JP2008503598A - 主鎖に環状エーテル構造を有するコポリマー、該ポリマーを含む光学部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 新規なコポリマーを開示する。該コポリマーは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位(P1)の少なくとも一種を1〜99mol%、及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位(P2)の少なくとも一種を99〜1モル%含むコポリマーである。式中、R1〜R4及びL1〜L4はそれぞれ、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、又は任意の置換基を表し;X及びYはそれぞれ酸素原子(O)または硫黄原子(S)を表し;n1は2〜4のいずれかの整数を表し、l及びmはそれぞれ、繰り返し単位の反復数を表すが;ただし、R1〜R4の少なくとも一つはフッ素原子(F)ではなく、L1〜L4の基の中に必ずフッ素原子を1個以上含み;L1〜L4の中から選ばれる2つが環状構造をとってもよい。
【化27】
【選択図】 なし
【化27】
【選択図】 なし
Description
本発明は、新規な環状エーテル構造を有するコポリマーに関するものである。そして、本発明は、プラスチック光学部材の技術分野に属し、特に、光ファイバ、光導波路および光学レンズ等に好ましく用いられる光学部材およびその製造に用いられる光学部材用コポリマーおよび製造方法の技術分野に属する。
プラスチック光学部材は、同一の構造を有する石英系の光学部材と比較して、製造および加工が容易であること、および低価格であること等の利点があり、近年、光ファイバおよび光レンズ、光導波路等種々の応用が試みられている。特にこれら光学部材の中でも、プラスチック光ファイバ(POFと略記することがある)は、素線が全てプラスチックで構成されているため、伝送損失が石英系と比較してやや大きいという短所を有するものの、良好な可撓性を有し、軽量で、加工性がよく、石英系光ファイバと比較して口径の大きいファイバとして製造し易く、さらに低コストに製造可能であるという長所を有する。従って、伝送損失の大きさが問題とならいない程度の短距離用の光通信伝送媒体として種々検討されている。
プラスチック光学部材の技術分野では、主鎖に環状構造を有するポリマーが種々知られている。主鎖に環状構造を導入する目的の一つは耐熱性の向上、すなわち、ポリマーのガラス転移温度(Tg)を上げることである。主鎖に環状構造を有するポリマーとしては、(1)ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド又はポリカーボネートなどのように主として芳香族基や極性基を有するポリマー;(2)環化重合系(特許第2526641号公報参照);(3)開環重合系(アモルファスポリオレフィン)(特公平8−26124号公報,特公平2−9619号公報参照);および(4)環状モノマーと異種オレフィンとの共重合系(特開平5−25337号公報、特開2001−122928号公報、特開2003−155312号公報、TEFLON(登録商標)AF非晶質フルオロポリマーJohn Scheires、1997年、John Wiley & SonsLtd編のModern Fluoropolymers、397〜398頁参照)などが代表的である。まず(1)は、芳香族基や極性基を導入するとTgは上昇するが、その一方で、分子配向による複屈折の増大や吸湿性の増加を招いたりする場合が多い。次に(2)の環化重合系は、一般的にモノマーがジエン構造を持つ為、架橋によるポリマー不溶化の懸念があること、環化率と重合収率の両立も難しい。さらに、パーフルオロ化された(ジエン)モノマーの合成は難しく(合成に複数段階必要)、時間がかかる(特許第2526641号公報、TEFLON(登録商標)AF非晶質フルオロポリマーJohn Scheires、1997年、John Wiley & SonsLtd編のModern Fluoropolymers、397〜398頁参照)。しかも一般的に原材料入手が困難で、危険な試薬を用いる必要があるため、ポリマーのコストは高価になる。さらに、全フッ素系のポリマーは一般的な溶媒に溶けないので特殊なフッ素溶媒を使用せざるを得ない。そして(3)の開環重合系は、芳香族基や極性基をできるだけ減らした構造もあり、複屈折や吸湿性などが改良されている。しかし、吸湿性は確かに良くなるが、他層との密着が悪くなる場合がある。また、高機能化のための構造の自由度が少なく、官能基の導入が検討されている。(4)の環状モノマーと異種オレフィンとの重合で製造されるコポリマー系は、容易に製造でき、物性調整の幅を広く制御できる可能性があり、精力的に研究されている。その中で、オクタフルオロシクロペンテンのような炭素原子とフッ素原子でのみ構成されたフッ素含有環状オレフィンと異種オレフィンとのコポリマーが開示されているが(特開2001−122928号公報参照)、パーフルオロ化されたジエンモノマーと同様にモノマー合成が特殊であるため、種々の異なる構造のフッ素含有環状オレフィンを容易に入手できない。一方、ビニレンカーボーネートとフッ素原子を含有するオレフィン(具体的には、テトラフルオロエチレン(以下TFEと略することがある)やクロロトリフルオロエチレン(以下CTFEと略することがある))とのコポリマーが開示されているが(特開2003−155312号公報参照)、コポリマー中のビニレンカーボネート含率をあげると極性が高くなり、吸湿などの影響が懸念される。また該コポリマーはランダムコポリマーなので、重合法やビニレンカーボネートの含率などにより、結晶性を示す可能性が高く、透明性を要求される用途には懸念がある。また、1,3−ジオキソール誘導体を有する含フッ素共重合体も開示されているが、ポリマーの湿熱時の安定性が良くない(特開平4−292608号公報参照)。即ち、耐湿熱性と非晶性を保つなど総合的に満足できるポリマーが現在も求められている。
そこで、本発明者は、耐湿熱性と非晶性を有する新規なポリマーを提供することを課題とする。さらに、本発明は上記ポリマーの製造方法、該コポリマーを主成分とし、耐熱性及び光学特性が良好な光学部材を提供することを課題とする。
一側面において、本発明は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位(P1)の少なくとも一種を1〜99mol%、及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位(P2)の少なくとも一種を99〜1モル%含むコポリマーを提供する。
本発明の態様として、前記一般式(1)中のR1及びR2が各々、水素原子(H)又は重水素原子(D)である前記コポリマー;前記一般式(1)中のX及びYがともに酸素原子(O)であり、n1が2である前記コポリマー;及び前記繰り返し単位(P1)が、下記一般式(5a)で表される前記コポリマー;が提供される。
他の側面において、本発明は、下記一般式(3)で表されるモノマー(M1)の少なくとも一種の1〜99mol%と、下記一般式(4)で表されるモノマー(M2)の少なくとも一種の99〜1mol%とを重合させた、分子量が1000〜1000000(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定したスチレン換算での数平均分子量)のコポリマーを提供する。
(式中、R1及びR2は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表し、R3及びR4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールアミノカルボニル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールカルボニルアミノ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルもしくはアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、又はアシル基を表し;X及びYは各々、酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を表し;n1は2〜4のいずれかの整数を表すが;ただし、R1〜R4の少なくとも一つはフッ素原子(F)ではない。)
(式中、L1〜L4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールアミノカルボニル基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールカルボニルアミノ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルアミノ基、又はアルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基を表し;ただし、L1〜L4の基の中に必ずフッ素原子を1個以上含み;L1〜L4の中から選ばれる2つが環状構造をとってもよい。)
他の側面において、本発明は、前記一般式(3)で表されるモノマー(M1)1〜99mol%と、前記一般式(4)で表されるモノマー(M2)99〜1mol%とを重合させて、分子量が1000〜1000000(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定したスチレン換算での数平均分子量)なコポリマーを製造することを含む光学部材の製造方法を提供する。
他の側面において、本発明は、前記コポリマーを主成分とする領域を少なくとも有する光学部材を提供する。
他の側面において、本発明は、前記コポリマーを主成分とする領域を少なくとも有する光学部材を提供する。
本発明の態様として、前記領域が少なくとも第1の層と第2の層とを含み、前記第1の層がモノマー(M1)とモノマー(M2)のモノマー比r1のコポリマーを含有し、前記第2の層がモノマー(M1)とモノマー(M2)のモノマー比r2(r2はr2と等しくない)のコポリマーを含有し、且つ前記第1及び第2の層の屈折率が、前記r1とr2との差に基づいて異なっている前記光学部材が提供される。
