JP6304677B2 - 残留塩素測定装置および残留塩素測定方法 - Google Patents

残留塩素測定装置および残留塩素測定方法 Download PDF

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Description

本発明は残留塩素測定装置および残留塩素測定方法に関する。さらに詳しくは、残留塩素濃度に占める遊離残留塩素と結合残留塩素の濃度を各々得ることができる残留塩素測定装置および残留塩素測定方法に関する。
残留塩素とは、塩素処理の結果水中に残留した消毒作用のある有効塩素のことで、次亜塩素酸などの遊離残留塩素と、クロラミン、クロロスルファミンのような結合残留塩素に区分される。いずれも酸化による殺菌力を有している。
次亜塩素酸塩などのハロゲン系酸化剤は遊離残留塩素を発生させ、強い殺菌力を発揮する。しかし、紫外線により分解が促進されやすく、水中での安定性が低い。また、酸化力が大きいために腐食性が高いなどの問題がある。
そこで、次亜塩素酸塩などのハロゲン系酸化剤の分解を抑制するために、スルファミン酸塩等の安定化剤を添加する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。次亜塩素酸塩にスルファミン酸塩を添加すると、N−モノクロロスルファミン酸塩若しくはN,N−ジクロロスルファミン酸塩を形成する。すなわち、結合残留塩素が発生する。
結合残留塩素は、酸化力は小さいものの、水との反応により、長時間にわたり、遊離残留塩素を発生させることができる。
安定化剤の量は、生物活性を抑えるために必要最小限の遊離残留塩素濃度と、その効果を維持するために必要な結合塩素濃度とが適切な範囲となるように管理される(特許文献2)。そのため、遊離残留塩素と結合残留塩素の濃度を、各々測定することが必要である。
また、我が国の水道法施行規則では、充分な殺菌力を確保する観点で、給水栓における水が、遊離残留塩素であれば0.1mg/L以上、結合残留塩素であれば0.4mg/L以上の残留塩素を保持すべきことを定めている。このように、殺菌力の違いを考慮して、保持すべき残留塩素の濃度も遊離残留塩素の場合と結合残留塩素の場合とで異なる。したがって、浄水場等においては、全残留塩素濃度だけでなく、遊離残留塩素濃度と結合残留塩素濃度とを区別して把握することが必要である。このように、安定化剤を用いない場合においても、遊離残留塩素と結合残留塩素の濃度を、各々測定することが必要である。
遊離残留塩素と結合残留塩素とを区別して測定することは、種々の方法で行われている。たとえば、o−トリジン比色法(OT法)では試薬添加から測定するまでの時間を変えることにより、ジエチル−p−フェニレンジアミン比色法(DPD法)では、添加する試薬を代えることにより、全残留塩素濃度(遊離残留塩素濃度と結合残留塩素濃度の合計)と遊離残留塩素濃度を各々測定できる。
また、連続測定や自動化に適した方法として、ポーラログラフ法により、残留塩素濃度測定することも行われている。
特許文献3には、金電極からなる作用極と、対極、基準電極を用いるポーラログラフ法が開示されている。特許文献3の記載によれば、遊離残留塩素だけでなく、結合残留塩素の測定も可能である、とされている。
しかし、特許文献3の装置は、遊離残留塩素のみの測定、結合残留塩素のみの測定が可能であるに留まる。遊離残留塩素と結合残留塩素の双方を含む試料液を測定した場合、遊離残留塩素と結合残留塩素を区別して測定することはできなかった。
また、特許文献4には、金製の検知極と白金製の対極を用い、ハロゲンイオンを含む試薬を添加し、残留塩素濃度に応じて遊離したハロゲンが電解還元される時の酸化還元電流(拡散電流)を測定するポーラログラフ法の残留塩素測定装置が開示されている。特許文献4の装置は、検知極と対極との間に3種類の印加電圧を印加した際の各々の酸化還元電流を測定することにより、遊離残留塩素と結合残留塩素を区別して各々求めることを可能としている。
しかし、特許文献4の装置は、ハロゲンイオンを含む試薬が必要であり、ランニングコストやメンテナンスの手間が掛かる点で不利であった。
特許第3832399号公報 特開2009−84163号公報 特開2005−62133号公報 特許第4463382号公報
本発明は、上記事情に鑑み、試薬を用いることなく、遊離残留塩素濃度と結合残留塩素濃度を区別して各々求めることが可能な、ポーラログラフ法の残留塩素測定装置および残留塩素測定方法を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]試料液に浸漬される金製の検知極、及び銀/塩化銀製の対極と、
前記検知極と対極との間に、第1の印加電圧V及び第2の印加電圧Vを順次与える加電圧機構と、
前記検知極と対極との間に流れる酸化還元電流を測定する電流計とを具備し、
第1の印加電圧Vは、+100〜−50mVの範囲から、第2の印加電圧Vは、−150〜−250mVの範囲から、各々選択され、
前記電流計は、前記加電圧機構が第1の印加電圧Vを与えた際に前記検知極と対極との間に流れる第1の酸化還元電流I(V)と、前記加電圧機構が第2の印加電圧Vを与えた際に前記検知極と対極との間に流れる第2の酸化還元電流I(V)とを、各々測定することを特徴とする残留塩素測定装置。
[2]さらに、演算機構を備え、
該演算機構は、
第1の酸化還元電流I(V)から遊離残留塩素濃度Nfを求めるステップと、
第2の酸化還元電流I(V)から遊離残留塩素濃度Nfに基づく電流If(V)を差し引いて結合残留塩素濃度Ncに基づく電流Ic(V)を求め、電流Ic(V)から結合残留塩素濃度Ncを求めるステップと
