JP2008296896A - ハイブリッド車両の駆動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転者が希望する走行形態が加速性能重視のパワーモード時には、統合コントローラ20は、α上にあるハイブリッド車両の最適燃費エンジントルクよりも大きく、動作点eで表すパワーモードエンジントルクを目標エンジントルクとして設定する。
【選択図】図6
Description
このハイブリッド駆動装置につき概略説明すると、アクセルペダル踏み込み量と、車速と、バッテリ蓄電率(持ち出し可能電力)と、エンジン回転数とに基づき、以下のようにして車輪駆動系への目標駆動トルクと、目標モータ/ジェネレータトルクと、目標エンジントルクとを演算する。
次に、エンジンが燃費最適となるエンジントルクを、燃費最適制御マップを参照してエンジン回転数に基づき検索する。検索した燃費最適エンジントルクを目標エンジントルクに設定する。
そして、目標エンジントルクと目標モータ/ジェネレータトルクとの合計が目標駆動トルクに相当する値となるよう、目標モータ/ジェネレータトルクを設定する。
動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、エンジントルクとモータ/ジェネレータトルクとの合計で目標駆動トルクを達成するよう、設定された目標エンジントルクのもとでモータ/ジェネレータトルクを制御するハイブリッド車両の駆動制御装置において、
運転者が希望する走行形態が加速性能重視のパワーモード時には、ハイブリッド車両の最適燃費エンジントルクよりも大きなパワーモードエンジントルクを前記目標エンジントルクとして設定するよう構成したことを特徴としたものである。
エンジントルクを予め大きくしておき、レスポンスの速いモータ/ジェネレータトルクの制御により目標駆動トルクを実現することが可能になる。
したがって、パワーモード時にアクセルペダル踏み込み量に応じてエンジントルクを変化させる必要がなくなり、応答性のよい駆動トルクを実現することができる。
図1は、本発明の一実施例になるハイブリッド車両の駆動制御装置を適用可能なハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを示し、1はエンジン、2は駆動車輪(後輪)である。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、エンジン1(クランクシャフト1aからの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータ/ジェネレータ5を設ける。
このモータ/ジェネレータ5およびエンジン1間に、より詳しくは、軸4とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
第2クラッチ7も第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機3は、上記したような有段式のものに限られず、現在の変速段から目標変速段へ無段階にさせることができる変速機であってもよいのは言うまでもない。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をモータ/ジェネレータ5のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ5の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
図2に示すように、第2クラッチ7を自動変速機3およびディファレンシャルギヤ装置8間に介在させても、同様に機能させることができる。
この代わりに第2クラッチ7として、図3に示すごとく自動変速機3内に既存する前進変速段選択用の摩擦要素または後退変速段選択用の摩擦要素を流用するようにしてもよい。
この場合、第2クラッチ7が前記したモード選択機能を果たすのに加えて、この機能を果たすよう締結される時に自動変速機を動力伝達状態にすることとなり、専用の第2クラッチが不要でコスト上大いに有利である。
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ11からの信号と、
モータ/ジェネレータ回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ12からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ13からの信号と、
変速機出力回転数Noを検出する出力回転センサ14からの信号と、
パワートレーンへの要求駆動力を表すアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ15からの信号と、
