JP2017047733A - ハイブリッド車両の発進制御方法および発進制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の動力源としてのエンジン1およびモータジェネレータ2と、動力源と駆動輪7との間に設けられて、動力伝達を断接可能な発進クラッチとしての第2クラッチ5と、を備えたハイブリッド車両において、車両の停止時に、加速操作と制動操作とが同時に行われたストール発進操作を検出したら、第2クラッチ5の伝達トルクとモータジェネレータ2の発電トルクとの少なくとも一方を、制動操作を伴わずに発進する通常発進時よりも大きくするとともに、エンジン1の目標回転数を、通常発進時よりもエンジントルクが大きくなる回転数とすることを特徴とするハイブリッド車両の発進制御方法とした。
【選択図】図1
Description
この従来技術では、ストール発進時には、エンジンの目標回転数は、アクセル操作量が所定操作量となるまでは所定回転数とし、アクセル操作量が所定操作量を超えるとアクセル操作量が大きくなるほど高回転数となるように制御している。
さらに、ストール発進時において、トラクション制御や姿勢保持制御を行わない場合は、姿勢保持制御を行う場合と比較して、エンジンの目標回転数をより高い回転数となるように制御している。
また、エンジントルクを下げるには、リタードを実施することも可能であるが、この場合、触媒の温度が上がるという問題があり、リタードだけでは高回転数を維持できず、その結果、スロットルを絞ることになる。
このように、スロットルを絞ると、エンジンのトルク応答性が不足し、加速応答性を十分得ることができないという問題があった。
また、本発明のハイブリッド車両の発進制御方法は、車両の停止時に、加速操作と制動操作とが同時に行われたストール発進操作を検出したら、発進クラッチの伝達トルクとモータジェネレータの発電トルクとの少なくとも一方を、制動操作を伴わずに発進する通常発進時よりも大きくする。さらに、エンジンの目標回転数を、通常発進時よりもエンジントルクが大きくなる回転数とする。
したがって、制動操作を終了して加速する際に、エンジンにおける吸入空気の応答を高めることができるため、エンジンのトルク応答性が向上し、その結果、加速応答性が向上する。また、エンジン回転数は、発進クラッチの伝達トルクとモータジェネレータの発電トルクとに応じたエンジントルクが得られる回転数としたため、加速操作に応じてエンジンの目標回転数およびエンジントルクを上昇させた場合と比較して、発進クラッチの発熱を抑えることができる。
まず、実施の形態1のハイブリッド車両の発進制御方法を実施する発進制御装置の構成を説明する。
図1は、実施の形態1のハイブリッド車両の発進制御装置を適用した後輪駆動によるハイブリッド車両のパワートレイン系構成図である。
図1に示すように、ハイブリッド車両は、動力源としてエンジン1とモータジェネレータ2とを備えており、エンジン1とモータジェネレータ2との駆動力は、自動変速機3を介して駆動輪7に伝達される。なお、エンジン1は、いわゆるターボチャージャと称する排気による過給機1aを備えている。
また、モータジェネレータ2の出力軸2bと自動変速機3の入力軸3aとが連結されている。さらに、自動変速機3の出力軸3bは、ディファレンシャルギア6を介して駆動輪7が連結されている。これにより自動変速機3は、第1クラッチ4を介して入力されるエンジン1の動力と、モータジェネレータ2から入力される動力と、を合成して駆動輪7へ出力する。
また、実施の形態1では、自動変速機3において、シフト状態に応じて動力伝達を切り替えるトルク容量可変のクラッチのうち1つを第2クラッチ(発進クラッチ)5として用いる。
エンジン回転数センサ10は、エンジン1の回転数を検出する。
モータ回転数センサ11は、モータジェネレータ2の回転数を検出する。
AT入力回転数センサ12は、自動変速機3の入力軸回転数を検出する。
AT出力回転数センサ13は、自動変速機3の出力軸回転数を検出する。
第1ソレノイドバルブ14は、第1クラッチ4の油圧を調圧する。
第2ソレノイドバルブ15は、第2クラッチ5の油圧を調圧する。
