JP2008296815A - 鉄道車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷棚の組み付け作業が容易な鉄道車両を提供すること。
【解決手段】車体長手方向に沿って配置された腰掛11の上方に荷棚12を設けるようにした車内構造であって、少なくとも荷棚12の両端の位置に、起立した状態で車体に対し直接的又は間接的に固定された支持部材15,16を有し、荷棚12が、その支持部材15,16に対して連結され、車内に組み付けられるようにした鉄道車両1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、腰掛の上に配置された荷棚を側構体に固定することなく取り付けるようにした鉄道車両に関する。
在来線や地下鉄などの鉄道車両には、車体長手方向に沿ったロングシートの腰掛を配置し、その上に荷棚を設けるようにした車内構造のものがある。図6及び図7は、従来の腰掛及び荷棚の組み付けた鉄道車両を示した図であり、図6は腰掛及び荷棚の正面を、図7は腰掛及び荷棚の側面(図面右側は断面)を示している。鉄道車両100の側構体101には、側入口102,102の間に側窓103があり、車内に向けて腰掛104や荷棚106が配設されている。腰掛104は、側窓103の下側に設けられた側柱にボルト締めされ、荷棚106は、側窓103の上側に設けられた内骨にボルト締めされ、それぞれ側構体101に組み付けられている。更に、腰掛104には、その両端に袖仕切107が固定され、その袖仕切107と荷棚106、或いは腰掛104と荷棚106との間に握り棒(スタンションポール)108が連結されている。
特開2002−356162号公報
しかしながら、こうした従来の鉄道車両は、腰掛104と荷棚106を側構体101に対してそれぞれ別々に組み付ける必要があった。そのため、鉄道車両の組み立て工数が多くなるとともに、腰掛104と荷棚106は握り棒108によって連結されるので、腰掛104や荷棚106の正確な位置決めができていない場合には、握り棒108の接続がスムーズに行えなくなってしまう。従って、従来の鉄道車両は、腰掛104と荷棚106に関して組み立て工数が多く、その位置合わせも正確性が要求されるため容易な作業ではなかった。
よって、本発明は、かかる課題を解決すべく、荷棚の組み付け作業が容易な鉄道車両を提供することを目的とする。
本発明の鉄道車両は、車体長手方向に沿って配置された腰掛の上方に荷棚を設けるようにした車内構造において、少なくとも前記荷棚の両端の位置に、起立した状態で車体に対し直接的又は間接的に固定された支持部材を有し、前記荷棚は、その支持部材に対して連結され、車内に組み付けられるようにしたものであることを特徴とする。
また、本発明の鉄道車両は、前記腰掛が両端が袖仕切によって挟み込まれ、車体長手方向に沿って配置されたロングシートであり、前記支持部材は、その一方が袖仕切に固定され、他方が前記荷棚に連結されたものであることが好ましい。
また、本発明の鉄道車両は、前記腰掛が車体長手方向に沿って配置されたロングシートであり、前記支持部材は、前記腰掛の背部の支持構造に対して上方に突き出るように固定され、その支持部材に前記荷棚が接続され、前記腰掛と荷棚とが一体になった腰掛荷棚ユニットが構成されたものであることが好ましい。
また、本発明の鉄道車両は、前記腰掛荷棚ユニットが前記腰掛が形状や模様などによって1人分の座席スペースを所定数設けるようにしたものであって、前記支持部材が、隣り合う座席スペースの間に配置された連結棒であることが好ましい。
また、本発明の鉄道車両は、前記腰掛と荷棚とを連結した握り棒が前記支持部材として機能するようにしたものであることが好ましい。
また、本発明の鉄道車両は、前記腰掛が車体長手方向に沿って配置された複数のシートであり、前記複数のシートの前後には仕切板が車体に固定され、前記支持部材は、その仕切板に取り付けられて一方が床面側から起立するように固定され、他方が前記荷棚に連結されたものであることが好ましい。
