JP4292799B2 - 汚染空気の処理装置及びその処理方法 - Google Patents
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Description
本発明は汚染空気の処理装置及びその処理方法に関し、特に多湿汚染空気に対しても、脱臭処理、調湿処理、乾燥処理及び有害成分除去処理を行うことができる汚染空気処理装置ならびに処理方法に関する。
従来技術
水分及び汚染物質を含有する汚染空気の脱臭、調湿、乾燥及び有害成分除去を行う処理装置及び処理方法としては、例えば以下のようなものが知られている。
低濃度の汚染空気を処理するものとしては、家庭内で除塵を主目的としたHEPA(ヘパ:超高性能フィルタ)利用の空気清浄機が代表的である。また、中高濃度の汚染空気の脱臭処理、またはその中の有害成分を除去するものとしては、工場排ガスを処理する排煙脱硫装置の他に、水洗塔によるシャワリング処理、酸・アルカリ薬液による酸・塩基処理や、微生物利用の脱臭処理等がある。更に、化学工場から発生するような特異的な排ガスの処理には、製品工場建家別に酸・アルカリ薬液処理を行う上記酸・塩基処理や酸化剤による酸化反応処理等の化学的処理、仕上げに行われる活性炭吸着処理等がある。
また、調湿、乾燥処理方法に関しては、家庭用として、エアーコンディショナーの冷却作用を利用した方法が、また、工業用として、製品の乾燥を行うために熱風やヒータ加熱による方法がある。
現在普及している一般生活系での脱臭処理、調湿、乾燥処理、及び有害成分除去処理のための装置は多種多様にわたっている。しかし、これらの装置には未だ完全なものはなく、例えば、脱臭装置では、大半が微細な塵埃の捕集を目的とした方式であるに過ぎず、アセトアルデヒド、トルエン及びキシレン等の揮発性有機化合物(VOC)、シックハウス病の原因物質であるホルムアルデヒドや、腐敗促進物質のエチレン等を満足のいく処理ができないのが現状である。
一般家庭用の除湿方法として、上記したように、エアーコンディショナーの冷却作用を利用した除湿方法があるが、室内の冷え過ぎや電気代の高額化という問題があると共に、この場合の除湿装置はフレオンガス等の地球温暖化の原因となる冷媒を利用しているため、近い将来にはその使用が廃止され、製品として販売できなくなる恐れがある。
また、洗濯物等の乾燥機は熱風等を使用した回転系容器からなっているが、それらの設置場所を確保し難いという問題や、装置費、運転管理費、維持管理費等の高額化という問題がある。
更に、汚染物質除去等に関し、ユーザにはドライ型の活性炭吸着方式が維持管理面の点から好まれているが、活性炭は汚染物質の大半を吸着する反面、湿気の多い空気に触れるとその細孔部分が結露等ですぐに閉塞するという問題がある。そのため、活性炭の交換及び使用済み活性炭の再生費用に多額の費用を要するという問題がある。
本発明の目的は、上述の従来技術の問題点を解消することにあり、汚染空気の処理工程が複雑にならず、かつ安価な装置費、運転管理費及び維持管理費で、特に多湿汚染空気に対しても、その脱臭、調湿、乾燥、有害成分除去処理を効率的に行うことが可能な汚染空気処理装置及び処理方法を提供することにある。
発明の開示
本発明者らは、簡便な汚染空気の処理装置及びその処理方法を利用して上記従来技術の問題点を解決すべく、鋭意研究・検討を重ねてきたところ、活性炭の担持された不織布シートの層と天然ゼオライトに周波数2000〜6000MHzのマイクロ波を出力100W〜10KWで10分〜1時間の照射条件でマイクロ波照射して得られたゼオライトの層とを組み合わせることにより、脱臭、調湿、乾燥、有害成分除去を簡便にかつ安価に行える装置を開発するに至った。
すなわち、本発明の汚染空気の処理装置は、活性炭を不織布で両面から挟み込むかたちで形成し、加熱圧着処理して製造された不織布シートからなる層と、天然ゼオライトに周波数2000〜6000MHzのマイクロ波を出力100W〜10KWで10分〜1時間の照射条件でマイクロ波照射して得られたゼオライトからなる層とを具備し、該ゼオライト層が該不織布シート層の下流側に配設されていることからなる。
また、本発明の汚染空気の処理方法は、汚染空気を、活性炭を不織布で両面から挟み込むかたちで形成し、加熱圧着処理して製造された不織布シートからなる層を通過させ、次いで天然ゼオライトに周波数2000〜6000MHzのマイクロ波を出力100W〜10KWで10分〜1時間の照射条件でマイクロ波照射して得られたゼオライトからなる層を通過させて、水分及び汚染物質を除去することからなる。
本発明においては、不織布シートに更に光触媒を担持させた活性炭・光触媒担持不織布シートの複数層を用い、これらの不織布シート層の間に紫外線照射手段を配設した処理装置が好ましく、また、ゼオライト層の上流側でかつ不織布シート層の下流側に加熱手段を配設した処理装置が更に好ましい。
