JP2008302324A - 透過膜の阻止率向上方法、阻止率向上透過膜、透過膜処理方法および装置 - Google Patents

透過膜の阻止率向上方法、阻止率向上透過膜、透過膜処理方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 透過膜のフラックスを高くした状態で阻止率を向上させ、これらの向上効果を高い状態で維持することができ、これにより有機物除去効果が高く、長期間にわたって安定処理が可能な透過膜の阻止率向上方法、透過膜、透過膜処理方法、および透過膜装置を得る。
【解決手段】 過酸化水素水14を透過膜モジュール1の1次側3へ供給し、透過膜2を酸化処理した後、阻止率向上剤A15を供給し、必要によりさらに阻止率向上剤B16を供給して透過膜に付着させ、阻止率向上処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、逆浸透膜、ナノ濾過膜等の透過膜のフラックスを高くした状態で阻止率を向上させ、これらの向上効果を高い状態で維持できる透過膜の阻止率向上方法、これにより得られる阻止率を向上させた透過膜、およびこれを用いる透過膜処理方法、ならびにこれらに適した透過膜装置に関するものである。
水処理に用いられる透過膜、特にナノろ過膜、逆浸透膜(RO膜)などの選択性透過膜の無機電解質や水溶性有機物等の分離対象物に対する阻止率およびフラックス(透過流束)等の透過特性は、水中に存在する酸化性物質や還元性物質などの影響、その他の原因による素材高分子の劣化によって低下し、必要とされる処理水質や処理水量が得られなくなる。この変化は、長期間使用しているうちに少しずつ起こることもあり、また事故によって突発的に起こることもある。このような阻止率が低下した透過膜の阻止率を、阻止率向上剤により向上させ、性能を回復する方法が提案されている。
一般に高純度の純水を製造するための超純水製造システムには、逆浸透膜処理装置と、この逆浸透膜処理装置の透過水を高度処理する電気再生式脱イオン装置または他のイオン交換装置とが組み込まれている。一方、近年の半導体回路形成技術の進歩により、線幅65nm以下の回路を作成することが可能となってきている。それに伴い超純水に対する要求水質も高まっており、後段処理の負荷を軽減し、より高いレベルでの純水製造を実現する純水製造装置および純水製造方法の開発が望まれている。有機物成分に対してはデバイスヘの影響が特に懸念されており、これを極力排除した水が要求されている。また電子デバイス製造工場等から排出される有機物含有水を逆浸透膜装置を用いて処理、回収する際、有機物汚染物質によるフラックス低下が問題となる。工業用水や水道水を水源とする場合でも有機物汚染が問題となる場合がある。
上記のような超純水製造システムにおいても、逆浸透膜を阻止率向上剤で処理して、阻止率を向上させることが提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1は未公開であるが、重量平均分子量2000〜6000のポリアルキレングルコール、またはそれにアニオン性の官能基を導入したイオン性高分子を含有する阻止率向上剤で逆浸透膜を処理することが示されている。
特許文献2には、水軟化用膜の製造法において、ポリアミド膜の阻止率を向上させるための阻止率向上剤として、加水分解性タンニン酸、スチレン/マレアミド酸コポリマー、C乃至Cヒドロキシアルキルメタクリレートポリマー、コポリマーまたはターポリマー、複数個のスルホニウムもしくは第四アンモニウム基を有する第1のポリマーと、複数個のカルボキシレート基を有する第2のポリマーから製造したコアセルベート、任意の他の置換基をもつ枝分れしたポリアミドアミン類、酢酸ビニルコポリマー、ヒドロキシエチル・メタクリレートとメタクリル酸またはメタクリルアミド(任意に他の混和性モノマーを含む)とのコポリマー、スチレン/マレアミド酸コポリマーなどが示されている。
また特許文献3には、水処理に用いられる透過膜の阻止率を向上させるための阻止率向上剤として、重量平均分子量10万以上のイオン性高分子を含有する阻止率向上剤が示されている。このようなイオン性高分子としては、ポリビニルアミジンまたはその誘導体、複素環を有するカチオン性高分子等のカチオン性高分子、ならびにポリアクリル酸またはその誘導体、ポリスチレンスルホン酸またはその誘導体等のアニオン性高分子が示されている。
従来の透過膜の阻止率向上処理は、透過膜を取り付ける前の状態で、あるいは透過膜をモジュールに取り付けた状態で、上記の阻止率向上剤を供給して透過膜と接触させることにより、透過膜の表面または内部の構造材料に、阻止率向上剤の全体または一部分を付着、反応等により結合させて修飾処理を行い、透過膜の阻止率を向上させている。
特許文献4には、ポリアミド系逆浸透膜に、過酸化水素水溶液を接触させて酸化処理することにより、脱塩率を高く保ちながらフラックスを向上させる方法が記載されている。また特許文献5には、ポリアミド系逆浸透膜に、次亜塩素酸ナトリウム接触させて酸化処理することにより、高塩阻止率でかつ高透過性の複合逆浸透膜を製造する方法が記載されている。
特願2006−218471号明細書 特許2762358号公報 特開2006−110520号公報 特開2005−103342号公報 特開2000−334280号公報
前記特許文献1〜3に記載されているような阻止率向上剤を用いる従来の透過膜の阻止率向上処理では、阻止率向上剤の修飾処理を終了し、被処理水を通水して透過膜処理を行うと、阻止率向上処理終了時よりもフラックスが低下し、長期間にわたって透過膜処理を行うことができないという問題点があった。このような処理においては、阻止率向上処理に先立って、酸、アルカリ剤による洗浄処理が行われることが多いが、このような洗浄処理を行ってもフラックスの低下を防止できないという問題点があった。
