画像形成装置においては、装置の正常動作時と異常動作時とで音声ガイダンス機能の重要度が異なる。たとえば、正常動作時は動作状態や操作方法などの説明が主な用途であるため緊急度はそれ程高くなく、他の機能に比べて音声ガイダンス機能の重要度は低くてよい。しかし、装置に故障やエラーなどの異常が発生した緊急時には、そのことをユーザに迅速に報知する必要があるため音声ガイダンス機能の重要度は高くなる。
上記特許文献1のように、バスを通じて音声データを伝送し音声を再生してガイダンスを行う構成では、異常動作時の報知を重要視して音声ガイダンス機能の優先順位を他の機能よりも高くして固定的に設定してしまうと、正常動作時に音声ガイダンス機能によって他の機能の動作が妨げられる可能性がある。たとえば、音声ガイダンス機能の優先順位をHDDコントローラやLCDコントローラなどよりも高く設定すると、音声再生時には音声データの伝送のためにバスが占有されてしまい、HDDへのアクセスやLCDによる表示などの動作が影響を受けることになる。そのため、正常動作時には装置のパフォーマンスが損なわれるおそれがある。
一方、上記の不具合を防止するために音声ガイダンス機能の優先順位を他の機能よりも低くして固定的に設定してしまうと、他の機能が動作してバスが占有されている間はバスを通じた音声データの伝送による音声再生が妨げられてしまい、異常動作時に迅速に報知できなくなる可能性がある。たとえば、印刷動作に関わるタスクの動作中やバスビジー状態(バスに接続されたデバイスが動作しバス経由で大量のデータが伝送されているときなど)に異常が発生すると、その期間はバス上の音声データメモリに記憶された音声データをサンプリング周期毎に音声出力部に伝送できず、音声データの供給が音声の再生タイミングに間に合わなくなってガイダンス音声が途切れてしまう可能性があり、異常内容を迅速且つ正確に報知できなくなるおそれがある。
また、異常動作時における音声ガイダンス機能の優先順位を画像形成機能よりも高く設定してしまうと、音声ガイダンス機能によって画像形成機能の動作が妨げられてしまうことになる。たとえば、前に読み取った原稿に対する複数の部数の印刷と、次の原稿の読み取りとを同時に行っている状態で、読み取り側で原稿詰まりなどの動作エラーが発生した場合には、この異常を報知する音声再生が優先的に実行されて印刷動作が影響を受けることになる。そのため、異常動作時には画像形成の生産性が損なわれるおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、正常動作時には音声再生による装置のパフォーマンス低下を防止し、異常動作時には音声再生による異常の報知を正常動作時より優先して行うことのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]画像形成機能と音声再生機能とを含む複数の機能を備えた画像形成装置において、
前記音声再生機能を動作させる優先順位を当該装置の正常動作時よりも異常動作時に高く設定する制御部を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
上記発明では、正常動作時には異常動作時よりも音声再生機能を動作させる優先順位が低く設定されるため、装置のパフォーマンスを落とさずに音声再生を行うことができる。また、異常動作時には正常動作時よりも音声再生機能を動作させる優先順位が高く設定されるため、音声再生による迅速な報知を行うことができる。
[2]前記制御部は、前記正常動作時には前記音声再生機能の優先順位を最下位に設定する
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
上記発明では、正常動作時には優先順位が最下位に設定された音声再生機能によって装置の他の機能が影響を受けなくなるので、音声再生のために画像形成機能を含む装置全体のパフォーマンスが低下することはない。
[3]前記制御部は、前記異常動作時には前記音声再生機能の優先順位を前記画像形成機能の優先順位の次に高い順位に設定する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の画像形成装置。
上記発明では、異常動作時に画像形成機能が動作中であれば音声再生は行われず、画像形成動作は音声再生の影響を受けることなく実行される。また、異常動作時には優先順位が画像形成機能以上の機能が動作していなければ、他の機能より音声再生機能が優先されて音声再生が行われる。これにより、異常動作時に画像形成の生産性を落とすことなく、音声再生による異常の報知を高い優先で行うことができる。
[4]前記画像形成機能は、画像の読み取り動作、画像の書き込み動作、および画像を加工する画像処理動作のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする[1]乃至「3」のいずれか1つに記載の画像形成装置。
上記発明では、画像の読み取り動作、画像の書き込み動作、および画像処理動作といった画像形成機能に係る動作の動作中は音声再生が行われなくなり、画像形成機能に係る各動作は音声再生の影響を受けることなく実行される。
