の発明は更に、増強された微生物効果を有し、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約0.5:1.0であり、ドープ剤対次亜塩素酸塩の最小モル比が約1:50である、安定化次亜塩素酸塩組成物を提供する。存在する全有効塩素の濃度は、好ましくは約10〜約100,000ppm、より好ましくは約100〜約50,000ppmである。
【0014】
さらに、我々の発明は、抗菌作用増強溶液を作製する方法であって、(a)次亜塩素酸塩源をスルファマートの緩衝源に添加することにより安定化次亜塩素酸塩溶液を生成する工程;および(b)ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約1:50であり、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約0.5:1.0であるように、5,5−ジアルキルヒダントインのようなジアルキルヒダントイン、アリールスルホンアミド、スクシンイミド、及びグリコールウリルから成る群から選択される少なくとも1種のドープ剤を、前記工程(a)で生成された安定化次亜塩素酸塩溶液に添加して抗菌作用増強溶液を生成する工程、を包含する方法を提供する。
【0015】
別の実施の形態において、我々は、抗菌作用増強溶液を作製する方法であって、(a)次亜塩素酸塩源をスルファマートの緩衝源に添加することにより安定化次亜塩素酸塩溶液を生成する工程;および(b)ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約1:50であり、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約0.5:1.0であるように、塩素化5,5−ジアルキルヒダントインのような塩素化ジアルキルヒダントイン、塩素化アリールスルホンアミド、塩素化スクシンイミド、及び塩素化グリコールウリルから成る群から選択される少なくとも1種のドープ剤を、前記工程(a)で生成された安定化次亜塩素酸塩溶液に添加して、抗菌作用増強溶液を生成する工程、を包含する方法を提供する。本発明のこの実施の形態において、前記組成物の次亜塩素酸塩含有率は、前記工程(a)及び(b)における次亜塩素酸塩源に起因する。
【0016】
さらにもう1つ別の実施の形態において、我々は、抗菌作用増強溶液を作製する方法であって、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約0.5:1.0であるように、スルファマートの緩衝源を次亜塩素酸塩源と混合する工程を包含し、ここで、次亜塩素酸塩源は5,5−ジアルキルヒダントインのような塩素化ジアルキルヒダントイン、塩素化アリールスルホンアミド、塩素化スクシンイミド、及び塩素化グリコールウリルから成る群から選択される少なくとも1種の塩素化ドープ剤から成る方法を提供する。
【0017】
さらに別の実施の形態において、我々の発明は、微生物集団を減少させる方法であって、(a)スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約0.5:1.0であり、ドープ剤対次亜塩素酸塩の最小モル比が約1:50である、安定化次亜塩素酸塩水溶液を表面に塗布する工程;および(b)前記表面上の微生物集団の少なくとも主要な分画を殺滅するのに十分な時間にわたり前記組成物を前記表面と接触させておく工程を包含し、ここで、組成物はpHが約2〜約10であり、存在する全有効塩素の濃度は約10〜約100,000ppmである、方法を提供する。
【0018】
さらに別の実施の形態において、我々の発明は、例えばプロセスストリーム又は冷却塔における微生物集団を制御する方法であって、前記プロセスストリーム又は冷却塔に、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約0.5:1.0であり、ドープ剤対次亜塩素酸塩の最小モル比が約1:50である安定化次亜塩素酸塩水溶液を添加する工程を包含し、ここで、組成物はpHが約2〜約10であり、存在する全有効塩素の濃度は約10〜約100,000ppmである、方法を提供する。
【0019】
上記実施の形態それぞれにおいて、好ましくは、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比は、約0.5:1〜約5:1である。より好ましくは、上記実施の形態それぞれにおいて、スルファマート対全次亜塩素酸塩のモル比は、約0.7:1〜約3:1である。最も好ましくは、上記実施の形態それぞれにおいて、スルファマート対全次亜塩素酸塩のモル比は、約1:1〜約2:1である。
【0020】
また、上記実施の形態それぞれにおいて、好ましくは、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比は、少なくとも約1:25である。最も好ましくは、上記実施の形態それぞれにおいて、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比は、少なくとも約1:10である。
【0021】
発明の詳細な説明