よって、本発明の鉄道車両によれば、起立した状態で車体に対し、例えば車体の床面側に直接固定された支持部材や、袖仕切や仕切板を介して間接的に車体に固定された支持部材によって荷棚が車内に組み付けられるので、従来例のように直接側構体にネジ止めするようなことがないため、組み立て工数が減って作業が容易になる。また、腰掛荷棚ユニットを構成することにより、腰掛と荷棚との正確な位置決めの問題もなくなり、この点でも作業が容易になる。
次に、本発明に係る鉄道車両の一実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。図1は、腰掛及び荷棚を鉄道車両の長手方向断面を示した第1実施形態の図であり、図面左側は腰掛端部の側面を示し、図面右側は腰掛中央付近の断面を示している。また、図2は、その腰掛と荷棚を示した正面図である。なお、図1に示した腰掛及び荷棚は、図2の矢印A方向から見た図が図面左側に示されており、図2の矢印B方向から見た図が図面右側に示されている。
鉄道車両1には、側構体2に不図示の側入口や側窓3が形成され、車内に向けて腰掛11や荷棚12が配設されている。腰掛11は、車体長手方向に沿ったロングシートであり、荷棚12は、その上にあって腰掛11とほぼ同じ長さで形成されている。本実施形態では、この腰掛11と荷棚12が一体になるようにして組み付けられるよう構成されている。
腰掛11は、従来のものと同様に構成されたものであり、水平に突き出した座部21と、側構体2に沿って固定された背部22とからなり、その内部に設けられた不図示の骨組みによって側構体2に固定されている。そして、ロングシートの腰掛11は、その両端が側構体2の戸袋部分に固定された袖仕切13によって挟み込まれている。
一方、荷棚12は、図1に示すように、荷棚ブラケット31が車内中央側に突き出すようにしてほぼ水平に配置されている。荷棚ブラケット31は、腰掛11の長手方向に複数設けられ、いずれにも複数の貫通孔が形成され、その貫通孔を荷受け棒32(32a〜32d)が貫いて荷棚12が構成されている。本実施形態では、こうした荷棚12が、連結棒15や握り棒16(16a,16b)によって腰掛11や袖仕切13と連結され、車内に組み付けられるようになっている。
荷棚12の荷棚ブラケット31は、先端が「へ」の字に折れ曲がった形状をしており、複数ある荷受け棒32は、その折れ曲がり部分と、腰掛前後方向の前方側と後方側とに位置する荷受け棒32a,32b,32dの径が太く、それ以外の荷物が載せられる部分の荷受け棒32cは径が細くなっている。連結棒15は、荷棚12の両端に設けられ、図1に示すように袖仕切13に対して突き立てるようにして固定されている。そして、連結棒15の上端は、荷棚12の荷棚ブラケット31に対して横から突き当てられるように折り曲げられて固定されている。
一方、握り棒16は、腰掛11の両端や中央付近に設けられているが、これは座席スペース25の仕切としたり、腰掛11の周りで立っている乗客が掴めるようなものとして設けられている。腰掛11の両端にある握り棒16aは、下端が袖仕切13に固定され、上端が荷棚12の荷棚ブラケット31に対して横から突き当てるようにして固定されている。また、腰掛11の中央付近に設けられた握り棒16bは、上端が荷棚12の太い荷受け棒32aに突き当てられるようにブラケットなどで連結され、下端は腰掛11底面に金具26を介してネジ止めによって固定されている。
こうして本実施形態の鉄道車両では、荷棚12が、連結棒15や握り棒16によって腰掛11及び袖仕切13に連結して車内に組み付けられ、従来例のように直接側構体にネジ止めするようなことがないため、組み立て工数が減るとともに、腰掛11と荷棚12との正確な位置決めの問題もなくなって作業が容易になった。
次に、腰掛及び荷棚をユニット化した鉄道車両の第2実施形態について説明する。図3は、腰掛及び荷棚をユニット化した鉄道車両の長手方向断面を示した図であり、図面左側は腰掛端部の側面を示し、図面右側は腰掛中央付近の断面を示している。また、図2は、その腰掛と荷棚を一体にした腰掛荷棚ユニットを示した正面図である。第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明する。