ハイブリッド車両の制御系は、図2に示すように、統合コントローラ20とエンジンコントローラ21とモータコントローラ22とを備える。
統合コントローラ20は、パワートレイン系の動作点を統合制御する。
エンジンコントローラ21は、エンジン1の駆動を制御する。
モータコントローラ22は、モータジェネレータ2を駆動するインバータ8の制御に基づいてモータジェネレータ2の駆動を制御する。
なお、インバータ8は、電気エネルギを蓄える強電バッテリ9に接続されている。
SOCセンサ16は、バッテリの充電状態(バッテリSOC)を検出する。
ブレーキ開度センサ23は、制動操作を検出する検出装置として設けられ図示を省略したブレーキ油圧を発生させるスプールの開度(ブレーキ開度)を検出する。なお、このブレーキ開度は、ブレーキ油圧に応じるものであり、ブレーキ開度センサに代えてブレーキ油圧センサによりブレーキ油圧を検出したり、図示を省略したブレーキペダルのストロークを検出したりしてもよい。
モータ温度センサ25は、モータジェネレータ2の温度を検出する。
第2クラッチ温度センサ26は、第2クラッチ(発進クラッチ)5の温度を検出する。
変速機温度センサ27は、自動変速機3の温度を検出する。
エンジン温度センサ28は、エンジン1の温度を検出する。
統合コントローラ20は、目標駆動トルク演算部100、モード選択部200、目標発電出力演算部300、動作点指令部400、変速制御部500を備える。
変速制御部500は、目標CL2トルクと目標変速比とから、これらを達成するように自動変速機3内のソレノイドバルブを駆動制御する。
この始動処理は、以下のように行う。
EVモード走行時に、図5に示すエンジン始動線を車速VSPに応じたアクセル開度APOが越えた時点で、第2クラッチ5を半クラッチ状態としてスリップさせるように第2クラッチトルク(容量)を制御する。
そして、第2クラッチ5がスリップを開始したと判断した後に、第1クラッチ4の締結を開始してエンジン回転数を上昇させる。
さらに、エンジン回転数が初爆可能な回転数に達成したら、エンジン1を作動させてモータ回転数とエンジン回転数とが近くなったところで第1クラッチ4を完全に締結し、その後、第2クラッチ5をロックアップさせてHEVモードに遷移させる。
自動変速機3は、例えば、前進5速/後退1速などの有段階の変速段を備え、変速段を自動的に切り換える有段変速機である。
この自動変速機3の変速制御は、図8に示す変速線に基づいて行う。
すなわち、車速VSPとアクセル開度APOとに基づく車両状態が、また、図8の変速線において現在の変速段から他の変速段へ横切る変速要求が生じれば、自動変速機3に内蔵された変速クラッチを切替制御して変速させる。
このストール発進制御は、ストール発進制御許可判定がなされた場合に実行する。そして、ストール発進制御許可は、基本的には、停車状態で、図示を省略したブレーキペダルが踏み込まれる制動操作(ブレーキON)が行われ、かつ、図示を省略したアクセルペダルが踏み込まれる(アクセルON)加速操作が行われると許可と判定する。
図9はストール発進制御の処理の流れを示す。
まず、ステップS1では、アクセル開度APO、ブレーキ開度、車速VSP、エンジン回転数、バッテリSOC、強電バッテリ9の入力制限、バッテリ温度、モータ温度、第2クラッチ温度、変速機温度、エンジン温度を入力し、ステップS2に進む。
ここで、エンジン目標トルクは、目標伝達トルクと目標発電トルクとに応じて算出する。すなわち、目標伝達トルクと目標発電トルクとを足し合わせた値をエンジン目標トルクとする。そして、エンジン回転数は、このエンジン目標トルクに応じた回転数とする。
ここで、エンジン目標トルクを、より大きな値とするためには、目標発電トルクと目標伝達トルクの和を、前述のように最大の値とする。目標発電トルクは、バッテリSOCが許す範囲で、極力モータ下限トルクに近付ける。目標伝達トルクは、第2クラッチ5の発熱量を予め設定された許容量に抑え、かつ、停車状態を維持する範囲での最大値とする。
ステップS7に続くステップS8では、第2クラッチ5の目標伝達トルク=0を指令し、ステップS9に進む。
ステップS11では、通常発進時の発電トルク(図6)を算出した後、ステップS12に進む。