また前記特許文献4〜5に記載されているような従来の酸化処理では、阻止率向上は期待できない上、改善されたフラックスが急速に低下し、長期間にわたって透過膜処理を行うことができないという問題点があった。酸化処理後のフラックスの低下を遅らせるために、酸化処理を施した膜をグリオキサール、エピクロルヒドリン等の架橋反応や重合反応を可能とする物質の溶液と反応させ、親水性を付与することも提案されているが、処理が複雑になる割にはフラックスの低下を防止する効果は少ないという問題点があった。
本発明の課題は、前記のような従来の問題点を解決するため、透過膜のフラックスを高くした状態で阻止率を向上させ、これらの向上効果を高い状態で維持することができ、これにより有機物除去効果が高く、長期間にわたって安定処理が可能な透過膜の阻止率向上方法、および阻止率を向上させた透過膜を用いる透過膜処理方法、ならびにこれらに適した透過膜装置を提供することである。
本発明は次の透過膜の阻止率向上方法、透過膜、透過膜処理方法および透過膜装置である。
(1) 透過膜に酸化剤を接触させて酸化処理を行った後、
透過膜に阻止率向上剤を接触させて透過膜の阻止率を向上させる阻止率向上剤処理を行う
ことを特徴とする透過膜の阻止率向上方法。
(2) 酸化剤が過酸化物および塩素剤から選ばれるものである上記(1)記載の方法。
(3) 阻止率向上剤が、ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物、ならびにカチオン性またはアニオン性高分子から選ばれる1種類以上のものである上記(1)または(2)記載の方法。
(4) 複数種類の阻止率向上剤を混合状態で、あるいは別々に接触させて透過膜の阻止率向上剤処理を行う上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法により得られる透過膜。
(6) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法により得られる透過膜に被処理液を透過させて透過膜処理を行う透過膜処理方法。
(7) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法により得られる透過膜と、透過膜に被処理液を透過させて透過膜処理を行う手段を有する透過膜処理装置。
(8) 1次側に被処理液を通液し、2次側から透過液を取り出す透過膜モジュールと、
モジュールの1次側に酸化剤を通液して、酸化処理を行う酸化処理装置と、
モジュールの1次側に、有機物を主成分とする阻止率向上剤を通液して、阻止率向上処理を行う阻止率向上処理装置と
を含む透過膜装置。
本発明において酸化処理および阻止率向上処理の対象となる透過膜は、1次側に被処理液を通液して透過させ、2次側から透過液を取り出し膜分離を行う透過膜であるが、特に逆浸透膜、ナノ濾過膜等の無機電解質や水溶性有機物等を水から分離する選択性透過膜が対象として適している。逆浸透膜(RO膜)は膜を介する溶液間の浸透圧差以上の圧力を高濃度側にかけて、溶質を阻止し、溶媒を透過する液体分離膜である。
透過膜、特にRO膜の膜構造としては、複合膜、相分離膜などの高分子膜などを挙げることができる。本発明に適用される透過膜、特にRO膜の素材としては、例えば、芳香族系ポリアミド、脂肪族系ポリアミド、これらの複合材などのポリアミド系素材などを挙げることができる。これらの中で、芳香族系ポリアミド透過膜、特にRO膜に本発明に係る阻止率向上処理を好適に適用することができる。このような阻止率向上処理の対象となる透過膜は、未使用の透過膜でも、使用により性能が低下した透過膜でもよい。
本発明における酸化処理および阻止率向上処理は、このような透過膜を、膜分離装置のモジュールに装備された状態で、またはモジュールに装備されない状態の透過膜に対して行われる。RO膜モジュールの形式については特に制限はなく、例えば、管状膜モジュール、平一面膜モジュール、スパイラル膜モジュール、中空糸膜モジュールなどを適用することができる。
酸化処理および阻止率向上処理は、未使用の透過膜の場合、あるいは使用により性能が低下した透過膜の場合とも、薬品洗浄を行った透過膜を阻止率向上処理の対象とすることができるが、使用により性能が低下した透過膜の場合は薬品洗浄を行ったものが好ましい。薬品洗浄の目的は膜表面の汚染物質を除去することにより、阻止率向上剤が膜自体に吸着しやすくすることである。洗浄薬品としては酸(塩酸、硝酸、シュウ酸、クエン酸など)、アルカリ(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウムなど)、還元剤などが用いられ、これら薬品の水溶液をモジュールに通液したり、透過膜を薬品に浸漬することにより洗浄を行う方法が一般的である。
本発明では阻止率向上剤処理を行う前に、透過膜に酸化剤を接触させて酸化処理を行う。酸化剤としては、過酸化水素、過炭酸、過酢酸、過炭酸塩等の過酸化物系酸化剤のほか、次亜塩素酸塩、塩素水等の塩素系酸化剤などが用いられるが、過酸化物系酸化剤による酸化処理が好ましい。酸化処理はこれら酸化剤の水溶液をモジュールに通液したり、透過膜を薬品に浸漬することにより行う方法が一般的である。
過酸化物系酸化剤による酸化処理の場合、特開2005−103342号公報に示された方法で行うことができ、例えばポリアミド系逆浸透膜に、0.2重量%以上の過酸化水素水溶液を1時間以上接触させて酸化処理することができ、この場合、過酸化水素水溶液の過酸化水素濃度(重量%)×接触時間(時間)の値が5〜60の範囲となる条件で酸化処理することができる。塩素系酸化剤による酸化処理の場合、特開2000−334280号公報、特公平5−1051号公報等に記載された方法で行うことができ、遊離塩素濃度5〜500mg/L、pH6〜13で処理することができる。
