JP2008292083A - 冷媒蒸発器 - Google Patents

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Abstract

【課題】コルゲートフィン20の表面に結露により生じた凝縮水Gを送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収する。
【解決手段】コルゲートフィン20Aは、蒸発器1の送風空気の流れ方向における平板部202の下流側端部202aが、折り返し部201と扁平チューブ10の側壁とのろう付け接合部よりも、更に下流方向に突出しており、この下流側端部202aにおいて、上下方向に隣り合う2つの平板部202の間に位置する折り返し部201を、隣り合う扁平チューブ10の下流側端部に沿って切り起こした切起し部204を形成している。
これによれば、折り返し部201に集まってきた凝縮水Gは、従来のように折り返し部201が壁となることなく、切起し部204から扁平チューブ10の風下側端部の外面へとスムーズに伝って流れ落ちるため、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、上下方向に延び、かつ水平方向に所定の間隔で配列されている扁平チューブの間にコルゲートフィンを接合した冷媒蒸発器に関するものである。
従来、自動車などの空調装置には、冷房用に空気を冷却する冷媒蒸発器(エバポレータ)として、上下方向に延び、かつ水平方向に所定の間隔で配列されている扁平チューブの間にコルゲートフィンを接合した熱交換器が使用されている。図10は、従来のコルゲートフィン20Eを示す斜視図である。コルゲートフィン20Eは、アルミニウムなどの金属の薄帯板を蛇行状に曲げて形成されており、角丸コの字状の折り返し部201と、その折り返し部201間をつなぐ平板部202とからなっている。平板部202には、切り起こしによるルーバー203が列状に形成されている。
図11は、図10のコルゲートフィン20Eを組み込んだ従来のコア部2の部分斜視図である。アルミニウムなどより成り、冷媒通路を内部に有する複数の扁平チューブ10が、上下方向に延び、かつ水平方向に所定の間隔で配列されている。なお本例では、送風方向に対して上流側のチューブ列10bと下流側のチューブ列10aとの2列から構成されている。
図12は、図11中のXII部の拡大図であり、図13は、図12中の矢印XIII方向から見たコア部2の部分平面図、図14は、図12中の矢印XIV方向から見たコア部2の部分正面図ある。各扁平チューブ10の間には、先のコルゲートフィン20Eがそれぞれ介在され、折り返し部201の外周面と扁平チューブ10の扁平面とが接合されている。この熱交換器の表面で気流中の水分により結露して生じた凝縮水Gは、熱交換効率が悪化したり水飛びとなったりするのを防止するため、迅速に下方へ流下させて排出させることが重要である。
このため、下記特許文献1では、コルゲートフィンの平板部や折り返し部に排水用の孔やスリットを設けるとともに、その孔やスリットに細線を挿通したものが提案されている。また、下記特許文献2では、コルゲートフィンに設けたルーバー群の間の平板部や折り返し部に排水用の開口を設けたものが提案されている。また、下記特許文献3では、コルゲートフィンの湾曲部に、上下に貫通する排水用のスリットを形成したものが提案されている。
実開昭61−128578号公報 実開昭62−34675号公報 特開2006−105415号公報
図15の(a)〜(c)は、凝縮水Gが落ちてゆく様子を示すコア部2の部分拡大図であり、図16は、図15(b)中のXVI視である。冷媒蒸発器のコア部2内に発生した凝縮水Gは、コルゲートフィン20Eのルーバー203を抜け落ちながら、コルゲートフィン20Eの折り返し部201の中や、その上下の空間を通路としてコア部2の風下側端面に集まって行く。そして、コア部2の風下側端面に集まった凝縮水Gは、図15(a)に示すように、扁平チューブ10の表面を伝って下へ落ちるか、コルゲートフィン20Eの下流側端部202a(図13参照)をまわって下の折り返し部201へと落ちるかとなる。
図15(b)の折り返し部201へと落ちた凝縮水Gは、この折り返し部201を集まってきた凝縮水Gと合わさって大きな水滴となるが、折り返し部201が壁となって扁平チューブ10の表面へは伝い難いため、更にコルゲートフィン20Eの下流側端部をまわって下の折り返し部201へと落ちるか、もしくは図16に示すように、送風に押し出されてコア部2の風下側への水飛びとなり易い。