このエンジン目標トルクは、図4(a)のマップに基づいて得られたエンジン目標トルクに、目標発電トルクを加算する。したがって、ステップS10により目標発電トルクを算出した場合のエンジン目標トルクは、ステップS11により通常発進時の目標発電トルクを算出した場合のエンジン目標トルクよりも大きな値となる。
ステップS21では、現在、ストール発進制御許可が成立しているか否か判定し、ストール発進制御許可が成立している場合はステップS22に進み、ストール発進制御許可が成立していない場合は、ステップS32に進む。
すなわち、アクセルOFFか、ストール発進制御許可からの経過時間が所定時間を越えるかした場合、ステップS30に進む。そして、ステップS30では、ストール発進制御禁止とするとともに、後述するステップS31においてカウントを開始するタイマをリセットする(カウント=0とする)。
すなわち、ステップS32では、ブレーキON(ブレーキ開度>0であって、制動操作を行っている)かつアクセルON(アクセル開度APO>0であって加速操作を行っている)か否か判定する。
そして、制動操作と加速操作を同時に行って、ブレーキONかつアクセルONの場合はステップS33に進み、ブレーキONかつアクセルONではない場合は、ステップS34に進む。
一方、ブレーキON、アクセルON、車速VSP≦0のいずれかの条件も成立しない場合は、ストール発進条件不成立としてステップS34に進む。
このステップS34では、ストール発進制御禁止とするとともに、後述するステップS31においてカウントを開始するタイマをリセットする(カウント=0とする)。
すなわち、ステップS24では、強電バッテリ9の充電状態が、ストール発進時に伴う充電を許容するバッテリSOCであるか否かを判定し、充電を許容する場合は、ステップS25以下のさらなるストール発進条件の判定を行う。
一方、強電バッテリ9が充電を許容しない場合は、ステップS30に進んで、ストール発進制御禁止とするとともに、前述のタイマをリセットする。
すなわち、強電バッテリ9のバッテリ温度がストール発進制御許可温度よりも高温で、充放電を行うのが好ましくない状況では、ストール発進制御を禁止する。
すなわち、モータジェネレータ2の温度が発電可能な温度よりも高温で、発電を行うのが好ましくない状況では、ストール発進制御を禁止する。
すなわち、第2クラッチ5の温度がスリップ締結を行うのが好ましくない高温下では、ストール発進制御を禁止する。
しかし、ストール発進制御許可となって所定時間経過してもブレーキOFFしない場合、ストール発進制御許可が禁止となるが、その場合でもアクセルOFFとされなければ、目標発電トルクは通常の発電時のモータ下限トルクで発電を継続する(ステップS10)。一方、アクセルOFFとされた場合は、目標発電トルクも通常の値(通常発進時の値)に戻す(ステップS11)。
次に、実施の形態1のハイブリッド車両の発進制御方法および発進制御装置の作用を、図11、図12のタイムチャートに基づいて説明する。
ここで、図11の動作例は、停車状態で運転者が加速操作を行ったのに応じてエンジン1を始動させつつ、同時に制動操作を行って、ストール発進制御を開始した後、制動操作を解除してストール発進を行った場合の動作例を示すタイムチャートである。
一方、図12は、運転者が図11と同様の加速操作および制動操作を行って、ストール発進制御許可とした後、所定時間が経過してストール発進許可を解除(禁止)した状態から制動操作を解除して、ストール発進を行った場合の動作例を示すタイムチャートである。
運転者は、t10の時点で、加速操作(アクセルON)を開始し、さらに、t11の時点で、制動操作(ブレーキON)を行い、t12の時点以降、加速操作(アクセルON)と制動操作(ブレーキON)とを同時に実行している。
なお、t12の時点で、同時に、バッテリSOC、バッテリ温度、モータジェネレータ温度、第2クラッチ温度、変速機温度、エンジン温度も所定の許可条件を満足しているものとする。以上、ステップS21→S32→S33→S24〜S29→S31の流れ。
この時、t13の時点以前に、エンジン回転数およびエンジントルクを立ち上げており、通常発進時よりも、エンジン1のスロットルが開いた状態となり、エンジン1内に多く空気を流入させることができる。
