JP5141163B2 - 殺菌殺藻方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却水系、紙パルププロセス水系、集塵水系、スクラバー水系、噴水系などの各種水系に、酸化剤系殺菌殺藻(殺菌及び/又は殺藻を意味する。)剤とその安定化剤とを添加して殺菌殺藻処理するに際し、上記安定化剤を有効活用し、その使用量を低減することにより、該安定化剤由来の窒素分及びCOD分を低減し得る、水系の殺菌殺藻方法に関するものである。
各種の水系において、菌類や藻類によるさまざまな障害が発生している。例えば、開放循環式冷却水系においては、ズーグレア状細菌、糸状細菌、鉄バクテリア、イオウ細菌、硝化細菌、硫酸塩還元菌などの細菌類、ミズカビ、アオカビなどの真菌類、藍藻、緑藻、珪藻などの藻類が増殖し、これらの微生物を主体として、これに土砂などの無機物や塵埃などが混ざりあって形成される軟泥状の汚濁物の付着や堆積により、スライムやスラッジが発生する。スライムやスラッジは、熱効率の低下や通水の悪化をもたらすばかりでなく、機器、配管などの局部腐食の原因となる。また、冷却塔から飛散したレジオネラ菌に起因する在郷軍人病のように、水系で増殖した菌類が人体に直接被害を及ぼす場合もある。製紙工程水系においても、各種の細菌、真菌、酵母などが増殖してスライムを形成し、製品にホール、斑点、目玉などの欠点を発生させて製品品質を落とすばかりでなく、断紙の原因となって生産性を低下させている。
従来、菌類や藻類によるこのような障害を防止するために、水系に次亜塩素酸塩などの塩素系酸化剤を添加することが行われている。一般に、水中の残留塩素濃度が5mgCl2/L以上であれば、菌類と藻類の増殖を抑制することができると言われている。しかし、次亜塩素酸塩などの塩素系酸化剤は、紫外線により分解が促進されやすく、殺菌殺藻剤をプラスチック容器などに充填して屋外などに保管、放置すると、紫外線により有効成分である塩素系酸化剤が分解する。また、殺菌殺藻剤が水系に添加された後も、開放循環式冷却水系などにおいては、冷却水を完全に光から遮断することは困難である。さらに、水系の配管や熱交換器の材料などに銅や銅合金などが用いられ、銅イオンが溶出すると、次亜塩素酸塩などの塩素系酸化剤の分解が一層促進される。
このような次亜塩素酸塩などの塩素系酸化剤の分解を抑制するために、次亜塩素酸塩、ベンゾトリアゾールやトリルトリアゾール及びスルファミン酸塩を含有し、pHを13以上に調整することで、有効塩素成分を安定化したものを水系に添加する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
次亜塩素酸塩にスルファミン酸塩を添加すると、N−モノクロロスルファミン酸塩若しくはN,N−ジクロロスルファミン酸塩を形成し、有効塩素成分が安定化される。
しかし、対象水系のスライムが多い場合、あるいは紫外線照射が強かったり、高温条件下では、安定化次亜塩素酸塩の分解が激しく、安定化剤のスルファミン酸塩の使用量を多くする必要がある。安定化次亜塩素酸塩が分解した際に、次亜塩素酸塩は消費されるが、スルファミン酸塩は水系内に残留する。その結果、残留したスルファミン酸塩が系外にブローされると、窒素分及びCOD分の規制に影響を及ぼす。
また、これまで、安定化次亜塩素酸塩溶液を調製して水系に添加する場合、次亜塩素酸塩溶液とスルファミン酸塩溶液を、次亜塩素酸塩とスルファミン酸塩とが等モル比になるように、ラインで混合して安定化次亜塩素酸塩溶液を調製することがよく行われている。この場合、両成分を等モル比でライン混合できる特殊な制御装置が必要となる。
特許第3832399号公報