N−クロロスルファマート溶液、即ち、HClNSO3 -(モノ−N−クロロスルファマート)及びCl2NSO3(ジ−N−クロロスルファマート)の緩衝化水性混合物(本明細書では、「安定化次亜塩素酸塩」と呼ぶ)の抗菌効果は、特定の有機ドープ剤(別名、ドーピング剤もしくは強化剤)を添加することによって著しく増強し得る。用語「安定化次亜塩素酸塩」中の「次亜塩素酸塩」は、一般には、+1の酸化状態にある任意の形態の塩素(単正電荷塩素(unipositive chlorine))を指す。ドープ剤自身は、選択的な次亜塩素酸塩安定剤であり、「遊離」次亜塩素酸塩(HOClもしくはNaOCl)と反応するとき、安定なオルガノクロルアミド類を容易に形成することが知られている。効果の非常に高い抗菌作用増強ドープ剤として、ジアルキルヒダントイン類(好ましくは、5,5−ジアルキルヒダントイン類)、アリールスルホンアミド類、およびスクシンイミド類が挙げられる。5,5−ジアルキルヒダントイン類としては、5,5−ジメチルヒダントイン、5−エチル−5−メチルヒダントイン、および5,5−ジエチル−ヒダントインが挙げられる。アリールスルホンアミド類の例としては、ベンゼンスルホンアミド、トルエンスルホンアミド、4−カルボキシベンゼンスルホンアミド、及びこれらの化合物の任意の一つの置換誘導体が挙げられる。前掲の親化合物の種々の他の置換誘導体(例えば、4−エチル−ベンゼンスルホンアミド)も、同様に有効な増強剤である。これらよりも効果の面で劣るドープ剤として、グリコールウリルも含まれる。発明者は、今日までのところ、メラミン又はシアヌル酸の性能増強剤を見い出していない。当業者は、更なる安定剤/ドープ剤が安定化次亜塩素酸塩(N−クロロスルファマート)組成物の抗菌効果を著しく高めることを予期していなかったため、本発明は予想外である。
【0022】
ドープ剤は、抗菌作用増強溶液中に存在する次亜塩素酸塩のモル量よりも小さいモル分率で存在させることが好ましいが、必ずしも必要ではない。抗菌効果を高めた安定化次亜塩素酸塩組成物は、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも0.5:1.0(例えば、1モルのスルファマート対1モルの全次亜塩素酸塩)、および有機増強剤(ドープ剤)対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約1:50(例えば、1モルの5,5−ジメチルヒダントイン対30モルの次亜塩素酸塩)を有するものとして化学的に説明し得る。好ましくは、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比は、約0.5:1〜約5:1であり、より好ましくは、このモル比は約0.7:1〜3:1であり、最も好ましくは、このモル比は約1:1〜2:1である。また、好ましくは、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比は、少なくとも約1:25(例えば、1モルのベンゼンスルホンアミド対25モルの全次亜塩素酸塩)である。最も好ましくは、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比は、少なくとも約1:10(例えば、1モルのジメチルヒダントイン対10モルの全次亜塩素酸塩)である。
【0023】
抗菌効果を高めたこれらの安定化次亜塩素酸塩溶液中に存在する全有効塩素の濃度は、好ましくは約10〜100,000ppm、より好ましくは約100〜50,000ppmの範囲である。用語「全有効塩素(total available chlorine;TAC)」濃度及び「遊離有効塩素(free available chlorine;FAC)」濃度は、慣用されている用語である溶液1kg当たりmgでのCl2(ppm Cl2)で表される。
【0024】
本発明の安定化次亜塩素酸塩組成物は、単正電荷塩素イオン源から調製される。このイオンの好適な源は、無機次亜塩素酸塩である。単正電荷塩素イオンの他の好適な源としては、例えば、次亜塩素酸及び塩素ガス水溶液、及びN−クロロ化合物が挙げられる。本発明に用いられる無機次亜塩素酸塩として、例えば、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸リチウム、および次亜塩素酸カルシウムが挙げられる。N−クロロ化合物としては、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−クロロスクシンイミド、およびN−クロロ−N−ソジオベンゼン−スルホンアミドエステルが挙げられる。一般に、次亜塩素酸塩源は、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは、組成物の約0.01重量%〜約5重量%の量で使用される。
【0025】
例えば、塩素化ジアルキルヒダントイン、塩素化アリールスルホンアミド、塩素化スクシンイミド、及び塩素化グリコールウリル等の塩素化ドープ剤も、次亜塩素酸塩の源として多分、使用し得ることも留意されたい。
【0026】
抗菌効果を高めた安定化次亜塩素酸塩溶液のpHは、約2〜約10の範囲、好ましくは約2〜約7の範囲、最も好ましくは約3〜約6の範囲であるべきである。
【0027】