本実施形態では、荷棚12が連結棒15(15a,15b)や握り棒16(16a,16b)によって腰掛11と連結されて一体になった腰掛荷棚ユニット10が構成されている。そこで、連結棒15は、腰掛11を構成する不図示の骨組みに対し、ボルト締めや溶接によってほぼ垂直に起立するように固定され、腰掛11の長手方向に複数設けられている。そのうち、腰掛11両端の連結棒15aは、荷棚12の荷棚ブラケット31に対して横から突き当てられるようにして固定されている。それ以外の連結棒15bは荷棚12の太い荷受け棒32dに突き当てられ、ブラケットなどによって連結されている。
ところで、鉄道車両には、ロングシートである腰掛11になるべく多くの人が座れるようにする工夫がされている。腰掛11には、隣同士の乗客が広く隙間を空けずに整然と座るように、形状や模様などによって1人分の座席スペース25が指定され、握り棒16は、その座席スペース25へ座りやすくするように、ロングシートである腰掛11を図示するように区切っている。本実施形態では更に、そうした隣り合う座席スペース25の間に連結棒15bが設けられ、例えば座席スペース25を2座席分空けて連結棒15bを配置した構成になっている。
こうすることにより、乗客は、連結棒15bを邪魔に感じないように、連結棒15bを背にしないように座席スペース25の位置に座ると考えられる。そのため、荷棚12を支持する連結棒15が、腰掛11に座る隣同士の乗客が隙間を空けずに詰めるようになることが期待できる。ただし、必ずしもこうした座席スペース25の間に配置にする必要はなく、また、この連結棒15は、荷棚12を支持するためのものであるため、剛性が十分である場合には、前記第1実施形態のように腰掛11の両端だけに設けるものであってもよく、数や位置に制限はない。
握り棒16は、前述したように、腰掛11を区切るものの他、腰掛11の周りで立っている乗客が掴めるようなものとして設けられている。そうした握り棒16は、腰掛11の両端や中央付近に設けられている。腰掛11の両端にある握り棒16aは、荷棚12の荷棚ブラケット31に対して横から突き当てるようにして固定され、下端は袖仕切13に対してネジ止めなどによって固定されている。また、腰掛11の中央付近に設けられた握り棒16bは、上端が荷棚12の太い荷受け棒32aに突き当てられるようにブラケットなどで連結され、下端は腰掛11底面に金具26を介してネジ止め固定されている。
従って、本実施形態の鉄道車両では、腰掛11と荷棚12とが連結棒15と握り棒16によって連結され、一体の腰掛荷棚ユニット10として構成されている。従来の鉄道車両では、腰掛と荷棚をそれぞれ組み立てて、それを車内に持ち込んで別々に組み付けていたが、本実施形態では、腰掛荷棚ユニット10を車外で組み立てて、しかも腰掛11側だけを車体に対して組み付けるだけでよいため、組み付け作業が容易になった。また、組み付け作業後に握り棒16を連結する必要がないため、その点でも作業が容易になった。ただし、腰掛荷棚ユニット10としては、連結棒15のみで腰掛11と荷棚12を一体に構成し、握り棒16は後から取り付けるようにしたものであってもよい。
次に、鉄道車両の第3実施形態について説明する。本実施形態の鉄道車両は、二人又は三人掛けのシートを車両進行方向に複数並べて構成されたものであり、図5は、その腰掛と荷棚を示した図である。
鉄道車両には、側構体に側入口や側窓が形成され、図示するようにシート41が車両長手方向に並べて床面42側に固定されている。そして、隣り合う側入口の間に荷棚12が設けられている。この荷棚12は、第1実施形態で説明したものと同じ構造のものである。そして、側入口の間に配置された複数のシート41を挟むように仕切板43が設けられ、荷棚12は、この仕切板43から突き出した2本の連結棒45に取り付けられている。
すなわち、仕切板43は、図示するようなシート41の前方や、不図示のシート後方に配置され、側構体の戸袋部分に固定されている。そして、2本の連結棒45が仕切板43に取り付けられて床面42側に固定され、荷棚12の両端に設けられている。そこで、2本の連結棒45は、その上端が荷棚12の荷棚ブラケット31(例えば、図1の荷受け棒32a,32dに対応する位置)に対して横から突き当てられるように折り曲げられて固定されている。