本発明は、このような状況下になされたもので、対象水系に、酸化剤系殺菌殺藻剤とその安定化剤とを添加して、殺菌殺藻処理するに際し、上記安定化剤を有効活用し、その使用量を低減することにより、該安定化剤由来の窒素分及びCOD分を低減し得ると共に、前記のような特殊なライン混合用制御装置を必要としない、殺菌殺藻方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、水系における全残留塩素濃度が所定の範囲内にあるように、酸化剤系殺菌殺藻剤の添加量を制御すると共に、遊離残留塩素濃度が所定範囲内にあるように、安定化剤の添加量を制御することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)酸化剤系殺菌殺藻剤とその安定化剤とを、対象水系に添加して殺菌殺藻する方法であって、当該水系における全残留塩素濃度が所定の範囲内にあるように、前記酸化剤系殺菌殺藻剤の添加量を制御すると共に、遊離残留塩素濃度が所定範囲内にあるように、前記安定化剤の添加量を制御することを特徴とする殺菌殺藻方法、
(2)酸化剤系殺菌殺藻剤が次亜塩素酸塩及び/又は次亜臭素酸塩である上記(1)に記載の殺菌殺藻方法、
(3)塩素濃度測定装置を用いて、次亜塩素酸塩及び/又は次亜臭素酸塩の塩素換算による全残留塩素濃度が0.1〜100mg/Lの範囲にあるように、酸化剤系殺菌殺藻剤の添加量を制御すると共に、次亜塩素酸塩及び/又は次亜臭素酸塩の塩素換算による遊離残留塩素濃度が1mg/L以下にあるように、安定化剤の添加量を制御する上記(1)又は(2)に記載の殺菌殺藻方法、及び
(4)安定化剤が、スルファミン酸及び/又はその塩である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の殺菌殺藻方法、
を提供するものである。
本発明の殺菌殺藻方法によれば、冷却水系、紙パルププロセス水系、集塵水系、スクラバー水系、噴水系などの各種水系に、酸化剤系殺菌殺藻剤とその安定化剤とを添加して殺菌殺藻処理するに際し、上記安定化剤を有効活用し、その使用量を低減することにより、該安定化剤由来の窒素分及びCOD分を低減し得ると共に、従来においてライン混合の際に用いられている特殊な制御装置を必要としない。
本発明の殺菌殺藻方法は、酸化剤系殺菌殺藻剤とその安定化剤とを、対象水系に添加して殺菌殺藻する方法であって、当該水系における全残留塩素濃度が所定の範囲内にあるように、前記酸化剤系殺菌殺藻剤の添加量を制御すると共に、遊離残留塩素濃度が所定範囲内にあるように、前記安定化剤の添加量を制御することを特徴とする。
なお、本発明の殺菌殺藻方法の残留塩素濃度の測定方法としては、DPD吸光光度法、DPD比色法、電流滴定法、ポーラログラフ法等を採用することができる。
[酸化剤系殺菌殺藻剤]
本発明の方法において使用される酸化剤系殺菌殺藻剤としては、従来、酸化剤系殺菌殺藻剤として知られている化合物を用いることができるが、本発明では、特に次亜塩素酸塩を用いることが好ましい。なお、次亜塩素酸塩にかえて次亜臭素酸塩単独か、又は次亜塩素酸塩と次亜臭素酸塩とを併用して添加してもよい。
上記次亜塩素酸や次亜臭素酸の塩の形態としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩などを挙げることができるが、水溶性及び経済性などの観点から、ナトリウム塩が好適である。
本発明においては、これらの次亜塩素酸塩や次亜臭素酸塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの次亜塩素酸塩や次亜臭素酸塩は、紫外線により分解が促進されやすく、この分解を抑制して、有効塩素成分を安定化させるために、本発明においては、上記酸化剤系殺菌殺藻剤と共に、その安定化剤を対象水系に添加する。
[安定化剤]