酸化処理後は従来の酸化処理で行っていたグリオキサール、エピクロルヒドリン等の架橋反応や重合反応を可能とする物質の溶液を、酸化処理を施した膜と反応させ、親水性を付与する工程は行う必要はなく、そのまま次の阻止率向上剤処理工程へ移行することができるが、純水、その他の洗浄液によるリンス工程を行うのが好ましい。
本発明の阻止率向上処理における阻止率向上剤は、有機物を主成分とする阻止率向上剤であり、阻止率向上処理により、透過膜による水溶性有機物や無機電解質等の溶解性物質の阻止率が向上するものであれば特に制限なく使用可能である。このような阻止率向上剤としては、水溶性の高分子化合物であって、イオン性または非イオン性高分子があげられる。イオン性高分子の場合、カチオン性高分子、アニオン性高分子、両性高分子等をそれぞれ単独で使用できるが、カチオン性高分子とアニオン性高分子を段階的に、好ましくは交互に供給すると、阻止率向上効果が高まるので好ましい。非イオン性高分子の場合、親水性または極性を有する非イオン性高分子が好ましい。これらの化合物を阻止率向上剤の主成分として用いることにより、RO膜の阻止率を向上し、電解質をはじめ、従来のRO膜では除去困難であった低分子量の非イオン性有機物や、ホウ素、シリカなども効果的に除去することができる。
前記の使用可能な阻止率向上剤としては、ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物、複数のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物を含有するものなどがあげられる。これらは公知のものが使用でき、前記特許文献1〜3に記載のもの、ならびに他の阻止率向上能を有するものなどが使用できる。使用可能な阻止率向上剤としては、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミンなどの水溶性高分子やタンニン酸などのポリフェノール、特許文献3に記載のイオン性高分子(ポリアミジン、ポリスチレンスルホン酸)、特許文献1に記載の重量平均分子量2000〜6000のポリエチレングリコール鎖を有する化合物などがあげられる。ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物としては、ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール誘導体をあげることができる。
好ましい阻止率向上剤としては、ポリアルキレングルコール鎖を有する化合物をあげることができる。ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは2,000〜6,000、より好ましくは3,000〜5,000である。
本発明において重量平均分子量は、高分子やポリアルキレングリコール鎖を有する化合物などの化合物の水溶液をゲル浸透クロマトグラフィーにより分析し、得られたクロマトグラムからポリエチレンオキシド標準品の分子量に換算することにより求めることができる。ポリエチレンオキシド標準品が入手し得ない高分子量の領域においては、光散乱法、超遠心法などにより重量平均分子量を求めることができる。
ポリアルキレングリコール鎖は、アルキレンオキシドの開環重合により製造することができる。本発明に用いる化合物が有するポリアルキレングリコール鎖としては、例えばポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、ポリトリメチレングリコール鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖などを挙げることができる。これらのグリコール鎖は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフランなどの開環重合により形成することができる。ポリアルキレングリコール鎖はポリエチレングリコール鎖であることが好ましい。このポリエチレングリコール鎖を有する化合物は、水溶性が大きいので阻止率向上剤として取り扱いやすい。
本発明においては、ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物として、ポリアルキレングリコール鎖にイオン性基が導入された化合物を用いるのが好ましい。イオン性基としては、例えば、スルホ基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH)、第四アンモニウム基(−N)などを挙げることができる。このうちスルホ基、カルボキシル基等を導入することによりアニオン性の水溶性の高分子化合物が得られ、アミノ基、第四アンモニウム基等を導入することによりカチオン性の水溶性の高分子化合物が得られる。
ポリアルキレングリコール鎖にスルホ基を導入する方法としては、例えば、ポリエチレングリコール水溶液にエポキシプロパノールと亜硫酸ナトリウムを添加し、70〜90℃、還流条件下で反応させることにより、式[1]または式[2]で示されるスルホン化ポリエチレングリコールを合成することができるが、式[3]または式[4]で示される化合物も使用可能である。
H(OCHCH)pO(CXH−CYHO)q−SONa・・・[1]
NaSO−(OCXH−CYH)q−(OCHCH)pO(CXH−CYHO)q−SONa・・・[2]
H(OCHCH)p−O−SONa・・・[3]
NaSO−(OCHCH)q−O−SONa・・・[4]
(式[1]〜式[4]において、X、Yはそれぞれ独立にHまたはCHOH、pはそれぞれ独立に50〜150、qはそれぞれ独立に1〜100である。)