[5]前記画像形成機能に係る画像データの転送と前記音声再生機能に係る音声データの転送とに同一のバスを使用する
ことを特徴とする[1乃至[4]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
上記発明では、画像形成機能と音声再生機能とでバスの競合が生じるためこれらの機能の並列動作に支障が出る場合があり、優先順位によってその調整が図られる。
[6]前記制御部は、前記音声再生機能より優先順位の高い他の機能の動作により前記バスがビジー状態である場合には、前記ビジー状態が終了してから前記音声再生機能を動作させる
ことを特徴とする[5]に記載の画像形成装置。
上記発明では、音声再生より優先順位の高い画像形成機能が動作してバスがビジー状態である場合には音声再生を行わず、バスのビジー状態が終了すると音声再生を行うことで、音声再生時にはバスを通じて音声データをサンプリング周期毎に伝送することができ、音声が途切れるような音声再生を防止することができる。また、画像形成機能が動作途中でもバスのビジー状態が終了すると音声再生が行われるため、音切れすることのない音声再生をいち早く行うことができる。
[7]入力された音声データをアナログ音声信号に変換し出力して前記音声再生機能を行う音声ICを備え、前記音声ICは前記バスを介して前記音声データが入力される
ことを特徴とする[5]または[6]に記載の画像形成装置。
上記発明では、音声ICは、バスを介して入力された音声データをアナログ音声信号に変換し、装置の操作の説明や異常内容などを説明する音声を再生して出力する。このような音声ICを使用することによって、バスを介して伝送される音声データを用いた音声再生機能を簡単な構成で実現できる。
[8]前記音声ICは前記バスに接続されている
ことを特徴とする[7]に記載の画像形成装置。
上記発明では、音声ICは接続されたバスを通して音声データが入力されるようになる。
[9]前記制御部は、前記バスに接続された他のデバイスによる前記バスの使用期間が前記音声再生機能の動作に必要とされる前記音声データのサンプリング周期以上の場合に前記バスがビジー状態であると判断する
ことを特徴とする[6]に記載の画像形成装置。
上記発明では、バス上の他のデバイスによるバスの使用期間と、音声再生機能の動作に必要とされる音声データのサンプリング周期(転送周期)との関係によってバスのビジー状態を判断する。すなわち、バスに接続された他のデバイスによるバスの使用期間が音声再生機能の動作に必要とされる音声データのサンプリング周期以上である場合は、バスがビジー状態であると判断し、音声再生はバスのビジー状態が終了してから実行する。また、バスに接続された他のデバイスによるバスの使用期間が音声データのサンプリング周期より短い場合には、バスがビジー状態ではないと判断し、直ちに音声再生を実行する。
これにより、装置の異常発生から動作停止までの間にバス上の他のデバイスによってバスが使用されるような場合などでも、音声データのサンプリング周期内でバスに開放期間が確保されれば、音声再生を途切れずに実行することができる。
[10]前記異常動作は、装置の故障、装置の動作エラー、および前記画像形成に用いる消耗品切れの少なくとも1つである
ことを特徴とする[1]乃至[9]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
画像形成装置では、装置の故障、画像形成における用紙詰まりなどの装置の動作エラー、画像形成に用いる用紙などの消耗品切れが発生すると、装置の動作が停止して画像形成の生産性が低下するため、報知の即時性と迅速な対応が求められる。
上記発明では、装置の故障、装置の動作エラー、および画像形成に用いる消耗品切れの少なくとも1つが発生すると、異常動作が発生したとされ音声再生による報知が行われるため、ユーザはそれらの異常動作に迅速に対応できるようになる。これにより、装置の異常停止に伴う画像形成の生産性低下が抑えられる。
[11]前記制御部は、前記異常動作が発生するか否かを事前に予測し、異常動作が発生すると予測した場合に前記音声再生機能を異常動作時と同じ優先順位に設定する
ことを特徴とする[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
上記発明では、装置に異常動作が発生すると予測された場合にも音声再生機能の優先順位を異常発生時と同じ優先順位に変更して音声再生による報知を行うので、現時点では装置が正常に動作していても近々異常が発生することを優先度を高めて報知することができる。これにより、実際に異常動作が発生する前にユーザがいち早く対応できるようになり、異常動作の対応に要する装置の動作停止時間を短縮することができて画像形成の生産性低下を更に抑制できる。
[12]前記音声再生機能は、所定の終了事象が発生しない場合は一定期間行う
ことを特徴とする[1]乃至[11]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