よって、本実施形態の鉄道車両では、荷棚12が、連結棒45によって支持される形で車内に組み付けられ、従来例のように直接側構体にネジ止めするようなことがないため、組み立て工数が減るとともに、腰掛11と荷棚12との正確な位置決めの問題もなくなって作業が容易になった。
本発明に係る鉄道車両は、前記実施形態のものに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、腰掛11を側構体2に対して固定することによって腰掛荷棚ユニット10を車体に組み付けるようにしたが、荷棚12を支持する連結棒45の剛性を高めるため、腰掛11の両端に位置する連結棒45aを戸袋内の内骨に固定するようにしてもよい。
また、前記実施形態の腰掛荷棚ユニット10では、連結棒45の他に握り棒16によっても腰掛11と荷棚12を連結しているが、連結棒45だけで剛性が保てるのであれば必ずしも握り棒16は必要ではない。荷棚12に対する連結棒45の接続構造に関しては、前記実施形態のように荷受け棒32dに突き当てるようにして固定する他、連結棒45と荷棚12との間に斜材などを設けるようにしてもよい。
第1実施形態の鉄道車両について、ロングシートの腰掛及び荷棚を車体長手方向に見た図である。 第1実施形態の鉄道車両について、ロングシートの腰掛及び荷棚を正面から見た図である。 第2実施形態の鉄道車両について、ロングシートの腰掛及び荷棚を車体長手方向に見た図である。 第2実施形態の鉄道車両について、ロングシートの腰掛及び荷棚を正面から見た図である。 第3実施形態の鉄道車両について、長手方向に複数設けられた腰掛及び荷棚を示した図である。 従来の腰掛及び荷棚の組み付け構造をもった鉄道車両を示した図であり、腰掛及び荷棚の正面を示している。 従来の腰掛及び荷棚の組み付け構造をもった鉄道車両を示した図であり、腰掛及び荷棚の側面(図面右側は断面)を示している。
符号の説明
1 鉄道車両
2 側構体
10 腰掛荷棚ユニット
11 腰掛
12 荷棚
13 袖仕切
15 連結棒
16 握り棒
21 座部
22 背部
31 荷棚ブラケット
32 荷受け棒

Claims (6)

  1. 車体長手方向に沿って配置された腰掛の上方に荷棚を設けるようにした車内構造の鉄道車両において、
    少なくとも前記荷棚の両端の位置に、起立した状態で車体に対し直接的又は間接的に固定された支持部材を有し、前記荷棚は、その支持部材に対して連結され、車内に組み付けられるようにしたものであることを特徴とする鉄道車両。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両において、
    前記腰掛は、両端が袖仕切によって挟み込まれ、車体長手方向に沿って配置されたロングシートであり、前記支持部材は、その一方が袖仕切に固定され、他方が前記荷棚に連結されたものであることを特徴とする鉄道車両。
  3. 請求項1に記載の鉄道車両において、
    前記腰掛は、車体長手方向に沿って配置されたロングシートであり、
    前記支持部材は、前記腰掛の背部の支持構造に対して上方に突き出るように固定され、
    その支持部材に前記荷棚が接続され、前記腰掛と荷棚とが一体になった腰掛荷棚ユニットが構成されたものであることを特徴とする鉄道車両。
  4. 請求項3に記載の鉄道車両において、
    前記腰掛荷棚ユニットは、前記腰掛が形状や模様などによって1人分の座席スペースを所定数設けるようにしたものであって、前記支持部材が、隣り合う座席スペースの間に配置された連結棒であることを特徴とする鉄道車両。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の鉄道車両において、
    前記腰掛と荷棚とを連結した握り棒が前記支持部材として機能するようにしたものであることを特徴とする鉄道車両。
  6. 請求項1に記載の鉄道車両において、
    前記腰掛は、車体長手方向に沿って配置された複数のシートであり、
    前記複数のシートの前後には仕切板が車体に固定され、
    前記支持部材は、その仕切板に取り付けられて一方が床面側から起立するように固定され、他方が前記荷棚に連結されたものであることを特徴とする鉄道車両。
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