を順次行う[1]に記載の残留塩素測定装置。
[3]試料液に浸漬した金製の検知極と銀/塩化銀製の対極との間に+100〜−50mVの範囲から選択される第1の印加電圧Vを与え、該検知極と対極との間に流れる第1の酸化還元電流I(V)を求めるステップと、
前記検知極と対極との間に−150〜−250mVの範囲から選択される第2の印加電圧Vを与え、該検知極と対極との間に流れる第2の酸化還元電流I(V)を求めるステップと、
第1の酸化還元電流I(V)から遊離残留塩素濃度Nfを求めるステップと、
第2の酸化還元電流I(V)から遊離残留塩素濃度Nfに基づく電流If(V)を差し引いて結合残留塩素濃度Ncに基づく電流Ic(V)を求め、電流Ic(V)から結合残留塩素濃度Ncを求めるステップと
を備えることを特徴とする残留塩素測定方法。
[4]前記試料液が、次亜塩素酸若しくはその塩、及びスルファミン酸若しくはその塩が添加された水である[3]に記載の残留塩素測定方法。
本発明の残留塩素測定装置および残留塩素測定方法によれば、試薬を用いることなく、遊離残留塩素濃度と結合残留塩素濃度を区別して各々求めることが可能である。ひいては遊離残留塩素濃度と全残留塩素濃度(遊離残留塩素濃度と結合残留塩素濃度の合計)をそれぞれ求めることが可能である。
本発明の一実施形態に係る残留塩素測定装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る残留塩素測定装置の電極ユニットの一例を示す正面図である。 図2のII−II断面図である。 本発明の一実施形態に係る残留塩素測定装置の電極ユニットの他の例を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る残留塩素測定装置の電極ユニットの他の例を示す正面図である。 本発明の他の実施形態に係る残留塩素測定装置の概略構成図である。 印加電圧と酸化還元電流の関係を示すポーラログラムである。 印加電圧0mVにおける遊離残留塩素濃度と電流値の関係を示すグラフである。 印加電圧0mVにおける全残留塩素濃度と電流値の関係を示すグラフである。 印加電圧−200mVにおける全残留塩素濃度と電流値の関係を示すグラフである。 本発明の残留塩素測定方法による遊離残留塩素濃度の測定値とDPD分析値の関係を示すグラフである。 本発明の残留塩素測定方法による全残留塩素濃度の測定値とDPD分析値の関係を示すグラフである。 本発明の残留塩素測定方法による遊離残留塩素濃度の測定値とDPD分析値の関係を示すグラフである。 本発明の残留塩素測定方法による全残留塩素濃度の測定値とDPD分析値の関係を示すグラフである。
本発明の残留塩素測定装置は、試料液に浸漬される検知極及び対極と、前記検知極と対極との間に印加電圧(対極を基準として検知極に印加する電圧)を与える加電圧機構と、前記検知極と対極との間に流れる酸化還元電流を測定する電流計とを具備する。
本発明における検知極は金製である。また、対極は、銀に塩化銀がメッキされた銀/塩化銀製である。
本発明において測定される酸化還元電流は、被還元物質が拡散層と呼ばれる層の中において、濃度勾配による自然拡散によってのみ検知極表面に運ばれ、その表面で還元されるときに流れる拡散電流である。被還元物質の濃度に応じた酸化還元電流(拡散電流)を得るためには、酸化還元電流測定時の拡散層の厚みの再現性が重要である。
攪拌や振動、温度不均一による対流などにより試料液が流動すると、拡散層の厚みに影響が生じる。試料液の流動による影響が拡散層の厚みの再現性を損なわないようにするためには、以下の2つの方法が採用できる。
1)検知極に接する狭い範囲の試料液の流動を抑制する方法(以下「A法」という。)。
2)検知極に接する試料液を検知極表面に対して積極的に流動させる方法(以下「B法」という。)。
[A法を採用した残留塩素測定装置]
図1は、A法を採用した残留塩素測定装置の一例である。図1に示すように、本例の装置100は、酸化還元電流測定用の電極ユニット10と、試料液容器20と、加電圧機構30と、電流計40と、電極ユニット10、加電圧機構30、及び電流計40の間を直列に接続する配線50とから、概略構成されている。
電極ユニット10は、図2、3に示すように、第一の面1aと第一の面1aの反対側の面である第二の面1bとを有する支持チップ1と、支持チップ1の第一の面1aに設けられ、試料液Sに浸漬される検知極2と、支持チップ1に取りつけられ、試料液に浸漬される対極3と、検知極2を囲むように配置され、検知極に接する試料液Sの流動を抑制する遮蔽材4と、支持チップ1を保持する保持材5とから概略構成されている。
本例の支持チップ1は略平板状で、かつ4つの周面を有する。この4つの周面の内1つが保持材5に固着されることにより、保持材5の下面側に垂下されるようになっている。また、4つの周面の残りの3つには、溝1cが形成されている。支持チップ1は、保持材5に垂下された状態で、試料液S中に、少なくともその下端側が浸漬されるようになっている。
検知極2は、支持チップ1の第一の面1aの保持材5から離れた下端側の角部近傍に設けられている。対極3は、支持チップ1の溝1cに配置されている。支持チップ1内には、検知極2から支持チップ1の保持材5側に至る導線(図示を省略)と対極3から支持チップ1の保持材5側に至る導線(図示を省略)とが埋め込まれている。
保持材5には、支持チップ1の検知極2からの導線が露出する位置に対応して貫通孔5aが設けられ、対極3からの導線が露出する位置に対応して貫通孔5bが設けられている。そして、配線50は、保持材5に設けられた貫通孔5a、5bから電極ユニット10内に入り、支持チップ1内に埋め込まれた導線と接続されている。