発明を実施するための最良の形態
汚染空気に含まれる代表的な汚染物質としては、アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン、二硫化メチル等の臭気成分、シックハウス病の原因物質であり、臭気成分の一種でもあるアセトアルデヒド、トルエン、キシレン、酢酸、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のVOCや、刺激臭のあるホルムアルデヒド、果実等の腐敗促進物質であるエチレン等が挙げられる。なお、臭気成分の多くは有害成分でもあるので、両者を明確に区別することはできない。
本発明の処理装置及び処理方法は、活性炭担持不織布シート層とマイクロ波照射済みゼオライト層とを組み合わせて、空気中に含まれる上記したような臭気成分及び有害成分を除去するものである。また、本発明は、汚染空気の調湿及び乾燥をも同時に実施することができる。
本発明において用いられる活性炭が担持された不織布シートからなる層は、例えば、表面にマクロ、ミクロにわたる無数の微細孔が分布する多孔質活性炭を所定の寸法の不織布表面に載置し、不織布で両面から挟み込んで、加熱圧着処理することにより得られる。
不織布の素材としては、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維、綿等の天然繊維などが用いられる。また、加熱圧着処理は、通常、60〜200℃の温度、0.1〜2kg/cm2・Gの圧力で行われ得る。この際、活性炭の細孔が閉塞しないように注意する必要がある。また、このシート層の形状は、特に制限されるものではなく、平板状であっても、例えば波形状、ハニカム状であってもよい。
このシートは、以下のような処理性能を有する。
(1)一定の厚さにし、それを複数枚重ねたものに通気しても圧力損失が小さく、汎用性の脱臭システムになり得る。
(2)活性炭担持不織布シートを波形またはハニカム形状に加工すれば、表面積を増加させることができ、処理性能が向上する。
(3)活性炭担持不織布シートは、任意の箇所で切断して、その周囲を枠で固定すれば、容易に脱臭装置への装着が可能なシート形状にすることができる。
このように、活性炭を不織布に担持させて、活性炭担持不織布シートの薄層とすることにより、活性炭を装置形状に合わせて利用することができる。更に、気体に対する圧力損失を小さくすることができるので、活性炭をそのまま固形物として有効に利用することが可能となる。また、活性炭の弱点であった多湿汚染空気の処理に関しては、後に説明するマイクロ波照射して得たゼオライトが特異的な水分の捕集性能を有することから、処理される多湿汚染空気の流れ方向に対して、上記ゼオライト層を活性炭担持不織布シート層の下流側に設けることにより、湿気を帯びた臭気成分等の汚染成分も充分に除去できるようになる。
本発明においては、不織布シートに更に光触媒を担持させた活性炭・光触媒担持不織布シートの複数層を用い、これらの不織布シート層の間に低圧水銀ランプ等の紫外線照射手段を配設して、汚染空気をこれらの不織布シート層と紫外線照射手段とを通過させて処理することが好ましい。
活性炭・光触媒担持不織布シート層は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム等の光触媒の微粒子を水に分散させてスラリーとし、このスラリー中に活性炭担持不織布シートを浸漬するか、またはこのスラリーを活性炭担持不織布シート層に塗布もしくは噴霧し、次いで乾燥することによって光触媒を固定化し、活性炭の細孔を埋めることなく、容易に得ることができる。この場合の乾燥工程は、例えば、不織布を傷めることのない100〜150℃の温度で約30分〜5時間ほど乾燥することにより行われる。また、光触媒に代えて、二酸化マンガン等の酸化剤を用いても同様の作用を達成することが可能である。
活性炭・光触媒担持不織布シート層は、通常2枚用いられるが、必要に応じて3枚以上使用することができる。
紫外線を照射するための低圧水銀ランプ等の紫外線照射手段は、活性炭・光触媒担持不織布シート層の間に配設することにより、照射紫外線を効率よく利用することができ、光触媒反応の効率が向上する。その結果、不織布シート層に吸着された臭気成分及び有害成分は、酸化触媒として作用する光触媒により分解され、例えば臭気成分は無臭成分になる。
上記活性炭・光触媒担持不織布シートに紫外線を照射すると、更に次のような作用がある。
(1)酸添着活性炭、アルカリ添着活性炭及び無添加活性炭のいずれをシート化したものでも、紫外線・光触媒による酸化分解反応が生起する。