本発明の方法においては、前述の酸化剤系殺菌殺藻剤の安定化剤としては、従来酸化剤系殺菌殺藻剤の安定化剤として知られている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。より具体的な安定化剤としては、スルファミン酸及び/又はその塩、アゾール系化合物、尿素、チオ尿素、クレアチニン、シアヌル酸、アルキルヒダントイン、モノ又はジエタノールアミン、有機スルホンアミド、ビュウレット、有機スルファミン酸及びメラミン等を挙げることができる。これらのなかで、次亜塩素酸塩や次亜臭素酸塩の安定化剤として有効なスルファミン酸及び/又はその塩を用いることが好ましい。スルファミン酸塩に特に制限はなく、例えば、スルファミン酸ナトリウム、スルファミン酸カリウム、スルファミン酸カルシウム、スルファミン酸ストロンチウム、スルファミン酸バリウム、スルファミン酸鉄、スルファミン酸亜鉛などを挙げることができるが、これらの中で水溶性及び経済性の観点から、スルファミン酸ナトリウムが好適である。
本発明においては、これらのスルファミン酸やその塩は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
次亜塩素酸イオンとスルファミン酸は、次式のように反応して、N−モノクロロスルファミン酸イオン又はN,N−ジクロロスルファミン酸イオンを形成して塩素系酸化剤の有効成分を安定化する。
HClO+H2NSO3 -→HClNSO3 -+H2
2HClO+H2NSO3 -→Cl2NSO3 -+2H2
モノ又はジクロロスルファミン酸イオンは、遊離の塩素イオンに比べて殺菌効果は弱い。
一方、次亜臭素酸イオンと、安定化剤のスルファミン酸は次式のように反応して、N−モノブロモスルファミン酸イオン又はN,N−ジブロモスルファミン酸イオンを形成して臭素系酸化剤の有効成分を安定化する。
HBrO+H2NSO3 -→HBrNSO3 -+H2
2HBrO-+H2NSO3 -→Br2NSO3 -+2H2
モノ又はジブロモスルファミン酸イオンは、遊離の臭素イオンとほぼ同様の殺菌効果を有する。
[酸化剤系殺菌殺藻剤及び安定化剤の添加量制御]
本発明においては、対象水系における全残留塩素濃度が所定の範囲内にあるように、前述の酸化剤系殺菌殺藻剤の添加量を制御すると共に、遊離残留塩素濃度が所定範囲内にあるように、前述の安定化剤の添加量を制御する。なお、次亜塩素酸塩にかえて、又は加えて次亜臭素酸塩を採用する場合でも、次亜臭素酸塩の濃度は、塩素換算値として表す。
因みに、次亜塩素酸(52.5g/L)=次亜臭素酸(97.5g/L)=塩素(71g/L)として換算する。
具体的には、塩素濃度測定装置を用いて、対象水系における全残留塩素濃度が、好ましくは0.1〜100mg/L、より好ましくは1〜100mg/Lの範囲にあるように、酸化剤系殺菌殺藻剤の添加量を制御すると共に、安定化剤の添加量は、上記酸化剤系殺菌殺藻剤の添加量に対して、通常0.5〜2.0倍モル量の範囲内になるように、かつ遊離残留塩素濃度が、好ましくは1mg/L以下、より好ましくは0.5mg/L以下、さらに好ましくは0.3mg/L以下になるように制御することにより、殺菌殺藻処理を行う。
このような殺菌殺藻処理は、水系のpHが3.0〜10.0の範囲、好ましくは6.0〜9.0の範囲になるように制御して行うのが有利である。
なお、上記の全残留塩素濃度及び遊離残留塩素濃度の測定方法については、後で詳述する。
殺菌殺藻力を強化するためには、全残留塩素濃度を増加させるのがよいが、その際、遊離残留塩素濃度が増加すれば、安定化剤が不足している状態であるので、安定化剤濃度を上げることで、遊離残留塩素濃度を低下させる。このような制御は、自動で行ってもよく、手動で行ってもよい。
また、オンライン全残留塩素濃度分析計にて酸化剤殺菌殺藻剤の添加量を制御すると共に、オンライン遊離残留塩素濃度分析計にて安定化剤の添加量を制御してもよい。
[対象水系]
本発明の殺菌殺藻方法が適用される水系に特に制限はなく、例えば冷却水系、紙パルププロセス水系、集塵水系、スクラバー水系、噴水系などを挙げることができる。