遮蔽材4は、検知極2を囲む領域(以下「遮蔽領域」という場合がある。)を構成することにより、遮蔽領域内の試料液Sの流動を抑制する部材である。遮蔽領域内の試料液Sの流動は、主として、以下の理由により抑制できる。
1)試料液Sが流動している遮蔽領域の外側と遮蔽領域とを物理的に遮断する。
2)遮蔽領域外との熱移動を遮断することにより、遮蔽領域外で温度変動が生じても、遮蔽領域内で温度勾配が原因の対流が発生することを防止する。
3)遮蔽材4の上端を、試料液Sの液面より上となるように配置することにより、遮蔽領域外の試料液Sの液面変動が遮蔽領域に及ぶことを防止する。
4)遮蔽領域を狭くすることにより、遮蔽領域内で温度変化、振動、液面変動等の試料液Sの流動要因が発生することを防止できる。
本例の遮蔽材4は、支持チップ1の第一の面1aから第二の面1bに至る周面を有する筒状体で、下端側全体が開口4aとされ、上端側全体が開口4bとされている。支持チップ1の下端側を試料液S中に浸漬した際、試料液Sは開口4aから遮蔽材4の内部に入り、遮蔽材4に囲まれた検知極2が試料液Sに浸漬されるようになっている。開口4bは、支持チップ1の下端側を試料液S中に浸漬した際に、試料液Sの液面より上側となるようにされており、試料液Sの液面の揺れが遮蔽材4に囲まれた領域内に及ぶことを防止できるようになっている。
対極3の検知極2に最も近接した部分は、遮蔽材4で囲まれる領域内に位置している。対極3の検知極2に最も近接した部分が、遮蔽材4で囲まれる領域外に位置する場合、検知極2と対極3との距離が大きくなる。その場合、液抵抗(試料液Sを電流が通過する際の抵抗)が無視できなくなる。特に、本発明では、試薬を使用しないために液抵抗の影響が大きくなりやすいので、検知極2と対極3との距離が大きくなることは好ましくない。
したがって、対極3の検知極2に最も近接した部分は、遮蔽材4で囲まれる領域内に位置し、かつ、検知極2と短絡しない限度で、できるだけ近接して配置されることが好ましい。
本例では、遮蔽材4の軸方向に垂直な断面の内側は半径rの円形である。半径rは、1.5〜6mmであることが好ましく、2〜4mmであることがより好ましく、2.5〜3mmであることがさらに好ましい。半径rが大きすぎると、遮蔽材4の内部に入った試料液Sが流動しやすくなり、検知極2に接する試料液Sの流動を抑制するという遮蔽材4の機能を達成しづらくなる。半径rが小さすぎると、遮蔽材4の内部に試料液Sが入りづらくなり、検知極2に試料液Sが接触することが困難になる。
なお、遮蔽材4内側の試料液Sに対する濡れ性等により、半径rの好ましい範囲は若干変動する。
また、遮蔽材4によって囲まれる領域の下端である開口4aと検知極2の距離d(開口4aと検知極2の開口4aに最も近接した部分との距離)は、1.5〜6mmであることが好ましく、2〜4mmであることがより好ましく、2.5〜3mmであることがさらに好ましい。距離dが小さすぎると、遮蔽材4の外側における試料液Sの流動の影響が検知極2に接する試料液Sに伝わりやすくなり、検知極2に接する試料液Sの流動を抑制するという遮蔽材4の機能を達成しづらくなる。距離dが大きすぎると、電極ユニット10が無用に大きくなるため好ましくない。
本例の装置100では、酸化還元電流の測定により被還元物質が消費されることに伴い、拡散層が減少する。検知極2に接する試料液Sの流動が抑制されているため、酸化還元電流の測定開始から一定の時間内では、被還元物質の移動による拡散層の再生は無視できる程度である。そのため、酸化還元電流の測定開始後、一定の時間経過後に酸化還元電流の値を読み込むことにすれば、その時点での拡散層の厚みには再現性があり、被還元物質の濃度に応じた再現性のある電流値が得られることとなる。
本例の装置100では、酸化還元電流の測定開始後、2分以内に酸化還元電流の値を読み込むことが好ましく、20秒後から1分後に読み込むことがより好ましく、30秒後から1分後に読み込むことがさらに好ましい。
酸化還元電流の測定開始後とは、所定の印加電圧を印加した状態で検知極2と対極3を試料液に浸漬後の意味である。検知極2と対極3を試料液に浸漬した後に印加電圧を変化させた場合は、印加電圧を変化後の意味である。
読み込むまでの時間が長くなると、拡散層の被還元物質が大きく減少するので、被還元物質の移動による拡散層の再生が無視できなくなる。被還元物質の移動が拡散のみによれば2〜3分経過後には、拡散層の再生速度が一定し、測定による被還元物質の消費とのバランスが得られるはずである。しかし、遮蔽材4により囲まれた領域内といえども、試料液の流動を完全にゼロにすることはできないので、拡散層の再生速度と測定による被還元物質の消費とのバランスは成立しにくい。
そのため、読み込むまでの時間が長すぎると、拡散層の厚みは不安定となり、再現性も得にくくなる。また、濃度に対する電流変化量が相対的に小さくなり、検出感度が低下するので好ましくない。
一方、測定開始直後は、急激な電流変化(電流低下)が生じる。そのため、読み込むまでの時間が短すぎると、濃度に対する電流変化量は相対的に大きくなるが、再現性のある電流測定が困難となる。
