JP2008301808A - 還元飲料用濃縮組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】カテキン類を高濃度に含有するにも関わらず、苦味や収斂味が低減され、適度な甘味と酸味が両立し、長期間の保存が可能であり、良好な色相を有し、濃縮形態であるため輸送性に優れた還元飲料用濃縮組成物の提供。
【解決手段】(A)非重合体カテキン類 0.5〜25.0質量%、
(B)炭水化物、及び
(C)ヒドロキシカルボン酸
を含有し、
下記(D)及び(E)の要件、並びに下記(F1)、(F2)及び(F3)から選ばれる1以上の要件を具備する還元飲料用濃縮組成物。
(D)没食子酸の含有量が0.6質量%未満である
(E)非重合体カテキン類中の非エピ体率が5〜25質量%である
(F1)Brixが20〜70であり、かつ非重合体カテキン類濃度が0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈したときのpHが2.5〜6.0である
(F2)固形分が70.0質量%以上であり、かつ非重合体カテキン類濃度が0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈したときのpHが2.5〜6.0である
(F3)非重合体カテキン類濃度が0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈したときの400nmにおける吸光度が0.5未満であり、かつpHが2.5〜6.0である。
【選択図】なし

Description

本発明は非重合体カテキン類を高濃度に含有する還元飲料用濃縮組成物に関する。
カテキン類の効果としてはコレステロール上昇抑制作用やアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている(特許文献1、2)。カテキン類のこのような生理効果を発現させるためには、成人一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要であることから、より簡便に大量のカテキン類を摂取するために、飲料にカテキン類を高濃度で配合する技術が望まれている。この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物(特許文献3〜5)などを利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法がある。
しかしながら、市販の緑茶抽出物の濃縮物をそのまま用いると、緑茶抽出物の濃縮物に含まれる成分の影響によって収斂味や苦味が強く、また喉越しが悪かった。カテキンによる生理効果を発現させる上で必要となる長期間の飲用への適性から、いずれの技術においても高濃度カテキン含有飲料特有のカテキン由来の苦味低減と適度な甘味や酸味を両立し、長期に保存安定可能な飲料が望まれていた。さらに、飲料形態にする前段階において、流通が容易である還元飲料用濃縮組成物も開発されていたが、苦味が低減されたものではなかった(特許文献6)。
特開昭60−156614号公報 特開平3−133928号公報 特開2002−142677号公報 特開平8−109178号公報 特開平8−298930号公報 米国特許第6413570号明細書
本発明の目的は、非重合体カテキン類を高濃度に含有するにも関わらず、苦味が低減され、適度な甘味と酸味が両立し、長期間の保存が可能であり、良好な色相を有し、濃縮形態であるため輸送性や携帯性に優れた還元飲料用濃縮組成物を提供することにある。
本発明者らは、高濃度の非重合体カテキン類を含有する濃縮物及び/又は精製物に甘味料として炭水化物を配合し、酸味料としてヒドロキシカルボン酸を配合して得られる還元飲料用濃縮組成物の中で特定の性状を具備するもののみが、飲料に還元した際に苦味が低減され、適度な甘味と酸味が両立することを見出した。
すなわち、本発明は、
(A)非重合体カテキン類 0.5〜25.0質量%、
(B)炭水化物、及び
(C)ヒドロキシカルボン酸
を含有し、下記(D)及び(E)の要件、並びに下記(F1)、(F2)及び(F3)から選ばれる1以上の要件を具備する還元飲料用濃縮組成物を提供するものである。
(D)没食子酸の含有量が0.6質量%未満である
(E)非重合体カテキン類中の非エピ体率が5〜25質量%である
(F1)Brixが20〜70であり、かつ非重合体カテキン類濃度が0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈したときのpHが2.5〜6.0である
(F2)固形分が70.0質量%以上であり、かつ非重合体カテキン類濃度が0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈したときのpHが2.5〜6.0である
(F3)非重合体カテキン類濃度が0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈したときの400nmにおける吸光度が0.5未満であり、かつpHが2.5〜6.0である。
本発明の還元飲料用濃縮組成物を用いれば、非重合体カテキン類を高濃度に含有するにもかかわらず、苦味が低減され、適度な甘味と酸味が両立した還元飲料を提供することができる。
また、本発明の還元飲料用濃縮組成物は、特定の性状を有するため飲料に還元した際に良好な色相を有し、長期に保存を行っても非重合体カテキン類の含有量の減少が少ないものである。
本発明における(A)非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を合わせての総称であり、非重合体カテキン類の濃度は上記8種の合計量に基づいて定義される。
本発明の還元飲料用濃縮組成物は、当該濃縮組成物の全質量に対して(A)非重合体カテキン類を0.5〜25.0質量%含有するが、好ましくは2.0〜25.0質量%、更に好ましくは3.0〜25.0質量%、特に好ましくは4.0〜18.0質量%含有する。非重合体カテキン類の含有量が0.5質量%以上である場合、還元飲料にする際に使用量を少なくできるため苦味及び収斂味の抑制が容易である。また、非重合体カテキン類含有量が25.0質量%以下であると保存中の非重合カテキン類の減少を抑制できる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物中の非重合体カテキン類には、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピカテキンからなるエピ体と、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、ガロカテキン及びカテキンからなる非エピ体がある。非エピ体は本来自然界には殆ど存在せず、エピ体の熱変性により生成する。さらに熱変性により非重合体カテキン類は重合体カテキン類に変化する。本発明の還元飲料用濃縮組成物に使用できる(A)非重合体カテキン類中の(E)非重合体カテキン類の非エピ体の割合([(E)/(A)]×100)は5〜25質量%であるが、8〜20質量%が好ましく、特に12〜17質量%であることが還元飲料の風味及び濃縮組成物の非重合体カテキン類の保存安定性が向上するため好ましい。
本発明の還元飲料用濃縮組成物中の非重合体カテキン類にはエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート体と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる非ガレート体がある。エステル型非重合体カテキン類であるガレート体は苦味が強いことから、本発明の還元飲料用濃縮組成物に使用できる(A)非重合体カテキン類中の(F)非重合体カテキン類のガレート体の割合([(F)/(A)]×100)は5〜55質量%が好ましい。かかるガレート体率の下限は8質量%、特に10質量%が好ましく、他方上限は54質量%、更に53質量%、更に50質量%、特に48質量%であることが苦味抑制の観点から好ましい。また、還元飲料用濃縮組成物を飲料に還元した際に、非重合体カテキン類のガレート体の濃度が30〜100mg/100mLの範囲内にあると、後味のキレがよくなるため好ましい。
本発明における高濃度の非重合体カテキン類を有する還元飲料用濃縮組成物は、例えば、茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物、好ましくは緑茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物を配合し非重合体カテキン類濃度を調整して得ることができる。具体的には、緑茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物の水溶液、あるいは当該緑茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物に緑茶抽出物を配合したものが挙げられるが、緑茶抽出物の精製物が特に好ましい。ここでいう緑茶抽出物の濃縮物とは、緑茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出した溶液から水分を一部除去して非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられる。
非重合体カテキン類を含有する緑茶抽出物の濃縮物としては市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などが挙げられる。非重合体カテキン類濃度が上記範囲にあれば、これらを精製したものを用いてもよい。
精製の方法としては、例えば緑茶抽出物又はその濃縮物を水又は水とエタノールなどの有機溶媒の混合物(以下、「有機溶媒水溶液」という)に懸濁して生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法が挙げられる。
本発明で使用する緑茶抽出物の精製物としては、上述の沈殿除去処理に加えて、又は、これに加えて、以下のいずれか1以上の方法により緑茶抽出物又はその濃縮物(以下、「緑茶抽出物等」という)を処理して得られるものが好ましい。
(i)緑茶抽出物等に、活性炭、酸性白土及び活性白土から選ばれる少なくとも1種を添加して処理する方法、
(ii)緑茶抽出物等をタンナーゼ処理する方法
(iii)緑茶抽出物等を合成吸着剤により処理する方法
緑茶抽出物の精製においては、緑茶抽出物等を水又は有機溶媒水溶液に懸濁させ、生じた沈殿を濾過する前に、活性炭、酸性白土及び活性白土から選ばれる少なくとも1種を添加して精製することが好ましく、活性炭と、酸性白土又は活性白土とを添加して処理することがより好ましい。緑茶抽出物等を、活性炭、酸性白土及び活性白土と接触させる順序は特に限定されず、例えば、
(1)緑茶抽出物等を水又は有機溶媒水溶液に分散又は溶解させた後、活性炭と、酸性白土又は活性白土に接触させる方法、
(2)水又は有機溶媒水溶液に活性炭と、酸性白土又は活性白土を分散させた後、緑茶抽出物等を接触させる方法、
(3)緑茶抽出物等を水又は有機溶媒水溶液に分散又は溶解させたものを酸性白土又は活性白土と接触させ、次いで活性炭と接触させるか、あるいは緑茶抽出物等を水又は有機溶媒水溶液に分散又は溶解させたものを活性炭と接触させ、次いで酸性白土又は活性白土と接触させる方法、
が挙げられ、中でも(1)及び(3)の方法が好ましい。なお、(1)〜(3)の方法における各工程間にはろ過工程を入れて、ろ別してから次の工程に移行してもよい。
緑茶抽出物等の精製に使用する有機溶媒としては、水溶性有機溶媒が好ましく、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類が挙げられ、特に飲食品への使用を考慮すると、エタノールが好ましい。水としては、イオン交換水、蒸留水、水道水、天然水等が挙げられ、特に味の点からイオン交換水が好ましい。
緑茶抽出物等と、水又は有機溶媒水溶液との割合は、水又は有機溶媒水溶液100質量部に対して、緑茶抽出物(乾燥質量換算)を10〜40質量部、特に10〜30質量部添加して処理するのが、緑茶抽出物を効率よく処理できるので好ましい。
接触処理には、10〜180分程度の熟成時間を設けることが好ましく、これらの処理は10〜60℃で行うことができ、更に10〜50℃、特に10〜40℃で行うのが好ましい。
有機溶媒水溶液中の有機溶媒と水との質量比は99/1〜10/90が好ましい。その質量比の上限は97/3、更に95/5、特に75/25が好ましく、他方下限は20/80、特に65/35が好ましい。これら質量比の好適な組み合わせは、非重合体カテキン類の濃度向上と緑茶由来の香料成分を除去する観点からは、99/1〜75/25(好ましくは70/30)が好ましく、緑茶由来の香料成分を残留させる観点からは、75/25〜10/90(好ましくは5/95)である。これにより、苦味及び収斂味を低減でき、更には甘味と酸味とのバランスに優れるとともに、清涼感を付与することができる。
有機溶媒がエタノールの場合、緑茶抽出物等をエタノールと水との混合溶液に分散する方法は特に制限されず、緑茶抽出物等を最終的に処理する際にエタノールと水との質量比が99/1〜10/90の範囲になっていればよい。例えば、緑茶抽出物等を水に溶解した後にエタノールを添加して、エタノールと水の質量比を99/1〜10/90の範囲にしてもよく、緑茶抽出物等をエタノールに懸濁させた後、徐々に水を添加して上記質量比に調整してもよい。
接触処理に用いる活性炭としては、例えば、ZN−50(北越炭素社製)、クラレコールGLC、クラレコールPK−D、クラレコールPW−D(クラレケミカル社製)、白鷲AW50、白鷲A、白鷲M、白鷲C(武田薬品工業社製)等の市販品を用いることができる。活性炭の細孔容積は0.01〜0.8mL/g、特に0.1〜0.8mL/gが好ましい。また、比表面積は800〜1600m2/g、特に900〜1500m2/gの範囲のものが好ましい。なお、これらの物性値は窒素吸着法に基づく値である。
活性炭は、水又は有機溶媒水溶液100質量部に対して0.5〜8質量部、特に0.5〜3質量部添加するのが、緑茶抽出物の精製効率、ろ過工程におけるケーク抵抗が小さい点で好ましい。
接触処理に用いる酸性白土及び活性白土は、ともに一般的な化学成分として、SiO2、Al23、Fe23、CaO、MgO等を含有するものであるが、SiO2/Al23比が3〜12、特に4〜9であるものが好ましい。また、Fe23を2〜5質量%、CaOを0〜1.5質量%、MgOを1〜7質量%含有する組成のものが好ましい。
酸性白土又は活性白土の比表面積は、50〜350m2/gであるのが好ましく、pH(5質量%サスペンジョン)は2.5〜8、特に3.6〜7のものが好ましい。例えば、酸性白土としては、ミズカエース#600(水澤化学社製)等の市販品を用いることができる。
また、活性炭と、酸性白土及び活性白土との割合は、質量比で活性炭1に対して1〜10が好ましく、活性炭:酸性白土及び活性白土=1:1〜1:6であるのが好ましい。
酸性白土及び活性白土は、水又は有機溶媒水溶液100質量部に対して、2.5〜25質量部、特に2.5〜15質量部添加するのが好ましい。酸性白土等の添加量が2.5質量部以上であると、緑茶抽出物の精製効率が良好であり、また25質量部以下であると、ろ過工程におけるケーク抵抗などの製造上の問題がない。
水又は有機溶媒水溶液から活性炭等を分離するときの温度は、−15〜78℃、更に−5〜40℃であるのが好ましい。この温度の範囲内であると、分離性が良好である。分離方法は公知の技術が応用でき、例えば、いわゆるフィルター分離や遠心分離等の手法のほか、活性炭等の粒状物質が詰まったカラムを通すことで分離してもよい。
本発明においては、緑茶抽出物の精製物として、タンナーゼ処理によりガレート体率を低下させたものを使用することができる。タンナーゼによる処理は、非重合体カテキン類を含有する緑茶抽出液、及び緑茶抽出物の精製物のいずれの製造段階においても行うことができる。また、緑茶抽出液又は緑茶抽出物の精製物中の非重合体カテキン類に対して、タンナーゼを0.5〜10質量%の範囲になるように添加することが好ましい。タンナーゼ処理の温度は、酵素活性が得られる15〜40℃が好ましく、更に好ましくは20〜30℃である。タンナーゼ処理時のpH(25℃)は、酵素活性が得られる4〜6が好ましく、更に好ましくは4.5〜6であり、特に好ましくは5〜6である。
その後、できるだけ速やかに45〜95℃、好ましくは75〜95℃まで昇温し、タンナーゼを失活させることにより酵素反応を停止させる。当該タンナーゼの失活処理により、目的とするガレート体率の緑茶抽出液又は緑茶抽出物の精製物が得られる。
タンナーゼ処理においては、苦味低減及び外観の面から、得られる緑茶抽出液又は緑茶抽出物の精製物の非重合体カテキン類中のガレート体率が、好ましくは5〜55質量%、より好ましくは10〜50質量%の範囲になるように制御する。タンナーゼ処理によるガレート体率の制御は、処理時の緑茶抽出液又は緑茶抽出物の精製物のpH挙動によって反応の終点を決定することが好ましい。当該pH(25℃)は3〜6、特に3.5〜5.5が好ましい。これにより、所望のガレート体率を有する緑茶抽出液又は緑茶抽出物の精製物を得ることができる。
さらに、本発明においては、緑茶抽出物等を合成吸着剤で処理して精製することができる。合成吸着剤は、一般に不溶性の三次元架橋構造ポリマーでイオン交換基のような官能基を実質的に持たないものである。合成吸着剤としては、イオン交換能が1meq/g未満のものを用いることが好ましい。このような合成吸着剤として、例えば、アンバーライトXAD4、XAD16HP、XAD1180、XAD2000、(供給元:米国ローム&ハース社)、ダイヤイオンHP20、HP21(三菱化学社製)、セパビーズSP850、SP825、SP700、SP70(三菱化学社製)、VPOC1062(Bayer社製)等のスチレン系;セパビーズSP205、SP206、SP207(三菱化学社製)等の臭素原子を核置換して吸着力を強めた修飾スチレン系;ダイヤイオンHP1MG、HP2MG(三菱化学社製)等のメタクリル系;アンバーライトXAD761(ロームアンドハース社製)等のフェノール系;アンバーライトXAD7HP(ロームアンドハース社製)等のアクリル系;TOYOPEARL、HW-40C(東ソー社製)等のポリビニル系;SEPHADEX、LH−20(ファルマシア社製)等のデキストラン系等の市販品を使用することができる。
合成吸着剤としては、その母体がスチレン系、メタクリル系、アクリル系、ポリビニル系であるものが好ましく、特にスチレン系が非重合体カテキン類とカフェインの分離性の点から好ましい。
本発明において緑茶抽出物等を合成吸着剤に吸着させる手段としては、緑茶抽出物等に合成吸着剤を添加、撹拌し吸着後、ろ過操作により合成吸着剤を回収するバッチ方法又は合成吸着剤を充填したカラムを用いて連続処理により吸着処理を行なうカラム方法を採用できるが、生産性の点からカラムによる連続処理方法が好ましい。合成吸着剤の使用量は、使用する茶抽出物等の種類により適宜選択することが可能であるが、緑茶抽出物等の質量(乾燥質量)に対して概ね200質量%以下である。
合成吸着剤が充填されたカラムは、予めSV(空間速度)=0.5〜10[h-1]、合成吸着剤に対する通液倍数が2〜10[v/v]の通液条件で95質量%エタノール水溶液による洗浄を行い、合成吸着剤の原料モノマーやその他の不純物等を除去するのが好ましい。そして、その後SV=0.5〜10[h-1]、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜60[v/v]の通液条件により水洗を行い、エタノールを除去してカラム内の溶媒を水系に置換する方法により非重合体カテキン類の吸着能を向上させることができる。
緑茶抽出物等を、合成吸着剤を充填したカラムに通液する条件としては、SV(空間速度)=0.5〜10[h-1]の通液速度、合成吸着剤に対する通液倍数が0.5〜20[v/v]の条件が好ましい。10[h-1]以下の通液速度や20[v/v] 以下の通液量であると非重合体カテキン類の合成吸着剤への吸着が充分である。
次いで、緑茶抽出物等を通液後、非重合体カテキン類を有機溶媒水溶液で溶出させる。
有機溶媒水溶液としては、水溶性有機溶媒と水との混合系が用いられ、水溶性有機溶媒としては、飲食品への使用の観点から、エタノールが好ましい。水溶性有機溶媒と水の比率は99/1〜10/90であるが、好ましくは50/50〜5/95、更に好ましくは40/70〜10/90、特に20/80〜15/85が非重合体カテキン類の回収率の点から好ましい。
本発明の還元飲料用濃縮組成物における(A)非重合体カテキン類と(G)カフェインとの含有質量比[(G)/(A)]は0.0001〜0.16が好ましく、より好ましくは0.001〜0.15、更に好ましくは0.01〜0.14、特に好ましくは0.05〜0.13である。還元飲料用濃縮組成物を飲料に還元する際に、非重合体カテキン類に対するカフェインの比率が0.0001以上であると、風味バランスが保たれる。また非重合体カテキン類に対するカフェインの比率が0.16以下であると、生理効果の観点から好ましい。(G)カフェインは、原料として用いる緑茶抽出物、香料、果汁及び他の成分中に天然で存在するカフェインであっても、新たに加えられたカフェインであってもよい。
本発明の還元飲料用濃縮組成物は液体でも固体であってもよく、いずれの形態においても(B)炭水化物を含有する。(B)炭水化物は、当該濃縮組成物の全質量に対して1.0〜65.0質量%含有することが好ましい。かかる含有量の下限は10.0質量%、更に15.0質量%、更に20.0質量%、特に24.0質量%が好ましく、他方上限は60.0質量%、更に50.0質量%、特に40.0質量%が好ましい。炭水化物の濃度が上記範囲内である場合、還元飲料の苦味及び収斂味の抑制が良好となりうる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物中に炭水化物が一定程度以上存在すると酸味、塩味とのバランスが取り易いので、非重合体カテキン類濃度を0.13質量%となるようにイオン交換水で希釈して還元飲料とした場合にショ糖を1としたときの甘味度が2以上となることが好ましい(参考文献:JISZ8144、官能評価分析−用語、番号3011、甘味;JISZ9080、官能評価分析−方法、試験方法;飲料用語辞典4−2甘味度の分類、資料11(ビバレッジジャパン社);特性等級試験mAG試験、ISO 6564−1985(E)、「Sensory Analysis−Methodology−Flavour profile method」等)。一方、甘味度が8以下であると、甘味による喉にひっかかる感覚を抑制でき喉越しが優れるようになる。尚、これらの炭水化物は茶抽出物由来のものも含む。
