JP2008308170A - バンパー構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】管状のアルミニウム合金押出材を電磁成形により拡径して前端から所定距離後方の位置に張り出し部52eを形成し、かつ後端に取付用フランジ52dを形成してステイ素材56とする。次に、ステイ素材56を、前壁51a及び後壁51bに形成した穴54,53を通して、バンパーリインフォース51に後方側から挿入し、その前端部を前壁52aから突出させ、かつ張り出し部52eを後壁52bの後面側に当接させる。次に、ステイ素材56内に電磁成型用コイル59を挿入し電磁成形して拡径し、これによりステイ素材56をバンパーリインフォース52に固定する。
【選択図】図6
Description
なお、本件明細書において、車両のフロント側、リア側に関わらず、衝突面側を前とする。
なお、このような事態は、バンパーリインフォースとステイの固定を溶接により行った場合にも発生し得る。また、前記特許文献2に記載されたように、バンパーリインフォースとステイを1カ所だけボルト・ナットで固定した場合にはいっそう発生しやすい。
なお、サイドメンバの前端に直接バンパーリインフォースが固定されている場合も本発明に含まれる。その場合、前記ステイはサイドメンバの前端部を意味する。この点は、以下の発明においても同様である。
この取付部構造によれば、ポール衝突時等にバンパーリインフォースとステイの取付部に引張荷重が掛かっても、その荷重をフランジが面で支持するので、従来の点での支持(ボルト)や線での支持(溶接)に比べて大きい荷重を支持することができ、バンパーリインフォースとステイの分離(バンパーリインフォースの浮き上がり)を防止することができる。また、バンパーリインフォースをステイのフランジと張り出し部により前後方向から支持することになるので、バンパーリインフォースとステイの固定が強固になり、バンパーリインフォースを車体の剛性部材として利用することもできるようになる。
このバンパー構造体において、ステイのフランジ及び/又は張り出し部は電磁成形により容易に形成することができる。
また、バンパーリインフォースとステイのより強固な固定を行うことができ、バンパー構造体において高い剛性の取付部構造を得ることができる。
(1)ステイが管状のアルミニウム合金押出材からなり、軸方向が車体前後方向を向き、バンパーリインフォースの後壁に穴が形成され、前記ステイの軸部が前記穴に嵌入し、前記ステイの軸部の前端にフランジが形成されて前記後壁の前面側に接触し、さらに前記ステイの軸部の周囲に張り出し部が形成され、前記後壁が前記フランジと前記張り出し部の間に挟まれているもの。この取付部構造は図1,2,7に開示されている。
(2)ステイが管状のアルミニウム合金押出材からなり、軸方向が車体前後方向を向き、バンパーリインフォースの前壁及び後壁に穴が形成され、前記ステイの軸部が前記後壁の穴を通って前壁の穴に嵌入し、前記ステイの軸部の前端にフランジが形成されて前記前壁の前面側に接触し、さらに前記ステイの軸部の周囲に張り出し部が形成され、前記前壁が前記フランジと前記張り出し部の間に挟まれているもの。この場合、前記張り出し部が前記前壁と後壁の間の全長にわたり張り出していてもよい。この取付部構造は図3,4に開示されている。
(3)ステイが管状のアルミニウム合金押出材からなり、軸方向が車体前後方向を向き、バンパーリインフォースの前壁及び後壁に穴が形成され、前記ステイの軸部が前記後壁の穴を通って前壁の穴に嵌入し、前記ステイの軸部の前端にフランジが形成されて前記前壁の前面側に接触し、さらに、前記ステイの軸部の周囲に張り出し部が形成され、前記前壁及び後壁が前記フランジと張り出し部の間に挟まれているもの。この取付部構造は図5,6に開示されている。
図1において、バンパーリインフォース11とステイ12はともにアルミニウム合金押出材からなる。バンパーリインフォース11は前壁11a、後壁11b及び横壁11c,11dからなる断面矩形状の部材であり、その両端部が車体後方側に曲げられて傾斜し、その傾斜部の後壁11bに丸い穴13が形成されている。ステイ12は軸部12aが円形断面を有し、その前端に前記後壁11bに沿った傾斜を有するフランジ12bが形成され、その後方側にフランジ12bに平行に張り出し部12cが形成され、さらに軸部12aの後端にサイドメンバへの取付用のフランジ12dが一体的に形成されている。
フランジ12bはバンパーリインフォース11の穴13の周囲全周において後壁11bの前面側に面接触し、張り出し部12cは後壁11bの後面側に形成され、結局、穴13の周囲においてバンパーリインフォース11の後壁11bは、ステイ12のフランジ12bと張り出し部12cにより両側から挟みつけられたかたちとなっている。
上記取付部構造を有するバンパーリインフォース11とステイ12からなる構造体は、バンパーリインフォース11の後壁11bが、穴13の周囲において、ステイ12のフランジ12bと張り出し部12cにより挟まれ、かつ穴13の内面に軸部12aが押し付けられている。このフランジ12bがポール衝突時等にバンパーリインフォース11の後壁11bを掛止し、そこに掛かる荷重を面で受け止める。また、後壁11bが両側から挟まれて固定されるため、剛性の高い取付部構造にすることができる。
なお、上記の例では、ステイ素材16の前端をバンパーリインフォース11の後壁11bと平行に傾斜するように切断したが、切り口は他の形態(例えば軸方向に垂直に切断)としてもよい。
図3(a)に示す取付部構造は、バンパーリインフォース21の後壁21b及び前壁21aに穴23、24が形成され、ステイ22が前後方向にやや長く、バンパーリインフォース21の前壁21aが、穴24の周囲において、ステイ22のフランジ22bと張り出し部22cにより挟みつけられたかたちになっている点を除いて、図1に示す取付部構造と同じである。
この取付部構造を形成するには、例えば、図3(b)に示すように、まず電磁成形により前端から所定距離後方の位置に張り出し部22cを形成し、後端にフランジ22dを形成したステイ素材26を作り、穴23,24を通してバンパーリインフォース21の後方側からステイ素材26を挿入し、ステイ素材26の前端部をバンパーリインフォース21の前壁21aから突出させ、張り出し部22cを前壁21aの後面側に当接させる。なお、穴24はステイ素材26がほぼ隙間なく挿入できるほどの内径であり、穴23は張り出し部22cが挿入できるようにやや大きく形成されている。
電磁成形後、バンパーリインフォース21とステイ22は、必要に応じて、ボルトで締結又は溶接で固定される。
上記取付部構造を有するバンパーリインフォース21とステイ22からなる構造体は、バンパーリインフォース21の前壁21aが、穴24の周囲において、ステイ22のフランジ22bと張り出し部22cにより挟まれ、かつ穴24の内面に軸部22aが押し付けられている。このフランジ22bと張り出し部22cが、ポール衝突時等にバンパーリインフォース21の前壁21aを掛止し、そこに掛かる荷重を面で受け止める。また、前壁21aが両側から挟まれて固定されるため、剛性の高い取付部構造にすることができる。
図4に示す取付部構造は、張り出し部32cがバンパーリインフォース31の前壁31aと後壁31bの間の全長にわたり張り出している点、及び後壁31bに前壁31aに形成された穴34と同径の穴33が形成されている点を除けば、図3に示す取付部構造と同じである。
この取付部構造を形成するには、ステイ素材(円筒形のままのものでよい)を穴33、34を通してバンパーリインフォース31の後方側から挿入し、ステイ素材の前端部をバンパーリインフォース31の前壁31aから突出させ、続いて、図4に仮想線で示すように、ステイ素材の周囲を分割金型37(組み合わせたときに構成される貫通穴の径がステイ素材の外径とほぼ同じ)で囲み、ステイ素材内に電磁成型用コイル体39を挿入し、該電磁成形用コイル体39に瞬間大電流を流す。
電磁成形後、バンパーリインフォース31とステイ32は、必要に応じて、ボルトで締結又は溶接で固定される。
図5に示す取付部構造は、ステイ42の後方部分(バンパーリインフォース41の後壁41bから突出した部分)も拡径され、張り出し部42eとなっている点を除いて、図4に示す取付部構造と同じである。
この取付部構造を形成するには、図4に示す方法とほぼ同じでよいが、図4に仮想線で示すように、ステイ素材の周囲を囲む分割金型47を組み合わせたときに構成される貫通穴の径を、ステイ素材の外径より大きくしておく。
ステイ素材内に電磁成型用コイル49を挿入し、該電磁成形用コイル体49に瞬間大電流を流すと、ステイ素材は瞬間的に拡径し、図4に示す方法で説明した変形(1)〜(4)以外に、(5)後壁41bから突出した部分が拡径し、分割金型47の貫通穴(成形面)に押し付けられ、ここに張り出し部42eが形成され、これが後壁41bの後面側に圧接する。
電磁成形後、バンパーリインフォース41とステイ42は、必要に応じて、ボルトで締結又は溶接で固定される。
図6に示す取付部構造は、バンパーリインフォース51の後壁51b及び前壁51aに穴53、54が形成され、ステイ52は軸部52aの前端にフランジ52bが形成され、その後方側に張り出し部52cが形成され、軸部52aの後端にフランジ52dが形成され、さらに張り出し部52cとフランジ52dの間に張り出し部52eが一体的に形成されている。フランジ52bはバンパーリインフォース51の穴54の周囲全周において前壁51aの前面側に面接触し、張り出し部52cは前壁51aの後面側に形成され、張り出し部52eは後壁51bの後面側に形成され、結局、穴54の周囲においてバンパーリインフォース51の前壁51aは、ステイ52のフランジ52bと張り出し部52cにより両側から挟みつけられ、同時に、バンパーリインフォース51の前壁51a及び後壁51bがフランジ52bと張り出し部52eの間に挟みつけられたかたちとなっている。
