JP4375990B2 - フランジ付き管状部材の製造方法 - Google Patents

フランジ付き管状部材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金押出材からなり、管端にフランジを有するフランジ付き管状部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば乗用車やトラック等の自動車車体の前端(フロント)及び後端(リア)に設置されるバンパー内部には、補強部材としてバンパーリインフォースが設けられている。バンパーリインフォースは一般に荷重方向に略垂直に向く前壁と後壁、及びそれらを連結する横壁を有する断面中空の部材であり、後方側から一対のステイにより支持され、各ステイは後端がサイドメンバ(フロント又はリア)の先端に固定されている。
【0003】
バンパーリインフォースとステイの取り付けは、通常、ボルト・ナットによる締結又は溶接により行われている。例えば下記特許文献1〜3では、アルミニウム合金押出材からなるステイの先端取付面にバンパーリインフォースの後壁をボルト・ナット又はネジにより固定している。下記特許文献4〜5では、同じくアルミニウム合金押出材からなるステイを用い、その先端に取付用フランジを一体的に設け、そのフランジの前面にバンパーリインフォースの後壁をボルト・ナットにより固定している。これらの例では、ステイとして用いられるアルミニウム合金押出材は、いずれも上下方向に押出軸方向を有している。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−227333号公報
【特許文献2】
特開平11−208392号公報
【特許文献3】
特開平11−208393号公報
【特許文献4】
特開2001−294106号公報
【特許文献5】
特開2002−19553号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、特願2002−357820の明細書及び図面には、図12に示すように、アルミニウム合金押出材からなる管材の両端に電磁成形により取付用フランジ2,3を成形したバンパーステイ1が記載されている。バンパーステイ1において、フランジ2がバンパーリインフォース4への取付用、フランジ3がサイドメンバー(図示省略)への取付用である。
バンパーステイ1は、管材の周囲を電磁成形用の金型(複数個の分割金型から構成される)で囲繞するとともに、管材の端部を前記金型の端面(成形面)から突出させ、管材の内部に挿入した電磁成形用コイルに電気エネルギーを投入し、これにより管材の端部周壁を外径方向(放射方向)に拡開して金型の前記成形面に押し付けることにより、製造される。この方法によれば、前記金型の成形面を適宜の形状とすることで、軸方向に垂直な面を有するフランジだけでなく、軸方向に垂直な面に対して傾斜したフランジ、あるいは湾曲面からなるフランジなど、バンパーリインフォースの取付面の形状に応じた形状のフランジを成形することができる。また、このバンパーステイ1はバンパーリインフォース4に取り付けたとき軸方向が車両前後方向を向き、かつ閉断面を有するので剛性が高く、衝突時には軸方向に圧縮変形して多くのエネルギーを吸収することもできる。
【0006】
前記バンパーステイ1は、フランジ2が軸部の押出方向に垂直な面に対し傾斜した平面に形成され、フランジ3が前記押出方向に垂直な平面に形成されている。フランジ2は車幅方向両端が後退する方向に傾斜したタイプのバンパーリインフォース4の前記傾斜した部分に固定される。このバンパーステイ1を製造するには、図13、14に示すように、管素材5の周囲を、金型6により包囲し、かつ管素材5の両端部を金型6の端面7,8から突出させる。金型6は管素材5の軸方向に沿って4つに分割可能(分割金型6a〜6dからなる)とされ、組み合わせたとき前記端面7,8と、管素材5の外形にほぼ等しい内形の貫通穴9が構成される。金型6の端面8は貫通穴9の軸方向に垂直な平面であり、端面7は貫通穴9の軸方向に垂直な面に対し傾斜した平面であり、両端面7,8は電磁成形時の成形面として機能する。
【0007】
管素材5の端面は一方が軸部の押出方向に垂直な平面内でカットされ、他方が傾斜した平面内でカットされ(金型6の端面7の傾斜と同じ角度の傾斜にカットされている)、前者が端面8側、後者が端面7側にくるように、かつ管素材5の端面と金型6の端面7が平行になるようにセットされている。