本発明者は、本発明が、緩衝化された水溶液の形態において最適に実施され得ることを見出した。これらの溶液は、適切な不活性な緩衝剤により緩衝化されるべきである。好ましい不活性な緩衝系は、弱酸(pkaが約2〜約7)及びその共役塩基を含み、pHを約2〜約6.5の範囲内で安定化し得る酸性系である。適切な緩衝剤として、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、酢酸、プロパン酸、ポリアクリル酸、リン酸、ホウ酸、マレイン酸とビニルエーテルのコポリマー、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー、およびアクリル酸とビニルエーテルのコポリマーから誘導されるものが挙げられる。酸から「誘導される」緩衝剤とは、緩衝剤がその酸とその共役塩基とを化合させて均質な系を形成することにより調製されることを意味する。好ましい緩衝系としては、クエン酸及びポリアクリル酸に基づくものが挙げられる。緩衝系は、組成物の約0.1〜約20重量%、好ましくは、組成物の約0.5〜約10重量%の範囲の量で存在する。乳酸やリンゴ酸から誘導されるもののような、活性な塩素源により非常に酸化を受けやすくする、第二ヒドロキシル基を有する本質的に酸化に対して不安定である緩衝剤は、使用すべきでない。
【0028】
水は低コストで環境面、安全面で優れていることから、本発明の組成物は、溶媒として水を含有する。ただし、所望により、他の溶媒を混合することもできる。そのような例示的な溶媒としては、第三級アルコール(例えば、tert-ブチルアルコール、tert-アミルアルコール)、種々のグリム類及びポリグリム類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールのジアルキルエーテル)が挙げられ、これらは油汚れに対する洗浄能力を増強することができる。
【0029】
本発明の溶液は、界面活性剤、キレート剤、芳香剤、臭化物イオン含有塩、次亜臭素酸塩源、増粘剤等の他の成分を含有していてもよい。前掲の緩衝剤の多くは、キレート剤(例えば、クエン酸塩またはアクリル酸塩)としても使用できる。
【0030】
本発明の組成物の洗浄特性及び/又は発泡特性を高める目的で、一種又は複数種の界面活性剤を含有させることができる。このような界面活性剤として、アニオンスルホン化もしくは硫酸化界面活性剤(例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルコールエーテルスルホン酸塩)等が挙げられるが、これらに限定されない。好適な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、第二級アルキルスルホン酸塩、ラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム、アルコールエトキシカルボン酸塩、アルキルジフェニルオキシドジスルホン酸塩が挙げられる。存在しても良いが、好ましさはより低い他の界面活性剤は、エトキシ化ノニオン界面活性剤、アミンオキシド類、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、アルキルベタイン類、アルキルスルホベタイン類、テトラアルキル第四級アンモニウム界面活性剤を存在させることも可能である。本発明の組成物における界面活性剤の使用量は、界面活性剤の洗浄特性ならびに酸性漂白組成物が配合される特定の用途によって決定される。一般に、界面活性剤は、組成物の約0.05%〜約10重量%、好ましくは、組成物の約0.1%〜約5重量%の量で存在する。
【0031】
漂白作用及び微生物制御作用を更に高めるため、必要に応じて単正電荷の臭化物イオン源を本発明の組成物に添加する。臭素元素、またはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムもしくは亜鉛の臭化物又は臭素酸塩を、単正電荷の塩素イオン源と組み合わせることで、単正電荷臭化物イオン源として機能し得る。NaOBr等の無機次亜臭素酸塩を直接添加することもできる。臭素化ヒダントイン類、スクシンイミド類、アレーンスルホンアミド類、イソシアヌル酸、グリコールウリル類等の安定化次亜臭素酸塩化合物を、次亜臭素酸塩源として使用することもできる。安定化次亜臭素酸塩化合物の例として、N−ブロモ−スクシンイミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、及びN−ブロモ−N−ソディオベンゼン−スルホンアミダートが挙げられる。単正電荷臭素イオン源は、約0.01%〜約5%、好適には約0.05%〜約2%の範囲の量で存在させることができる。
【0032】
組成物の粘度を高めるために、本発明の組成物に増粘剤を含有させてもよい。組成物の粘度を増大させることで、鉛直面での使用に最適となる。一般に、増粘化組成物の粘度は、室温で約10〜約3500センチポアズ、より好ましくは約100〜約2500センチポアズ、最も好ましくは約100〜1000センチポアズである。増粘剤の例として、アルキルエーテル硫酸塩のような界面活性剤、アクリレート樹脂(例えば、Carbopol(登録商標)672もしくは676(B.F. Goodrich Specialty Chemicals, Cleveland, Ohio)等の耐酸化性ポリマー類、又はクレー類(例えば、Laponite(登録商標)(Southern Clay Products, Inc., Gonzales, Texas))が挙げられる。