(2)活性炭・光触媒担持不織布シートに捕捉される浮遊性細菌、カビ等の微生物は、紫外線照射または紫外線・光触媒酸化により殺菌され、処理対象空間の微生物の数が著しく低減される。同様に、処理対象空間にたとえウィルスが存在するような場合でも、ウィルスは紫外線照射または光触媒酸化により死滅される。
上記したように、活性炭・光触媒担持不織布シート層を用い、これらの不織布シート層の間に低圧水銀ランプ等の紫外線照射手段を配設した装置とすることにより、吸着された汚染物質が紫外線による光触媒反応により分解されるので、活性炭吸着性能が長期にわたって低下することがない。
更に、活性炭・光触媒担持不織布シート層で捕集された各種微生物及び/又はウィルスを紫外線または紫外線光触媒反応により殺菌及び/又は死滅することもできる。その結果、活性炭・光触媒担持不織布シート層の耐久性が大幅に向上する。
本発明において用いられるゼオライトは、天然ゼオライトにマイクロ波を照射することにより得られる。例えば、周波数2000〜6000MHzのマイクロ波を出力100W〜10KWで10分〜1時間の照射条件で、被処理ゼオライト中の付着水及び結晶水を気化させることにより上記ゼオライトが得られる。この照射条件において、一般に、周波数の高いマイクロ波を照射する場合は、上記の範囲内で出力と照射時間との積を小さくし、周波数の低いマイクロ波を照射する場合は、出力と照射時間との積を大きくすることが好ましい。
このようにして得られたマイクロ波照射処理されたゼオライトは、多孔質体化しかつ親水性が向上し、水分や汚染物質の吸着性能はもとより、加温すると水分の脱着性が向上する。すなわち、上記ゼオライトの表面は各種汚染物質が容易に内部に侵入可能なように数10μm程度の微細な多孔質を形成しており、その内部には各種汚染物質を分子レベルで捕集可能なように極く微細な孔(数オングストローム)が多数存在する。なお、従来の熱風処理されるゼオライトは、微細孔が少ない上にその径が大きいものしか得られない。
上記のようにして得られたゼオライトは所定寸法のカートリッジ内に層状に充填して、カートリッジ形態のゼオライト層として使用することが好ましい。
本発明においては、ゼオライト層の上流側で、かつ不織布シート層の下流側に加熱手段を配設することが特に好ましい。すなわち、加熱手段を稼働させてゼオライト層を加熱することにより、活性炭担持または活性炭・光触媒担持不織布シート層を通過してきた被処理空気中の水分を吸着したゼオライト層から水分が容易に脱着する。
加熱手段としては、面状発熱体(例えば通常の電気抵抗型ヒータ)やセラミックヒータ(例えばPTCサーミスタ)等のヒータが好ましく用いられる。また、ゼオライト層を適宜の時間間隔で、所定の温度、例えば40〜130℃、好ましくは50〜110℃、より好ましくは70〜100℃に加熱すると、ゼオライト層に吸着されていた水分更には汚染物質が脱着される。加熱手段の稼働中に脱着した水分や汚染物質を含む排気ガスを好ましくは別ルートで排気することにより、室内の調湿、除湿はもとより、洗濯物の乾燥も可能となる。その結果、加熱手段を適宜の時間間隔で稼動させることにより、ゼオライト層を繰り返し使用することが可能となる。具体的には、本発明において用いられるゼオライト層は、1000回以上の吸着・脱着サイクルが可能である。
マイクロ波加熱処理して得られた多孔質ゼオライト層及びその下流側に設けられた加熱手段は、以下のような作用がある。
(1)処理空気の関係湿度(相対湿度)を100%から10%までの範囲で容易に調整できる。
(2)水分を飽和近くまで吸着したゼオライトを所定の温度に加熱することにより、吸着した水分を可逆的に脱着できるので、マイクロ波処理して得られたゼオライトは何度でも繰り返し利用できる。
(3)アンモニアガス等の汚染物質を吸着処理して濃度を低下することができ、かつ加熱によって汚染物質を脱着することができる。
以上の通り、本発明は、活性炭担持不織布シートからなる層、または層間に紫外線照射手段を配置した複数枚の活性炭・光触媒担持不織布シート層と、マイクロ波照射して得られたゼオライトからなる層とを組み合わせることにより、前述した種々の処理性能の点で、従来のものよりも優れた汚染空気の処理方法を提供することができる。
本発明の汚染空気の処理方法は、例えば図5に示す処理装置を用いて実施できる。この汚染空気の処理装置は、送風機1と、複数枚(図5では2枚)の活性炭・光触媒担持不織布シート層2'と、マイクロ波照射して得られたゼオライトが充填されたカートリッジ3と、不織布シート層2'の間に配設された紫外線照射手段4と、ゼオライト充填カートリッジ3の上流側で不織布シート層2'の下流側に設けられた加熱手段5とを備えている。