これらの水系に、本発明の殺菌殺藻方法を適用することにより、日光の照射を受ける環境や、銅や銅合金材料が、配管、熱交換器などに使用されている水系においても、高い残留塩素濃度が維持され、対象水系の効果的な殺菌殺藻処理が可能であると共に、安定化剤が有効に活用され、その使用量を低減することにより、該安定化剤由来の窒素分及びCOD分を低減することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、遊離残留塩素濃度及び全残留塩素濃度は、以下に示す方法に従って測定した。
(1)遊離残留塩素濃度
(a)DPD試薬の作製
N,N−ジエチル−フェニレンジアミン硫酸塩1.0gと無水硫酸ナトリウム24gとの混合物からなるDPD(N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン)試薬を作製する。
(b)リン酸緩衝液(pH=6.5)の調製
0.2mol/Lリン酸二水素カリウム100mLに0.2mol/L水酸化ナトリウム溶液35.4mLを加え、これにtrans−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸−水和物0.13gを溶解し、リン酸緩衝液(pH=6.5)を調製する。
(c)遊離残留塩素濃度の測定
リン酸緩衝液2.5mLを共栓付き容器50mLに採り、これにPDP試薬0.5gを加え、次いで検水を加えて全量を50mLとして、混和する。次に混和した溶液の適量を吸収セルに採り、光電分光光度計を用いて、波長510〜555nm付近における吸光度
を測定し、予め作成した検量線から、遊離残留塩素濃度を求める。
(2)全残留塩素濃度
上記(1)(c)で得られた混和溶液50mLに、ヨウ化カリウム約0.5gを加えて溶かし、約3分間静置後、上記(1)(c)と同様にして、光電分光光度計を用いて波長510〜555nm付近における吸光度を測定し、予め作成した検量線から全残留塩素濃度を求める。
実施例1
次亜塩素酸塩の安定化
模擬冷却水(Mアルカリ度250mg/L、カルシウム硬度250mg/L、マグネシウム硬度125mg/L)1Lに、30℃にて、次亜塩素酸ナトリウムを0.014mmol/L(全残留塩素濃度1mg/L)添加した。これに、スルファミン酸ナトリウムを次亜塩素酸ナトリウムの有効成分の1、2、5倍モル当量となるように追加した。
その結果、次亜塩素酸塩の有効成分に対して、スルファミン酸塩を等モル以上反応させることで、約24時間後には、遊離残留塩素濃度を低いレベルに安定化できることが確認された。
結果を第1表に示すと共に、図1に示す。なお、表及び図において、T−Cl2:全残留塩素濃度、F−Cl2:遊離残留塩素濃度、NT:安定化次亜塩素酸塩濃度([T−Cl2]−[F−Cl2])である。以下、同様
Figure 0005141163
Figure 0005141163
Figure 0005141163
実施例2
汚れ成分により消耗した安定化次亜塩素酸塩の再生方法
模擬冷却水(Mアルカリ度250mg/L、カルシウム硬度250mg/L、マグネシウム硬度125mg/L)1Lに、30℃にて、次亜塩素酸ナトリウムを0.0705mmol/L(有効塩素濃度5mg/L)およびスルファミン酸ナトリウムを0.3525mmol/L(有効塩素濃度に対して5倍モル当量)をそれぞれ添加した。これに、実冷却水系から採取した汚れ成分を追加し、濁度100となるように調整した。汚れ成分により有効塩素成分が消耗した。はじめ5mg/Lであった全残留塩素濃度が、約3日後には1.5mg/Lまで低下した。その時点で次亜塩素酸ナトリウムを有効成分として5mg/L添加した結果、全残留塩素濃度は6.5mg/Lまであがった。遊離残留塩素濃度はほとんど検出されなかった。つまり、安定化次亜塩素酸塩を再生できた。その後は、再び汚れ成分により有効塩素成分が消耗され、全残留塩素濃度は低下傾向となった。
結果を図2に示す。