【0033】
本発明の抗菌溶液の調製にあたり、発明者は、スルファマート源としてスルファミン酸を好むが、次亜塩素酸塩源として好ましいのは次亜塩素酸ナトリウムである。しかしながら、塩素化ドープ剤(例えば、塩素化5,5−ジアルキルヒダントイン、塩素化アリールスルホンアミド、塩素化スクシンイミド又は塩素化グリコールウリル)を用いて抗菌作用増強溶液を調製するならば、塩素化ドープ剤は部分的又は完全な次亜塩素酸塩源として機能し得ることに留意すべきである。
【0034】
先に説明したように、界面活性剤、キレート剤、芳香剤、臭化物イオン含有塩、次亜塩素酸塩源及び増粘剤を、抗菌作用増強溶液に添加することができる。
【0035】
本発明の抗菌作用増強溶液は、多くの方法で調製することができる。例えば、抗菌作用増強溶液は、(a)次亜塩素酸塩源をスルファマートの緩衝源に添加することにより安定化次亜塩素酸塩溶液を調製する工程;及び(b)ジアルキルヒダントイン(例えば、5,5−ジアルキルヒダントイン)、アリールスルホンアミド、スクシンイミド、グリコールウリルからなる群から選択される少なくとも1種のドープ剤を、ドープ剤対次亜塩素酸塩の最小モル比が約1:50であり、スルファマート対次亜塩素酸塩の比が少なくとも約0.5:1.0になるように、工程(a)で調製した安定化次亜塩素酸塩溶液に添加する工程、を包含する方法によって調製することができる。
【0036】
或いは、抗菌作用増強溶液は、(a)次亜塩素酸塩源をスルファマートの緩衝源に添加することにより安定化次亜塩素酸塩溶液を調製する工程;及び(b)塩素化ジアルキルヒダントイン類(例えば、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチル−ヒダントイン及び1,3−ジクロロ−5,5−ジエチルヒダントインなどの塩素化5,5−ジアルキルヒダントイン類)、塩素化アリールスルホンアミド類(例えば、N−クロロアリールスルホンアミド、N,N−ジクロロアリールスルホンアミド又は塩素化アリールスルホンアミドの塩)、塩素化スクシンイミド(例えば、N−クロロスクシンイミド)及び塩素化グリコールウリルからなる群から選択される少なくとも1種の塩素化ドープ剤を、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約1:50であり、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約0.5:1.0となるように、工程(a)で調製した安定化次亜塩素酸塩溶液に添加する工程、を包含する方法によって調製することができる。既述の通り、抗菌作用増強溶液を調整するこの方法では、組成物中の次亜塩素酸塩含量は、上述の工程(a)及び(b)の次亜塩素酸塩源に由来する。
【0037】
これらの方法のいずれにおいても、好ましくは、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比は、約0.5:1〜約5:1であり、より好ましくは、このモル比は約0.7:1〜約3:1で、最も好ましくは、このモル比は約1:1〜約2:1である。さらに、いずれの方法においても、好ましくは、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比は、少なくとも約1:25、最も好ましくは、このモル比は少なくとも約1:10である。
【0038】
抗菌作用増強溶液は、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約0.5:1.0となるように、緩衝化スルファマート源と次亜塩素酸塩を混合することを包含する方法によっても調製することができ、この方法において、次亜塩素酸塩源は、塩素化ジアルキルヒダントイン類(例えば、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチル−ヒダントイン及び1,3−ジクロロ−5,5−ジエチルヒダントインなどの塩素化5,5−ジアルキルヒダントイン類)、塩素化アリールスルホンアミド類(例えば、N−クロロアリールスルホンアミド、N,N−ジクロロアリールスルホンアミド、又は塩素化アリールスルホンアミドの塩)、塩素化スクシンイミド類(例えば、N−クロロスクシンイミド)及び塩素化グリコールウリルからなる群から選択される少なくとも1種の塩素化ドープ剤からなる。この方法において、次亜塩素酸塩対ドープ剤のモル比は、塩素化ドープ剤(単数又は複数)の選択により指示される。好ましくは、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比は、約0.5:1〜約5:1であり、より好ましくは、このモル比は約0.7:1〜約3:1であり、最も好ましくは、このモル比は約1:1〜約2:1である。
【0039】
上述の3つの抗菌作用増強溶液の調製方法はいずれも、使用前に、抗菌作用増強溶液を水で希釈する工程をさらに包含することができる。
【0040】
上述の3つの方法のうちいずれかを使用して、最終的に調製された抗菌作用増強溶液は、約2〜約10、好ましくは約2〜約7、最も好ましくは約3〜約6の緩衝pHを有する。さらに、抗菌作用増強溶液中に存在する全有効塩素の濃度は、好ましくは約10〜約100,000ppm、より好ましくは約100〜約50,000ppmであるべきである。