図5において、送風機1を駆動して装置の前面側から汚染空気を吸引すると、処理空気中の汚染物質が不織布シート2'に吸着される。この際、吸着されたまたは処理空気中の一部の汚染物質は紫外線照射または紫外線・光触媒の酸化作用により分解される。次いで、処理された空気はカートリッジ3内のゼオライトに送気され、水分及び汚染物質がゼオライトに吸着される。その後、清浄になった除湿空気は室内に排出され循環される。このようにして、室内空気は関係湿度及び汚染物質の濃度が徐々に低下していく。また、加熱手段5を50〜130℃で適宜の時間間隔で稼働すれば、ゼオライトに吸着されていた水分及び汚染物質が脱着される。加熱手段5の稼働時には、例えば三方弁等の切替弁により、清浄空気排気口を閉塞し、水分及び汚染物質が脱着された空気の排出口を開口して、そのまま、あるいは例えばパイロットバーナを点火しながら別配管を経由して同空気を室外に排出する。
上記処理方法においては、紫外線照射手段と光触媒との作用により、不織布シート層に吸着した汚染物質の分解と共に、微生物を殺菌することができ、場合によってはウィルスが死滅される。これにより、活性炭・光触媒担持不織布シート層の交換間隔を大幅に延長することが可能となる。また、加熱手段を適宜の時間間隔で作動させることにより、その時間間隔に応じて、水分や汚染物質の吸着サイクルと脱着サイクルが繰り返され、ゼオライト層の交換頻度を大幅に低下させることができる。
なお、処理空気中の汚染物質の濃度が高い場合、汚染物質を不織布シート及びゼオライトに完全に吸着することができないことがあるので、汚染空気の処理開始から所定時間処理済みの空気を前述のようにして室外に排出してもよい。また、不織布シート層の上流側に徐塵フィルタを装着することもできる。
本発明の汚染空気の処理方法は、例えば図4に示す処理装置を用いて実施してもよい。
この汚染空気の処理装置は、図5に示す加熱手段5を備えていない。従って、ゼオライトの吸着能が低下すると、マイクロ波照射して得られた新たなゼオライトと交換する必要がある。
本発明の汚染空気の処理方法は、例えば図3に示す処理装置を用いて実施することもできる。この汚染空気の処理装置は、活性炭・光触媒担持不織布シート層2'に代えて活性炭担持不織布シート層2を用い、更に図4に示す紫外線照射手段4を備えていない。従って、汚染物質の分解や微生物の殺菌作用がないので、活性炭の吸着能が低下すると、新たな活性炭担持不織布シート層と交換する必要がある。
本発明によれば、前述の活性炭、光触媒及び紫外線照射手段による脱臭殺菌機能と、ゼオライトによる調湿機能及び脱臭機能とにより、臭気成分及び揮発性有機物の脱臭、腐敗促進物質(エチレン)の除去や、調湿、乾燥に加えて、近年問題になっているシックハウス病やアレルギー症及び花粉症等に対する対策も可能になる。
本発明の汚染空気の処理装置は、一般住宅、マンション、オフィス、病院、介護福祉施設、レストラン、ペットルーム、トイレ、物干し室等で利用することができ、床据付型、壁掛型または天井埋込型の装置として設置することができる。
実施例
以下、本発明で用いられるゼオライトの製造例、更に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
製造例
洗浄された天然ゼオライト300gを容器内に入れ、このゼオライトに対し、周波数2540MHzのマイクロ波を出力500Wで15分、20分、25分にわたって照射して、マイクロ波照射されたゼオライトを得た。このようにして得られたゼオライトは、組成が天然ゼオライトとほとんど同じであるが、気孔率が25%、内部気孔径が2〜40Å、表面気孔径が10〜100μmであった。使用した天然ゼオライトの物性は、気孔率が5%、内部気孔径が10〜100nm、表面気孔径が10〜200μmであった。なお、市販されている従来のゼオライトは、通常、天然ゼオライトを採掘した後、洗浄し、これをキルン等の炉内で約400〜600℃の熱風により乾燥し、次いで冷却して製品としている。
マイクロ波照射して得られた本発明のゼオライト(本発明品)及び従来のゼオライト(従来品、サンゼオライト社製)の内部構造を示す倍率1000倍の電子顕微鏡写真を図1(A)に、倍率2000倍の電子顕微鏡写真を図1(B)にそれぞれ示す。図1(A)及び(B)から明らかなように、本発明品の内部には、各種成分を分子レベルで捕集可能な微細な孔(数オングストローム)が多数存在しているが、従来品は、微細孔が少ない上、気孔径が大きい。
また、本発明品及び従来品の細孔分布を図2(A)及び(B)にそれぞれ示す。図2(A)及び(B)から明らかなように、本発明品は3〜15Åの間にほとんどの細孔が分布し、特に5Å前後から9Å前後までの間に0.0150cc/g以上の孔容積を有する細孔分布のピークがあるが、従来品は5Å前後から19Å前後までの間にだらだらと細孔が分布しており、その孔容積も本発明品と較べて極めて小さいことが分かる。
