以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。実施形態1の熱交換器(30)は、後述する空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成している。
−空気調和機−
本実施形態の熱交換器(30)を備えた空気調和機(10)について、図1を参照しながら説明する。
〈空気調和機の構成〉
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)及び室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)及びガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されている。空気調和機(10)では、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、液側連絡配管(13)、及びガス側連絡配管(14)によって、冷媒回路(20)が形成されている。
冷媒回路(20)には、圧縮機(21)と、四方切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが設けられている。圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)、及び膨張弁(24)は、室外ユニット(11)に収容されている。室外ユニット(11)には、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給するための室外ファン(15)が設けられている。一方、室内熱交換器(25)は、室内ユニット(12)に収容されている。室内ユニット(12)には、室内熱交換器(25)へ室内空気を供給するための室内ファン(16)が設けられている。
冷媒回路(20)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(20)において、圧縮機(21)は、その吐出側が四方切換弁(22)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(22)の第2のポートに、それぞれ接続されている。また、冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが配置されている。
圧縮機(21)は、スクロール型またはロータリ型の全密閉型圧縮機である。四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に破線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に実線で示す状態)とに切り換わる。膨張弁(24)は、いわゆる電子膨張弁である。
室外熱交換器(23)は、室外空気を冷媒と熱交換させる。室外熱交換器(23)は、本実施形態の熱交換器(30)によって構成されている。一方、室内熱交換器(25)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。室内熱交換器(25)は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
〈冷房運転〉
空気調和機(10)は、冷房運転を行う。冷房運転中には、四方切換弁(22)が第1状態に設定される。また、冷房運転中には、室外ファン(15)及び室内ファン(16)が運転される。
冷媒回路(20)では、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四方切換弁(22)を通って室外熱交換器(23)へ流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(23)から流出した冷媒は、膨張弁(24)を通過する際に膨張してから室内熱交換器(25)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(25)から流出した冷媒は、四方切換弁(22)を通過後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。室内ユニット(12)は、室内熱交換器(25)において冷却された空気を室内へ供給する。
〈暖房運転〉
空気調和機(10)は、暖房運転を行う。暖房運転中には、四方切換弁(22)が第2状態に設定される。また、暖房運転中には、室外ファン(15)及び室内ファン(16)が運転される。
冷媒回路(20)では、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四方切換弁(22)を通って室内熱交換器(25)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(25)から流出した冷媒は、膨張弁(24)を通過する際に膨張してから室外熱交換器(23)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(23)から流出した冷媒は、四方切換弁(22)を通過後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。室内ユニット(12)は、室内熱交換器(25)において加熱された空気を室内へ供給する。
〈除霜動作〉
上述したように、暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。外気温が低い運転条件では、室外熱交換器(23)における冷媒の蒸発温度が0℃を下回る場合があり、この場合には、室外空気中の水分が霜となって室外熱交換器(23)に付着する。そこで、空気調和機(10)は、例えば暖房運転の継続時間が所定値(たとえは数十分)に達する毎に、除霜動作を行う。
除霜動作を開始する際には、四方切換弁(22)が第2状態から第1状態へ切り換わり、室外ファン(15)及び室内ファン(16)が停止する。除霜動作中の冷媒回路(20)では、圧縮機(21)から吐出された高温の冷媒が室外熱交換器(23)へ供給される。室外熱交換器(23)では、その表面に付着した霜が冷媒によって暖められて融解する。室外熱交換器(23)において放熱した冷媒は、膨張弁(24)と室内熱交換器(25)を順に通過し、その後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。除霜動作が終了すると、暖房運転が再開される。つまり、四方切換弁(22)が第1状態から第2状態へ切り換わり、室外ファン(15)及び室内ファン(16)の運転が再開される。
−実施形態1の熱交換器−
空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成する本実施形態の熱交換器(30)について、図2〜9を適宜参照しながら説明する。
〈熱交換器の全体構成〉