装置100における電極ユニット10は、図4の電極ユニット11、または図5の電極ユニット12に変更してもよい。図4、図5において、図1と共通の構成部材には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図4の電極ユニット11は、対極3が、検知極2と並んで支持チップ1の第一の面1aに設けられている点を除き、電極ユニット10と同様の構成である。図5の電極ユニット12は、支持チップ1の高さ方向(試料液Sに浸漬する際の高さ方向)略中央の両側に溝1d、1dが設けられ、対極3が、溝1d、1d部分を通って支持チップ1に巻き付けられている点を除き、電極ユニット10と同様の構成である。
また、電極ユニット10における遮蔽材4の断面は円形に限られず、楕円や多角形でもよい。ただし、遮蔽材4によって囲まれる領域の断面積は、同じ面積の円の半径r’として表した際、1.5〜6mmであることが好ましく、2〜4mmであることがより好ましく、2.5〜3mmであることがさらに好ましい。半径r’が大きすぎると、遮蔽材4の内部に入った試料液Sが流動しやすくなり、検知極2に接する試料液Sの流動を抑制するという遮蔽材4の機能を達成しづらくなる。半径r’が小さすぎると、遮蔽材4の内部に試料液Sが入りづらくなり、検知極2に試料液Sが接触することが困難になる。
なお、遮蔽材4内側の試料液Sに対する濡れ性等により、半径r’の好ましい範囲は若干変動する。
また、検知極2を囲む遮蔽材4は、上端と下端が全面的に開放された筒状体に限定されず、遮蔽材4の内部に試料液Sが入ることを妨げず、かつ検知極2に接する試料液Sの流動を抑制できるものであればよい。
例えば、筒状体の上端側が上底で覆われ、上底又は上底近傍の周面に空気が流通可能な孔を開口したものであってもよい。また、筒状体の上端側、下端側の開口は、各々通液可能なメッシュで塞がれたものでもよい。
また、A法を採用した残留塩素測定装置における対極3は、支持チップ1に取りつけけられていなくても、検知極2との間の酸化還元電流を検知できる程度に、検知極2の近傍に配置されていればよい。
[B法を採用した残留塩素測定装置]
B法を採用した残留塩素測定装置では、検知極に接する試料液を検知極表面に対して積極的に流動させる。流動は相対的なものでよく、静止した試料液に対して検知極を回転又は振動させて動かすか、検知極は静止したままで試料液を流すことにより、試料液を検知極表面に対して流動させる。あるいは、検知極を動かしつつ試料液も流すようにしてもよい。検知極に接する試料液を検知極表面に対して相対的に流動させることにより常に新しい拡散層を再現性良く得ることができる。
図6に基づき、B法を採用した残留塩素測定装置の一例について説明する。図6の装置70において、71は測定セル、Sは測定セル71に導入された試料液、73は下部が試料液Sに浸漬された円柱形の検知極支持体、72は検知極支持体73の先端面に取り付けられた検知極、75は下部が試料液Sに浸漬された円柱形の対極支持体、74は対極支持体75の外周面に取り付けられた対極、76は検知極72と対極74との間を接続する配線、77は検知極回転用モータ、78は可変の加電圧機構、79は電流計を示す。なお、試料液S中には検知極洗浄用のガラスビーズ(図示せず)が投入されている。
検知極72は、実公平7−4566号公報に記載の方式で円運動するようになっている。すなわち、検知極支持体73は傾斜状態に配置されており、その長さ方向中間部所定箇所が軸受け83によって保持されている。また、検知極支持体73の基端部84とモータ77の回転軸85は偏心して係合しており、モータ77の回転軸85を回転させることにより基端部84が軸受け83による保持箇所を支点として円運動するようになっている。そして、この基端部84の円運動に伴って、検知極支持体73の先端部に取り付けられた検知極72も円運動するようになっている。また、検知極72と電流計79との間を接続する配線76は、検知極支持体73内を通って軸受け83による保持箇所近傍から、検知極72を円運動させても、ねじれたりせずに引き出せるようになっている。
[印加電圧と酸化還元電流の測定]
本発明の残留塩素測定装置は、A法、B法いずれの場合にも、加電圧機構が、検知極と対極との間に第1の印加電圧V(以下、単に「電圧V」という場合がある。)及び第2の印加電圧V(以下、単に「電圧V」という場合がある。)を順次与えるようになっている。なお、電圧Vと電圧Vを与える順番に特に限定はない。
電圧Vは、+100〜−50mVの範囲から選択される。電圧Vは、+50〜0mVの範囲から選択されることが好ましい。
電圧Vは、−150〜−250mVの範囲から選択される。電圧Vは、−190〜−210mVの範囲から選択されることが好ましい。
電圧VはゼロmVを含む。電圧VがゼロmVのとき、「加電圧機構が、検知極と対極との間に第1の印加電圧Vを与える」とは、検知極と対極との間に、何らの電圧を付与しないことを意味する。すなわち、本発明の加電圧機構は、検知極と対極との間に、何らの電圧を付与しない機能も備え得るものである。
また、電流計は、加電圧機構が検知極と対極との間に電圧Vを与えた際に検知極と対極との間に流れる第1の酸化還元電流I(V)(以下、単に「電流I(V)」という。)を、測定するようになっている(電流I(V)を求めるステップ)。
また、電流計は、加電圧機構が検知極と対極との間に電圧Vを与えた際に前記検知極と対極との間に流れる第2の酸化還元電流I(V)(以下、単に「電流I(V)」という。)を、測定するようになっている(電流I(V)を求めるステップ)。
[残留塩素濃度の計算]
本発明の残留塩素測定方法では、本発明の残留塩素測定装置で得られた電流I(V)に基づき、遊離残留塩素濃度Nfを求める(遊離残留塩素濃度Nfを求めるステップ)。
また、本発明の残留塩素測定装置で得られた電流I(V)及び電流I(V)に基づき、結合残留塩素濃度Ncを求める(結合残留塩素濃度Ncを求めるステップ)。