次に、ステイ素材56内に電磁成型用コイル59を挿入し、電磁成形すると、ステイ素材56は次のような変形を起こす。(1)前壁51aから突出している部分が拡径し、前壁51aの前面側に押し付けられ、前壁51aに面圧接するフランジ52bが形成される。(2)前壁51aの後方側が拡径して、張り出し部52cが形成され、これが前壁51aの後面側に圧接する。(3)前壁51aの穴54の内側に位置する部分が拡径して、穴54の内面に圧接する。
電磁成形後、バンパーリインフォース51とステイ52は、必要に応じて、ボルトで締結又は溶接で固定される。
図7は図1に示す取付部構造において、ステイに形成するフランジ(サイドメンバへの取付用フランジ)の変形例である。
分割金型67の成形面67bに複数個の突起67cが形成されている点を除いて、バンパーリインフォース61及びステイ素材66の形状、構造、さらに成形方法は図2と同じと考えてよい。図7の状態で電磁成形を行うと、分割金型67から後方に突出している部分が拡径し、成形面67bに押し付けられ、ステイ素材66の後端にフランジ62d(仮想線で図示)が形成され、このとき同時に、突起67cに対応して、フランジ62dに突起62fが形成される。その他の点は図1に示す取付部構造と同じである。この突起62fは例えばボルト穴打抜き用の印として利用できる。すなわち、突起62fの形成はセンターポンチの代わりである。分割金型67の成形面67に突起67cではなく凹部を形成した場合、フランジ62dに凹部が形成される。
なお、以上述べた突起67f、凹部、軸方向圧壊の起点などは、他の形態のステイ(図3〜図6など)にも適用可能である。
12,22,32,42,52,62 ステイ
12b フランジ
12c 張り出し部
16 ステイ素材
17 分割金型
19 電磁成形用コイル
Claims (6)
- 管状のアルミニウム合金押出材を電磁成形により拡径し後端にサイドメンバへの取付用のフランジを形成してステイ素材とし、中空断面を有し前壁及び後壁に穴を形成したバンパーリインフォースの後方側から、前記穴を通して前記ステイ素材を前記バンパーリインフォースに挿入して、前記ステイ素材の前端部を前記バンパーリインフォースの前壁から突出させ、前記ステイ素材内に電磁成型用コイルを挿入し電磁成形して拡径し、これにより前記ステイ素材を前記バンパーリインフォースに固定することを特徴とするバンパーリインフォースとバンパーステイからなるバンパー構造体の製造方法。
- 管状のアルミニウム合金押出材を電磁成形により拡径して前端から所定距離後方の位置に張り出し部を形成し、かつ後端にサイドメンバへの取付用のフランジを形成してステイ素材とし、中空断面を有し前壁及び後壁に穴を形成したバンパーリインフォースの後方側から、前記穴を通して前記ステイ素材を前記バンパーリインフォースに挿入して、前記ステイ素材の前端部を前記バンパーリインフォースの前壁から突出させ、前記ステイ素材内に電磁成型用コイルを挿入し電磁成形して拡径し、これにより前記ステイ素材を前記バンパーリインフォースに固定することを特徴とするバンパーリインフォースとバンパーステイからなるバンパー構造体の製造方法。
- 前記ステイ素材を前記バンパーリインフォースに挿入したとき、前記張り出し部を前記バンパーリインフォースの後壁の後面側に当接させることを特徴とする請求項2に記載されたバンパーリインフォースとバンパーステイからなるバンパー構造体の製造方法。
- 2回目の電磁成形により、前記ステイ素材の前記バンパーリインフォースの前壁から突出している部分を拡径して前壁の前面側に押し付けられるフランジを形成し、前記前壁の後方側を拡径して張り出し部を形成し、このフランジと張り出し部により前記前壁を挟み、かつ前記前壁の穴の内側に位置する部分を拡径して前記穴の内周面に圧接させることを特徴とする請求項2又は3に記載されたバンパーリインフォースとバンパーステイからなるバンパー構造体の製造方法。
- 前記ステイ素材を前記バンパーリインフォースに挿入したとき前記張り出し部を前壁の後面側に当接させることを特徴とする請求項2に記載されたバンパーリインフォースとバンパーステイからなるバンパー構造体の製造方法。
- 2回目の電磁成形により、前記ステイ素材の前記バンパーリインフォースの前壁から突出している部分を拡径して前壁の前面側に押し付けられるフランジを形成し、かつ前記前壁の穴の内側に位置する部分を拡径して前記穴の内周面に圧接させることを特徴とする請求項5に記載されたバンパーリインフォースとバンパーステイからなるバンパー構造体の製造方法。
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