参考例1
上記のようにしてマイクロ波照射して得られたゼオライト200gを目開き1mmの金網で箱(25cm・4cm・2cm)に形成したカートリッジに収めた。このカートリッジを1m3の試験室(1m・1m・1m)内に設置された棚に載置した状態で、アンモニア水を気化させてアンモニア濃度30ppmまたは40ppmに調整した空気を1m3/minの風量で試験室内を循環させて、経過時間に対するゼオライトのアンモニア吸着性能を求めた。その結果を表1に示す。対照として、前記従来のゼオライトを用いて同様の吸着試験を行った。
【表1】
表1から明らかなように、マイクロ波照射処理することにより、ゼオライトの吸着性能が格段に向上した。本発明で用いるゼオライトが、従来のマイクロ波未照射ゼオライトと比較して、数十倍程度の吸着性能を有するということは、マイクロ波照射により天然ゼオライト内の水和物(水分)が発熱し、静的な状態でかつ短時間に結晶水が気化した結果、ゼオライト構造、すなわち、アルミシリケート骨格が破壊されることなく多数の微細孔を有する狭い細孔分布をなすゼオライトに変換したことを意味するものと考えられる。
参考例2
製造例に従ってマイクロ波を30分照射して得られたゼオライトを参考例1と同様の条件下に、処理空気の湿度をほぼ80%RHに調整して、水分の吸着・脱着試験を行い、マイクロ波照射したゼオライトの水分の吸着・脱着性能の耐繰り返し性を検討した。試験開始から所定時間経過後に、随時試験室内の湿度及び温度を測定した。その結果を表2に示す(試料NO.1)。
60分間の吸着試験を1サイクルとし、連続して10サイクル繰り返した後、ゼオライトを90℃に加熱して吸着された水分を脱着させた。このゼオライトについて、試料NO.1の試験と同様にして、30分間の吸着試験を1サイクル行った。その結果を表2に示す(試料NO.2)。
【表2】
表2から明らかなように、本発明で用いるマイクロ波照射ゼオライトは、繰り返し試験によっても、水分の吸着・脱着性能の劣化がなく、実用に充分耐えることが判明した。
実施例1
送風機1と、活性炭担持不織布シート層2と、製造例に従ってマイクロ波照射して得られたゼオライトが充填されたカートリッジ3とを備えた図3に示す装置を用いて、次のようにして汚染空気を処理した。すなわち、送風機1により、活性炭担持不織布シート層2の大気接触面側から汚染空気を吸引し、各種臭気成分を含む汚染物質をシート層2に吸着させ、吸着処理された空気をゼオライト充填カートリッジ3内に送気して、水分及びこの水分に随伴する未吸着の汚染物質をゼオライトに吸着させて、清浄になった空気を試験室内に循環させた。この装置の仕様及び試験条件は以下の通りである。
装置仕様:
風量 :6m3/min
活性担持不織布シート:35cm・32cm・0.5cm、2枚
(活性炭担持量:500g/m2)
ゼオライト充填カートリッジ:25cm・4cm・2cm、5枚
(マイクロ波照射:2540MHz(500W)、250℃、20分)
試験条件:
試験室の大きさ :3m・2m・2m=12m3
汚染ガス発生装置 :家庭用生ゴミ処理機 2kg/日仕様
生ゴミ :魚 1kg/日供給
野菜 0.5kg/日供給
生ゴミ投入回数 :1回/日
生ゴミ処理機風量 :0.3m3/min
上記の条件で、下記の表3に示す臭気成分を含んだ汚染空気(原ガス)を処理し、得られた結果を表3に示す。
【表3】
表3から明らかなように、本発明の処理装置(本装置)を用いると、1日後には原ガス中の水分を充分に吸着すると同時に、活性炭が苦手とするアンモニア等のアルカリ性ガス成分の他に、硫化メチル(メチルメルカプタン)等の酸性ガス成分も効率よく吸着されている。更に、10日後には、若干水分吸着性能が低下しているものの臭気成分はよく吸着されている。これに対し、ゼオライトカートリッジを備えていない装置(表3中のゼオ無装置)では、1日後でも臭気成分の吸着性能は悪く、10日後には、それぞれの臭気成分の蓄積があるため、原ガスよりも臭気成分の濃度が高くなっている。参考に、臭いセンサー(新コスモス電機(株)製の汎用タイプセンサー)を用いて臭いを測定したところ、上記臭気成分のガス濃度測定の場合と同様の傾向が得られた。
実施例2
送風機1と、2枚の活性炭・光触媒(酸化チタン)担持不織布シート層2'と、製造例に従ってマイクロ波照射して得たゼオライトが充填されたカートリッジ3と、不織布シート層2'の間に配設した低圧水銀ランプ4とを備えた図4に示す装置を用いて、次のようにして汚染空気を処理した。すなわち、送風機1により、活性炭・光触媒担持不織布シート層2'の大気接触面側から汚染空気を吸引し、各種臭気成分を含む汚染物質をシート層2'に吸着させると共に、光触媒と水銀ランプ4との作用により汚染物質を分解処理し、吸着・分解処理された空気をゼオライト充填カートリッジ3内に送気して、水分及びこの水分に随伴する汚染物質をゼオライトに吸着させて、清浄になった空気を試験室内に循環させた。この装置の仕様及び試験条件は以下の通りである。