【0041】
安定化次亜塩素酸塩溶液を生成し得る反応のタイプの一例として、次亜塩素酸ナトリウムとスルファミン酸(即ち、スルファマートイオン源)を種々の工程で反応させて、N−モノ及びそのN,N−ジクロロスルファマート塩を形成し得る。スルファミン酸と次亜塩素酸塩の緩衝水溶液中における化学反応は、以下の化学式によって表すことができる。
(1) NaOCl+H2NSO3H HClNSO3Na+H2O
(2) NaOCl+HClNSO3Na+H+ Cl2NSO3 -Na+H2O+Na+
(3) 2NaOCl+H2NSO3H+H+ Cl2NSO3 -Na+2H2O+Na+
【0042】
本発明の安定化次亜塩素酸塩溶液は、例えば、上述の反応から生成することができるモノ−N−クロロスルファマート(HClNSO3 -)とジ−N−クロロスルファマート(Cl2NSO3 -)との緩衝化水性混合物を含む。
【0043】
次亜塩素酸塩源はまた、任意に、塩素化5,5−ジアルキルヒダントイン、塩素化アリールスルホンアミド、塩素化スクシンイミド及び塩素化グリコールウリルなどの塩素化ドープ剤でもあり得る。塩素化ドープ剤の例として、N−クロロスクシンイミド(ClNC442)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、およびクロロアミン−T(N−クロロ−N−ソディオトルエンスルホンアミダート)が挙げられる。
【0044】
これらの組成物では、平衡状態で、溶液が主としてモノ−N−クロロスルファマート、ジ−N−クロロスルファマート、非塩素化ドープ剤(例えば、スクシンイミド、HNC442)、および少量の塩素化ドープ剤(例えば、N−クロロスクシンイミド、ClNC442)からなるように、単正電荷塩素の交換が起こると考えられる。抗菌作用の増強は、緩衝化N−クロロ−スルファマート溶液中の塩素化ドープ剤の低い平衡濃度に依ると考えられる。
【0045】
他の実施の形態では、微生物集団を減少させる方法を提供し、この方法は、(a)スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約0.5:1.0であり、ドープ剤対次亜塩素酸塩の最小モル比が約1:50である安定化次亜塩素酸塩水溶液を表面に塗布する工程、ここで、組成物は約2〜約10、好ましくは約2〜約7、最も好ましくは約3〜約6のpHを有し、存在する全有効塩素の濃度は約10〜約100,000ppmである;および(b)表面上の微生物集団の少なくとも主要な部分を殺滅するのに十分な時間にわたり組成物と表面との接触を維持する工程、を包含する。好ましくは、組成物は、表面上の微生物集団の少なくとも約90%を殺滅するのに十分な時間にわたり表面との接触を維持され得る。好ましくは、安定化次亜塩素酸水溶液を、硬い又は柔らかい表面に塗布することもできる。
【0046】
本発明の抗菌溶液は、例えば、プロセスストリーム及び/又は冷却塔において、殺菌制御方法として使用することもできる。即ち、本発明の他の実施の形態は、プロセスストリーム又は冷却塔中の微生物集団を制御する方法に関し、この方法は、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも約0.5:1.0であり、ドープ剤対次亜塩素酸塩の最小モル比が約1:50である安定化次亜塩素酸水溶液をプロセスストリームに添加する工程を包含し、ここで、該組成物は約2〜約10、好ましくは約2〜約7、最も好ましくは約3〜約6のpHを有し、存在する全有効塩素の濃度は約10〜約100,000ppmである。
【0047】
上述の実施の形態では、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比は、好ましくは約0.5:1〜約5:1であり、より好ましくは、このモル比は約0.7:1〜約3:1であり、最も好ましくは、このモル比は約1:1〜約2:1である。さらに、好ましくは、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比は少なくとも約1:25であり、最も好ましくは、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比は少なくとも約1:10である。
【0048】
本明細書中に説明した本発明は、抗菌特性が所望される種々の洗浄用途に有用である。これは、「すぐに使える(ready-to-use)」洗浄剤用途、並びに使用前に更に水で希釈することを意図した組成物を含む。
【0049】
実施例
抗菌作用増強の例を以下に示し、本発明の変性(ドープ)された安定化次亜塩素酸塩組成物の向上した性能を実証する。
【0050】
実施例1
材料及び方法:
抗菌効果を評価するために用いられた試験方法は、以下に説明する消毒剤試験であった。この消毒剤試験は、その内容が本願に参考として援用されている米国環境保護局(EPA)の非食品接触消毒剤試験、DIS/TSS−10(1982年1月7日)に相当する。
【0051】