以下において、本発明のコポリマー、該コポリマーの製造方法、および該コポリマーを主成分とする光学部材について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
まず、本発明のコポリマー、該コポリマーの製造方法について詳述する。本発明のコポリマーは、下記の一般式(1)で表される繰り返し単位(P1)と、下記一般式(2)で表される繰り返し単位(P2)とからなるコポリマーである。本発明のコポリマーは非晶質であるのが好ましい。
まず、本発明のコポリマー、該コポリマーの製造方法について詳述する。本発明のコポリマーは、下記の一般式(1)で表される繰り返し単位(P1)と、下記一般式(2)で表される繰り返し単位(P2)とからなるコポリマーである。本発明のコポリマーは非晶質であるのが好ましい。
式中、R1及びR2は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R3及びR4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールアミノカルボニル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールカルボニルアミノ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルもしくはアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基又はアシル基を表し;X及びYは各々、酸素原子(O)または硫黄原子(S)を表し;n1は2〜4のいずれかの整数を表し、lは繰り返し単位の反復数を表し;ただし、R1〜R4の少なくとも一つはフッ素原子(F)ではない。
式中、L1〜L4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールアミノカルボニル基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールカルボニルアミノ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルアミノ基、又はアルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基を表し;ただし、L1〜L4の基の中に必ずフッ素原子を1個以上含み;L1〜L4の中から選ばれる2つが環状構造をとってもよく;mは繰り返し単位の反復数を表す。
すなわち、下記に示すように、本発明のコポリマーにおいて、P1はl個の下記一般式(3)で表されるモノマー(M1)の重合で得られ、P2はm個の下記一般式(4)で表されるモノマー(M2)の重合で得られる。
すなわち、下記に示すように、本発明のコポリマーにおいて、P1はl個の下記一般式(3)で表されるモノマー(M1)の重合で得られ、P2はm個の下記一般式(4)で表されるモノマー(M2)の重合で得られる。
式中、R1及びR2は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R3及びR4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールアミノカルボニル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールカルボニルアミノ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルもしくはアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、又はアシル基を表し;X及びYは各々、酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を表し;n1は2〜4のいずれかの整数を表し;ただし、R1〜R4の少なくとも一つは、フッ素原子(F)ではない。
式中、L1〜L4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールアミノカルボニル基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールカルボニルアミノ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルアミノ基、又はアルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基を表し;ただし、L1〜L4の基の中に必ずフッ素原子を1個以上含み;L1〜L4の中から選ばれる2つが環状構造をとってもよい。
まず、モノマー(M1)について説明する。
一般式(3)中、R1及びR2は、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。
一般式(3)中、R1及びR2は、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表す。
一般式(3)中、R3及びR4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、アシルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はアシル基を表す。
また、前記アルキル基は、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよい。前記直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜10がより好ましい。前記直鎖状又は分岐状の置換もしくは無置換のアルキルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロブチル、テトラフルオロプロピル、オクタフルオロペンチル、ヘキサフルオロイソプロピル、ベンジル、フェニルエチル、メチルベンジル、ナフチルメチルが含まれる。モノシクロアルキル基としては、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルキル基が好ましい。モノシクロアルキル基の例には、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルが含まれる。ビシクロアルキル基としては、炭素数5〜30が好ましい。つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。前記ビシクロアルキル基の例には、ノルボルニル基、イソボルニル基及びアダマンチル基が含まれる。更に環構造が多いトリシクロアルキル基の例には、ジシクロペンタニル基が含まれる。
また、前記アリール基は、1以上の芳香環を含み、該環は単環であっても縮合環であってもよい。前記アリール基の例には、フェニル基、メチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基、メシチル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。
R1〜R4が各々表す前記アルキル基もしくはアリール基、又はR1〜R4が各々表す置換基中に含まれるアルキル基もしくはアリール基は、さらに置換基を有していてもよく、それらの置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(モノシクロアルキル基及びビシクロアルキル基等の1以上の環構造含むシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
但し、R1〜R4の全てがフッ素原子(F)になることはない。また、R1〜R4がアルキル基又はアリール基を含む場合、該基に含まれるC−H結合は、その少なくとも一部がC−D結合であってもよい。但し、R1〜R4には重合性基は含まれない。
R1及びR2は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)又はハロゲン原子であるのが好ましく、R1及びR2は、水素原子(H)又は重水素原子(D)であるのが特に好ましい。
R3及びR4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基であるのが、R3及びR4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基であるのがより好ましい。
X及びYは各々、酸素原子(O)または硫黄原子(S)を表す。X及びYは、少なくとも一方がOであるのが好ましく、双方ともOであるのが最も好ましい。
R3及びR4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基であるのが、R3及びR4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基であるのがより好ましい。
X及びYは各々、酸素原子(O)または硫黄原子(S)を表す。X及びYは、少なくとも一方がOであるのが好ましく、双方ともOであるのが最も好ましい。
n1は2〜4の整数を表し、lは繰り返し単位の反復数を表す。n1は2〜3の整数が好ましく、さらにn1は2が特に好ましい。
n1が2〜4の整数を表すとき、前記一般式(3)は、下記一般式(5)のような複環式構造をとっていてもよい。即ち、隣り合う炭素原子に結合したR3又はR4が結合して環を形成し、一般式(3)中の環が縮合環となっていてもよい。
n1が2〜4の整数を表すとき、前記一般式(3)は、下記一般式(5)のような複環式構造をとっていてもよい。即ち、隣り合う炭素原子に結合したR3又はR4が結合して環を形成し、一般式(3)中の環が縮合環となっていてもよい。
式(5)中のR1〜R4、X及びYは、前記式(3)中のそれぞれと同義である。n2は0又は1を表し、n3は1又は2を表すが、n2が1で、且つn3が2になることはない。縮合している環Qは、置換もしくは無置換の、脂肪族炭化水素環又は芳香族炭化水素環である。n2は0が好ましい。