装置仕様:
風量 :6m3/min
活性炭・光触媒担持不織布シート:35cm・32cm・0.5cm、2枚
(活性炭担持量:500g/m2、光触媒担持量:50g/m2)
ゼオライト充填カートリッジ:25cm・4cm・2cm、5枚
(マイクロ波照射:2540MHz(500W)、250℃、20分)
低圧水銀ランプ :4W、2灯(UV:360nm)
試験条件:
試験室の大きさ :3m・2m・2m=12m3
汚染ガス発生装置 :家庭用生ゴミ処理機 2kg/日仕様
生ゴミ :魚 1kg/日供給
野菜 0.5kg/日供給
生ゴミ投入回数 :1回/日
生ゴミ処理機風量 :0.3m3/min
上記の条件で、下記の表4に示す臭気成分を含んだ汚染空気(原ガス)を処理し、得られた結果を表4に示す。
【表4】
表4から明らかなように、本発明の装置も紫外線照射なしの装置も共に1日後の吸着性能がよいが、20日後になると、紫外線照射なしの装置では、活性炭が臭気成分を吸着平衡したため、原ガスより臭気成分の濃度が高くなり、吸着性能が悪化している。参考に、臭いセンサー(新コスモス電機(株)製の汎用タイプセンサー)を用いて臭いを測定したところ、前記臭気成分のガス濃度測定の場合と同様の傾向が得られた。
実施例3
6m3の試験室(1.5m・2m・2m)内に図4に示す処理装置を設置し、処理装置を連続運転しながら試験室内の浮遊菌数を経時的に測定し、紫外線・光触媒による殺菌効果を評価した。被処理汚染空気としては、バチルス・ズブチルス(BACILLUS SUBTILIS)IFO3134を100個/m3含んだ空気を用い、風量8m3/minで循環させた。所定の時間経過毎に試験室内の生菌数を計測し、対照(送風機のみを駆動し、装置は運転せず)の場合及び水銀ランプ不点灯の場合と共に、その結果を下記の表5に示す。
【表5】
表5から明らかなように、活性炭・光触媒担持不織布シートと水銀ランプとを組み合わせた本発明の処理装置は、空気中の浮遊細菌を吸着し、殺菌する効果が極めて優れていることが分かる。
実施例4
送風機1と、2枚の活性炭・光触媒(酸化チタン)担持不織布シート層2'と、製造例に従って得られたマイクロ波照射して得られたゼオライトが充填されたカートリッジ3と、不織布シート層2'の間に配設した低圧水銀ランプ4と、ゼオライト充填カートリッジ3の上流側で送風機1の下流側に設けられたヒータ5とを備えた図5に示す装置を用いて、次のようにして汚染空気を処理した。
実施例2の場合と同様に、送風機1により、不織布シート2'の大気接触面側から汚染空気を吸引し、各種臭気成分を含む汚染物質をシート層2'に吸着させると共に、光触媒と水銀ランプ4と作用により汚染物質を分解処理し、吸着・分解処理された空気をゼオライト充填カートリッジ3内に送気して、水分及びこの水分に随伴する汚染物質をゼオライトに吸着させて、清浄になった空気を試験室内に循環させた。
上記装置の仕様及び試験条件は以下の通りである。
装置仕様:
風量 :6m3/min
活性炭・光触媒担持不織布シート:35cm・32cm・0.5cm、2枚
(活性炭担持量:500g/m2、光触媒担持量:50g/m2)
ゼオライト充填カートリッジ:25cm・4cm・2cm、5枚
(マイクロ波照射:2540MHz(500W)、250℃、20分)
低圧水銀ランプ :4W、2灯(UV:360nm)
ヒータ :500W、1機
試験条件:
試験室の大きさ :3m・2m・2m=12m3
汚染ガス発生装置 :家庭用生ゴミ処理機 2kg/日仕様
生ゴミ :魚 1kg/日供給
野菜 0.5kg/日供給
生ゴミ投入回数 :1回/日
生ゴミ処理機風量 :0.3m3/min
ヒータの作動 :20min ON/日
(加熱排ガスは外部へ)
上記の条件で、以下の表6に示す臭気成分を含んだ汚染空気(原ガス)を処理し、得られた結果を表6に示す。
【表6】
表6から明らかなように、本発明の装置も加熱手段なしの装置も1日後は共に吸着性能がよいが、30日後になると、加熱手段なしの装置は、マイクロ波照射ゼオライトが水分及び臭気成分を吸着平衡したため、臭気成分の濃度が高くなり、吸着性能が低下している。参考に、臭いセンサー(新コスモス電機(株)製の汎用タイプセンサー)を用いて臭いを測定したところ、前記臭気成分のガス濃度測定の場合と同様の傾向が得られた。
また、本実施例で用いた処理装置によれば、吸着サイクルと脱着サイクルを繰り返すことができるので、ゼオライトの可使用寿命がヒータなしの場合と比べて、1日から30日以上延びた。
更に、図5に示す処理装置を用いて、汚染空気または高湿度の空気を以下の条件で吸着処理試験を行った。
