JPH10314291A - 空気浄化機能を付加した換気機器 - Google Patents

空気浄化機能を付加した換気機器

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JPH10314291A
JPH10314291A JP9126921A JP12692197A JPH10314291A JP H10314291 A JPH10314291 A JP H10314291A JP 9126921 A JP9126921 A JP 9126921A JP 12692197 A JP12692197 A JP 12692197A JP H10314291 A JPH10314291 A JP H10314291A
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air
porous
active molecule
antibacterial
deodorant
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JP9126921A
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Kenzo Takahashi
健造 高橋
Naoshi Yokoie
尚士 横家
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 健康で衛生的な空気環境を実現するに当た
り、換気機器と空気浄化機器とは独立しているため、簡
便に実現できないという課題。 【解決手段】 換気扇7等の換気機器に徐放エレメント
8等の消臭・抗菌活性分子を徐々に放出する機構を組み
込み、室内に新鮮空気を供給すると共に室内空気を消臭
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は室内に新鮮空気を
供給する換気機器に関し、特に消臭活性分子あるいは抗
菌活性分子を徐々に放出する機構を組み込み、室内に上
記活性分子を含んだ新鮮空気を供給することにより換気
と同時に汚染された室内空気を消臭あるいは抗菌する空
気浄化機能を付加した換気機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、冷暖房効果を高めるために居住空
間の高気密・高断熱化が進むにつれて居住空間で発生し
た二酸化炭素の排出および消費された酸素の供給が課題
となり、換気機器による機械換気が不可欠となってきて
いる。また最近、上記居住空間における空気汚染が問題
となってきている。原因となる室内空気を汚染する物質
としては、塵埃、臭気ガス、有害ガス、空中浮遊微生物
等が挙げられる。
【0003】上記のような問題点を解消すべき手段とし
て、空気清浄機あるいは空清機能を組み込んだ空調機器
等が知られている。これらは室内空気を循環しながら上
記空気汚染物質を除去することにより居住空間の空気浄
化を行っている。このように、高気密・高断熱住宅では
換気機器および空気清浄機あるいは空清機能を組み込ん
だ空調機器が必要となっている。また、例えば特開平8
−89566号公報に示されるような換気機器を組み込
んだ空気清浄機が知られているが、これは室内空気を循
環する空気清浄機と給排気を行う換気装置を単に併設し
たものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高気密・高断熱住宅で
は健康で衛生的な空気環境を形成・維持するために「換
気機能」および「空気浄化機能」が不可欠である。前者
は室内の汚染空気と室外の新鮮空気を交換することによ
り機能し、後者は室内空気を空気清浄機を介して循環す
ることにより機能する。両者は気流が異なるために独立
した機器が用いられるのが一般的である。また、併設し
た機器が用いられる場合でも、個々の機能が個別に発揮
されるに留まっていた。
【0005】この発明は健康で衛生的な空気環境をより