また、折り返し部201から落ちた凝縮水Gは、図15(c)に示すように、この空間を集まってきた凝縮水Gと合わさって一瞬大きな水滴となり、扁平チューブ10の表面を伝って下へ落ちるか、コルゲートフィン20Eの下流側端部をまわって更に下の折り返し部201へと落ちるかを繰り返して下方へ流れ落ちて行くこととなる。
このように、凝縮水Gが流れ落ちて行く中で、特に、風量が小から大へ変化した際は、凝縮水Gがコア部2の下方へ流れ落ちる前に、送風によって押し出されてコア部2の風下側への水飛びとなり易い。このように、凝縮水Gがコア部2から飛び出すと、図示しない空調ケースから車室内へ水洩れしたり、図示しないヒータコアへ水が付着して車両前面窓ガラスに曇りが発生したりするなどの問題点がある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、コルゲートフィンの表面に結露により生じた凝縮水を、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収することのできる冷媒蒸発器を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、冷媒通路を有し、水平方向に所定の間隔で配列され、かつ上下方向に延びる複数の扁平なチューブ(10)と、複数のチューブ(10)の隣り合う2つのチューブ(10)間に配設され、かつ波状に形成されたフィン(20)とから構成される冷媒蒸発器(1)において、
フィン(20)は、水平方向に延びる平板部(202)と、蒸発器(1)の幅方向における平板部(202)の端部に連続的に形成される折り返し部(201)とを有し、折り返し部(201)は、チューブ(10)の側壁にろう付け接合されており、蒸発器(1)の送風空気の流れ方向における平板部(202)の下流側端部(202a)が、折り返し部(201)とチューブ(10)の側壁とのろう付け接合部よりも、更に下流方向に突出しており、下流方向に突出している平板部(202)の下流側端部(202a)において、上下方向に隣り合う2つの平板部(202)の間に位置する折り返し部(201)を、隣り合うチューブ(10)の下流側端部に沿って切り起こした切起し部(204)を形成したことを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、折り返し部(201)に集まってきた凝縮水(G)は、従来のように折り返し部(201)が壁となることなく、切起し部(204)から扁平チューブ(10)の風下側端部の外面へとスムーズに伝って流れ落ちるため、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収することができる。
また、請求項2に記載の発明では、冷媒通路を有し、水平方向に所定の間隔で配列され、かつ上下方向に延びる複数の扁平なチューブ(10)と、複数のチューブ(10)の隣り合う2つのチューブ(10)間に配設され、かつ波状に形成されたフィン(20)とから構成される冷媒蒸発器(1)において、
フィン(20)は、水平方向に延びる平板部(202)と、蒸発器(1)の幅方向における平板部(202)の端部に連続的に形成される折り返し部(201)とを有し、折り返し部(201)は、チューブ(10)の側壁にろう付け接合されており、蒸発器(1)の送風空気の流れ方向における平板部(202)の下流側端部(202a)が、折り返し部(201)とチューブ(10)の側壁とのろう付け接合部まで延びており、蒸発器(1)の送風空気の流れ方向における折り返し部(201)の下流側端部には、その端部から更に下流方向に延出する延出部(205)が形成され、延出部(205)が、チューブ(10)の下流側端部に沿って、チューブ(10)側に折り曲げられていることを特徴としている。
この請求項2に記載の発明によれば、折り返し部(201)に集まってきた凝縮水(G)は、従来のように折り返し部(201)が壁となることなく、延出部(205)からチューブ(10)の風下側端部の外面へとスムーズに伝って流れ落ちるため、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収することができる。
また、請求項3に記載の発明では、冷媒通路を有し、水平方向に所定の間隔で配列され、かつ上下方向に延びる複数の扁平なチューブ(10)と、複数のチューブ(10)の隣り合う2つのチューブ(10)間に配設され、かつ波状に形成されたフィン(20)とから構成される冷媒蒸発器(1)において、
フィン(20)は、水平方向に延びる平板部(202)と、蒸発器(1)の幅方向における平板部(202)の端部に連続的に形成される折り返し部(201)とを有し、折り返し部(201)は、チューブ(10)の側壁にろう付け接合されており、蒸発器(1)の送風空気の流れ方向における平板部(202)の下流側端部(202a)が、折り返し部(201)とチューブ(10)の側壁とのろう付け接合部よりも、更に下流方向に突出しており、下流方向に突出している平板部(202)の下流側端部(202a)において、上下方向に隣り合う2つの平板部(202)の間に位置する折り返し部(201)を、切り取った切欠き部(206)を形成したことを特徴としている。
この請求項3に記載の発明によれば、折り返し部(201)に集まってきた凝縮水(G)は、従来のように折り返し部(201)が壁となることなく、切欠き部(206)からチューブ(10)の風下側端部の外面へとスムーズに伝って流れ落ちるため、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収することができる。
また、請求項4に記載の発明では、冷媒通路を有し、水平方向に所定の間隔で配列され、かつ上下方向に延びる複数の扁平なチューブ(10)と、複数のチューブ(10)の隣り合う2つのチューブ(10)間に配設され、かつ波状に形成されたフィン(20)とから構成される冷媒蒸発器(1)において、
フィン(20)は、水平方向に延びる平板部(202)と、蒸発器(1)の幅方向における平板部(202)の端部に連続的に形成される折り返し部(201)とを有し、折り返し部(201)は、チューブ(10)の側壁にろう付け接合されており、蒸発器(1)の送風空気の流れ方向における平板部(202)の下流側端部(202a)が、折り返し部(201)とチューブ(10)の側壁とのろう付け接合部まで延びていることを特徴としている。
この請求項4に記載の発明によれば、折り返し部(201)に集まってきた凝縮水(G)は、従来のように、折り返し部(201)とチューブ(10)の側壁とのろう付け接合部よりも更に下流方向に突出した折り返し部(201)が壁となることなく、このろう付け接合部と位置を合わせた折り返し部(201)の後端からチューブ(10)の風下側端部の外面へとスムーズに伝って流れ落ちるため、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収することができる。なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、添付した図1〜6を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る冷媒蒸発器(以下、蒸発器と略す)1の一例を示す斜視図、図2は、本発明の第1実施形態におけるコルゲートフィン20Aを示す斜視図、図3は、図2のコルゲートフィン20Aを組み込んだコア部2の部分斜視図、図4は、図3中のIV部の拡大図、図5は、図4中の矢印V方向から見たコア部2の部分平面図、図6は、図4中の矢印VI方向から見たコア部2の部分正面図である。
蒸発器1は、図示しない冷凍サイクル中に配設されるものであり、圧縮機で高温高圧に圧縮され、放熱器で放熱冷却され、減圧装置で低温低圧に減圧された後の冷媒を蒸発させる熱交換器である。本実施形態の蒸発器1は、図1に示すように、主にコア部2、上側タンク部3、下側タンク部4などより成り、各構成部材間が相互にろう付け接合されている。
コア部2は、図3にも示すように、複数の扁平チューブ10と複数のコルゲートフィン20Aとを交互に積層して構成されている。また、その積層方向の両側最外方となるコルゲートフィン20Aの外方に、サイドプレート25が配設されている。なお、扁平チューブ10の長手方向に沿って、コア部2の内部流体である冷媒が流れることになるが、この冷媒の流れ方向を蒸発器1の長手方向、コア部2における通風方向を蒸発器1の厚さ方向、そしてこの長手方向および厚さ方向とそれぞれ直交する方向(積層方向)を蒸発器1の幅方向とすると、蒸発器1はその長手方向を上下方向として車両に配置されている。
扁平チューブ10は、薄肉(例えば、厚さ0.2mm)のアルミニウム製帯状板材を折り曲げ加工することによって形成された管部材であり、長手方向(冷媒流通方向)に直交する横断面が扁平状に形成されている。なお、扁平チューブ10は、アルミニウム材の押し出し成形にて、長手方向に延びる複数の冷媒通路を一体に形成したもの(図3参照)であっても良い。または、アルミニウム製の金属薄板二枚を、最中合わせ状に接合して形成したものであっても良い。
コルゲートフィン20Aは、両面に予めろう材がクラッドされた薄肉のアルミニウム製帯板材を、蛇行状(波状)にローラ加工したコルゲート型のフィンである。コルゲートフィン20Aは、図2に示すように、角丸コの字状の折り返し部201と、その折り返し部201間をつなぐ平板部202とから成り、平板部202には熱交換効率を高めるための複数のルーバー203(図2参照)が切り起こして形成されている。
また、コルゲートフィン20Aは、折り返し部201の外周面において、扁平チューブ10の扁平面にろう付け接合されている。そして、空気流れ下流側端部において、各折り返し部201から切り起こした切起し部204を形成しており(図2参照)、この切起し部204は扁平チューブ10の風下側端部の外面に沿うようになっている(図3、図4参照)。
サイドプレート25は、コア部2における補強部材を成すものであり、ろう材がクラッドされていないベア材からなるアルミニウム製平板材を、プレス加工することにより成形されている。サイドプレート25の長手方向の両端部は、平板状に形成されている。また、その中央部分は、扁平チューブ10およびコルゲートフィン20Aの積層方向外方に開口するコの字状断面となるように形成されている。サイドプレート25は、コルゲートフィン20Aにろう付けされている。
上側タンク部3は、扁平チューブ10の長手方向に2分割された反扁平チューブ側のヘッダタンク31と、扁平チューブ側のヘッダプレート32とから形成されている。ヘッダタンク31およびヘッダプレート32は、それぞれ半円形状、あるいは矩形形状の断面形状を有しており、アルミニウム製平板材(例えば、板厚1.0mmの平板材)をプレス加工して成形されている。
ヘッダタンク31の両面およびヘッダプレート32の内側面には、予めろう材がクラッドされている。そして、ヘッダタンク31とヘッダプレート32とが、互いに嵌合してろう付けされ、送風空気の流れ方向(蒸発器1の厚さ方向)に2つの内部空間が並ぶ筒状体を形成している。そして、上側タンク部3の長手方向端部の開口部には、アルミニウム製平板材をプレス加工により成形したキャップ33がろう付けされ、この開口部を閉塞するようにしている。
さらに、上側タンク部3の略中央部には、それぞれの内部空間を上側タンク部3の長手方向(蒸発器1の幅方向)に分割する2つのセパレータ34がろう付けされている。また、セパレータ34よりも右側の上側タンク部3の領域においては、送風空気の流れ方向に配列されている上側タンク部3の2つの内部空間が、図示しない複数の連通路により互いに連通するようになっている。
下側タンク部4は、上記の上側タンク部3と類似の構造を有するものであり、ヘッダタンク41とヘッダプレート42とにより構成された筒状体を形成している。そして、その長手方向の両端の開口部には、キャップ43が設けられている。ただし、上側タンク部3とは異なり、セパレータ34と連通路に相当する構成は、設けられていない。
上下タンク部3、4におけるコア部2側の壁面(ヘッダプレート32、42の壁面)には、図示しない扁平チューブ挿入口と図示しないサイドプレート挿入口とが、扁平チューブ10およびサイドプレート25のピッチと同一ピッチで長手方向に設けられている。各扁平チューブ10の長手方向端部およびサイドプレート25の長手方向端部が、それぞれの挿入口に挿入されてろう付けされている。これにより、扁平チューブ10は上下タンク部3、4の内部空間に連通し、また、サイドプレート25の長手方向端部は上下タンク部3、4に支持固定されている。
なお、上側タンク部3の図1における左側端部には、冷媒が流入する流入口51および冷媒が流出する流出口52が設けられた接続ブロック(冷媒流出入部)5が、ろう付けされている。流入口51は上側タンク部3の内部空間のうち、図1中のTa部内と連通しており、流出口52は図1中のTb部内と連通している。
図3に示すように、扁平チューブ10は、上下タンク部3、4の配列に対応して、外部流体である送風空気流れにおいて、上流側の扁平チューブ列10bと下流側の扁平チューブ列10aが2列に並ぶように配列されている。このように形成された蒸発器1において、冷媒が流入口51から上側タンク部3のTa部内に流入した後、送風空気流れ下流側の扁平チューブ列10a内を、上下にUターンして流れ、上側タンク部3の図1の右側領域に戻る。冷媒は、この下流側の上側タンク部3(右タンク部)から、上流側の上側タンク部3(右タンク部)に流れ、送風空気流れ上流側の扁平チューブ列10b内を通って、同様に上下にUターンして、上側タンク部3(左タンク部Tb)に戻る。そして、この冷媒は最終的に流出口52から流出する。
この間に蒸発器1は、冷媒を蒸発させてその蒸発潜熱により送風空気を冷却する。そして、蒸発器1の表面で送風空気中の水分が結露して生じた凝縮水Gは、図4に矢印で示す如く、コルゲートフィン20Aに設けた切起し部204から扁平チューブ10の風下側端部の外面へとスムーズに伝って、迅速に下方へ流れ落ちるため、コルゲートフィン20Aに付着している滞留時間が短縮され、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収されるようになっている。
次に、本実施形態での特徴と、その効果について述べる。コルゲートフィン20Aは、水平方向に延びる平板部202と、蒸発器1の幅方向における平板部202の端部に連続的に形成される折り返し部201とを有し、折り返し部201は、扁平チューブ10の側壁にろう付け接合されている。
そして、蒸発器1の送風空気の流れ方向における平板部202の下流側端部202aが、折り返し部201と扁平チューブ10の側壁とのろう付け接合部よりも、更に下流方向に突出している。この下流方向に突出している平板部202の下流側端部202aにおいて、上下方向に隣り合う2つの平板部202の間に位置する折り返し部201を、隣り合う扁平チューブ10の下流側端部に沿って切り起こした切起し部204を形成している。
これによれば、折り返し部201に集まってきた凝縮水Gは、従来のように折り返し部201が壁となることなく、切起し部204から扁平チューブ10の風下側端部の外面へとスムーズに伝って流れ落ちるため、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収することができる。
なお、本実施形態の、上下方向に隣り合う2つの平板部202の間に位置する折り返し部201に、隣り合う扁平チューブ10の下流側端部に沿って切り起こした切起し部204は、上流側の扁平チューブ列10bの下流側端部に適用しても良い。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。図7は、本発明の第2実施形態におけるコルゲートフィン20Bを組み込んだコア部2の部分平面図ある。なお、以降の各実施形態においては、前述した実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。本実施形態でコルゲートフィン20Bは、水平方向に延びる平板部202と、蒸発器1の幅方向における平板部202の端部に連続的に形成される折り返し部201とを有し、折り返し部201は、扁平チューブ10の側壁にろう付け接合されている。
そして、蒸発器1の送風空気の流れ方向における平板部202の下流側端部202aが、折り返し部201と扁平チューブ10の側壁とのろう付け接合部まで延びており、蒸発器1の送風空気の流れ方向における折り返し部201の下流側端部には、その端部から更に下流方向に延出する延出部205が形成されている。
この延出部205が、扁平チューブ10の下流側端部に沿って、扁平チューブ10側に折り曲げられている。 これによれば、折り返し部201に集まってきた凝縮水Gは、従来のように折り返し部201が壁となることなく、延出部205から扁平チューブ10の風下側端部の外面へとスムーズに伝って流れ落ちるため、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。図8は、本発明の第3実施形態におけるコルゲートフィン20Cを組み込んだコア部2の部分平面図ある。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。本実施形態でコルゲートフィン20Cは、水平方向に延びる平板部202と、蒸発器1の幅方向における平板部202の端部に連続的に形成される折り返し部201とを有し、折り返し部201は、扁平チューブ10の側壁にろう付け接合されている。
そして、蒸発器1の送風空気の流れ方向における平板部202の下流側端部202aが、折り返し部201と扁平チューブ10の側壁とのろう付け接合部よりも、更に下流方向に突出している。この下流方向に突出している平板部202の下流側端部202aにおいて、上下方向に隣り合う2つの平板部202の間に位置する折り返し部201を、切り取った切欠き部206を形成している。
これによれば、折り返し部201に集まってきた凝縮水Gは、従来のように折り返し部201が壁となることなく、切欠き部206から扁平チューブ10の風下側端部の外面へとスムーズに伝って流れ落ちるため、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収することができる。
なお、本実施形態の、下流方向に突出している平板部202の下流側端部202aにおいて、上下方向に隣り合う2つの平板部202の間に位置する折り返し部201を切り取った切欠き部206は、上流側の扁平チューブ列10bの下流側端部に適用しても良い。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。図9は、本発明の第4実施形態におけるコルゲートフィン20Dを組み込んだコア部2の部分平面図ある。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。本実施形態でコルゲートフィン20Dは、水平方向に延びる平板部202と、蒸発器1の幅方向における平板部202の端部に連続的に形成される折り返し部201とを有し、折り返し部201は、扁平チューブ10の側壁にろう付け接合されている。
そして、蒸発器1の送風空気の流れ方向における平板部202の下流側端部202aが、折り返し部201と扁平チューブ10の側壁とのろう付け接合部まで延びている。これによれば、折り返し部201に集まってきた凝縮水Gは、従来のように、折り返し部201と扁平チューブ10の側壁とのろう付け接合部よりも更に下流方向に突出した折り返し部201が壁となることなく、このろう付け接合部と位置を合わせた折り返し部201の後端から扁平チューブ10の風下側端部の外面へとスムーズに伝って流れ落ちるため、送風によって飛散させることなく、良好にドレイン回収することができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、上下にタンク部3、4を有し、チューブとフィンを交互に積層させるタイプの冷媒蒸発器に本発明を摘要しているが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、扁平チューブを上下方向に蛇行させる、いわゆるサーペンタインタイプの冷媒蒸発器に摘要しても良い。また、ルーバーを切り起こさないフラットフィンで有っても良い。また、上述の実施形態では、空調装置などの冷媒蒸発器に摘要したが、その他の用途の冷媒蒸発器に摘要しても良い。
本発明の実施形態に係る冷媒蒸発器1の一例を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるコルゲートフィン20Aを示す斜視図である。 図2のコルゲートフィン20Aを組み込んだコア部2の部分斜視図である。 図3中のIV部の拡大図である。 図4中の矢印V方向から見たコア部2の部分平面図である。 図4中の矢印VI方向から見たコア部2の部分正面図である。 本発明の第2実施形態におけるコルゲートフィン20Bを組み込んだコア部2の部分平面図ある。 本発明の第3実施形態におけるコルゲートフィン20Cを組み込んだコア部2の部分平面図ある。 本発明の第4実施形態におけるコルゲートフィン20Dを組み込んだコア部2の部分平面図ある。 従来のコルゲートフィン20Eを示す斜視図である。 図10のコルゲートフィン20Eを組み込んだ従来のコア部2の部分斜視図である。 図11中のXII部の拡大図である。 図12中の矢印XIII方向から見たコア部2の部分平面図ある。 図12中の矢印XIV方向から見たコア部2の部分正面図ある。 (a)〜(c)は、凝縮水Gが落ちてゆく様子を示すコア部2の部分拡大図である。 図15(b)中のXVI視である。
符号の説明
1…冷媒蒸発器
10…扁平チューブ(チューブ)
20…コルゲートフィン(フィン)
201…折り曲げ部
202…平板部
202a…下流側端部
204…切起し部
205…延出部
206…切欠き部

Claims (4)

  1. 冷媒通路を有し、水平方向に所定の間隔で配列され、かつ上下方向に延びる複数の扁平なチューブ(10)と、
    前記複数のチューブ(10)の隣り合う2つのチューブ(10)間に配設され、かつ波状に形成されたフィン(20)とから構成される冷媒蒸発器(1)において、
    前記フィン(20)は、水平方向に延びる平板部(202)と、前記蒸発器(1)の幅方向における前記平板部(202)の端部に連続的に形成される折り返し部(201)とを有し、
    前記折り返し部(201)は、前記チューブ(10)の側壁にろう付け接合されており、
    前記蒸発器(1)の送風空気の流れ方向における前記平板部(202)の下流側端部(202a)が、前記折り返し部(201)と前記チューブ(10)の側壁とのろう付け接合部よりも、更に下流方向に突出しており、
    下流方向に突出している前記平板部(202)の下流側端部(202a)において、上下方向に隣り合う2つの平板部(202)の間に位置する折り返し部(201)を、隣り合う前記チューブ(10)の下流側端部に沿って切り起こした切起し部(204)を形成したことを特徴とする冷媒蒸発器。
  2. 冷媒通路を有し、水平方向に所定の間隔で配列され、かつ上下方向に延びる複数の扁平なチューブ(10)と、
    前記複数のチューブ(10)の隣り合う2つのチューブ(10)間に配設され、かつ波状に形成されたフィン(20)とから構成される冷媒蒸発器(1)において、
    前記フィン(20)は、水平方向に延びる平板部(202)と、前記蒸発器(1)の幅方向における前記平板部(202)の端部に連続的に形成される折り返し部(201)とを有し、
    前記折り返し部(201)は、前記チューブ(10)の側壁にろう付け接合されており、
    前記蒸発器(1)の送風空気の流れ方向における前記平板部(202)の下流側端部(202a)が、前記折り返し部(201)と前記チューブ(10)の側壁とのろう付け接合部まで延びており、
    前記蒸発器(1)の送風空気の流れ方向における前記折り返し部(201)の下流側端部には、その端部から更に下流方向に延出する延出部(205)が形成され、
    前記延出部(205)が、前記チューブ(10)の下流側端部に沿って、前記チューブ(10)側に折り曲げられていることを特徴とする冷媒蒸発器。
  3. 冷媒通路を有し、水平方向に所定の間隔で配列され、かつ上下方向に延びる複数の扁平なチューブ(10)と、
    前記複数のチューブ(10)の隣り合う2つのチューブ(10)間に配設され、かつ波状に形成されたフィン(20)とから構成される冷媒蒸発器(1)において、
    前記フィン(20)は、水平方向に延びる平板部(202)と、前記蒸発器(1)の幅方向における前記平板部(202)の端部に連続的に形成される折り返し部(201)とを有し、
    前記折り返し部(201)は、前記チューブ(10)の側壁にろう付け接合されており、
    前記蒸発器(1)の送風空気の流れ方向における前記平板部(202)の下流側端部(202a)が、前記折り返し部(201)と前記チューブ(10)の側壁とのろう付け接合部よりも、更に下流方向に突出しており、
    下流方向に突出している前記平板部(202)の下流側端部(202a)において、上下方向に隣り合う2つの平板部(202)の間に位置する折り返し部(201)を、切り取った切欠き部(206)を形成したことを特徴とする冷媒蒸発器。
  4. 冷媒通路を有し、水平方向に所定の間隔で配列され、かつ上下方向に延びる複数の扁平なチューブ(10)と、
    前記複数のチューブ(10)の隣り合う2つのチューブ(10)間に配設され、かつ波状に形成されたフィン(20)とから構成される冷媒蒸発器(1)において、
    前記フィン(20)は、水平方向に延びる平板部(202)と、前記蒸発器(1)の幅方向における前記平板部(202)の端部に連続的に形成される折り返し部(201)とを有し、
    前記折り返し部(201)は、前記チューブ(10)の側壁にろう付け接合されており、
    前記蒸発器(1)の送風空気の流れ方向における前記平板部(202)の下流側端部(202a)が、前記折り返し部(201)と前記チューブ(10)の側壁とのろう付け接合部まで延びていることを特徴とする冷媒蒸発器。
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