Qが表す脂肪族炭化水素環は、単環系であっても、多環系であってもよい。また、前記脂肪族炭化水素環は、置換されていても、無置換であってもよい。Qが表す脂肪族炭化水素環は、炭素数3〜30の置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素環が好ましい。単環系の脂肪族炭化水素環の例には、シクロへキサン環、シクロペンチル環、4−n−ドデシルシクロヘキサン環が含まれる。Qが表す多環系の脂肪族炭化水素環は、炭素数5〜30が好ましい。多環系の脂肪族炭化水素環の例には、ノルボルネン環、イソボルネン環及びアダマンタン環が含まれる。更に多くの環を含む多環系脂肪族炭化水素環としては、ジシクロペンタン環が含まれる。この中でも、シクロヘキサン基又はノルボルネン環がより好ましい。
Qが表す芳香族炭化水素環は、単環系であっても、多環系であってもよい。また、前記芳香族炭化水素環は置換されていても、無置換であってもよい。芳香族炭化水素環の例には、ベンゼン環、置換されたベンゼン環(例えば、メチル基で置換されたトルエン環及びメシチレン環;ハロゲン原子で置換されたテトラフルオロベンゼン環、トリブロモベンゼン環及びテトラブロモベンゼン環;メトキシ基で置換されたメトキシベンゼン環)、及びナフタレン環が含まれる。中でも、無置換ベンゼン環、トルエン環、テトラフルオロベンゼン環及びp−メトキシベンゼン環が好ましく、無置換ベンゼン環がより好ましい。
前記一般式(3)で表される化合物は、種々の方法で合成することができる。1,4−ジオキセンについては、特開平10−67773号公報記載の方法や特開平2−167275号公報記載のなどの方法で合成することが可能である。
以下に一般式(3)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明で用いることができる一般式(3)で表される化合物はこれらの具体例に限定されるものでない。また、式中の水素原子(表記されていない水素原子を含む)は1Hと2Hのいずれであってもよい。
次に、一般式(4)で表されるモノマーM2について説明する。
式中、L1〜L4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、又はアルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基を表す。ただし、一般式(4)で表されるモノマーM2はL1〜L4の基の中に必ずフッ素原子を1個以上含む。
前記一般式(4)で表されるモノマーM2は、電子吸引性のモノマーであることが好ましい。ビニルモノマーの重合反応性を推定する尺度として、AlfreyとPriceが提唱したQ,e−Schemeがある。Q,e−Schemeについての説明、種々のモノマーのQ,e値については、ポリマーハンドブック(2nd edition J.Brandrup、E.H.Immergut編を参照することができる。また実験によっても値を推参することができる。前記一般式(4)で表されるモノマーM2のe値については、0以上であることが好ましく、さらに0.2以上がさらに好ましい。この意味でもモノマーM2中にフッ素原子が含まれることが好ましく、さらにはフッ素原子が2個以上含まれるのが特に好ましい。そしてQ値については特に制限はないが、前記一般式(3)で表されるモノマーM1と交互共重合体を形成することが特に好ましいことから、Q値は3以下、好ましくは2以下、更に好ましくは1以下である。また、L1〜L4の中から選ばれる2つが環状構造をとってもよい。
L1〜L4が各々表す前記アルキル基もしくはアリール基、又はL1〜L4が各々表す置換基中に含まれるアルキル基もしくはアリール基は、さらに置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記一般式(3)で例示した置換基と同様である。
L1及びL2はそれぞれ、水素原子(H)、重水素原子(D)またはハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)であり、L3 はフッ素原子又はCF3であり、L4はハロゲン原子、少なくとも1つのハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)で置換されたアルコキシ基または少なくとも1つのハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)で置換されたアルキルオキシカルボニル基であるのが好ましい。
L1及びL2はそれぞれ、水素原子(H)、重水素原子(D)またはハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)であり、L3 はフッ素原子又はCF3であり、L4はハロゲン原子、少なくとも1つのハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)で置換されたアルコキシ基または少なくとも1つのハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)で置換されたアルキルオキシカルボニル基であるのが好ましい。
なお、L1〜L4がアルキル基又はアリール基を含む場合、該基に含まれるC−H結合は、その少なくとも一部がC−D結合であってもよい。但し、L1〜L4には重合性基は含まれない。
一般式(4)で表される化合物は、市販されている化合物が多く、その誘導体も、公知の方法で合成することが可能である。
以下に前記一般式(4)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明で用いることができる前記一般式(4)で表される化合物はこれらの具体例に限定されるものでない。また、式中の水素原子(表記されていない水素原子を含む)は1Hと2H(あるいはD)のいずれであってもよい。
一般式(4)で表される化合物の具体例の中の代表的な化合物についてのQ,e値は、文献(フッ素系ポリマーの開発と用途展開(技術情報協会(1991年発行))に記載されている。
次に、前記モノマー(M1)及び(M2)とからなるコポリマーについて説明する。本発明のコポリマーは、一般式(3)のモノマー(M1)が1〜99mol%と、一般式(4)のモノマー(M2)が99〜1mol%とからなるコポリマー(好ましくは非晶質なコポリマー)である。好ましくは、モノマーM1が30〜70mol%と、モノマーM2が70〜30mol%、更に好ましくは、モノマーM1が40〜60mol%と、モノマーM2が60〜40mol%とからなる非晶質なコポリマーである。モノマーは、一般式(3)及び(4)からそれぞれ複数種類を選択して用いてもよい。
以下に本発明のコポリマーの具体例を挙げるが、本発明のコポリマーはこれらの具体例に限定されるものでない。また、式中の水素原子(表記されていない水素原子を含む)は1Hと2Hのいずれであってもよい。
上記ポリマーを製造する方法としては公知の重合方法を用いて製造することができる。例えば、塊状重合、溶液重合、水中またはエマルション中での乳化重合、懸濁重合方法などである。用いる光学部材の要求性能によって重合方法が適宜選択される。例えば、プラスチック光ファイバのコア材であれば塊状重合法が好ましく、該ファイバのクラッド材なら塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合法の中から適宜選択される。
溶液重合に一般に用いられる溶媒としては酢酸エチル、酢酸メチルまたは酢酸ブチルなどを挙げることができる。
重合開始剤としては、用いるモノマーや重合方法に応じて適宜選択することができるが、過酸化ベンゾイル(BPO)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(PBO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(PBD)、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(PBI)、n−ブチル4,4,ビス(tert−ブチルパーオキシ)バラレート(PHV)などのパーオキサイド系化合物、または2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’―アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルヘキサン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブタン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−メチルヘキサン)、3,3’−アゾビス(3,4−ジメチルペンタン)、3,3’−アゾビス(3−エチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジーtert−ブチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合開始剤は2種類以上を併用してもよい。
水性媒体中で行うプロセスの場合には、さらに無機のフリーラジカル発生剤、例えば過硫酸塩または「レドックス」化合物を用いることができる。
また、分子量調節のために、適宜連鎖移動剤を用いてもよい。前記連鎖移動剤は、主に重合体の分子量を調整するために用いられる。前記連鎖移動剤については、重合性モノマーの種類に応じて、適宜、種類および添加量を選択することができる。各モノマーに対する連鎖移動剤の連鎖移動定数は、例えば、ポリマーハンドブック第3版(J.BRANDRUPおよびE.H.IMMERGUT編、JOHN WILEY&SON発行)を参照することができる。また、該連鎖移動定数は大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊を参考にして、実験によっても求めることができる。
連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類(n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等)、チオフェノール類(チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール等)などを用いるのが好ましく、中でも、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンのアルキルメルカプタンを用いるのが好ましい。また、C−H結合の水素原子が重水素原子やフッ素原子で置換された連鎖移動剤を用いることもできる。なお、連鎖移動剤は、2種類以上を併用してもよい。