さらに、得られた遊離残留塩素濃度Nfと結合残留塩素濃度Ncを合計することにより、全残留塩素濃度Ntを求めることができる(全残留塩素濃度Ntを求めるステップ)。
本発明の残留塩素測定装置が演算機構を備える場合、演算機構が遊離残留塩素濃度Nfを求めるステップ、結合残留塩素濃度Ncを求めるステップを行う。また、演算機構は、全残留塩素濃度Ntを求めるステップを行うものであってもよい。
以下、遊離残留塩素濃度Nf、結合残留塩素濃度Nc、全残留塩素濃度Ntを求める各ステップを具体的に説明する。以下の説明において、電流I(V)は、検知極と対極との間に電圧Vを与えた際に検知極と対極との間に流れる酸化還元電流を意味する。電流I(V)は、予め温度補正がされたものでも、温度補正がされていないものでもよいが、予め温度補正がされたものが好ましい。試料液温度が充分に一定に保たれている場合や、要求される測定精度が低い場合は、温度補正は省略してもよい。
温度補正とは、酸化還元電流測定の温度依存性を考慮して、基準温度(例えば25℃)における酸化還元電流に換算することを意味する。基準温度が25℃の場合、具体的には以下の式(1)により温度補正を行う。
I(V)25=I(V)t /(1+(α×(t−25)/100)) ・・・(1)
t:測定時の試料液温度(℃)
I(V)t :試料液温度t℃において得られた電圧Vにおける酸化還元電流値
I(V)25:基準温度25℃で温度補正された電圧Vにおける酸化還元電流値
α:1℃当りの電極出力変化量(%)
また、以下の説明において、電圧Vにおける電流I(V)は、必要に応じて、電圧Vにおけるゼロ補正された電流I’(V)に置き換えてもよい。電流I’(V)は、以下の式(2)により求められる電流である。
I’(V)=I(V)−Z(V) ・・・(2)
Z(V):試料液温度25℃に換算した電圧Vにおける脱塩水の酸化還元電流値
なお、脱塩水とは、水道水を活性炭で処理することにより、残留塩素を除去した水である。ゼロ補正は、電圧Vにおける脱塩水の酸化還元電流値が、要求精度に鑑みて無視できない程度である場合に行うことが好ましい。
(遊離残留塩素濃度を求めるステップ)
電圧Vにおける電流I(V)は、遊離残留塩素濃度Nfに対応した値となる。したがって、遊離残留塩素濃度Nfは電流I(V)から求められる。
試料液の遊離残留塩素濃度Nfを求めるには、まず、遊離残留塩素濃度Nfが既知の濃度Cfである校正液について電流I(Vを測定し、以下の式(3)により電圧Vにおける電流I(V)の単位電流あたりの遊離残留塩素濃度Kf(V)を求める。
Kf(V)=Cf/I(V ・・・(3)
ここで、校正液としては、次亜塩素酸ナトリウム溶液を脱塩水で希釈したものや、N,N−ジクロロスルファミン酸塩を脱塩水で溶解したものが、遊離残留塩素濃度の校正液として使用できる。
校正液の濃度Cfは、上水試験方法2011年版「30.3 ジエチル−p−フェニレンジアミンによる吸光光度法」に定められたDPD法に従い、以下の方法により求められる。
まず、DPD試薬は、N,N−ジエチル−フェニレンジアミン硫酸塩1.0gと無水硫酸ナトリウム24gを混合して作製する。また、リン酸緩衝液(pH=6.5)は、0.2mol/Lリン酸二水素カリウム100mLに0.2mol/L水酸化ナトリウム溶液35.4mLを加え、これにtrans−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸−水和物0.13gを溶解して調製する。
調製したリン酸緩衝液2.5mLを共栓付き容器50mLに採り、これに調製したDPD試薬0.5gを加え、次いで試料液とイオン交換水を加えて全量を50mLとして、混和する。次に混和した溶液の約3mLを吸収セルに採り、光電分光光度計を用いて、混和してから10秒後における波長528nmにおける吸光度を測定し、予め作成した検量線から、DPD法による遊離残留塩素濃度(Cf)を求める。
なお、このDPD法による遊離残留塩素濃度測定方法は、シリンガルダジン法と異なり、一部の結合塩素も検出してしまうため、DPD法による遊離残留塩素濃度は、シリンガルダジン法に基づく遊離残留塩素濃度より、多少高めの値になる傾向がある。
次に、試料液について電流I(Vを測定し、以下の式(4)により試料液の遊離残留塩素濃度Nfを求める。
Nf=I(V×Kf(V) ・・・(4)
(結合残留塩素濃度を求めるステップ)
電圧Vにおける電流I(V)は、遊離残留塩素濃度Nfと結合残留塩素濃度Ncの双方に対応した値となる。電流I(V)に与える遊離残留塩素濃度Nfと結合残留塩素濃度Ncの影響は同一ではない。したがって、電流I(V)は、遊離残留塩素濃度Nfと結合残留塩素濃度Ncの合計である全残留塩素濃度Ntと、単純な比例関係にはない。
電流I(V)は、遊離残留塩素濃度Nfに基づく電流If(V)と結合残留塩素濃度Ncに基づく電流Ic(V)の合計値となっている。そのため、まず、電流If(V)を求め、これをI(V)から差し引くことにより電流Ic(V)を求められる。そして、結合残留塩素濃度Ncは、電流Ic(V)から求められる。
すなわち、まず、遊離残留塩素濃度Nfが既知の濃度Cfである校正液(Kf(V)を求めた際と同じ校正液)について電流I(Vを測定し、以下の式(5)により電圧Vにおける電流I(V)の単位電流あたりの遊離残留塩素濃度Kf(V)を求める。
Kf(V)=Cf/I(V ・・・(5)
次に、以下の式(6)によりKf(V)に対するKf(V)の比Kfを求める。
Kf=Kf(V)/Kf(V) ・・・(6)