簡便に実現することを目的とし、一台の機器で換気機能
と空気浄化機能を実現する方式を種々検討した。その結
果、新鮮な空気を供給するという換気機器のもつ性質に
着目し、人体に無害な「消臭活性分子」あるいは「抗菌
活性分子」を徐々に放出する機構を換気機器に有機的に
結び付けることにより本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る空気浄化
機能を付加した換気機器は、換気機器に消臭活性分子を
徐々に放出する機構を組み込み、室内に新鮮空気を供給
すると共に室内空気を消臭するものである。
【0007】また、前記消臭活性分子を多孔質マイクロ
カプセルに封入したものである。
【0008】また、前記多孔質マイクロカプセルを担体
に固定した消臭活性分子徐放エレメントを換気機器に組
み込んだものである。
【0009】また、多孔質中空繊維または中空多孔質膜
の中空部に前記消臭活性分子を封入した消臭活性分子徐
放エレメントを換気機器に組み込んだものである。
【0010】また、換気機器に抗菌活性分子を徐々に放
出する機構を組み込み、室内に新鮮空気を供給すると共
に室内空気を抗菌するものである。
【0011】また、前記抗菌活性分子を多孔質マイクロ
カプセルに封入したものである。
【0012】また、前記多孔質マイクロカプセルを担体
に固定した抗菌活性分子徐放エレメントを換気機器に組
み込んだものである。
【0013】また、多孔質中空繊維または中空多孔質膜
の中空部に前記抗菌活性分子を封入した抗菌活性分子徐
放エレメントを換気機器に組み込んだものである。
【0014】また、換気機器に消臭・抗菌活性分子を徐
々に放出する機構を組み込み、室内に新鮮空気を供給す
ると共に室内空気を消臭・抗菌するものである。
【0015】また、前記消臭・抗菌活性分子を多孔質マ
イクロカプセルに封入したものである。
【0016】また、前記多孔質マイクロカプセルを担体
に固定した消臭・抗菌活性分子徐放エレメントを換気機
器に組み込んだものである。
【0017】また、多孔質中空繊維または中空多孔質膜
の中空部に前記消臭・抗菌活性分子を封入した消臭・抗
菌活性分子徐放エレメントを換気機器に組み込んだもの
である。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態を図につい
て説明する。この発明を構成する人体に無害な消臭活性
分子あるいは抗菌活性分子としては、室温で液体ても固
体でも構わないが、固体の活性分子は昇華性である必要
がある。消臭活性分子としては楠から抽出さされた樟脳
が用いられ、抗菌活性分子としてはナフタレン、ベイオ
イル、シナモンリーフオイル、クローブバドオイル、オ
リガナムオイル等が用いられる。また、消臭・抗菌活性
分子としては檜やヒバから抽出されたフィトンチッドや
ヒノキチオールが用いられる。実施例では消臭機能と抗
菌機能を併せ持つヒノキチオールを活性分子として用い
た場合について詳述する。図1は上述した樟脳、ナフタ
レンおよびヒノキチオールの分子構造および物性を示し
た図である。
【0019】この発明を構成する徐放エレメントとして
は多孔質マイクロカプセルを用いたものと多孔質中空繊
維あるいは中空多孔質膜を用いたものが挙げられる。前
者を実施例1に、後者を実施例2、3に詳述する。ま
た、空気浄化機能を付加した換気機器として徐放エレメ
ントを組み込んだ場合と除塵フィルターと一体化した場
合がある。前者を実施例4に、後者を実施例5に詳述す
る。いずれの場合も本発明において特徴的なことは、換
気機器が一般的に室内へ給気された新鮮空気が直ちに排
気されないよう設計される点に着目し、このような給気
と共に活性分子を徐々に放出して室内の空気の浄化を素
早く行った点にある。
【0020】
【実施例】
実施例1.(多孔質マイクロカプセルの場合) 以下に消臭・抗菌活性分子を多孔質マイクロカプセルに
封入した場合の実施例を説明する。上述したヒノキチオ
ールを液状のモノマーに予め溶解し、上記液体を水中に
微粒子状に分散することにより乳化重合の製法で多孔質