連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類(n−ブチルメルカプタン、n−ペンチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等)、チオフェノール類(チオフェノール、m−ブロモチオフェノール、p−ブロモチオフェノール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール等)などを用いるのが好ましく、中でも、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンのアルキルメルカプタンを用いるのが好ましい。また、C−H結合の水素原子が重水素原子やフッ素原子で置換された連鎖移動剤を用いることもできる。なお、連鎖移動剤は、2種類以上を併用してもよい。
一般に、重合温度は選択した開始剤系の分解速度に依存し、一般には0〜200℃、好ましくは40〜120℃である。モノマーM2には室温でガス状のモノマーが含まれるので、その場合、オートクレーブなどの耐圧容器で重合することが好ましく、その時にかかる圧力は一般に大気圧から50bar、特に2〜20barである。
上記のようにして得られるコポリマーは、透明(紫外〜近赤外領域)で、非晶質なコポリマーで、一般的な溶媒(特にTHF、酢酸エチル)に可溶である。モノマーM1由来のP1単位の含有率は1〜99mol%、好ましくは20〜80mol%、より好ましくは30〜70mol%である。該コポリマーの分子量は、数平均分子量で、1000〜1000000(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定したスチレン換算での数平均分子量)、好ましくは2000〜900000、より好ましくは3000〜800000である。また該コポリマーのガラス転移温度(Tg)は、60〜180℃、好ましくは70〜180℃、より好ましくは80〜180℃である。このガラス転移温度は主としてコポリマー中に存在するP1単位の量に関係する。得られたコポリマーの透明度もP1単位の含有率に依存する。
本発明のコポリマーは、光学部材の材料として有用である。本発明のコポリマーを含む光学部材として、例えば光ファイバ(車載用も含む)、光導波路等の光導性素子類、スチールカメラ用、ビデオカメラ用、望遠鏡用、眼鏡用、プラスチックコンタクトレンズ用、太陽光集光用等のレンズ類、凹面鏡、ポリゴン等の鏡類、ペンタプリズム類等のプリズム類、などが挙げられる。そして、高耐熱性、低吸湿性、モノマーを選択することにより複屈折の非常に小さいコポリマーも得ることが可能であることから散乱板、光ディスクなどの基板、および光スイッチに用いることも可能である。中でも、光導性素子類、レンズ類、鏡類に用いられるのが好ましく、光ファイバ、光導波路、レンズ類に用いられるのがより好ましい。本明細書では、特に好ましい態様である光ファイバについて詳述するが、その他の光学部材についても本発明のコポリマーを好ましく適用し得る。
以下において、本発明のコポリマーを利用した光学部材の製造方法の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明のコポリマーを、コア部に有するプラスチック光学部材の形成に適用したものである。クラッド部についてはコア部形成前にパイプ状のものを準備してその中で以下の様な方法を用いたコア部を形成してもよいし、以下の方法で形成したコア部に後から付与しても良い。該コポリマーの溶液または固体を用いて、例えば、以下のような方法により{(1)は特開平11−109144号公報(7頁、発明の実施の形態)に記載}、プラスチック光ファイバプリフォームを製造することができる。但し、これらに限定されない。
方法(1)
本発明のコポリマーで構成される成形体の中心部や外周部に屈折率調整剤、または屈折率調整剤を含む該コポリマーを配置し、屈折率調整剤を熱拡散させる、もしくは屈折率調整剤の含有量が異なる複数の溶融樹脂の層を隣接するように構成させて各層間で屈折率調整剤を熱拡散させるなど、成型しながらプリフォームを製造する方法。
方法(2)
ガラス管や、クラッド部となる低屈折素材よりなる中空管を用い、次にこの中空部に、本発明のコポリマーの溶液と必要であれば屈折率調整剤とを注入し、回転させながら、減圧または加熱により、有機溶剤を揮発させて層を形成させつつ、溶液中の屈折率調整成分の構成比を漸進的に変化させて、プリフォームを製造する方法。
方法(3)
ガラス管や、クラッド部となる低屈折素材よりなる中空管を用い本発明のコポリマー(熱可塑性プラスチック樹脂とは屈折率の異なるコポリマーであって、屈折率が該熱可塑性プラスチック樹脂より高いことが好ましい。その屈折率差は0.001以上、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01)を製造可能な重合性組成物(モノマー、重合開始剤、必要なら連鎖移動剤、および必要なら屈折率調整剤)を注入し、熱あるいは光により重合させプリフォーム(PF)を製造する方法。
方法(4)
(3)において、該重合性組成物を段階的に重合させ、同心円状からなる複数層の回転重合体の中空PFを作製する際、複数種類の屈折率の異なるモノマーおよびその組み合わせを用いて、中心に向かってその屈折率を漸進的に変化させながらプリフォームを製造する方法。
本発明のコポリマーで構成される成形体の中心部や外周部に屈折率調整剤、または屈折率調整剤を含む該コポリマーを配置し、屈折率調整剤を熱拡散させる、もしくは屈折率調整剤の含有量が異なる複数の溶融樹脂の層を隣接するように構成させて各層間で屈折率調整剤を熱拡散させるなど、成型しながらプリフォームを製造する方法。
方法(2)
ガラス管や、クラッド部となる低屈折素材よりなる中空管を用い、次にこの中空部に、本発明のコポリマーの溶液と必要であれば屈折率調整剤とを注入し、回転させながら、減圧または加熱により、有機溶剤を揮発させて層を形成させつつ、溶液中の屈折率調整成分の構成比を漸進的に変化させて、プリフォームを製造する方法。
方法(3)
ガラス管や、クラッド部となる低屈折素材よりなる中空管を用い本発明のコポリマー(熱可塑性プラスチック樹脂とは屈折率の異なるコポリマーであって、屈折率が該熱可塑性プラスチック樹脂より高いことが好ましい。その屈折率差は0.001以上、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01)を製造可能な重合性組成物(モノマー、重合開始剤、必要なら連鎖移動剤、および必要なら屈折率調整剤)を注入し、熱あるいは光により重合させプリフォーム(PF)を製造する方法。
方法(4)
(3)において、該重合性組成物を段階的に重合させ、同心円状からなる複数層の回転重合体の中空PFを作製する際、複数種類の屈折率の異なるモノマーおよびその組み合わせを用いて、中心に向かってその屈折率を漸進的に変化させながらプリフォームを製造する方法。
以上は、断面方向等に屈折率分布型のコア部を形成する場合に用いられる方法であるが、この様な屈折率の分布を必要としない場合には、(1)ないし(4)に記載の製造方法において、屈折率調整剤を含まない、もしくは、断面方向において均一な共重合体からなるポリマーマトリクスとなる様にプリフォームを製造する事ができる。
前記方法にクラッド部に対して用いられる熱可塑性樹脂としては、プラスチック光ファイバの使用温度下で充分高い機械的強度を与える熱可塑性樹脂であれば何でもよいが、室温での引っ張り弾性率が2000MPa以上であることが好ましい。これらの中でも、特に代表的なものとしては、ポリメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、線状ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、AS系樹脂(アクリロニトリル/スチレン共重合体系樹脂)、ABS系樹脂、ポリアセタール系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、テトラフルオロエチレン共重合体系樹脂、クロロトリフルオロエチレン共重合体系樹脂などが挙げられる。
屈折率調整剤はドーパントとも称し、併用するポリマー又は重合性モノマーの屈折率と異なる化合物である。その屈折率差は、0.005以上であるのが好ましい。ドーパントは、これを含有する重合体が無添加の重合体と比較して、屈折率が高くなる性質を有する。これらは、特許第3332922号公報や特開平5−173026号公報に記載されているような、モノマーの合成によって生成される重合体との比較において溶解性パラメータとの差が7(cal/cm3)1/2以内であるとともに、屈折率の差が0.001以上であり、これを含有する重合体が無添加の重合体と比較して屈折率が変化する性質を有し、重合体と安定して共存可能で、且つ前述の原料である重合性モノマーの重合条件(加熱および加圧等の重合条件)下において安定であるものを、いずれも用いることができる。
また、ドーパントは重合性化合物であってもよく、重合性化合物のドーパントを用いた場合は、これを共重合成分として含む共重合体がこれを含まない重合体と比較して、屈折率が上昇する性質を有するものを用いることが好ましい。本発明では、屈折率の異なる複数種のモノマーを選択し、その組成比を漸進的に変化させることにより屈折率分布型コア部を形成してもよい。また、上記性質を有し、重合体と安定して共存可能で、且つ前述の原料である重合性モノマーの重合条件(加熱および加圧等の重合条件)下において安定であるものを、ドーパントとして用いることができる。ドーパントを用いて屈折率分布型コア部を形成することにより、得られる光学部材は広い伝送帯域を有する屈折率分布型プラスチック光学部材となる。
前記ドーパントとしては、特許3332922号や特開平11−142657号の各公報に記載されている様な、例えば、安息香酸ベンジル(BEN)、硫化ジフェニル(DPS)、リン酸トリフェニル(TPP)、フタル酸ベンジルn−ブチル(BBP)、フタル酸ジフェニル(DPP)、ビフェニル(DP)、ジフェニルメタン(DPM)、リン酸トリクレジル(TCP)、ジフェニルスルホキシド(DPSO)、ジフェニルスルフィド、ビス(トリメチルフェニル)スルフィド、硫化ジフェニル誘導体、ジチアン誘導体、1,2−ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,3−ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン、2−ブロモテトラフルオロベンゾトリフルオライド、クロロペンタフルオロベンゼン、ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、パーフルオロアセトフェノン、パーフルオロビフェニル、クロロヘプタフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレンなどが挙げられる。硫化ジフェニル誘導体、ジチアン誘導体については、下記に具体的に示す化合物の中から適宜選ばれる。中でも、BEN、DPS、TPP、DPSOおよび硫化ジフェニル誘導体、ジチアン誘導体が好ましい。なお、これらの化合物中に存在する水素原子を重水素原子に置換した化合物も広い波長域での透明性を向上させる目的で用いることができる。また、重合性化合物として、例えば、トリブロモフェニルメタクリレート等が挙げられる。屈折率調整成分として重合性化合物を用いる場合は、マトリックスを形成する際に、重合性モノマーと重合性屈折率調整成分とを共重合させるので、種々の特性(特に光学特性)の制御がより困難となるが、耐熱性の面では有利となる可能性がある。
本発明のコポリマーをコア部に用いる場合は、低伝送損失化の観点から、C−H結合が少ないほうが好ましく、C−H結合がC−D結合に置換されているものが好ましい。また、このコポリマーを形成するモノマーM2はフッ素原子を有しているほうが好ましい。フッ素原子を含むことにより屈折率が低くなる場合があり、かかる場合は、コア部にドーパントを添加してもよい。このような観点から、コア部の作製に用いるのに好ましい本発明のコポリマーとドーパントとの組み合わせを例示すると、コアポリマーとして、1,4−ジオキセンークロロトリフルオロエチレン コポリマー(数平均分子量=28,000、Tg=150℃、屈折率(n)=1.459)と、ドーパントとして、ジフェニルスルフィド(n=1.633);コポリマーとして、1,4−ジオキセン−2−トリフルオロメチルアクリル酸トリフルオロエチル コポリマー(数平均分子量=22,000、Tg=158℃、屈折率(n)=1.443)と、ドーパントとして、ジフェニルスルフィド(n=1.633);などがある。
前記ドーパントと本発明のコポリマーとを用いて、Graded−Index(GI)型の屈折率分布を有するコア部を作製する方法としては、屈折率分布形状を制御する方法として好ましいモノマーから重合を行い製造することが好ましいが、本発明のコポリマーの製造適性などに応じて、条件を設定する事により前述のいかなる方法を用いることができる。但し、それらの方法に限定されるものではない。
その他にも、光伝送性能を低下させない範囲で、その他の添加剤を添加することができる。例えば、耐候性や耐久性などを向上させる目的で、安定剤を添加することができる。また、光伝送性能の向上を目的として、光信号増幅用の誘導放出機能化合物を添加することもできる。該化合物を添加することにより、減衰した信号光を励起光により増幅することができ、伝送距離が向上するので、例えば、光伝送リンクの一部にファイバ増幅器として使用することができる。これらの添加剤も、前記原料モノマーに添加した後、重合することによって、含有させることができる。
プラスチック光ファイバはプリフォームを溶融延伸することにより作製することができる。延伸は、例えば、プリフォームを加熱炉(例えば円筒状の加熱炉)等の内部を通過させることによって加熱し、溶融させた後、引き続き連続して延伸紡糸するのが好ましい。加熱温度は、プリフォームの材質等に応じて適宜決定することができるが、一般的には、180〜250℃が好ましい。延伸条件(延伸温度等)は、得られたプリフォームの径、所望のプラスチック光ファイバの径および用いた材料等を考慮して、適宜決定することができる。特に、屈折率分布型光ファイバにおいては、その断面の中心方向から円周に向け屈折率が変化する構造を有するため、この分布を破壊しないように、均一に加熱且つ延伸紡糸する必要がある。従って、プリフォームの加熱には、プリフォームを断面方向において均一に加熱可能である円筒形状の加熱炉等を用いことが好ましい。また、加熱炉は延伸軸方向に温度分布を持つことが好ましい。溶融部分が狭いほど屈折率分布の形状が歪みにくく収率があがるため好ましい。具体的には溶融部分の領域が狭くなるように溶融領域の前後では、予熱と徐冷を行うことが好ましい。さらに、溶融領域に用いる熱源としてはレーザーのようなせまい領域に対しても高出力のエネルギーを供給できるものがより好ましい。
なお、上記した様に、プリフォームの製造方法によって、中空形状のプリフォームが得られる場合がある。かかる形状のプリフォームを延伸する場合は、減圧下で延伸を行うのが好ましい。
延伸は線形とその真円度を維持させるため、中心位置を一定に保つ調芯機構を有する延伸紡糸装置を用いて行うのが好ましい。延伸条件を選択することによりファイバの重合体の配向を制御することができ、線引きで得られるファイバの曲げ性能等の機械特性や熱収縮などを制御することもできる。
また、線引時の張力は、特開平7−234322号公報に記載されているように、溶融したプラスチックを配向させるために10g以上とすることができ、もしくは特開平7−234324号公報に記載されているように、溶融延伸後に歪みを残さないようにするために100g以下とすることが好ましい。また、特開平8−106015号公報に記載されているように、延伸の際に予備加熱工程を実施する方法などを採用することもできる。
また、線引時の張力は、特開平7−234322号公報に記載されているように、溶融したプラスチックを配向させるために10g以上とすることができ、もしくは特開平7−234324号公報に記載されているように、溶融延伸後に歪みを残さないようにするために100g以下とすることが好ましい。また、特開平8−106015号公報に記載されているように、延伸の際に予備加熱工程を実施する方法などを採用することもできる。
以上の方法によって得られるファイバについては、得られる素線の破断伸びや硬度について特開平7−244220号公報に記載の様に規定することでファイバの曲げや側圧特性を改善することができる。また、特開平8−54521号公報のように低屈折率の層を外周に設けて反射層として機能させてさらに伝送性能を向上させることもできる。
前述した方法で製造されたプラスチック光ファイバは、そのままの形態で種々の用途に供することができる。また、保護や補強を目的として、その外側に被覆層を有する形態、繊維層を有する形態、および/または複数のファイバを束ねた状態で、種々の用途に供することができる。被覆工程は、例えばファイバ素線の通る穴を有する対向したダイスにファイバ素線を通し、対向したダイス間に溶融した被覆用の樹脂を満たし、ファイバ素線をダイス間に移動することで被覆されたファイバを得ることができる。被覆層は可撓時に内部のファイバへの応力から保護するため、ファイバ素線と融着していないことが望ましい。さらにこのとき、溶融した樹脂と接することでファイバ素線に熱的ダメージが加わるので、極力ダメージを押さえるような移動速度や低温で溶融できる樹脂を選ぶことも望ましい。このとき、被覆層の厚みは被覆材の溶融温度や素線の引き抜き速度、被覆層の冷却温度による。
その他にも、光部材に塗布したモノマーを重合させる方法やシートを巻き付ける方法、押し出し成形した中空管に光部材を通す方法などが知られている。
その他にも、光部材に塗布したモノマーを重合させる方法やシートを巻き付ける方法、押し出し成形した中空管に光部材を通す方法などが知られている。
素線を被覆することにより、プラスチック光ファイバケーブル製造が可能となる。その際にその被覆の形態として、被覆材とプラスチック光ファイバ素線の界面が全周にわたって接して被覆されている密着型の被覆と、被覆材とプラスチック光ファイバ素線の界面に空隙を有するルース型被覆がある。ルース型被覆では、たとえばコネクタとの接続部などにおいて被覆層を剥離した場合、その端面の空隙から水分が浸入して長手方向に拡散されるおそれがあるため、通常は密着型が好ましい。しかし、ルース型の被覆の場合、被覆と素線が密着していないので、ケーブルにかかる応力や熱とはじめとするダメージの多くを被覆材層で緩和させることができ、素線にかかるダメージを軽減させることができるため、使用目的によっては好ましく用いることができる。水分の伝播については、空隙部に流動性を有するゲル状の半固体や粉粒体を充填することで、端面からの水分伝播を防止でき、かつ、これらの半固体や粉粒体に耐熱や機械的機能の向上などの水分伝播防止と異なる機能をあわせ持つようにすることでより高い性能の被覆を形成できる。ルース型の被覆を製造するには、クロスヘッドダイの押出し口ニップルの位置を調整し減圧装置を加減することで空隙層を作ることができる。空隙層の厚みは前述のニップル厚みと空隙層を加圧/減圧することで調整が可能である。
さらに、必要に応じて被覆層(1次被覆層)の外周にさらに被覆層(2次被覆層)を設けても良い。2次被覆層に難燃剤や紫外線吸収剤、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、昇光剤、滑剤などを導入してもよく、耐透湿性能を満足する限りにおいては、1次被覆層にも導入は可能である。
なお、難燃剤については臭素を始めとするハロゲン含有の樹脂や添加剤や燐含有のものがあるが、毒性ガス低減などの安全性の観点で難燃剤として金属水酸化物を加える主流となりつつある。金属水酸化物はその内部に結晶水として水分を有しており、またその製法過程での付着水が完全に除去できないため、金属水酸化物による難燃性被覆は本発明の対透湿性被覆(1次被覆層)の外層被覆(2次被覆層)として設けることが望ましい。
また、複数の機能を付与させるために、様々な機能を有する被覆を積層させてもよい。例えば、本発明のような難燃化以外に、素線の吸湿を抑制するためのバリア層や水分を除去するための吸湿材料、例えば吸湿テープや吸湿ジェルを被覆層内や被覆層間に有することができ、また可撓時の応力緩和のための柔軟性素材層や発泡層等の緩衝材、剛性を挙げるための強化層など、用途に応じて選択して設けることができる。樹脂以外にも構造材として、高い弾性率を有する繊維(いわゆる抗張力繊維)および/または剛性の高い金属線等の線材を熱可塑性樹脂に含有すると、得られるケーブルの力学的強度を補強することができることから好ましい。
抗張力繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられる。また、金属線としてはステンレス線、亜鉛合金線、銅線などが挙げられる。いずれのものも前述したものに限定されるものではない。その他に保護のための金属管の外装、架空用の支持線や、配線時の作業性を向上させるための機構を組み込むことができる。
抗張力繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が挙げられる。また、金属線としてはステンレス線、亜鉛合金線、銅線などが挙げられる。いずれのものも前述したものに限定されるものではない。その他に保護のための金属管の外装、架空用の支持線や、配線時の作業性を向上させるための機構を組み込むことができる。
また、ケーブルの形状は使用形態によって、素線を同心円上にまとめた集合ケーブルや、一列に並べたテープ心線と言われる態様、さらにそれらを押え巻やラップシースなどでまとめた集合ケーブルなど用途に応じてその形態を選ぶことができる。
また、本発明の光ファイバを用いたケーブルは、軸ずれに対して従来の光ファイバに比べて許容度が高いため突き合せによる接合でも用いることができるが、端部に接続用光コネクタを用いて接続部を確実に固定することが好ましい。コネクタとしては一般に知られている、PN型、SMA型、SMI型、F05型、MU型、FC型、SC型などの市販の各種コネクタを利用することも可能である。
本発明の光ファイバ、および光ファイバケーブルを用いて光信号を伝送するシステムには、種々の発光素子や受光素子、光スイッチ、光アイソレータ、光集積回路、光送受信モジュールなどの光部品を含む光信号処理装置等で構成される。また、必要に応じて他の光ファイバなどと組合わせてもよい。それらに関連する技術としてはいかなる公知の技術も適用でき、例えば、プラスティックオプティカルファイバの基礎と実際(エヌ・ティー・エス社発行)、日経エレクトロニクス2001.12.3号110頁〜127頁「プリント配線基板に光部品が載る,今度こそ」などを参考にすることができる。前記文献に記載の種々の技術と組み合わせることによって、コンピュータや各種デジタル機器内の装置内配線、車両や船舶などの内部配線、光端末とデジタル機器、デジタル機器同士の光リンクや一般家庭や集合住宅・工場・オフィス・病院・学校などの屋内や域内の光LAN等をはじめとする、高速大容量のデータ通信や電磁波の影響を受けない制御用途などの短距離に適した光伝送システムに好適に用いることができる。
さらに、IEICE TRANS.ELECTRON.,VOL.E84−C,No.3,MARCH 2001,p.339−344「High−Uniformity Star Coupler Using Diffused Light Transmission」,エレクトロニクス実装学会誌 Vol.3,No.6,2000 476頁〜480ページ「光シートバス技術によるインタコネクション」の記載されているものや、特開平10−123350号、特開2002−90571号、特開2001−290055号等の各公報に記載の光バス;特開2001−74971号、特開2000−329962号、特開2001−74966号、特開2001−74968号、特開2001−318263号、特開2001−311840号等の各公報に記載の光分岐結合装置;特開2000−241655号等の公報に記載の光スターカプラ;特開2002−62457号、特開2002−101044号、特開2001−305395号等の各公報に記載の光信号伝達装置や光データバスシステム;特開2002−23011号公報等に記載の光信号処理装置;特開2001−86537号公報等に記載の光信号クロスコネクトシステム;特開2002−26815号公報等に記載の光伝送システム;特開2001−339554号、特開2001−339555号等の各公報に記載のマルチファンクションシステム;や各種の光導波路、光分岐器、光結合器、光合波器、光分波器などと組み合わせることで、多重化した送受信などを使用した、より高度な光伝送システムを構築することができる。
以上の光伝送用途以外にも照明、エネルギー伝送、イルミネーション、センサ分野にも用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。なお、以下において、部および%は、特に断りの無い限り、すべて、質量基準であるものとする。
[モノマー合成例1]
化合物(M1−10)の合成例
以下に例示化合物(M1−10)の合成例を詳細に説明する。合成ルートを下記反応式に示す。
[モノマー合成例1]
化合物(M1−10)の合成例
以下に例示化合物(M1−10)の合成例を詳細に説明する。合成ルートを下記反応式に示す。
ベンゾジオキサン(M1−10A)の合成:
カテコール 54g(0.49mol)および1,2−ジブロモエタン 188g(1.00mol)のエチレングリコール 550ml溶液に、炭酸カリウム 144g(1.04mol)を加えて窒素雰囲気下120〜130℃で4時間攪拌した。室温に冷却後、蒸留水 500mlおよびジクロロエタン 700mlを加えて分液し、有機層(下層)を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で1回ずつ洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去した後、蒸留にて精製し(6mmHg、103℃)、無色透明液体1−2Aを57g(収率62%)得た。
以下に 1H−NMR(300MHz,CDCl3)データを示す。
δ4.25(s,4H),6.7−7.0(m,4H)
カテコール 54g(0.49mol)および1,2−ジブロモエタン 188g(1.00mol)のエチレングリコール 550ml溶液に、炭酸カリウム 144g(1.04mol)を加えて窒素雰囲気下120〜130℃で4時間攪拌した。室温に冷却後、蒸留水 500mlおよびジクロロエタン 700mlを加えて分液し、有機層(下層)を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で1回ずつ洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去した後、蒸留にて精製し(6mmHg、103℃)、無色透明液体1−2Aを57g(収率62%)得た。
以下に 1H−NMR(300MHz,CDCl3)データを示す。
δ4.25(s,4H),6.7−7.0(m,4H)
ベンゾジオキシン(M1−10)の合成:
ベンゾジオキサン(1−2A)50.0g(0.37mol)の四塩化炭素 700ml溶液に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)171g(2.6eq)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 3.0g(5mol%)を加え、窒素雰囲気下で10時間還流させた。室温に冷却した後固体を濾過し、濾液に蒸留水 500mlを加えて分液、有機層(下層)を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去した後、ヨウ化ナトリウム 220g(4eq)とアセトン 1.2Lを加え、窒素雰囲気下で4時間還流した。アセトンを600ml程度減圧留去し、1.5mol/Lチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)水溶液 1Lを加えて10分室温にて攪拌後、ジクロロメタン 1.5Lにて抽出した。飽和食塩水で洗浄、溶媒減圧留去後、カラムクロマトグラフィー(溶離液はヘキサン)および蒸留(23mmHg,86℃)にて精製、無色透明の(1−2A)を38.5g(収率52%)で得た。
以下に、1H−NMR(300MHz,CDCl3)データを示す。
δ5.84(s,2H),6.6(m,2H),6.8(m,2H)
ベンゾジオキサン(1−2A)50.0g(0.37mol)の四塩化炭素 700ml溶液に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)171g(2.6eq)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 3.0g(5mol%)を加え、窒素雰囲気下で10時間還流させた。室温に冷却した後固体を濾過し、濾液に蒸留水 500mlを加えて分液、有機層(下層)を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。溶媒を減圧留去した後、ヨウ化ナトリウム 220g(4eq)とアセトン 1.2Lを加え、窒素雰囲気下で4時間還流した。アセトンを600ml程度減圧留去し、1.5mol/Lチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)水溶液 1Lを加えて10分室温にて攪拌後、ジクロロメタン 1.5Lにて抽出した。飽和食塩水で洗浄、溶媒減圧留去後、カラムクロマトグラフィー(溶離液はヘキサン)および蒸留(23mmHg,86℃)にて精製、無色透明の(1−2A)を38.5g(収率52%)で得た。
以下に、1H−NMR(300MHz,CDCl3)データを示す。
δ5.84(s,2H),6.6(m,2H),6.8(m,2H)
[実施例1]〔コポリマー(P−3)の調製例〕
容量100mLのオートクレーブに酢酸エチル24部、1,4−ジオキセン(M1−1:東京化成製)20部、tert−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂製)0.3部を仕込み、空隙部分を窒素で置換した。次いで、クロロトリフルオロエチレン(ダイキン製)31部を仕込んだ後、攪拌しながら55℃で13時間重合を行った。重合後、常圧に戻し、蓋を開けたところ、ポリマー溶液が飽和状態にあり、一部のポリマーが析出していた。析出したポリマーをテトラヒドロフラン(THF)溶液にした後(THF150mL)、酢酸エチル溶液と併せて、メタノール中で再沈殿精製を行った。再沈殿精製を2回繰り返し、Tg=154℃、数平均分子量(Mn)=28,000、屈折率(n)=1.459の含フッ素共重合体が35g得られた。得られたポリマーは例示ポリマーP−3であった。このポリマーは、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などに溶解した。得られたポリマー(P−3)をTHFに溶解し、スライドガラス状にコートし、溶媒(THF)を大気中、続いて減圧下で留去した。得られたフィルムは完全に透明であった。
容量100mLのオートクレーブに酢酸エチル24部、1,4−ジオキセン(M1−1:東京化成製)20部、tert−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂製)0.3部を仕込み、空隙部分を窒素で置換した。次いで、クロロトリフルオロエチレン(ダイキン製)31部を仕込んだ後、攪拌しながら55℃で13時間重合を行った。重合後、常圧に戻し、蓋を開けたところ、ポリマー溶液が飽和状態にあり、一部のポリマーが析出していた。析出したポリマーをテトラヒドロフラン(THF)溶液にした後(THF150mL)、酢酸エチル溶液と併せて、メタノール中で再沈殿精製を行った。再沈殿精製を2回繰り返し、Tg=154℃、数平均分子量(Mn)=28,000、屈折率(n)=1.459の含フッ素共重合体が35g得られた。得られたポリマーは例示ポリマーP−3であった。このポリマーは、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などに溶解した。得られたポリマー(P−3)をTHFに溶解し、スライドガラス状にコートし、溶媒(THF)を大気中、続いて減圧下で留去した。得られたフィルムは完全に透明であった。
[実施例2]〔コポリマー(P−11)の調製例〕
容量20mLの試験管に、1,4−ジオキセン(M1−1:東京化成製) 2部、2−トリフルオロメチルアクリル酸トリフルオロエチル(東ソー製) 5.15部、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂製) 0.0082部を仕込み、空隙部分をアルゴンで置換し、無攪拌のまま90℃で20時間重合を行った。得られたロッド状のポリマーをTHFに溶解させ、ヘキサン中に注ぎ、再沈殿精製を2回行い、Tg=158℃、数平均分子量(Mn)=39,000の含フッ素共重合体(P−11)が4.1g得られた。ポリマーは酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などに溶解した。該ポリマー(P−11)をTHFに溶解し、スライドガラス状にコートし、溶媒(THF)を大気中、続いて減圧下で留去した。得られたフィルムは完全に透明であった。
容量20mLの試験管に、1,4−ジオキセン(M1−1:東京化成製) 2部、2−トリフルオロメチルアクリル酸トリフルオロエチル(東ソー製) 5.15部、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂製) 0.0082部を仕込み、空隙部分をアルゴンで置換し、無攪拌のまま90℃で20時間重合を行った。得られたロッド状のポリマーをTHFに溶解させ、ヘキサン中に注ぎ、再沈殿精製を2回行い、Tg=158℃、数平均分子量(Mn)=39,000の含フッ素共重合体(P−11)が4.1g得られた。ポリマーは酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などに溶解した。該ポリマー(P−11)をTHFに溶解し、スライドガラス状にコートし、溶媒(THF)を大気中、続いて減圧下で留去した。得られたフィルムは完全に透明であった。
[実施例3]〔コポリマー(P−19)の調製例〕
容量20mLの試験管に、1,4−ジオキセン(M1−1:東京化成製) 16.4部、ヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル(旭硝子製) 50.6部、酢酸エチル26.7部、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂製) 0.375部を仕込み、空隙部分をアルゴンで置換し、無攪拌のまま55℃で20時間重合を行った。得られたロッド状のポリマーを酢酸エチルに溶解させ、メタノール中に注ぎ、再沈殿精製を2回行い、Tg=150℃、数平均分子量(Mn)=12,000の含フッ素共重合体(P−19)が36.1g得られた。ポリマーは酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などに溶解した。該ポリマー(P−19)をTHFに溶解し、スライドガラス状にコートし、溶媒(THF)を大気中、続いて減圧下で留去した。得られたフィルムは完全に透明であった。
容量20mLの試験管に、1,4−ジオキセン(M1−1:東京化成製) 16.4部、ヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル(旭硝子製) 50.6部、酢酸エチル26.7部、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂製) 0.375部を仕込み、空隙部分をアルゴンで置換し、無攪拌のまま55℃で20時間重合を行った。得られたロッド状のポリマーを酢酸エチルに溶解させ、メタノール中に注ぎ、再沈殿精製を2回行い、Tg=150℃、数平均分子量(Mn)=12,000の含フッ素共重合体(P−19)が36.1g得られた。ポリマーは酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などに溶解した。該ポリマー(P−19)をTHFに溶解し、スライドガラス状にコートし、溶媒(THF)を大気中、続いて減圧下で留去した。得られたフィルムは完全に透明であった。
[実施例4]〔コポリマー(P−37)の調製例〕
容量100mLのオートクレーブに酢酸エチル24部、ベンゾジオキシン(M1−10:上記合成例にて合成)20部、tert−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂製)0.3部を仕込み、空隙部分を窒素で置換した。次いで、クロロトリフルオロエチレン(ダイキン製)31部を仕込んだ後、攪拌しながら55℃で13時間重合を行った。重合後、常圧に戻した。析出したポリマーをテトラヒドロフラン(THF)の150mLに溶解し、該溶液を酢酸エチル溶液と併せて、ヘキサン中で再沈殿精製を行った。再沈殿精製を2回繰り返し、Tg=125℃、重量平均分子量(Mw)=27,000の含フッ素共重合体(P−37)が15.2g得られた。ポリマーは酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などに溶解した。該ポリマー(P−37)をTHFに溶解し、スライドガラス状にコートし、溶媒(THF)を大気中、続いて減圧下で留去した。得られたフィルムは完全に透明であった。
容量100mLのオートクレーブに酢酸エチル24部、ベンゾジオキシン(M1−10:上記合成例にて合成)20部、tert−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂製)0.3部を仕込み、空隙部分を窒素で置換した。次いで、クロロトリフルオロエチレン(ダイキン製)31部を仕込んだ後、攪拌しながら55℃で13時間重合を行った。重合後、常圧に戻した。析出したポリマーをテトラヒドロフラン(THF)の150mLに溶解し、該溶液を酢酸エチル溶液と併せて、ヘキサン中で再沈殿精製を行った。再沈殿精製を2回繰り返し、Tg=125℃、重量平均分子量(Mw)=27,000の含フッ素共重合体(P−37)が15.2g得られた。ポリマーは酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などに溶解した。該ポリマー(P−37)をTHFに溶解し、スライドガラス状にコートし、溶媒(THF)を大気中、続いて減圧下で留去した。得られたフィルムは完全に透明であった。
[実施例5]〔コポリマー(P−45)の調製例〕
容量20mLの試験管に、ベンゾジオキシン(M1−10:上記合成例にて合成) 1.34部、2−トリフルオロメチルアクリル酸トリフルオロエチル(東ソー製) 2.22部、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂製) 0.0082部を仕込み、空隙部分をアルゴンで置換し、無攪拌のまま90℃で20時間重合を行った。得られたロッド状のポリマーをTHFに溶解させ、ヘキサン中に注ぎ、再沈殿精製を2回行い、Tg=110℃、重量平均分子量(Mw)=22,000の含フッ素共重合体(P−45)が4.1g得られた。ポリマーは酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などに溶解した。該ポリマー(P−45)をTHFに溶解し、スライドガラス状にコートし、溶媒(THF)を大気中、続いて減圧下で留去した。得られたフィルムは完全に透明であった。
容量20mLの試験管に、ベンゾジオキシン(M1−10:上記合成例にて合成) 1.34部、2−トリフルオロメチルアクリル酸トリフルオロエチル(東ソー製) 2.22部、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂製) 0.0082部を仕込み、空隙部分をアルゴンで置換し、無攪拌のまま90℃で20時間重合を行った。得られたロッド状のポリマーをTHFに溶解させ、ヘキサン中に注ぎ、再沈殿精製を2回行い、Tg=110℃、重量平均分子量(Mw)=22,000の含フッ素共重合体(P−45)が4.1g得られた。ポリマーは酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などに溶解した。該ポリマー(P−45)をTHFに溶解し、スライドガラス状にコートし、溶媒(THF)を大気中、続いて減圧下で留去した。得られたフィルムは完全に透明であった。
[比較例1]
容量100mLのオートクレーブに酢酸エチル24部、1,4−ジオキセン(東京化成製)20部、tert−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂製)0.3部を仕込み、空隙部分を窒素で置換した。次いで、e値が−0.2であるエチレン 13部を仕込んだ後、攪拌しながら55℃で13時間重合を行った。重合後、常圧に戻し、蓋を開けたところ、ポリマーは形成されなかった。