また、結合残留塩素濃度Ncが既知の濃度Ccであり、遊離残留塩素濃度がゼロとみなせる校正液について電流I(Vを測定する。そして、以下の式(7)により、遊離残留塩素濃度がゼロの場合の、電圧Vにおける電流I(V)の単位電流あたりの結合残留塩素濃度Kc(V)を求める。
Kc(V)=Cc/I(V ・・・(7)
ここで、校正液としては、N−モノクロロスルファミン酸塩を脱塩水で溶解したものが使用できる。
校正液の濃度Ccは、上水試験方法2011年版「30.3 ジエチル−p−フェニレンジアミンによる吸光光度法」に定められたDPD法に従い、以下の方法により求められる。
まず、遊離残留塩素濃度(Cf)を求める際と同様にして、DPD試薬とリン酸緩衝液(pH=6.5)を調製する。
調製したリン酸緩衝液2.5mLを共栓付き容器50mLに採り、これに調製したDPD試薬0.5gを加え、次いで試料液とイオン交換水を加えて全量を50mLに、ヨウ化カリウム約0.5gを加えて溶解する。次にヨウ化カリウム添加後の溶液の約3mLを吸収セルに採り、光電分光光度計を用いて、ヨウ化カリウム添加後2分後における波長528nmにおける吸光度を測定し、予め作成した検量線から、全残留塩素濃度を求める。この全残留塩素濃度から、遊離残留塩素濃度(Cf)を差し引いた値が、DPD法による結合残留塩素濃度(Cc)である。
次に、式(4)で遊離残留塩素濃度Nfを求めた試料液について電流I(V2を測定する。電流I(V2に占める試料液の遊離残留塩素濃度Nfに基づく電流If(Vは、以下の式(8)により求められる。
If(V=I(V×Kf ・・・(8)
そして、電流I(V2に占める試料液の結合残留塩素濃度Ncに基づく電流Ic(Vは、以下の式(9)により求められる。
Ic(V=I(V−If(V ・・・(9)
ここで、式(9)の計算結果が負の値となった場合、Ic(V=0とみなす。
そして、以下の式(10)により試料液の結合残留塩素濃度Ncを求める。
Nc=Ic(V×Kc(V) ・・・(10)
(全残留塩素濃度を求めるステップ)
全残留塩素濃度Ntは、電流I(V)から求めた遊離残留塩素濃度Nfと、電流Ic(V)から求めた結合残留塩素濃度Ncの合計として以下の式(11)により求められる。
Nt=Nf+Nc ・・・(11)
[試料液]
本発明の測定対象となる試料液は、ハロゲン系酸化剤と、ハロゲン系酸化剤の分解を抑制する安定化剤が添加された水が好ましい。ハロゲン系酸化剤としては、次亜塩素酸またはその塩、次亜臭素酸またはその塩、次亜塩素酸またはその塩と次亜臭素酸またはその塩との併用が挙げられる。
安定化剤としては、スルファミン酸及び/又はその塩、アゾール系化合物、尿素、チオ尿素、クレアチニン、シアヌル酸、アルキルヒダントイン、モノ又はジエタノールアミン、有機スルホンアミド、ビュウレット、有機スルファミン酸及びメラミン等を挙げることができる。これらのなかで、次亜塩素酸塩や次亜臭素酸塩の安定化剤として有効なスルファミン酸及び/又はその塩を用いることが好ましい。スルファミン酸塩に特に制限はなく、例えば、スルファミン酸ナトリウム、スルファミン酸カリウム、スルファミン酸カルシウム、スルファミン酸ストロンチウム、スルファミン酸バリウム、スルファミン酸鉄、スルファミン酸亜鉛などを挙げることができるが、これらの中で水溶性及び経済性の観点から、スルファミン酸ナトリウムが好適である。
本発明の測定対象となる試料液は、特に、次亜塩素酸若しくはその塩と、スルファミン酸若しくはその塩が添加された水であることが好ましい。
例えば、次亜塩素酸イオンとスルファミン酸は、下記の式(12)、(13)のように反応して、N−モノクロロスルファミン酸イオン又はN,N−ジクロロスルファミン酸イオンを形成して塩素系酸化剤の有効成分を安定化する。
HClO+H2NSO3 →HClNSO3 +H2O ・・・(12)
2HClO+H2NSO3 →Cl2NSO3 +2H2O ・・・(13)
次亜塩素酸若しくはその塩と、スルファミン酸若しくはその塩が添加された水としては、冷却水、紙パルププロセス水、集塵水、スクラバー水、噴水などの各種水が挙げられる。
また、本発明の残留塩素測定装置は、A法、B法いずれの場合にも、検知極の清浄を保つために、電解研磨機構を設けることが好ましい。電解研磨機構は、適宜周知の機構を採用することができ、検知極と対極との間に測定時とは逆向きに電流が流れるようになっていればよい。
以下、本発明の効果を明らかにするための実験例および実施例を示す。なお、以下の実験例および実施例で用いた試薬は、以下のように調製した。
脱塩水:水道水を活性炭で処理して、脱塩水とした。
次亜塩素酸ナトリウム溶液:有効塩素濃度約12%の次亜塩素酸ナトリウム溶液をイオン交換水で有効塩素濃度約50mg/Lに希釈後、上水試験方法2011年版「30.3 ジエチル−p−フェニレンジアミンによる吸光光度法」の(14)標準塩素水に記載された「よう素滴定法」にて有効塩素濃度を求める。これを原液とし、使用時に脱塩水で希釈して各濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液とした。
ジクロロスルファミン酸溶液:スルファミン酸ナトリウムと、スルファミン酸ナトリウム1モルに対する有効塩素濃度が2モルとなるように、有効塩素濃度約12%の次亜塩素酸ナトリウム溶液をイオン交換水に溶解した。有効塩素濃度は上水試験方法2011年版「30.3 ジエチル−p−フェニレンジアミンによる吸光光度法」の(14)標準塩素水に記載された「よう素滴定法」にて確認した。これを原液とし、使用時に脱塩水で希釈して各濃度のジクロロスルファミン酸溶液とした。