消毒剤試験:18×36mmの複数枚のガラススライドを食器洗浄機で洗浄し、2枚のワットマン(Whatman)no.2濾過紙上のガラスペトリ皿に置いてオートクレーブにかけた。これらのスライドに、10μlの滅菌した細菌ループを植え付けた。接種材料を、スライドの縁を越えないように気をつけながらスライドの上面に広げた。接種材料は、1ml当り約109個の菌の濃度を有する24時間培養物であった。接種後、スライドを35℃で30±5分間インキュベートし、スライドを乾燥させた。次いで、試験製品を試験表面上に大量にスプレーし(スライド1枚当りスプレー6回であり、約6mlの製品)、所望の接触時間静置した。特定の接触時間試験製品にさらした後、炎に当てたピンセットを用いてスライドをぺトリ皿から取り除き、試験製品を中和するために所望の中和剤15.0mlを含む試験管に入れた。Letheen Broth(Tween80&Lecithin)及びDey/Engley双方の2×中和用ブロスを個別に用いた。各試験管を15秒間ボルテックスすることにより、試験細菌を回収した。希釈剤を用いて連続希釈物を作製した。Triptic Soy Agarを用いる注入プレート技術を用い、プレートカウントを得た。コントロールとして機能させるため、ドープされた試験溶液の濃度に等しい濃度のドープ剤のクエン酸緩衝化(pH5)溶液またはTriton X−100(9〜10モルのオキシエチレンを有するイソオクチルフェノキシ−ポリエトキシエタノール)の0.01%溶液を用いて、平行試験を同一の態様で行った。滅菌した脱イオン水を試験製品として用いて、類似したブランクのコントロールも評価した。
【0052】
ガラススライドの試験表面を用い、5分の接触時間を使用した。抗菌作用の評価に用いた接種材料/試験菌は、黄色ブドウ球菌(ATCC25923)であった。
【0053】
下記の試験製品を用いた。
【0054】
ベースの安定化次亜塩素酸塩組成物#1:985ppmの全有効塩素(TAC)、溶液の調製に用いるモル比1.0対1.0のスルファマート対NaOCl、pH5のクエン酸緩衝液(0.25%)、155ppmと測定された遊離有効塩素(FAC)。
【0055】
ベースの安定化次亜塩素酸塩組成物#2:2010ppmの全有効塩素(TAC)、溶液の調製に用いるモル比1.0対1.0のスルファマート対NaOCl、pH5のクエン酸緩衝液(0.5%)、300ppmと測定された遊離有効塩素(FAC)。
【0056】
ドープ剤(ドープ処理溶液):下記の化合物を、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比が0.20対1.0であるベースの安定化次亜塩素酸塩組成物1に添加した;5,5−ジメチルヒダントイン、ベンゼンスルホンアミド、4−カルボキシベンゼンスルホンアミド、トルエンスルホンアミド、及びスクシンイミド。
【0057】
コントロール溶液:pH5のクエン酸緩衝液(0.25%)、ドープ剤として上記で使用された化合物も、ドープ処理溶液の濃度に等しい濃度で含む。
【0058】
結果:
「対数的減少」として表される結果を、類似したブランクのコントロールと比較して報告する。従って、類似したブランクのコントロールから回収した菌の数に対し、「対数的減少3」は菌の99.9%が殺されたことを意味し、「対数的減少5」は菌の99.999%が殺されたことを意味する。
【0059】
【表1】
Figure 0003881890
【0060】
結論:
従って、ジメチルヒダントイン、ベンゼンスルホンアミド、トルエンスルホンアミド、4−カルボキシベンゼンスルホンアミド、又はスクシンイミドを、ドープ剤としてベースの安定化次亜塩素酸塩組成物1に添加すると、ベース組成物の抗菌作用を大幅に増強することが見い出され得る。とりわけ、ドープされた安定化次亜塩素酸塩組成物は、ドープ処理溶液のFAC及びTACの2倍の濃度を有するベースの安定化次亜塩素酸塩組成物2よりも、はるかに大きな抗菌作用を示している。更に、ドープ剤及びpH5のクエン酸緩衝液それ自身は組成物の抗菌効果に貢献しないことを、コントロール溶液は示している。
【0061】
実施例2
材料及び方法:
実施例1と同一の方法を、実施例2で用いた。用いた試験製品について、以下で説明する。
【0062】
ベースの安定化次亜塩素酸塩組成物#3:985ppmの全有効塩素(TAC)、溶液の調製に用いるモル比1.0対1.0のスルファマート対NaOCl、pH5のクエン酸緩衝液(0.25%)、150ppmと測定された遊離有効塩素(FAC)。
【0063】
ベースの安定化次亜塩素酸塩組成物#2:1985ppmの全有効塩素(TAC)、溶液の調製に用いるモル比1.0対1.0のスルファマート対NaOCl、pH5のクエン酸緩衝液(0.5%)、310ppmと測定された遊離有効塩素(FAC)。
【0064】
ドープ剤(ドープ処理溶液):下記の化合物を、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比が0.20対1.0であるベースの安定化次亜塩素酸塩組成物1に添加した;メラミン、シアヌル酸、トルエンスルホンアミド、及びグリコールウリル。
【0065】
コントロール溶液:pH5のクエン酸緩衝液(0.25%)、ドープ剤として上記で使用された化合物も、ドープ処理溶液の濃度に等しい濃度で含む。
【0066】
【表2】
Figure 0003881890
【0067】
結論:
従って、前述の結果は、実施例1の結果に見られるように、ドープ剤としてのトルエンスルホンアミドの抗菌増強能力を確認する。グリコールウリルドープ剤は、適度の抗菌効果を有するように見えるが、シアヌル酸及びメラミンは、抗菌作用増強効果を有するようには見えない。
【0068】