本発明において用いることのできる他の阻止率向上剤としては、重量平均分子量が10万以上、特に30万以上、さらに100万以上の水溶性高分子であり、イオン性、非イオン性は問わないが、特にイオン性高分子であることが好ましい。イオン性高分子としては、カチオン性高分子とアニオン性高分子があげられる。
上記の阻止率向上剤に用いるカチオン性高分子としては、例えば、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、キトサン、ポリスチレンに第一アミン基を付加したものなどの第一アミン化合物、ポリエチレンイミンなどの第二アミン化合物、ポリ(アクリル酸ジメチルアミノエチル)、ポリ(メタクリル酸ジメチルアミノエチル)などの第三アミン化合物、ポリスチレンに第四アンモニウム基を付加したものなどの第四アンモニウム化合物、ポリビニルアミジン、ポリビニルピリジン、ポリピロール、ポリビニルジアゾールなどの複素環を有する化合物などを挙げることができる。また、これらの構造を有する共重合高分子や、複数種の高分子を混合した組成物も用いることができる。
これらの中で、複素環を有する化合物を好適に用いることができ、ポリビニルアミジンを特に好適に用いることができる。ポリビニルアミジンは、一般式[5]で表される構造単位を有するカチオン性高分子である。ただし、一般式[5]において、R1〜R4は、水素またはメチル基等のアルキル基である。
Figure 2008302324
一般式[5]で表される構造単位を有するカチオン性高分子は、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルと、N−ビニルカルボン酸アミド、N一イソプロペニルカルボン酸アミド、N−ビニルカルボン酸イミドまたはN−イソプロぺニルカルボン酸イミドとを共重合し、得られた共重合体高分子を加水分解し、アミジン化することにより製造することができる。このような方法により製造されたポリビニルアミジンは、一般式[5]で表される構造単位の他に、アクリロニトリルなどに由来するシアノ基、シアノ基の加水分解により生成するカルバモイル基、N−ビニルカルボン酸アミド単位などの加水分解により生成するアミノ基などを有する。市販製品として栗田工業(株)製カチオン系高分子凝集剤「クリフィックス(登録商標)CP111」をあげることができる。ポリビニルアミジンは、複素環の窒素原子と第一アミンの窒素原子がカチオン性を有するので、カチオン密度が高く、反応点が多いため、強固に安定化することが可能である。また、水中のカチオン種に対して高い阻止率向上効果が発現される。他の複素環を有する高分子の場合も、第一アミンなどのカチオン性の官能基を付与することによって、カチオン密度を高めることができる。
本発明に用いられるアニオン性高分子としては、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などのカルボキシル基を有する水溶性高分子、ポリスチレンスルホン酸、デキストラン硫酸、ポリビニルスルホン酸などのスルホン酸基を有する水溶性高分子などを挙げることができ、これらの構造を複数種有する共重合体も用いることができる。ポリスチレンスルホン酸のスルホン酸基は、アニオン性が強いために、透過膜の膜表面に安定に吸着して、フラックスを大きく低下させることなく、強固に安定化することができる。
本発明の阻止率向上剤として用いられるイオン性高分子は、カチオン性高分子およびアニオン性高分子のいずれの場合も、対イオンを有する塩としても用いることができる。対イオンを有する塩としては、例えばポリビニルアミジン塩酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩などを挙げることができる。
上記の阻止率向上剤は、処理対象となる透過膜の材質、形態等に応じて適したものが選ばれ、純水または被処理水等の溶媒に溶解して使用される。阻止率向上剤は上記の化合物、特にポリアルキレングリコール鎖を有する化合物、ならびにカチオン性またはアニオン性高分子から選ばれる1種類以上のものが用いられ、複数種類の阻止率向上剤を用いる場合は混合状態で、あるいは別々に透過膜と接触させて阻止率向上剤処理を行うことができる。阻止率向上剤の濃度はそれぞれの薬剤の種類、透過膜、モジュールの形式等により変わるが、一般的には0.01〜1000mg/L程度、好ましくは0.1〜100mg/Lの濃度に調製して阻止率を向上処理に供される。阻止率向上剤は、複数のものを組合わせて用いる場合、混合して通液してもよく、また別々に時間をずらせて通液することもできる。
阻止率向上による阻止率向上処理は、処理対象モジュールの透過膜に阻止率向上剤を供給して接触させ、透過膜の阻止率を向上させる。この場合、透過膜を取り付けたモジュールの1次側に阻止率向上剤を供給し、阻止率向上剤を透過膜に付着させ、透過膜の阻止率を向上させる。透過膜への吸着性の高い阻止率向上剤を用いる場合は、阻止率向上剤をモジュールに供給して透過膜と接触させた状態を保ち、あるいは低圧で流動させて吸着させることができるが、一般的には阻止率向上剤を高圧で供給して透過膜を透過させ、2次側から透過液を取り出すことにより、透過膜の内部まで阻止率向上剤を付着させるのが好ましい。
阻止率向上剤を含む水溶液を通水する1回当りの時間は、1〜24時間であることが好ましい。水溶液中の阻止率向上剤濃度を高くすると、通水時間を短縮することができるが、フラックスの低下が大きくなるおそれがある。この阻止率向上剤を含む水溶液の通水時は、モジュールの透通水排出弁を閉じておくことも可能であるが、透過水を取出しながら処理すると、装置を休止することなく効率的に処理することができるとともに、阻止率向上剤を効率よく、かつ均一に透過膜面に吸着させることができる。この場合、モジュールの一次側へ阻止率向上剤を含む水溶液を供給する際の操作圧力を0.3MPa以上とするとともに、透過水量/阻止率向上剤を含む水溶液の供給量の比が0.2以上とすることが好ましい。これにより効果的に阻止率向上剤が透過膜表面に接触するため、阻止率向上剤を効率よく、かつ均一に膜面に吸着させることができる。