図2及び図3に示すように、本実施形態の熱交換器(30)は、一つの第1ヘッダ集合管(31)と、一つの第2ヘッダ集合管(32)と、多数の扁平管(33)と、多数のフィン(35)とを備えている。第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、扁平管(33)、及びフィン(35)は、何れもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)は、何れも両端が閉塞された細長い中空円筒状に形成されている。図3では、熱交換器(30)の左端に第1ヘッダ集合管(31)が立設され、熱交換器(30)の右端に第2ヘッダ集合管(32)が立設されている。つまり、第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)は、それぞれの軸方向が上下方向となる姿勢で設置されている。
図4にも示すように、扁平管(33)は、その断面形状が扁平な長円形あるいは角の丸い矩形となった伝熱管である。熱交換器(30)において、複数の扁平管(33)は、その伸長方向が左右方向となり、且つそれぞれの平坦な側面が互いに向かい合う姿勢で配置されている。また、複数の扁平管(33)は、互いに一定の間隔をおいて上下に並んで配置されている。各扁平管(33)は、その一端部が第1ヘッダ集合管(31)に挿入され、その他端部が第2ヘッダ集合管(32)に挿入されている。
図4に示すように、各扁平管(33)には、複数の流体通路(34)が形成されている。各流体通路(34)は、扁平管(33)の伸長方向に延びる通路である。各扁平管(33)において、複数の流体通路(34)は、扁平管(33)の伸長方向と直交する幅方向に一列に並んでいる。各扁平管(33)に形成された複数の流体通路(34)は、それぞれの一端が第1ヘッダ集合管(31)の内部空間に連通し、それぞれの他端が第2ヘッダ集合管(32)の内部空間に連通している。熱交換器(30)へ供給された冷媒は、扁平管(33)の流体通路(34)を流れる間に空気と熱交換する。
フィン(35)は、上下に蛇行するコルゲートフィンであって、上下に隣り合う扁平管(33)の間に配置されている。詳しくは後述するが、フィン(35)には、伝熱部(37)と中間板部(41)とが複数ずつ形成されている。各フィン(35)では、その中間板部(41)がロウ付けによって扁平管(33)に接合される。
図3に示すように、熱交換器(30)では、上下に隣り合う扁平管(33)の間の空間が、フィン(35)の伝熱部(37)によって複数の通風路(39)に区画される。熱交換器(30)は、扁平管(33)の流体通路(34)を流れる冷媒を、通風路(39)を流れる空気と熱交換させる。
上述したように、熱交換器(30)は、平坦な側面が対向するように上下に並んだ複数の扁平管(33)と、隣り合う扁平管(33)の一方から他方に亘る板状の伝熱部(37)を有する複数のフィン(35)とを備える。隣り合う扁平管(33)の間には、複数の伝熱部(37)が扁平管(33)の伸長方向に並んでいる。そして、この熱交換器(30)では、隣り合う伝熱部(37)の間を流れる空気が、各扁平管(33)内を流れる流体と熱交換する。
〈フィンの構成〉
図5に示すように、フィン(35)は、一定幅の金属板を折り曲げることによって形成されたコルゲートフィンであって、上下に蛇行する形状となっている。フィン(35)には、扁平管(33)の伸長方向に沿って、伝熱部(37)と中間板部(41)とが交互に形成されている。つまり、フィン(35)には、隣り合う扁平管(33)の間に配置されて扁平管(33)の伸長方向に並ぶ複数の伝熱部(37)が設けられている。また、フィン(35)には、突出板部(42)が形成されている。なお、図5では、後述するルーバー(50,60,70)と導水用リブ(71)の図示を省略している。
伝熱部(37)は、上下に隣り合う扁平管(33)の一方から他方に亘る板状の部分である。伝熱部(37)では、風上側の端部が前縁(38)となっている。図5では図示を省略するが、伝熱部(37)には、複数のルーバー(50,60)が形成されている。中間板部(41)は、扁平管(33)の平坦な側面に沿った板状の部分であって、左右に隣り合う伝熱部(37)の上端同士または下端同士に連続している。伝熱部(37)と中間板部(41)のなす角度は、概ね直角となっている。
突出板部(42)は、各伝熱部(37)の風下側の端部に連続して形成された板状の部分である。突出板部(42)は、上下に延びる細長い板状に形成され、扁平管(33)よりも風下側に突出している。また、突出板部(42)は、その上端が伝熱部(37)の上端よりも上方に突き出し、その下端が伝熱部(37)の下端よりも下方に突き出ている。図4に示すように、熱交換器(30)では、扁平管(33)を挟んで上下に隣り合うフィン(35)の突出板部(42)が、互いに接触する。
図6に示すように、フィン(35)の伝熱部(37)及び突出板部(42)には、複数のルーバー(50,60,70)が形成されている。各ルーバー(50,60,70)は、伝熱部(37)及び突出板部(42)を切り起こすことによって形成されている。つまり、各ルーバー(50,60,70)は、伝熱部(37)及び突出板部(42)に複数のスリット状の切り込みを入れ、隣り合う切り込みの間の部分を捩るように塑性変形させることによって形成されている。
各ルーバー(50,60,70)の長手方向は、伝熱部(37)の前縁(38)と実質的に平行(即ち、実質的には鉛直方向)となっている。つまり、各ルーバー(50,60,70)の長手方向は、上下方向となっている。伝熱部(37)では、上下方向に延びる複数のルーバー(50,60,70)が、風上側から風下側へ向かって並んで形成されている。
伝熱部(37)における風上寄りの領域に形成された六本のルーバーは、風上側ルーバー(50)を構成している。つまり、伝熱部(37)では、最も風上側に形成されたルーバーを含む互いに隣り合った六本のルーバーが、風上側ルーバー(50)を構成している。また、風上側ルーバー(50)が形成された領域に隣接する風下寄りの領域に形成された六本のルーバーは、風下側ルーバー(60)を構成している。また、伝熱部(37)の風下側の端部から突出板部(42)に亘る領域に形成された二本のルーバーは、補助ルーバー(70)を構成している。
このように、伝熱部(37)には、風上側から風下側へ向かって順に、六本の風上側ルーバー(50)と、六本の風下側ルーバー(60)と、二本の補助ルーバー(70)とが形成されている。なお、上述した各ルーバー(50,60,70)の数は、単なる一例である。また、各ルーバー(50,60,70)の詳細な形状については、後述する。
フィン(35)の伝熱部(37)のうちルーバー(50,60,70)以外の部分は、切り起こしや凹凸の無い平坦な領域となっている。
具体的に、伝熱部(37)では、伝熱部(37)の上端と風上側ルーバー(50)の間の平坦な領域が第1上側平坦部(81)を構成し、伝熱部(37)の上端と風下側ルーバー(60)の間の平坦な領域が第2上側平坦部(82)を構成している。第1上側平坦部(81)は、風上側ルーバー(50)に連続した領域であって、風上側ルーバー(50)の上端に位置する折れ目(51)に隣接している。第2上側平坦部(82)は、風下側ルーバー(60)に連続した領域であって、風下側ルーバー(60)の上端に位置する折れ目(61)に隣接している。
また、伝熱部(37)では、伝熱部(37)の下端と風上側ルーバー(50)の間の平坦な領域が第1下側平坦部(83)を構成し、伝熱部(37)の下端と風下側ルーバー(60)の間の平坦な領域が第2下側平坦部(84)を構成している。第1下側平坦部(83)は、風上側ルーバー(50)に連続した領域であって、風上側ルーバー(50)の下端に位置する折れ目(52)に隣接している。第2下側平坦部(84)は、風下側ルーバー(60)に連続した領域であって、風下側ルーバー(60)の下端に位置する折れ目(62)に隣接している。
フィン(35)の突出板部(42)には、導水用リブ(71)が形成されている。導水用リブ(71)は、突出板部(42)の風下側の端部に沿って上下に延びる細長い凹溝である。
〈ルーバーの形状〉
フィン(35)に形成されたルーバー(50,60,70)の詳細な形状について説明する。なお、この説明で用いる「右」及び「左」は、フィン(35)を風上側(即ち、熱交換器(30)の前面側)から見た場合の方向を意味する。
図6(A)に示すように、風上側ルーバー(50)の上下方向の長さは、風上から風下へ向かって次第に長くなる。つまり、伝熱部(37)では、最も風上寄りの風上側ルーバー(50)が最も短く、最も風下寄りの風上側ルーバー(50)が最も長い。各風上側ルーバー(50)の上端から伝熱部(37)の上端までの距離L1は、互いに等しい。従って、風上側ルーバー(50)の下端の位置は、風上から風下へ向かって次第に低くなる。つまり、最も風上寄りの風上側ルーバー(50)の下端から伝熱部(37)の下端までの距離L2は、最も風下寄りの風上側ルーバー(50)の下端から伝熱部(37)の下端までの距離L3よりも長い(L2>L3)。また、風上側ルーバー(50)の上端から伝熱部(37)の上端までの距離L1は、最も風下寄りの風上側ルーバー(50)の下端から伝熱部(37)の下端までの距離L3よりも短い(L3>L1)。
各風下側ルーバー(60)の上下方向の長さは、互いに等しい。また、各風下側ルーバー(60)は、最も風下寄りの風上側ルーバー(50)よりも長い。各風下側ルーバー(60)の上端から伝熱部(37)の上端までの距離L4は、互いに等しい。また、この距離L4は、風上側ルーバー(50)の上端から伝熱部(37)の上端までの距離L1と等しい。従って、風下側ルーバー(60)の下端から伝熱部(37)の下端までの距離L5は、最も風下寄りの風上側ルーバー(50)の下端から伝熱部(37)の下端までの距離L3よりも短い(L3>L5)。
補助ルーバー(70)の上下方向の長さは、風下側ルーバー(60)の上下方向の長さよりも短い。補助ルーバー(70)の上端の位置は、風下側ルーバー(60)の上端の位置よりも低い。補助ルーバー(70)の下端の位置は、風下側ルーバー(60)の下端の位置よりも高い。
伝熱部(37)には、上述した長さの風上側ルーバー(50)及び風下側ルーバー(60)が形成されている。また、上述したように、伝熱部(37)では、風上側ルーバー(50)の下方に第1下側平坦部(83)が形成され、風下側ルーバー(60)の下方に第2下側平坦部(84)が形成されている。従って、伝熱部(37)では、第1下側平坦部(83)の上下方向の幅が、第1下側平坦部(83)の上下方向の幅よりも広くなっている。
図6(B)に示すように、各ルーバー(50,60,70)は、平坦部(81〜84)に対して傾斜している。また、風上側ルーバー(50)と風下側ルーバー(60)は互いに逆方向に傾斜し、風下側ルーバー(60)と補助ルーバー(70)は互いに同じ方向に傾斜している。図8にも示すように、風上側ルーバー(50)は、風上側の切り起こし端(53)が左側に膨出し、風下側の切り起こし端(53)が右側に膨出している。また、風下側ルーバー(60)は、風上側の切り起こし端(63)が右側に膨出し、風下側の切り起こし端(63)が左側に膨出している。
図7(A)に示すように、風上寄りに位置する二本の風上側ルーバー(50a)は、横方向(即ち、空気の通過方向)の幅がW1であり、平坦部(81,83)に対する傾斜角がθ1であり、切り起こし高さ(即ち、切り起こし端(53a)から平坦部(81,83)までの距離)がH1である。また、風下寄りに位置する四本の風上側ルーバー(50b)は、横方向(即ち、空気の通過方向)の幅がW2であり、平坦部(81,83)に対する傾斜角がθ2であり、切り起こし高さ(即ち、切り起こし端(53b)から平坦部(81,83)までの距離)がH2である。図7(B)に示すように、風下側ルーバー(60)は、横方向(即ち、空気の通過方向)の幅がW3であり、平坦部(82,84)に対する傾斜角がθ3であり、切り起こし高さ(即ち、切り起こし端(63)から平坦部(82,84)までの距離)がH3である。なお、補助ルーバー(70)は、横方向の幅、平坦部(82,84)に対する傾斜角、及び切り起こし高さのそれぞれが、風下側ルーバー(60)と等しくなっている。
図7に示すように、風上側ルーバー(50a)の幅W1は風上側ルーバー(50b)の幅W2よりも広く、風上側ルーバー(50b)の幅W2は風下側ルーバー(60)の幅W3よりも広い(W1>W2>W3)。また、風上側ルーバー(50a)の傾斜角θ1は風上側ルーバー(50b)の傾斜角θ2よりも小さく、風上側ルーバー(50b)の傾斜角θ2は風下側ルーバー(60)の傾斜角θ3よりも小さい(θ1<θ2<θ3)。つまり、風上側ルーバー(50a)の傾斜は風上側ルーバー(50b)の傾斜よりも緩やかであり、風上側ルーバー(50b)の傾斜は風下側ルーバー(60)の傾斜よりも緩やかである。また、風上側ルーバー(50a)の切り起こし高さH1は風上側ルーバー(50b)の切り起こし高さH2よりも低く、風上側ルーバー(50b)の切り起こし高さH2は風下側ルーバー(60)の切り起こし高さH3よりも低い(H1<H2<H3)。
熱交換器(30)において、フィン(35)の伝熱部(37)は、扁平管(33)の伸長方向に沿って一定のピッチで配置されている。つまり、図9に示すように、熱交換器(30)では、複数の伝熱部(37)が互いに一定の間隔D0をおいて扁平管(33)の伸長方向に並んでいる。一方、風上側ルーバー(50a,50b)及び風下側ルーバー(60)の切り起こし高さの関係は、H1<H2<H3である。このため、扁平管(33)の伸長方向に隣り合う二つの伝熱部(37)では、風上寄りの風上側ルーバー(50a)同士の間隔D1が風下寄りの風上側ルーバー(50b)同士の間隔D2よりも広くなり、風下寄りの風上側ルーバー(50b)同士の間隔D2が風下側ルーバー(60)同士の間隔D3よりも広くなる(D0>D1>D2>D3)。
図8に示すように、風上側ルーバー(50)及び風下側ルーバー(60)の切り起こし端(53,63)は、主縁部(54,64)と、上側縁部(55,65)と、下側縁部(56,66)とによって構成されている。主縁部(54,64)の伸長方向は、伝熱部(37)の前縁(38)の伸長方向と実質的に平行である。上側縁部(55,65)は、主縁部(54,64)の上端からルーバー(50,60)の上端に亘る部分であって、主縁部(54,64)に対して傾斜している。下側縁部(56,66)は、主縁部(54,64)の下端からルーバー(50,60)の下端に亘る部分であって、主縁部(54,64)に対して傾斜している。
図8(A)に示すように、風上側ルーバー(50)では、上側縁部(55)の主縁部(54)に対する傾斜角がθ4であり、下側縁部(56)の主縁部(54)に対する傾斜角がθ5である。図6に示すように、全ての風上側ルーバー(50)では、下側縁部(56)の傾斜角θ5が上側縁部(55)の傾斜角θ4よりも小さい(θ5<θ4)。従って、全ての風上側ルーバー(50)では、下側縁部(56)が上側縁部(55)よりも長い。全ての風上側ルーバー(50)は、切り起こし端(53)の形状が上下非対称となった非対称ルーバーである。
なお、図8(A)に図示されているのは、風下寄りに位置する風上側ルーバー(50b)である。図7(A)にも示すように、この風上側ルーバー(50b)の切り起こし高さはH2である。また、図9にも示すように、空気の通過方向に隣り合う伝熱部(37)において、風上側ルーバー(50b)同士の間隔はD2である。
図8(B)に示すように、風下側ルーバー(60)では、上側縁部(65)の主縁部(64)に対する傾斜角がθ6であり、下側縁部(66)の主縁部(64)に対する傾斜角がθ7である。図6に示すように、風上寄りに位置する二本の風下側ルーバー(60a)では、下側縁部(66)の傾斜角θ6が上側縁部(65)の傾斜角θ7よりも小さい(θ6<θ7)。従って、この風下側ルーバー(60a)では、下側縁部(66)が上側縁部(65)よりも長い。この風下側ルーバー(60a)は、切り起こし端(63)の形状が上下非対称となった非対称ルーバーである。一方、風下寄りに位置する三本の風下側ルーバー(60b)では、下側縁部(66)の傾斜角θ6が上側縁部(65)の傾斜角θ7と等しい(θ6=θ7)。従って、この風下側ルーバー(60b)では、下側縁部(66)と上側縁部(65)の長さが等しい。この風下側ルーバー(60b)は、切り起こし端(63)の形状が上下対称となった対称ルーバーである。
なお、図8(B)に図示されているのは、風下寄りに位置する風下側ルーバー(60b)である。図7(B)にも示すように、この風下側ルーバー(60b)の切り起こし高さはH3である。また、図9にも示すように、空気の通過方向に隣り合う伝熱部(37)において、風下側ルーバー(60b)同士の間隔はD3である。
−除霜動作中における霜とドレン水の状態−
上述したように、本実施形態の熱交換器(30)は、空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成している。空気調和機(10)は暖房運転を行うが、室外熱交換器(23)における冷媒の蒸発温度が0℃を下回る運転状態では、室外空気中の水分が霜となって室外熱交換器(23)に付着する。このため、空気調和機(10)は、室外熱交換器(23)に付着した霜を融かすための除霜動作を行う。除霜動作中には、霜が融解することによってドレン水が生成する。
除霜動作の開始直前から除霜動作の終了直後に至る間における霜とドレン水の状態を、図10を参照しながら説明する。ここでは、本実施形態の熱交換器(30)における霜とドレン水の状態を、従来の熱交換器における霜とドレン水の状態と対比しながら説明する。なお、この従来の熱交換器では、全てのルーバーが伝熱部のほぼ全幅に亘って形成され、全てのルーバーの切り起こし高さが同じになっている。
除霜動作の開始直前には、フィンの伝熱部(37)に多量の霜が付着し、隣り合う伝熱部(37)の間の空間が霜によって殆ど塞がれた状態となる。
図10(a1)に示すように、従来の熱交換器では、フィンの風上寄りの領域に集中的に霜が付着し、熱交換器を通過する空気の流れや空気と冷媒の熱交換が、霜によって妨げられる。このため、従来の熱交換器では、フィンの風下側の領域には霜が殆ど付着していないにも拘わらず、除霜動作を行うことが必要となる。
一方、図10(b1)に示すように、本実施形態の熱交換器(30)では、伝熱部(37)の風下側の領域にも霜が付着する。伝熱部(37)の風上寄りの部分において、風上側ルーバー(50)が形成された上側の領域では、空気の流れる隙間が霜によって塞がれるが、風上側ルーバー(50)よりも下側の領域には、空気の流れる隙間が残る。このため、本実施形態の熱交換器(30)では、伝熱部(37)のうち風下側ルーバー(60)が形成された部分にも霜が付着する。
更に、本実施形態の熱交換器(30)では、風下側ルーバー(60)の切り起こし高さH3が風上側ルーバー(50)の切り起こし高さH1,H2よりも高くなっている。このため、風上側ルーバー(50)の後ろ側に位置する風下側ルーバー(60)にも風が当たり易くなり、その結果、風下側ルーバー(60)に付着する霜の量が増える。
このように、本実施形態の熱交換器(30)では、フィン(35)の風上寄りの領域だけでなく、その風下寄りの領域にも霜が付着する。このため、除霜動作を行うことが必要となった時点で熱交換器(30)に付着している霜の量は、本実施形態の熱交換器(30)の方が、従来の熱交換器よりも多くなる。従って、従来の熱交換器で構成された室外熱交換器を有する空気調和機に比べると、本実施形態の熱交換器(30)で構成された室外熱交換器(23)を有する空気調和機(10)では、除霜動作が終了してから次の除霜動作が開始されるまでの時間間隔が長くなり、その結果、暖房運転の継続時間が長くなる。
除霜動作が開始されると、熱交換器(30)に付着した霜は、冷媒によって暖められて次第に融けてゆく。
図10(a2)(a3)に示すように、従来の熱交換器では、残存する霜の周辺にドレン水が滞留する。従来の熱交換器では、全てのルーバーが伝熱部のほぼ全幅に亘って形成されており、伝熱部の風上寄りの領域のほぼ全体において、隣り合う伝熱部同士の隙間が狭くなっている。このため、霜が融解することによって生じたドレン水は、隣り合う伝熱部同士の隙間に保持されることとなり、霜の周辺から殆ど流出しない。霜の周辺にドレン水が滞留すると、霜がドレン水の中に浮いた状態となり、霜が伝熱部の表面から離れてしまう。
一方、図10(b2)(b3)に示すように、本実施形態の熱交換器(30)では、生成したドレン水が流れ落ちてゆき、ドレン水は残存する霜の周囲に滞留しない。本実施形態の熱交換器(30)では、風上側ルーバー(50)の下端が風下側ルーバー(60)の下端よりも高くなっている。従って、隣り合う伝熱部(37)同士の隙間は、風上側ルーバー(50)の下側の領域において広くなっている。このため、風上側ルーバー(50)に付着した霜が融けることによって生成したドレン水は、第1下側平坦部(83)を伝って速やかに下方へ流れ落ちてゆく。霜の周辺からドレン水が速やかに排出されると、霜は伝熱部(37)の表面と接した状態に保たれる。
このように、本実施形態の熱交換器(30)では、除霜動作中に生成したドレン水が、霜の付着量が比較的多い風上側ルーバー(50)の周辺から速やかに排出される。このため、風上側ルーバー(50)の周辺に残存している霜は、伝熱部(37)の表面と接触した状態に保たれる。ここで、従来の熱交換器のように、残存する霜がドレン水の中に浮いた状態となって伝熱部から離れると、伝熱部から霜への熱の移動がドレン水によって阻害され、霜を融かすのに要する時間が長くなる。それに対し、本実施形態の熱交換器(30)では、残存する霜が伝熱部(37)の表面と接触した状態に保たれ、ドレン水に妨げられることなく熱が伝熱部(37)から霜へ移動する。従って、従来の熱交換器で構成された室外熱交換器を有する空気調和機に比べると、本実施形態の熱交換器(30)で構成された室外熱交換器(23)を有する空気調和機(10)では、除霜動作の継続時間(即ち、暖房運転が中断される時間)が短くなる。
通常、除霜動作の終了直後の熱交換器(30)では、霜は残存していないがドレン水は存在する状態となる。
図10(a4)に示すように、従来の熱交換器(30)では、フィンの伝熱部(37)の下端付近に比較的多くのドレン水が滞留する。従来の熱交換器(30)では、全てのルーバーが伝熱部(37)のほぼ全幅に亘って形成されており、隣り合う伝熱部(37)同士の隙間が狭くなっている。また、扁平管(33)の上側の側面は、概ね水平な面である。このため、除霜動作中に生成したドレン水は、隣り合う伝熱部(37)同士の隙間に保持され、扁平管(33)の上面に滞留してしまう。
一方、図10(b4)に示すように、本実施形態の熱交換器(30)では、除霜動作中に生成したドレン水の大部分が風下側へ移動し、突出板部(42)を伝って下方へ排出される。本実施形態の熱交換器(30)では、風下側ルーバー(60)の下端が風上側ルーバー(50)の下端よりも低くなっている。従って、隣り合う伝熱部(37)同士の隙間は、風下側ルーバー(60)の下側の領域において狭くなっている。扁平管(33)の上面に溜まったドレン水は、毛管現象によって風下側へ引き込まれてゆく。つまり、除霜動作中には室外ファン(15)が停止しており、扁平管(33)の上面が概ね水平面となっているにも拘わらず、ドレン水が風下側へ移動してゆく。
このように、本実施形態の熱交換器(30)では、除霜動作中に生成したドレン水が、伝熱部(37)の表面に殆ど残存しない状態となる。伝熱部(37)の表面にドレン水が残存していると、暖房運転の再開後に残存するドレン水が凍結してしまい、再び除霜動作を行うことが必要となるまでの時間が短くなる。従って、従来の熱交換器で構成された室外熱交換器を有する空気調和機に比べると、本実施形態の熱交換器(30)で構成された室外熱交換器(23)を有する空気調和機(10)では、除霜動作の終了から次の除霜動作の開始までの経過時間(即ち、暖房運転の継続時間)が長くなる。
ところで、上述したように、本実施形態の熱交換器(30)では、風上側ルーバー(50)の下側縁部(56)の傾斜角θ5が、その上側縁部(55)の傾斜角θ4よりも小さくなっている(図8(A)を参照)。このため、図11に示すように、空気の通過方向に隣り合う風上側ルーバー(50)の間では、それぞれの下側縁部(56)同士の間に形成される隙間が、それぞれの上側縁部(55)同士の間に形成される隙間に比べて細長くなる。
一般に、比較的狭い隙間に存在する液体には、比較的大きな毛管力が作用する。また、液体に作用する毛管力は、隙間が狭いほど大きくなる。一方、図11に示すように、空気の通過方向に隣り合う風上側ルーバー(50)の切り起こし端(53)の間にドレン水が入り込んでいる状態において、このドレン水の下端と接する下側縁部(56)同士の間隔は、このドレン水の上端と接する主縁部(54)同士の間隔よりも狭い。従って、ドレン水に作用する下向きの毛管力が上向きの毛管力よりも強くなり、ドレン水が下側縁部(56)側(即ち、下側)に引き込まれる。
また、風上側ルーバー(50)は、切り起こし端(53)の形状が上下非対称となった非対称ルーバーであり、その下側縁部(56)が比較的長くなっている。このため、空気の通過方向に隣り合う風上側ルーバー(50)の間では、切り起こし端(53)同士の間隔の狭い領域が拡大する。その結果、ドレン水に作用する下向きの毛管力が上向きの毛管力よりも強くなる領域が拡大し、ドレン水が毛管現象によって下方へ移動する可能性が高くなる。
このように、空気の通過方向に隣り合う風上側ルーバー(50)の切り起こし端(53)同士の間に入り込んだドレン水は、下側縁部(56)同士の間の細長くて狭い隙間へ、毛管現象によって引き込まれてゆく。つまり、このドレン水は、重力の作用だけでなく、毛管現象によっても下方へ流れてゆく。従って、除霜動作中に風上側ルーバー(50)付近で生成したドレン水は、下方へ速やかに排出され、空気の通過方向に隣り合う風上側ルーバー(50)の切り起こし端(53)同士の間に保持されにくくなる。
また、本実施形態の熱交換器(30)では、風上寄りに位置する風下側ルーバー(60a)も、下側縁部(56)の傾斜角θ7が上側縁部(55)の傾斜角θ6よりも小さい非対称ルーバーである(図6を参照)。従って、風上側ルーバー(50)の場合と同様に、隣り合う風下側ルーバー(60a)同士の間では、ドレン水が重力と毛管現象の両方の作用によって下方へ流れてゆく。
−実施形態1の効果−
上述したように、本実施形態の熱交換器(30)によれば、空気調和機(10)の暖房運転中において、フィン(35)の伝熱部(37)の風上寄りの領域だけでなく風下寄りの領域にも霜を付着させることができる。従って、空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を本実施形態の熱交換器(30)で構成すれば、暖房運転の継続時間を延ばすことができる。
また、本実施形態の熱交換器(30)によれば、空気調和機(10)の除霜動作中に生成したドレン水を、フィン(35)の伝熱部(37)の表面から速やかに排出することができる。このため、伝熱部(37)から霜へ伝わる熱量を充分に確保することができる。従って、空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を本実施形態の熱交換器(30)で構成すれば、除霜動作に要する時間を短縮できる。
また、本実施形態の熱交換器(30)によれば、除霜動作の終了時に伝熱部(37)の表面に残存するドレン水の量を削減することができる。伝熱部(37)の表面に残存するドレン水は、暖房運転の再開後に凍結する。このため、伝熱部(37)の表面に残存するドレン水が減少すると、次の除霜動作が必要となるまでの時間が長くなる。従って、空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を本実施形態の熱交換器(30)で構成すれば、暖房運転の継続時間を延ばすことができる。
このように、空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を本実施形態の熱交換器(30)で構成すれば、暖房運転の継続時間を延ばすことができ、更には除霜動作に要する時間を短縮できる。従って、空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を本実施形態の熱交換器(30)で構成すれば、空気調和機(10)の暖房能力の時間的な平均値(即ち、空気調和機(10)の実質的な暖房能力)を高めることができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。実施形態2の熱交換器(30)は、実施形態1の熱交換器(30)と同様に、空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成している。以下では、本実施形態の熱交換器(30)について、図12〜18を適宜参照しながら説明する。
〈熱交換器の全体構成〉
図12及び図13に示すように、本実施形態の熱交換器(30)は、一つの第1ヘッダ集合管(31)と、一つの第2ヘッダ集合管(32)と、多数の扁平管(33)と、多数のフィン(36)とを備えている。第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、扁平管(33)、及びフィン(36)は、何れもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、及び扁平管(33)の構成と配置は、実施形態1の熱交換器(30)と同じである。つまり、第1ヘッダ集合管(31)及び第2ヘッダ集合管(32)は、共に縦長の円筒状に形成されており、一方が熱交換器(30)の左端に、他方が熱交換器(30)の右端にそれぞれ配置されている。一方、扁平管(33)は、扁平な断面形状の伝熱管であって、それぞれの平坦な側面が向かい合う姿勢で上下に並んで配置されている。各扁平管(33)には、複数の流体通路(34)が形成されている。上下に並んだ各扁平管(33)は、一端部が第1ヘッダ集合管(31)に挿入され、他端部が第2ヘッダ集合管(32)に挿入されている。
フィン(36)は、板状フィンであって、扁平管(33)の伸長方向に互いに一定の間隔をおいて配置されている。つまり、フィン(36)は、扁平管(33)の伸長方向と実質的に直交するように配置されている。詳しくは後述するが、各フィン(36)では、上下に隣り合う扁平管(33)の間に位置する部分が、伝熱部(37)を構成している。
図13に示すように、熱交換器(30)では、上下に隣り合う扁平管(33)の間の空間が、フィン(36)の伝熱部(37)によって複数の通風路(39)に区画される。熱交換器(30)は、扁平管(33)の流体通路(34)を流れる冷媒を、通風路(39)を流れる空気と熱交換させる。
上述したように、熱交換器(30)は、平坦な側面が対向するように上下に並んだ複数の扁平管(33)と、隣り合う扁平管(33)の一方から他方に亘る板状の伝熱部(37)を有する複数のフィン(36)とを備える。隣り合う扁平管(33)の間には、複数の伝熱部(37)が扁平管(33)の伸長方向に並んでいる。そして、この熱交換器(30)では、隣り合う伝熱部(37)の間を流れる空気が、各扁平管(33)内を流れる流体と熱交換する。
〈フィンの構成〉
図14に示すように、フィン(36)は、金属板をプレス加工することによって形成された縦長の板状フィンである。
フィン(36)には、フィン(36)の前縁(38)からフィン(36)の幅方向に延びる細長い切り欠き部(45)が、多数形成されている。フィン(36)では、多数の切り欠き部(45)が、フィン(36)の長手方向(上下方向)に一定の間隔で形成されている。切り欠き部(45)は、扁平管(33)を差し込むための切り欠きである。切り欠き部(45)の風下寄りの部分は、管挿入部(46)を構成している。管挿入部(46)は、上下方向の幅が扁平管(33)の厚さと実質的に等しく、長さが扁平管(33)の幅と実質的に等しい。
扁平管(33)は、フィン(36)の管挿入部(46)に差し込まれ、管挿入部(46)の周縁部とロウ付けによって接合される。つまり、扁平管(33)は、切り欠き部(45)の一部分である管挿入部(46)の周縁部に挟まれる。
フィン(36)では、上下に隣り合う切り欠き部(45)の間の部分が伝熱部(37)を構成し、管挿入部(46)の風下側の部分が風下側板部(47)を構成している。つまり、フィン(36)には、扁平管(33)を挟んで上下に隣り合う複数の伝熱部(37)と、各伝熱部(37)の風下側の端部に連続する一つの風下側板部(47)とが設けられている。本実施形態の熱交換器(30)では、フィン(36)の伝熱部(37)が上下に並んだ扁平管(33)の間に配置され、風下側板部(47)が扁平管(33)よりも風下側へ突出している。
図15に示すように、フィン(36)の伝熱部(37)及び風下側板部(47)には、複数のルーバー(50,60)が形成されている。各ルーバー(50,60)は、伝熱部(37)及び風下側板部(47)を切り起こすことによって形成されている。つまり、各ルーバー(50,60)は、伝熱部(37)及び風下側板部(47)に複数のスリット状の切り込みを入れ、隣り合う切り込みの間の部分を捩るように塑性変形させることによって形成されている。
各ルーバー(50,60)の長手方向は、伝熱部(37)の前縁(38)と実質的に平行となっている。つまり、各ルーバー(50,60)の長手方向は、上下方向となっている。伝熱部(37)では、上下方向に延びる複数のルーバー(50,60)が、風上側から風下側へ向かって並んで形成されている。
伝熱部(37)における風上寄りの領域に形成された六本のルーバーは、風上側ルーバー(50)を構成している。つまり、伝熱部(37)では、最も風上側に形成されたルーバーを含む互いに隣り合った六本のルーバーが、風上側ルーバー(50)を構成している。風上側ルーバー(50)よりも風下側に位置する残りの九本のルーバーは、風下側ルーバー(60)を構成している。風下側ルーバー(60)は、伝熱部(37)の風下側の部分から風下側板部(47)に亘る領域に形成されている。
このように、伝熱部(37)及び風下側板部(47)には、風上側から風下側へ向かって順に、六本の風上側ルーバー(50)と、九本の風下側ルーバー(60)とが形成されている。なお、上述した各ルーバー(50,60)の数は、単なる一例である。また、各ルーバー(50,60)の詳細な形状については、後述する。
フィン(36)の伝熱部(37)のうちルーバー(50,60)の上側と下側の部分は、切り起こしや凹凸の無い平坦な領域となっている。
具体的に、伝熱部(37)では、伝熱部(37)の上端と風上側ルーバー(50)の間の平坦な領域が第1上側平坦部(81)を構成し、伝熱部(37)の上端と風下側ルーバー(60)の間の平坦な領域が第2上側平坦部(82)を構成している。第1上側平坦部(81)は、風上側ルーバー(50)に連続した領域であって、風上側ルーバー(50)の上端に位置する折れ目(51)に隣接している。第2上側平坦部(82)は、風下側ルーバー(60)に連続した領域であって、風下側ルーバー(60)の上端に位置する折れ目(61)に隣接している。
また、伝熱部(37)では、伝熱部(37)の下端と風上側ルーバー(50)の間の平坦な領域が第1下側平坦部(83)を構成し、伝熱部(37)の下端と風下側ルーバー(60)の間の平坦な領域が第2下側平坦部(84)を構成している。第1下側平坦部(83)は、風上側ルーバー(50)に連続した領域であって、風上側ルーバー(50)の下端に位置する折れ目(52)に隣接している。第2下側平坦部(84)は、風下側ルーバー(60)に連続した領域であって、風下側ルーバー(60)の下端に位置する折れ目(62)に隣接している。
フィン(36)の風下側板部(47)には、導水用リブ(71)が形成されている。導水用リブ(71)は、風下側板部(47)の風下側の端部に沿って上下に延びる細長い凹溝であって、風下側板部(47)の上端から下端に亘って形成されている。
フィン(36)には、隣のフィン(36)との間隔を保持するためのタブ(48)が形成されている。図15(B)に示すように、タブ(48)は、フィン(36)を切り起こすことによって形成された矩形の小片である。図18に示すように、タブ(48)は、その突端が隣のフィン(36)に当接することによって、フィン(36)同士の間隔を保持する。図14,15に示すように、フィン(36)では、各伝熱部(37)にタブ(48)が一つずつ形成され、風下側板部(47)に複数のタブ(48)が形成されている。各伝熱部(37)では、風上側ルーバー(50)よりも風上寄りの部分にタブ(48)が配置されている。風下側板部(47)では、各管挿入部(46)の風下側の部分にタブ(48)が一つずつ配置されている。
〈ルーバーの形状〉
フィン(36)に形成されたルーバー(50,60)の詳細な形状について説明する。なお、この説明で用いる「右」及び「左」は、フィン(36)を風上側(即ち、熱交換器(30)の前面側)から見た場合の方向を意味する。
図15に示すように、風下寄りに位置する四本の風上側ルーバー(50b)の上端から伝熱部(37)の上端までの距離はL11である。風上寄りに位置する二本の風上側ルーバー(50a)の上端の位置は、残りの四本の風上側ルーバー(50b)の上端の位置よりも若干低い。風上側ルーバー(50)の下端の位置は、風上から風下へ向かって次第に低くなる。従って、最も風上寄りの風上側ルーバー(50)の下端から伝熱部(37)の下端までの距離L12は、最も風下寄りの風上側ルーバー(50)の下端から伝熱部(37)の下端までの距離L13よりも長い(L12>L13)。また、風上側ルーバー(50)の上端から伝熱部(37)の上端までの距離L11は、最も風下寄りの風上側ルーバー(50)の下端から伝熱部(37)の下端までの距離L13よりも短い(L13>L11)。
各風下側ルーバー(60)の上下方向の長さは、互いに等しい。また、各風下側ルーバー(60)は、最も風下寄りの風上側ルーバー(50)よりも長い。各風下側ルーバー(60)の上端から伝熱部(37)の上端までの距離L14は、互いに等しい。また、この距離L14は、風上側ルーバー(50)の上端から伝熱部(37)の上端までの距離L11と等しい。従って、風下側ルーバー(60)の下端から伝熱部(37)の下端までの距離L15は、最も風下寄りの風上側ルーバー(50)の下端から伝熱部(37)の下端までの距離L13よりも短い(L13>L15)。
伝熱部(37)には、上述した長さの風上側ルーバー(50)及び風下側ルーバー(60)が形成されている。また、上述したように、伝熱部(37)では、風上側ルーバー(50)の下方に第1下側平坦部(83)が形成され、風下側ルーバー(60)の下方に第2下側平坦部(84)が形成されている。従って、伝熱部(37)では、第1下側平坦部(83)の上下方向の幅が、第1下側平坦部(83)の上下方向の幅よりも広くなっている。
図15(B)に示すように、各ルーバー(50,60)は、平坦部(81〜84)に対して傾斜している。また、風上側ルーバー(50)と風下側ルーバー(60)は、互いに逆方向に傾斜している。図17にも示すように、風上側ルーバー(50)は、風上側の切り起こし端(53)が左側に膨出し、風下側の切り起こし端(53)が右側に膨出している。また、風下側ルーバー(60)は、風上側の切り起こし端(63)が右側に膨出し、風下側の切り起こし端(63)が左側に膨出している。
図16(A)に示すように、風上寄りに位置する二本の風上側ルーバー(50a)は、横方向(即ち、空気の通過方向)の幅がW11であり、平坦部(81,83)に対する傾斜角がθ11であり、切り起こし高さ(即ち、切り起こし端(53a)から平坦部(81,83)までの距離)がH11である。また、風下寄りに位置する四本の風上側ルーバー(50b)は、横方向(即ち、空気の通過方向)の幅がW12であり、平坦部(81,83)に対する傾斜角がθ12であり、切り起こし高さ(即ち、切り起こし端(53b)から平坦部(81,83)までの距離)がH12である。図16(B)に示すように、風下側ルーバー(60)は、横方向(即ち、空気の通過方向)の幅がW13であり、平坦部(82,84)に対する傾斜角がθ13であり、切り起こし高さ(即ち、切り起こし端(63)から平坦部(82,84)までの距離)がH13である。
図16に示すように、風上側ルーバー(50a)の幅W11は風上側ルーバー(50b)の幅W12よりも広く、風上側ルーバー(50b)の幅W12は風下側ルーバー(60)の幅W13よりも広い(W11>W12>W13)。また、風上側ルーバー(50a)の傾斜角θ11は風上側ルーバー(50b)の傾斜角θ12よりも小さく、風上側ルーバー(50b)の傾斜角θ12は風下側ルーバー(60)の傾斜角θ13よりも小さい(θ11<θ12<θ13)。つまり、風上側ルーバー(50a)の傾斜は風上側ルーバー(50b)の傾斜よりも緩やかであり、風上側ルーバー(50b)の傾斜は風下側ルーバー(60)の傾斜よりも緩やかである。また、風上側ルーバー(50a)の切り起こし高さH11は風上側ルーバー(50b)の切り起こし高さH12よりも低く、風上側ルーバー(50b)の切り起こし高さH12は風下側ルーバー(60)の切り起こし高さH13よりも低い(H11<H12<H13)。
熱交換器(30)において、フィン(36)の伝熱部(37)は、扁平管(33)の伸長方向に沿って一定のピッチで配置されている。つまり、図18に示すように、熱交換器(30)では、複数の伝熱部(37)が互いに一定の間隔D10をおいて扁平管(33)の伸長方向に並んでいる。この間隔D10は、タブ(48)の高さと等しい。一方、風上側ルーバー(50a,50b)及び風下側ルーバー(60)の切り起こし高さの関係は、H11<H12<H13である。このため、扁平管(33)の伸長方向に隣り合う二つの伝熱部(37)では、風上寄りの風上側ルーバー(50a)同士の間隔D11が風下寄りの風上側ルーバー(50b)同士の間隔D12よりも広くなり、風下寄りの風上側ルーバー(50b)同士の間隔D12が風下側ルーバー(60)同士の間隔D13よりも広くなる(D10>D11>D12>D13)。
図17に示すように、風上側ルーバー(50)及び風下側ルーバー(60)の切り起こし端(53,63)は、主縁部(54,64)と、上側縁部(55,65)と、下側縁部(56,66)とによって構成されている。主縁部(54,64)の伸長方向は、伝熱部(37)の前縁(38)の伸長方向と実質的に平行である。上側縁部(55,65)は、主縁部(54,64)の上端からルーバー(50,60)の上端に亘る部分であって、主縁部(54,64)に対して傾斜している。下側縁部(56,66)は、主縁部(54,64)の下端からルーバー(50,60)の下端に亘る部分であって、主縁部(54,64)に対して傾斜している。
図17(A)に示すように、風上側ルーバー(50)では、上側縁部(55)の主縁部(54)に対する傾斜角がθ14であり、下側縁部(56)の主縁部(54)に対する傾斜角がθ15である。図15に示すように、全ての風上側ルーバー(50)では、下側縁部(56)の傾斜角θ15が上側縁部(55)の傾斜角θ14よりも小さい(θ15<θ14)。従って、全ての風上側ルーバー(50)では、下側縁部(56)が上側縁部(55)よりも長い。全ての風上側ルーバー(50)は、切り起こし端(53)の形状が上下非対称となった非対称ルーバーである。
なお、図17(A)に図示されているのは、風下寄りに位置する風上側ルーバー(50b)である。図16(A)にも示すように、この風上側ルーバー(50b)の切り起こし高さはH12である。
図17(B)に示すように、風下側ルーバー(60)において、上側縁部(65)の主縁部(64)に対する傾斜角はθ16であり、下側縁部(66)の主縁部(64)に対する傾斜角はθ17である。図15に示すように、風上寄りに位置する二本の風下側ルーバー(60a)では、下側縁部(66)の傾斜角θ16が上側縁部(65)の傾斜角θ17よりも小さい(θ16<θ17)。従って、この風下側ルーバー(60a)では、下側縁部(66)が上側縁部(65)よりも長い。この風下側ルーバー(60a)は、切り起こし端(63)の形状が上下非対称となった非対称ルーバーである。一方、風下寄りに位置する六本の風下側ルーバー(60b)では、下側縁部(66)の傾斜角θ16が上側縁部(65)の傾斜角θ17と等しい(θ16=θ17)。従って、この風下側ルーバー(60b)では、下側縁部(66)と上側縁部(65)の長さが等しい。
なお、図17(B)に図示されているのは、風下寄りに位置する風下側ルーバー(60b)である。図16(B)にも示すように、この風下側ルーバー(60b)の切り起こし高さはH13である。この風下側ルーバー(60b)は、切り起こし端(63)の形状が上下対称となった対称ルーバーである。
−実施形態2の効果−
本実施形態の熱交換器(30)によって得られる効果は、上記実施形態1の熱交換器(30)によって得られる効果と同じである。
つまり、本実施形態の熱交換器(30)では、上記実施形態1の熱交換器(30)と同様に、風上側ルーバー(50)の下端が風下側ルーバー(60)の下端よりも上方に位置しており、更には、風上側ルーバー(50)の切り起こし高さH11,H12が風下側ルーバー(60)の切り起こし高さH13よりも低くなっている。このため、空気調和機(10)の暖房運転中には、風上側ルーバー(50)だけでなく風下側ルーバー(60)にも霜が付着することとなり、暖房運転の継続時間を長くすることができる。また、空気調和機(10)の除霜動作中には、風上側ルーバー(50)付近で生成したドレン水を速やかに下方へ流すことができ、霜を伝熱部(37)の表面と接した状態に保って伝熱部(37)から霜へ移動する熱量を確保できるため、除霜動作に要する時間を短縮できる。更に、風上側ルーバー(50)の下方へ流れ落ちたドレン水を毛管作用によって風下側へ移動させることができるため、除霜動作の終了時に伝熱部(37)の表面に残存するドレン水の量を削減でき、その結果、次回の除霜動作までの時間間隔を延ばすことができる。
また、本実施形態の熱交換器(30)では、上記実施形態1の熱交換器(30)と同様に、全ての風上側ルーバー(50)と一部の風下側ルーバー(60a)において、切り起こし端(53,63)の下側縁部(56,66)の傾斜角θ15,θ17が、切り起こし端(53,63)の上側縁部(55,65)の傾斜角θ14,θ16よりも小さくなっている。このため、空気の通過方向に隣り合う風上側ルーバー(50)同士や風下側ルーバー(60a)同士の間に入り込んだドレン水を、重力と毛管現象の両方の作用によって下方へ排出することができる。
《その他の実施形態》
実施形態1及び2の熱交換器(30)の変形例について説明する。
−第1変形例−
上記各実施形態の熱交換器(30)では、フィン(35,36)の伝熱部(37)に形成されたルーバー(50,60,70)の長手方向が、鉛直方向に対して傾いていてもよい。
図19は、上記実施形態2の熱交換器(30)のフィン(36)に本変形例を適用したものを示す。同図に示すフィン(36)の伝熱部(37)では、全てのルーバー(50,60)の長手方向が、伝熱部(37)の前縁(38)(即ち、実質的には鉛直方向)に対して約5°程度傾いている。また、各ルーバー(50,60)は、それぞれの下端が上端よりも風下側に位置するように傾斜している。ルーバー(50,60)の鉛直方向に対する傾斜が概ね20°以内であれば、ルーバー(50,60)の長手方向は、実質的に上下方向であるといえる。
図19に示すようにルーバー(50,60)が傾斜している場合は、空気調和機(10)の除霜動作中に生成したドレン水は、ルーバー(50,60)に沿って流れ落ちる際に風下側へ導かれる。従って、本変形例によれば、除霜動作中に生成するドレン水を一層確実に風下側へ流すことができ、除霜動作の終了時に伝熱部(37)の表面に残存するドレン水の量を削減することができる。
−第2変形例−
上記各実施形態の熱交換器(30)では、フィン(35,36)の伝熱部(37)に形成された全てのルーバー(50,60,70)の下端の位置が、風上から風下へ向かって次第に低くなっていてもよい。
図20は、上記実施形態2の熱交換器(30)のフィン(36)に本変形例を適用したものを示す。同図に示すフィン(36)の伝熱部(37)では、全てのルーバー(50,60)の下端の位置が、風上から風下へ向かって次第に低くなっている。つまり、この伝熱部(37)では、最も風上寄りに位置する風上側ルーバー(50)の下端の位置が最も高く、最も風下寄りに位置する風下側ルーバー(60)の下端の位置が最も低い。
−第3変形例−
上記各実施形態の熱交換器(30)では、フィン(35,36)の伝熱部(37)に形成された各風上側ルーバー(50)の上端の位置が互いに異なっていてもよい。
図21は、上記実施形態1の熱交換器(30)のフィン(35)に本変形例を適用したものを示す。同図に示すフィン(35)の伝熱部(37)では、全ての風上側ルーバー(50)の長さが互いに等しくなっている。また、この伝熱部(37)では、上記実施形態1と同様に、風上側ルーバー(50)の下端の位置が風上から風下へ向かって次第に低くなっている。従って、この伝熱部(37)では、風上側ルーバー(50)の上端の位置が風上から風下へ向かって次第に低くなっている。
−第4変形例−
上記各実施形態の熱交換器(30)では、フィン(35,36)の伝熱部(37)に形成された全ての風上側ルーバー(50)の下端の位置が互いに一致していてもよい。ただし、本変形例において、風上側ルーバー(50)の下端の位置は、風下側ルーバー(60)の下端の位置よりも上方でなければならない。
図22は、上記実施形態1の熱交換器(30)のフィン(35)に本変形例を適用したものを示す。同図のフィン(35)の伝熱部(37)において、全ての風上側ルーバー(50)は、それぞれの長さが互いに等しく、且つそれぞれの下端の位置が同じ高さとなっている。ただし、各風上側ルーバー(50)の下端の位置は、風下側ルーバー(60)の下端の位置よりも上方である。
本変形例を適用したフィン(35,36)では、風上側ルーバー(50)の下方に形成された第1下側平坦部(83)の上下方向の高さが、風下側ルーバー(60)の下方に形成された第2下側平坦部(84)の上下方向の高さよりも高くなる。従って、本変形例を適用した熱交換器(30)においても、上記各実施形態の熱交換器(30)と同様に、空気調和機(10)の除霜動作中に風上側ルーバー(50)付近で生成したドレン水は、風上側ルーバー(50)の周辺に滞留することなく速やかに下方へ排出される。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。