本発明の還元飲料用濃縮組成物中の炭水化物は、単糖、複合多糖、オリゴ糖、糖アルコール又はそれらの混合物を含むものである。単糖の例としてはテトロース、ペントース、ヘキソース及びケトヘキソースがある。ヘキソースの例は、ブドウ糖として知られるグルコースのようなアルドヘキソースである。果糖として知られるフルクトースはケトヘキソースである。単糖類としては、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、アガペエキス、蜂蜜等の混合単糖も使用できる。複合多糖としての好ましい例はマルトデキストリンである。さらに、多価アルコール、例えばグリセロール類も本発明で用いることができる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物中の炭水化物は、非重合体カテキン類の保存安定性の向上や最適な甘味を得るために非還元性の糖類又は糖アルコールがより好ましく、またこれらを併用することもできる。非還元性の糖類としてはオリゴ糖があるが、例えば二糖類としてスクロース、マルトース、ラクトース、セルビオース、トレハロース、三糖類としてラフィノース、パノース、メレジトース、ゲンチアノース、四糖類としてスタキオ−ス等が挙げられる。このオリゴ糖の重要なタイプは二糖であり、代表例はサトウキビ、サトウダイコンから得られるショ糖又はテンサイ糖として知られるスクロースである。製品としては精製糖であるグラニュー糖、車糖、加工糖、液糖、シュガーケーンやメイプルシロップ等が使用できる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物中の炭水化物は、カロリーの観点から糖アルコールが更に好ましく、糖アルコールとしてはエリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、パラチノース、マンニトール、タガトース等などが好ましい。本発明の還元飲料用濃縮組成物ではこれら炭水化物の中でもカロリーが少ないエリスリトールが最適である。
本発明の還元飲料用濃縮組成物は、(C)ヒドロキシカルボン酸を含有するが、(C)ヒドロキシカルボン酸は当該濃縮組成物の全質量に対して0.01〜10.0質量%含有することが好ましい。その含有量の下限は0.1質量%、特に0.3質量%が好ましく、他方上限は9.0質量%、特に5.0質量%が好ましい。ヒドロキシカルボン酸としてはアスコビン酸、エリソルビン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸等が挙げられるが、pH調整や酸化防止効果からアスコルビン酸が好ましい。ヒドロキシカルボン酸の濃度が0.01質量%以上である場合、還元飲料の苦味が抑制できるとともに適度な酸味となり、非重合体カテキン類の保存安定性が良好になる。一方、ヒドロキシカルボン酸の濃度が10.0質量%以下であると良好な濃縮組成物の粘性や色相となり、還元飲料とした際に適度な酸味や苦味が得られる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物は、(D)没食子酸を当該濃縮組成物の全質量に対して0.6質量%未満含有するが、上限は0.5質量%、特に0.3質量%が好ましく、他方下限は0.01質量%、特に0.05質量%が好ましい。没食子酸の含有量が0.6質量%未満である場合、還元飲料を製造する際に好ましくない収斂味を抑制できる。没食子酸は発酵茶に特に多く含まれ、不発酵茶では少ない。そのため茶抽出物の濃縮物又は精製物の原料は不発酵茶が好ましい。
本発明の還元飲料用濃縮組成物は、飲用に好適な濃度である非重合体カテキン類濃度0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈した際の400nmにおける吸光度が0.5未満となるが、好ましくは0.4未満、特に好ましくは0.37未満であり、下限は0.01、特に0.001が好ましい。また、450nmにおける吸光度は0.15未満となるが、好ましくは0.12未満、特に好ましくは0.10未満であり、下限は0.01、特に0.001が好ましい。このような吸光度の場合には、適度な色相となり良好な外観を得ることができる。なお、450nmに比較して、400nmの方が保存安定性の状態を高感度で測定することができる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物は、飲用に好適な濃度である非重合体カテキン類濃度0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈した際のpH(25℃)が2.5〜6.0の範囲である。かかるpHは、風味、色相及び保存安定性の観点から、好ましくは2.8〜5.0、更に好ましくは3.0〜4.7、特に好ましくは3.8〜4.5である。すなわち、pHが2.5以上では適度な酸味が得られ、長期の保存において非重合体カテキン類の保持に有利である。又、pHが6.0以下であると、長期の保存において還元性を有する糖類と非重合体カテキン類の反応が起き難くなり、非重合カテキン類の保持に有利である。pHの調整は、アスコルビン酸、クエン酸等の有機酸や炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム又は炭酸カリウムで前記範囲に調整することができ、これにより長期の保存が可能で適度な酸味を有する還元飲料用濃縮組成物となる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物は液体又は粉末状の形態であり、茶抽出物、その濃縮物及びその精製物から選ばれる少なくとも1種、炭水化物、ヒドロキシカルボン酸等を原料とする飲料用濃縮物である(コーデックス食品添加物14.1.4.3参照)。これをイオン交換水、炭酸水又は他の飲料などを加える等の還元操作後、殺菌して製品にしたものが還元飲料である。還元時には、JAS果汁飲料品質表示基準(日本農林規格協会編、P79)に記載の濃縮果汁や還元果汁の基準とされる糖用屈折率計示度(Brix)を基準に希釈を行うことができる。また、本発明においては、還元飲料中の非重合体カテキン類の濃度が0.05〜0.5質量%となるように還元飲料用濃縮組成物を希釈するのが好ましく、かかる非重合体カテキン類濃度に調整するために緑茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物を更に配合することも可能である。
本発明の還元飲料用濃縮組成物が液体の場合にはBrixが20〜70であるが、非重合体カテキン類の酸化防止やハンドリングの観点から、好ましくは35〜60、特に好ましくは40〜50である。Brixが20以上では還元飲料の苦味、収斂味の抑制効果が良好であり、Brixが70以下であると濃縮組成物に含有する炭水化物やヒドロキシカルボン酸の結晶化を抑制できる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物が液体の場合は、例えばポーションタイプの希釈飲料としても使用することができる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物が固体、例えば粉末状の場合には、固形分が70.0質量%以上であるが、更に80質量%以上、特に90質量%以上であるのが吸湿防止やハンドリングの観点から好ましい。本発明の還元飲料用濃縮組成物を溶かして飲む際に、非重合体カテキン類を高濃度に溶解させるために平均粒径10μm以下のものが好ましい。粉末状の還元飲料用濃縮組成物を製造するには、真空濃縮法や凍結濃縮法などがある。粉末化の方法は乾式でも湿式でもよく、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥などがあり、品質的には凍結乾燥が好ましく、コスト面では噴霧乾燥が好ましい。乾燥温度は−50〜120℃を採用することができ、凍結乾燥の乾燥温度は−50〜50℃程度であり、噴霧乾燥の乾燥温度は50℃〜120℃程度である。また、本発明の粉末状還元飲料用濃縮組成物の形態は、容器詰の上でスプーンによる計量方法を用いても良いが、スティックタイプのものが1杯分を簡便に調整できる上で好ましい。また密封容器内は窒素ガスを充填し、材質は酸素透過性の低いものの方がインスタント粉末飲料の品質を維持する上で好ましい。
本発明の還元飲料用濃縮組成物は、(A)非重合カテキン類中の(E)非重合体カテキン類の非エピ体の割合が5〜25質量%の範囲であるため、飲用に好適な濃度である非重合カテキン類0.13質量%となるようイオン交換水で還元した際に、400nmにおける吸光度が0.5未満、又は450nmにおける吸光度が0.15未満の良好な色相となりやすい。
本発明の還元飲料用濃縮組成物やその還元飲料には、更に前記炭水化物以外の天然甘味料又は人工甘味料を配合することができ、還元飲料中に0.0001〜20質量%、更に0.001〜15質量%、特に0.001〜10質量%含有するのが好ましい。人工甘味料の例にはアスパルテーム、スクラロース、サッカリン、シクラメート、アセスルフェーム−K、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン低級アルキルエステル甘味料、L−アスパルチル−D−アラニンアミド、L−アスパルチル−D−セリンアミド、L−アスパルチル−ヒドロキシメチルアルカンアミド甘味料、L−アスパルチル−1−ヒドロキシエチルアルカンアミド甘味料などの高甘味度甘味料、ソーマチン、グリチルリチン、合成アルコキシ芳香族化合物等がある。さらにステビオシド及び他の天然源の甘味料も使用できる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物やその還元飲料には、前記ヒドロキシカルボン酸以外に、コハク酸、フマル酸、リン酸、及びそれらの塩から選ばれる1種以上を酸味料として使用することができる。適度な酸味を得るにはこれらの酸とそれらの塩類との併用が好ましい。フマル酸ナトリウム等が挙げられる。
その他の酸味料としては、アジピン酸、天然成分から抽出した果汁類が挙げられる。これらの酸味料は本発明の還元飲料用濃縮組成物を還元した飲料中に0.01〜0.5質量%、特に0.02〜0.3質量%含有するのが好ましい。また無機酸類、無機酸塩類も使用することができ、無機酸類、無機酸塩類としてはリン酸水素2アンモニウム、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、メタリン酸3ナトリウム、リン酸3カリウム等が挙げられる。これらの無機酸類、無機酸塩類は、還元飲料用濃縮組成物を還元した飲料中に0.01〜0.5質量%、特に0.02〜0.3質量%含有するのが好ましい。
本発明の還元飲料用濃縮組成物やその還元飲料には、嗜好性を高めるため香料(フレーバー)や果汁(フルーツジュース)を配合できる。具体的な例としては天然又は合成香料や果汁であり、これらはフルーツジュース、フルーツフレーバー、植物フレーバー又はそれらの混合物から選択できる。特に、フルーツジュースと一緒に茶フレーバー、好ましくは緑茶又は黒茶フレーバーの組合せが魅力的な味を有している。果汁はリンゴ、ナシ、レモン、ライム、マンダリン、グレープフルーツ、クランベリー、オレンジ、ストロベリー、ブドウ、キゥイ、パイナップル、パッションフルーツ、マンゴ、グァバ、ラズベリー及びチェリーを使用できる。好ましくは、シトラスジュース、グレープフルーツ、オレンジ、レモン、ライム、マンダリン、マンゴ、パッションフルーツ及びグァバのジュース、又はそれらの混合物が最も好ましい。果汁は還元飲料中に0.001〜20質量%、更に0.002〜10質量%含有するのが好ましい。好ましい天然フレーバーはジャスミン、カミツレ、バラ、ペパーミント、サンザシ、キク、ヒシ、サトウキビ、レイシ、タケノコ等である。特に好ましい香料はオレンジフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー及びグレープフルーツフレーバーを含めたシトラスフレーバーである。シトラスフレーバーに併せて、リンゴフレーバー、ブドウフレーバー、ラズベリーフレーバー、クランベリーフレーバー、チェリーフレーバー、パイナップルフレーバー等のような様々な他のフルーツフレーバーが使用できる。これらのフレーバーはフルーツジュース及び香油のような天然源から誘導しても、又は合成してもよい。香料には、様々なフレーバーのブレンド、例えばレモン及びライムフレーバー、シトラスフレーバーと選択されたスパイス(典型的コーラソフトドリンクフレーバー)等を含めることができる。このような香料は還元飲料に0.0001〜5質量%、好ましくは0.001〜3質量%を配合できる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物やその還元飲料には、ナトリウム及びカリウムを含有させることができる。ここで、ナトリウム及びカリウムの合計濃度は、還元飲料中に0.001〜0.5質量%が好ましい。
ナトリウムの具体例としては、アスコルビン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等及びそれらの混合物のような容易に入手しうるナトリウム塩を配合してもよいし、加えられた果汁又は茶の成分由来のものも含まれる。ナトリウム濃度が高くなるほど、飲料の変色する度合いが高くなる。又、生理効果及び安定性の観点から、ナトリウムの含有量は、好ましくは0.001〜0.5質量%、更に好ましくは0.002〜0.4質量%、特に好ましくは0.003〜0.2質量%である。
カリウムの具体例としては、塩化カリウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、酒石酸カリウム、ソルビン酸カリウム等又はそれらの混合物のようなカリウム塩を配合してもよいし、加えられた果汁又は茶の成分由来のものも含まれる。カリウム濃度は、ナトリウム濃度に比べて、長期間高温保存時での色調への影響が大きい。安定性の観点から、カリウム含有量は、好ましくは0.001〜0.2質量%、更に好ましくは0.002〜0.15質量%、特に好ましくは0.003〜0.12質量%である。
本発明の還元飲料用濃縮組成物やその還元飲料には、更にナトリウム及びカリウム以外のミネラルを含有させることができる。好ましいミネラルはカルシウム、クロム、銅、フッ素、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン及び亜鉛である。特に好ましいミネラルはマグネシウム、リン及び鉄である。これらのミネラルは、飲料1本当たり1日所要量(米国RDI基準:US2005/0003068記載:U.S.Reference Daily Intake)の少なくとも10質量%以上であることが好ましい。
本発明の還元飲料用濃縮組成物やその還元飲料には、更にビタミンを含有させることができ、好ましくは、ビタミンA、ビタミンB及びビタミンEが加えられる。またビタミンDのような他のビタミンを加えてもよい。ビタミンBとしてはイノシトール、チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、リボフラビン、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、ナイアシン、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、ピリドキシン塩酸塩、シアノコバラミン、葉酸、ビオチンから選ばれるビタミンB群が挙げられる。これらのビタミンは、飲料1本当たり1日所要量(米国RDI基準:US2005/0003068記載:U.S.Reference Daily Intake)の少なくとも10質量%以上であることが好ましい。
本発明の還元飲料用濃縮組成物やその還元飲料には、茶由来の成分にあわせて、酸化防止剤、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、野菜エキス類、花蜜エキス類、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
本発明の還元飲料用濃縮組成物は、一般の飲料用濃縮品と同様に包装材料に使用できるポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミ蒸着フィルム等を材質とするレトルトパックで提供されることが好ましく、更に金属缶、PETボトル、ガラス容器のような形態でも提供することができる。
本発明の還元飲料用濃縮組成物は製造後、輸送や保管した後イオン交換水や炭酸水などで希釈して還元飲料とするが、保存安定性に優れるため冷蔵のみならず室温付近(10〜50℃)でも保存が可能である。本発明の還元飲料用濃縮組成物は製造時にPPなどの容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。さらに、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻すなどの操作も可能である。殺菌条件の例としては、風味や保存安定性の観点からプレート式熱交換器などで60〜145℃が好ましい。
(非重合体カテキン類、カフェイン及び没食子酸の測定)
本発明の還元飲料用濃縮組成物3.0g又は1.7gをイオン交換水で100gに希釈した後、メンブランフィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。測定後、希釈率で換算して非重合体カテキン類、カフェイン及び没食子酸の濃度を求めた。
濃度勾配条件(体積%)
時間 移動相A 移動相B
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
62分 97% 3%
(液体還元飲料用濃縮組成物のBrixの測定)
液体還元飲料用濃縮組成物のBrixはデジタル屈折計(アタゴ社製)RX−5000αで測定した。
(固体還元飲料用濃縮組成物の固形分の測定)
固体還元飲料用濃縮組成物の固形分は、粉末をシャーレに入れ恒温乾燥機(東京理化製WFO−320)で105℃、4時間乾燥させてその減量を下記式にて求めた。
固形分(質量(%))=(乾燥後の質量/乾燥前の質量)×100
(吸光度の測定)
非重合体カテキン類を濃度0.13質量%となるようにイオン交換水で希釈し、島津製作所製UVmini 1240分光光度計により試料を10mm角型のプラスチックセルに入れて450nm又は400nmにおける吸光度を3回測定し平均値として求めた。
(保存試験(加速試験))
調製した濃縮組成物を37℃で4週間保存し、濃度0.13質量%となるようにイオン交換水で希釈して上記分光光度計により450nm又は400nmにおける吸光度、及び非重合体カテキン類濃度を測定した。
(風味の評価)
還元飲料をパネラー5名により飲用試験を行い、後述する基準飲料に対する相対的な評価として、苦味を6段階、収斂味を6段階、酸味を3段階、甘味を4段階で評価し、平均化した結果を用いた。
製造例1
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」の製造
市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)100gを90.0質量%エタノール900gに分散させ、30分熟成し、2号濾紙及び孔径0.2μmの濾紙で濾過し、イオン交換水200mLを加えて減圧濃縮を行った。このうち75.0gをステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を1,000gとし、5質量%重炭酸ナトリウム水溶液3.0gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水1.07g中にキッコーマンタンナーゼKTFH(Industrial Grade、500U/g以上)0.27g(非重合体カテキン類に対して2.4質量%)を溶解した液を添加し、55分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。次いで95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃、10分間保持して酵素活性を完全に失活した後、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」を得た。非重合体カテキン類は15.0質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、水分量は75.0質量%であった。
製造例2
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」の製造
市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)1,000gを、25℃、200r/minの攪拌条件下で、95質量%エタノール水溶液9,000g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)200gと酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)500gを投入後、約10分間攪拌を続けた。次いで、25℃で約30分間の攪拌処理を続けた。2号濾紙で活性炭、酸性白土、及び沈殿物を濾過した後、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水200gを濾過液に添加し、40℃、3.3kPaでエタノールを留去し、減圧濃縮を行った。このうち750gをステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を10,000gとし、5質量%重炭酸ナトリウム水溶液30gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水10.7g中にキッコーマンタンナーゼKTFH(Industrial Grade、500U/g以上)2.7gを溶解した液を添加し、30分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃、10分間保持して酵素活性を完全に失活させた。次いで、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」を得た。非重合体カテキン類は15.0質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、水分量75.0質量%であった。
製造例3
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物3」の製造
市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)1、000gを25℃、200rpm攪拌条件下の95質量%エタノール水溶液4909g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)200gと酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)1000gを投入後、約10分間攪拌を続けた。そして40質量%エタノール水溶液4091gを10分間かけて滴下したのち、25℃のまま約30分間の攪拌処理を続けた。最終的にエタノール水溶液は70質量%となった。その後、2号濾紙で活性炭及び沈殿物を濾過したのち、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水2000gを濾過液に添加し、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物3」を得た。非重合体カテキン類は22.0質量%、非重合体ガレート体率は52.9質量%、水分量45.2質量%であった。
実施例1
撹拌した40℃のイオン交換水にアスコルビン酸3.0gを溶解し、次いで10質量%重曹水溶液10gを投入し、炭酸ガスが消泡するまで10分間撹拌後、「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」353.3g、中国産緑茶抽出物の濃縮物73.0g、エリスリトール274.0gの順にイオン交換水に溶解し全量を1,000gとし、138℃でUHT殺菌後レトルトパックに充填した。得られた還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は15.0質量%、非重合体ガレート体率は46.3質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.104、没食子酸0.16質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表1に示す。
次いで、得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17gを使用し、果糖38.6g、エリスリトール2.9g、クエン酸1.0g、アスコルビン酸0.45g、緑茶香料0.5gを添加し、さらに重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
実施例2
実施例1で得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17gを使用し、果糖38.6g、エリスリトール2.9g、クエン酸1.0g、アスコルビン酸0.45g、レモンライム香料1.0gを添加し、さらに重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
実施例3
撹拌した40℃のイオン交換水にアスコルビン酸3.0gを溶解し、次いで10質量%重曹水溶液15.0gを投入し、炭酸ガスが消泡するまで10分間撹拌後、「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」を500.0g、エリスリトール273.6gの順に溶解し全量を1,000gとし、138℃でUHT殺菌後レトルトパックに充填した。得られた還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は16.9質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.059、没食子酸0.24質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表1に示す。
次いで、得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17gを使用し、果糖38.6g、エリスリトール2.85g、アスコルビン酸0.45g、クエン酸1.0g、レモンライム香料1.0gを添加し、さらに重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
実施例4
実施例3で得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17gを使用し、中国産緑茶抽出物の濃縮物0.2g、果糖38.6g、エリスリトール2.9g、クエン酸1.0g、アスコルビン酸0.45g、緑茶香料0.5gを添加し、さらに重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
実施例5
撹拌した40℃のイオン交換水にアスコルビン酸3.0gを溶解し、次いで10質量%重曹水溶液15.0gを投入し、炭酸ガスが消泡するまで10分間撹拌後、「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」を500.0g、エリスリトール273.6gの順に溶解し全量を1,000gとした。次いで、凍結乾燥機(日本フリーザーBFD-2)を使用し、−20℃、5〜10Torrの条件下で乾燥し、還元飲料用濃縮組成物の粉末374gを得た。この粉末状還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は12.2質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.059、没食子酸0.24質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表1に示す。
次いで、得られた粉末状還元飲料用濃縮組成物のうち7.8gを使用し、果糖38.6g、緑茶香料0.5gを添加し、重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌後ガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
比較例1
撹拌した40℃のイオン交換水に「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」500.0g、アスコルビン酸3.0g、エリスリトール273.6g、10質量%重曹水溶液15.0gの順に溶解し全量を1,000gとし、146℃でUHT殺菌後レトルトパックに充填した。得られた還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は44.9質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.059、没食子酸0.24質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表1に示す。
次いで、得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17gを使用し、果糖38.6g、エリスリトール2.85g、クエン酸1.0g、レモンライム香料1.0gを添加し、さらに重曹水でpHを5.45に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
基準飲料
撹拌した40℃のイオン交換水に「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」177.0g、中国産緑茶抽出物の濃縮物73.0g、アスコルビン酸89.3g、エリスリトール250.0g、10質量%重曹水溶液1.0gの順に溶解し全量を1,000gとし、146℃でUHT殺菌してレトルトパックに充填した。この還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は45.0質量%、非重合体ガレート体率は47.3質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.104、没食子酸0.09質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表1に示す。
次いで、得られた還元飲料用濃縮組成物のうち30gを使用し果糖38.6g、緑茶香料0.5gを添加し、さらに重曹水でpHを5.45に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成を表2に示す。
Figure 2008301808
Figure 2008301808
実施例6
撹拌した40℃のイオン交換水にアスコルビン酸3.0gを溶解し、次いで10質量%重曹水溶液15.0gを投入し、炭酸ガスが消泡するまで10分間撹拌後、「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」500.0g、エリスリトール245.0gの順にイオン交換水に溶解し、全量を1,000gとし、138℃でUHT殺菌後レトルトパックに充填した。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表3に示す。
次いで、得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17.0gを使用し、緑茶抽出物の濃縮物0.2g、果糖38.6g、エリスリトール2.9g、クエン酸1.0g、アスコルビン酸0.45g、緑茶香料0.5gを添加し、更に重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
