JP2008291816A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008291816A
JP2008291816A JP2007140996A JP2007140996A JP2008291816A JP 2008291816 A JP2008291816 A JP 2008291816A JP 2007140996 A JP2007140996 A JP 2007140996A JP 2007140996 A JP2007140996 A JP 2007140996A JP 2008291816 A JP2008291816 A JP 2008291816A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
internal combustion
combustion engine
engine
control apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007140996A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4858308B2 (ja
Inventor
Eriko Matsumura
恵理子 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007140996A priority Critical patent/JP4858308B2/ja
Publication of JP2008291816A publication Critical patent/JP2008291816A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4858308B2 publication Critical patent/JP4858308B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】生産時における内燃機関のバラツキや使用過程における内燃機関の状態変化等に対応して燃焼方式の切り替え時のトルク変動を極力低下させることのできる内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】内燃機関の制御装置は、複数の吸気行程噴射を行う第1の分割噴射の後に、吸気行程噴射と圧縮行程噴射とに分割される第2の分割噴射を行い、当該第2の分割噴射における前記吸気行程噴射と前記圧縮行程噴射との噴射比率を可変としている。第2の分割噴射は、分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値内となる範囲内で圧縮行程噴射の噴射比率の割合を増加させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、機関アイドル運転中に燃料の燃焼方式を切り替えることの可能な内燃機関の制御装置の改良に関する。
内燃機関の排気通路には、機関燃焼室から排出される排気を浄化するための触媒装置が設けられている。この触媒装置に内蔵されている触媒は、その温度によって浄化特性が変化し、通常は活性化温度まで温度上昇しなければその本来の浄化特性を発揮することができない。このため、機関始動から所定期間が経過し、排気熱によって触媒の温度が十分に上昇するまでは排気性状の悪化が懸念されることとなる。このような懸念に対し、従来、例えば特許文献1にみられるように、機関始動時から所定期間が経過するまでの期間、吸気行程に加えて圧縮行程においても燃料を噴射する分割噴射を実行することが提案されている。このように圧縮行程中に燃料を噴射することによって点火時期を極力遅角側の時期に設定して排気温度を上昇させることができ、排気熱を利用した触媒装置の早期暖機を図ることができるようになる。そして、触媒装置の暖機が完了したと判断される時点で分割噴射を停止し、全ての燃料を吸気行程中に一括して噴射する一括噴射を実行するとともに、点火時期も併せて進角させるようにしている。
このように燃料噴射形態や点火時期を変更して燃焼方式を切り替える際には、以下に述べるような状況を招くことがある。即ち、各燃焼方式において機関アイドル運転に必要とされる吸入空気量は当然に異なるものとなるため、こうした燃焼方式の切り替えに際しては、吸入空気量をその切り替え後の燃焼方式に見合う目標量にまで変更する必要がある。ところが、吸入空気量を変更するべく、例えばスロットル弁の開度を変更したとしても、吸入空気量が実際にその目標量になるまでには応答遅れが存在する。このため、吸入空気量の変更と燃料噴射形態及び点火時期の変更とを同時に行うようにすると、こうした吸入空気量変化の応答遅れによって燃料噴射形態や点火時期がそのときの吸入空気量と適合しなくなり、機関燃焼状態の不安定化を招くこととなる。特に、機関アイドル運転中は機関燃焼状態が安定し難い傾向があり、更に触媒装置の暖機が未完了であるときには機関始動からの経過期間も短いため、機関燃焼室の温度が低く、また機関可動部に生じる摩擦抵抗も大きいことから、こうした機関燃焼状態の不安定化傾向も一層顕著なものとなる。
そこで、こうした吸入空気量変化の応答遅れを予め見込んで燃料噴射形態及び点火時期の変更することが考えられる。即ち、吸入空気量の変更が開始されてから所定期間遅れて燃料噴射形態及び点火時期を変更することにより、そのときの吸入空気量に対して不適切な時期に燃料噴射形態及び点火時期が変更されることによる機関燃焼状態の不安定化が極力抑制されるようになる。
ところで、機関アイドル運転時にあっては機関燃焼状態の安定化を図ることは勿論のこと、機関出力の変動、更にはそれに起因する機関回転速度の変動についてもこれを適切に抑制するのが望ましい。即ち、機関アイドル運転時は、機関振動やそれに伴って生じる騒音が比較的小さく、機関出力や機関回転速度の変動が発生すると、それが振動や騒音として認識され易い。このため、機関アイドル運転時にあっては、機関出力を変動させないようにする、或いは燃焼方式の切り替えに伴って機関出力が変化する場合であってもこれを極力円滑に変化させるようにするのが望ましい。このような要請に対し、上述したように、単に吸入空気量の変更開始時と燃料噴射形態及び点火時期の変更開始時との間に遅延期間を設けるだけでは、その遅延期間の長さ次第で機関出力が不必要に増加したり、逆に低下したりするおそれがあった。このようなおそれに対し、特許文献2では、機関アイドル運転中に燃焼方式を切り替えることに起因して機関出力が不必要に変動するのを極力抑制することのできる内燃機関の制御装置が提案、開示されている。具体的には、機関アイドル運転中に、燃焼噴射形態と点火時期を変更して燃焼方式を切り替え、その切り替えに先立ち吸入空気量をそれぞれの燃焼方式に対応した量に変更し、切り替えタイミングに遅延期間を持たせてトルク段差を緩和することが行われている。
特開2000−45843号公報 特開2006−200516号公報