本発明の阻止率向上方法では、特定の阻止率向上剤で阻止率向上処理を行った透過膜を、さらに他の阻止率向上剤を含む処理液と接触させて阻止率向上処理を行うことにより、阻止率向上効果を高めることができる。特に分子量の異なる阻止率向上剤で処理する場合、分子量の低いものから順次処理することができる。またイオン性の高分子で処理する場合、特定のイオン性の高分子を含む第1の阻止率向上剤で処理を行った透過膜に、異なるイオン性の高分子を含む第2の阻止率向上剤を交互に1回以上接触させて処理を行うことができる。前後の阻止率向上処理は引き続いて行うことができ、前の阻止率向上剤の通液停止後、そのまま、または前の阻止率向上剤を排出した後、後の阻止率向上剤を通液して処理を行うことができる。この場合、好ましくはモジュールの一次側に阻止率向上剤を含む処理液を通水することにより実施される。
上記の阻止率向上方法により得られる透過膜は、透過膜のフラックスを高くした状態で阻止率が向上しており、かつその高い状態を長く維持することができる。
本発明の透過膜は、上記の阻止率向上方法により得られる透過膜であり、透過膜のフラックスを高くした状態で阻止率が向上し、かつその高い状態が長く維持する。
本発明の透過膜処理方法は、上記の阻止率向上方法により得られる透過膜に被処理液を透過させて透過膜処理を行う透過膜処理方法であり、透過膜のフラックスを高くした状態で阻止率が向上し、かつその高い状態が長く維持することができ、これにより有機物除去効果が高く、長期間にわたって安定処理が可能である。被処理液の供給、透過の操作は通常の透過膜処理と同様に行うことができるが、カルシウムやマグネシウムなどの硬度成分を含有する被処理液を処理する場合は、原水に分散剤、スケール防止剤、その他の薬剤を添加してもよい。
本発明の透過膜処理装置は、上記の阻止率向上方法により得られる透過膜を用い、透過膜に被処理液を透過させて透過膜処理を行う透過膜処理装置であり、透過膜のフラックスを高くした状態で阻止率が向上し、かつその高い状態が長く維持することができ、これにより有機物除去効果が高く、長期間にわたって安定処理が可能である。
本発明の好ましい透過膜処理装置は、1次側に被処理液を通液し、2次側から透過液を取り出す透過膜モジュールと、モジュールの1次側に酸化剤を通液して、酸化処理を行う酸化処理装置と、モジュールの1次側に、有機物を主成分とする阻止率向上剤を通液して、阻止率向上処理を行う阻止率向上処理装置とを含む透過膜装置である。
上記の透過膜処理装置では、透過膜モジュールの1次側に被処理液を通液し、2次側から透過液を取り出して透過膜処理を行い、酸化処理装置によりモジュールの1次側に酸化剤を通液して酸化処理を行い、阻止率向上剤処理装置によりモジュールの1次側に有機物を主成分とする阻止率向上剤を通液して阻止率向上剤処理を行うことにより、透過膜のフラックスを高くした状態で透過膜の阻止率を向上させ、これらの向上効果を高い状態で維持することができる。
本発明は、電子デバイス製造分野、半導体製造分野、その他の各種産業分野で排出される高濃度ないし低濃度TOC含有排水の回収・再利用のための水処理、あるいは工業用水や市水からの超純水製造のための水処理に有効に適用される。本発明が対象とする被処理水は特に限定されるものではないが、有機物含有水に好適に用いることができ、例えばTOC=0.01〜100mg/L、好ましくは0.1〜30mg/L程度の有機物含有水の処理に好適に用いられる。このような有機物含有水としては電子デバイス製造工場排水、輸送機械製造工場排水、有機合成工場排水または印刷製版・塗装工場排水など、あるいはそれらの一次処理水を挙げることができる。
本発明によれば、透過膜に酸化剤を接触させて酸化処理を行った後、透過膜に阻止率向上剤を接触させて透過膜の阻止率を向上させる阻止率向上剤処理を行うことにより、透過膜のフラックスを高くした状態で阻止率を向上させ、これらの向上効果を高い状態で維持することができ、これにより有機物除去効果が高く、長期間にわたって安定処理が可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1および図2は本発明の実施形態による透過膜処理方法および装置を示すフロー図である。
図1および図2において、1はRO膜モジュールで、透過膜としてRO膜2により1次側3と2次側4に区画されている。11は被処理水タンク、12は処理水タンク、13は酸・アルカリ性洗浄液用タンク、14は過酸化水素水溶液用タンク、15は阻止率向上剤A水溶液用タンク、16は阻止率向上剤B水溶液用タンク、P1は被処理水通水用ポンプ、P2は薬液通水用ポンプ、P3は阻止率向上剤A水溶液通水用ポンプ、P4は阻止率向上剤B水溶液通水用ポンプである。V1〜V22はバルブである。なお、図1および図2では主要な配管およびバルブを示してあり、その他のバルブ、ゲージ、配管類は図示を省略してある。
図1および図2において、被処理水をRO処理する場合には、バルブV1、V2、V3、V4、V5、V22を開、その他のバルブを閉とし、ポンプP1を作動させて、被処理水タンク11内の被処理水をRO膜モジュール1の1次側3に供給してRO膜2によりRO膜分離し、透過水を2次側4から処理水として系外へ取り出す。濃縮水は1次側3から被処理水タンク11へ戻すとともに、一部の濃縮水をRO給水の濃縮を防止するために、バルブV3を介して系外へ排出する。またバルブV6、V17を開として、透過水の一部を処理水タンク12に貯留する。場合によっては、バルブV18、V19、V20、V21を開として、透過水を酸・アルカリ性洗浄液用タンク13、過酸化水素水溶液用タンク14、阻止率向上剤A水溶液用タンク15、阻止率向上剤B水溶液用タンク16に送給して、洗浄液や過酸化水素、阻止率向上剤水溶液の希釈、調整等に用いることができる。
