JP3131534U - 吸音マット - Google Patents
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Abstract
【目的】フロア、特に自動車のフロアに敷いて自動車のエンジン等が発生する振動或いは車輪の回転に起因する振動、騒音を吸収する吸音マットの提供。
【解決手段】カーペット2、床面と直接接触するニブ7を設けた熱可塑性合成樹脂製ソリッド層5、6、発泡層8および不織布層9を順次積層一体化し、床側から不織布層9、発泡層8、および熱可塑性合成樹脂製ソリッド層5まで幅方向に貫通した吸音孔10を複数個穿設する。
【選択図】図1
【解決手段】カーペット2、床面と直接接触するニブ7を設けた熱可塑性合成樹脂製ソリッド層5、6、発泡層8および不織布層9を順次積層一体化し、床側から不織布層9、発泡層8、および熱可塑性合成樹脂製ソリッド層5まで幅方向に貫通した吸音孔10を複数個穿設する。
【選択図】図1
Description
本考案は、吸音マットに関する。より詳細に述べれば、本考案は、カーペット層、ニブを成形した熱可塑性合成樹脂層、吸音層、および不織布層を順次積層し、不織布層、吸音層、および熱可塑性合成樹脂層を幅方向に貫通した吸音孔を穿設した構造の吸音マットに関する。
種々の形態のマットが一般家庭、オフィス・ホテル・店舗等建物の床、自動車、船舶、航空機、鉄道車両等運輸車両の床等で使用されている。特に、置き敷きタイプのマットが、自動車用オプションマット、玄関マット、建物の水廻りマット、廊下敷きマット(ランナー)、業務用マット(ダストコントロールマット)、として使用されている。
このようなマットを構造の点から大まかに分類すると、ゴム若しくはゴムと熱可塑性合成樹脂との混合物をプレス成形等により所定の形状に成形した、いわゆるゴムマット、及び織りカーペットのようにパイルのあるカーペット、或いは圧縮カーペット、例えばフェルト調ニードルパンチカーペットのようにパイルのないカーペット、並びにゴム若しくは熱可塑性合成樹脂又はゴムと熱可塑性合成樹脂との混合物から成るマットベース若しくはマットベースの上に前記各種カーペットを接着させたフロアマット等に分類される。本考案はフロアマットに適用される。
上述したフロアマットの主たる使用目的は、装飾性の他に、床の汚れを防ぎ、防音、防振、保温、歩行快適性、安全性等の効果を向上させることである。これらの効果を一層上げるためには、マットベースの上に積層させるカーペットのテクスチャーはパイルの無いフラットタイプよりも、カット、ループ、カット&ループ等のパイルがあるカーペットの方が好ましい。そして、近年の高級品志向に伴って、マットベースに積層させるカーペットは、パイルがあって高密度のものが使用されている。
ゴム若しくはゴムと熱可塑性合成樹脂との混合物から成るマットベースとマットベースの上に各種カーペットを積層させた置き敷きタイプのフロアマットが前述の効果を向上させることはもとより、マットベースとカーペットが動かないように固定されていること、床の構造に完全に追随すること、縁部が反り返らないこと等が必須の要件である。フロアマットが、これらの要件を満たしていない場合、防音、床の汚れ防止、防振、保温効果等が十分発揮されないばかりか、歩行上危険である。
特許文献1は、カーペット層、第1発泡体層、不織布層、第2発泡体層を順次積層して一体化した自動車フロアマットを開示している。この自動車フロアマットには、フロアと点で接触するニブと、第2発泡体層、不織布層、および第1発泡体層を貫通する吸音孔が形成されていない。
特許文献2は、マット基材の下面側に熱可塑性のシート部材を不織布と、前記シート部材が中間層となるように積層し、この不織布と前記中間層のシート部材とを貫通し、前記マット基材に達する吸音孔を多数設けた吸音マットを開示している。この吸音マットは、熱可塑性のシート部材に、フロアと点で接触するニブが形成されていない。
特許文献3は、カーペット層、第1複合層、第1発泡体層、第2複合層、第2発泡体層を順次積層して一体化した自動車用フロアマットを開示している。この自動者用フロアマットには、フロアと点で接触するニブと、第2発泡体層、第2複合層、および第1発泡体層を貫通して第1複合層に達する吸音孔が形成されていない。
特許文献4は、表側繊維基材層、透孔性接着シート、裏側繊維基材層、独立気泡構造発泡樹脂層を順次積層して一体化し、独立気泡構造発泡樹脂層の裏面にはズレ止め用突起を形成し、独立気泡構造発泡樹脂層、裏側繊維基材層、および透孔性接着シートを貫通して表側繊維基材層にまで達する貫通孔を形成した防音カーペットを開示している。
特許文献5は、カーペット、吸音層、および滑り止め用突起を形成した発泡ゴムシートを順次積層して一体化した自動車フロアマットを開示している。この自動車フロアマットには、発泡ゴムシート、および吸音層を貫通してカーペットに達する吸音孔が形成されていない。
特許文献6は、マットベースと、前記マットベースの周縁部の所定の箇所で前記マットベースと一体化されていて任意の断面形状を有して立ち上げて形成されている縁部と、前記マットベースと縁部の表面に接着されているカーペットとから成るフロアマットであって、前記マットベースがソリッド構造で、前記縁部の内部が発泡構造であることを特徴とするフロアマットを開示している。この従来技術は、フロアマットのソリッド層から成るマットベースと一体に成形した縁部だけを発泡構造とすることにより、縁部に踏みつけ等の衝撃を加えても、縁部が、その衝撃を吸収し、応力が縁部以外に伝播するのを防止し、縁部の反り返り或いは巻き込み等の不都合を防止し、フロアマットが所定位置からずれたり、移動するのを防止し、床面への追随性を向上させることを目的としたものである。このフロアマットには、マットベースを貫通してカーペット層まで達する吸音孔が形成されていない。
特許文献7は、マットベースと、マットベースの周縁部の所定の箇所でマットベースと一体化されていて任意の断面形状を有して立ち上げて形成されている縁部と、マットベースと縁部の表面に接着されているカーペットとから成るフロアマットにおいて、マットベースと縁部の両方を発泡体構造としたフロアマットを開示している。この従来技術は、マットベースと縁部の両方を発泡構造として、フロアマット全体として吸音効果と、縁部の反り返り、或いは巻き込み等の不都合が発生するのを防止することを目的としたものである。このフロアマットには、マットベースを貫通してカーペット層まで達する吸音孔が形成されていない。
特開2003−40018号公報明細書 特開2003−241762号公報明細書 特開2004−123090号公報明細書 特開2004−154446号公報明細書 特開2004−299576号公報明細書 特開2000−166743号公報明細書 特開2005−160990号公報明細書
ところで、自動車全体の振動はフロアに伝わりやすく、また乗客の移動等によって発生する音もフロアに伝わりやすいので、フロアを利用して吸音効果を上げることが必要である。ここで、有利なことには、自動車のフロアは平面で比較的スペースがあるので、フロア全体に吸音効果がある材料を置くことができることである。然しながら、上述した特許文献1〜7に記載されている各種フロアマットは、その構造上、自動車のフロアにおいても、自動車の室内で発生する騒音を低減化することはもとより、室外で発生する騒音が室内に入る際に低減化するには十分な吸音効果を上げることができない。
本考案は上記従来技術の欠点を解消するために成されたもので、フロア、特に自動車のフロアに敷いて自動車のエンジン等が発生する振動或いは車輪の回転に起因する振動、騒音を吸収する吸音マットを提供することを目的とする。
本考案によると上記課題は次のようにして解決される。
1。カーペット層、床面と直接接触するニブを設けた熱可塑性合成樹脂製ソリッド層、発泡層、および不織布層を順次積層一体化し、床側から不織布層、発泡層、および熱可塑性合成樹脂製ソリッド層まで幅方向に貫通した吸音孔を複数個穿設した構造の吸音マット。
1。カーペット層、床面と直接接触するニブを設けた熱可塑性合成樹脂製ソリッド層、発泡層、および不織布層を順次積層一体化し、床側から不織布層、発泡層、および熱可塑性合成樹脂製ソリッド層まで幅方向に貫通した吸音孔を複数個穿設した構造の吸音マット。
2。前記1項において、熱可塑性合成樹脂製ソリッド層の隣接する吸音孔間のセグメントの幅方向断面が、カーペット側から床面に向かって、
イ。幅約10mm、厚さ約1mmの長方形と、
ロ。前記長方形と一体化された高さ約2.5mm、底辺約8mmの床面方向に向かって先細になる二等辺三角形、および
ハ。前記二等辺三角形と一体化され床面に達する長さ約1.5mmのニブから構成されている。
イ。幅約10mm、厚さ約1mmの長方形と、
ロ。前記長方形と一体化された高さ約2.5mm、底辺約8mmの床面方向に向かって先細になる二等辺三角形、および
ハ。前記二等辺三角形と一体化され床面に達する長さ約1.5mmのニブから構成されている。
3。前記1又は2項において、熱可塑性合成樹脂製のニブの高さを約1mmとする。
4。前記1または3のいずれか1項において、ソリッド層の硬度が50〜80度である。
5。前記1〜4のいずれか1項において、発泡層の発泡倍率が20〜30倍である。
6。前記1〜5のいずれか1項において、吸音孔の直径が約0.5〜約1.5mmである。
7。前記1〜6のいずれか1項において、隣接する吸音孔の心−心の長さが約10mmである。
請求項1に記載した考案は、カーペット層、床面と直接接触するニブを設けた熱可塑性合成樹脂製ソリッド層、発泡層、および不織布層を順次積層一体化し、床側から不織布層、発泡層、および熱可塑性合成樹脂製ソリッド層まで幅方向に貫通した吸音孔を複数個穿設した構造の吸音マットなので、下記に例示する効果を奏功することができる。
(1)発泡層を、加水分解を起し易く、耐磨耗性も悪いウレタン等で製造した場合でも、下面に不織布を接合することにより保護されている。
(1)発泡層を、加水分解を起し易く、耐磨耗性も悪いウレタン等で製造した場合でも、下面に不織布を接合することにより保護されている。
(2)カーペット自体が有する吸音作用、発泡層の吸音作用、および床側から不織布層、発泡層、および熱可塑性合成樹脂製ソリッド層まで幅方向に貫通した吸音孔が相加的に作用して吸音作用を高める。
(3)熱可塑性合成樹脂製ソリッド層に形成したニブが床面と点接触することにより、自動車のエンジン等からの振動を減振する効果がある。
請求項2に記載した考案によれば、請求項1に記載した考案において、熱可塑性合成樹脂製ソリッド層の隣接する吸音孔間のセグメントの幅方向断面が、カーペット側から床面に向かって、
イ。幅約10mm、厚さ約1mmの長方形と、
ロ。前記長方形と一体化された高さ約2.5mm、底辺約8mmの床面方向に向かって先細になる二等辺三角形、および
ハ。前記二等辺三角形と一体化され床面に達する長さ約1.5mmのニブから構成されているので、下記に例示する効果を奏功することができる。
イ。幅約10mm、厚さ約1mmの長方形と、
ロ。前記長方形と一体化された高さ約2.5mm、底辺約8mmの床面方向に向かって先細になる二等辺三角形、および
ハ。前記二等辺三角形と一体化され床面に達する長さ約1.5mmのニブから構成されているので、下記に例示する効果を奏功することができる。
(1)隣接する吸音孔間のセグメントが独楽の形状としていて、独楽の芯に相当するニブが床面を点接触で支持しているので、自動車のエンジン等の振動がマット全体へ拡散する量を低減する。
(2)二等辺三角形の周囲全体を発泡層が直接接触して包む形状になっているので、二等辺三角形が支持されていて、マットの移動によってぶれることがない。
(3)二等辺三角形の周囲全体を発泡層が直接接触して包む形状になっているので、床面から自動車のエンジン等の振動がニブを経て二等辺三角形に伝達されても、発泡層が振動を吸収して減振する効果がある。
請求項3に記載した考案によれば、請求項1または2に記載した考案において熱可塑性合成樹脂製のニブの高さを約1mmとしたので、マットが移動しても、ニブが破断することなく、また、マットに荷重が負荷されてニブが圧縮されても圧縮されたまま形状を維持するので、床面を点で支持する効果は低減されない。ニブが長すぎると、マットが移動した場合、ニブが破断することがあり、また、マットに荷重が負荷された場合、ニブの圧縮度が大きく、形状を維持することが難しくなり、床面を点で支持する効果が低減されることがある。
請求項4に記載した考案によれば、請求項1〜3項のいずれか1項に記載した考案において、ソリッド層の硬度を50〜80度としたので、マット全体にほどよい柔軟性と硬度を与える。
請求項5に記載した考案によれば、請求項1〜4項のいずれか1項に記載した考案において、発泡層の発泡倍率を20〜30倍としたので、特に中高温域に吸音特性を示す。
請求項6に記載した考案によれば、請求項1〜5項のいずれか1項に記載した考案において、吸音孔の直径を0.5〜1.5mmとしたので、マット全体が、一種の穴あき板構造体となり、中音域に吸音特性を示す。また、吸音孔の直径が1.5mm以下なので、マットに荷重が負荷されても、吸音孔が左右につぶれる変形度も小さいので、穴あき板構造体としての吸音効果を維持する。
請求項7に記載した考案によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載した考案において、隣接する吸音孔の心−心の長さを約10mmしたので、マットに荷重が負荷されても、マットが床方向に沈下することなく、本来の形状を維持し、吸音孔が左右につぶれる変形度も小さいので、穴あき板構造体としての吸音効果を維持することができる。隣接する吸音孔の心−心の長さが10mm以上になると、マットに荷重が負荷された場合、マットが床方向に沈下し、本来の形状を維持できなくなり、吸音孔が左右につぶれる変形度も大きくなるので、穴あき板構造体としての吸音効果を維持することができなくなる。逆に、隣接する吸音孔の心−心の長さが10mm以下の場合、マット全体の強度が低下する。
以下、本考案の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本考案の1実施の形態を示す断面図である。1は本考案の吸音マット、2はカーペット、3はカーペットの下地材、4はカーペットのパイル、5は熱可熱可塑性合成樹脂製ソリッド層、6は熱可熱可塑性合成樹脂製ソリッドの脚部、7は熱可熱可塑性合成樹脂製ソリッドのニブ、8は吸音層、9は不織布、10は吸音孔である。
図1は、本考案の1実施の形態を示す断面図である。1は本考案の吸音マット、2はカーペット、3はカーペットの下地材、4はカーペットのパイル、5は熱可熱可塑性合成樹脂製ソリッド層、6は熱可熱可塑性合成樹脂製ソリッドの脚部、7は熱可熱可塑性合成樹脂製ソリッドのニブ、8は吸音層、9は不織布、10は吸音孔である。
従来から騒音防止法の一つとして吸音作用のある材料に音を吸収させて低減化させる方法がある。吸音材料には、多孔質(連続気泡)材料、孔空き板構造体、膜状材料、板状材料、スリット構造体等非常に多くの種類があるが、音のエネルギーを熱エネルギーに変換することによって吸音作用が起こるという点では、殆どすべての材料に共通している。
この中で、多孔質(連続気泡)材料は、グラスウール、ロックウール、スラッグウール、フェルト、発泡樹脂材料、吹付繊維材料、織物、植毛繊維等が例示され、古くから吸音材料として使用されてきた。
本考案の吸音マット1は、その断面構造に特徴があるので、カーペット2の材料、構成等は特段に限定されない。即ち、本考案の吸音マット1で使用するカーペット2は、パイル織りカーペット、タフテッドカーペット、布を下地にした電気植毛、ニードルパンチ、フェルト類のような不織布、或いは1枚物のだんつう等が任意に選択される。
ただし、自動車のフロアマットの表面に使用されるカーペットも、基本的には多孔質材料に含まれ、その厚さが吸音特性を規定する要因になる。たとえば、同じ材料で製造された厚さ1〜4mm、6〜8mm、及び12〜15mmのカーペットの吸音率を比べると、周波数1kHz〜2kHzの範囲で、厚さ6〜8mmのカーペット、及び厚さ12〜15mmのカーペットの吸音率は、それぞれ、厚さ1〜4mmのカーペットの2倍、及び2〜3.7倍である。すなわち、厚くなれば、なるほど、吸音率が上昇する。然しながら、自動車の床に敷くという、場所が限定されているので、その厚さにも自ずから限界がある。従って、カーペット2は、得ようとする吸音効果、コスト等を勘案して、選択しなければならない。
5は熱可塑性合成樹脂のソリッド層である。ソリッド層5の硬度は50〜80度にすることが好ましい。ソリッド層5の硬度を50〜80度とすることにより、マット全体にほどよい柔軟性と硬度を与える。
6は熱可熱可塑性合成樹脂製ソリッドの脚部で、5の熱可塑性合成樹脂のソリッド層と一体成形されている。
7は熱可熱可塑性合成樹脂製ソリッドのニブで、5の熱可塑性合成樹脂のソリッド層および6の熱可熱可塑性合成樹脂製ソリッドの脚部と全体が一体成形されている。
ニブ7の高さは約1mmとすることが好ましい。ニブの高さを約1mmとすることにより、マットが移動しても、ニブが破断することなく、また、マットに荷重が負荷されてニブが圧縮されても圧縮されたまま形状を維持するので、床面を点で支持する効果は低減されない。ニブが長すぎると、マットが移動した場合、ニブが破断することがあり、また、マットに荷重が負荷された場合、ニブの圧縮度が大きく、形状を維持することが難しくなり、床面を点で支持する効果が低減されることがある。
8は吸音層で、たとえばウレタン等で製造される。吸音層の発泡倍率は20〜30倍が好ましい。吸音層の発泡倍率を20〜30倍とすることにより、特に中高温域に吸音特性を示す。
9は不織布である。吸音層8をウレタンで製造すると、ウレタンは加水分解を起こして、耐磨耗性が低下するので、その表面に不織布9を積層させて保護する効果がある。
10は吸音孔である。吸音孔10の直径は、約0.5〜約1.5mmとすることが好ましい。吸音孔の直径を0.5〜1.5mmとすることにより、マット全体が、一種の穴あき板構造体となり、中音域に吸音特性を示す。また、吸音孔の直径が1.5mm以下なので、マットに荷重が負荷されても、吸音孔が左右につぶれる変形度も小さいので、穴あき板構造体としての吸音効果を維持する。
隣接する吸音孔10の心−心の長さは、約10mmとすることが好ましい。隣接する吸音孔10の心−心の長さを約10mmとすることにより、マットに荷重が負荷されても、マットが床方向に沈下することなく、本来の形状を維持し、吸音孔10が左右につぶれる変形度も小さいので、穴あき板構造体としての吸音効果を維持することができる。隣接する吸音孔10の心−心の長さが10mm以上になると、マットに荷重が負荷された場合、マットが床方向に沈下し、本来の形状を維持できなくなり、吸音孔10が左右につぶれる変形度も大きくなるので、穴あき板構造体としての吸音効果を維持することができなくなる。逆に、隣接する吸音孔10の心−心の長さが10mm以下の場合、マット全体の強度が低下する。
本考案の吸音マットの最も好ましい構造は、熱可塑性合成樹脂製ソリッド層5の隣接する吸音孔10間のセグメントの幅方向断面が、カーペット2側から床面に向かって、幅約10mm、厚さ約1mmの長方形と、前記長方形と一体化された高さ約2.5mm、底辺約8mmの床面方向に向かって先細になる二等辺三角形から成る脚部6、および脚部6と一体化され床面に達する長さ約1.5mmのニブ7、脚部6を包摂する発泡倍率が20〜30倍の吸音層8、吸音層8に積層され吸音層8を保護する不織布9,マット1の底面から熱可塑性合成樹脂製ソリッド層5まで幅方向に貫通した直径が約0.5〜約1.5mmの吸音孔10を複数個穿設した構造となっているので、主としてカーペット層と熱可塑性の樹脂層から構成され遮音性能はあるが吸音性に劣っている従来のマットに比べて、吸音性に優れ、また耐水性も向上しているので、フロアの吸音マット、特に自動車のフロアに敷いて自動車のエンジン等が発生する振動或いは車輪の回転に起因する振動、騒音を吸収する吸音マットとして産業上の利用可能性がある。
1:吸音マット
2:カーペット
3:カーペット下地材
4:パイル
5:熱可塑性合成樹脂ソリッド層
6:熱可塑性合成樹脂ソリッド脚部
7:熱可塑性合成樹脂ソリッドニブ
8:吸音層
9:不織布
10:吸音孔
2:カーペット
3:カーペット下地材
4:パイル
5:熱可塑性合成樹脂ソリッド層
6:熱可塑性合成樹脂ソリッド脚部
7:熱可塑性合成樹脂ソリッドニブ
8:吸音層
9:不織布
10:吸音孔
Claims (7)
- カーペット層、床面と直接接触するニブを設けた熱可塑性合成樹脂製ソリッド層、発泡層、および不織布層を順次積層一体化し、床側から不織布層、発泡層、および熱可塑性合成樹脂製ソリッド層まで幅方向に貫通した吸音孔を複数個穿設した構造の吸音マット。
- 前記熱可塑性合成樹脂製ソリッド層の隣接する吸音孔間のセグメントの幅方向断面が、カーペット側から床面に向かって、
イ。幅約10mm、厚さ約1mmの長方形と、
ロ。前記長方形と一体化された高さ約2.5mm、底辺約0.8mmの床面方向に向かって先細になる二等辺三角形、および
ハ。前記二等辺三角形と一体化され床面に達する長さ約1.5mmのニブから構成されている請求項1に記載した吸音マット。 - 熱可塑性合成樹脂製のニブの高さを約1mmとした請求項1又は2に記載の吸音マット。
- ソリッド層の硬度が50〜80度である請求項1〜3のいずれか1項に記載した吸音マット。
- 発泡層の発泡倍率が20〜30倍である請求項1〜4のいずれか1項に記載した吸音マット。
- 吸音孔の直径が約0.5〜約1.5mmである請求項1〜5のいずれか1項に記載した吸音マット。
- 隣接する吸音孔の心−心の長さが約10mmである請求項1〜6のいずれか1項に記載した吸音マット。
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JP2010022411A (ja) * | 2008-07-15 | 2010-02-04 | Daishin Kogyo Kk | 車載用カーペット及びその製造方法 |
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