JP2008285026A - 車両用フロアカーペット - Google Patents

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Abstract

【課題】フロアフレームが設けられた部分と他の部分との間で、踏み込み荷重に対する沈み込み量を略一致させることにある。
【解決手段】車両用フロアカーペット10は、フロアフレーム104の上面と略面一からなり、ポリスチレン発泡体によって形成された第1スペーサ12a及び第2スペーサ12bと、前記第1スペーサ12a及び第2スペーサ12bとフロアパネル100の凹部106a(106b)との間に介装されるウレタンフォーム13と、フロアフレーム104の上面を被覆して前記第1スペーサ12a及び第2スペーサ12bの上面に積層される第1吸音フェルト材14aと、前記第1吸音フェルト材14aの上面に積層される遮音シート体16と、前記遮音シート体16の上面に積層される第2吸音フェルト材14bと、前記第2吸音フェルト材14bの上面に設けられる表皮材18とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車等の車両の車室内に敷設される車両用フロアカーペットに関する。
従来から、自動車等の車両の車室内のフロアには、床からの振動を防止すると共に、車外からの騒音を遮断する等のために、フロアカーペットが敷設されている。近年、前記フロアカーペットが敷設される車体の床構造に関し、空気抵抗を低減化するために車体の全高を低くして床下をフラットにすることが要求されている。このため、フロアパネルを支持するフロアフレームが床上に設けられる構造となっており、フロアの床上には、前記フロアフレームの突出面と床面との段差によって鉛直上下方向に沿って凹凸(高低差)が発生する。
そこで、特許文献1には、このような車室内のフロア高さ(高低差)を調整してフラット化するために、発泡スチロール又は発泡ポリプロピレン等の樹脂発泡体によって形成された車両用の嵩上げ材を設けることが開示されている。この特許文献1に開示された嵩上げ材では、樹脂発泡体が金属製の車体パネルと擦れてキューという摺接音が発生するために、前記樹脂発泡体の周囲をフェルトで捲いて吸音層とする構造が採用されている。
特開2002−79868号公報(段落0002、図1)
しかしながら、前記特許文献1に開示された嵩上げ材を用いて車室内のフロア高さを調整してフラット化した場合、前記嵩上げ材の材質等に起因し、乗員の足による踏み込み荷重によって、フロアフレームが設けられた床部分と前記フロアフレームが設けられていない他の床部分との間でカーペットの沈み込み量が異なるため、乗員の踏み込み感に違和感が発生するおそれがある。
また、カーペットの製造コストの低減化を達成することが、産業界から要請されている。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、製造コストを低減化すると共に、フロアフレームが設けられた部分と他の部分との間で、踏み込み荷重に対する沈み込み量を略一致させることが可能な車両用フロアカーペットを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、車両の車室内に敷設される車両用フロアカーペットであって、フロアパネルの床面に上方に向かって膨出形成されたフロアフレームによって形成された前記フロアパネルの凹部に装填され、前記フロアパネルの床面に膨出するフロアフレームの上面と略面一に形成された、ポリスチレン発泡体からなるスペーサと、前記フロアパネルの凹部内壁と前記スペーサとの間に設けられる中間部材と、前記スペーサの上面に積層され、前記フロアフレーム及び前記スペーサを略水平面に沿って被覆する第1吸音フェルト層と、前記第1吸音フェルト層の上面に積層される樹脂シート体と、
前記樹脂シート体の上面に積層される第2吸音フェルト層と、前記第2吸音フェルト層の上面に設けられる表皮材と、を備え、フロアカーペットに対して所定の踏み込み荷重を鉛直下方向に向かって付与した際、前記フロアフレームの上面に対応する部位と、前記フロアフレームの上面を除いた他の部位との間で前記フロアカーペットの沈み込み量が略一致するように設けられることを特徴とする。
本発明によれば、車両用フロアカーペットの下層に、ポリスチレン発泡体によって構成されたスペーサをフロアフレームの上面と略面一に設けることにより、フロアが平坦化される。また、前記ポリスチレン発泡体は、安価であるため、車両用フロアカーペット自体の製造コストの低減化を達成することができる。
また、本発明によれば、下層側の第1吸音フェルト層と上層側の第2吸音フェルト層との間に、遮音機能を有する樹脂シート体を介装することにより、フロアフレームの上方に位置する薄肉な部位であっても所望の剛性が確保され、形状安定性を達成することができる。従って、乗員の踏み込みによる沈み込みを軽減して足踏み剛性を確保することができる。
この場合、前記第1吸音フェルト層及び前記第2吸音フェルト層は、例えば、合成繊維系の再生繊維を母材として、15〜30重量パーセントの比率で低融点のバインダ繊維(コンジュゲート繊維等)を配合して加熱し、母材繊維間をつないで剛性を出し、耐圧縮特性を高めたものが好適である。
前記樹脂シート体は、例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)系樹脂シート体によって構成されるとよい。前記樹脂シート体は、引張強度が高いため、スポットの足踏み荷重に対して周囲で保持されることにより、撓みが抑制されて上層における剛性が確保される。この結果、本発明では、車両用フロアカーペットの剛性を向上させて足踏み時における沈み込み量を低減させることができる。
さらに、本発明によれば、フロアパネルの凹部に装填されるスペーサとして用いられるポリスチレン発泡体が十分な剛性を有するため、前記フロアパネルの凹部におけるフロアカーペットの沈み込み量を低減させ、フロアフレームが設けられた部位に対応するフロアカーペットの沈み込み量と前記フロアフレームが設けられていない他の部位(凹部)に対応するフロアカーペットの沈み込み量とを略一致させ、乗員の踏み込み感に対する違和感を減少させて良好な足踏み感を得ることができる。
さらにまた、本発明によれば、ポリスチレン発泡体からなるスペーサと金属製材料からなるフロアパネルとの間に中間部材を設けることにより、金属製材料からなるフロアパネルとスペーサとの擦接音(摩擦音)を防止して乗員への不快感をなくすことができる。
本発明では、フロアフレームが設けられた部位と他の部位との間で沈み込み量を略一致させて良好な足踏み感を得ることができる。さらに、本発明では、製造コストの低減化を達成することができると共に、フロアの平坦化と足踏み剛性確保とを両立させることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は、本発明の実施形態に係る車両用フロアカーペットがフロアパネル上に敷設された状態の車幅方向に沿った縦断面図であり、図1(b)は、前記車両用フロアカーペットの部分拡大縦断面図である。
先ず、車体のフロアパネル100の構造について概略説明する。図1(a)に示すように、車体のフロアパネル100の中央部には、縦断面略コ字状でルーフ側に向かって突出して形成され、車体の前後方向に沿って延在するセンタトンネル102が設けられる。前記センタトンネル102の車幅方向に沿った両側には、車体の前後方向に沿って延在し、フロアパネル100から床上側に向かって膨出形成された一組のフロアフレーム104が設けられる。この場合、フロアパネル100の床上面を基準としてセンタトンネル102の高さ方向に沿った寸法は、フロアフレーム104の高さ方向の寸法に対して大きく設定されている。
車幅方向に沿った前記センタトンネル102と前記フロアフレーム104との間には、断面略矩形状の第1凹部106aが形成され、また、前記フロアフレーム104に隣接し前記センタトンネル102から車幅方向に沿って離間する側には、断面略矩形状の第2凹部106bが形成される。
図1(a)及び(b)に示すように、車両用フロアカーペット10(以下、単に、カーペット10という)は、前記第1凹部106a及び第2凹部106bに対応する形状からなり、該第1凹部106a及び第2凹部106bにそれぞれ装填され、カーペット10の下層に設けられる第1スペーサ12a及び第2スペーサ12bを含む。
なお、前記第1スペーサ12a及び第2スペーサ12bの外壁面の一部は、金属製材料からなるフロアパネル100内壁面との擦接音(摩擦音)を防止するために、例えば、所定の厚さを有するウレタンフォーム(中間部材)13によって被覆される。
前記第1スペーサ12a及び第2スペーサ12bは、前記フロアフレーム104の上面と略面一に形成されたブロック体からなり、好適にはポリスチレン発泡体(ビーズ法ポリスチレンフォーム材)によって構成される。前記第1スペーサ12a及び第2スペーサ12bの上面と、前記フロアフレーム104の上面とを略面一に形成することにより、フロアの平坦化を達成することができる。この場合、ポリスチレン発泡体は安価であるため、カーペット10自体の製造コストの低減化を達成することができる。
さらに、前記カーペット10は、フロアフレーム104の上面を被覆して前記第1スペーサ12a及び第2スペーサ12bの上面に積層され、カーペット10の中間層に設けられる第1吸音フェルト材(第1吸音フェルト層)14aと、前記第1吸音フェルト材14aの上面に積層され、カーペット10の中間層に設けられる遮音シート体(樹脂シート体)16と、前記遮音シート体16の上面に積層され、カーペット10の上層に設けられる第2吸音フェルト材(第2吸音フェルト層)14bと、前記第2吸音フェルト材14bの上面に設けられる表皮材18とを有する。
この場合、カーペット10は、下層の第1及び第2スペーサ12a、12b、中間層の第1吸音フェルト材14a、遮音シート体16、上層の第2吸音フェルト材14b並びに表皮材18が、例えば、ホットメルト接着剤等の結合手段によって一体的に結合される。
前記スペーサ12は、縦方向に沿った厚さ寸法が約30〜45mmからなるポリスチレン発泡体(ビーズ法ポリスチレンフォーム材)によって構成される。このスペーサ12は、多孔質に形成されることにより、吸音性を有する。
前記スペーサ12の上面に積層される前記第1吸音フェルト材14aは、車室の内外で発生した騒音を吸音するために設けられる。この第1吸音フェルト材14aは、例えば、合成繊維系の再生繊維を母材として、15〜30重量パーセントの比率で低融点のバインダ繊維(コンジュゲート繊維等)を配合して加熱し、母材繊維間をつないで剛性を出し、耐圧縮特性を高めたものが好適である。
前記第1吸音フェルト材14aは、例えば、その厚さが約4〜8mm、目付け量(1m当たりの繊維の重量)が300〜600g/mに設定されるとよい。厚さを4mmよりも薄く(目付け量を少なく)すると、吸音性が低下するので一定の厚さが必要であると共に、厚さが8mmを超えて厚く(目付け量を多く)すると、沈み込みが起こり易くなり、カーペット全体での沈み込み量の要求値を充足することができなくなるからである。
前記遮音シート体16は、例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)系樹脂シート体によって構成されるとよい。この場合、前記遮音シート体16は、引張強度が高いため、スポットの足踏み荷重に対して周囲で保持されることにより、撓みが抑制されて上層における剛性が確保される。
前記遮音シート体16の上面に積層される第2吸音フェルト材14bは、車室内に発生する騒音を吸音するために設けられる。前記第2吸音フェルト材14bは、例えば、合成繊維系の再生繊維を母材として、15〜30重量パーセントの比率で低融点のバインダ繊維(コンジュゲート繊維等)を配合して加熱し、母材繊維間をつないで剛性を出し、耐圧縮特性を高めたものが好適である。
前記第2吸音フェルト材14bは、前記第1吸音フェルト材14aと同一で、例えば、その厚さが約4〜8mm、目付け量(1m当たりの繊維の重量)が300〜600g/mに設定されるとよい。
以下に第1吸音フェルト材14aと第2吸音フェルト材14bとの関係について説明する。第1吸音フェルト材14a及び第2吸音フェルト材14bは、共に吸音性のために配設される吸音特性に優れたもので、その材質も同一であるが、2層に均一に分けることにより、室内方向とフロアパネル100方向からの両方向からの入射音の吸音性が発現しやすくなり、それぞれの層厚を小さくすることで、沈み込みに対する抵抗を高めることができる。また、第1吸音フェルト材14a及び第2吸音フェルト材14bによって構成される2つの吸音層の間に遮音シート体16を挟持した積層体は、前記遮音シート体16が介装されることなく2つ吸音層が直接積層された積層体よりも剛性を高めやすく、沈み込みに対する抵抗を高める効果を奏する。
前記第2吸音フェルト材14bの上面には表皮材(カーペット材)18が設けられる。従来から、カーペット裏打ち材として、重量物からなるマスバック材が使用されている。しかしながら、このマスバック材は遮音性に優れた特性を有するが、軽量化を図る観点からは好ましくない。従って、本実施形態で使用される表皮材18としては、成形後において通気性を有し、軽量且つ吸音性に優れたものを選択するとよい。
本実施形態に係る車両用フロアカーペット10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
本実施形態に係るカーペット10では、その下層に、例えば、発泡ポリスチレンビーズによって構成されたスペーサ12をフロアフレーム104の上面と略面一に設けている。従って、本実施形態に係るカーペット10では、フロアの平坦化を達成することができると共に、前記発泡ポリスチレンビーズが十分な剛性を有するために足踏み時における沈み込み量が低減される。この結果、本実施形態に係るカーペット10では、フロアの平坦化と足踏み剛性確保とを両立させることができる。
また、本実施形態に係るカーペット10では、脆弱層である第1吸音フェルト材14aと第2吸音フェルト材14bとの間に、遮音機能を有し樹脂製シートからなる遮音シート体16を介装することにより、フロアフレーム104の上方に位置する薄肉な部位であっても所望の剛性を確保することができる。
すなわち、下層側の第1吸音フェルト材14a及び上層側の第2吸音フェルト材14bがそれぞれ可撓性を有する部材で構成されているが、前記第1吸音フェルト材14aと前記第2吸音フェルト材14bの中間に前記可撓性を抑制する樹脂製シートからなる遮音シート体16を設けることにより、カーペット10全体として十分な剛性が確保されて形状安定性を達成することができる。
従って、本実施形態に係るカーペット10では、フロアフレーム104が設けられた部位に対応するカーペット10の沈み込み量と、前記フロアフレーム104が設けられていない他の部分である凹部106a(106b)に対応するカーペット10の沈み込み量との偏差を減少させて略一致とすることができる。この結果、フロアフレーム104が設けられた部分と前記フロアフレーム104が設けられていない他の部分との間で乗員の踏み込み感に違和感を発生させることがなく、良好な足踏み感が得られる。
さらに、本実施形態に係るカーペット10では、下層のウレタンフォーム13、第1及び第2スペーサ12a、12b、中間層の第1吸音フェルト材14a、遮音シート体16、上層の第2吸音フェルト材14b並びに表皮材18が、例えば、粘着性接着剤等の結合手段によって一体的に結合されることにより、車両の組み付けラインにおいて、極めて短時間でフロアパネル100に対して位置決めされた状態で1回の作業工程で簡便に装着することができる。
さらにまた、本実施形態に係るカーペット10では、フロアフレーム104上に配置される薄肉な部分が、第1吸音フェルト材14aと第2吸音フェルト材14bの中間に介装された遮音シート体16によって所望の剛性を確保することができる。この結果、本実施形態に係るカーペット10では、フロアパネル100の第1凹部106a及び第2凹部106bにそれぞれ装填される肉厚なスペーサ12を、前記フロアフレーム104上に配置される薄肉な部分によって好適に保持することができ、前記第1凹部106a及び第2凹部106bへの装填作業が容易となる。
仮に、前記フロアフレーム104上に配置される薄肉な部分において所望の剛性が確保されない場合には、ポリスチレン発泡体からなるスペーサ12の重量作用下に前記薄肉な部分が撓曲して形状が安定せず、作業者によるフロアパネル100への取付作業に困難を伴うと共に、取付作業に時間がかかって作業効率が悪くなるという不具合が発生するからである。
またさらに、本実施形態に係るカーペット10では、第1吸音フェルト材14a及び第2吸音フェルト材14bをそれぞれ厚く設定した場合であっても、その中間に介装された遮音シート体16の引張強度が高いため、乗員の踏み込み荷重による沈み込みを抑制することができ、騒音の低減化を図ると共に、乗員への踏み込みによる違和感をなくすことができる。
次に、図2(b)の向かって右側に示される本実施例に係るカーペットのテストピースと、図2(b)の向かって左側に示される第1比較例に係るカーペットのテストピースとを用いて、足踏み感に関する実験を行った。
本実施例に係るテストピースとしては、以下のものを用いた。
スペーサ12は、その上下方向に沿った全体の厚さが約21.5mmからなり、その材質がポリスチレン樹脂ビーズで発泡倍率30倍からなる発泡成形体を用いた。
第1吸音フェルト材14aは、その厚さが約6mmからなり、目付け量が450g/mからなり、その材質が合成繊維系の再生繊維を母材にして、20重量パーセントの比率で芯成分がポリプロピレン(PP)、鞘成分がポリエチレン(PE)のコンジュゲート繊維からなるバインダ繊維を配合したものを用いた。
遮音シート体16は、その厚さが約2.0mmからなり、目付け量が3200g/mからなり、その材質がオレフィン系樹脂からなる樹脂製シート体を用いた。
第2吸音フェルト材14bは、その厚さが約6mmからなり、目付け量が450g/mからなり、その材質が第1吸音フェルト材14aと同一のものを用いた。
表皮材18は、目付け量が120g/mのPET基布にナイロンカットパイルを285g/mで植設したタフトカーペットの裏面に、オレフィン系樹脂シート250g/m及びポリエステル繊維ニードルパンチ不織布300g/mを順に裏打ちして形成したものを用いた。
前記第1比較例に係るテストピースは、図2(b)に示すように、下層に上下方向に沿った厚さが約20mmからなるウレタンと、前記ウレタンの上面に積層され、その厚さが約1.5mmからなる遮音材と、前記遮音材の上面に積層され、その厚さが約20mmからなるフェルトと、前記フェルトの上面に設けられ、厚さが約3.5mmからなる表皮材とから構成されるものを用いた。
本実験では、図2(a)に示すように、同一の所定寸法(縦×横×厚さ)を有するテストピースを測定物とし、テストピースの上面に半径約75mmからなる円盤体56を載置した状態において、前記円盤体56に対して図示しない加圧機構を介して加圧力F(約300N)を鉛直下方向に付与したときの沈み込み量d(mm)をそれぞれ測定した。その測定結果を図2(c)に示す。
この加圧力300N(≒30kgf)は、一般的なモデルケースとして、例えば、体重約60kg相当からなる乗員がカーペットを踏みしめたことを想定して設定された荷重であり、また、乗員の足踏み範囲(例えば、つま先部分)を想定し、前記想定された乗員の足踏み範囲に対応して円盤体56の半径を約75mmに設定したものである。
図2(c)から諒解されるように、第1比較例に係るテストピースでは、沈み込み量dが10mmであったのに対し、本実施例に係るテストピースでは、沈み込み量dが5mmに半減した。この第1比較例及び本実施例における沈み込み量dは、フロアフレーム104に隣接した第1凹部106a(又は第2凹部106b)における沈み込み量dに相当するものである。
これに対して、第1比較例に係るテストピースから下層のウレタンの一部を除去したものを他のテストピースとし、本実施例に係るテストピースから下層のスペーサ12及びウレタンフォーム13を除去したもの(第1吸音フェルト材14a、遮音シート体16、第2吸音フェルト材14b、及び表皮材18のみによって構成されたもの)を他のテストピースとして同一の厚さに設定し、前記と同様に加圧力Fを付与した場合、それぞれ沈み込み量dが3mmと同一であった。この沈み込み量dは、フロアフレーム104の上方部位のカーペット10における沈み込み量に相当するものである。
以上から、第1比較例に係るテストピースでは、フロアパネル100の凹部106a(106b)における沈み込み量10mmと、フロアフレーム104上における沈み込み量3mmとの間で7mmの沈み込み量の差(10−3=7)が発生し、乗員に違和感を与えるおそれがある。これに対して、本実施例に係るテストピースでは、フロアパネル100の凹部106a(106b)における沈み込み量5mmと、フロアフレーム104上における沈み込み量3mmとの間で2mmの沈み込み量の差(5−3=2)が発生し、この沈み込み量の差は、許容範囲内で沈み込み量が略一致するものとみなし、乗員に違和感を与えることがなく良好な踏み込み感を奏する。
この結果、第1比較例に係るテストピースでは、フロアパネル100の凹部106a(106b)における沈み込み量が大きく、前記凹部106a(106b)とフロアフレーム104上との沈み込み量の差が大きいことから不適(図2(c)中の×参照)であると判定し、一方、本実施例に係るテストピースでは、前記凹部106a(106b)とフロアフレーム104上との沈み込み量の差が許容範囲内でカーペット10の沈み込み量が略一致しており、乗員に対して違和感を与えることがないと思われるため適正(図2(c)中の○参照)であると判定した。
なお、乗員の体重が約60kg相当の加圧力Fが付与されることを条件として、フロアパネル100の凹部106a(106b)における足踏み時の沈み込み量dは、実験乃至シミュレーションに基づいて、6mm以下に設定されると好適であることがわかった。本実施例に係るテストピースでは、この沈み込み量dが5mmで前記沈み込みの適正範囲を充足している。
図3(a)は、本実施例と第2比較例との騒音レベル差を示す特性図である。なお、第2比較例に係るテストピースとしては、図3(b)に示すように、下層にウレタン製吸音材からなる吸音層50を形成し、その吸音層50の上面にマスバックからなる遮音層(重量層)52を積層して中間層とし、その遮音層52の上面に表皮材54を設け、本実施例に係るテストピースと同一の所定寸法(縦×横×厚さ)からなるものを用いた。また、本実施例に係るテストピースは、図2(b)に示したものと同一である。
この特性図では、Y軸に周波数(Hz)をとり、X軸に本実施例と第2比較例との音圧レベル差であるΔSPL(Sound Pressure Level)をとっており、前述した第2比較例は、前記ΔSPLが零でY軸に対応する。図3(a)から諒解されるように、本実施例では、低域周波数領域で遮音効果が得られると共に、中域周波数領域から高域周波数領域にかけて吸音効果を得ることができた。
この結果、本実施例では、吸遮音効果を併有すると共に、遮音効果を劣化させることがなく高い吸音効果を得ることができた。また、車室内のトータルした音レベルで判断すると、全周波数領域で良好な吸遮音効果を得ることができた。
換言すると、一般的に、タイヤやエンジン音は低域周波数領域に属し、風や排気音は高域周波数領域に属するが、本実施例では、低域周波数領域から高域周波数領域にわたる幅広い周波数領域において、十分な吸遮音特性を達成することができた。
(a)は、本発明の実施形態に係る車両用フロアカーペットがフロアパネル上に敷設された状態の車幅方向に沿った縦断面図であり、(b)は、前記車両用フロアカーペットの部分拡大縦断面図である。 (a)は、カーペットの沈み込みを測定する実験方法を示す図であり、(b)は、本実施例及び第1比較例に係るテストピースの構造をそれぞれ示す縦断面図であり、(c)は、前記実験の測定結果を示す図である。 (a)は、本実施例と第2比較例との騒音レベル差を示す特性図であり、(b)は、第2比較例に係るテストピースの構造を示す縦断面図である。
符号の説明
10 車両用フロアカーペット
12a、12b スペーサ
13 ウレタンフォーム
14a 第1吸音フェルト材(第1吸音フェルト層)
14b 第2吸音フェルト材(第2吸音フェルト層)
16 遮音シート体(樹脂シート体)
18 表皮材
100 フロアパネル
104 フロアフレーム

Claims (1)

  1. 車両の車室内に敷設される車両用フロアカーペットであって、
    フロアパネルの床面に上方に向かって膨出形成されたフロアフレームによって形成された前記フロアパネルの凹部に装填され、前記フロアパネルの床面に膨出するフロアフレームの上面と略面一に形成された、ポリスチレン発泡体からなるスペーサと、
    前記フロアパネルの凹部内壁と前記スペーサとの間に設けられる中間部材と、
    前記スペーサの上面に積層され、前記フロアフレーム及び前記スペーサを略水平面に沿って被覆する第1吸音フェルト層と、
    前記第1吸音フェルト層の上面に積層される樹脂シート体と、
    前記樹脂シート体の上面に積層される第2吸音フェルト層と、
    前記第2吸音フェルト層の上面に設けられる表皮材と、
    を備え、
    フロアカーペットに対して所定の踏み込み荷重を鉛直下方向に向かって付与した際、前記フロアフレームの上面に対応する部位と、前記フロアフレームの上面を除いた他の部位との間で前記フロアカーペットの沈み込み量が略一致するように設けられることを特徴とする車両用フロアカーペット。
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