RO処理を行うことにより、RO膜の性能(フラックスや阻止率)が低下した場合の薬品洗浄を行う場合には、ポンプP1を停止し、バルブV2、V4、V8、V13を開、その他のバルブを閉として、ポンプP2を作動させ、酸・アルカリ性洗浄液用タンク13内の洗浄液をRO膜モジュール1の1次側3に導入した後、再びタンク13内に戻すように循環させる。このときバルブV5を開として、洗浄液の一部を膜透過させて系外へ排出してもよい。或いはバルブV6、V18を開として、膜透過させた洗浄液をタンク13に戻しても良い。所定の時間、洗浄液を循環させた後に、場合によってはポンプP2を停止して一定時間薬液を静置保持してから、洗浄液を酸・アルカリ性洗浄液用タンク13に設けたドレイン管(図示せず)から系外へ排出する。アルカリ性洗浄液による洗浄と酸性洗浄液による洗浄はどちらを先に行っても良く、また交互に繰り返して2回以上行っても良く、RO膜の性能低下の状態や阻止率向上剤の種類等を考慮して決定する。酸・アルカリ性洗浄液用タンク13は、酸性洗浄液用タンクとアルカリ性洗浄液用タンクに分けても良い。
過酸化水素による酸化処理を行う場合は、バルブV2、V4、V9、V14を開、その他のバルブを閉としてポンプP2を作動させ、過酸化水素水溶液用タンク14内の過酸化水素水溶液をRO膜モジュール1の1次側3に導入した後、再びタンク14に戻すように循環させる。このときバルブV5を開として、過酸化水素水溶液の一部を膜透過させて系外へ排出しても良い。或いはバルブV6、V19を開として、膜透過させた過酸化水素水溶液をタンク14に戻しても良い。所定の時間、過酸化水素水溶液を循環させた後に、場合によってはポンプP2を停止して一定時間薬液を静置保持してから、過酸化水素水溶液をタンク14に設けたドレイン管(図示せず)から系外へ排出する。
RO膜モジュール1内の薬液をリンスする場合は、バルブV2、V3、V7を開、その他のバルブを閉として、処理水タンク12内の処理水でRO膜モジュール1の1次側3を洗浄し、バルブV3を介して系外へ排出する。この処理水によるリンスは、洗浄後、過酸化水素による酸化処理後、あるいは洗浄液の種類を変える際に行うことができる。
図1において、1種類の阻止率向上剤を含む水溶液により阻止率向上処理を行う場合には、阻止率向上剤A水溶液用タンク15のみに阻止率向上剤A水溶液を満たし、バルブV2、V4、V10、V15を開、その他のバルブを閉として、ポンプP2を作動させ、阻止率向上剤A水溶液用タンク15内の阻止率向上剤A水溶液をRO膜モジュール1の1次側3に導入した後、再びタンク15内に戻すように循環させる。このときバルブV5を開として、阻止率向上剤A水溶液の一部を膜透過させて系外へ排出しても良いが、バルブV6、V20を開として、膜透過させた阻止率向上剤A水溶液をタンク15内に戻すことが好ましい。所定の時間、阻止率向上剤A水溶液を循環させた後に、タンク15に設けたドレイン管(図示せず)より、系外へ排出する。
次いでバルブV2、V3、V6、V7、V20を開とし、その他のバルブを閉として、処理水タンク12内の処理水でRO膜モジュール1の1次側3を洗浄し、阻止率向上剤水溶液の一部をバルブV3を介して系外へ、残部をタンク15を経由して系外へ排出する。
図1において、異なる阻止率向上剤を用いて阻止率向上処理する場合には、例えば阻止率向上剤A水溶液用タンク15と阻止率向上剤B水溶液用タンク16とにそれぞれカチオン性高分子水溶液とアニオン性高分子水溶液を満たし、まずバルブV2、V4、V10、V15を開、その他のバルブを閉として、ポンプP2を作動させ、阻止率向上剤A水溶液用タンク15内のカチオン性高分子水溶液をRO膜モジュール1の1次側3に導入した後、再びタンク15内に戻すように循環させる。このとき、バルブV5を開として、カチオン性高分子水溶液の一部を膜透過させて系外へ排出しても良いが、バルブV6、V20を開として、膜透過させたカチオン性高分子水溶液をタンク15内に戻すことが好ましい。所定の時間、カチオン性高分子水溶液を循環させた後に、阻止率向上剤A水溶液用タンク15に設けたドレイン管(図示せず)より、系外へ排出する。
次いで、バルブV2、V4、V11、V16を開、その他のバルブを閉として、阻止率向上剤B水溶液用タンク16内のアニオン性高分子水溶液をRO膜モジュール1の1次側3に導入した後、再びタンク16内に戻すように循環させる。このときバルブV5を開として、アニオン性高分子水溶液の一部を膜透過させて系外へ排出しても良いが、バルブV6、V21を開として、膜透過させたアニオン性高分子水溶液をタンク16内に戻すことが好ましい。所定の時間、アニオン性高分子水溶液を循環させた後に、阻止率向上剤B水溶液用タンク16に設けたドレイン管(図示せず)より、アニオン性高分子水溶液を系外へ排出する。
次いで、バルブV2、V3、V6、V7を開、更にV20とV21の少なくともいずれか一方を開とし、その他のバルブを閉として、処理水タンク12内の処理水でRO膜モジュール1の1次側3をリンスし、阻止率向上剤水溶液の一部をバルブV3を介して系外へ、残部をタンク15または16のいずれかを経由して系外へ排出する。この処理水によるリンスは、阻止率向上剤A水溶液による阻止率向上処理と、阻止率向上剤B水溶液による阻止率向上処理との間にも行うことが好ましい。なお阻止率向上剤Aによる処理と、阻止率向上剤Bによる処理は交互に繰り返して2回以上行っても良い。
図2において、1種類の阻止率向上剤を含む水溶液により阻止率向上処理を行う場合には、阻止率向上剤A水溶液用タンク15のみに阻止率向上剤A水溶液を満たし、まずバルブV10を開として、ポンプP3を作動させ、阻止率向上剤A水溶液用タンク15内の阻止率向上剤A水溶液を被処理水タンク11に導入し、その後ポンプP1を作動させ、バルブV1、V2、V4、V22を開、その他のバルブを閉として、被処理水タンク11内の阻止率向上剤Aの含まれる被処理水をRO膜モジュール1の1次側3に導入した後、再びタンク11に戻すように循環させる。このときバルブV3およびV5を開として、阻止率向上剤Aの含まれる被処理水の一部を膜透過させて処理水を得るとともに、阻止率向上剤Aの含まれる被処理水の一部を系外へ排出させることが好ましい。このようにすることで、阻止率向上処理の時間を短縮することができる。所定の時間、阻止率向上剤Aの含まれる被処理水を循環させた後に、バルブV10を閉じるとともにポンプP3を停止し、阻止率向上剤A水溶液の導入を停止する。
次いで、バルブV2、V3、V7を開、その他のバルブを閉として、ポンプP1を停止するとともに、ポンプP2を稼動して処理水タンク12内の処理水でRO膜モジュール1の1次側3を洗浄するとともに、阻止率向上剤Aの含まれる被処理水をバルブV3を介して系外へ排出する。
図2において、異なる阻止率向上剤を用いて阻止率向上処理する場合には、例えば阻止率向上剤A水溶液用タンク15と阻止率向上剤B水溶液用タンク16とにそれぞれカチオン性高分子水溶液とアニオン性高分子水溶液で満たし、まずバルブV10を開として、ポンプP3を作動させ、阻止率向上剤A水溶液用タンク15内のカチオン性高分子水溶液を被処理水タンク11に導入し、その後ポンプP1を作動させ、バルブV1、V2、V4、V22を開、その他のバルブを閉として、被処理水タンク11内のカチオン性高分子が含まれる被処理水をRO膜モジュール1の1次側3に導入した後、再びタンク11に戻すように、循環させる。このとき、バルブV3およびV5を開として、カチオン性高分子が含まれる被処理水の一部を膜透過させて処理水を得るとともに、カチオン性高分子が含まれる被処理水の一部を系外へ排出させることが好ましい。このようにすることで、阻止率向上処理の時間を短縮することができる。所定の時間、カチオン性高分子が含まれる被処理水を循環させた後に、バルブV10を閉じるとともにポンプP3を停止し、カチオン性高分子水溶液の導入を停止する。
次いでバルブV11を開として、ポンプP4を作動させ、阻止率向上剤B水溶液用タンク16内のアニオン性高分子水溶液を被処理水タンク11に導入し、その後ポンプP1を作動させ、バルブV1、V2、V4、V22を開、その他のバルブを閉として、被処理水タンク11内のアニオン性高分子の含まれる被処理水をRO膜モジュール1の1次側3に導入した後、再びタンク11内に戻すように循環させる。このときバルブV3およびV5を開として、アニオン性高分子の含まれる被処理水の一部を膜透過させて処理水を得るとともに、アニオン性高分子の含まれる被処理水の一部を系外へ排出させることが好ましい。このようにすることで、RO処理装置の運転を停止する時間を短縮することができる。所定の時間、アニオン性高分子の含まれる被処理水を循環させた後にバルブ11を閉じるとともに、ポンプP4を停止し、アニオン性高分子水溶液の導入を停止する。
次いで、バルブV2、V3、V7を開、その他のバルブを閉として、ポンプP1を停止するとともに、ポンプP2を稼動して処理水タンク12内の処理水でRO膜モジュール1の1次側3をリンスするとともに、高分子水溶液をバルブV3を介して系外へ排出する。この処理水によるリンスは、カチオン性高分子水溶液による処理と、アニオン性高分子水溶液による処理との間にも行うことが好ましい。リンス工程は、阻止率向上剤水溶液の導入を停止した後、被処理水によるRO処理を所定時間(被処理水タンク11の滞留時間の3倍程度)実施することにより短縮し、あるいは省略することもできる。なおカチオン性高分子水溶液による阻止率向上処理と、アニオン性高分子水溶液による阻止率向上処理は交互に繰り返して2回以上行っても良い。
上記実施の形態は、本発明のRO膜処理方法の処理手順の一例を示すものであって、本発明は何ら本実施の形態に限定されるものではなく、図1、2の各処理タンクは共用したり、あるいは省略したりすることもできる。またRO膜処理工程、洗浄工程、過酸化水素処理工程、および阻止率向上処理工程は、それぞれ別の場所で行ってもよい。すなわちRO膜エレメントだけをベッセルから抜き取って、RO処理工程を行っている場所から別の場所(例えばRO膜再生工場など) に移動させ、移動先において別途用意したベッセルに収容して洗浄、過酸化水素処理、あるいは阻止率向上処理を実施してもよい。逆に表面改質処理を行った後に、ROエレメントを別の場所に移動させ、RO膜処理を行うこともできる。また図2の場合には、阻止率向上剤水溶液は、被処理水タンク11に供給されるが、被処理水タンク11とRO膜モジュール1とを連結する配管に、これら阻止率向上剤水溶液を直接ライン注入するようにしてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本実施例では阻止率は以下式によって算出した。
阻止率(%)=〔1−(透過液の溶質濃度×2)/(供給液の溶質濃度+濃縮液の溶質濃度)〕×100
[比較例1]:
RO装置に装填するRO膜を、日東電工(株)製ポリアミドRO膜NTR−759HRとした。TOC成分を3.5mg/L含む電子デバイス製造工場排水をpH6.0に調整し、上記RO装置を用いて、圧力1.2MPa、水温20℃の条件でRO処理を行った。フラックスは初期の0.95m/dから、100時間後は0.55m/dへと低下した。TOC阻止率は初期、100時間後とも99%以上であった。
[実施例1]:
RO装置に装填する膜を、表面改質処理した日東電工(株)製ポリアミドRO膜NTR−759HRとした。表面改質処理としては、1重量%の過酸化水素水溶液で20時間過酸化水素処理し、5mg/Lのカチオン性高分子(ポリビニルアミジン、分子量350万)で2時間阻止率向上処理し、さらに5mg/Lによるアニオン性高分子(ポリアクリル酸ナトリウム、分子量300万)で2時間阻止率向上処理した。