容量8m3(2m・2m・2m)の試験室内の上部の壁面に処理装置を取り付け、その反対側の一隅に有害成分を入れたスターラ付き蒸発皿または超音波加湿器を置き、他方の一隅に送風ファンを設置した。処理装置内のマイクロ波照射ゼオライトに吸着している水分及び臭気成分をヒータで加温して、予め水分及び臭気成分を室内空気と共に試験室外に排出した。次いで、処理装置の入口及び出口を閉じて装置を密閉した。装置を密閉した状態で、蒸発皿のスターラを攪拌して汚染物質を所定の濃度に調整するか、または超音波加湿器から水分を放出して試験室内の湿度を所定の関係湿度まで調整し、一定の濃度または湿度に安定するまで送風ファンを駆動してアイドリングした後、処理装置の入口及び出口を開口して吸着処理試験を行った。
実施例5
トリメチルアミン、酢酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びアンモニアを所定の濃度に調整した空気を7m3/minの風量で装置内に導入しながら、脱臭された空気を試験室に吐出して循環させた。試験開始から所定時間経過後に、送風ファンの上方の壁面に取り付けた濃度検出器より、試験室内の各臭気成分の濃度(ppm)を測定した。これらの脱臭試験の結果を表7に示す。
【表7】
実施例6
臭気成分としてトルエン及びキシレンを所定の濃度に調整した空気をそれぞれ5.5m3/minの風量で装置内に導入しながら、脱臭された空気を試験室に吐出して循環させた。各試験開始から所定時間経過後に、濃度検出器より試験室内のトルエン及びキシレン濃度を測定した。これらの脱臭試験の結果を表8に示す。
【表8】
実施例7
試験室内の関係湿度を50%(温度30℃)に調整した後、試験室内に腐敗促進物質であるエチレンを放出して、被処理空気のエチレン濃度を10ppmに調整した。この空気を7m3/minの風量で装置内に導入し、エチレンを吸着処理した空気を試験室に吐出して循環させた。試験開始から所定時間経過後にエチレン濃度を測定した。その吸着試験の結果を表9に示す。
【表9】
表9に示す通り、エチレンは、前記臭気成分と比較して、活性炭・光触媒担持不織布シート及びマイクロ波照射して得られたゼオライトに吸着され難いが、それでも本発明の処理装置を用いることにより、エチレン濃度をかなりの程度低下させ得ることが分かる。
実施例8
ゼオライトに吸着された水分の脱着を所定の間隔で行った除湿運転パターンの一例を図6に示す。この除湿試験は夏期のある期間に実施されたもので、連続運転中の水分の脱着直後の関係湿度80%(温度30℃)から25時間にわたるデータを図6に示している。
図6に示す除湿運転においては、6m3の試験室(1.5m・2m・2m)内に2.4m3/HRの割合で外気を絶えず導入しながら、8m3/minの風量で室内空気を循環させた。また、6時間の間隔で処理装置に組み込まれたヒータ(5)を30分間稼働させることにより水分を脱着させた。
本発明における活性炭担持不織布シートには、その処理性能に関して、以下のような効果がある。
(1)一定の厚さにし、それを複数枚重ねたものに通気しても圧力損失が小さく、汎用性の脱臭システムになり得る。
(2)活性炭担持不織布シートを波形またはハニカム形状に加工すれば、表面積を増加させることができ、処理性能が向上する。
(3)活性炭担持不織布シートは、任意の箇所で切断して、その周囲を枠で固定すれば、容易に脱臭装置への装着が可能なシート形状にすることができる。
また、活性炭・光触媒担持不織布シートに紫外線照射すると、以下のような効果が得られる。
(1)酸添着活性炭、アルカリ添着活性炭及び無添加活性炭のいずれをシート化しても、紫外線・光触媒による酸化分解反応が生起する。
(2)活性炭・光触媒担持不織布シートに捕捉された微生物及び/又はウィルスは紫外線照射または光触媒酸化反応により殺菌及び/又は死滅される同時に、処理対象空間に浮遊する微生物の生菌数が著しく低減される。
更にまた、マイクロ波加熱処理して得られた多孔質ゼオライト層及びその下流側に設けられた加熱手段を処理装置内に配置させることにより、以下のような効果が得られる。
(1) 関係湿度(相対湿度)の水分を100%から10%までの範囲で容易に吸着できる
(2) 。
(2)水分を飽和近くまで吸着したゼオライトを所定の温度に加熱することにより、吸着した水分を可逆的に脱着できるので、マイクロ波処理して得たゼオライトは何度でも繰り返し利用できる。
(3)アンモニアガス等を低濃度まで吸着処理することができ、かつ加熱によって脱着できる。
本発明によれば、上記の各特性を活かした脱臭、調湿、乾燥、有害成分除去装置及びその処理方法を採用しているので、脱臭性能、調湿性能、乾燥性能は勿論のこと、今日問題視されているシックハウス病、アレルギー症及び花粉症の原因とされている物質の除去にも充分効果がある。