上記発明では、装置が異常動作を起こすと、異常動作の復旧などの所定の終了事象が発生しない限り、音声再生による報知が一定期間行われるため、ユーザが装置のそばに居なくても聴覚を通して異常動作の発生をより確実に知らせることができる。また、ユーザが装置周辺に居ないなどで異常動作の対応が行われないような場合でも、一定期間を過ぎると音声再生による報知が停止されるため、無駄な報知動作を防止できる。
[13]前記一定期間の設定を変更する設定変更手段を備える
ことを特徴とする[12]に記載の画像形成装置。
上記発明では、音声による報知を行う一定期間を変更できるため、ユーザは画像形成装置の使用形態などに応じて報知を行う期間を任意に設定変更できるようになる。
本発明に係る画像形成装置によれば、正常動作時には音声再生による装置のパフォーマンス低下を防止しつつ、異常動作時には音声再生による異常の報知を正常動作時より優先して行うことができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置10の構成をブロック図で示している。画像形成装置10は、原稿を読み取って対応する画像を用紙上に形成して出力するコピー機能や、スキャナ機能、プリンタ機能などを備えた複写機などとして構成されている。また画像形成装置10は、装置の動作状態や異常状態、操作方法などの各種情報を音声でガイダンスする音声ガイダンス機能を備えている。
上記の各機能を実現するために画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、CPU11に接続されたワークメモリ12と、メモリ制御部13と、メモリ制御部13に接続された画像メモリ14と、HDD15と、画像読取部16と、画像書込部17と、画像処理部18と、操作部19と、USB制御部20と、LAN(Local Area Network)制御部21と、音声コーデックIC22と、音声コーデックIC22に接続されたスピーカ24とを備えている。また、CPU11、メモリ制御部13、HDD15、画像読取部16、画像書込部17、画像処理部18、操作部19、USB制御部20、LAN制御部21、音声コーデックIC22は、信号(データ)を伝送(転送)するためのバス25を介して相互に接続されている。
CPU11は、演算処理機能を備えると共に、画像形成装置全体の動作を統括制御する制御部として機能する。ワークメモリ12は、CPU11が実行するプログラムやプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納する機能を果たす。またワークメモリ12には、音声ガイダンス機能にて使用される各種のガイダンス音声に対応する音声データが格納されている。
メモリ制御部13は、画像メモリ14に対する画像データの書き込みと読み出しを制御する機能を果たす。画像メモリ14は、メモリ制御部13によって書き込まれた画像データを一時的に格納する機能を果たす。HDD15は、制御プログラムや汎用オペレーティング・システムのプログラム、装置固有の各種パラメータなどの格納に使用される。画像形成装置10の立ち上げ時にCPU11内の起動プログラムを実行することで、HDD15内のプログラムがワークメモリ12に展開されて動作するようになっている。
画像読取部16は、原稿画像を読み取って対応する画像データを取り込む機能を果たす。画像書込部17は、画像データに対応する画像を電子写真プロセスによって用紙上に形成して出力する機能を果たす。画像処理部18は、画像データに各種の画像処理を施す機能を果たす。
また、画像読取部16は、たとえば、複数枚の原稿を順次連続的に読み取るための自動原稿送り装置、原稿を照射する光源、原稿を幅方向に1ライン分読み取るCCD(Charge Coupled Device)方式のラインイメージセンサ、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に移動させる移動機構、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学部品、ラインイメージセンサが出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換するA/D変換器、および画像読取部16の動作を制御する制御部(いずれも図示省略)などを備えている。画像書込部17については、たとえば、用紙の搬送装置、感光体ドラム、帯電装置、光源にLD(Laser Diode)を用いたレーザユニット、現像装置、転写分離装置、クリーニング装置、定着装置、およびこれらを制御する制御部(いずれも図示省略)などを備えた、いわゆるレーザプリンタとして構成されている。
画像読取部16と画像書込部17の制御部はそれぞれ、CPU、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を主要部として構成されている。各制御部は、CPU11と動作コマンドやステータスの通信を行い、CPU11からの指示に基づいて原稿の読み取りや画像形成動作を制御するようになっている。
操作部19は、表面にタッチパネルを備えた液晶ディスプレイと各種の操作スイッチから構成され、ユーザーに各種の案内表示や状態表示を行ったり、ユーザーから各種の操作を受け付けたりする機能を有している。また、装置の異常発生時に出力されるガイダンス音声は一定期間出力されるよう予め設定されており、この一定期間については操作部19を通して設定変更できるようになっている。また、ガイダンス音声の出力中に、操作部19を通したリセット操作や異常の復旧などが行われて所定の終了事象が発生すると、一定期間が経過する前でも報知動作が停止するようになっている。
USB制御部20は、画像形成装置10のUSB端子(図示省略)に接続された外部機器や外部デバイスと装置内部のデバイスとの間でやり取りするデータの伝送を制御する機能を果たす。LAN制御部21は、ネットワークを介して画像形成装置10のLAN端子(図示省略)と接続された外部機器と行う通信やデータの伝送を制御する機能を果たす。
音声コーデックIC22は、デジタル信号用のデジタルI/F23を備えており、デジタルI/F23にバス25が接続されている。この音声コーデックIC22は、デジタルI/F23から入力されたデジタル音声信号(音声データ)をDA(Digital-Analog)変換しアナログ音声信号として出力する機能を有している。スピーカ24は、音声コーデックIC22から入力されたアナログ音声信号に対応するガイダンス音声を出力する機能を果たす。
図2は、CPU11の内部で決められる画像形成装置10が備える各デバイスの動作の優先順位を登録したテーブル30の一例を示している。テーブル30には、画像形成装置10が備えるデバイスの種類として、上記の「画像読取部/画像書込部/画像処理部」、「メモリ制御部」、「HDD」、「操作部」、「LAN制御部」、「USB制御部」、「音声コーデックIC(音声再生)」が登録されている。このテーブル30は、画像形成装置10の起動時にCPU11によって設定されると共に、画像形成装置10の正常動作時と異常動作時とで音声再生(音声コーデックIC)の動作の優先順位が変更されるようになっている。
詳細には、画像形成装置10の正常動作時(通常時)には、図2(A)に示すように、各デバイスは上記の順番でテーブル30に登録される。たとえば、印刷動作に関わる「画像読取部/画像書込部/画像処理部」は最上位に、画像データのアクセスに関わる「メモリ制御部」は次位(第二位)に登録され、音声再生に関わる「音声コーデックIC」は最下位に登録される。
また、画像形成装置10の異常動作時には、図2(B)に示すように、「音声コーデックIC」は優先順位が上げられて「画像読取部/画像書込部/画像処理部」および「メモリ制御部」の次の順位(第三位)に登録され、「HDD」、「操作部」、「LAN制御部」、「USB制御部」よりも優先順位が高くされる。この優先順位の入れ替えにより、異常動作時における音声再生の動作は、画像の読み取り動作、画像の書き込み動作、および画像を加工する画像処理動作といった印刷動作に必要なタスクの次の順位に設定される。また、画像形成装置10が異常から復旧し正常状態に回復すると、テーブル30に登録された各デバイスの優先順位は正常動作時の順位に戻される(図2(A)の状態)。
CPU11は、画像形成装置10の動作時にはコマンドを送信して各デバイスの動作を制御すると共に(コマンド制御)、装置の正常動作時と異常動作時とでテーブル30を上記のように変更し、正常動作時または異常動作時に各デバイスをテーブル30に登録された優先順位に従って動作させるように機能する。また、各デバイスはCPU11から受信したコマンドに基づいて所定の動作を行う機能を有している。
次に、画像形成装置10の動作について説明する。
図3は、画像形成装置10において原稿画像を読み取り用紙へ出力(印刷)するときの画像データPDの流れを示している。
画像読取部16による原稿の読取動作では、自動原稿送り装置にセットされた原稿が読取位置に送られ、光源からの照明光によって照射される。原稿からの反射光は、レンズやミラーからなる光学部品によりラインイメージセンサに導かれて結像され、ラインイメージセンサは、移動機構によって原稿の長さ方向へ移動されるのに伴い原稿を幅方向に1ラインずつ連続的に読み取る。ラインイメージセンサに読み取られ光電変換されて出力された原稿のアナログ画像信号は、A/D変換器によりデジタルの画像データに変換されて画像処理部18に入力され(矢印PD1)、画像処理部18で各種の画像処理を受けた後、メモリ制御部13を通じて画像メモリ14に一旦格納される(矢印PD2)。
また、画像書込部17による用紙への出力動作では、画像メモリ14に格納されている画像データがメモリ制御部13により読み出されて画像処理部18に入力され(矢印PD3)、各種の画像処理を画像処理部18で受けた後、画像書込部17に入力され(矢印PD4)、画像書込部17でレーザユニットからレーザ光として出射され、回転駆動する感光体ドラムへ照射される。感光体ドラムは、回転駆動しつつ表面が帯電装置によって所定の極性に一様に帯電され、その表面にレーザ光による走査露光で静電潜像が形成された後、現像装置により静電潜像にトナーが付着されてトナー像が形成(現像)される。
