JP2008504172A - 車両乗員室用暖房、換気、または空調システムにおける粒子フィルタ用空気処理装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、車両乗員室用暖房、換気、または空調システムの１つの表面における微生物の発生を防止するための粒子フィルタ（１）、または組合せフィルタなどのための処理装置に関する。この装置は、基本的に揮発性処理剤の入った浸透可能な容器（６）を備え、既存のシステムの表面における微生物の発生を防止するために、この容器（６）を装置の任意のフィルタ（１）に取り付けることができるように、容器（６）フィルタ要素（３）の折目の間で固定する手段を備えている。

Description

本発明の分野は、車両キャビン用の暖房、換気、または空調設備で使用される空気処理装置におけるフィルタまたは蒸発器の表面などの、微生物の発生を助長する可能性がある面を処理するための薬剤を使用する装置に関する。

車両キャビン用の暖房、換気、または空調設備の分野で生じる一般的な問題は、微生物の発生を助長する可能性がある粒子フィルタまたは組合せフィルタなどの、蒸発器およびフィルタの表面処理に関する。この設備には、車両キャビンの方へ、空気流によって運ばれ、乗客にとって気になる臭気が生じる。この臭気は、ガス状汚染物質の吸着／脱着に伴う現象によってだけでなく、微生物の増殖によっても引き起こされる。

かかる微生物の発生を防止するために、フィルタを設備内部に配置する前に、そのフィルタに対して、特定の処理を施こすことが知られている。また、臭気への対処として、脱臭剤または防腐剤のスプレーを使用できることが知られている。

このような設備の処理は、長期の使用に対して満足できるものではなく、その結果、頻繁に繰り返えす必要があるということが判明している。さらに、その効率は、微生物がコロニー化したゾーンに対しては、不確実で変化しやすい。さらに、定期的に適用される処理は、予防的なものではなく、そのため、その実施を頻繁に行うことが、不可欠である。

また、処理剤を分散させることによって空気を処理するための装置を設けるための区画を、フィルタにおけるフレーム構造体に付加することも提案されている。かかる構成の不利な点は、その大きさにある。その大きさは、フィルタにおけるフィルタ要素の容積と等しい使用可能な容積のために制限されてしまう。さらに、装置を取り付けるには、フィルタの配置を変更する必要があるが、そのために、既存のフィルタに装置を適合させることができなくなる。

本発明の目的は、微生物の発生を防止するために、車両キャビン用の暖房、換気、または空調設備を処理するための装置を提供することにある。

特に、本発明は、あまり大きくなく、フィルタを設備の定位置に配置したときに何も妨げず、かつフィルタに取り付けることによって、既存の任意の設備の内部に配置することができ、さらに、長期にわたって、効率的で、信頼性があり、簡単に取り外し可能な装置を提案するものである。

本発明による装置は、微生物の発生を防止するために、車両キャビン用の暖房、換気、または空調設備のフィルタに嵌合させるようになっている。

この説明段階で、上記フィルタは、濾材とも呼ばれる折目付きのフィルタ要素を備えていることが分かると思う。詳細には、このフィルタ要素は、矩形フレームにおける凹部の内部に配置されたフレーム構造体によって支持されている。上記フィルタは、粒子フィルタであっても、あるいは活性炭を機械式粒子フィルタ要素と関連付けたフィルタなどの物理化学的な処理効果を有する組合せフィルタであってもよい。

本発明による装置は、大まかに言えば、主として、揮発性処理剤の入った浸透可能な容器からなっている。またこの装置は、容器をフィルタにおけるフィルタ要素の折目の間で取り付けるための手段も備えている。この構成により、既存の設備の表面における微生物の発生を防止するために、容器を、かかる設備の任意のフィルタに取り付けることができるようになっている。

容器は、フィルタ要素の全体寸法によって画成されるその内側容積内で、フィルタ要素の内部に配置するのが好ましい。

処理剤は、抗菌特性または殺菌特性を有するものとされる。またこの処理剤は、車両キャビン内の空気に快適な匂いを送り出すために、脱臭特性を、単独で、または上述の他の特性と組み合わせて発揮するものとするのが好ましい。