したがって、t13の時点で、ブレーキOFFとして加速する際に、エンジン1への吸入空気の応答性を高めることができ、エンジン1のトルク応答性が向上する。特に、本実施の形態1のエンジン1は排気による過給機(ターボチャージャ)1aを備えているため、過給機1aを備えないものよりも、よりトルク応答性を向上効果が一層期待できる。
この結果、車両の加速応答性が向上(例えば、20%程度)し、全開加速時間も向上(例えば、5%程度)することができる。すなわち、図11に示すように、ストール発進制御実行時の加速度(実線により示す)は、点線により示す通常発進時の加速度よりも高くなる。
したがって、第2クラッチ5の発熱を、抑えることができる。
なお、t14の時点で、予め設定された所定時間(数秒)が経過して、ストール発進制御は禁止判定する。
この動作例では、その後、t22のストール発進制御許可との判定開始から、その継続時間(タイマのカウント値)が所定時間に達したt23の時点で、ストール発進制御禁止と判定し、タイマをリセットする(ステップS22→S30)の処理。
また、クラッチ目標伝達トルク=0に設定する(ステップS8)。
この場合、t24の時点以前に、目標エンジン回転数およびエンジン目標トルクを、通常発進時の値よりも大きく設定していることから、通常発進時よりも、エンジン1のスロットルが開いた状態となり、エンジン1内に多く空気を流入させることができる。
よって、エンジン1への吸入空気の応答を高めることができ、エンジン1のトルク応答が向上する。特に、本実施の形態1のエンジン1は過給機(ターボチャージャ)1aを備えているため、過給機1aを備えないものよりも、よりトルク応答性を向上できる。
また、この場合も、アクセル操作に応じた高回転としないため、クラッチ焼けが生じない。
以下に、実施の形態1のハイブリッド車両の発進制御方法および発進制御装置の効果を列挙する。
1)実施の形態1のハイブリッド車両の発進制御方法は、
車両の動力源としてのエンジン1およびモータジェネレータ2と、
動力源と駆動輪7との間に設けられて、動力伝達を断接可能な発進クラッチとしての第2クラッチ5と、
を備えたハイブリッド車両において、
車両の停止時に、加速操作と制動操作とが同時に行われたストール発進操作を検出したら、第2クラッチ5の伝達トルクとモータジェネレータ2の発電トルクとの少なくとも一方を、制動操作を伴わずに発進する通常発進時よりも大きくし(ステップS4,S5)、エンジン1の目標回転数を、第2クラッチ5の伝達トルクとモータジェネレータ2の発電トルクとに応じたエンジントルクが得られる回転数とする(ステップS6)ことを特徴とする。
したがって、エンジン回転数を抑えつつ、エンジントルクは、通常発進時よりも大きくして、エンジン1への吸入空気の応答性を高めることができる。これにより、第2クラッチ5の発熱を抑えつつ、加速応答性を向上することが可能となる。
さらに、エンジン1は、排気により過給を行う過給機1aを備える。
このため、上記のエンジン1への吸入空気の応答性が、さらに高まり、加速応答性をさらに向上できる。
エンジン1の目標回転数は、第2クラッチ5の伝達トルクとモータジェネレータ2の発電トルクとを足し合わせた値のエンジントルクが得られる回転数とすることを特徴とする。
したがって、第2クラッチ5において許容される伝達トルクと、モータジェネレータ2において許容される発電トルクの範囲内で、最大のエンジントルクを得ることができる。これにより、エンジン1への吸入空気の応答性をいっそう高め、エンジン1のトルク応答性をいっそう向上することができる。
また、
発電トルクを通常発進時よりも大きくするのにあたり、発電トルクの下限値(モータ下限トルク)を通常発進時よりも引き下げる(ステップS4)ことを特徴とする。
発電トルクの下限値を引き下げることにより、過剰な発電を抑えることができる。
ストール発進操作の検出に応じた、伝達トルクと発電トルクとの少なくとも一方、および目標回転数の制御は、
ストール発進操作の検出後、所定のストール発進制御許可条件が成立した場合に行う(図10の処理)ことを特徴とする。
よって、ストール発進操作の検出時に、常に、伝達トルク、発電トルク、目標回転数を大きくする制御を行うものと比較して、これらを大きくする場合に不具合が生じることを抑制することができる。