容量100mLのオートクレーブに酢酸エチル24部、1,4−ジオキセン(東京化成製)20部、tert−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂製)0.3部を仕込み、空隙部分を窒素で置換した。次いで、e値が−0.2であるエチレン 13部を仕込んだ後、攪拌しながら55℃で13時間重合を行った。重合後、常圧に戻し、蓋を開けたところ、ポリマーは形成されなかった。
[実施例6]〔コポリマー(P−10)ステップインデックス型光ファイバの調製例〕
溶融押し出し成型によって作製されたポリフッ化ビニリデン(屈折率1.42)の中空パイプ(底もポリフッ化ビニリデン)中に、1,4−ジオキセン(東京化成製) 40部、e値が2.9である2−トリフルオロメチルアクリル酸メチル(東ソー製2−トリフルオロメチルアクリル酸より合成) 72部、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂製) 0.16部を仕込み、空隙部分をアルゴンで置換し、無攪拌のまま90℃で20時間重合、さらに120℃で24時間重合を行った。できたプリフォームをそのまま240℃で溶融しながら延伸することにより、ステップインデックス型光ファイバ素線を得た。660nmでの損失は180dB/kmであった。
溶融押し出し成型によって作製されたポリフッ化ビニリデン(屈折率1.42)の中空パイプ(底もポリフッ化ビニリデン)中に、1,4−ジオキセン(東京化成製) 40部、e値が2.9である2−トリフルオロメチルアクリル酸メチル(東ソー製2−トリフルオロメチルアクリル酸より合成) 72部、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂製) 0.16部を仕込み、空隙部分をアルゴンで置換し、無攪拌のまま90℃で20時間重合、さらに120℃で24時間重合を行った。できたプリフォームをそのまま240℃で溶融しながら延伸することにより、ステップインデックス型光ファイバ素線を得た。660nmでの損失は180dB/kmであった。
[実施例7]〔複数のモノマー(M1−1、M1−10およびM2−13)を用いた屈折率分布型光ファイバの調製例〕
ガラス管を用いた回転重合装置を使用し、下記に示すモノマー比率(モル比率)で最外層から順次中心に向けて複数層(ここでは9層)の回転重合(65℃(重合開始剤はV−601(和光純薬製)、1200rpm〜3000rpm)を行い屈折率分布型の中空プリフォーム(PF)を得た。該中空PFを減圧下220℃〜240℃で溶融延伸することによりGI型光ファイバ素線を得た。660nmでの損失は190dB/kmであった。
ガラス管を用いた回転重合装置を使用し、下記に示すモノマー比率(モル比率)で最外層から順次中心に向けて複数層(ここでは9層)の回転重合(65℃(重合開始剤はV−601(和光純薬製)、1200rpm〜3000rpm)を行い屈折率分布型の中空プリフォーム(PF)を得た。該中空PFを減圧下220℃〜240℃で溶融延伸することによりGI型光ファイバ素線を得た。660nmでの損失は190dB/kmであった。
M1−1 M1−10 M2−13
最外層 100 0 100
2層目 97 3 100
3層目 94 6 100
4層目 92 8 100
5層目 90.5 9.5 100
6層目 89.5 10.5 100
7層目 88.5 11.5 100
8層目 88 12 100
最内層 87.5 12.5 100
最外層 100 0 100
2層目 97 3 100
3層目 94 6 100
4層目 92 8 100
5層目 90.5 9.5 100
6層目 89.5 10.5 100
7層目 88.5 11.5 100
8層目 88 12 100
最内層 87.5 12.5 100
本発明によれば、耐湿熱性と非晶性を保つ新規なポリマーを提供することができる。また、さらに、本発明によれば、該コポリマーを主成分とする、良好な耐熱性と光学特性を有する光学部材を提供することができる。
関連する出願の相互参照
本発明は、2004年6月24日に出願された日本国特許出願2004−186199号の優先権を主張した出願である。
関連する出願の相互参照
本発明は、2004年6月24日に出願された日本国特許出願2004−186199号の優先権を主張した出願である。
Claims (14)
- 下記一般式(1)で表される繰り返し単位(P1)の少なくとも一種を1〜99mol%、及び下記一般式(2)で表される繰り返し単位(P2)の少なくとも一種を99〜1モル%含むコポリマー。
- 前記一般式(1)中のR1及びR2が各々、水素原子(H)又は重水素原子(D)である請求項1に記載のコポリマー。
- 前記一般式(1)中のX及びYがともに酸素原子(O)であり、n1が2である請求項1又は2に記載のコポリマー。
- 下記一般式(3)で表されるモノマー(M1)の少なくとも一種の1〜99mol%と、下記一般式(4)で表されるモノマー(M2)の少なくとも一種の99〜1mol%とを重合させた、分子量が1000〜1000000(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定したスチレン換算での数平均分子量)のコポリマー。
(式中、R1及びR2は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表し、R3及びR4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールアミノカルボニル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールカルボニルアミノ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルもしくはアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、又はアシル基を表し;X及びYは各々、酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を表し;n1は2〜4のいずれかの整数を表すが;ただし、R1〜R4の少なくとも一つはフッ素原子(F)ではない);
(式中、L1〜L4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールアミノカルボニル基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールカルボニルアミノ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルアミノ基、又はアルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基を表し;ただし、L1〜L4の基の中に必ずフッ素原子を1個以上含み;L1〜L4の中から選ばれる2つが環状構造をとってもよい。) - 前記一般式(3)中のR1及びR2が各々、水素原子(H)又は重水素原子(D)である請求項5に記載のコポリマー。
- 前記一般式(3)中のX及びYがともに酸素原子(O)であり、n1が2である請求項5又は6に記載のコポリマー。
- 前記一般式(4)で表される含フッ素ビニルモノマー(M2)のe値が0以上である請求項5〜7のいずれか1項に記載のコポリマー。
- 下記一般式(3)で表されるモノマー(M1)1〜99mol%と、下記一般式(4)で表されるモノマー(M2)99〜1mol%とを重合させて、分子量が1000〜1000000(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定したスチレン換算での数平均分子量)なコポリマーを製造することを含む光学部材の製造方法。
(式中、R1及びR2は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の、アルキル基又はアリール基を表し;R3及びR4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールアミノカルボニル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールカルボニルアミノ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルもしくはアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、又はアシル基を表し;X及びYは各々、酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を表し、n1は2〜4のいずれかの整数を表し;ただし、R1〜R4の少なくとも一つはフッ素原子(F)ではない。)
(式中、L1〜L4は各々、水素原子(H)、重水素原子(D)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールアミノカルボニル基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールカルボニルアミノ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニルアミノ基、又はアルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基を表し;ただし、L1〜L4の基の中に必ずフッ素原子を1個以上含み;L1〜L4の中から選ばれる2つが環状構造をとってもよい。) - 請求項1〜11のいずれか1項に記載のコポリマーを主成分とする領域を少なくとも有する光学部材。
- 前記領域が少なくとも第1の層と第2の層とを含み、前記第1の層がモノマー(M1)とモノマー(M2)のモノマー比r1のコポリマーを含有し、前記第2の層がモノマー(M1)とモノマー(M2)のモノマー比r2(r2はr2と等しくない)のコポリマーを含有し、且つ前記第1及び第2の層の屈折率が、前記r1とr2との差に基づいて異なっている請求項13に記載の光学部材。
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