実施例3
更なる抗菌データ
材料及び方法:
抗菌効果の評価に用いる試験方法は、この場合も先と同様に、米国EPA非食品接触消毒剤試験、DIS/TSS−10(1982年1月7日)に相当する実施例1の消毒剤試験であった。しかしながら、ガラススライド試験表面を使用し、1分の接触時間を用いた。用いた試験菌は、黄色ブドウ球菌であった。用いた試験製品について、以下で説明する。
【0069】
ベースの安定化次亜塩素酸塩組成物#1:500ppmの全有効塩素、モル比1.0対1.0のスルファマート対NaOCl、pH5のクエン酸緩衝液(0.13%)。組成物は、ドープ処理溶液1〜3の調製にも用いた。
【0070】
ベースの安定化次亜塩素酸塩組成物#2:200ppmの全有効塩素、モル比1.0対1.0のスルファマート対NaOCl、pH5のクエン酸緩衝液(0.07%)。組成物は、ドープ処理溶液4〜6の調製にも用いた。
【0071】
ドープ剤(ドープ処理溶液):下記の化合物を、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比が0.20対1.0であるベースの安定化次亜塩素酸塩組成物に添加した;5,5−ジメチルヒダントイン、ベンゼンスルホンアミド、及びスクシンイミド。
【0072】
結果:
結果を、類似したブランクのコントロールに対する、配合物の細菌減少(対数的減少)として報告する。
【0073】
【表3】
Figure 0003881890
【0074】
結論:
これらの試験結果は、より低い全有効塩素レベルであっても、5,5−ジメチルヒダントイン、ベンゼンスルホンアミド、及びスクシンイミドの各々を含む安定化次亜塩素酸塩溶液が抗菌有効性を有することを確認する。しかしながら、全有効塩素が低レベル(即ち、200ppm)であっても、ベンゼンスルホンアミドを含むこのような溶液が最も有効であり、その次はスクシンイミドを含む安定化次亜塩素酸塩溶液である。より低い全有効塩素レベル(即ち、500及び200ppm)では、ジメチルヒダントインを含む安定化次亜塩素酸塩溶液が、最低レベルの抗菌増強効果を示した。
【0075】
実施例4
更なる抗菌データ
材料及び方法:
抗菌効果の評価に用いる試験方法は、この場合も先と同様に、米国EPA非食品接触消毒剤試験、DIS/TSS−10(1982年1月7日)に相当する実施例1の消毒剤試験であった。しかしながら、ガラススライド試験表面を使用し、1分の接触時間を用い、用いた接種材料/試験菌は、肺炎桿菌(ATCC4352)であった。用いた試験製品について、以下で説明する。
【0076】
ベースの安定化次亜塩素酸塩組成物#1:100ppmの全有効塩素、モル比1.0対1.0のスルファマート対NaOCl、pH5のクエン酸緩衝液(0.03%)。組成物は、ドープ処理溶液1〜3の調製にも用いた。
【0077】
ドープ処理溶液:下記の化合物を、ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比が0.20対1.0であるベースの安定化次亜塩素酸塩組成物に添加した;5,5−ジメチルヒダントイン、ベンゼンスルホンアミド、及びスクシンイミド。
【0078】
コントロール溶液:pH5のクエン酸緩衝液(0.03%)、ドープ剤として上記で使用された化合物も、ドープ処理溶液の濃度に等しい濃度で含む。
【0079】
結果:
結果を、類似したブランクのコントロールに対する、配合物の細菌減少(対数的減少)として報告する。
【0080】
【表4】
Figure 0003881890
【0081】
結論:
これらの試験結果は、5,5−ジメチルヒダントイン、ベンゼンスルホンアミド、及びスクシンイミドの各々を含む安定化次亜塩素酸塩溶液が、低い全有効塩素(TAC)レベル(例えば、100ppmのTAC)で、肺炎桿菌に対する抗菌有効性を有することを確認する。
【0082】
実施例5
安定性研究
材料及び方法:
3.0%の安定化次亜塩素酸塩ストック溶液(スルファマート対NaOClがモル比0.75対1.0、pH4.9のクエン酸緩衝液)の調製:無水クエン酸(210.0g)、スルファミン酸(88.0g)、及び水酸化ナトリウム(93.0g)を、脱イオン水(1897.54g)に溶解させた。この反応混合物を、室温に冷却した(約1時間)。次亜塩素酸ナトリウム水溶液(12.65%溶液を711.46g、1.21モル)を攪拌しながら、ゆっくり添加した。得られたpH=4.9の溶液は、ヨウ素還元滴定によって、3.0%の安定化されたNaOClを含むことが見い出された。
【0083】
3.0%の安定化NaOClストック溶液を更に希釈することによって、安定化された次亜塩素酸塩を含有する試験配合物の全てを調製した。各ドープ剤を、適用可能な場合には、既知の量の希釈ストック溶液に適量で添加した。スルファマート対NaOClを様々なモル比(1.0対1.0及び1.5対1.0)で含む溶液を、必要に応じて希釈したストック溶液1.0リットルに固体のスルファミン酸ナトリウムを添加することにより調製した。「ドープされた」配合物全てに関して、NaOCl対ドープ剤の比は1.0:0.20であった。
【0084】
長期安定性サンプルを、40ECのインキュベータ内で保管した。室温(23EC)に冷却した後、NaOCl濃度をヨウ素還元滴定によって測定した。実験により測定されたNaOCl濃度を、モル濃度(M)単位で表す。各配合物の記録されたpHを、カッコ内に示す。