モータ/ジェネレータ5用の電力を蓄電しておくバッテリ9の蓄電率SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ16からの信号とを入力する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ21に供給され、目標モータ/ジェネレータトルクtTm(目標モータ/ジェネレータ回転数tNmでもよい)はモータ/ジェネレータコントローラ22に供給される。
統合コントローラ20は、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)に対応したソレノイド電流を第1クラッチ6および第2クラッチ7の油圧制御ソレノイド(図示せず)に供給し、第1クラッチ6の伝達トルク容量Tc1(第1クラッチ圧Pc1)が目標伝達トルク容量tTc1(第1クラッチ指令圧tPc1)に一致するよう、また、第2クラッチ7の伝達トルク容量Tc2(第2クラッチ圧Pc2)が目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2(第2クラッチ指令圧tPc2)に一致するよう、第1クラッチ6および第2クラッチ7を個々に締結力制御する。
図5および図9に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとする目標エンジントルクの制御を行い、アクセルペダル踏み込み量に対する応答性の向上を実現する。
まずステップS1において、運転者の操作する運転状態がパワーモードに入っているか否かを判断する。具体的には、運転者の操作する運転状態として、運転者の加速性能に対する要望の有無を、アクセルペダル操作から検知する。例えば、運転者によるアクセルペダル踏み込み量を逐次記憶しておき、現在から過去一定時間内のアクセルペダル踏み込み量を積算する。そして、現在から過去一定時間内の積算量が所定値以上になると、運転者が燃費性能よりも加速性能を要望していると判断して、パワーモードに移行する。パワーモードでは、エンジン1のエンジントルクにモータ/ジェネレータ5のモータトルクを加重するようアシストすることにより、運転者が加速性能を要望していない通常の走行と比べて、加速性能を向上させる。減速シーンについても同様である。したがって、加速性能に対する要望を検知するパワーモード時には検知しない通常時よりも目標出力tTe、tTm、tNmの増減率を大きくする。
まず、アクセルペダル踏み込み量と車速とに基づき、図16に示す駆動力マップを用いて、ハイブリッド車両の車輪駆動系への目標駆動トルクを算出する。
次に、上記目標駆動トルクと車速とから、目標駆動パワーを演算する。
次に、バッテリ蓄電率(持ち出し可能電力)SOCから、図13に例示するバッテリ充放電電力可能マップを参照して目標バッテリ充放電電力を決める。図13を概略説明すると、蓄電率SOCが高いほど出力エネルギー(バッテリ放電量)を多くし、SOCが低いほど入力エネルギー(バッテリ充電量)を多くする。図13については、詳しくは後述する。
次に、上記目標駆動パワーと上記目標バッテリ充放電電力との合計を目標エンジンパワーとして設定する。
次に、上記目標エンジンパワーをエンジンで発生させるとき燃費最適となる目標エンジントルクを、図14に例示する燃費最適制御のための動作点マップを参照して上記目標エンジンパワーから検索する。図14の燃費最適制御マップについて説明すると、横軸はエンジン回転数であり、縦軸はエンジントルクであり、破線で示す曲線αは、燃費最適トルク線である。そして、これらエンジン回転数およびエンジントルクからなる動作点eが燃費最適トルク線α上になるよう、目標エンジントルクを演算する。
図14に示すように、動作点tになる入力軸トルクは動作点eになる燃費最適エンジントルクよりも大きい場合、モータ/ジェネレータ5がモータとして力行運転して、エンジントルクを白抜き矢の向きにアシストする。すなわち、目標駆動トルクを、目標モータ/ジェネレータトルクと目標エンジントルクとの合計として実現することとなる。
これに対し、ステップS2でアシストしていないと判断する場合(YES)、モータ/ジェネレータ5を発電機として用いることができることから、ステップS3へ進む。
そして本フローチャートを抜ける。
ステップS3の目標エンジントルク制御は、上記ステップS4で算出した燃費最適となる目標エンジントルクよりも大きなエンジントルクであるパワーモードエンジントルクを目標値とする。そして、このパワーモードエンジントルクの一部で後輪2を駆動するよう目標駆動トルクを実行する他、モータ/ジェネレータ5を発電機として運転することによりパワーモードエンジントルクの他の一部でエンジン発電を行うようにする。