モノクロロスルファミン酸溶液:スルファミン酸ナトリウムと、スルファミン酸ナトリウム1モルに対する有効塩素濃度が1モルとなるように、有効塩素濃度約12%の次亜塩素酸ナトリウム溶液をイオン交換水に溶解した。有効塩素濃度は上水試験方法2011年版「30.3 ジエチル−p−フェニレンジアミンによる吸光光度法」の(14)標準塩素水に記載された「よう素滴定法」にて確認した。これを原液とし、使用時に脱塩水で希釈して各濃度のモノクロロスルファミン酸溶液とした。
以下の実験例および実施例におけるDPD分析値は、上水試験方法 30.3に定められたDPD法に従い、以下の方法により求めた。
(a)DPD試薬の作製
N,N−ジエチル−フェニレンジアミン硫酸塩1.0gと無水硫酸ナトリウム24gを混合して、DPD(N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン)試薬を作製した。
(b)リン酸緩衝液(pH=6.5)の調製
0.2mol/Lリン酸二水素カリウム100mLに0.2mol/L水酸化ナトリウム溶液35.4mLを加え、これにtrans−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸−水和物0.13gを溶解し、リン酸緩衝液(pH=6.5)を調製した。
(c)遊離残留塩素濃度の測定
リン酸緩衝液2.5mLを共栓付き容器50mLに採り、これにDPD試薬0.5gを加え、次いで試料液とイオン交換水を加えて全量を50mLとして、混和した。次に混和した溶液の約3mLを吸収セルに採り、光電分光光度計を用いて、混和してから10秒後における波長528nmにおける吸光度を測定し、予め作成した検量線から、遊離残留塩素濃度を求めた。
(d)全残留塩素濃度
上記(c)で得られた混和溶液50mLに、ヨウ化カリウム約0.5gを加えて溶解した。次にヨウ化カリウム添加後の溶液の約3mLを吸収セルに採り、光電分光光度計を用いて、ヨウ化カリウム添加後2分後における波長528nmにおける吸光度を測定し、予め作成した検量線から、全残留塩素濃度を求めた。
[実験例1]
図6の残留塩素測定装置を用いて、各試料液について、印加電圧と酸化還元電流との関係を示すポーラログラムを調べた。ただし、加電圧機構78としては、電圧を連続的に変化させられるものを用い、掃引速度は50mV/分で電圧を掃印した。検知極72としては、直径2mmの金電極を用い、線速度で約100cm/sが得られる程度の回転を与えた。対極74は銀/塩化銀である。
結果を図7に示す。図7において、「次亜塩素酸 1mg/L」は、遊離残留塩素濃度が約1mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム溶液のポーラログラムを、「ジクロロ 6mg/L」は、全残留塩素濃度が約6mg/Lのジクロロスルファミン酸溶液のポーラログラムを、「モノクロロ 6mg/L」は、全残留塩素濃度が約6mg/Lのモノクロロスルファミン酸溶液のポーラログラムを、「脱塩水」は、脱塩水のポーラログラムを、各々示す。
図7の結果より、第1の印加電圧Vの+100〜−50mVの範囲では、「次亜塩素酸 1mg/L」のポーラログラムが示すように、遊離残留塩素濃度との関係で、良好なプラトー流域(印加電圧が若干ずれても、電流がほとんど変化しない領域)が得られた。
また、この範囲の「モノクロロ 6mg/L」のポーラログラムでは、全残留塩素濃度が「次亜塩素酸 1mg/L」の6倍であるにもかかわらず、電流値が小さい。すなわち、この範囲では、結合残留塩素の影響を殆ど受けずに、遊離残留塩素濃度に対応した酸化還元電流が得られることが分かった。
また、第2の印加電圧Vの−150〜−250mVの範囲では、「次亜塩素酸 1mg/L」、「ジクロロ 6mg/L」、「モノクロロ 6mg/L」のポーラログラムが示すように、遊離残留塩素濃度と結合残留塩素濃度の双方のポーラログラムが充分な感度で電流を発生させることが分かった。また、この範囲の「脱塩水」のポーラログラムの電流値は小さい。すなわち、この範囲では、結合残留塩素に対応した酸化還元電流と遊離残留塩素濃度に対応した酸化還元電流とが加算された電流を得られることが分かった。
[実験例2]
図1〜3に示した残留塩素測定装置を用いて、種々の濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液、ジクロロスルファミン酸溶液、モノクロロスルファミン酸溶液について、印加電圧0mV、または印加電圧−200mVにおける酸化還元電流値を調べた。
検知極2としては直径1mmの金電極を用い、対極3としては直径0.6mmの銀線に塩化銀をメッキした銀/塩化銀線を用いた。検知極2と対極3の検知極2に最も近接した部分との距離は、2mmであった。また、遮蔽材4は、内側の断面の半径rが5mmである円形の筒状体とした。遮蔽材4によって囲まれる領域の下端である開口4aと検知極2の距離dは、4mmとした。また、酸化還元電流の値を読み込むタイミングは、酸化還元電流の測定開始から30秒後とした。
結果を図8〜図10に示す。図8〜図10において、「次亜塩素酸」は次亜塩素酸ナトリウム溶液を、「ジクロロ」はジクロロスルファミン酸溶液を、「モノクロロ」はモノクロロスルファミン酸溶液を、各々示す。
また、図8の横軸は遊離残留塩素濃度のDPD分析値であり、図9、10の横軸は全残留塩素濃度のDPD分析値である。
図8に示すように、印加電圧0mVにおける酸化還元電流は遊離残留塩素濃度(DPD分析値)と良好な相関関係にあることが分かった。また、図9において、「モノクロロ」の電流値が全残留塩素濃度の値にかかわらず、ほぼ一定の低い値であったことから、印加電圧0mVにおける酸化還元電流は結合残留塩素濃度には殆ど影響されないことが分かった。
また、図10に示すように、印加電圧−200mVにおける酸化還元電流値は、「モノクロロ」と「ジクロロ」の双方の濃度と相関することから、結合残留塩素に対応した酸化還元電流と遊離残留塩素濃度に対応した酸化還元電流とが加算された電流を得られることが分かった。
[実施例1]
実験例2で用いたのと同じ残留塩素測定装置である1号機と2号機を用いて、種々の試料液について、印加電圧0mVにおける酸化還元電流値と印加電圧−200mVにおける酸化還元電流値を測定した。結果を表1、表2に示す。なお、表1、2における電流値は、基準温度25℃で温度補正された電流値である。
また、得られた印加電圧0mVと印加電圧−200mVにおける各々の酸化還元電流値を用いて、本発明の方法(温度補正は行ったが、ゼロ補正はしていない。)に基づき、遊離残留塩素濃度と全残留塩素濃度を求めた。
結果を表1、図11、図12に示す。図11の横軸は遊離残留塩素濃度のDPD分析値であり、図12の横軸は全残留塩素濃度のDPD分析値である。また、図11の縦軸は本発明の方法による遊離残留塩素濃度の測定値であり、図12の縦軸は本発明の方法による全残留塩素濃度の測定値である。
[実施例2]
脱塩水を用いてゼロ補正をした以外は、実施例1と同様にして、遊離残留塩素濃度と全残留塩素濃度を求めた。
結果を表2、図13、図14に示す。図13の横軸は遊離残留塩素濃度のDPD分析値であり、図14の横軸は全残留塩素濃度のDPD分析値である。また、図13の縦軸は本発明の方法による遊離残留塩素濃度の測定値であり、図14の縦軸は本発明の方法による全残留塩素濃度の測定値である。
図11〜図14に示すように、ゼロ補正の有無にかかわらず、本発明の測定方法により、DPD分析値と相関のある遊離残留塩素濃度と全残留塩素濃度を求めることができた。
したがって、本発明によれば、試薬を用いることなく、遊離残留塩素濃度と結合残留塩素濃度を区別して測定でき、全残留塩素濃度の測定も可能であることが確認できた。
本発明は、冷却水、紙パルププロセス水、集塵水、スクラバー水、噴水など、ハロゲン系酸化剤と、ハロゲン系酸化剤の分解を抑制する安定化剤が添加された水の管理に好適に使用できる。
1…支持チップ、2…検知極、3…対極、4…遮蔽材、5…保持材、
10〜12…電極ユニット、20…試料液容器、30…加電圧機構、40…電流計、
50…配線、
71…測定セル、72…検知極、74…対極、78…加電圧機構、79…電流計

Claims (4)

  1. ハロゲン系酸化剤、及びスルファミン酸又はその塩が添加された水を試料液として、ジエチル−p−フェニレンジアミン比色法と相関関係を有する遊離残留塩素濃度Nfと結合残留塩素濃度Ncを求める残留塩素測定装置であって、
    試料液に浸漬される金製の検知極、及び銀/塩化銀製の対極と、
    前記検知極と対極との間に、第1の印加電圧V1及び第2の印加電圧V2を順次与える加電圧機構と、
    前記検知極と対極との間に流れる酸化還元電流を測定する電流計と
    演算機構とを具備し、
    第1の印加電圧V1は、+100〜−50mVの範囲から、第2の印加電圧V2は、−150〜−250mVの範囲から、各々選択され、
    前記電流計は、前記加電圧機構が第1の印加電圧V1を与えた際に前記検知極と対極との間に流れる第1の酸化還元電流I(V1)と、前記加電圧機構が第2の印加電圧V2を与えた際に前記検知極と対極との間に流れる第2の酸化還元電流I(V2)とを、各々測定し、
    前記演算機構は、
    第1の酸化還元電流I(V1)から遊離残留塩素濃度Nfを求めるステップと、
    第2の酸化還元電流I(V2)から遊離残留塩素濃度Nfに基づく電流If(V2)を差し引いて結合残留塩素濃度Ncに基づく電流Ic(V2)を求め、電流Ic(V2)から結合残留塩素濃度Ncを求めるステップと
    を順次行うことを特徴とする残留塩素測定装置。
  2. 前記試料液が、次亜塩素酸若しくはその塩、及びスルファミン酸若しくはその塩が添加された水である請求項1に記載の残留塩素測定装置。
  3. ハロゲン系酸化剤、及びスルファミン酸又はその塩が添加された水を試料液として、ジエチル−p−フェニレンジアミン比色法と相関関係を有する遊離残留塩素濃度Nfと結合残留塩素濃度Ncを求める残留塩素測定方法であって、
    試料液に浸漬した金製の検知極と銀/塩化銀製の対極との間に+100〜−50mVの範囲から選択される第1の印加電圧V1を与え、該検知極と対極との間に流れる第1の酸化還元電流I(V1)を求めるステップと、
    前記検知極と対極との間に−150〜−250mVの範囲から選択される第2の印加電圧V2を与え、該検知極と対極との間に流れる第2の酸化還元電流I(V2)を求めるステップと、
    第1の酸化還元電流I(V1)から遊離残留塩素濃度Nfを求めるステップと、
    第2の酸化還元電流I(V2)から遊離残留塩素濃度Nfに基づく電流If(V2)を差し引いて結合残留塩素濃度Ncに基づく電流Ic(V2)を求め、電流Ic(V2)から結合残留塩素濃度Ncを求めるステップと
    を備えることを特徴とする残留塩素測定方法。
  4. 前記試料液が、次亜塩素酸若しくはその塩、及びスルファミン酸若しくはその塩が添加された水である請求項3に記載の残留塩素測定方法。
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