【0085】
【表5】
Figure 0003881890
【0086】
【表6】
Figure 0003881890
【0087】
【表7】
Figure 0003881890
【0088】
結論:
上記の結果は、5,5−ジメチルヒダントイン又はベンゼンスルホンアミドなどのドープ剤を添加すると、スルファマートで安定化させた次亜塩素酸塩溶液の長期安定度を変化させないことを示す。
【0089】
産業的用途
本発明は、抗菌特性を増強させた安定化次亜塩素酸塩溶液を提供する。本明細書中で説明した本発明は、抗菌特性が望まれる様々な洗浄用途に有用である。これは、「すぐに使用できる」洗浄剤用途、並びに洗濯用消毒剤のような使用前に更に水による希釈が意図される組成物を含む。本発明を、例えばプロセスストリームや冷却塔における、微生物の制御にも使用し得ることが意図される。また、この溶液が、抗菌効果が要求される他のプロセスに使用できることも認識される。
【0090】
本発明を、現在、好適な実施の形態と考えられるものに関連させて説明してきたが、本発明は開示されたこれらの実施の形態に限定されないことが理解されるべきである。反対に、本発明は、請求の範囲の趣意及び範囲内に含まれる種々の変更及び同等の構造を含むことが意図される。以下の請求の範囲は、そのような変更物ならびに同等の配合物及び機能を全て包含するように、最も広義の解釈がなされる。

Claims (6)

  1. モノ−N−クロロスルファマート(HClNSO3 -)とジ−N−クロロスルファマート(Cl2NSO3 -)との緩衝化水性混合物から本質的に成る安定化次亜塩素酸塩溶液;および
    ジアルキルヒダントイン、アリールスルホンアミド、スクシンイミド、及びグリコールウリルから成る群から選択される少なくとも1種のドープ剤、
    を含む、抗菌溶液。
  2. 増強された微生物効果を有しており、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも0.5:1.0であると共に、ジアルキルヒダントイン、アリールスルホンアミド、スクシンイミド、及びグリコールウリルから成る群から選択される少なくとも1種のドープ剤対次亜塩素酸塩の最小モル比が1:50である、安定化次亜塩素酸塩組成物。
  3. 抗菌作用増強溶液を作製する方法であって、
    (a)次亜塩素酸塩源をスルファマートの緩衝源に添加することによって、安定化次亜塩素酸塩溶液を生成する工程;および
    (b)ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも1:50であると共に、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも0.5:1.0であるように、5,5−ジアルキルヒダントイン、アリールスルホンアミド、スクシンイミド、及びグリコールウリルから成る群から選択される少なくとも1種のドープ剤を、前記工程(a)で生成された安定化次亜塩素酸塩溶液に添加して、抗菌作用増強溶液を生成する工程、
    を包含する、方法。
  4. 抗菌作用増強溶液を作製する方法であって、
    (a)次亜塩素酸塩源をスルファマートの緩衝源に添加することによって、安定化次亜塩素酸塩溶液を生成する工程;および
    (b)ドープ剤対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも1:50であると共に、スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも0.5:1.0であるように、塩素化5,5−ジアルキルヒダントイン、塩素化アリールスルホンアミド、塩素化スクシンイミド、及び塩素化グリコールウリルから成る群から選択される少なくとも1種の塩素化ドープ剤を、前記工程(a)で生成された安定化次亜塩素酸塩溶液に添加して、抗菌作用増強溶液を生成する工程、
    を包含する、方法。
  5. 抗菌作用増強溶液を作製する方法であって、
    スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも0.5:1.0であるようにスルファマートの緩衝源を次亜塩素酸塩源と混合する工程を包含し、ここで、次亜塩素酸塩源が塩素化ジアルキルヒダントイン、塩素化アリールスルホンアミド、塩素化スクシンイミド、及び塩素化グリコールウリルから成る群から選択される少なくとも1種の塩素化ドープ剤化合物から成る、
    方法。
  6. 微生物集団を減少させる方法であって、
    (a)スルファマート対次亜塩素酸塩のモル比が少なくとも0.5:1.0であると共に、ジアルキルヒダントイン、アリールスルホンアミド、スクシンイミド、及びグリコールウリルから成る群から選択される少なくとも1種のドープ剤対次亜塩素酸塩の最小モル比が1:50である安定化次亜塩素酸塩水溶液を表面に塗布する工程、ここで、組成物はpHが2〜10であり、存在する全有効塩素の濃度は10〜100,000ppmである;および
    (b)前記表面上の微生物集団の少なくとも主要な分画を殺滅するのに十分な時間、前記組成物を前記表面と接触させておく工程、
    を包含する、方法。
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