実施例7
緑茶抽出物の濃縮物を使用せず、緑茶香料の代わりにレモンライム香料を使用した以外は実施例6と同様に容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
実施例8
果糖、エリスリトール、クエン酸を使用せずにサイクロデキストリンを使用し、アスコルビン酸の代わりにアスコルビン酸ナトリウムを使用し、重曹水でpH調整しなかった以外は実施例6と同様に容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
実施例9
レモンライム香料を使用せずにグレープフルーツ香料、グレープフルーツ果汁を使用し、更にブドウ糖、スクラロース、クエン酸ナトリウム、食塩、サイクロデキストリンを使用し、クエン酸を増量し、重曹水でpH調整しなかった以外は実施例7と同様に容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
実施例10
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」を「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物3」に変更し、10質量%重曹水を使用せずに実施例6と同様に還元飲料用濃縮組成物を製造し、次いで容器詰還元飲料を製造した。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表3に示し、容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
実施例11
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」を「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物3」に変更し、10質量%重曹水を使用せずに実施例7と同様に還元飲料用濃縮組成物を製造し、次いで容器詰還元飲料を製造した。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表3に示し、容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
比較例2
撹拌した40℃のイオン交換水に「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」を500.0g、アスコルビン酸3.0g、エリスリトール245.0g、10質量%重曹水溶液50.0gの順に溶解し、炭酸ガスが消泡するまで攪拌した。次いで、全量を1,000gとし、146℃でUHT殺菌後レトルトパックに充填した。得られた還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は41.1質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.023、没食子酸0.30質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表3に示す。
次いで、得られた濃縮組成物のうち17.0gを使用し、実施例7と同様の組成を採用して比較例1と同様の方法で容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
比較例3
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」を「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物3」に変更した以外は比較例2と同様の順番で実施例7と同様の組成の容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
Figure 2008301808
Figure 2008301808
表2及び4から実施例1〜11の容器詰飲料は、比較例1〜3の容器詰飲料に比べて苦味、収斂味、酸味及び甘味のバランスが改善していることが明らかである。

Claims (16)

  1. (A)非重合体カテキン類 0.5〜25.0質量%、
    (B)炭水化物、及び
    (C)ヒドロキシカルボン酸
    を含有し、
    下記(D)及び(E)の要件、並びに下記(F1)、(F2)及び(F3)から選ばれる1以上の要件を具備する還元飲料用濃縮組成物。
    (D)没食子酸の含有量が0.6質量%未満である
    (E)非重合体カテキン類中の非エピ体率が5〜25質量%である
    (F1)Brixが20〜70であり、かつ非重合体カテキン類濃度が0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈したときのpHが2.5〜6.0である
    (F2)固形分が70.0質量%以上であり、かつ非重合体カテキン類濃度が0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈したときのpHが2.5〜6.0である
    (F3)非重合体カテキン類濃度が0.13質量%になるようにイオン交換水で希釈したときの400nmにおける吸光度が0.5未満であり、かつpHが2.5〜6.0である。
  2. 炭水化物の含有量が1.0〜65.0質量%である、請求項1記載の還元飲料用濃縮組成物。
  3. ヒドロキシカルボン酸の含有量が0.01〜10.0質量%である、請求項1又は2記載の還元飲料用濃縮組成物。
  4. 茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物を配合したものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物。
  5. 茶抽出物の精製物が有機溶媒と水との質量比が75/25〜10/90の混合溶液中で緑茶抽出物を精製して得られたものである、請求項4記載の還元飲料用濃縮組成物。
  6. 茶抽出物の精製物が有機溶媒と水との質量比が99/1〜75/25の混合溶液中で緑茶抽出物を精製して得られたものである、請求項4記載の還元飲料用濃縮組成物。
  7. 有機溶媒がエタノールである、請求項5又は6記載の還元飲料用濃縮組成物。
  8. 炭水化物が非還元性の糖類及び/又は糖アルコールである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物。
  9. 糖アルコールがエリスリトールである、請求項8記載の還元飲料用濃縮組成物。
  10. ヒドロキシカルボン酸がアスコルビン酸である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物。
  11. (G)カフェインと(A)非重合体カテキン類との含有質量比[(G)/(A)]が0.0001〜0.16である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物。
  12. (H)非重合体カテキン類中のガレート体率が5〜55質量%である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物。
  13. 60〜145℃で殺菌処理したものである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物。
  14. 噴霧乾燥又は凍結乾燥したものである、請求項1〜13のいずれか1項に還元飲料用濃縮組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物を還元してなる還元飲料。
  16. 請求項15記載の還元飲料を容器に充填して得られる容器詰還元飲料。
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