続いて、管素材5内に電磁成形用コイル体10を挿入し、図示しない衝撃電流発生装置から電磁成形用コイル体10に瞬間大電流を流すと、磁界の相互作用により管素材5は瞬間的に外径方向に拡開し、金型5内の軸部は貫通穴9の内面に押し付けられ、金型5の端面7、8から突出している管素材5の端部周壁は拡開して前記端面7,8に押し付けられ、両端にフランジ2,3が形成されたバンパーステイ1が製造される。電磁成形後は、金型6を開いてバンパーステイ1を取り出す。
【0008】
ところで、バンパーステイ1では、フランジ2の外形は円形、すなわちフランジ2の管端からの張り出し幅Wは、周方向にみてほぼ同じとされている(フランジ3も同様)。この張り出し幅Wはフランジ2とバンパーリインフォース4の固定(例えばボルト・ナットによる締結)を行う上である程度の大きさが必要とされる。一方、フランジ2が取り付けられるバンパーリインフォース4の後壁(取付面)4aのスペースは、一般に車幅方向(矢印A参照)には余裕があるが、上下方向(矢印B参照)には狭い。従って、必要な張り出し幅Wをとった場合、フランジ2がバンパーリインフォース4の後壁(取付面)4aのスペースから上下にはみ出すということが起こり得る。あるいは、スペース内に納めるために張り出し幅Wを十分にとれないということも起こり得る。
【0009】
本発明は、アルミニウム合金押出材からなる管材の端部にフランジを電磁成形により成形して、フランジ付き管状部材を製造する場合の上記問題点に鑑みてなされたもので、被取付部材との固定に必要な張り出し幅があり、同時に被取付部材の狭い取付部スペースから余計にはみ出さないようなフランジを有するフランジ付き管状部材を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るフランジ付き管状部材は、金属製形材の取付壁に固定される取付用フランジが軸端に形成されたフランジ付き管状部材であり、アルミニウム合金押出材からなり、前記取付用フランジは前記アルミニウム合金押出材の端部が拡開して形成されたもので、その周縁のうち前記形材の取付壁からはみ出す部分が前記形材の長手方向に沿って屈曲して前記取付壁の隣接壁に沿う突縁部を形成している。前記取付用フランジは、例えば電磁成形により管の端部周壁が外径方向(放射方向)に拡開されて成形されたものである。その場合、電磁成形により一気に突縁部を有する取付用フランジを成形することが望ましいが、突縁部のない取付用フランジを電磁成形により成形した後、曲げ加工等により突縁部を成形することもできる。
前記フランジ付き管状部材の取付用フランジは前記金属製形材の取付壁に固定され、その突縁部は金属製形材の前記取付壁の隣接壁に沿い、必要があれば前記隣接壁にボルト・ナット、溶接等により固定される。フランジ付き管状部材は例えばバンパーステイであり、その場合、金属製形材はバンパーリインフォースである。このバンパーリインフォースは例えば断面中空のアルミニウム合金押出材からなり、図12に示すバンパーリインフォース4のように、外形が矩形状断面(例えば口形や日形など)がよく用いられる。その場合、前記取付壁は通常後壁4a(前壁4bになることもある)であり、その隣接壁は上下壁4c、4dとなる。
【0011】
前記フランジ付き管状部材の取付用フランジは、アルミニウム合金押出材からなる管の周囲を貫通穴を有する電磁成形用の金型で囲繞するとともに、その端部を前記金型の端面から突出させ、電磁成形により管の端部周壁を外径方向(放射方向)に拡開し前記端面に押し付けることにより成形することができる。前記金型の端面は前記貫通穴の周囲に形成された第1端面と、前記貫通穴から所定距離離れた位置において前記第1端面から前方に向けて斜め又は垂直に立ち上がる第2端面からなり、前記端部周壁が拡開したとき、その一部が前記第2端面に押し付けられ、これにより、前方に屈曲する突縁部を有する取付用フランジが形成される。なお、本発明において、フランジ付き管状部材の軸部からみて取付用フランジの方向が前方(又は前)、反対方向が後方(又は後)である。
【0012】
本発明において用いる電磁成形とは、コイルに瞬間的に例えば10kA以上のレベルの大電流を流して強力な磁界を作り、その中に置いた被成形体(導体)に発生する渦電流と磁界の相互作用で成形する方法であり、例えば特開昭58−4601号公報、特開平6−312226号公報、特開平7−116751号公報、特開平9−166111号公報、特開平10−314869号公報、特開平11−20434号公報、特開2000−86228号公報及び特開2000−264246号公報等に記載されているように、それ自体、公知技術である。また、特願2002−200386及び前記特願2002−357820に添付された明細書及び図面にも記載されている。
【0013】
電磁成形により、取付用フランジは前記金型の端面(第1端面、第2端面)に沿った形状に仕上げられる。第1端面が貫通穴の軸方向に垂直であれば、アルミニウム合金押出材の端部には該押出材の軸方向に垂直な取付用フランジ(ただし突縁部を除く)が形成され、第1端面が貫通穴の軸方向に垂直な面に対し傾斜し又は湾曲しているのであれば、アルミニウム合金押出材の端部には該押出材の軸方向に垂直な面に対し傾斜し又は湾曲した取付用フランジ(ただし突縁部を除く)が形成される。電磁成形後の取付用フランジの外周への張り出し幅は、アルミニウム合金押出材の第1端面からの突出長さにより決まる。電磁成形を利用することで、取付用フランジの成形が短時間で確実に行われ、かつ変形による加工硬化作用により取付用フランジが強化される。
【0014】
本発明において用いるアルミニウム合金押出材としては、断面円形又は楕円形(それに近い形状を含む)、4角形、5角形、6角形等の多角形断面あるいはその他の断面形状の管状アルミニウム合金押出材を広く使用することができる。アルミニウム合金は電気の良導体であり、電磁成形に適する。このアルミニウム合金は、例えばJIS5000系、6000系及び7000系アルミニウム合金である。成形の容易性を考慮して調質はJISH0001に規定されるT1又はOで電磁成形し、成形後に必要に応じて時効処理を行うとよい。
また、本発明において用いる金属製形材とは、例えば押出材のように長さ方向に本質的に同一断面を有する金属製部材であり、断面多角形等の中空形材やチャンネル型形材等のほか種々の断面形状の形材が存在する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図11を参照して、本発明に係るフランジ付き管状部材及びその製造方法についてより具体的に説明する。ここに開示するのは、バンパーステイの例であり、軸部の一端にバンパーリインフォースへの取付用フランジが形成され、他端にサイドメンバーへの取付用フランジが形成され、それぞれ、ボルト・ナット又は溶接等により、バンパーリインフォース又はサイドメンバーへ固定される。以下、一部の図面では管の肉厚が図示省略されている。
【0016】
図1に示すバンパーステイ21は、アルミニウム合金押出材からなり、軸部24の両端に該軸部24の軸方向に垂直な面を有する取付用フランジ22,23が形成されたもので、取付用フランジ22においては外周縁部が対称位置において前方に向けて90度屈曲し、そこに一対の突縁部25,26が形成されている。この突縁部25,26は互いに平行でいずれも軸部24の軸方向に平行な面内に形成されている。
図2は、バンパーステイ21の取付用フランジ22にバンパーリインフォース27を取り付けたバンパー構造体を示すもので、バンパーリインフォース27は断面矩形のアルミニウム合金押出材からなる。このバンパー構造体において、取付用フランジ22の前面がバンパーリインフォース27の後壁27a(取付壁)に接触し、突縁部25,26が上下壁27c、27dに接触してちょうどバンパーリインフォース27を上下から挟むような形になり、さらに、後壁27aと取付用フランジ22はボルト穴28を通し図示しないボルト・ナットにより締結されている。図2に示すように、取付用フランジ22において突縁部25,26は、取付用フランジ22の周縁のうち後壁27aから上下にはみ出す部分をバンパーリインフォース27の長手方向に沿って前方に屈曲させ、後壁27aの隣接壁である上下壁27c、27dに沿わせたものである。突縁部25、26と上下壁27c、27dは、必要に応じて例えばボルト締め又は溶接等により固定することもできる。
【0017】
図3〜図5はバンパーステイ21の製造方法を示すものである。
使用する管素材30は断面円形のアルミニウム合金押出材であり、両端面は軸方向に垂直な面内でカットされている。この管素材30の周囲を金型31(分割金型31a〜31dからなる)により包囲し、管素材の両端部を金型31の端面32,33から突出させる。この突出距離により成形後のフランジの外径が決まる。
金型31は管素材30の軸方向に沿って4つに分割可能であり、組み合わせたとき前記端面32、33と、管素材30の外形にほぼ等しい内形の貫通穴34が構成される。金型31の端面32は、貫通穴34が開口する底面部(第1端面)32aと、貫通穴34から所定距離離れた位置において前方に向けて垂直に立ち上がる側面部(第2端面)32b,32cにより構成される凹形をなす。第1端面32aは貫通穴34の軸方向に対して垂直な平面とされ、第2端面32b,32cは貫通穴34の軸方向に対し平行な平面とされ、互いに平行である。また、端面33は貫通穴34の軸方向に対し垂直な平面である。端面32(第1端面32a、第2端面32b,32c)と端面33はいずれも電磁成形時の成形面として機能する。
【0018】
管素材30を金型31に前記のようにセットし、電磁成形用通電コイル35を内部に挿入する。続いて、図示しない衝撃電流発生装置から通電コイル35に瞬間大電流を流すと、磁界の相互作用により管素材30は瞬間的に外径方向に拡開し、金型31内の軸部24は貫通穴34の内面に押し付けられ、金型31の端面32,33から突出している端部は前記端面32,33に押し付けられ、管端に取付用フランジ22,23が形成される。なお、端面32側では、管素材30の端部(金型31の端面32から突出した部分)が拡開したとき、拡開した部分が第1端面32aに押し付けられて取付用フランジ22が形成されるが、その際に外周縁部の一部が第2端面32b,32cに当たり、これにより取付用フランジ22の外周縁部が屈曲した形になり、前方に向く突縁部25,26が形成される。成形後は、金型31を開いてバンパーステイ21を取り出す。
【0019】
図1に示すバンパーステイ21は、取付用フランジ22が軸部に垂直(押出軸方向に垂直)な面内に形成されていたが、図12に示したバンパーステイ1の取付用フランジ22のように、車幅方向両端が後退する方向に傾斜したタイプのバンパーリインフォースの傾斜した箇所に固定する場合は、軸部に垂直な面に対して傾斜(車幅方向外側が後退する方向に傾斜)した取付用フランジを有するバンパーステイを製造する必要がある。
図6はそのようなバンパーステイ21を示すもので、取付用フランジ22が軸部24に垂直な面に対し傾斜した平面内に形成され、軸部24に平行でかつ取付用フランジ22の傾斜の方向に沿った平面内(図6(b)の紙面に平行な面内)に一対の突縁部25,26が形成されている。この取付用フランジ22が前記タイプのバンパーリインフォースの傾斜した後壁(取付壁)に固定されたとき、図1に示すバンパーステイ21と同様に、突縁部25,26がその上下壁を上下から挟むような形となる。
一方、金型31の端面32は、貫通穴34の軸方向に垂直な面に対し傾斜した平面からなる第1端面32aと、その傾斜に沿った平面内(図6(b)の紙面に平行な面内)において前方に向けて垂直に立ち上がる第2端面32b,32cにより構成される凹型をなし、端面33は貫通穴34の軸方向に対し垂直な平面である。なお、管素材30の一方の端面は前記第1端面32aの傾斜と同じ傾斜にカットされている。
【0020】
また、バンパーステイを車幅方向両端が後退する方向に湾曲したタイプのバンパーリインフォースの湾曲した箇所に固定する場合は、車幅方向外側が後退する方向に湾曲した取付用フランジを有するバンパーステイを製造する必要がある。
図7はそのようなバンパーステイ21を示すもので、取付用フランジ22が湾曲(車幅方向外側が後退する方向に湾曲)して形成され、軸部24に平行でかつ取付用フランジ22の湾曲の方向に沿った平面内(図7(b)の紙面に平行な面内)に一対の突縁部25,26が形成されている。この取付用フランジ22が前記タイプのバンパーリインフォースの湾曲した後壁(取付壁)に固定されたとき、図1に示すバンパーステイ21と同様に、突縁部25,26がその上下壁を上下から挟むような形となる。
一方、金型31の端面32は、貫通穴34の周囲の湾曲面からなる第1端面32aと、その湾曲に沿った平面内(図7(b)の紙面に平行な面内)において前方に向けて垂直に立ち上がる第2端面32b,32cにより構成される凹型をなし、端面33は貫通穴34の軸方向に対し垂直な平面である。なお、管素材30の一方の端面は前記第1端面32aの湾曲に近似する傾斜平面内でカットされている。
【0021】
以上示したバンパーステイ21では、取付用フランジ22の両縁に対向する一対の突縁部25,26が形成され、かつ各突縁部25,26は互いに平行に形成されていたが、そのほかにも取付用フランジ22は種々の形態をとり得る。
図8(a)〜(d)に示すバンパー構造体はそれを示すもので、(a)のバンパー構造体においては、バンパーリインフォース27が断面6角形のアルミニウム合金押出材からなり、突縁部25,26の屈曲角度は90度より小さく、バンパーリインフォース21の後壁27a(取付壁)に隣接する傾斜壁27e,27fに沿っている。
(b)のバンパー構造体においては、バンパーリインフォース27が断面5角形のアルミニウム合金押出材からなり、突縁部25の屈曲角度は90度、突縁部26の屈曲角度は90度より小さく、それぞれ後壁27aに隣接する上壁27c,傾斜壁27fに沿っている。
【0022】
(c)のバンパー構造体においては、バンパーリインフォース27が断面矩形のアルミニウム合金押出材からなり、バンパーステイ21の取付用フランジ22には突縁部25が1つだけ形成されている。突縁部25はバンパーリインフォース27の後壁27aに隣接する上壁27cに沿っている。
(d)のバンパー構造体においては、バンパーリインフォース27が断面矩形のアルミニウム合金押出材からなり、バンパーステイ21の軸部24がバンパーリインフォース27の後壁27a及び前壁27bを貫通し、取付用フランジ22がバンパーリインフォース27の前壁27b(取付壁)に固定されている。また、取付用フランジ22の周縁のうちバンパーリインフォース27の前壁27bからはみ出す部分がバンパーリインフォース27の長手方向に沿って後方に屈曲して一対の突縁部25,26が形成されている。突縁部25,26は前壁27bに隣接する上下壁27c,27dに沿っている。なお、この例では、バンパーステイ21の成形に際しては、素材管をバンパーリインフォースの後壁及び前壁に形成した穴に貫通させた後、電磁成形により両端に突縁部のない取付用フランジを成形し、続いて前方の取付用フランジ22に突縁部25,26を曲げ加工等により形成することができる。しかし、電磁成形で突縁部25,26の成形も同時に行ってもよい。
【0023】
図9はさらに別の構造のバンパーステイ41を示す。バンパーステイ41はアルミニウム合金押出材からなり、断面4角形の軸部44の両端に該軸部44の軸方向に垂直な面を有する取付用フランジ42,43が形成されている。この取付用フランジ42,43はそれぞれ周方向に4個に分割された形態をなし(面42a〜42d及び面43a〜43dにより構成される)、さらに取付用フランジ42においては、対称位置にある外周縁部(面42aと42cの外周縁部)が前方に向けて90度屈曲し、そこに一対の突縁部45,46が形成されている。この突縁部45,46は互いに平行で、いずれも軸部44の軸方向に平行な面内に形成されている。先に示したバンパーステイ21と同じく、取付用フランジ42がバンパーリインフォースの固定、取付用フランジ43がサイドメンバーの固定に用いられる。
【0024】
図10はバンパーステイ41を製造するための管素材50、図11はバンパーステイ41の製造方法を示す。
管素材50は、断面矩形のアルミニウム合金押出材からなる。管素材50の両端面は軸方向に垂直な面内でカットされ、両方の端部の各隅部には端面から深さh1,h2のスリット55、56が軸方向に入れられて、両方の端部はそれぞれ4つの面(50a〜50d)に分割されている。
この管素材50の周囲を金型51(分割金型51a〜51dからなる)により包囲し、管素材の両端部を金型51の端面52,53から突出させる。なお、管素材50の全長及び端面からのスリット55,56の深さは、管素材50を金型51にセットしたとき、スリット55,56の底がちょうど端面52,53の位置にくるように設定されている。
【0025】
金型51は管素材50の軸方向に沿って4つに分割可能であり、組み合わせたとき前記端面52、53と、管素材50の外形にほぼ等しい内形の貫通穴54が構成される。金型51の端面52は、貫通穴54が開口する底面部(第1端面)52aと、貫通穴54から所定距離離れた位置において前方に向けて垂直に立ち上がる側面部(第2端面)52b,52cにより構成される凹形をなす。第1端面52aは貫通穴54の軸方向に対して垂直な平面とされ、第2端面52b,52cは貫通穴54の軸方向に対し平行な平面とされ、互いに平行である。また、端面53は貫通穴54の軸方向に対し垂直な平面である。端面52(第1端面52a、第2端面52b,52c)と端面53はいずれも電磁成形時の成形面として機能する。
【0026】
管素材50を金型51にセットし、図示しない電磁成形用通電コイルを内部に挿入する。続いて、図示しない衝撃電流発生装置から前記通電コイルに瞬間大電流を流すと、磁界の相互作用により管素材50は瞬間的に外径方向に拡開し、金型51内の軸部は貫通穴54の内面に押し付けられ、金型51の端面52,53から突出している端部は前記端面52,53に押し付けられ、管端に取付用フランジ42,43が形成される。取付用フランジ42,43を構成する各面42a〜42d及び43a〜43dは、管素材50の端部の分割された各面50a〜50dがスリット55、56の底の位置で外側に90°曲げ成形された形態をなしている。なお、端面52側では、管素材50の端部(金型51の端面52から突出した部分)が拡開したとき、拡開した部分が第1端面52aに押し付けられて取付用フランジ42が形成されるが、その際に外周縁部の一部が第2端面52b,52cに当たり、これにより取付用フランジ42の面42a,42cにおいて外周縁部が屈曲した形になり、前方に向く突縁部45,46が形成される。成形後は、金型51を開いてバンパーステイ41を取り出す。
【0027】
これまで例示したバンパーステイは、いずれも軸部の両端に取付用フランジが形成され、その一方が1つ又は一対の突縁部を有する取付用フランジであったが、必要に応じて、軸部の両端に突縁部を有する取付用フランジを形成したり、一方の端部にのみ突縁部を有する取付用フランジを形成し、他方の端部にはフランジ自体を形成しないようにすることもできる。また、上記の例では、金型の貫通穴の形状を素材管の外形にほぼ合わせたが、電磁成形による拡開により素材管の軸部は貫通穴の内形に対応した形状に変形するので、例えば円形断面の素材管を矩形の貫通穴を有する金型にセットすれば、矩形の軸部を有するバンパーステイを形成することができる。
そのほか、本発明は、金属製形材に固定される取付用フランジが軸端に形成されたフランジ付き管状部材及びその製造一般に好適に利用できる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、フランジ付き管状部材を製造する場合において、被取付部材との固定に必要な張り出し幅があり、同時に被取付部材の狭い取付部スペースから余計にはみ出さないようなフランジを有するフランジ付き管状部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るバンパーステイの斜視図である。
【図2】 そのバンパーステイとバンパーリインフォースからなるバンパー構造体の斜視図(a)及びそのI−I断面図(b)である。
【図3】 管素材を金型にセットした状態を示す斜視図である。
【図4】 それを電磁成形した後の斜視図である。
【図5】 図4のII−II断面図(a)及びIII−III断面図(b)である。
【図6】 本発明に係る他のバンパーステイ及び製造方法を説明する断面図(a)及びそのIV−IV断面図(b)である。
【図7】 本発明に係る他のバンパーステイ及び製造方法を説明する断面図(a)及びそのV−V断面図(b)である。
【図8】 本発明に係る他のバンパー構造体を示す断面図である。
【図9】 本発明に係る他のバンパーステイの斜視図である。
【図10】 そのバンパーステイの製造に使用する管素材の斜視図である。
【図11】 管素材を金型にセットした状態を示す斜視図である。
【図12】 従来のバンパーステイの斜視図である。
【図13】 管素材を金型にセットした状態を示す斜視図である。
【図14】 図13のVI−VI断面図(ただし成形後)である。
【符号の説明】
21,41 バンパーステイ
22,23,42,43 取付用フランジ
25,26,45,46 突縁部
27 バンパーリインフォース
30,50 管素材
31,51 金型
32,33,52,53 金型の端面(成形面)
32a,52a 第1端面
32b,32c,52b,52c 第2端面

Claims (1)

  1. アルミニウム合金押出材からなる管の周囲を貫通穴を有する電磁成形用の金型で囲繞するとともに、その端部を前記金型の端面から突出させ、電磁成形により管の端部周壁を外径方向に拡開し前記端面に押し付け、金属製形材の取付壁に前面が接触し前記取付壁に固定される取付用フランジが軸端に形成されたフランジ付き管状部材を製造する方法であって、前記金型の端面は前記貫通穴の周囲に形成された第1端面と、前記貫通穴から所定距離離れた位置において前記第1端面から前方に向けて斜め又は垂直に立ち上がる第2端面からなり、前記端部周壁が拡開したとき、その一部が前記第2端面に押し付けられ、これにより、前方に屈曲し前記取付壁の隣接壁に沿う突縁部を有する取付用フランジが形成されることを特徴とするフランジ付き管状部材の製造方法。
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