所定のストール発進制御許可条件には、モータジェネレータ2の電源である強電バッテリ9の残容量、強電バッテリ9の入力制限、強電バッテリ9の温度、モータジェネレータ2の温度、第2クラッチ5を有する自動変速機3を含む動力伝達系の温度、エンジン1の温度の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
したがって、上記条件のいずれかが、目標回転数と伝達トルクと発電トルクとのいずれかあるいは全てを大きくすると不具合が生じる場合に、これを回避することが可能となる。
ストール発進制御許可条件が成立してからの経過時間が所定時間を越えた場合には、ストール発進制御を禁止する(ステップS23→S30))ことを特徴とする。
モータジェネレータ2を、高トルクで動作させるとコイル温度等の温度が上昇し、許容温度を超えてしまう。
ストール発進制御許可条件が成立し、所定時間を越えるとストール発進制御を禁止することにより、モータジェネレータ2の高トルク動作時間を制限し、ストール発進制御を行ってもモータジェネレータ2の温度上昇を抑えることができ、モータジェネレータ2の耐久性向上と加速応答性向上とを両立することができる。
また、発進クラッチとしての第2クラッチ5の発熱はクラッチ前後の差回転とクラッチ伝達トルクとの掛け算で決まる。このため、クラッチ伝達トルクを有る程度大きくした状態を長時間継続すると第2クラッチ5の発熱が大きくなるが、これを所定時間に制限することで、クラッチ温度の発熱を抑え、第2クラッチ5の耐久力向上と加速応答性向上とを両立することができる。
ストール発進制御許可条件が成立後、加速操作が終了した際にはストール発進制御を禁止する(ステップS32→S34)ことを特徴とする。
したがって、ストール発進制御を加速操作終了後も継続することによるモータジェネレータ2の耐久力低下や、第2クラッチ5の耐久性低下を抑制でき、上記6)と同様の効果を奏する。
ストール発進制御許可条件が満たされない場合であって、通常発進の操作が検出されない場合、目標回転数、伝達トルク、モータ下限トルクを通常発進時の所定の値としつつ、発電トルクを加速操作が終了するまでモータ下限トルクとする(ステップS9→S10)ことを特徴とする。
したがって、ストール発進制御禁止となった際に、モータジェネレータ2によりモータ下限トルクまでの発電を許可することで、その分、エンジントルクを確保し、上記1)の効果を得ることができる。
動力源としてのエンジン1およびモータジェネレータ2と、
動力源と駆動輪7との間に設けられて、動力伝達を断接可能な発進クラッチとしての第2クラッチ5と、
運転者による加速操作および制動操作を検出する検出装置としてのアクセル開度センサ17、ブレーキ開度センサ23と、
この検出に基づいて、エンジン1、モータジェネレータ2、第2クラッチ5の作動を制御する統合コントローラ20と、
を備えたハイブリッド車両の発進制御装置において、
統合コントローラ20は、加速操作と制動操作とが同時に行われた停車状態から発進するストール発進操作が検出されたら、第2クラッチ5の伝達トルクとモータジェネレータ2の発電トルクとの少なくとも一方を、制動操作を伴わずに発進する通常発進時よりも大きくし、エンジン1の目標回転数を、伝達トルクと発電トルクとに応じたエンジントルクが得られる回転数とする処理を実行することを特徴とする。
したがって、上記1)と同様の効果を奏する。
また、実施の形態では、エンジンとモータジェネレータとの間に第1クラッチを備える例を示したが、これに限定されず、第1クラッチを省略して、エンジンとモータジェネレータとを直結してもよい。
また、実施の形態では、ストール発進制御時には、発進クラッチ(第2クラッチ)の伝達トルクと、モータジェネレータの発電トルクとの両方を通常発進時よりも大きくするようにしたが、これに限定されず、いずれか一方のみを大きくしてもよい。
2 モータジェネレータ
3 自動変速機(動力伝達系)
5 第2クラッチ(発進クラッチ)
7 駆動輪
9 強電バッテリ
20 統合コントローラ
21 エンジンコントローラ
22 モータコントローラ
Claims (9)
- 車両の動力源としてのエンジンおよびモータジェネレータと、
前記動力源と駆動輪との間に設けられて、動力伝達を断接可能な発進クラッチと、
を備えたハイブリッド車両において、
前記車両の停止時に、加速操作と制動操作とが同時に行われたストール発進操作を検出したら、前記発進クラッチの伝達トルクと前記モータジェネレータの発電トルクとの少なくとも一方を、前記制動操作を伴わずに発進する通常発進時よりも大きくし、
前記エンジンの目標回転数を、前記伝達トルクと前記発電トルクとに応じたエンジントルクが得られる回転数とする
ことを特徴とするハイブリッド車両の発進制御方法。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の発進制御方法において、
前記エンジンの目標回転数は、前記伝達トルクと前記発電トルクとを足し合わせた値のエンジントルクが得られる回転数とする
ことを特徴とするハイブリッド車両の発進制御方法。 - 請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両の発進制御方法において、
前記発電トルクを前記通常発進時よりも大きくするのにあたり、前記発電トルクの下限値を前記通常発進時よりも引き下げる
ことを特徴とするハイブリッド車両の発進制御方法。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の発進制御方法において、
前記ストール発進操作の検出に応じた、前記伝達トルクと前記発電トルクとの少なくとも一方、および前記目標回転数の制御は、
前記ストール発進操作の検出後、所定のストール発進制御許可条件が成立した場合に行う
ことを特徴とするハイブリッド車両の発進制御方法。 - 請求項4に記載のハイブリッド車両の発進制御方法において、
前記所定のストール発進制御許可条件には、前記モータジェネレータの電源であるバッテリの残容量、前記バッテリの入力制限、前記バッテリの温度、前記モータジェネレータの温度、前記発進クラッチを含む動力伝達系の温度、前記エンジンの温度の少なくとも1つを含む
ことを特徴とするハイブリッド車両の発進制御方法。 - 請求項4または請求項5に記載のハイブリッド車両の発進制御方法において、
前記ストール発進制御許可条件が成立してからの経過時間が所定時間を越えた場合には、前記ストール発進制御を禁止する
ことを特徴とするハイブリッド車両の発進制御方法。 - 請求項4または請求項5に記載のハイブリッド車両の発進制御方法において、
前記ストール発進制御許可条件が成立後、前記加速操作が終了した際には前記ストール発進制御を禁止する
ことを特徴とするハイブリッド車両の発進制御方法。 - 請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の発進制御方法において、
前記ストール発進制御許可条件が満たされない場合であって、前記通常発進の操作が検出されない場合、前記目標回転数、前記伝達トルク、前記発電トルクの下限値を通常発進時の所定の値としつつ、前記発電トルクを前記加速操作が終了するまで前記下限値とする
ことを特徴とするハイブリッド車両の発進制御方法。 - 動力源としてのエンジンおよびモータジェネレータと、
前記動力源と駆動輪との間に設けられて、動力伝達を断接可能な発進クラッチと、
運転者による加速操作および制動操作を検出する検出装置と、
この検出装置の検出に基づいて、前記エンジン、前記モータジェネレータ、前記発進クラッチの作動を制御するコントローラと、
を備えたハイブリッド車両の発進制御装置において、
前記コントローラは、加速操作と制動操作とが同時に行われた停車状態から発進するストール発進操作が検出されたら、前記発進クラッチの伝達トルクと前記モータジェネレータの発電トルクとの少なくとも一方を、前記制動操作を伴わずに発進する通常発進時よりも大きくし、前記エンジンの目標回転数を、前記伝達トルクと前記発電トルクとに応じたエンジントルクが得られる回転数とする処理を実行する
ことを特徴とするハイブリッド車両の発進制御装置。
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