産業上の利用の可能性
本発明は汚染空気の処理装置及びその処理方法に利用でき、特に多湿汚染空気に対しても、脱臭処理、調湿処理、乾燥処理及び有害成分除去処理を行うことができる汚染空気処理装置ならびに処理方法に利用できる。
【図面の簡単な説明】
図1(A)は本発明のマイクロ波照射ゼオライトの内部構造を示す倍率1000倍の電子顕微鏡写真であり、図1(B)は従来のゼオライトの内部構造を示す倍率2000倍の電子顕微鏡写真である。
図2(A)は本発明のマイクロ波照射ゼオライトの細孔分布を示すグラフであり、図(B)は従来のゼオライトの細孔分布を示すグラフである。
図3(A)は本発明の処理装置の一実施例を示す正面図であり、図3(B)は図3(A)の線B−Bで切り取った本発明の処理装置の側面図である。
図4(A)は本発明の処理装置の別の実施例を示す正面図であり、図4(B)は図4(A)の線B−Bで切り取った本発明の処理装置の側面図である。
図5(A)は本発明の処理装置の更に別の実施例を示す正面図であり、図5(B)は図5(A)の線B−Bで切り取った本発明の処理装置の側面図である。
図6ゼオライトに吸着された水分の排出を所定の間隔で行う図5に示す本発明の処理装置の除湿運転パターンの一例を示すグラフである。
Claims (7)
- 活性炭を不織布で両面から挟み込むかたちで形成し、加熱圧着処理して製造された不織布シートからなる層と、天然ゼオライトに周波数2000〜6000MHzのマイクロ波を出力100W〜10KWで10分〜1時間の照射条件でマイクロ波照射して得られたゼオライトからなる層とを具備し、該ゼオライト層が該不織布シート層の下流側に配設され、前記ゼオライト層の上流側でかつ前記不織布シートの下流側に、加熱手段が配設されていることを特徴とする汚染空気の処理装置。
- 活性炭を不織布で両面から挟み込むかたちで形成し、加熱圧着処理して製造された不織布シートからなる層と、天然ゼオライトに周波数2000〜6000MHzのマイクロ波を出力100W〜10KWで10分〜1時間の照射条件でマイクロ波照射して得られたゼオライトからなる層とを具備し、前記不織布シートが活性炭に加えて更に光触媒の担持された複数の層からなり、これらの不織布シート層の間に紫外線照射手段が配設され、該ゼオライト層が該不織布シート層の下流側に配設され、前記ゼオライト層の上流側でかつ前記不織布シートの下流側に、加熱手段が配設されていることを特徴とする汚染空気の処理装置。
- 汚染空気を、活性炭を不織布で両面から挟み込むかたちで形成し、加熱圧着処理して製造された不織布シートからなる層を通過させ、次いで、天然ゼオライトに周波数2000〜6000MHzのマイクロ波を出力100W〜10KWで10分〜1時間の照射条件でマイクロ波照射して得られたゼオライトからなる層を通過させてなり、前記ゼオライト層の上流側でかつ前記不織布シートの下流側に、加熱手段を配設して、該加熱手段を一定時間稼動させることにより、ゼオライト層を加熱して、ゼオライト層に吸着されていた水分及び汚染物質を脱離させることを特徴とする汚染空気の処理方法。
- 汚染空気を、活性炭を不織布で両面から挟み込むかたちで形成し、加熱圧着処理して製造された不織布シートからなる層を通過させ、次いで、天然ゼオライトに周波数2000〜6000MHzのマイクロ波を出力100W〜10KWで10分〜1時間の照射条件でマイクロ波照射して得られたゼオライトからなる層を通過させてなり、前記不織布シートが活性炭に加えて更に光触媒の担持された複数の活性炭・光触媒担持不織布シートを用い、これらの不織布シート層の間に紫外線照射手段を設け、汚染空気をこれらの不織布シート層と紫外線照射手段とを通過させ、また、前記ゼオライト層の上流側でかつ前記不織布シートの下流側に、加熱手段を配設して、該加熱手段を一定時間稼動させることにより、ゼオライト層を加熱して、ゼオライト層に吸着されていた水分及び汚染物質を除去することを特徴とする汚染空気の処理方法。
- 前記不織布シート層およびゼオライト層による水分及び汚染物質の吸着工程と、前記ゼオライト層の加熱による水分及び汚染物質の脱離工程とを繰り返すことにより、ゼオライト層を繰り返し使用することを特徴とする請求項3または4記載の汚染空気の処理方法。
- 前記不織布シートは、波形状またはハニカム形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の汚染空気の処理装置。
- 前記不織布シートは、波形またはハニカム形状であることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の汚染空気の処理方法。
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