このトナー像は、搬送装置によって転写位置へ搬送された用紙に、転写分離装置によって感光体ドラム上から転写される。また、感光体ドラム上の転写残トナーはクリーニング装置によって除去される。
トナー像が転写された用紙は、搬送装置によって定着装置へ搬送され、定着装置が備える加熱ローラおよび加圧ローラの間を通過搬送される際に、加熱および加圧によるトナー像(画像)の定着処理を受けて出力される。
画像形成装置10では、原稿画像の読み取りおよび印刷時に上記の矢印PD1〜PD4の流れで画像データPDがバス25を介してデバイス間を伝送される。またCPU11は、装置の正常動作時には図2(A)に示したテーブル30の優先順位に従って各デバイスの動作を制御し印刷機能(画像形成機能)や音声再生機能などを動作させる。
詳細には、CPU11は、画像読取部16による画像の読み取り動作、画像書込部17による画像の書き込み動作、および画像処理部18による画像を加工する画像処理動作といった印刷動作に必要なタスクを最優先で実行する。次の優先で、メモリ制御部13による画像データの書き込みと読み出しを実行する。以下、優先順に、HDD15へのアクセス、操作部19による表示やユーザーからの操作を受け付け、LAN制御部21によるネットワークを介した外部機器との通信やデータ伝送の制御、USB制御部20による外部デバイスなどとのデータ伝送の制御、音声コーデックIC22による音声再生を実行する。これにより、正常動作時には、装置の動作状態や操作方法など音声再生によってガイダンスする音声ガイダンスは、他の全ての機能が停止しているときに実行される。
次に、異常発生時の動作について説明する。本実施形態に係る画像形成装置10では、異常(異常動作)が発生すると、あるいは異常の発生が事前に予測されると、ガイダンス音声を再生し出力して画像形成装置10に異常が発生したこと、あるいはまもなく異常が発生することと、異常の内容(症状)とを音声によってユーザに報知する。この異常の内容には、たとえば、装置の故障、用紙詰まりなどの動作エラー、給紙トレイ内の用紙や画像書込部17に装填されたトナーなどの消耗品切れ、排紙トレイやフィニッシャなどに印刷済みの用紙が満杯になった状態などが含まれる。
図4は、画像形成装置10の異常の発生を音声によって報知する動作の流れを示している。
画像形成装置10が起動すると(START)、CPU11は装置各部の状態を監視し、装置各部に設けられた検出部から送信される検出情報に基づいて、異常が発生したか否かまたは異常の発生を事前に予測したか否かを判断する(ステップS101)。
異常が発生しない(正常状態)または異常の発生を事前に予測できない場合は(ステップS101;No)、そのまま装置各部の状態の監視を継続する。
異常が発生したまたは異常の発生を事前に予測した場合は(ステップS101;Yes)、CPU11は、テーブル30に登録した音声再生の優先順位を入れ替える(ステップS102)。すなわち、テーブル30にて正常動作時には最下位に登録されている「音声コーデックIC」を(図2(A)参照)、「画像読取部/画像書込部/画像処理部」および「メモリ制御部」の次の順位に変更する(図2(B)参照)。
続いて、ガイダンス音声を途切れずに再生して正常に報知できるか否か、すなわち、ワークメモリ12に格納された音声データをバス25を通じて所定のサンプリング周期で音声コーデックIC22に伝送できるか否かの判断基準となるバス25のビジー状態を判断するために、バス25に接続されたデバイスが動作中であるか否かを判断する(ステップS103)。
装置の待機中などでデバイスが動作しておらずバス25が使用されていない場合は(ステップS103;No)、バス25がビジー状態でないと判断し(ステップS104)、CPU11はテーブル30の優先順位に従いガイダンス音声(報知音声)を再生して出力するよう各部を動作させ(ステップS105)、ステップS108へ移行する。
具体的には、CPU11は、テーブル30にて「音声コーデックIC」よりも上位に登録されている「画像読取部/画像書込部/画像処理部」および「メモリ制御部」が動作していないことにより、次に優先順位の高い「音声コーデックIC」による音声再生を動作させ、ワークメモリ12に格納されている、今回検出された異常に対応する音声データを所定のサンプリング周期で音声コーデックIC22に伝送する。音声コーデックIC22は、バス25を介してデジタルI/F23から入力された音声データ(デジタル音声信号)をDA変換しアナログ音声信号としてスピーカ24へ出力する。これにより、スピーカ24からは今回検出された異常に対応するガイダンス音声の再生音が出力される。
一方、装置の動作中でバス25に接続されたデバイスが動作している場合は(ステップS103;Yes)、CPU11は、デバイスの動作期間(バス25の使用期間)が音声データのサンプリング周期以上であるか否かを判断する(ステップS106)。
装置の動作中ではあるがデバイスの動作期間が音声データのサンプリング周期より短い場合は(ステップS106;No)、バス25がビジー状態でないと判断し(ステップS104)、ガイダンス音声の再生動作を行って(ステップS105)、ステップS108へ移行する。詳細には、各デバイスがコマンド制御で動作していることにより動作可能なCPU11は、ワークメモリ12に格納されている音声データを所定のサンプリング周期で音声コーデックIC22に伝送し、音声コーデックIC22に音声再生を行わせる。
また、印刷動作に関わるタスクの動作中などでバス25を経由して大量のデータが伝送されているなどのために、デバイスの動作期間が音声データのサンプリング周期以上の場合は(ステップS106;Yes)、バス25がビジー状態であると判断し(ステップS107)、ステップS108へ移行する。
ステップS108では、CPU11は検出部から送信される検出情報に基づいて異常動作が終了したか否かを判断する。異常動作が終了したと判断した場合は(ステップS108;Yes)、テーブル30に登録された各デバイスの優先順位を図2(A)に示す正常動作時の順位に戻し(ステップS109)、本処理を終了する(END)。異常動作が終了していないと判断した場合は(ステップS108;No)、一定期間が経過したか否かを判断する(ステップS110)。
一定期間が経過しない場合は(ステップS110;No)、ステップS103の処理へ戻る。一定期間が経過した場合は(ステップS110;Yes)、テーブル30に登録された各デバイスの優先順位を図2(A)に示す正常動作時の順位に戻し(ステップS109)、本処理を終了する(END)。
なお、バス25がビジー状態であるために音声再生が行われない場合でも、一定期間内にバス25のビジー状態が終了すれば音声再生が行われる。また、ステップS105を経由し音声再生を行っている場合は、CPU11は音声コーデックIC22への音声データの伝送を止めてガイダンス音声の再生を停止し、本処理を終了する。また、ステップS110を経由して本処理を終了した場合(一定期間内に異常が復旧されなかった場合)でも、その後、異常が復旧されて異常動作が終了すると、CPU11はテーブル30における各デバイスの優先順位を正常動作時の順位に戻す(図2(A)参照)。
以上の処理によって、画像形成装置10に異常動作が発生すると、あるいは、異常動作の発生が予測されると、印刷動作に必要なタスクなどが実行されておらずバス25がビジー状態でなければ直ちにガイダンス音声が出力されるようになり、ユーザはガイダンス音声を聴いて異常動作の発生と異常内容の詳細をいち早く把握できるようになる。
また、異常動作の発生時または発生予測時にバス25がビジー状態であっても、一定期間内にバス25のビジー状態が終了するとガイダンス音声が出力されるため、ユーザはガイダンス音声を聴いて異常動作の発生と異常内容の詳細を把握できるようになる。
以下、バス25のビジー状態を判断するために行うデバイスの動作期間の求め方について説明する。
図5は、デバイスの動作期間を求めるために使用されるテーブルの一例を示している。図5に示すように、テーブル40にはバス25に接続されたデバイス毎にそのデバイスが動作時にバス25を占有する動作期間の長さと、そのデバイスが動作中か否かを示す動作カウンタとが登録される。
たとえば、バス25に接続されたデバイスとして、デバイスA、デバイスB、デバイスC、・・・が登録されており、動作期間については、デバイスAが100μs、デバイスBが200μs、デバイスCが80μs、・・・などのように登録される。これらの動作期間は予め計算あるいは実測により求めたものである。
各ジョブの実行時にどのデバイスを使用するかはジョブの種類やジョブの動作条件などに応じて予め定まっている。CPU11は、あるジョブの実行を開始するとき、そのジョブで使用するデバイスの動作カウンタを+1し、ジョブ実行の終了時あるいは中断時にはそのジョブで使用していたデバイスの動作カウンタを−1する。
上記の処理を行うことで、現在どのデバイスが動作中か否かが動作カウンタにより示されることになる。なお、2つのジョブが同時実行されている場合(たとえば、コピー動作中にFAX受信する場合など)には、それらのジョブで重複して使用されるデバイスの動作カウンタの値は2になる。
CPU11は、バス25がビジー状態であるか否かの判断を行う際に、テーブル40を参照し、動作カウンタの値が1以上のデバイスの動作期間の合計を求める。この合計はその時点でCPU11以外のデバイスによってバス25が連続して占有され得る期間(バス25の使用期間)の長さを示している。たとえば、デバイスAとデバイスBの動作カウンタの値が1以上の場合は、100μs+200μs=300μsがバス25の使用期間となる。
CPU11は、求めた使用期間が音声データのサンプリング周期以上の場合はバス25がビジー状態であると判断する。たとえば、サンプリング周波数が8kHz(サンプリング周期が125μs)の音声データを再生しようとしているとき、テーブル40を参照してその時点での使用期間を求め、その使用期間が125μs以上の場合はバス25がビジー状態であると判断し、125μsより短い場合はバス25がビジー状態でないと判断する。使用期間は、上記のようにビジー状態か否かの判断毎に求めてもよいが、動作カウンタの値を変更したときに使用期間を算出して記憶しておき、これをビジー状態の判断時に参照するように構成されてもよい。