マイクロカプセルを製造した。乳化剤としては市販の界
面活性剤を用いることができる。ミルク状の液体を乾燥
空気の気流にスプレーして乾燥することによりヒノキチ
オールを封入した多孔質マイクロカプセルを回収した。
不織布の片面より粘着材をスプレーで塗布した後に上記
多孔質マイクロカプセルを吹き付けて固定した。
【0021】上記多孔質カプセルを担持した不織布をエ
レメント枠に固定して徐放エレメントを作成した。図2
は上述した徐放エレメントを模式的に示した斜視図であ
る。図において、1はエレメント枠、2は上述の如く不
織布の片面より粘着材をスプレーで塗布した後に上記多
孔質マイクロカプセルを吹き付けて固定し作成した機能
性不織布である。このような徐放エレメントを換気機器
に組み込むことにより、室内に給気された新鮮空気と共
に消臭・抗菌活性分子が室内へ供給される。
【0022】従来、換気機器と単純なフィルターを融合
させたものでは、室内に供給されるのは消臭等がされた
きれいな新鮮空気であるというだけで、その新鮮空気自
体には消臭・抗菌作用はなく、空気の入れ替えをもって
そのような効果が発揮されるものであった。本実施例で
は換気機器がもともと室内へ新鮮空気を効率的に供給し
行き渡らせることを目的として設置されるのが一般であ
るから、このような新鮮空気に活性分子を含ませれば、
活性分子が室内に効率的に行き渡り、室内の消臭・抗菌
が素早く行えるようになる。
【0023】実施例2.(多孔質中空繊維の場合) 徐放エレメントを構成する多孔質中空繊維としては浄水
器等に用いられているポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル等の多孔質中空繊維が用いられる。消臭あ
るいは抗菌活性分子の徐放性能は中空繊維の表面に形成
した細孔の孔径および単位面積当たりの孔数で制御す
る。孔径としては1〜10ミクロン程度が好適であり、
単位面積あたりの孔数としては1cm2当たり103〜
105が好適である。外径が0.2〜1mmの多孔質中
空繊維の中空部に加熱して溶融したヒノキチオールある
いは溶剤に溶解したヒノキチオールを注入し、自然冷却
あるいは溶剤の蒸発により固体化する。
【0024】上記ヒノキチオールを封入した多孔質中空
繊維を適当な長さに切断し、2枚の不織布の間に分散し
たものをエレメント枠に固定して徐放エレメントを作成
した。また、ヒノキチオールを封入した多孔質中空繊維
を適当な長さに切断し、接着剤を用いてシート上に分散
して固定した。図3は上述した徐放エレメントを模式的
に示した斜視図である。図において、1はエレメント
枠、3はハニカム状に成形してエレメント枠1に固定し
たハニカム状シートである。このような徐放エレメント
を換気機器に組み込むことにより、室内に給気された新
鮮空気と共に消臭・抗菌活性分子が室内へ供給される。
【0025】本実施例についても、実施例1の場合と同
様、換気機器がもともと室内へ新鮮空気を効率的に供給
し行き渡らせることを目的として設置されるのが一般で
あるから、このような新鮮空気に活性分子を含ませるこ
とにより、活性分子が室内に効率的に行き渡り、室内の
消臭・抗菌が素早く行えるようになる。
【0026】実施例3.(中空多孔質膜の場合) 徐放エレメントを構成する多孔質膜としてはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオ
ロエチレン等の多孔質膜が用いられる。消臭あるいは抗
菌活性分子の徐放性能は孔径および単位面積当たりの孔
数で制御する。孔径としては1〜10ミクロン位が好適
であり、単位面積当たりの孔数としては1cm2当たり
103〜105位が好適である。幅が1〜5cmの2枚
の上記多孔質膜の両端を熱融着または接着して帯状の中
空多孔質膜を形成する。
【0027】ヒノキチオールを融点まで加熱して液化
し、中空多孔質膜の中空部に注入する。長尺の中空多孔
質膜の場合には風路を形成する波板状のセパレータと共
にスパイラル状に積層してエレメント枠に挿入し、徐放
エレメントを形成する。短冊状の中空多孔質膜の場合に
は風路を形成するリブ状のセパレータと共に平行に積層
してエレメント枠に挿入し、徐放エレメントを形成す
る。
【0028】図4、図5は上述した徐放エレメントを模
式的に示した斜視図である。図4において、1はエレメ
ント枠、4は上述した長尺の中空多孔質膜4を風路を形
成する波板状のセパレータ5と共にスパイラル状に積層
してエレメント枠1に固定したものである。また、図5
において、1はエレメント枠、4は上述した短冊状の中
空多孔質膜4を風路を形成するリブ状のセパレータ6と
共に平行に積層してエレメント枠1に固定したものであ
る。
【0029】このような徐放エレメントを換気機器に組
み込むことにより、室内に給気された新鮮空気と共に消
臭・抗菌活性分子が室内へ供給される。本実施例につい
ても、実施例1の場合と同様、換気機器がもともと室内
へ新鮮空気を効率的に供給し行き渡らせることを目的と
して設置されるのが一般であるから、このような新鮮空
気に活性分子を含ませることにより、活性分子が室内に
効率的に行き渡り、室内の消臭・抗菌が素早く行えるよ
うになる。
【0030】実施例4.(徐放エレメントを組み込んだ
換気機器) 図6、図7は上記実施例1〜3の徐放エレメントを換気
機器に組み込んだ場合の実施例を示す模式図である。図
6において、7はプロペラファン等で送風され従来一般
的に使用されている給気用の換気扇、OAは室外空気、
SAは室内に供給される空気で、このような換気扇7に
よって室内へ新鮮空気が供給される。8は換気扇7の下
流側に配設され、実施例1〜3で詳述した徐放エレメン
トである。尚、本実施例の場合、換気扇7と徐放エレメ
ント8とは一体的に構成され、給気用換気機器を構成し
ている。
【0031】また、図7において、9は遠心ファン等で
送風され従来一般的に使用されている室内空気と室外空
気とを顕熱交換あるいは全熱交換しながら換気する熱交
換器、OAは室外空気、SAは室内に供給される空気、
RAは室内空気、EAは室外に排出される空気で、OA
からSA方向に給気流を、RAからEA方向に排気流を
形成する。このような換気扇9によって室内へ新鮮空気
が供給され、同時に室内の淀んだ空気が排出される。8
は図6と同様な徐放エレメントで、給気流路における熱
交換器9の下流側(室内側)に配設されている。尚、本
実施例の場合、熱交換器9と徐放エレメント8とは一体
的に構成され、熱交換型換気機器を構成している。
【0032】上記のように構成された換気機器は、モー
タの駆動力によって回転するプロペラファンあるいは遠
心ファンにより新鮮空気である室外空気OAを取り込
み、室内側へSAとして供給する。その際、新鮮空気は
SA側に配設された徐放エレメント8を通過する。図6
に示す換気扇7の場合、送風機として一般に風量が多い
が静圧の小さいプロペラファンを用いているため、徐放
エレメントは通気性が高く、低圧損のものが好ましい。
実施例2、3で作製した多孔質中空繊維、中空多孔質膜
を用いた徐放エレメントは低圧損であるため、これを換
気扇に組み込んだ換気機器を作製した。
【0033】図7に示す熱交換器9を組み込んだ熱交換
型換気機器の場合、送風機として比較的高静圧な遠心フ
ァンを用いるため、徐放エレメントは実施例1、2のい
ずれも適用可能である。何れの換気機器の場合も、一般
に給気用の換気機器は新鮮空気を室内へ供給することが
目的であるから、その性質上供給した空気が直ちに排気
されたりしないよう設置されるのが通常であり、また、
室内へ効率的に行き渡ることが望まれるものである。
【0034】このような換気機器によって供給される新
鮮空気に徐放エレメントに代表されるような徐々に消臭
活性分子、抗菌活性分子または消臭・抗菌活性分子を放
出させることにより、これら活性分子が室内へ供給され
ていく。その際、上述したように換気機器の性質上、室
内へ供給された活性分子は直ちに排気されたりすること
がなく、また、室内へ効率的に行き渡ることになり、消
臭や抗菌のためだけに活性分子を室内へ振りまく場合と
比べ効率的であり、また、単に消臭や抗菌された後の新
鮮空気を供給し、それが蔓延するのを待つ場合に比べて
素早く消臭や抗菌が行える。
【0035】そして、消臭活性分子は室内空気の臭気ガ
スに作用し、臭気のマスキングあるいは臭気の無臭化を
行う。抗菌活性分子は室内空気中に浮遊するカビ(真
菌)の胞子や細菌に作用し、殺菌あるいは菌類の増殖を
抑制する。また、消臭・抗菌活性分子は上記両方の作用
を行う。尚、本発明の抗菌の概念に除菌も含まれること
は、発明の趣旨を逸脱しないことから明らかである。
【0036】実施例5.(徐放エレメントと除塵フィル
ターとを一体化した場合) 図8、図9は上記実施例1〜3の徐放エレメントを除塵
フィルターと一体化して換気機器に組み込んだ場合の実
施例を示す模式図である。図8において、7はプロペラ
ファン等で送風され従来一般的に使用されている給気用
の換気扇、OAは室外空気、SAは室内に供給される空
気で、このような換気扇7によって室内へ新鮮空気が供
給される。10は実施例1で詳述した不織布を用いた徐
放・除塵フィルターで、外気に含まれる塵埃や花粉を除
去するため、換気扇7の上流側(OA側)に配設され
る。尚、本実施例の場合、換気扇7と徐放・除塵フィル
ター10とは一体的に構成され、給気用換気機器を構成
している。
【0037】また、図9において、9は遠心ファン等で
送風され従来一般的に使用されている室内空気と室外空
気とを顕熱交換あるいは全熱交換しながら換気する熱交
換器、OAは室外空気、SAは室内に供給される空気、
RAは室内空気、EAは室外に排出される空気で、OA
からSA方向に給気流を、RAからEA方向に排気流を
形成する。このような換気扇9によって室内へ新鮮空気
が供給され、同時に室内の淀んだ空気が排出される。1
0は図8と同様な徐放・除塵フィルターで、給気流路に
おける熱交換器9の上流側(OA側)に配設されてい
る。尚、本実施例の場合、熱交換器9と徐放・除塵フィ
ルター10とは一体的に構成され、熱交換型換気機器を
構成している。
【0038】上記のように構成された換気機器は、モー
タの駆動力によって回転するプロペラファンあるいは遠
心ファンにより新鮮空気である室外空気OAを取り込
み、室内側へSAとして供給する。その際、新鮮空気は
OA側に配設された徐放・除塵フィルター10を通過す
る。図8、9に示す換気扇7、熱交換器9を組み込んだ
熱交換型換気機器の場合、実施例1で作製した不織布を
用いた徐放エレメントを用いられる。換気扇7、熱交換
器9のOA側に一体化された徐放・除塵フィルター10
を設置して空気浄化機能を付加した換気機器を作製し
た。
【0039】何れの換気機器の場合も、一般に給気用の
換気機器は新鮮空気を室内へ供給することが目的である
から、その性質上供給した空気が直ちに排気されたりし
ないよう設置されるのが通常であり、また、室内へ効率
的に行き渡ることが望まれるものである。このような換
気機器によって供給される新鮮空気に徐放・除塵フィル
ターに代表されるような徐々に消臭活性分子、抗菌活性
分子または消臭・抗菌活性分子を放出させることによ
り、実施例4の場合と同様、これら活性分子が室内へ供
給されていく。
【0040】その際、上述したように換気機器の性質
上、室内へ供給された活性分子は直ちに排気されたりす
ることがなく、また、室内へ効率的に行き渡ることにな
り、消臭や抗菌のためだけに活性分子を室内へ振りまく
場合と比べ効率的であり、また、単に消臭や抗菌された
後の新鮮空気を供給し、それが蔓延するのを待つ場合に
比べて素早く消臭や抗菌が行える。尚、本発明の抗菌の
概念に除菌も含まれることは、発明の趣旨を逸脱しない
ことから明らかである。
【0041】上記実施例で得た徐放エレメントの圧損、
消臭機能および抗菌機能の評価結果を表1に示す。消臭
機能は喫煙室に徐放エレメントと送風機を設置して運転
し、嗅覚による官能評価を実施した。抗菌機能は柴田科
学器械工業製の空中菌サンプラーセットを用いて室内空
気をメンブランフィルターにサンプリングし、30℃に
セットされたインキュベーターで培養して空気中に浮遊
するカビの胞子の増殖状態より判断した。
【0042】
【表1】
【0043】また、上記実施例で得た空気浄化機能を付
加した換気機器を高気密・高断熱住宅に設置して常時運
転を行った結果、新鮮空気の供給と同時に室内空気の消
臭効果が体感できた。また、室内の浮遊微生物量を東亜
電波工業製のATPアナライザーを用いて計測した結
果、生菌数が減少しており抗菌効果を確認することがで
きた。
【0044】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、こ
の発明によれば、換気機器に消臭活性分子を徐々に放出
する機構を組み込み、室内に新鮮空気を供給すると共に
室内空気を消臭するので、効率的で迅速な消臭が行え、
健康で衛生的な空気環境を簡便に実現できる効果が得ら
れる。
【0045】また、前記消臭活性分子を多孔質マイクロ
カプセルに封入したので、消臭活性分子を容易に得られ
る効果が得られる。
【0046】また、前記多孔質マイクロカプセルを担体
に固定した消臭活性分子徐放エレメントを換気機器に組
み込んだので、高い消臭性能を得ることができる効果が
得られる。
【0047】また、多孔質中空繊維または中空多孔質膜
の中空部に前記消臭活性分子を封入した消臭活性分子徐
放エレメントを換気機器に組み込んだので、静圧の小さ
な換気機器に対し換気性能の低下の影響を小さくできる
効果が得られる。
【0048】また、換気機器に抗菌活性分子を徐々に放
出する機構を組み込み、室内に新鮮空気を供給すると共
に室内空気を抗菌するので、効率的で迅速な抗菌が行
え、健康で衛生的な空気環境を簡便に実現できる効果が
得られる。
【0049】また、前記抗菌活性分子を多孔質マイクロ
カプセルに封入したので、抗菌活性分子を容易に得られ
る効果が得られる。
【0050】また、前記多孔質マイクロカプセルを担体
に固定した抗菌活性分子徐放エレメントを換気機器に組
み込んだので、高い抗菌性能を得ることができる効果が
得られる。
【0051】また、多孔質中空繊維または中空多孔質膜
の中空部に前記抗菌活性分子を封入した抗菌活性分子徐
放エレメントを換気機器に組み込んだので、静圧の小さ
な換気機器に対し換気性能の低下の影響を小さくできる
効果が得られる。
【0052】また、換気機器に消臭・抗菌活性分子を徐
々に放出する機構を組み込み、室内に新鮮空気を供給す
ると共に室内空気を消臭・抗菌するので、効率的で迅速
な消臭・抗菌が行え、健康で衛生的な空気環境を簡便に
実現できる効果が得られる。
【0053】また、前記消臭・抗菌活性分子を多孔質マ
イクロカプセルに封入したので、消臭・抗菌活性分子を
容易に得られる効果が得られる。
【0054】また、前記多孔質マイクロカプセルを担体
に固定した消臭・抗菌活性分子徐放エレメントを換気機
器に組み込んだので、高い消臭・抗菌性能を得ることが
できる効果が得られる。
【0055】また、多孔質中空繊維または中空多孔質膜
の中空部に前記消臭・抗菌活性分子を封入した消臭・抗
菌活性分子徐放エレメントを換気機器に組み込んだの
で、静圧の小さな換気機器に対し換気性能の低下の影響
を小さくできる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態における消臭活性分
子、抗菌活性分子、消臭・抗菌活性分子の分子構造と物
性とを示した図である。
【図2】 この発明の実施例1の徐放エレメントの構造
を示す斜視図である。
【図3】 この発明の実施例2の徐放エレメントの構造
を示す斜視図である。
【図4】 この発明の実施例3の徐放エレメントの構造
を示す斜視図である。
【図5】 この発明の実施例3の徐放エレメントの構造
を示す斜視図である。
【図6】 この発明の実施例4の空気浄化機能を付加し
た換気機器のうち、換気扇の例を示す模式図である。
【図7】 この発明の実施例4の空気浄化機能を付加し
た換気機器のうち、熱交換型換気機器の例を示す模式図
である。
【図8】 この発明の実施例5の空気浄化機能を付加し
た換気機器のうち、換気扇の例を示す模式図である。
【図9】 この発明の実施例5の空気浄化機能を付加し
た換気機器のうち、熱交換型換気機器の例を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 エレメント枠 2 不織布 3 ハニカムシート 4 中空多孔質膜 5 波板状のセパレーター 6 リブ状のセパレーター

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 換気機器に消臭活性分子を徐々に放出す
    る機構を組み込み、室内に新鮮空気を供給すると共に室
    内空気を消臭することを特徴とする空気浄化機能を付加
    した換気機器。
  2. 【請求項2】 前記消臭活性分子を多孔質マイクロカプ
    セルに封入したことを特徴とする請求項1記載の空気浄
    化機能を付加した換気機器。
  3. 【請求項3】 前記多孔質マイクロカプセルを担体に固
    定した消臭活性分子徐放エレメントを換気機器に組み込
    んだことを特徴とする請求項2記載の空気浄化機能を付
    加した換気機器。
  4. 【請求項4】 多孔質中空繊維または中空多孔質膜の中
    空部に前記消臭活性分子を封入した消臭活性分子徐放エ
    レメントを換気機器に組み込んだことを特徴とする請求
    項1記載の空気浄化機能を付加した換気機器。
  5. 【請求項5】 換気機器に抗菌活性分子を徐々に放出す
    る機構を組み込み、室内に新鮮空気を供給すると共に室
    内空気を抗菌することを特徴とする空気浄化機能を付加
    した換気機器。
  6. 【請求項6】 前記抗菌活性分子を多孔質マイクロカプ
    セルに封入したことを特徴とする請求項5記載の空気浄
    化機能を付加した換気機器。
  7. 【請求項7】 前記多孔質マイクロカプセルを担体に固
    定した抗菌活性分子徐放エレメントを換気機器に組み込
    んだことを特徴とする請求項6記載の空気浄化機能を付
    加した換気機器。
  8. 【請求項8】 多孔質中空繊維または中空多孔質膜の中
    空部に前記抗菌活性分子を封入した抗菌活性分子徐放エ
    レメントを換気機器に組み込んだことを特徴とする請求
    項5記載の空気浄化機能を付加した換気機器。
  9. 【請求項9】 換気機器に消臭・抗菌活性分子を徐々に
    放出する機構を組み込み、室内に新鮮空気を供給すると
    共に室内空気を消臭・抗菌することを特徴とする空気浄
    化機能を付加した換気機器。
  10. 【請求項10】 前記消臭・抗菌活性分子を多孔質マイ
    クロカプセルに封入したことを特徴とする請求項9記載
    の空気浄化機能を付加した換気機器。
  11. 【請求項11】 前記多孔質マイクロカプセルを担体に
    固定した消臭・抗菌活性分子徐放エレメントを換気機器
    に組み込んだことを特徴とする請求項10載の空気浄化
    機能を付加した換気機器。
  12. 【請求項12】 多孔質中空繊維または中空多孔質膜の
    中空部に前記消臭・抗菌活性分子を封入した消臭・抗菌
    活性分子徐放エレメントを換気機器に組み込んだことを
    特徴とする請求項9記載の空気浄化機能を付加した換気
    機器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277733A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Yyl:Kk 抗菌・抗ウイルス性繊維の製造方法と製造装置
CN108261907A (zh) * 2018-03-16 2018-07-10 合肥水木源工业设计有限公司 一种空气净化多功能装置

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