また、後輪2の駆動トルクおよび後輪2の車輪速から、伝動軸4が出力する駆動パワーを演算する。そして、この駆動パワーを、クランクシャフト1aの出力であるエンジンパワーから減じることにより、モータ/ジェネレータ5の発電電力を演算する。
つまり、パワーモード時における目標駆動トルクが、設定された前記パワーモードエンジントルクよりも小さくなるように、パワーモードエンジントルクを十分大きく設定する。そして、前記モータ/ジェネレータトルクを負値にする。
図6の説明図も、図14の燃費最適制御マップと同様の縦軸および横軸からなる動作点マップである。また比較のために燃費最適トルク線αも示す。
図6に示すように、動作点eで表すパワーモードエンジントルクは、燃費最適トルク線αよりも上方(トルク大側)にあって、最適燃費エンジントルクよりも大きいことがわかる。
したがってこの場合は、モータ/ジェネレータ5をモータとして力行運転し、図7に上向きの白抜き矢で示すようにモータ/ジェネレータトルクを正値にすることで、目標駆動トルクを実現する。
瞬時t1以前、アクセル開度が0に近く、駆動トルクも0に近い低負荷運転である。パワーモードであることを示すパワーモードフラグは、瞬時t1以前から瞬時t1以後まで1である。図15のタイムチャートにおいて第1クラッチ6および第2クラッチ7を締結していることから、エンジン回転数およびモータ回転数は同一であり、かつ、低速である。
したがって、エンジントルクの影響を受けることがなく、駆動トルクの応答性を高くすることができる。
したがって本実施例によれば、加速においてエンジンの応答遅れを蒙ることなく、運転者が所望するパワーモード加速を実現できる。
図9のステップS2でアシストしていないと判断する場合(YES)、ステップS5へ進む。
ステップS5では、前述のステップS4で算出した燃費最適となる目標エンジントルクよりも大きなエンジントルクであるパワーモードエンジントルクを演算する。なお、ここで演算するパワーモードエンジントルクは、エンジン1のスロットル開度を最大にしたエンジントルクであるスロットル開度最大エンジントルクである。そして、この演算値になるパワーモードエンジントルクに現在のエンジン回転数を乗算して、エンジンパワーを求める。
また、目標駆動トルクに後輪2の車輪速を乗算した駆動パワー(伝動軸4が出力する駆動パワーに等しい)を演算する。
そして、この駆動パワーから上記のエンジンパワーを差し引いて要求発電電力P1を算出する。
バッテリ9に入力する電力およびバッテリ9が出力する電力は、蓄電率SOCおよびモータ/ジェネレータ5の運転状態によって決定する。
a1はハイブリッド走行(HEV)モード中にモータ/ジェネレータ5がモータとして力行運転してエンジンによる走行をアシストする場合の最低限必要な蓄電率である。蓄電率SOCがa1より高ければバッテリ9からアシスト電力を出力する。アシスト電力はSOCネライ値a1からアシスト制限開始SOC(a12)までは、蓄電率SOCが高くなるにつれて増大し、アシスト制限開始SOC(a12)よりも高い蓄電率SOCでは、蓄電率SOCにかかわらず一定のアシスト電力を出力することができる。アシスト電力を出力するとバッテリ9が放電して蓄電率SOCが低下するので、蓄電率SOCはa1に向かう。蓄電率SOCがa1以下ではアシスト電力を禁止する。なお、バッテリ出力はバッテリ9がエネルギー放出するバッテリ放電と同義である。アシスト制限開始SOC(a12)は蓄電率SOCがa1に近づいたことを検知するためのしきい値である。
a2は電気走行(EV)モード中にモータ/ジェネレータ5がモータとして力行運転するのに最低限必要な蓄電率SOCである。蓄電率SOCがa2より高ければEV走行可能電力を出力する。EV走行可能電力はa2近傍では、蓄電率SOCが高くなるにつれて増大し、ある程度高い蓄電率SOCでは、蓄電率SOCにかかわらず一定のEV走行可能電力を出力することができる。EV走行可能電力を出力すると蓄電率SOCが低下するので、蓄電率SOCはa2に向かう。蓄電率SOCがa2以下ではEV走行可能電力を出力しない。
なお、一定のEV走行可能電力は前述した一定のアシスト電力よりも小さく、a2がa1よりも大きい理由は、電気走行(EV)モード中において、モータ/ジェネレータ5がエンジン1を始動するための電力および電力量(エネルギー)を確保するためである。
b2はハイブリッド走行(HEV)モード中にエンジン1から発電トルクをモータ/ジェネレータ5に入力してエンジン発電する場合の最大蓄電率である。蓄電率SOCがb2未満であればバッテリ9に発電電力を入力する。発電電力はb2近傍では、蓄電率SOCが低くなるにつれて増大し(図13では下向きに入力パワーが大きくなる)、ある程度低い蓄電率SOCでは、蓄電率SOCにかかわらず一定の発電電力P2を入力することができる。
P2を最大受け入れ可能電力と呼ぶ。発電電力を入力すると蓄電率SOCが上昇するので、蓄電率SOCはb2に向かう。蓄電率SOCがb2以上では発電電力を入力しない。
b1は電気走行(EV)モード中に車輪2から制動トルクをモータ/ジェネレータ5に入力して走行回生発電する場合の最大蓄電率である。蓄電率SOCがb1未満であればバッテリ9に回生電力を入力してバッテリ9を充電する。蓄電率SOCがb1近傍では、回生電力は蓄電率SOCが低くなるにつれて増大し(図13では下向きに入力パワーが大きくなる)、ある程度低い蓄電率SOCでは、蓄電率SOCにかかわらず一定の回生電力を入力することができる。回生電力をバッテリ9に入力すると蓄電率SOCが上昇するので、蓄電率SOCはb1に向かう。蓄電率SOCがb1以上では回生を禁止する。ここでいうバッテリ入力はバッテリ9がエネルギー回収するバッテリ充電と同義である。
なお、一定の回生電力は前述した一定の発電電力よりも大きく(図13中で下方になる)、SOCネライ値b1がSOCネライ値b2よりも大きい理由は、電気走行(EV)モード中において、なるべく多くのエネルギーを回収して、エネルギー効率を高めるためである。
図10中、動作点e1は上記ステップS5で演算したパワーモードエンジントルクを示す。動作点e1はエンジン1のスロットル開度を全開にしたときのエンジントルクを表すスロットル開度最大トルク曲線β上にあって、現在のエンジン回転数における最大エンジントルクである。また、動作点e2は上記ステップS8で設定するパワーモードエンジントルクを示す。上記ステップS6でYESと判断する場合、図10に示すように、動作点e2は動作点e1よりもトルクが小さいことがわかる。すなわち、白抜き矢で示すモータ/ジェネレータトルクのうち、動作点e1から車両の目標駆動トルクに対応する動作点tまでのモータ/ジェネレータトルクは、要求発電電力P1に対応するため大きい(長い)。これに対し、動作点e2から動作点tまでのモータ/ジェネレータトルクは最大受け入れ可能電力P2に対応するため小さい(短い)。ステップS8で動作点e2を設定することよって、ステップS8の処理によりバッテリ9の過充電を防止することができる。
瞬時t0から瞬時t11まで、目標エンジントルクを徐々に小さくする。この間発電トルク(モータ/ジェネレータトルク)も徐々に小さくして、これらトルクの合計となる変速機入力軸3aへの入力トルクを一定に保持する。このため、車両の駆動トルクは、図11に破線で示すよう瞬時t0から瞬時t11まで一定である。この間モータ/ジェネレータトルクを負値にして発電するため、蓄電率SOCは増大する。
瞬時t11から瞬時t1まで、エンジントルクを上記ステップS8の設定値に保持する。この間もモータ/ジェネレータトルクを負値にして発電するため、蓄電率SOCは増大する。
本実施例によれば上記ステップS8を選択することにより、瞬時t11から瞬時t1までのモータ/ジェネレータの発電トルクを、瞬時t11以前のモータ/ジェネレータの発電トルクよりも小さくすることが可能となり、瞬時t11から瞬時t1まで蓄電率SOCの増大変化率を小さくすることができる。
瞬時t1以降は、前述した図8に示すタイムチャートと同様であるため説明を省略する。
したがって本実施例によれば、加速においてエンジンの応答遅れを蒙ることなく、運転者が所望するパワーモード加速を実現できることに加え、バッテリ9が過充電とならないよう保護することができる。
図12は、最大受け入れ可能電力をP2からP3に変更したバッテリ充放電電力可能マップである。P3はP2よりも大きく、図12中でP2よりも下方にある。
エンジントルクを予め大きくしておき、レスポンスの速いモータ/ジェネレータトルクの制御により目標駆動トルクを応答性よく実現することが可能になる。
したがって、パワーモード時にアクセルペダル踏み込み量に応じてエンジントルクを変化させる必要がなくなり、応答性のよい駆動トルクを実現することができる。また、モータ/ジェネレータを大型化、重量化する必要もなく、従来と同程度の最大トルクを可能出力なモータ/ジェネレータを用いることができる。
低負荷走行であっても、エンジントルクを変えることなく応答性のよい目標駆動トルクを実現することができ、バッテリ9に発電電力を供給することができる。
高負荷走行であっても、エンジントルクを変えることなく応答性のよい目標駆動トルクを実現することができ、後輪2の駆動力をアシストすることができる。
エンジントルクを予め最大にしておき、レスポンスの速いモータ/ジェネレータトルクの制御により目標駆動トルクを応答性よく実現することが可能になる。また低負荷走行など、バッテリ9の発電の機会を増やすことができる。
バッテリ9の過充電を回避することができる。
過充電とならないようバッテリ9を保護することができる。
エンジントルクとモータ/ジェネレータトルクとの合計となる変速機入力軸3aへの入力トルクを一定に保持することが容易になる。このため、車両の駆動トルクを図11に破線で示すよう一定値に保持し得て、不用意なトルク変動を防止することができる。
これにより、バッテリ9の蓄電率を通常よりも大きくしておき、パワーモード時にバッテリ9の電力が不足することを改善することができる。
2 駆動車輪(後輪)
3 自動変速機
4 伝動軸
5 モータ/ジェネレータ
6 第1クラッチ
7 第2クラッチ
8 ディファレンシャルギヤ装置
9 バッテリ
10 インバータ
11 エンジン回転センサ
12 モータ/ジェネレータ回転センサ
13 変速機入力回転センサ
14 変速機出力回転センサ
15 アクセル開度センサ
16 バッテリ蓄電状態センサ
20 統合コントローラ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ
Claims (8)
- 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、エンジントルクとモータ/ジェネレータトルクとの合計で目標駆動トルクを達成するよう、設定された目標エンジントルクのもとでモータ/ジェネレータトルクを制御するハイブリッド車両の駆動制御装置において、
運転者が希望する走行形態が加速性能重視のパワーモード時には、ハイブリッド車両の最適燃費エンジントルクよりも大きなパワーモードエンジントルクを前記目標エンジントルクとして設定するよう構成したことを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置において、
前記パワーモード時における目標駆動トルクが、設定された前記パワーモードエンジントルクよりも小さい場合には、前記モータ/ジェネレータトルクを負値にすることを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置において、
前記パワーモード時における目標駆動トルクが、設定された前記パワーモードエンジントルクよりも大きい場合には、前記モータ/ジェネレータトルクを正値にすることを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 請求項1または2に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置において、
前記エンジンのスロットル開度最大におけるエンジントルクであるスロットル開度最大エンジントルクを前記パワーモードエンジントルクとすることを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 請求項1または2に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置において、
前記モータ/ジェネレータと電力を授受する電力源の蓄電率を検出し、該蓄電率に応じて前記パワーモードエンジントルクを決定することを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 請求項5に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置において、
前記スロットル開度最大エンジントルクにおける前記モータ/ジェネレータの発電電力を算出し、
前記電力源の最大受け入れ可能電力を算出し、
前記最大受け入れ可能電力が、前記発電電力よりも小さい場合、前記最大受け入れ可能電力を出力するモータ/ジェネレータトルクおよび前記目標駆動トルクの双方を実現するエンジントルクである保護用エンジントルクを、前記スロットル開度最大エンジントルクに代えて、パワーモードエンジントルクとすることを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 請求項6に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置において、
前記パワーモードで走行中に前記最大受け入れ可能電力が前記発電電力よりも小さくなった場合、前記パワーモードエンジントルクを前記スロットル開度最大エンジントルクから前記保護用エンジントルクに徐々に変更することを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。 - 請求項6に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置において、
前記パワーモード時には、前記最大受け入れ可能電力を、運転者が希望する走行形態が燃費性能重視の通常時における前記電力源の最大受け入れ可能電力よりも大きくすることを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。
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