汚れ成分により有効塩素成分(次亜塩素酸塩)は消耗するが、スルファミン酸塩は系内に残存する。その状態で次亜塩素酸塩を添加すれば、系内に残存したスルファミン酸塩と反応し、再び安定化次亜塩素酸塩が生成される。
実系では以下の方法で管理できる。安定化次亜塩素酸塩の有効成分濃度(全残留塩素濃度)が低下してきた場合、次亜塩素酸塩を追加することで、所定の有効成分濃度(全残留塩素濃度)を維持する。スルファミン酸塩に対して次亜塩素酸塩が過剰に追加された状態になると、遊離残留塩素濃度が検出される。そのときは、スルファミン酸塩を追加することで遊離残留塩素濃度を低下でき、安定化次亜塩素酸塩を再生できる。
実施例3
スルファミン酸塩と次亜塩素酸塩の反応性
模擬冷却水(Mアルカリ度250mg/L、カルシウム硬度250mg/L、マグネシウム硬度125mg/L)1Lに、30℃にて、次亜塩素酸ナトリウムを0.084mmol/L(全残留塩素濃度6mg/L)添加した。これに、スルファミン酸ナトリウムを次亜塩素酸ナトリウムの有効成分の0.83,1.7,4.2倍モル当量となるように追加し、時間の経過によるT−Cl2及びF−Cl2の変化を調べた。その結果を第2表に示すと共に、図3に示す。
その結果、次亜塩素酸塩の有効成分に対してスルファミン酸塩を等モル以上反応させることで、22時間後には安定化塩素を生成して、遊離残留塩素濃度を低いレベルにすることができることを確認できた。また、全残留塩素濃度を1mg/Lから6mg/Lに上げることにより安定化塩素の生成速度を速くすることができることが第1表と第2表の比較からわかる。
Figure 0005141163
Figure 0005141163
Figure 0005141163
比較例1
特開2006−206608号公報「殺菌殺藻剤組成物」の実施例4に、水8.2g、45重量%水酸化ナトリウム水溶液19.3g、スルファミン酸12.0g、12重量%次亜塩素酸ナトリウム60.0g、ベンゾトリアゾール0.5gを配合した一剤化された安定化次亜塩素酸を挙げている。
本剤を実施例2と同じく、汚れの負荷が高い水系に適用すると、安定化次亜塩素酸塩の有効成分濃度(全残留塩素濃度)が消耗される。有効成分濃度を維持するためには、薬剤の添加濃度を上げる必要がある。その場合、薬剤中のスルファミン酸、ベンゾトリアゾール由来のCOD、窒素分が水系に添加されることになり、環境負荷につながる。
本発明の殺菌殺藻方法は、次亜塩素酸塩及び/又は次亜臭素酸塩とスルファミン酸塩を過不足なく効率的に反応させることで、安定化次亜塩素酸塩及び/又は次亜臭素酸塩を生成できる技術であり、従来技術の課題であるスルファミン酸、ベンゾトリアゾール由来のCOD、窒素負荷を低減できる。
実施例1における残留塩素濃度と時間との関係を示すグラフである。 実施例2における残留塩素濃度と時間との関係を示すグラフである。 実施例3における残留塩素濃度と時間との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 次亜塩素酸塩及び/又は次亜臭素酸塩からなる酸化剤系殺菌殺藻剤と、スルファミン酸及び/又はその塩からなる安定化剤とを、対象水系に添加して殺菌殺藻する方法であって、
    当該水系における次亜塩素酸塩及び/又は次亜臭素酸塩の塩素換算(ただし、塩素換算は、次亜塩素酸(52.5g/L)=次亜臭素酸(97.5g/L)=塩素(71g/L)として行う)による全残留塩素濃度が0.1〜100mg/Lの範囲内にあるように、前記酸化剤系殺菌殺藻剤の添加量を制御すると共に、次亜塩素酸塩及び/又は次亜臭素酸塩の塩素換算による遊離残留塩素濃度が1mg/L以下にあるように、前記安定化剤の添加量を制御することを特徴とする殺菌殺藻方法。
  2. 前記水系のpHが3.0〜10.0の範囲になるように制御する請求項1に記載の殺菌殺藻方法。
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