このRO装置を用いて、比較例1と同条件でRO処理を行った。その結果、TOC阻止率は初期、100時間後とも99%以上であった。フラックスは、初期フラックス0.88m/dに対し、100時間後のフラックスは0.80m/dであり、フラックスを高く維持することができた。
[比較例2−1]:
RO装置に装填する膜を、日東電工(株)製ポリアミドRO膜ES−20とした。TOC成分を1.0mg/L含む工水を、上記RO装置を用いて、圧力0.75MPa、水温20〜25℃、pHは6.5〜8.0の条件でRO処理を行った。その結果、初期フラックスは0.98m/dであったが、100時間後のフラックスは0.71m/dとなった。TOC阻止率は初期97.2%、100時間後は98.3%であった。
[比較例2−2]:
RO装置に装填する膜を、表面改質処理した日東電工(株)製ポリアミドRO膜ES−20とした。表面改質処理は、1重量%の過酸化水素水溶液で10時間過酸化水素処理した。このRO装置を用いて、比較例2−1と同条件でRO処理を行った。その結果、初期フラックスは1.14m/dであったが、100時間後のフラックスは0.98m/dとなった。フラックスは高く維持されたが、TOC阻止率は初期96.5%、100時間後は97.0%と低かった。
[実施例2−1]
RO装置に装填する膜を、表面改質処理した日東電工(株)製ポリアミドRO膜ES−20とした。表面改質処理としては、1重量%の過酸化水素水溶液で10時間過酸化水素処理し、1mg/Lのポリエチレングリコール(分子量3000)で2時間阻止率向上処理した。このRO装置を用いて、比較例2−1と同条件でRO処理を行った。その結果、初期フラックスは0.94m/dであったが、100時間後のフラックスは0.88m/dとなった。TOC阻止率は初期98.4%、100時間後は98.7%と高かった。
[比較例2−3]:
RO装置に装填する膜を、表面改質処理した日東電工(株)製ポリアミドRO膜ES−20とした。表面改質処理としては、1mg/Lのポリエチレングリコール(分子量3000)で2時間阻止率向上処理した。このRO装置を用いて、比較例2−1と同条件でRO処理を行った。その結果、初期フラックスは0.77m/dであったが、100時間後のフラックスは0.64m/dとなった。TOC阻止率は初期98.6%、100時間後は99.0%であった。
[実施例2−2]:
RO装置に装填する膜を、表面改質処理した日東電工(株)製ポリアミドRO膜ES−20とした。表面改質処理としては実施例2−1と同じ表面改質処理とした。
このRO装置を用い、被処理水に分散剤として3−アリロキシ−ヒドロキシプロパンスルホン酸とアクリル酸を10〜30:70〜90のモノマー比で共重合させた高分子を2mg/L添加した他は、比較例2−1と同条件でRO処理を行った。その結果、初期フラックスは0.94m/dであったが、100時間後のフラックスは0.91m/dとなった。その時のTOC阻止率は初期98.5%、100時間後は98.7%であった。
以上の実施例と比較例から明らかな通り、本発明における表面改質処理を施したRO膜を用い、必要に応じて分散剤を使用することにより、安定したフラックスを維持しながら、電解質、有機中低分子を高度に除去したRO処理水が得られることがわかる。
本発明は、逆浸透膜、ナノ濾過膜等の透過膜の阻止率を向上させる方法、阻止率を向上させた透過膜、これを用いる透過膜処理方法、およびこれらに適した透過膜装置に利用可能である。
本発明の一実施形態による透過膜処理方法および装置を示すフロー図である。 本発明の別の実施形態による透過膜処理方法および装置を示すフロー図である。
符号の説明
1 RO膜モジュール
2 RO膜
3 1次側
4 2次側
11 被処理水タンク
12 処理水タンク
13 酸・アルカリ性洗浄液用タンク
14 過酸化水素水溶液用タンク
15 阻止率向上剤A水溶液用タンク
16 阻止率向上剤B水溶液用タンク

Claims (8)

  1. 透過膜に酸化剤を接触させて酸化処理を行った後、
    透過膜に阻止率向上剤を接触させて透過膜の阻止率を向上させる阻止率向上剤処理を行う
    ことを特徴とする透過膜の阻止率向上方法。
  2. 酸化剤が過酸化物および塩素剤から選ばれるものである請求項1記載の方法。
  3. 阻止率向上剤が、ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物、ならびにカチオン性またはアニオン性高分子から選ばれる1種類以上のものである請求項1または2記載の方法。
  4. 複数種類の阻止率向上剤を混合状態で、あるいは別々に接触させて透過膜の阻止率向上剤処理を行う請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法により得られる透過膜。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法により得られる透過膜に被処理液を透過させて透過膜処理を行う透過膜処理方法。
  7. 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法により得られる透過膜と、透過膜に被処理液を透過させて透過膜処理を行う手段を有する透過膜処理装置。
  8. 1次側に被処理液を通液し、2次側から透過液を取り出す透過膜モジュールと、
    モジュールの1次側に酸化剤を通液して、酸化処理を行う酸化処理装置と、
    モジュールの1次側に、有機物を主成分とする阻止率向上剤を通液して、阻止率向上処理を行う阻止率向上処理装置と
    を含む透過膜装置。
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