然しながら、このような内燃機関の制御装置を生産に移す場合、そのトルク段差の緩和を実現するためには、内燃機関一基一基、すなわち内燃機関の個体毎に生じる吸入空気量のバラツキ、噴射弁における流量のバラツキ、センサ精度等を考慮した内燃機関一基毎の最適化作業が不可欠となる。また、燃料噴射弁にデポジットが堆積したような場合、燃料の流量の低下は発生しないものの噴霧形状が崩れてしまい適切な燃焼に影響を及ぼすことがあった。特に、いわゆる粗悪燃料が使用された場合には、このような問題は顕著となる。このように、内燃機関の使用される過程で燃焼に影響を与えるような内燃機関の状態変化が生じることもある。また、ファーストアイドル大幅遅角制御では圧縮行程による成層燃焼をさせるため噴霧形状への依存度が高いため噴霧形状異常によるトルク変動の悪化を改善することが求められる。従来の内燃機関の制御装置は、このような問題に対処するものとはなっておらず、改善の余地を残していた。
そこで、本発明は、生産時における内燃機関のバラツキや使用過程における内燃機関の状態変化等に対応して燃焼方式の切り替え時のトルク変動を極力低下させることのできる内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するための本発明の内燃機関の制御装置は、機関アイドル運転中に分割噴射を行う内燃機関の制御装置であって、複数の吸気行程噴射を行う第1の分割噴射の後に、吸気行程噴射と圧縮行程噴射とに分割される第2の分割噴射を行い、当該第2の分割噴射における前記吸気行程噴射と前記圧縮行程噴射との噴射比率を可変としたことを特徴としている(請求項1)。このような構成とすることにより、燃焼方式を切り替えたときに吸入空気量のバラツキがあってもトルク段差を緩和することができる。第2の分割噴射は、吸気行程噴射と圧縮行程噴射との噴射比率を可変とすることによって極力トルク変動が小さくなるような噴射比率を選択することが可能となる。また、第1の分割噴射を行うことによってその後の制御に利用することができる情報を取得することも可能となる。なお、第1の分割噴射、第2の分割噴射における分割回数は2回に限られず、それ以上の回数に分割することもできる。
このような内燃機関の制御装置は、分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値内となる範囲内で前記圧縮行程噴射の噴射比率の割合を増加させる(請求項2)。例えば、前記第2の分割噴射を行う際に、前記圧縮行程噴射をその燃料噴射弁の最小噴射期間から始め、トルク変動が所定値となる範囲内で徐々に噴射比率を増加させることによって適切な噴射比率を探し出すことができる(請求項3)。これにより、燃料方式を切り替えたことにより生じるトルク段差、燃料噴射弁にデポジットが堆積すること等に起因するトルク変動を抑制するようにすることができる。本発明は、このような学習機能を発揮することができる。
このような内燃機関の制御装置は、前記第1の分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値を越えるときは、一括噴射を行う用にすることができる(請求項4)。第1の分割噴射を行ったときにトルク変動が所定値を越える場合は、燃料噴射弁にデポジットが堆積することに起因して噴霧形状が崩れている状態であると考えられる。このような状態における一括噴射は、堆積したデポジットを吹き飛ばすことを目的として行われるものである。このような一括噴射は、デポジットを吹き飛ばすために燃圧上昇させて行うことが望ましい(請求項5)。
さらに、前記第1の分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値を越えるときは、その後の高回転高負荷運転時において燃圧上昇制御が行われる構成としてもよい(請求項6)。機関アイドル運転中は、燃圧上昇の幅を確保することが困難である場合も想定されるため、車両が走行をはじめ、しかも内燃機関が高回転高負荷運転となったときに燃圧を上昇させることによって効果的にデポジットを除去することができる。
上記のようにデポジットを除去するための一括噴射が行われたにもかかわらず、前記燃圧上昇制御を行った後に再度前記第1の分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値を越えるときは警告を発する構成とすることができる(請求項7)。
また、このような内燃機関の制御装置における前記分割噴射の噴射量は、燃料中の含有物に応じた補正係数による補正がされる構成とすることができる(請求項8)。例えば、燃料であるガソリンに含有物としてアルコールが含まれていた場合には、分割噴射を行うことにより失火するおそれがあるため、これを回避すべく、補正した噴射量とすることができる。これにより、圧縮行程噴射におけるリーン失火を回避し、リーン限界を確保することができる。
本発明は、機関アイドル運転となったときの燃焼方式の切り替えに伴うトルク段差の軽減をすることができるが、燃焼方式の切り替えが行われる場合として、動力伝達機をドライブレンジ(Dレンジ)からニュートラルレンジ(Nレンジ)やパーキングレンジ(Pレンジ)へ切り替える場合が想定される。このため、本発明の内燃機関の制御装置は、前記内燃機関が駆動源として搭載される車両の駆動系に前記内燃機関の機関出力が伝達されない状態にあるときに前記第1の分割噴射及び前記第2の分割噴射を行う構成とすることができる(請求項9)。
本発明によれば、複数の吸気行程噴射を行う第1の分割噴射の後に、吸気行程噴射と圧縮行程噴射とに分割される第2の分割噴射を行い、当該第2の分割噴射における前記吸気行程噴射と前記圧縮行程噴射との噴射比率を可変としたので、生産時における内燃機関のバラツキや使用過程における内燃機関の状態変化等に対応して燃焼方式の切り替え時のトルク変動を極力低下させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は内燃機関及びその制御装置を示している。この制御装置は、車両に搭載される内燃機関10を統括して制御する制御部40と、機関回転速度等の機関運転状態を検出する検出部50とを備えている。内燃機関10の吸気通路11には吸入空気量を調節するためのスロットル弁12、及びこれを開閉駆動するモータ13が設けられている。内燃機関10は複数の気筒を備えており、それら各気筒には点火プラグ14の他、燃料噴射弁15がそれぞれ設けられている。この燃料噴射弁15は各気筒の燃焼室16に燃料を直接噴射供給する筒内用の噴射弁である。また、内燃機関10の排気通路17には燃焼室16から排出される排気を浄化するための触媒装置18が設けられている。内燃機関10は、その機関出力軸が自動変速機(図示略)を介して、プロペラシャフト、デファレンシャルギア、ドライブシャフト、駆動輪(いずれも図示略)等々の車両駆動系に駆動連結されている。
制御部40は、モータ13、点火プラグ14、燃料噴射弁15等を駆動するための駆動回路(図示略)、各種制御に必要な実行プログラムやデータ、並びにその制御の実行結果を保存するためのメモリ41等を備えて構成されている。また、検出部50は吸入空気量Qを検出するエアフロメータ51、スロットル弁12の開度TAを検出するスロットルセンサ52、機関出力軸の回転位相(クランク角)及び機関回転速度NEを検出するクランクセンサ53、機関冷却水温THWを検出する水温センサ54等を備えて構成されている。制御部40はこれら各種センサ51〜54からなる検出部50の検出信号を取り込み、その検出結果に基づいて吸入空気量制御、燃料噴射制御、点火時期制御といった各種制御を実行する。また、制御部40には警告灯60が電気的に接続されている。
次に、制御部40によって実行される各種制御のうち、機関始動後の機関アイドル運転時に行われる触媒暖機制御について説明する。この触媒暖機制御では、燃料の一部を吸気行程に噴射するとともに、残りの燃料を圧縮行程後期に噴射する分割噴射を実行し、併せて点火時期を遅角側の時期に設定する(第2の燃焼方式)。このように吸気行程噴射と併せて圧縮行程噴射を行うとともに点火時期を遅角側の時期に設定することにより、排気温度を上昇させ、触媒装置18の早期暖機を図ることができる。また、触媒装置18の暖機が完了した後は、全ての燃料を吸気行程に噴射する一括噴射を実行するとともに、点火時期をノッキングが発生しない程度に進角させる(第1の燃焼方式)。また、触媒装置18の暖機が未完了であっても、自動変速機のシフトレンジがパーキングレンジ(Pレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)以外のレンジ、例えばドライブレンジ(Dレンジ)等に設定されている場合には、同様に燃焼方式を第1の燃焼方式に設定する。このように触媒暖機制御では、燃焼方式を適宜切り替えることにより、機関始動後において触媒装置18の排気浄化能力を早期に高めて排気性状の悪化を抑制し、併せて車両駆動力についてもこれを確保するようにしている。
以下、こうした触媒暖機制御の詳細について説明する。
図2は、この触媒暖機制御を実行するか否かを決定する際の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、内燃機関10がアイドル運転状態にあるか否かにかかわらず機関始動後に継続して実行される。
この一連の処理では、まず機関始動から現在までの吸入空気量積算値ΣQが所定値ΣQJを下回っているか否かが判断される(ステップS21)。ここで吸入空気量積算値ΣQは、機関始動時から燃焼室16において発生した熱量と相関を有するものである。従って、この吸入空気量積算値ΣQに基づいて、機関始動時から排気から触媒装置18に与えられた総熱量、ひいては機関始動時からの触媒装置18の温度上昇量を推定することができる。また、所定値ΣQJは触媒装置18の触媒がその活性化温度近傍にまで温度上昇したか否か、換言すれば触媒装置18の暖機が完了してその本来の排気浄化特性を発揮し得る状態に移行したか否かを判定するための判定値である。この所定値ΣQJは、以下の式(1)に基づいて算出される。

ΣQJ←ΣQJB・k・・・(1)
k>1.0

ここで、「ΣQJB」は所定値ΣQJの基本値であり、機関始動後における触媒装置18の平均的な温度上昇態様を考慮して予め実験等に基づいて設定されている。また上式(1)において「k」は、この基本値ΣQJBをその機関始動時の機関冷却水温THWに基づいて補正するための補正係数であり、機関始動時の機関冷却水温THWが低いときほど、所定値ΣQJがより大きくなるように設定される。このように補正係数kに基づく補正を行うことにより、所定値ΣQJをそのときどきのアイドル運転時に見合った適切な値に設定することができ、燃焼方式の切り替えを伴う触媒暖機の期間が不必要に長くなるのを回避することができる。
従って、こうして設定される所定値ΣQJと吸入空気量積算値ΣQとの大きさを比較することにより、触媒装置18がその本来の排気浄化特性を発揮し得る状態にあるか否かを判定することができる。
このように触媒装置18の暖機状態を判定し、触媒装置18の暖機が完了している、即ち吸入空気量積算値ΣQが所定値ΣQJ以上になっている旨判定される場合(ステップS21:NO)、暖機要求フラグXCが「OFF」に設定される(ステップS24)。ここで、上記暖機要求フラグXCは、車両駆動力の確保及び触媒装置18の早期暖機のいずれを優先するか否かを判断するものである。即ち、この暖機要求フラグXCが「ON」に設定されている場合には、触媒装置18の暖機を促進すべく燃焼方式が第2の燃焼方式に設定され、同暖機要求フラグXCが「OFF」に設定されている場合には、車両駆動力の確保を優先すべく燃焼方式が第1の燃焼方式に設定される。
一方、触媒装置18の暖機が未完了である旨判定された場合(ステップS21:YES)、次に、車両駆動系に機関出力が伝達される状態にあるか否かが判断される(ステップS22)。具体的には、自動変速機のシフトレンジがPレンジ或いはNレンジにあるか否かが判断される。そして、車両駆動系に機関出力が伝達される状態にない旨判断された場合(ステップS22:YES)、暖機要求フラグXCが「ON」に設定される(ステップS23)。
一方、自動変速機のシフトレンジがPレンジ、Nレンジ以外のレンジ、例えばDレンジ等に設定されており、車両駆動系に機関出力が伝達される状態にある旨判断された場合(ステップS22:NO)、暖機要求フラグXCが「OFF」に設定される(ステップS24)。このように暖機要求フラグXCが「OFF」に設定されている場合には、車両駆動力を確保すべく燃焼方式が第1の燃焼方式に切り替えられる。
因みに、このように燃焼方式が第1の燃焼方式に設定されると、点火時期を遅角側の時期に設定することによる排気温度上昇は望めないものの、その後アクセル操作部材が操作されることにより、機関負荷(燃料噴射量)が増大することが予想される。そして、そうした機関負荷の増大を通じて排気温度が上昇し、結果的には触媒装置18の早期暖機を図ることのできる可能性が高い。また、このようにシフトレンジがPレンジ、Nレンジ以外のレンジに設定されている場合には、その後、車両が加速状態に移行する可能性が高く、その移行後に燃焼方式を切り替えるようにしたのでは車両加速性能の低下を招く懸念がある。このため、本触媒暖機制御にあっては、仮に触媒装置18の暖機が未完了であっても、シフトレンジがDレンジ等に設定されている場合には、燃焼方式を第1の燃焼方式に設定するようにしている。これにより車両加速性能の確保を図ることができる。
このようにして暖機要求フラグXCが「ON」或いは「OFF」に設定された後、この一連の処理は一旦終了される。
図3は、こうした吸入空気量積算値ΣQの上昇及びシフトレンジの変化、並びにこれらに基づいて設定される暖機要求フラグXCの状態変化を示すタイミングチャートである。
ここで、上述した燃焼方式が第2の燃焼方式に設定されている場合には、第1の燃焼方式に設定されているときと比較して、スロットル開度TAが大きく設定され吸入空気量が増量される。これは以下の理由による。
即ち、燃焼方式が第2の燃焼方式に設定されている場合には、点火時期が第1の燃焼方式における点火時期よりも遅角側の時期に設定されるために機関出力が低下し、機関回転速度NEをアイドル運転時の目標機関回転速度NETに維持するために必要となる吸入空気量が増大することとなる。
このように燃焼方式が第1の燃焼方式に設定されている場合と第2の燃焼方式に設定されている場合とでは、機関回転速度NEを目標機関回転速度NETに維持するのに要求される吸入空気量が異なっており、燃焼方式の切り替えに際しては、その要求吸入空気量を確保すべくスロットル開度TAが変更される。
また、機関アイドル運転時における目標機関回転速度NETは主に以下の各パラメータに基づいて設定される。
1.シフトレンジ:シフトレンジがPレンジやNレンジに設定されているときのように車両駆動系に機関出力が伝達される状態にない場合には、DレンジやRレンジに設定されているときのように車両駆動系に機関出力が伝達される状態にある場合よりも、目標機関回転速度NETは高く設定される。
2.機関始動後経過時間:機関始動後経過時間が短いときほど目標機関回転速度NETは高く設定される。機関始動後経過時間が短いときほど機関燃焼状態が不安定であるため、機関ストールの発生を確実に抑制するためである。
3.機関冷却水温:機関冷却水温が低いときほど目標機関回転速度NETは高く設定される。機関始動後経過時間が短いときと同様に、機関冷却水温が低いときほど機関燃焼状態が不安定であるため、機関ストールの発生を確実に抑制するためである。
また、吸入空気量Qの目標値、即ち目標吸入空気量QTは、主に燃焼方式及び目標機関回転速度NET等に基づいて以下のように設定される。
燃焼方式が第1の燃焼方式に設定されている場合には、まず以下の式(2)に基づいて目標スロットル開度TATが算出される。

TAT←TAB+K(NET−NE) ・・・(2)

上式(2)において、右辺第1項「TAB」は、見込み制御量であり、目標機関回転速度NET及び機関冷却水温THWに基づいて設定される基本スロットル開度である。また、右辺第2項「K(NET−NE)」はフィードバック制御量であり、ゲインK及び現在の機関回転速度NEと目標機関回転速度NETとの偏差(=NET−NE)に基づいて設定される。従って、現在の機関回転速度NEが目標機関回転速度NETよりも高い場合には、現在の吸入空気量Qをその偏差に応じて増量すべくスロットル開度TAが高くなるようにこれが変更される。一方、現在の機関回転速度NEが目標機関回転速度NETよりも低い場合には、現在の吸入空気量Qをその偏差に応じて減量すべくスロットル開度TAが低くなるようにこれが変更される。そしてここで、目標吸入空気量QTは、上式(2)における見込み制御量(即ち基本スロットル開度TAB)及び目標機関回転速度NETに対応した量に設定される。尚、この目標吸入空気量QTと基本スロットル開度TAB及び目標機関回転速度NETとの関係は予め実験等を通じて求められ、メモリ41に記憶されている。
燃焼方式が第2の燃料噴射方式に設定されている場合には、目標機関回転速度NETに基づいて目標吸入空気量QTが設定される。この目標機関回転速度NETと目標吸入空気量QTとの関係についても同様に、予め実験等を通じて求められ、メモリ41に記憶されている。因みに、この場合には、現在の機関回転速度NEと目標機関回転速度NETとの偏差が小さくなるように、燃料噴射量がフィードバック制御される。
上述したように、燃焼方式を上述した2つの燃焼方式の間で切り替える際には、スロットル開度TAの変更と、燃料噴射形態及び点火時期の変更とが併せて実行される。ここで、本触媒暖機制御においては、図3に示されるように、これらスロットル開度TAの変更時期(図3:タイミングt31,t33,t35)と、燃料噴射形態及び点火時期の変更時期(図3:タイミングt32,t34,t36)との間に所定の遅延期間DTを設けるようにしている。即ち、スロットル開度TAが変更された後、その変更に遅れて燃料噴射形態及び点火時期を変更するようにしている。そして、上記遅延期間DTについて、スロットル開度TAの変更から応答遅れをもって変化する吸入空気量に適合した時期に燃料噴射形態及び点火時期が変更されるようにこれを設定するようにしている。本触媒暖機制御においては、このように遅延期間DTを設定することにより、燃焼方式を切り替えることに伴う機関出力の変動を抑制することができるようになる。
以下、この遅延期間DTの設定手順について図4に示すフローチャートを参照して説明する。この一連の処理は、内燃機関10がアイドル運転状態にあること、即ちアクセル操作量が「0」であることを条件に実行される。
この一連の処理では、まず暖機要求フラグXCが「ON」から「OFF」に、或いは「OFF」から「ON」に切り替えられたか否かが判断される(ステップS41)。暖機要求フラグXCの切り替えが行われず、これが「ON」或いは「OFF」のままで維持されている場合(ステップS41:NO)、この一連の処理は一旦終了される。
一方、暖機要求フラグXCの切り替えが行われた場合(ステップS41:YES)、換言すれば燃焼方式を第1の燃焼方式から第2の燃焼方式に、或いは第2の燃焼方式から第1の燃焼方式に切り替える必要が生じた場合には、現在の吸入空気量Qと切り替え後の燃焼方式に対応した目標吸入空気量QTとの差dQ(=|QT−Q|)が算出される(ステップS42)。
このように吸入空気量差dQが算出された後、次に現在の機関回転速度NEと切り替え後の燃焼方式に対応した目標機関回転速度NETとの差dNE(=|NET−NE|)が算出される(ステップS43)。
次に、吸入空気量差dQ及び機関冷却水温THWに基づいて基本遅延期間DTBが算出される(ステップS44)。この基本遅延期間DTBはクランク角期間として設定することもできるが、ここでは時間をその次元としている。図5は、これら吸入空気量差dQ及び機関冷却水温THWと基本遅延期間DTBとの関係を示している。尚、こうした関係は予め実験等を通じて求められ、制御部40のメモリ41に関数データとして記憶されている。
同図5に示されるように、基本遅延期間DTBは吸入空気量差dQが多いときほど長い期間に設定される。これは、吸入空気量差dQが多いときほど、吸入空気量の応答遅れが大きくなるため、この応答遅れ量が小さくなるのを待って燃料噴射形態及び点火時期を切り替えるのが好ましいからである。
また、基本遅延期間DTBは機関冷却水温THWが低いときほど長い期間に設定される。これは、機関冷却水温THWが低い場合には、燃料噴射形態及び点火時期を変更することによる影響、特に点火時期を変更することによる機関燃焼状態の不安定化、これに起因する機関出力の変動が発生し易い傾向にあるため、これらを好適に抑制するためである。
次に、機関回転速度差dNEに基づいて補正係数αが算出される(ステップS45)。図6は、これら機関回転速度差dNEと補正係数α(≧1.0)との関係を示している。この補正係数αは、先に求められた基本遅延期間DTBを機関回転速度差dNEに基づいて補正するためのものである。尚、こうした関係は、上述した吸入空気量差dQ及び機関冷却水温THWと基本遅延期間DTBとの関係と同様に、予め実験等を通じて求められ、制御部40のメモリ41に関数データとして記憶されている。
このようにして基本遅延期間DTB及び補正係数αが算出された後、以下の式(3)に基づいて最終的な遅延期間DTが算出される(ステップS46)。

DT←DTB・α・・・(3)

ここで、先の図6に示されるように、機関回転速度差dNEが大きいときほど、補正係数αがより大きな値に設定されるために、遅延期間DTはより長い期間に設定されることとなる。このように補正係数αを設定するようにしているのは以下の理由による。即ち、機関回転速度差dNEが大きい場合には、スロットル開度TAを変更してから機関回転速度NEが目標機関回転速度NETに収束するまでの期間が長くなることから、これに見合ったかたちで基本遅延期間DTBを補正して遅延期間DTを決定するようにしている。
次に、上述した各処理を通じて制御される燃焼方式の切替態様についてその例を、図7を参照して説明する。
図7は、シフトレンジがDレンジからNレンジ(或いはPレンジ)に切り替えられた場合における吸入空気量Q及び機関回転速度NEの各推移、並びに燃料噴射形態及び点火時期の変化態様を示している。
同図7に示されるように、シフトレンジがDレンジからNレンジに切り替えられると、「OFF」に設定されていた暖機要求フラグXCが「ON」に切り替えられる(タイミングt71)。このように暖機要求フラグXCが切り替えられると、まずスロットル開度TAが燃焼方式切り替え後の目標吸入空気量QTに見合う開度にまで増大する。その結果、吸入空気量Qが徐々に増大し、これに伴って機関回転速度NEが上昇するようになる。
そして、スロットル開度TAが変更されてから遅延期間DTが経過すると、燃料噴射形態が一括噴射から分割噴射に変更されるとともに、点火時期が現在の時期よりも遅角側の時期、即ち排気温度の上昇を優先する時期に設定される(タイミングt72)。このように点火時期が遅角側の時期に設定される結果、機関出力が低下し、それに伴って機関回転速度NEも徐々に低下して目標機関回転速度NETに収束するようになる。ここで、本触媒暖機制御においては、吸入空気量差dQ、機関回転速度差dNE、機関冷却水温THWを考慮して上記遅延期間DTを設定するようにしているため、燃焼方式の切り替えに伴う機関回転速度NEの変動は極力抑制されるようになり円滑に変化するようになる。
ここで、タイミングt72の時点から開始される分割噴射について、図8乃至図12を参照しつつ説明する。図8は、分割噴射に対する制御の一例を示すフローチャートである。
制御部40が分割噴射の指令を行うと、まず、第1の分割噴射が行われる(ステップS51)。第1の分割噴射は、図9に示すように複数回の吸気行程噴射が行われる。本実施例では分割回数を2回としている。このような第1の分割噴射を行った後は、その第1の分割噴射における噴霧形状異常があったか否かの判断を行う(ステップS52)。第1の分割噴射は、通常一括で噴射する燃料量を2回に分割して噴射する。このため、通常であれば機関のトルク変動もさほど大きくならない。ところが、燃料噴射弁15の噴孔にデポジットが堆積する等していると噴霧形状が変化し、機関のトルク変動を引き起こすと考えられる。そこで、噴霧形状に異常があると判断されるときはステップS53へ進む。一方、噴霧形状に異常がないと判断されたときは、ステップS57へ進む。ここで、噴霧形状の異常の判定方法について説明する。噴霧形状が異常であるか否かは機関のトルク変動に基づいて判断する。より具体的にはクランクセンサ53によって検出される機関回転速度NEの変動によって判断する。機関回転速度NEが第1の分割噴射を行ったことにより、予め定めた回転速度下限値を越えるようであれば噴霧形状に異常があると判断される。なお、機関回転速度NEの低下幅、低下比率を基準として噴霧形状に異常があったか否かを判断するようにすることもできる。このように第1の分割噴射を行うことにより、デポジット堆積可能性の有無を判断することができる。
ステップS52でYESと判断された場合、すなわち、噴霧異常があると判断された場合にはステップS53に進み、図10に示すような燃圧上昇一括噴射を行う。燃圧上昇一括噴射は、燃料噴射弁15の噴孔に堆積したデポジットを除去する目的で行われる措置である。このため、燃圧は高いことが望ましく、本実施例では機関が備える最高作動燃圧での噴射を行うようにしている。このような燃圧上昇一括噴射を行った後はステップS54へ進む。ステップS54おける処理はステップS51で行われる処理と同様の第1の分割噴射である。すなわち、通常一回で行う噴射量を2回の吸気行程噴射に分割して噴射する。さらに、これに引き続き、ステップS52と同様の処理をステップS55において行う。このステップS55における処理はステップS53における燃圧上昇一括噴射によりデポジットが除去され噴霧形状異常が回復したか否かを確認するものである。
ステップS55の判断においてYESと判断された場合、すなわち、未だ噴霧形状の異常が解消されていないと判断されたときはステップS56へ進み、噴霧形状異常フラグをONとし、一旦処理を終了する(エンド)。また、ステップS56では、制御部40からの指令により警告灯60が点灯する。このような噴霧形状異常フラグがON状態で内燃機関を搭載した車両が走行を開始し、高回転高負荷運転を行う状況となったときには燃圧上昇制御が行われることとなる。これにより、ステップS53における燃圧上昇一括噴射によっても除去することができなかったデポジットが除去されることが期待される。
ステップS52においてNOと判断された場合、また、ステップステップS55においてNOと判断された場合、すなわち、噴霧形状異常がないと判断された場合はいずれの場合もステップS57へ進む。ステップS57では、圧縮行程噴射を最小噴射期間τminとした第2の分割噴射を行う。この第2の分割噴射は図11に示すように通常一括で行う噴射を吸気行程噴射と圧縮行程噴射とに分割して行い、しかもその噴射比率を圧縮行程噴射が最小噴射期間τminとなるようにしたものである。ここで、最小噴射期間とは、内燃機関が備える燃料噴射弁15が実現可能な最小の噴射期間を意味する。このような第2の分割噴射を行った後はステップS58へ進む。
ステップS58では、ステップS57において第2の分割噴射を行ったことによるトルク変動が目標トルク変動値内であるか否かの判断を行う。トルク変動についてはステップS52やステップS55における処理と同様にクランクセンサ53によって検出される機関回転速度NEの変動によって判断する。但し、目標トルク変動値はステップS52等における判断とは異なる値が採用されている。
このようなステップS58においてYESと判断されたときすなわち、トルク変動が目標トルク変動値内であると判断されたときはステップS59へ進む。ステップS59では、図12に示すように圧縮行程噴射の噴射割合を増加させた第2の分割噴射を行う。ステップS59にける処理を行った後はステップS60へ進み、機関回転速度NEが目標機関回転速度TEとなったか否かを確認する。ステップS59における処理を一回行ったのみでは目標機関回転速度TEに到達していないときはステップS59の処理を繰り返す。このように圧縮行程噴射の噴射割合を増加させることにより、より適切な噴射割合に調整される。
なお、ステップS58でNOと判断されたとき、すなわち、目標トルク変動値を越えてトルク変動が起こってしまった場合はそのままステップS57の第2の噴射を継続する。
以上、説明したような制御が行われることにより、個々の内燃機関に適した噴射割合が決定され、機関アイドル運転中のトルク段差が軽減される。
このような分割噴射は噴射量を決定する際に燃料中の含有物に応じた補正係数(燃料性状補正係数)による補正を行うようにすることができる。このような形態について図13乃至図15を参照しつつ説明する。図13は、燃料性状補正係数を考慮した分割噴射に対する制御の一例を示すフローチャートである。図13に示したフローチャートではステップS57の直前にステップS100の処理が組み込まれている。このステップS100では、燃料の性状を判定するとともに、その燃料性状に応じた燃料性状補正係数を算出する。例えば、燃料中にアルコールが混入していると判断した場合は、予め作成したマップよりその燃料性状から導き出される燃料性状補正係数を算出する。このようにして算出された燃料性状補正係数は、ステップS57、ステップS58における第2の分割噴射において考慮される。すなわち、図14、図15に示すように圧縮行程噴射において、アルコールが含まれていた分を補うような噴射量が与えられる。これにより、燃料中にアルコール等の含有物が存在していたときであってもトルク段差を極力軽減することができる。
以上、燃焼方式が第1の燃焼方式から第2の燃焼方式に切り替えられる場合について説明したが、次に、燃焼方式が第2の燃焼方式から第1の燃焼方式に切り替えられる場合について説明する。
図16は、シフトレンジがNレンジ(或いはPレンジ)からDレンジに切り替えられた場合における吸入空気量Q及び機関回転速度NEの各推移、並びに燃料噴射形態及び点火時期の変化態様を示している。
同図16に示されるように、シフトレンジがNレンジからDレンジに切り替えられると、「ON」に設定されていた暖機要求フラグXCが「OFF」に切り替えられる(タイミングt81)。このように暖機要求フラグXCが切り替えられると、まずスロットル開度TAが燃焼方式切り替え後の目標吸入空気量QTに見合う開度にまで低下する。その結果、吸入空気量Qが徐々に減少し、これに伴って機関回転速度NEも低下するようになる。
そして、スロットル開度TAが変更されてから遅延期間DTが経過すると、燃料噴射形態が分割噴射から一括噴射に変更されるとともに、点火時期が現在の時期よりも進角側の時期、即ち機関出力を優先する通常の時期に設定される(タイミングt82)。このように点火時期が進角側の時期に設定される結果、機関出力が低下し、それに伴って機関回転速度NEも徐々に低下して目標機関回転速度NETに収束するようになる。本実施の形態によれば、燃焼方式の切り替えに伴う機関回転速度NEの変動は極力抑制されるようになり、同機関回転速度が円滑に変化するようになる。
本触媒暖気制御によれば、燃焼方式が第1の燃焼方式から第2の燃焼方式に切り替えられる場合と同様に、同燃焼方式が第2の燃焼方式から第1の燃焼方式に切り替えられる場合にあっても、機関回転速度NEの不必要な変動を極力抑制することができるようになる。
なお、シフトレンジの切り替えは行われないときに、燃焼方式が切り替えられる場合は、以下のような制御が行われる。
図17は、シフトレンジがNレンジ(或いはPレンジ)のまま維持された状態で、吸入空気量積算値ΣQが所定値ΣQJ以上になり、「ON」に設定されていた暖機要求フラグXCが「OFF」に切り替えられた場合における吸入空気量Q及び機関回転速度NEの各推移、並びに燃料噴射形態及び点火時期の変化態様を示している。尚、図17は、本触媒暖機制御を実行した場合における機関回転速度NEの推移、並びに燃料噴射形態及び点火時期の変化態様を示している。
また、この場合、シフトレンジの切り替えを伴わないため、同図17に示されるように、目標機関回転速度NETは略一定の速度に維持されている。但し、吸入空気量Qについては、暖機要求フラグXCが「OFF」に切り替えられてスロットル開度TAが低下するに伴って徐々に減少する。
本触媒暖気制御によれば、図17に示されるように、暖機要求フラグXCが「ON」から「OFF」に切り替えられた時点(タイミングt91)から上記遅延期間DTの経過を待って燃料噴射形態が分割噴射から一括噴射に変更される(タイミングt92)。また併せて、点火時期が現在の時期よりも進角側の時期、即ち機関出力の確保を優先する時期に設定される。そして、上述したように、この遅延期間DTが吸入空気量差dQ、機関回転速度差dNE、機関冷却水温THWを考慮して上記遅延期間DTを設定するようにしているため、吸入空気量Qの減少による機関出力の低下と点火時期を進角側の時期に設定することによる機関出力の上昇が好適に相殺されるようになる。これにより、燃焼方式の切り替えに伴う機関回転速度NEの変動は極力抑制されて同機関回転速度NEが円滑に変化するようになる。
以上、説明したように、本触媒暖機制御を実行する制御装置によれば、燃焼方式切り替え前後の目標吸入空気量、目標機関回転速度、並びに機関冷却水温に基づいて燃焼方式の切り替えに伴う機関燃焼状態の推移を把握した上で、燃料噴射形態及び点火時期の変更時期、即ち燃焼方式の切り替え時期を設定することができる。従って、その切り替え時期を、切り替えに伴う機関出力の変動を抑える上で適切な時期に設定することができるようになる。また、分割噴射を第1の分割噴射と第2の分割噴射とに区別して行い、第2の分割噴射における噴射割合を可変としたことにより機関毎にさらなるトルク段差の軽減を図ることができる。すなわち、生産時における内燃機関のバラツキや使用過程における内燃機関の状態変化等に対応して燃焼方式の切り替え時のトルク変動、トルク段差を極力低下させることができる。
尚、上記実施の形態は以下のようにその構成や制御態様を変更することもできる。
・暖機要求フラグXCのON/OFFにかかわらず第2の燃焼方式、すなわち、分割噴射が行われる場合にはその分割噴射を第1の分割噴射と第2の分割噴射とに区別し、第2の分割噴射における噴射割合を可変とすることができる。
・シフトレンジがNレンジ或いはPレンジに設定されているときに加えて、Rレンジに設定されているときにも、暖機要求フラグXCを「ON」に設定して燃焼方式を第2の燃焼方式に設定するようにしてもよい。
・車両駆動系に機関出力が伝達される状態にあるか否かをシフトレンジに基づいて判断し、機関出力が伝達される状態にないことを条件に燃焼方式を第2の燃焼方式に切り替えるようにしたが、シフトレンジの設定状態に関係なく、機関始動後、触媒装置18の暖機が完了した旨判断されるまで燃焼方式を常に第2の燃焼方式に維持するようにしてもよい。
本発明の一実施の形態が適用される内燃機関の概略構成図。 触媒暖機制御の実行の可否を決定する際の処理手順を示すフローチャート。 暖機要求フラグの状態変化を示すタイミングチャート。 遅延期間を設定する際の処理手順を示すフローチャート。 吸入空気量差及び機関冷却水温と基本遅延期間との関係を示す略図。 機関回転速度差と補正係数との関係を示す略図。 吸入空気量及び機関回転速度の各推移、並びに燃料噴射形態及び点火時期の変化態様の一例を示すタイミングチャート。 分割噴射に対する制御の一例を示すフローチャート。 第1の分割噴射の様子を示す説明図。 最高作動燃圧とした一括噴射の様子を示す説明図。 圧縮行程噴射を最小噴射期間とした第2の分割噴射の様子を示す説明図。 圧縮行程噴射の噴射割合を増加した第2の分割噴射の様子を説明する説明図。 燃料性状補正係数を考慮した分割噴射に対する制御の一例を示すフローチャート。 燃料性状補正係数を考慮し、圧縮行程噴射を最小噴射期間とした第2の分割噴射の様子を示す説明図。 燃料性状補正係数を考慮し、圧縮行程噴射を最小噴射期間とした第2の分割噴射の様子を示す説明図。 吸入空気量及び機関回転速度の各推移、並びに燃料噴射形態及び点火時期の変化態様の一例を示すタイミングチャート。 吸入空気量及び機関回転速度の各推移、並びに燃料噴射形態及び点火時期の変化態様の一例を示すタイミングチャート。
符号の説明
10・・・内燃機関、11・・・吸気通路、12・・・スロットル弁、13・・・モータ、14・・・点火プラグ、15・・・燃料噴射弁、16・・・燃焼室、17・・・排気通路、18・・・触媒装置、40・・・制御部、41・・・メモリ、50・・・検出部、51・・・エアフロメータ、52・・・スロットルセンサ、53・・・クランクセンサ、54・・・水温センサ、60・・・警告灯。

Claims (9)

  1. 機関アイドル運転中に分割噴射を行う内燃機関の制御装置であって、
    複数の吸気行程噴射を行う第1の分割噴射の後に、吸気行程噴射と圧縮行程噴射とに分割される第2の分割噴射を行い、
    当該第2の分割噴射における前記吸気行程噴射と前記圧縮行程噴射との噴射比率を可変としたことを特徴とした内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値内となる範囲内で前記圧縮行程噴射の噴射比率の割合を増加させることを特徴とした内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    機関アイドル運転に切り替わった後の第一回目の前記圧縮行程噴射は最小噴射期間の噴射とし、その後、分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値内となる範囲内で前記圧縮行程噴射の噴射比率の割合を増加させることを特徴とした内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    前記第1の分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値を越えるときは、一括噴射を行うことを特徴とした内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    前記第1の分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値を越えるときは、燃圧上昇させた一括噴射を行うことを特徴とした内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    前記第1の分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値を越えるときは、その後の高回転高負荷運転時において燃圧上昇制御が行われることを特徴とした内燃機関の制御装置。
  7. 請求項6記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃圧上昇制御を行った後に再度前記第1の分割噴射を行ったことによるトルク変動が所定値を越えるときは警告を発することを特徴とした内燃機関の制御装置。
  8. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    前記分割噴射の噴射量は、燃料中の含有物に応じた補正係数による補正がされることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  9. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関が駆動源として搭載される車両の駆動系に前記内燃機関の機関出力が伝達されない状態にあるときに前記第1の分割噴射及び前記第2の分割噴射を行うことを特徴とした内燃機関の制御装置。
JP2007140996A 2007-05-28 2007-05-28 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP4858308B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007140996A JP4858308B2 (ja) 2007-05-28 2007-05-28 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007140996A JP4858308B2 (ja) 2007-05-28 2007-05-28 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008291816A true JP2008291816A (ja) 2008-12-04
JP4858308B2 JP4858308B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=40166779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007140996A Expired - Fee Related JP4858308B2 (ja) 2007-05-28 2007-05-28 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4858308B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013092159A (ja) * 2013-02-21 2013-05-16 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPWO2012127622A1 (ja) * 2011-03-22 2014-07-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2014206070A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2014206069A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2015048785A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05118244A (ja) * 1991-10-25 1993-05-14 Toyota Motor Corp 内燃機関
JPH11343911A (ja) * 1998-03-31 1999-12-14 Mazda Motor Corp 筒内噴射式エンジンの燃料制御装置
JP2000045843A (ja) * 1998-08-03 2000-02-15 Mazda Motor Corp 筒内噴射式エンジンの制御装置
JP2001090592A (ja) * 1999-09-24 2001-04-03 Mazda Motor Corp 筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置
JP2002054486A (ja) * 2000-08-10 2002-02-20 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2004052624A (ja) * 2002-07-18 2004-02-19 Toyota Motor Corp 筒内噴射式内燃機関の制御装置
JP2004225560A (ja) * 2003-01-20 2004-08-12 Toyota Motor Corp 筒内直接噴射式内燃機関
JP2004232575A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Denso Corp 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2006169994A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2006200516A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2006291971A (ja) * 2006-06-28 2006-10-26 Denso Corp 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05118244A (ja) * 1991-10-25 1993-05-14 Toyota Motor Corp 内燃機関
JPH11343911A (ja) * 1998-03-31 1999-12-14 Mazda Motor Corp 筒内噴射式エンジンの燃料制御装置
JP2000045843A (ja) * 1998-08-03 2000-02-15 Mazda Motor Corp 筒内噴射式エンジンの制御装置
JP2001090592A (ja) * 1999-09-24 2001-04-03 Mazda Motor Corp 筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置
JP2002054486A (ja) * 2000-08-10 2002-02-20 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2004052624A (ja) * 2002-07-18 2004-02-19 Toyota Motor Corp 筒内噴射式内燃機関の制御装置
JP2004225560A (ja) * 2003-01-20 2004-08-12 Toyota Motor Corp 筒内直接噴射式内燃機関
JP2004232575A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Denso Corp 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2006169994A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2006200516A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2006291971A (ja) * 2006-06-28 2006-10-26 Denso Corp 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2012127622A1 (ja) * 2011-03-22 2014-07-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2013092159A (ja) * 2013-02-21 2013-05-16 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2014206070A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2014206069A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2015048785A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4858308B2 (ja) 2012-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5451687B2 (ja) エンジンの制御装置
JP4858308B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006291712A (ja) 内燃機関のアイドル回転速度制御装置
JP4670771B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP2006118517A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6697374B2 (ja) 内燃機関の制御装置及び燃焼室壁温推定方法
JP4286873B2 (ja) 内燃機関の吸気制御装置
JP4845391B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010185433A (ja) 内燃機関の触媒暖機制御装置
JP4144626B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4457361B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006200516A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5141673B2 (ja) 内燃機関のアイドルストップ制御装置
JP2005146908A (ja) 内燃機関の振動低減制御装置
WO2002077431A1 (fr) Procede et appareil de regulation de l'alimentation en carburant au ralenti
JP4062149B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4872654B2 (ja) エンジンの制御方法及び制御装置
JP4311307B2 (ja) ディーゼルエンジンの自動始動制御方法
JP4477561B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010031710A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2005076499A (ja) 内燃機関の燃料カットを制御する装置
JP2017194006A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6681310B2 (ja) 気筒休止エンジンの制御装置及び制御方法
JP4211789B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2024000899A (ja) エンジンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110818

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111017

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees