JP2008307894A - インクジェット記録装置および記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置および記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008307894A
JP2008307894A JP2008124921A JP2008124921A JP2008307894A JP 2008307894 A JP2008307894 A JP 2008307894A JP 2008124921 A JP2008124921 A JP 2008124921A JP 2008124921 A JP2008124921 A JP 2008124921A JP 2008307894 A JP2008307894 A JP 2008307894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
recording medium
conductive member
ink
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008124921A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5142812B2 (ja
Inventor
Masahiko Umezawa
雅彦 梅澤
Jiro Moriyama
次郎 森山
Hidehiko Kanda
英彦 神田
Michihiko Masuyama
充彦 増山
Hideaki Takamiya
英秋 高宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008124921A priority Critical patent/JP5142812B2/ja
Publication of JP2008307894A publication Critical patent/JP2008307894A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5142812B2 publication Critical patent/JP5142812B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2121Ink jet for multi-colour printing characterised by dot size, e.g. combinations of printed dots of different diameter
    • B41J2/2125Ink jet for multi-colour printing characterised by dot size, e.g. combinations of printed dots of different diameter by means of nozzle diameter selection
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/0065Means for printing without leaving a margin on at least one edge of the copy material, e.g. edge-to-edge printing

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】静電気力によりインク滴の進行方向を制御し、記録媒体上に精度高く付着させることより高品位記録を達成する構成において、記録媒体の端部に余白を残さない記録を行うときに、縁からはみ出す領域に吐出されるインクが端部に引き寄せられないようにする。
【解決手段】記録媒体の直下に位置する導電性材料でなるプラテン107と、縁の側方に位置する吸収体120,121とを設け、吸収体上にメッシュ状の導電部材122,123を配置する。プラテン107に対して第1電圧を印加して記録媒体に分極を生じさせるとともに、導電部材122,123には第1の電圧より高い第2電圧を印加する。これにより、余白なし記録時に記録媒体側縁からはみ出して吐出されるインク滴は、記録媒体端部に引き寄せられることなく導電部122,123に向けて直進し、導電部材を介して吸収体に吸収される。
【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット記録装置および記録方法に関する。
昨今、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等のOA機器が広く普及しており、これらの機器から出力された情報を多様な記録媒体に記録するための様々な記録装置が提供されている。特に、インクジェット記録装置は、低騒音、低ランニングコスト、小型な構成、およびカラー化が比較的容易である等、さまざまな優位点を有しており、幅広いユーザ層に受け入れられている。
インクジェット記録装置で使用するインク滴の1滴当たりの体積は、近年の高画質化の要求に対応して数pl(ピコリットル)以下にまで微少化しており、さらには1.0pl以下のインク滴を吐出する記録ヘッドを用いる装置も現れてきている。
このような微小なインク滴の体積は霧の粒子に等しいものとなり、これを1滴ごとに制御することは困難な状況となっている。つまり、高画質化の観点からすれば、例えば1.0pl以下のインク滴を記録媒体上にμm単位の精度で所望の位置に付着させたいが、周辺の気流の影響を受けるため所望の精度を得ることは難しい。
これは、特に記録速度が高速化するほど問題となる。例えばインクジェット記録装置としては、吐出口が配列されたインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドとも言う)を用い、これを吐出口配列方向と異なる方向に主走査しながら記録媒体に記録を行うものがある。そして、記録ヘッドの主走査と記録媒体の搬送(副走査)とを交互に繰り返しながら記録が行われる。かかる構成では、記録速度を高めるためには記録ヘッドを高速に主走査させることが必須となる。すると、記録ヘッドが移動することによって発生する気流が強くなり、吐出されたインク滴の飛翔が乱されることになる。
また、吐出された直後には1滴であったインク滴が複数に分裂し、サテライトと呼ばれるさらに極小なインク滴が形成されて、これが意図しない位置に付着したり、空間に浮遊したりすることがある。このようなサテライトや、インク滴が記録媒体に着弾した際にその表面から跳ね返った微小なインク滴(以下、これらをインクミストと言う)が空気中に浮遊し、やがて装置内部に付着してこれが累積してゆくと、様々な問題を引き起こす。すなわち、記録装置内部を汚したり、記録装置可動部に付着してその動作特性を劣化させたり、各種のセンサを誤動作させたり、記録媒体の表面に付着してこれを汚したりするなどの問題を生じさせるのである。
このような問題を解決するために、記録ヘッドと記録媒体との間で電界を形成し、吐出インク滴が静電気力によって記録媒体に引き寄せられるようにすることで、インク滴を記録媒体の所望の位置に付着させる制御を行う提案がなされている(例えば特許文献1)。
ところで、最近では、デジタルカメラで撮影した画像を銀塩写真と同様な品位で出力することへの要求も高まっており、これに応えるための様々な工夫を取り入れた記録方法が実施されている。例えば、記録媒体の端部に余白を残さない記録(以下「余白無し記録」を行うものもその一つである。
特開平5−124187号公報
ここで本発明者らは、特許文献1に記載されたような技術を適用して余白無し記録を実施した場合、次のような問題が生じることを見出した。
図13は記録媒体側端部に余白無し記録を行う態様を説明するための模式的平面図である。ここで、記録ヘッド104には記録媒体105の搬送方向Pに一致する方向に複数の吐出口が配列され、P方向に直交するQ1およびQ2方向に往復移動(主走査)が可能である。そして、その主走査の過程で吐出口からインクを吐出させることにより、記録を行う。記録媒体側端部に余白無し記録を行う場合は、記録媒体の幅の範囲だけでなく、側方に所定量ΔLだけはみ出した範囲にもインク吐出が行われ、図の一点鎖線で示す領域Eがインク吐出領域となる。これは、記録媒体搬送機構の誤差等に起因したQ1およびQ2方向のずれによって側端部に余白が生じないようにするためである。
図14は記録ヘッドと記録媒体との間で電界を形成しながら余白無し記録を行う場合を説明するための模式的側面図である。ここで、107は吐出口が設けられた記録ヘッドの面(吐出面)と対向する領域に設けられて記録媒体105を支持するプラテンであり、記録媒体105の被記録面を平坦に規制する。120および121は、余白無し記録時に記録媒体105の側縁からはみ出す領域に向けて吐出されたインクを吸収するために吸水性のある素材で作られた部材(インク吸収体)である。
プラテン107は導電性のある材料で形成され、例えば700Vの電圧が印加されることで、その表面(記録媒体を支持する面)には正の電荷が現れる。このため、これに接する記録媒体において分極が生じ、その被支持面(裏面)および記録ヘッドに対向する面(表面)には、それぞれ、負および正の電荷が現れる。
ここで、記録ヘッド104の電位は0であるので、記録ヘッド104とプラテン107の表面ないし記録媒体の表面との間に電界が形成され、記録ヘッド104から記録媒体に向けてインク滴を吐出すると、インク滴は記録媒体105に向かって進み着弾する。記録ヘッド104から吐出されたインク液滴は元々、吐出方向(図中下方向)への運動量をもっているが、正の電荷が現れた記録媒体表面へ引き寄せられて加速進行する。このため、記録媒体からはみ出す領域に向けて吐出されたインク滴は、本来着弾するべきインク吸収体120,121上にではなく、正の電荷が現れた記録媒体に吸い寄せられ、図中Aに示すように飛翔方向が偏向して、記録媒体側端部に着弾する。これにより記録媒体側端部の画像は、所期の画像より濃度の高いものとなってしまう。
このように、高画質化を目的として記録ヘッドと記録媒体との間に電界を形成したにも拘らず、余白無し記録を行う際には却ってその画質の低下をもたらしてしまう結果となるのである。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、静電気力によりインク滴の進行方向を制御し、記録媒体上に精度高く付着させることより高品位記録を達成する構成に関して、余白無し記録時にも品質の高い画像を得ることができるようにすることを目的とする。
そのために、本発明は、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
搬送される前記記録媒体の裏面側に位置する第1導電部材と、
前記記録ヘッドと前記第1導電部材との間に電界を形成するための第1電界形成部と、
前記記録媒体の外側に吐出されるインクを受けることが可能な位置に設けられた第2導電部材と、
前記記録ヘッドと前記第2導電部材との間に電界を形成するための第2電界形成部と、
前記記録ヘッドと前記第1導電部材との間に搬送される前記記録媒体に対して前記記録ヘッドからインクを吐出させる記録制御部と、
を具えたことを特徴とする。
また、本発明は、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
搬送される前記記録媒体の裏面側に位置する第1導電部材と、
前記記録ヘッドと前記第1導電部材との間に電界を形成するための第1電界形成部と、
前記記録媒体の外側に吐出されるインクを受けることが可能な位置に設けられた第2導電部材と、
前記記録ヘッドと前記第2導電部材との間に電界を形成するための第2電界形成部と、
前記記録媒体の端部に余白を設けずに記録を行う余白無し記録モードを実行する場合、前記第1および第2電界形成部により電界を形成した状態で前記記録ヘッドから前記記録媒体に向けてインクを吐出させる制御部と、
を具えたことを特徴とする。
さらに、本発明は、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
搬送される前記記録媒体の裏面側に設けられた第1導電部材と、
前記記録ヘッドと前記第1導電部材との間に電界を形成するために、前記第1導電部材に電圧を印加する第1電圧印加部と、
前記記録媒体の外側に吐出されるインクを受けることが可能な位置に設けられた第2導電部材と、
前記記録ヘッドと前記第2導電部材との間に電界を形成するために、前記第2導電部材に電圧を印加するための第2電圧印加部と、
を具え、前記第2電圧印加部により前記第2導電部材に印加される電圧は、前記第1電圧印加部により前記第1導電部材に印加される電圧よりも高いことを特徴とする。
加えて、本発明は、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録方法において、
搬送される記録媒体の裏面側に配置される第1導電部材と前記記録ヘッドとの間に電界を形成する工程と、
前記記録媒体の外側に吐出されるインクを受容することが可能な位置に設けられた第2導電部材と前記記録ヘッドとの間に電界を形成する工程と、
前記記録ヘッドと前記第1導電部材との間および前記記録ヘッドと前記第2導電部材との間に前記電界を形成した状態で、前記記録媒体に対して前記記録ヘッドからインクを吐出する工程と、
を具えたことを特徴とする。
本発明によれば、余白なし記録時に記録媒体の縁からはみ出す領域に向けて吐出されるインク滴が記録媒体端部に向けて偏向する不都合を防止でき、記録品位の高い記録物を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみを含むものではない。すなわち「記録」とは、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。すなわち「インク」とは、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
1.第1の実施形態
(インクジェット記録装置の構成)
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)の概略的構成を示す斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録ヘッド104は、不図示のモータによって発生する駆動力でQ1およびQ2方向(主走査方向)に往復移動が可能なキャリッジ101に搭載されている。102および103はキャリッジの移動方向に延在してその移動を案内支持するためのシャフトである。記録媒体105は記録ヘッド104の吐出面に対向する記録位置まで搬送され、その記録位置において記録ヘッド104の吐出口から図中下向きにインクを吐出することで記録が行われる。なお、記録媒体105は、記録ヘッド104の主走査方向と直交する搬送方向(P方向)に搬送される。
図2は記録ヘッド104の吐出面を示す図である。記録ヘッド104には、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)およびブラック(Bk)の各色インクを吐出する吐出部104M、104C、104Yおよび104Bkが設けられ、図1に示した記録装置はカラー記録が可能な構成となっている。各吐出部には、例えば、5plのインクを吐出する128個の吐出口と、2plのインクを吐出する128個の吐出口とが、それぞれ600dpiのピッチで、主走査方向と交差する副走査方向に配列されている。キャリッジ101ないしは記録ヘッド104には、各色インクを収納して各色吐出部に供給するためのインクタンク(不図示)が搭載される。各色のインクタンクはカートリッジの形態を有し、独立して着脱自在となっている。
キャリッジ101と記録ヘッド104とは、両者の接合面が適正に接触することで所要の電気的接続を達成・維持できるようになっている。記録ヘッド104は、記録信号に応じてエネルギを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、本例の記録ヘッド104は、熱エネルギを利用してインクを吐出する方式を採用し、その熱エネルギを発生するために電気熱変換体を備えている。そして、その電気熱変換体に印加される電気エネルギが熱エネルギへと変換され、その熱エネルギをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮に伴う圧力変化を利用して、吐出口からインクを吐出させるものである。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクが吐出される。
プラテン107は記録ヘッドの吐出面と対向する領域に設けられて記録媒体105を支持し、記録媒体105の被記録面を平坦に規制する。プラテン107の両側部には、余白無し記録時に記録媒体105の側縁から外側にはみ出す領域に吐出されたインクを受容するための受容部が設けられている。
図3は本実施形態に係る記録装置のプラテン部分の拡大図である。本実施形態では、プラテン107が導電性のある材料で形成され、従ってそれ自体が第1導電部材として機能する。本実施形態において、受容部は、インクを吸収するために吸水性のある素材で作られたインク吸収体120および121として構成されている。そして、インク吸収体120および121の上部(吐出面に対向し得る面)には、導電性材料で形成されたメッシュ状の部材すなわち第2導電部材122および123が配置されている。なお、本実施形態では、導電性のある材料で形成されたプラテン107が用いられ、それ自体が第1導電部材として機能するものとした。しかしながら、プラテン自身を導電性のない材料で形成する一方、記録媒体の裏面と接するよう当該裏面側に位置するプラテン上の部位に導電性のある材料で形成された部材を設け、この部材が第1導電部材として機能するものであってもよい。また、インク吸収体をインクの受容部としたが、プラテンに開口部を設け、この開口部をインクの受容部としてもよい。
図4(a)はインク吸収体120、121および導電部材122、123の側面図、図4(b)は上面図である。プラテン107は、後述するように、10MΩの電気抵抗器を介して第1電圧印加部に接続され、また導電部材122および123は同じく10MΩの電気抵抗を介して第2電圧印加部に接続されており、これらの荷電状態が適切にオン/オフされる。
記録媒体105は矢印Pの方向に搬送される。ここで、記録動作を開始すると、記録ヘッド104から吐出されたインク滴は、記録媒体表面の電位に引き寄せられて、荷電されたインク滴が記録媒体の表面に向かう。記録ヘッド104の電位は0Vであり、そのインク吐出口付近も電位は0Vである。なお、記録媒体105の搬送方向の下流側、すなわち、記録ヘッド104による記録が終了し、排出ローラ等により記録媒体105が記録装置外に排出される部位には、記録媒体105の分極度合いを小さくするための機構を設けることができる。
(インクジェット記録装置の制御系の構成)
図5は図1に示した記録装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
全体を符号100で示す記録装置に対しては、外部装置500から記録すべき文字や画像等の画像データが送信され、その画像データは記録装置100の受信バッファ401に蓄えられる。また、正しく画像データが転送されているか否かを確認するためのデータや、記録装置100の動作状態を知らせるためのデータが、記録装置100から外部装置500に送信される。
ここで、外部装置500とは、ホスト装置として機能するPC(パーソナルコンピュータ)やデジタルカメラ等であり、記録装置100に対して画像データの送信が可能なものであれば、いかなる形態の装置であってもよい。画像データは、記録の制御を司る記録制御情報および記録すべき画像を示す記録画像データで構成される。記録制御情報は、「記録媒体情報」および「記録品位情報」等から構成されている。記録媒体情報には、記録の対象となる記録媒体の種類およびサイズ等の情報が記述されている。記録媒体種類とは、普通紙,光沢紙およびマット紙などの情報である。記録媒体のサイズとは、A4判,A3判,葉書サイズなどである。また、記録品位情報には、記録の品位が記述されており、「きれい(高品位記録)」、「標準」、「はやい(高速記録)」等のうち、いずれか1種の品位が規定されている。なお、これらの記録制御情報は、例えば外部装置500としてPCが用いられる場合、そのモニタおけるUI画面にてユーザが指定した内容に基づいて形成されるものである。
CPU402は系全体の主制御部をなし、図6につき後述する処理手順等に対応したプログラムに従って各部を制御する。ROM411はそのプログラムや、その他の固定データを格納している。
受信バッファ401に蓄えられた画像データは、CPU402の管理下において、記録ヘッド104の構成にあわせたデータに加工され、ランダムアクセスメモリ(RAM)部403内のプリントバッファに記憶される。プリントバッファのデータは、記録ヘッドコントロール部410によって記録ヘッド104に転送され、そのデータに基づいて記録ヘッド104が駆動されることにより、各色のインク吐出が行われ、記録媒体105に画像が形成される。また、記録ヘッドコントロール部410は、記録ヘッド104の状態を示す温度情報等を検出してCPU402に送り、その情報に基づいてCPU402は記録ヘッドコントロール部410を介して記録ヘッド104の駆動を制御することができる。
機械コントロール部404は、CPU402からの指令により、機械部405の駆動を制御する。機械部405には、具体的には、キャリッジ101を移動させるためのモータや、記録媒体105を搬送するためのモータなど、図1について説明した機械系の構成が含まれる。センサ/SWコントロール部406は、記録装置100に配設される各種センサやスイッチ(SW)からなるセンサ/SW部407からの信号をCPU402に送り、その制御に供する。表示素子コントロール部408は、CPU402からの指令に応じて、表示パネル群のLEDや液晶表示素子等からなる表示部409を制御し、装置の動作状態などをユーザに提示する。スイッチおよび表示部などは、図1において符号108で示された部分に配置されている。
コントロール部421は、プラテン107に接続される第1電圧印加部422を制御して所望の電圧を発生させる。この電圧は±1000Vの範囲で調整可能であり、またオン/オフも可能な構成となっている。コントロール部423は、導電部材122および123に接続される第2電圧印加部424を制御して所望の電圧を発生させる。この電圧も±1000Vの範囲で調整可能であり、またオン/オフも可能である。つまり、第1の導電部材となるプラテン107と、第2の導電部材となる導電部材122および123とは、それぞれ独立して、印加される電圧が制御可能である。第1電圧印加部422は、記録ヘッドと第1導電部材との間に電界を形成するための第1電界形成部として機能し、また、第2電圧印加部424は、記録ヘッドと第2導電部材との間に電界を形成するための第2電界形成部として機能するものである。
(記録処理)
図6は本実施形態に係る記録装置による記録処理手順の一例を示すフローチャートである。
ホスト装置としての外部装置500から画像データが送信され、記録が指示されると、画像データに付加されてくる記録制御情報を認識し、所要の設定を行う(ステップS1)。本実施形態で設定される記録時の条件とは、記録品位や、余白無し記録実行の有無などである。
次に、記録媒体の送給および搬送を行い(ステップS3)、記録位置に至ると(ステップS5)、そこで記録媒体の搬送を停止する(ステップS7)。その位置で記録ヘッド104を主走査させ、1走査分の記録動作が実行されるが、それに先立って本例では次のような処理を行う。
すなわち、記録品位情報を確認し、高速記録に設定されているか否かを確認する(ステップS9)。ここで否定判定された場合、すなわち、高品位記録や標準記録に設定されている場合には、余白無し記録が指示されているか否かを判定する(ステップS11)。そして余白無し記録が指示されている場合、第1電圧印加部422および第2電圧印加部424をオンとし、プラテン107の表面150(図7)およびインク吸収体120,121上の導電部材122,123に正の電荷が現れるようにする(ステップS13)。一方、余白無し記録が指示されていない場合には、第1電圧印加部422のみをオンとし、プラテン107の表面のみに正の電荷が現れるようにする(ステップS15)。その上で記録走査を実行し(ステップS17)、1主走査が終了すると電圧印加部をオフとする(ステップS19)。また、高速記録に設定されている場合には、直ちに記録走査を実行する(ステップS27)。記録走査の過程では、記録媒体105に対して記録ヘッド104からインクを吐出させる動作、すなわち記録制御部の動作が実施される。
次に、記録媒体に対する記録がすべて終了したか否かを判定し(ステップS21)、終了していなければステップS3に復帰して以上の処理を繰り返す。一方、記録がすべて終了した場合には記録媒体105を排出して(ステップS23)、本手順を終了する。
図7は上記処理手順に従って余白無し記録を行った場合の具体的な動作を説明するための模式的側面図である。
ここでは、記録ヘッド104から5plのインクを吐出させるものとして説明する。また、使用した記録媒体は主として写真印刷用に設計されたもの(光沢紙)で、厚さtは約0.26mmである。これは、プラテン107に支持される裏面から被記録面である表面への電気導電特性が非導電性の記録媒体である。このため、第1電圧印加部422をオンとし、プラテン107から裏面に例えば+700Vの電圧を与えれば、表面もほぼ同じ電位になるが、正確にはプラテン107よりやや低下し、+650V程度となる。なお、余白無し記録時には第2電圧印加部424もオンとし、インク吸収体120,121上の導電部材122,123に例えば+750Vを印加する。
ここで、電位0である記録ヘッド104から記録媒体に向けてインク滴を吐出すると、インク滴は記録媒体105に向かって進み着弾する。記録ヘッド104から吐出されたインク液滴は元々、吐出方向(図中下方向)への運動量をもっているが、約+650Vの電位となっている記録媒体表面へ引き寄せられて加速進行する。一方、余白無し記録時には記録媒体側縁からはみ出した範囲にもインク吐出が行われ、図の一点鎖線で示す領域Eがインク吐出領域となる。このはみ出す領域に向けて吐出されたインク滴は、より電位の高い導電部材122,123の方に引き寄せられ、図中Bに示すように直進する。このため、メッシュ状の導電部材122,123を介してインク吸収体120,121に吸収されることになる。すなわち、図14に関して説明したような、飛翔方向が偏向して記録媒体側端部に着弾することによる画質の低下を抑えることができる。
なお、導電部材122,123の電位が記録媒体表面の電位と同じになるように導電部材122,123に印加する電圧を設定した場合、はみ出す領域に向けてして吐出されたインク滴はより距離の近い記録媒体に引き寄せられてしまう場合がある。そのため、導電部材122,123に印加する電圧を記録媒体より少し高い電圧にすることは望ましい。そこで、上述した通り、本実施形態では、記録媒体の表面の電位(+650V)よりも高い電圧(+750V)を導電部材122,123に印加している。
また、プラテン107に印加する電圧と、導電部材122,123に印加する電圧との関係は、使用する記録媒体上の電圧によって変更することが望ましい。つまり、厚さtがより大きい記録媒体では、上述した650Vよりもさらに低下するので、プラテン107に印加する電圧を(700+α)V、導電部材122,123に印加する電圧を(750+β)Vに調節すればよい。
図8は、図6の処理手順に従って余白無し記録を行わない場合(ステップS15)の具体的な動作を説明するための模式的側面図である。
余白無し記録を行わない場合には、記録ヘッド104が吐出するインク滴が着弾する領域E’は記録媒体105上のみであり、記録媒体105の幅よりも広い領域への吐出は行われないので、導電部材122,123への電圧印加は不要となる。そのため、プラテンへの電圧印加を行う第1電圧印加部422のみをオンとし、導電部材122,123への電圧印加を行う第2電圧印加部423をオフとする(図6のステップS15)。これにより、無駄な電力の消費を抑えることができる。
さらに、画質よりも記録速度を優先したモード(高速記録モード)の場合には、インク滴の着弾精度はさほど問われない。そのため、本実施形態では、上述したように、第1電圧印加部422および第2電圧印加部423がともにオフの状態で、高速記録モードを実行している(図6のステップS27)。
以上説明したように、本実施形態によれば、静電気力によりインク滴の進行方向を制御するという基本的な構成により、インクミストの量が減少し、これに起因した問題の発生を抑制することができる。
また、余白なし記録時に記録媒体側縁からはみ出す領域に向けて吐出されるインク滴をインク吸収体に導くという特徴的な構成により、記録品位を向上させることができる。
さらに、記録媒体の厚みなどの特性に応じて電位を適切に設定することで、記録媒体の特性によらず、期待される効果が得られる。
加えて、余白無し記録の有無や記録モードに応じ、必要な場合に必要な部位にのみ電圧を印加するようにしたことで、電力の消費を低減することができる。
なお、第1電圧印加部422および第2電圧印加部424は上述したように電圧調整が可能なものである。従って、記録時の条件に応じてこれらをそれぞれ単純にオンまたはオフとするだけでなく、次のようにしてもよい。すなわち、記録ヘッド104と第1導電部材(本実施形態ではプラテン107自体)との間、および記録ヘッド104と第2導電部材122,123との間に、記録時の条件に応じた適切な強さの電界が形成されるよう印加電圧の調整が行われるようにしてもよい。すなわち、印加電圧の調整とは、第1導電部材または第2導電部材に向けて積極的に吐出インクを導くために形成される電界の強さを調整するための印加電圧の調整を含む。また、積極的に吐出インクを導かない場合であっても、上例のように完全に印加電圧を0(オフ)とする場合だけでなく、そのようなインクの誘導が生じない程度に印加電圧を調整することをも含むものである。これは次に述べる第2の実施形態でも同様である。
また上例では、記録時の条件を、余白無し記録の実行の有無、記録品位および記録媒体の種類としたが、これらの一部であってもよく、またそのほかの条件が加味されるものであってもよい。
2.第2の実施形態
第1の実施形態においては、プラテン107の両側にインク受容部としてのインク吸収体を配置し、余白無し記録時に記録媒体の側縁からはみ出す領域に吐出されるインク滴をそれらのインク吸収体に導く構成について説明した。この構成は、基本的に1種類のサイズ(幅方向の寸法)をもつ記録媒体に対応したものであるが、本発明の第2の実施形態は、様々なサイズの記録媒体に対する余白無し記録に対応できる形態に係るものである。
図9は、本実施形態におけるプラテン部の構成例を示す模式的平面図である。ここで、207はプラテンであり、記録ヘッドが移動しうる範囲にわたって凹部が設けられ、その凹部にインク吸収体240が配置されている。インク吸収体240の上面には17個の導電部材220〜236が互いに電気的に絶縁させて記録ヘッド主走査方向に配列されて記録媒体を支持可能であるとともに、個別に電圧印加が可能となっている。なお、インク吸収体240は一体のものでもよいし、例えば導電部材220〜236のそれぞれに対応して分割されたものでもよい。また、導電部材の個数およびそれぞれの大きさについても適宜定め得ることは勿論である。
図10は本実施形態に係る導電部材220〜236への電圧印加の有無と、第1および第2電圧の選択的な印加を可能とするための構成例を示す。
図において、250はスイッチ部であり、図5における第1電圧印加部422および第2電圧印加部424と、導電部材220〜236との間に介挿される。導電部材220〜236の各々は、第1電圧印加部422および第2電圧印加部424のそれぞれと、スイッチ部250に配設されるスイッチを介して接続される。そして、スイッチが選択的に閉成されることで、第1電圧印加部422および第2電圧印加部424のいずれかと接続可能となる。このとき第1電圧印加部422と接続された導電部材には第1電圧(例えば700V)が印加され、この導電部材は第1導電部材として機能する。一方、第2電圧印加部424と接続された導電部材には第2電圧(例えば750V)が印加され、この導電部材は第2導電部材として機能することになる。
以上の構成を用いて、次のような記録処理時の制御を行うことができる。
図11(a)および(b)は、本実施形態に係る記録処理手順の主要部を示す。ここで、同図(a)は、図6におけるステップS1に置換えられる処理ステップを示している。このステップS31では、外部装置500から通知される記録媒体のサイズ情報および余白無し記録実行の有無の情報に基づき、スイッチ部250におけるスイッチの設定を行う工程を含むものとなる。
すなわち、余白無し記録モードが指定されていない場合、記録媒体の裏面に位置する導電部材を第1電圧印加部422に接続し、それ以外の導電部材は第1および第2電圧印加部422、424のいずれにも接続しない。一方、余白無し記録モードが指定されている場合、記録媒体の裏面に位置する導電部材を第1電圧印加部422に接続し、記録媒体の側縁からはみ出したインク吐出領域に対応する導電部材を第2電圧印加部424に接続する。更に、これら以外の導電部材は第1および第2電圧印加部422、424のいずれにも接続しない。
例えば記録媒体105の幅方向のサイズが図9に示されるようなサイズである場合、導電部材221〜229が記録媒体の被記録面の反対側(裏面)に位置する導電部材となる。従って、余白無し記録モードの実行の有無に関わらず、それらの導電部材221〜229が第1電圧印加部422に接続されるようにスイッチ設定を行う。このとき、導電部材221〜229は第1の導電部材として機能する。さらに、余白無し記録が指示されているのであれば、記録媒体側縁部に隣接する導電部材220および230が第2電圧印加部424に接続されるようにスイッチ設定を行う。このとき、それらの導電部材220および230は第2の導電部材として機能する。その他のスイッチはすべて開状態(オフ)とする。なお、余白無し記録モードが指示されていない場合には、導電部材221〜229が第1電圧印加部422に接続されるのみで、その他の導電部材は第1電圧印加部422にも第2電圧印加部424にも接続されない。
以上のような設定によれば、余白無し記録が指定された場合、記録媒体の裏面に位置する導電部材(第1導電部材)のみならず、記録媒体の側端部からはみ出した領域に対応する導電部材(第2導電部材)にも電圧が印加される。そして、記録ヘッドと第1導電部材との間および記録ヘッドと第2導電部材との間に電界が形成された状態で、余白無し記録が実行される。従って、上記図7で説明した通り、記録媒体の外側にはみ出して吐出されるインクは偏向されずに直進し、第2導電部材に着弾されることになるので、はみ出しインクが偏向されることで生じる画像劣化を抑制できる。
図11(b)は、図6におけるステップS11、S13およびS15に置換えられる処理ステップを示している。このステップS33では、余白無し記録実行の有無に関わらず第1電圧印加部422および第2電圧印加部424をオンとする処理を行う。このように双方の電圧印加部をオンとしても、ステップS31でのスイッチ設定に従って、必要な導電部材のみに、必要な電圧が印加されることになる。
本実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の効果が得られることに加え、様々なサイズの記録媒体に対し余白無し記録を行う際にも良好な画像を得ることが可能となる。
3.第3の実施形態
以上の各実施形態においては、記録媒体の側端部に余白を残さない記録を行う場合を例示したが、本発明は、記録媒体の先端および後端の少なくとも一方にも余白を残さない記録を行う場合にも適用可能である。
図12(a)〜図12(c)は、本実施形態における記録の様子を示す図である。ここで、207はプラテンであり、記録ヘッドが移動しうる範囲にわたって凹部が設けられ、その凹部にインク吸収体240が配置されている。そのインク吸収体240の上には主走査方向および媒体搬送方向に2次元状に配列された導電部材220A〜236Aおよび220B〜236Bが配置されている(図12(a)参照)。これら導電部材は、記録媒体の裏面と接触しないように、プラテンの凹部内に配置されている。なお、ここでは、搬送方向上流側の導電部材を220A〜236Aと称し、搬送方向下流側の導電部材を220B〜236Bと称している。そして、先後端の記録時に各導電部材のスイッチ設定を適宜切り替え、記録媒体の直下に位置する導電部材には第1電圧が、先後端部や側端部に隣接する導電部材には第2電圧が印加されるようにする。これについて図12(b)および(c)を用いて具体的に説明する。
図12(b)および(c)は、記録媒体の先端部を記録する様子を示しおり、図12(b)は図12(a)よりも記録媒体が搬送された状態を示し、図12(c)は図12(b)よりも記録媒体が搬送された状態を示している。
図12(b)に示される位置に記録媒体があるとき、記録媒体の裏面にある導電部材221A〜229Aが第1導電部材として機能する。また、記録媒体の先端部および側端部に隣接する導電部材221B〜229B、220Aおよび230Aが第2導電部材として機能する。従って、記録媒体の裏面に位置する導電部材221A〜229Aは第1電圧印加部422に接続され、これら導電部材221A〜229Aには第1の電圧(例えば、700V)が印加される。また、記録媒体の側縁部からはみ出したインク吐出領域に対応する導電部材220Aおよび230Aは第2電圧印加部422に接続され、これら導電部材220Aおよび230Aには第2の電圧(例えば、750V)が印加される。更に、記録媒体の先端部からはみ出したインク吐出領域に対応する導電部材221B〜229Bは第2電圧印加部422に接続され、これら導電部材221B〜229Bには第2の電圧(例えば、750V)が印加される。なお、これら以外の導電部材220B、230B、231A〜236Aおよび231B〜236Bは、第1電圧印加部422および第2電圧印加部424のいずれにも接続されない。
次に、図12(c)に示される位置に記録媒体があるとき、記録媒体の裏面にある導電部材221A〜229Aおよび221B〜229Bが第1導電部材として機能する。また、記録媒体の側縁部に隣接する導電部材220A,230Aおよび220B,230Bが第2導電部材として機能する。
従って、記録媒体の裏面に位置する導電部材221A〜229Aおよび221B〜229Bは第1電圧印加部422に接続され、これら導電部材には第1の電圧(例えば、700V)が印加される。また、記録媒体の側縁からはみ出したインク吐出領域に対応する導電部材220A,230Aおよび220B,230Bは第2電圧印加部422に接続され、これら導電部材220ABおよび230ABには第2の電圧(例えば、750V)が印加される。なお、これら以外の導電部材231A〜236Aおよび231B〜236Bは、第1電圧印加部422および第2電圧印加部424のいずれにも接続されない。
以上のような構成によれば、記録媒体の先後端部近傍や側端部近傍に吐出されるインクが偏向されないため、高品位な余白無し記録が可能となる。
4.その他
余白無し記録時において記録媒体の縁からはみ出す領域に吐出されるインクを受容するための受容部として、上例では、吐出面に対向する位置に配置されたインク吸収体を用いるものとした。しかし受容部としては様々な形態とすることが可能である。例えば、インクを貯留することが可能な箱状のものであってもよいし、さらに受容したインクを導出するための部材を有したものとすることもできる。また、インクを受容部に導くために電圧の印加に応じて導電可能な第2の導電部材についても、上述したようなメッシュ状の導電部材に限られない。受容部に効果的にインクを導入できるものであれば、第2導電部材の配設位置および形状などは適宜定めることができるのは勿論である。
また、記録に用いる色調の種類および数も上記に限られない。例えば、上例ではシアン、マゼンタおよびイエローのいわゆる印刷の3原色に加えてブラックを含めた4色のインクを用いるものとした。しかし、シアン、マゼンタおよびイエローのインクのみを用いるものでもよいし、ブラックのインクのみを用いるものでもよい。また、これらに代えて、あるいはこれらとともに、その他の色調(色および濃度を含む)のインクを用いるものでもよい。そして、インクを吐出する吐出部の構成についても図2に示したものに限られないことは言うまでもない。
さらに、上記実施形態ではインク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段を有する記録ヘッドを用いるものとしたが、その他の手段、例えばピエゾ素子を有する記録ヘッドを用いるものでもよい。
加えて、上述の実施形態では所謂シリアルプリンタ形態のインクジェット記録装置に本発明を適用した場合について説明した。しかし本発明は、記録媒体の全幅以上に対応した範囲にわたって吐出口を配列してなる記録ヘッドを用いた所謂ラインプリンタ形態のインクジェット記録装置に適用することも可能である。
さらに加えて、本発明の記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の下位装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略的構成を示す斜視図である。 図1のインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドの吐出面の構成例を示す図である。 図1のインクジェット記録装置のプラテン部分の拡大図である。 (a)および(b)は、それぞれ、図1のインクジェット記録装置におけるインク吸収体および導電部材の側面図および上面図である。 図1に示した記録装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 図1に示した記録装置による記録処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6の処理手順に従って余白無し記録を行った場合の具体的な動作を説明するための模式的側面図である。 図6の処理手順に従って余白無し記録を行わなかった場合の具体的な動作を説明するための模式的側面図である。 本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置のプラテン部分の拡大図である。 第2の実施形態に係る制御系の主要部を示すブロック図である。 (a)および(b)は、第2の実施形態に係る記録処理手順の主要部を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は本発明の第3の実施形態における記録状態を示す図である。 記録媒体側端部に余白無し記録を行う態様を説明するための模式的平面図である。 従来構成を適用して記録ヘッドと記録媒体との間で電界を形成しながら余白無し記録を行う場合を説明するための模式的側面図である。
符号の説明
100 記録装置
104 記録ヘッド
105 記録媒体
107、207 プラテン
120、121、240 インク吸収体
122、123、220〜236 帯電部材
421、423 電圧印加部のコントロール部
422、424 電圧印加部
500 外部装置(コンピュータ)

Claims (9)

  1. 記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    搬送される前記記録媒体の裏面側に位置する第1導電部材と、
    前記記録ヘッドと前記第1導電部材との間に電界を形成するための第1電界形成部と、
    前記記録媒体の外側に吐出されるインクを受けることが可能な位置に設けられた第2導電部材と、
    前記記録ヘッドと前記第2導電部材との間に電界を形成するための第2電界形成部と、
    前記記録ヘッドと前記第1導電部材との間に搬送される前記記録媒体に対して前記記録ヘッドからインクを吐出させる記録制御部と、
    を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1電界形成部は、前記第1導電部材に電圧を印加する第1電圧印加部を有し、前記第2電界形成部は、前記第2導電部材に電圧を印加する第2電圧印加部を有し、 前記第1電圧印加部が前記第1導電部材に印加する電圧および第2電圧印加部が前記第2導電部材に印加する電圧がそれぞれ独立に調整可能であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録媒体の端部に余白を残さない記録を行うか否かに応じて、前記第2電圧印加部の印加電圧が調整されることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 記録品位に応じて、前記第1および第2電圧印加部の印加電圧が調整されることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 記録に用いられる記録媒体の種類に応じて、前記第1および第2電圧印加部の印加電圧が調整されることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第2導電部材の電位が、前記第1導電部材の上にある前記記録媒体の被記録面の電位より高くなるように、前記第1および第2電圧印加部の印加電圧が調整されることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  7. 記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    搬送される前記記録媒体の裏面側に位置する第1導電部材と、
    前記記録ヘッドと前記第1導電部材との間に電界を形成するための第1電界形成部と、
    前記記録媒体の外側に吐出されるインクを受けることが可能な位置に設けられた第2導電部材と、
    前記記録ヘッドと前記第2導電部材との間に電界を形成するための第2電界形成部と、
    前記記録媒体の端部に余白を設けずに記録を行う余白無し記録モードを実行する場合、前記第1および第2電界形成部により電界を形成した状態で前記記録ヘッドから前記記録媒体に向けてインクを吐出させる制御部と、
    を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
    搬送される前記記録媒体の裏面側に設けられた第1導電部材と、
    前記記録ヘッドと前記第1導電部材との間に電界を形成するために、前記第1導電部材に電圧を印加する第1電圧印加部と、
    前記記録媒体の外側に吐出されるインクを受けることが可能な位置に設けられた第2導電部材と、
    前記記録ヘッドと前記第2導電部材との間に電界を形成するために、前記第2導電部材に電圧を印加するための第2電圧印加部と、
    を具え、前記第2電圧印加部により前記第2導電部材に印加される電圧は、前記第1電圧印加部により前記第1導電部材に印加される電圧よりも高いことを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録方法において、
    搬送される記録媒体の裏面側に配置される第1導電部材と前記記録ヘッドとの間に電界を形成する工程と、
    前記記録媒体の外側に吐出されるインクを受容することが可能な位置に設けられた第2導電部材と前記記録ヘッドとの間に電界を形成する工程と、
    前記記録ヘッドと前記第1導電部材との間および前記記録ヘッドと前記第2導電部材との間に前記電界を形成した状態で、前記記録媒体に対して前記記録ヘッドからインクを吐出する工程と、
    を具えたことを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2008124921A 2007-05-11 2008-05-12 インクジェット記録装置および記録方法 Expired - Fee Related JP5142812B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008124921A JP5142812B2 (ja) 2007-05-11 2008-05-12 インクジェット記録装置および記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007126401 2007-05-11
JP2007126401 2007-05-11
JP2008124921A JP5142812B2 (ja) 2007-05-11 2008-05-12 インクジェット記録装置および記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008307894A true JP2008307894A (ja) 2008-12-25
JP5142812B2 JP5142812B2 (ja) 2013-02-13

Family

ID=40235910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008124921A Expired - Fee Related JP5142812B2 (ja) 2007-05-11 2008-05-12 インクジェット記録装置および記録方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7980672B2 (ja)
JP (1) JP5142812B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011116109A (ja) * 2009-10-29 2011-06-16 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2011116110A (ja) * 2009-10-29 2011-06-16 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2011116107A (ja) * 2009-10-29 2011-06-16 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2019018380A (ja) * 2017-07-12 2019-02-07 セイコーエプソン株式会社 記録装置
JP2019018376A (ja) * 2017-07-12 2019-02-07 セイコーエプソン株式会社 記録装置

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5409246B2 (ja) 2009-10-09 2014-02-05 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置および記録ヘッドの温度制御方法
US20110102507A1 (en) * 2009-10-29 2011-05-05 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting apparatus
JP5875573B2 (ja) 2013-11-22 2016-03-02 キヤノン株式会社 記録装置及びその気泡排出方法
JP6203025B2 (ja) 2013-12-10 2017-09-27 キヤノン株式会社 記録装置および記録データの処理方法