取付手段の第１の実施形態によれば、この手段は、容器をフィルタ要素に取り付けるための少なくとも１つの器具からなっている。

より詳細には、上記取付器具は、例えばステープルの形をした、フィルタ要素の折目を把持するための固定具からなっている。例えば、この固定具は、圧入タイプ、クランプタイプ、入れ子器具タイプ、または目打ちタイプのどれであっても、また、他の任意の同様のタイプの固定具であってもよい。

第１の実施形態によれば、容器は、それ自体を、フィルタ要素の全般的平面上の定位置に簡単に保持するために、その少なくとも一方の端部に、または両端に、いわゆる把持器具を備えている。

第２の実施形態によれば、把持具は、容器と同時に、フィルタ要素の少なくとも１つの折目を把持する、取り外し可能な支持要素である。

取付手段の第３の実施形態によれば、この手段は、容器をフィルタ要素に接着剤で貼り付けるタイプのものである。例えば、容器は、それ自体をフィルタ要素の折目部分に取り付けるために、両側の少なくとも一方に接着紙を備えており、接着紙の接着側は、即座に取り外し可能な保護フィルムを備えていることが好ましい。

取付手段の第４の実施形態によれば、その手段は、フィルタのフレーム構造体に、より詳細には、フレーム構造体の矩形フレームの片側に容器を保持するための少なくとも１つの支持具からなっている。容器をフィルタ要素の全般的平面に簡単に支持するために、容器の両端を、矩形フレームの２つの向かい合う側部に取り付けるのが好ましいことは分かると思う。

この支持具は、容器をフィルタに取り付けるときに、任意の寸法のフレーム構造体に即座に合わせることができ、必要な長さに簡単に分割することができるようになっていると有利である。

容器の好ましい実施形態によれば、この容器は、その中に入っている処理剤を交換するための内部へのアクセス用の扉を備えている。例えば、このアクセス用の扉は、開位置にあるときに、容器の内側へのアクセスを可能にする、連符式のものであるのがよい。

第１の実施形態によれば、容器は、液状の処理剤のための支持要素、詳細には多孔質の要素を含むのが好ましい。処理剤は、事前に処理剤に含浸された多孔質の要素を交換することによって、または容器の内部に配置された多孔質の要素に、処理剤を１回分追加することによって、補充することができる。

第２の実施形態によれば、取付手段は、容易に復帰可能なタイプのものである。例えばそれらは、上述の取り外し可能な取付要素、または他の同様の、容器を交換することによって処理剤を交換するための取付手段からなっていてもよい。

容器は、浸透可能にするために、微細孔材料で形成されていることが好ましい。代替実施形態によれば、容器に、処理剤が放出される穿孔を施こすことによって、浸透可能とされる。

次に示す実施形態の例の説明を、添付の図を参照して読めば、本発明がよりよく理解されると思う。

図１では、車両キャビン用の暖房、換気、または空調設備を介して、空気循環を処理するための粒子フィルタ１、または組合せフィルタ、またはそれと同様のフィルタに、フィルタ１を通過する空気を処理し、かつ微生物の発生に対処するためのフィルタ要素３を設け、かつ微生物の発生に対処するために、空気流が通過する蒸発器の表面を処理するための空気処理装置２が嵌合されている。

このフィルタ１は、ほぼ矩形のフレーム構造体４からなり、フィルタ要素３、すなわち濾材は、矩形フレームの凹部内に広がっている。このフィルタ要素３は、複数の折目５、または同様の構成を含むタイプのものであり、かつ粒子フィルタ１の設置を容易にするために、このフィルタ要素３は、フレーム構造体４によって画成された容積を超えない、全般的に平らな容積部を画成していることに留意されたい。

空気処理装置２は、フィルタ要素３の２つの連続する折目５の間の定位置に保持され、揮発性処理剤を含む微細孔容器６からなっている。本発明の利点として、この装置２は、フィルタ１の設置を妨げないように、フィルタ要素３によって画成される全般的な平面内に設けられていることに留意されたい。濾材は、換気、暖房、または空調設備が運転中ではないときには取り外される。

図２〜図５では、容器６は、様々な実施形態からなる粒子フィルタへの取付手段を備えている。

図２では、容器６は、それをフレーム構造体４に、より詳細には、フレーム構造体の２つの向かい合う側部８、８’に取り付けるための支持具７、７’を備えている。この支持具７、７’は、容器６の各端部に形成された取付リブの対からなっている。これらの取付リブ７、７’は、その長さを既存の粒子フィルタ１のサイズと合わせるために、折ることができる。

本発明の好ましい一実施形態によれば、容器６は、取付リブ７、７’を使用して、矩形のフレーム構造体４の側部８、８’の間に圧入することによって、定位置に保持される。それにより、車両にすでに設けられている任意の粒子フィルタ１に設けることができる。

しかし、他の実施形態によれば、支持具７、７’の寸法は、粒子フィルタ１の製造中に、フレーム構造体４に取り付けられた任意の粒子フィルタ１の寸法に合わせるように調節される。粒子フィルタ１は、接着、溶接、さらにはインサート成形、または同様の取付法によって、フレーム構造体４に取り付けられる。

図３では、容器６は、容器６とフィルタ要素３の少なくとも１つの折目５を一緒に把持する、１つ、または複数の取り外し可能な把持具９を備えている。この取り外し可能な把持具９は、詳細には、フィルタ要素３の折目５と、好ましくは断面が円筒形の容器６を把持し、それらを一緒に保持するクリップからなっている。この実施形態によると、容器６の容易な交換を初め、処理剤の交換が可能になる。

図４および図５に示す容器６は、液状処理剤の支持要素１０を備えている。図４に示すように、より詳細には、容器６は、処理剤の交換のための、内側容積部アクセス用の扉１１を備えている。このアクセス用の扉１１は、容器６と共にインサート成形によって得られ、単一部品の組立体を形成する、容器６の連節式の壁によって形成すると有利である。この組立体は、特にプラスチック材料、より詳細には、微細孔ポリプロピレンで形成される。

図４では、容器６は、接着式ストリップ１２によって、フィルタ要素３の折目５の１つに取り付けられる。この接着は、両面接着フィルムによって行われる。

図５では、容器６は、両端をフィルタ要素３の折目５上に固定する把持具１３を備えている。

図６〜図９では、把持具１３は、フィルタ要素３の折目５を通過し、保持器具と協働する孔開け器を備えるタイプのものである。

図６では、孔開け器は、保持ピン１５と協働する鉤１４の形をしている。

図７では、孔開け器は、ヘッドが弾性変形可能な鉤１６の形をしている。把持具１３は、変形された孔開け器の鉤１６が通過し、次いで、それが最初の形状に戻ることによって、定位置に自然に保持される開口１７を備えている。

図８では、孔開け器は、固定具１３のハウジング１９の内部に位置するキーを形成する、独立したピン１８からなっている。

図９では、孔開け器は、締め付け座金２１を使用して保持される、独立したピン２０である。

図１０および図１１では、把持具１３は、クランプの一般的な形のものである。図１０では、クランプは、弾力性のある鉤２３を備える単一部品の器具２２からなっている。

図１１では、把持具１３は、フィルタ要素３の折目５を把持するように、互いに協働する要素２４と２５の対からなっている。

粒子フィルタのフィルタ構造体の折目に配置された車両キャビン用の暖房、換気、または空調設備の空気処理装置の斜視図である。 図１に示した装置が配置されるフィルタ要素によって画成された容積部内にある、その装置のための取付手段の実施形態の例の図である。 図１に示した装置が配置されるフィルタ要素によって画成された容積部内にある、その装置のための取付手段の実施形態の例の図である。 図１に示した装置が配置されるフィルタ要素によって画成された容積部内にある、その装置のための取付手段の実施形態の例の図である。 図１に示した装置が配置されるフィルタ要素によって画成された容積部内にある、その装置のための取付手段の実施形態の例の図である。 図５に示したタイプの取付手段の代替実施形態の概略図である。 図５に示したタイプの取付手段の代替実施形態の概略図である。 図５に示したタイプの取付手段の代替実施形態の概略図である。 図５に示したタイプの取付手段の代替実施形態の概略図である。 図５に示したタイプの取付手段の代替実施形態の概略図である。 図５に示したタイプの取付手段の代替実施形態の概略図である。

符号の説明

１ フィルタ
２ 空気処理装置
３ フィルタ要素
４ フレーム構造体
５ 折目
６ 容器
７ 支持具
７’ 支持具
８、８’ 側部
９ 把持具
１０ 支持要素
１１ 扉
１２ 接着式ストリップ
１３ 把持具
１４ 鉤
１５ 保持ピン
１６ 鉤
１７ 開口
１８ 保持ピン
１９ ハウジング
２０ ピン
２１ 座金
２２ 器具
２３ 鉤
２４、２５ 要素

Claims (14)

1. 車両キャビン用の暖房、換気、または空調設備のためのフィルタ（１）に使用され、フィルタ（１）が、折目（５）を付きのフィルタ要素（３）を備える、例えば抗菌および殺菌処理のための処理装置であって、主に、揮発性処理剤が入った浸透可能な容器（６）を有し、既存の設備の表面における微生物の発生を防止するべく、前記容器（６）を、前記設備の任意のフィルタ（１）に取り付けることができるように、前記容器（６）を前記フィルタ（１）に、前記フィルタ要素（３）の折目の間で取り付ける手段を備えることを特徴とする処理装置。
2. 前記容器が、フィルタ要素（３）の全体寸法によって画成されるその内側容積内で、前記フィルタ要素（３）の内部に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の空気処理装置。
3. 前記取付手段は、前記容器（６）を前記フィルタ要素（３）に取り付けるための少なくとも１つの装置からなることを特徴とする請求項１または２に記載の空気処理装置。
4. 前記取付装置は、前記フィルタ要素（３）の折目（５）を把持するための把持具（９、１３）からなることを特徴とする請求項３に記載の空気処理装置。
5. 前記把持具（１３）は、圧入タイプ、クランプタイプ、入れ子タイプ、または目打ちタイプのいずれかであることを特徴とする請求項４に記載の空気処理装置。
6. 前記容器（６）は、その少なくとも一方の端部に、把持具（１３）を備えていることを特徴とする請求項３〜５のいずれかに記載の空気処理装置。
7. 前記把持具（１３）は、前記容器（６）とフィルタ要素（３）の折目（５）を合わせて把持する前記容器（６）における、取り外し可能な把持具（９）であることを特徴とする請求項３〜５のいずれかに記載の空気処理装置。
8. 前記取付手段は、前記容器（６）を前記フィルタ要素（３）に接着剤（１２）で貼り付けるタイプのものであることを特徴とする請求項１または２に記載の空気処理装置。
9. 前記容器（６）は、それ自体を前記フィルタ要素（３）の折目（５）に取り付けるために、両側面の少なくとも一方に、接着紙を備えていることを特徴とする請求項８に記載の空気処理装置。
10. 取付手段は、前記フィルタ（１）におけるフレーム構造体（４）に前記容器（６）を保持するための、少なくとも１つの支持具（７、７’）からなっていることを特徴とする請求項１および２のいずれかに記載の空気処理装置。
11. 前記フレーム構造体（４）は、ほぼ矩形のフレームの形をし、前記フィルタ要素（３）は、前記フレームの開口の内部に伸びていることを特徴とする請求項１０に記載の空気処理装置。
12. 前記容器（６）は、その中に入っている処理剤を交換するための容積部に通じるアクセス用の扉（１１）を備えていることを特徴とする請求項１〜１１のいずれかに記載の空気処理装置。
13. 前記容器（６）は、浸透可能にするために、微細孔材料で形成されていることを特徴とする請求項１〜１２のいずれかに記載の空気処理装置。
14. 前記処理剤は、抗菌特性または殺菌特性または脱臭特性を有する少なくとも１つの薬剤であることを特徴とする請求項１〜１３のいずれかに記載の空気処理装置。

Images