なお、バス25がビジー状態になる例としては、FAXやスキャンtoE-Mail、IP(Internet Protocol)プリントなど画像データを伝送するときに発生しやすくなる。
次に、上記の報知動作における異常動作の発生を事前に予測する動作(図4のステップS101)の詳細について、用紙切れの場合を例に説明する。
図6は、異常動作(用紙切れ)の発生を事前に予測する動作の流れを示している。本処理が開始されると(START)、CPU11は新規ジョブの予約があるか否かを判断する(ステップS111)。新規ジョブの予約がない場合は(ステップS111;No)、そのまま新規ジョブの予約があるか否かの監視を継続する。
新規ジョブの予約があった場合は(ステップS111;Yes)、CPU11は、本ジョブの印刷枚数と、用紙の残枚数を検出するために給紙トレイに設けられた用紙残枚数検出部から送信される検出情報に基づいて、給紙トレイに収納されている用紙の残枚数を確認する(ステップS112)。
この確認後に、CPU11は本ジョブの印刷枚数よりも用紙の残枚数が少ないか否かを判断する(ステップS113)。印刷枚数よりも用紙の残枚数が少ない場合は(ステップS113;Yes)、本ジョブの実行に伴い用紙切れによる異常動作が発生すると予測し(ステップS114)、本処理を終了する(END)。用紙の残枚数が印刷枚数以上の場合は(ステップS113;No)、本ジョブを処理しても用紙切れによる異常動作が発生しないと予測し(ステップS115)、本処理を終了する(END)。
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置10では、音声再生機能を動作させる優先順位を当該装置の正常動作時よりも異常動作時に高く変更するように制御したので、正常動作時には音声再生による装置のパフォーマンス低下を防止しつつ、異常動作時には音声再生による異常の報知を正常動作時より優先して行うことができる。
詳細には、正常動作時には優先順位が最下位に設定された音声再生の動作によって他の機能が影響を受けなくなり、印刷機能を含む装置全体のパフォーマンスを落とすことなく音声再生を行うことができる。また、異常動作時には音声再生機能の優先順位を、画像の読み取り動作、画像の書き込み動作、および画像を加工する処理動作といった印刷動作に必要なタスクの次の順位に設定していることで、異常動作時に印刷動作に必要なタスクが動作中であれば音声再生は行われず、そのタスクは音声再生によって影響を受けることなく実行されるようになる。また、異常動作時に印刷動作に必要なタスクが動作していなければ、他の機能より音声再生機能が優先されて音声再生が行われるようになる。これにより、異常動作時に生産性を落とすことなく、音声再生による異常の報知を高い優先で行うことができる。
さらに、異常動作時には、音声再生より優先順位の高い印刷動作に必要なタスクが動作してバス25がビジー状態である場合には音声再生を行わず、バス25のビジー状態が終了すると音声再生を行うことで、音声再生時にはバス25を通じて音声データをサンプリング周期毎に伝送することができ、音声が途切れるような音声再生を防止することができる。また、上記タスクの動作途中でもバス25のビジー状態が終了すると音声再生が行われるため、音切れすることのない音声再生をいち早く行うことができる。これにより、ユーザはガイダンス音声を聴いて装置の具体的な異常内容を音切れなどによって誤認することなく正確に把握し、症状に応じた適切な対応を迅速に行えるようになる。
また、画像形成装置10の異常動作については、装置の故障、用紙詰まりなどの動作エラー、給紙トレイ内の用紙や画像書込部17に装填されたトナーなどの消耗品切れ、排紙トレイやフィニッシャなどに印刷済みの用紙が満杯になった状態などを含んでいる。これらが少なくとも1つ発生すると、異常動作が発生したとされ音声再生による報知が行われるため、ユーザはそれらの異常動作に迅速に対応できるようになる。これにより、装置の異常停止に伴う画像形成の生産性低下が抑えられる。
また、画像形成装置10に異常動作が発生すると予測された場合にも音声再生機能の優先順位を異常発生時と同じ優先順位に変更して音声再生による報知が行われるため、現時点では装置が正常に動作していても近々異常が発生することを優先度を高めて報知することができる。これにより、実際に異常動作が発生する前にユーザがいち早く対応できるようになり、異常動作の対応に要する装置の動作停止時間を短縮することができて生産性の低下を更に抑制できる。
また、装置が異常動作を起こすとリセット操作などがされない限り音声による報知が一定期間行われるため、ユーザが装置のそばに居なくても聴覚を通して異常動作の発生をより確実に知らせることができる。また、ユーザが装置周辺に居ないなどで異常の対応が行われないような場合でも、一定期間を過ぎると音による報知が停止するため、無駄な報知動作を防止できる。さらに、この音による報知を行う一定期間は操作部19により設定変更できるため、ユーザは画像形成装置10の使用形態などに応じて報知を行う期間を任意に設定変更できるようになる。
たとえば、POD(Print On Demand)市場向けに開発された複写機は印刷工場などで使用されることが多く、ユーザが複写機のそばで印刷動作を常時監視できない状況が多い。そのため、用紙詰まり、給紙トレイの用紙切れ、フィニッシャなどに用紙が満杯になってしまうような異常動作が発生したときには、聴覚的にユーザに知らせる必要がある。ただし、これらの症状では異常動作が発生しても複写機の機能が継続動作している場合が多く、この複写機の動作中には音声データを音声コーデックICに伝送してガイダンス音声を再生しようとしても音声が途切れる可能性がある。
これに対し、本実施形態に係る画像形成装置10では、ガイダンス音声が途切れるような音声再生を防止しつつ、正常動作時には装置のパフォーマンスを落とさずに音声再生を行い、異常動作時には生産性を落とさずに音声再生を行ってユーザに音声で迅速に報知することができるため、POD市場向けに開発された複写機などに適用する場合に特に好適である。
また、バス25がビジー状態であるか否かについては、バス25に接続された他のデバイスによるバス25の使用期間と、バス25を経由して音声コーデックIC22に伝送する音声データのサンプリング周期との関係によって判断している。
すなわち、バス25に接続された他のデバイスによるバス25の使用期間がバス25を経由して音声コーデックIC22に伝送する音声データのサンプリング周期以上である場合には、バス25がビジー状態であると判断し音声再生は行わないようにしている。また、バス25に接続された他のデバイスによるバス25の使用期間が音声データのサンプリング周期より短い場合には、バス25がビジー状態ではないと判断し、バス25を経由して行う音声再生を行うようにしている。これにより、装置の異常発生から動作停止までの間にバス25に接続された他のデバイスによってバス25が使用されるような場合などでも、音声データのサンプリング周期内でバス25に開放期間が確保されれば、ガイダンス音声を音切れせずに再生することができる。
また、音声コーデックIC22を用いることで、バス25を介して伝送される音声データを用いた音声再生を簡単な構成で実現できる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
たとえば、バス25がビジー状態であるか否かを判断する方法は実施の形態で例示したものに限定されない。実施の形態で例示したテーブル40ではデバイス毎に動作期間を登録しまた動作カウンタを設けるようにしたが、これらをデバイス別かつ動作条件別に設けるように構成されてもよい。たとえば、A4原稿の画像データを処理する場合とA3原稿の画像データを処理する場合とではデバイスによるバス25の占有期間の長さが相違する。そこで、原稿サイズを動作条件とし、同一のデバイスに対して原稿サイズ別に動作期間と動作カウンタとを設けておき、ジョブ実行時や終了時・中断時にその原稿サイズに対応する動作カウンタを加減算するようにすれば、より正確なバス25の使用期間を求めることができる。
また、実施の形態ではジョブの実行時や終了時・中断時に動作カウンタの値を加減算するようにしたが、あるデバイスをCPU11が起動する際にそのデバイスに対応する動作カウンタの値を+1し、デバイスから動作終了の割り込みが入ったときそのデバイスに対応する動作カウンタの値を−1するようにしてもよい。この方法では実際のデバイスの動作状態がテーブル40に反映されるようになり、バス25がビジー状態であるか否かの判断がより正確なものになる。このほか、CPU11以外のデバイスがバス25を使用している期間をバス25の調停信号などを監視して計測する外部回路を設け、この外部回路の計測結果からバス25がビジー状態であるか否かを判断するように構成されてもよい。
また、音声再生機能を動作させる優先順位は実施の形態で例示したものに限定されない。たとえば、実施の形態で説明したテーブル30の場合では、音声再生機能の優先順位を装置の正常動作時にはUSB制御部やLAN制御部の上位に設定するようにしてもよく、また異常動作時にはHDDの下位に設定するなどとしてもよい。要するに、音声再生機能の優先順位を画像形成機能に係るタスクよりも低い範囲でかつ正常動作時よりも異常動作時に高くするように変更制御すればよい。
また、音声データはCPU11に接続されたワークメモリ12に格納しているが、バス25に直接接続された他のメモリや音声データ用に設けたメモリなどに格納するようにしてもよい。
また、異常動作の予測については、用紙切れの場合(ジョブの印刷枚数>用紙の残枚数)で説明したが、この異常動作の予測はトナー切れなどに対しても可能であり、たとえば、トナー消費量とトナー残量の関係(ジョブによるトナー消費量>トナー残量)から予測することができる。
なお、図2に示す各部の優先順位に基づく実行制御は、たとえば、各部に対してその動作を管理するタスク(プログラム)を個別に設け、タスク毎に優先順位を設定し、オペレーティング・システムが実行可能状態にあるタスクをそのタスクの優先順位に従って切り替えることで実現される。この場合、図4のステップS102、S109に示す優先順位の変更処理は、音声再生機能に係るタスクの優先順位を変更することによって行われる。