WO2015194177A1 (en) 2014-06-18 2015-12-23 Canon Kabushiki Kaisha Printing apparatus, printing method and storage medium
JP2022184353A (ja) 2021-06-01 2022-12-13 キヤノン株式会社 記録装置、制御装置、およびプログラム
JP2023006647A (ja) 2021-06-30 2023-01-18 キヤノン株式会社 記録装置、記録方法、制御装置、およびプログラム

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006341526A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2007076283A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Seiko Epson Corp インクミスト誘導装置、記録装置、および液体噴射装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05124187A (ja) 1991-10-31 1993-05-21 Canon Inc インクジエツト式記録装置および該装置におけるインク液滴制御方法ならびにインクミスト吸着方法
EP0608879B1 (en) 1993-01-29 1999-10-27 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet apparatus
US5997133A (en) * 1996-11-21 1999-12-07 Nec Corporation Inkjet recording apparatus having a minimum number of ejection electrode driving circuits and method for driving same
JP3559778B2 (ja) 2001-08-10 2004-09-02 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006341526A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2007076283A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Seiko Epson Corp インクミスト誘導装置、記録装置、および液体噴射装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011116109A (ja) * 2009-10-29 2011-06-16 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2011116110A (ja) * 2009-10-29 2011-06-16 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2011116107A (ja) * 2009-10-29 2011-06-16 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2019018380A (ja) * 2017-07-12 2019-02-07 セイコーエプソン株式会社 記録装置
JP2019018376A (ja) * 2017-07-12 2019-02-07 セイコーエプソン株式会社 記録装置
JP7013696B2 (ja) 2017-07-12 2022-02-01 セイコーエプソン株式会社 記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7980672B2 (en) 2011-07-19
US20090015638A1 (en) 2009-01-15
JP5142812B2 (ja) 2013-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5142812B2 (ja) インクジェット記録装置および記録方法
EP2552698B1 (en) Image forming apparatus and control method
JP4613625B2 (ja) 液体噴射装置
JP2007030198A (ja) 画像形成方法、画像形成方法を実行するためのプログラム及びインクジェット記録装置
JPH1044391A (ja) 画像記録装置
US8251473B2 (en) Inkjet printing apparatus
JP2009018460A (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP4574385B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよび記録装置
EP1902848A2 (en) Inkjet printer and printing method using the same
JP2011093248A (ja) 画像形成装置、画像形成方法
JP2010173306A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記録媒体
JP2014104621A (ja) 液滴吐出装置
JP2009051018A (ja) 画像形成装置
JP2006224443A (ja) インクジェット記録ヘッド、記録装置、および記録方法
JP2004181726A (ja) インクジェットプリンタ
JP2009010880A (ja) 画像処理方法、画像処理装置およびプログラム
JP2006103053A (ja) 記録装置、カラー補完記録方法、及びインクジェット記録ヘッド
JP2015128837A (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム
JP2006167934A (ja) 画像形成装置、画像処理装置、プリンタドライバ及び画像形成システム
JP5413528B2 (ja) 画像形成装置および制御方法
JP2022138554A (ja) インクジェット記録装置
JP2004160725A (ja) インクジェット記録装置
JP2021020338A (ja) インクジェット印刷装置
JP5055065B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP2005088266A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101106

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121023

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121120

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151130

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5142812

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees