JP2008284112A - 遊技機の可動装飾装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技機の表示部の周囲を全体的に変化させることにより新鮮な演出効果をもたらすことができる遊技機の可動装飾装置を提供する。
【解決手段】可動装飾装置は、同軸にて回転可能なリング状の第1回転体10及び第2回転体30、並びに両回転体間においてその内周に沿って配列された複数の可動片41を備える。各可動片41は第1回転体10に対し回動可能に軸支されている。各可動片41にはガイドピン44が形成され、その可動片41に対応する第2回転体30の係合部にはガイド溝34が形成され、ガイドピン44及びガイド溝34を介して各可動片41と第2回転体30とが作動連結されている。第1及び第2回転体間の回転速度差に基づいてガイド溝34内でのガイドピン44の位置を変化させ、可動片41の姿勢角を変化させることにより、両回転体の内側に区画された表示部の露出領域の形状又は面積が変化する。
【選択図】図3

Description

本発明は、遊技機の表示部に対して適用される可動装飾装置に関する。
一般にパチンコ機等の遊技機は、変動図柄やその他の視覚情報を表示するための表示部(例えば液晶表示装置)及びその他の演出装置を備えている。また、表示部とその他の演出装置との動作が個々バラバラでは演出の相乗効果が期待できないため、表示部とその他の演出装置とを連動させることも提案されている。例えば特許文献1の遊技機は、表示部と、第1可動体(ハンマー部材80)と、表示部の画面上または当該画面の周縁部にかかる特定部位を指示する第2可動体(指図部材74)と、第1可動体の動きに連動して第2可動体を動かして抽選結果を報知する連動駆動手段とを備え、表示部での表示に第2可動体を連動又は協働させて遊技を盛り上げている。
特開2003−236088号公報(要約)
しかしながら、特許文献1に開示されるような演出手法は、多くのパチンコ遊技機に採用されており、新鮮味に欠けるきらいがある。本発明の目的は、遊技機の表示部に対し適用され、表示部の周囲を全体的に変化させることにより新鮮な演出効果をもたらすことができる遊技機の可動装飾装置を提供することにある。
本発明は、遊技機の表示部に対して適用される遊技機の可動装飾装置である。この可動装飾装置は、前記表示部の前方において回転可能に設けられたリング状の第1回転体と、前記第1回転体と平行に且つ同軸にて回転可能に設けられたリング状の第2回転体と、前記第1及び第2回転体の間において両回転体の内周に沿って配列された複数の可動片と、前記第1及び第2回転体をそれらの周方向に回転駆動すると共に両回転体間に回転速度の差を付与可能な駆動手段とを備えている。前記複数の可動片の各々は前記第1回転体に対し回動可能に軸支されている。前記第2回転体は前記複数の可動片にそれぞれ対応する複数の係合部を有している。そして、前記各可動片には、相互案内可能なガイドピン及びガイド溝のうちの一方が形成され、その可動片に対応する第2回転体の係合部には、前記ガイドピン及びガイド溝のうちの他方が形成され、これらガイドピン及びガイド溝を介して各可動片と第2回転体とが作動連結されている。
この可動装飾装置によれば、リング状の第1回転体及び第2回転体、並びに両回転体間において内周配列された複数の可動片により、遊技機の表示部の前方において回転可能な略リング形状の装飾用組立体(以下「装飾リングアセンブリ」と呼ぶ)が構成される。この装飾リングアセンブリにあっては、その内側領域(中央部)が遊技機の表示部を露出させるための露出領域と位置付けられる。つまり、第1及び第2回転体並びに複数の可動片によって表示部の露出領域の外形状(輪郭)が区画される。より詳しくは、リング状の第1及び第2回転体の形状及び寸法、各可動片の形状及び寸法、可動片の個数、並びに、第1回転体の可動片取付け箇所の各々において各可動片がどのような角度の姿勢をとるかによって、表示部の露出領域の形状又は面積が規定される。なお、ここで言う「形状又は面積」とは、形状のみ、面積のみ、形状及び面積の双方の三態様を含む意味である。
この可動装飾装置では、第1及び第2回転体が同軸回転可能であると共に、第1回転体と第2回転体とが、第1回転体に軸支された複数の可動片、各可動片に形成されたガイドピン及びガイド溝のうちの一方、並びに第2回転体側の係合部に形成されたガイドピン及びガイド溝のうちの他方を介して作動連結されている。故に、第1回転体と第2回転体との相対的な位置関係(回転位相関係)に応じて各ガイド溝内での各ガイドピンの相対位置が決定する。そして、第1回転体に軸支されている各可動片の姿勢は、ガイドピンとガイド溝との相対位置関係に応じた姿勢角となるように機械的に制御される。
本発明の可動装飾装置は、第1及び第2回転体間に回転速度の差を付与可能な駆動手段を備えており、この駆動手段によって装飾リングアセンブリの第1及び第2回転体は回転速度差をもって周方向に回転駆動される。すると、両回転体の回転速度差に基づいて各ガイド溝内での各ガイドピンの相対位置が変化し、それに応じて各可動片の姿勢角も変化する。その際、複数の可動片は、第1及び第2回転体の回転に追従して装飾リングアセンブリの回転軸を中心として特定方向に回転(公転)するのみならず、各可動片がその姿勢角を時間の経過と共に変化させる。その結果、各可動片はその先端部(内端部)が装飾リングアセンブリの回転軸に対し接近又は離間するような径方向出没運動を繰り返す。このように装飾リングアセンブリの回転中に、複数の可動片が同期して径方向出没運動を繰り返すことで、装飾リングアセンブリの内側に区画された表示部の露出領域の形状又は面積が変化する。かくして表示部の露出領域の形状又は面積が変化する様は、遊技機の表示部周りにおける演出としては極めて斬新且つ新鮮であり、従来に無い新趣向の演出として遊技者に心理的インパクトを与え、遊技を効果的に盛り上げることができる。
本発明の可動装飾装置において、前記可動片は薄板状の羽根部材であり、その羽根部材には前記第1及び第2回転体の回転中心軸と平行に延びる前記ガイドピンが設けられており、前記可動片としての羽根部材に対応する第2回転体の係合部には前記ガイドピンが係合可能なガイド溝が設けられていること、は好ましい。
このように、可動片としての薄板状の羽根部材の側にガイド溝ではなくガイドピンを設けることで、羽根部材の機械的強度を確保し易くなる。また、ガイド溝を薄板状の羽根部材ではなく第2回転体の係合部に設けることで、ガイド溝の長さや幅などの設定において設計上の自由度が増す。その結果、可動片の回動範囲(つまり姿勢角の変化範囲)を十分に確保することができ、表示部の露出領域の形状又は面積の変化の程度が大きくなり、可動装飾装置による演出効果を高めることができる。
本発明の可動装飾装置において、前記第2回転体の係合部に設けられたガイド溝は、第2回転体の半径方向に対して斜めに傾斜すると共に弧状に湾曲した溝であり、第2回転体の回転中心軸に相対的に近い内端部と当該回転中心軸から相対的に遠い外端部とを有していること、は更に好ましい。
この構成によれば、第1及び第2回転体間の回転速度差に基づいて両回転体の相対的な位置関係(回転位相関係)が変化するに伴い、ガイド溝内でのガイドピンの相対位置が、ガイド溝の内端部寄り位置から外端部寄り位置の範囲で変化する。ガイド溝の内端部と外端部とが第2回転体の回転中心軸から異なる距離にあることで、ガイド溝内でのガイドピンの相対位置の変化に応じて可動片の姿勢角を変化させることが可能になる。
以下、パチンコ遊技機用の役物装置の一種である可動装飾装置の一実施形態を図面を参照しながら説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤1の中央に設けられた表示部2(例えば液晶表示装置)に対して本実施形態の可動装飾装置3が適用される。即ち、可動装飾装置3は、表示部2の前方で且つ表示部2と遊技盤1の前面との間に配設される。
図2に示すように、可動装飾装置3は、遊技盤1の背面側に配置可能な装置フレーム4と、略リング形状の装飾リングアセンブリ5と、当該アセンブリ5を駆動する駆動装置6とを備えている。装置フレーム4のほぼ中央部には正面視が略円形状のリングアセンブリ収容凹部4aが設けられ、この凹部4aを取り囲む複数箇所(本例では4箇所)には回転自在な支持ローラ7が設けられている。装飾リングアセンブリ5はリングアセンブリ収容凹部4a内に保持されると共に、4つの支持ローラ7によって正逆両方向に回転可能に支持されている。また、装置フレーム4の左側であってリングアセンブリ収容凹部4aに隣接する領域には駆動装置収容部4bが設けられ、この駆動装置収容部4bには駆動装置6が収容保持されている。なお、装置フレーム4の前面に透明なフレーム蓋体(図示略)を装着することで、装置フレーム4からの装飾リングアセンブリ5、駆動装置6及び支持ローラ7の脱落防止が図られている。
[装飾リングアセンブリ]
図3〜図10は、装飾リングアセンブリ5を構成する各部材、組立て途中の状態及び組立て完成時の状態を示す。これらの図面に示すように、装飾リングアセンブリ5は、リアリング体10、フロントリング体20及び中リング体30の3つのリング部材、並びに8枚のリア側羽根部材41及び8枚のフロント側羽根部材42を備えており、これらの部材を組み立てて得た略リング形状の装飾用組立体である。
図3(B)及び図4に示すように、リアリング体10は、外周部に複数のギヤ歯11が設けられたリング形状の部材であり、その内周部12は意匠性を考慮してギザギザした環形状に形成されている。リアリング体10の正面側(中リング体30と対面する側)には複数本(本例では16本)の羽根部材用の支軸13,14が突設され、これらは周方向に等角度間隔(リアリング体10の中心軸に対して22.5度間隔)で配列されている。これらの支軸13,14は、リア側羽根部材41用の8本の支軸13と、フロント側羽根部材42用の8本の支軸14とに分類され、リア側羽根部材用支軸13及びフロント側羽根部材用支軸14は周方向において交互に配置されている。つまり、一群のリア側羽根部材用支軸13も一群のフロント側羽根部材用支軸14もリアリング体10の中心軸に対して45度間隔で配列されている。なお、フロント側羽根部材用支軸14はリアリング体10とフロントリング体20とを相互連結するための連結ボスを兼ねており、この支軸兼連結ボス14の先端部には、雄ネジとしてのビス25(図3参照)を螺合するための雌ネジが形成されている。
図3(A)及び(B)に示すように、フロントリング体20も、外周部に複数のギヤ歯21が設けられたリング形状の部材であり、その内周部22は意匠性を考慮してギザギザした環形状に形成されている。フロントリング体20の正面側(装飾リングアセンブリ5の最前面を構成する)には、花弁形又は波形の意匠が施されている。更に、フロントリング体20には、前記連結ボスを兼ねたフロント側羽根部材用支軸14の雌ネジに対応する8個のネジ孔(図3ではビス25の下に隠れている)が貫通形成されている。
図5(A)及び(B)に示すように、リア側羽根部材41及びフロント側羽根部材42は、透明又は不透明な合成樹脂からなる薄板状の部材であり、意匠性を考慮して周縁部がギザギザした外形状に形成されている。リア側及びフロント側の各羽根部材41,42の基端部(図5では左端部)には、上記支軸13又は14に挿通される軸孔43が貫通形成されている。また、各羽根部材13,14の基端部付近には、中リング体30との作動連結に関与するガイドピン44が突設されている。但し、リア側羽根部材41にあっては、そのガイドピン44は羽根部材41の正面側(中リング体30と対面する側)に突設されており(図5(A)参照)、フロント側羽根部材42にあっては、そのガイドピン44は羽根部材42の背面側(中リング体30と対面する側)に突設されている(図5(B)参照)。なお、各ガイドピン44は、装飾リングアセンブリ5の組立て完成時において上記3つのリング体10,20及び30に共通の中心軸(回転軸)と平行に延びている。
図3(B)及び図6に示すように、中リング体30は、外周部に複数のギヤ歯31が設けられたリング形状の部材であり、その内周部32は意匠性を考慮してギザギザした環形状に形成されている。この中リング体30には、複数個(本例では16個)の支軸逃がし孔33と、複数個(本例では16個)のガイド溝34とが貫通形成されている。一群の支軸逃がし孔33は、中リング体30の外周部寄り位置において周方向に等角度間隔(中リング体30の中心軸に対して22.5度間隔)で配列されている。各支軸逃がし孔33は中リング体30の周方向に沿って円弧状に形成されており、支軸逃がし孔33のどの部位も中リング体30の中心軸から等距離に位置する。各支軸逃がし孔33の幅は、リア側羽根部材用支軸13又はフロント側羽根部材用支軸14を無理なく挿通可能な幅に設定されている。このような支軸逃がし孔33に支軸13又は14が挿通されることにより、支軸逃がし孔33の範囲内でリアリング体10に対する中リング体30の相対回転が許容されている。
他方、一群のガイド溝34は、中リング体30の内周部寄り位置において周方向に等角度間隔(中リング体30の中心軸に対して22.5度間隔)で配列されている。但し、各ガイド溝34は、中リング体30の半径方向ラインに対して斜めに(つまり非平行に)傾斜した状態で延在すると共に、弧状に湾曲した溝として形成されている。従って、各ガイド溝34は、中リング体30の中心軸に相対的に近い内端部と、当該中心軸から相対的に遠い外端部という二つの端部を有している。これらのガイド溝34の各々には、リア側羽根部材41又はフロント側羽根部材42に突設されたガイドピン44が係入可能となっている。つまりガイド溝34及びそれに係合するガイドピン44は、羽根部材41,42と中リング体30とを作動連結すると共に、羽根部材41,42が軸支されているリア及びフロントリング体10,20と中リング体30との相対的な位置関係に応じて各羽根部材41,42の姿勢角を制御する溝カム方式のガイド手段を構成する。
装飾リングアセンブリ5の各構成部材(10,20,30,41及び42)は次のような手順で組み立てられる。先ず図7に示すように、リアリング体10の8本のリア側羽根部材用支軸13に対し、8枚のリア側羽根部材41をそれぞれの軸孔43を介して回動可能に取り付ける。その際、各リア側羽根部材41の先端部が時計回り方向の前方側に位置すると共に各リア側羽根部材41の基端部(又は軸孔43)が時計回り方向の後方側に位置するように、8枚のリア側羽根部材41をリアリング体10上に環状配列する。
次に図8に示すように、リアリング体10及び一群のリア側羽根部材41の上側(前側)に中リング体30を重ね合わせ、両リング体10,30間に一群のリア側羽根部材41を挟み込む。その際、リアリング体10の16本の支軸13,14を中リング体30の16個の支軸逃がし孔33に挿通して、全ての支軸13,14の先端部を中リング体30の正面(前面)よりも前方に突出させる。また、8枚のリア側羽根部材41の各ガイドピン44を中リング体30の16個あるうちの8個のガイド溝34に係入し、ガイド溝34とガイドピン44との相互係合に基づいて中リング体30と各リア側羽根部材41とを作動連結する。
次に図9に示すように、中リング体30の支軸逃がし孔33から突出している16本の支軸13,14のうちの8本のフロント側羽根部材用支軸14に対し、8枚のフロント側羽根部材42をそれぞれの軸孔43を介して回動可能に取り付ける。その際、各フロント側羽根部材42の先端部が時計回り方向の前方側に位置すると共に各フロント側羽根部材42の基端部(又は軸孔43)が時計回り方向の後方側に位置するように、8枚のフロント側羽根部材42を中リング体30上に環状配列する。また、8枚のフロント側羽根部材42の各ガイドピン44を中リング体30の残りの8個のガイド溝34に係入し、ガイド溝34とガイドピン44との相互係合に基づいて中リング体30と各フロント側羽根部材42とを作動連結する。
最後に図3(A)に示すように、中リング体30及び一群のフロント側羽根部材42の上側(前側)にフロントリング体20を重ね合わせ、両リング体30,20間に一群のフロント側羽根部材42を挟み込む。その際、リアリング体10の8本のフロント側羽根部材用支軸14に対してフロントリング体20の8個のネジ孔(図示略)が一致するようにフロントリング体20を位置決めすると共に、フロント側羽根部材用支軸14の雌ネジに対しビス25をそれぞれ螺着してリアリング体10とフロントリング体20とを一体連結する。こうして装飾リングアセンブリ5の組立てを完了する。
このような装飾リングアセンブリ5にあっては、リアリング体10とフロントリング体20とが連結されて両者が一体回転するのに対し、中リング体30はリアリング体10及びフロントリング体20に対して所定の角度範囲で相対回転することが許容されている。また、合計16枚のリア側及びフロント側羽根部材41,42については、リアリング体10とフロントリング体20とを架橋的に連結する合計16本の支軸13,14に対し回動可能に支持されていることで、リアリング体10及びフロントリング体20と共に同期回転する付属物的存在となっている。その一方で、ガイド溝34とガイドピン44との相互係合に基づいて中リング体30に作動連結されていることで、リア及びフロントリング体10,20に対する中リング体30の相対回転状況に応じて支軸13,14に対する回動姿勢を一定範囲で変化させ得る自由度を持った存在でもある。それ故、以下に述べるような条件下で、装飾リングアセンブリ5はその形態を変化させる。
仮にリア及びフロントリング体10,20の回転速度と中リング体30の回転速度とが等しい場合には、羽根部材41,42はいずれもその姿勢角を変化させること無く3つのリング体10,20及び30と同期回転することは言うまでもない。これに対し、例えばリア及びフロントリング体10,20が時計回りに回転する場合において、リア及びフロントリング体10,20の回転速度に対して中リング体30の回転速度が増速すると、ガイド溝34内でのガイドピン44の相対位置が溝の外端部寄りに変化し、その結果、各羽根部材41,42の先端部が装飾リングアセンブリ5の回転中心軸から離間する方向に各羽根部材41,42の姿勢角が変化する。各羽根部材41,42の先端部が装飾リングアセンブリ5の回転中心軸から遠ざかった状態(図3(A)参照)を「装飾リングアセンブリの開状態」と表現するものとする。他方、中リング体30の回転速度が増速状態から一転して減速すると、ガイド溝34内でのガイドピン44の相対位置が溝の内端部寄りに変化し、その結果、各羽根部材41,42の先端部が装飾リングアセンブリ5の回転中心軸に接近する方向に各羽根部材41,42の姿勢角が変化する。各羽根部材41,42の先端部が装飾リングアセンブリ5の回転中心軸に近づいた状態(図10参照)を「装飾リングアセンブリの閉状態」と表現するものとする。このように、リア及びフロントリング体10,20と中リング体30との間の回転速度の差に応じて各羽根部材41,42の姿勢角が変化することにより、装飾リングアセンブリ5の開状態、閉状態、あるいは開閉両状態の中間状態が実現される。
なお、リア及びフロントリング体10,20は、連結ボスを兼ねた支軸14を介して両者が一体連結されることで中リング体30に対して等価な存在となっている。このような観点から本実施形態においては、リアリング体10及びフロントリング体20が「第1回転体」に相当し、中リング体30が「第2回転体」に相当する。また、リア側及びフロント側羽根部材41,42が「可動片」に相当し、中リング体30に形成されたガイド溝34が「可動片に対応する第2回転体の係合部」に相当する。
[駆動装置]
図2に示すように、装置フレーム4の駆動装置収容部4bには、駆動源としてのステッピングモータM、一群の動力伝達歯車51〜54及び変速ギヤ55が設けられており、これらにより装飾リングアセンブリ5の駆動装置6が構成されている。
図11に示すように、駆動装置収容部4bの一部には、変速ギヤ55を保持するための正面円形状の浅い凹部4cが形成されている。その浅い凹部4cには薄板状のリングスライダ56が、それをラジアル支持する6個の球体57と共に回転可能に収容されている。このリングスライダ56は変速ギヤ55用のスラスト軸受けとして機能する。なお、浅い凹部4cの中央には、後述する太陽歯車62の固定突起63(図14参照)と係合して当該太陽歯車62の回転を防止するための回り止め凹部58が形成されている。また、前記一群の動力伝達歯車は、ステッピングモータMの出力軸に取り付けられた第1歯車51、第1歯車51と噛み合う第2歯車52、第2歯車52と同軸にて一体回転する第3歯車53、及び、第3歯車53と噛み合うと共に変速ギヤ55とも噛み合う第4歯車54の4つの歯車から構成されている。この一群の動力伝達歯車51〜54を介してステッピングモータMの回転駆動力が変速ギヤ55に伝達される。
図12〜図20は、駆動装置6の要部である変速ギヤ55を構成する各部材、組立て途中の状態及び組立て完成時の状態を示す。これらの図面に示すように、変速ギヤ55は、リア歯車60、フロント歯車70及び中歯車80という略同径の3つの歯車、並びに、遊星歯車機構の主な構成要素である太陽歯車62及び3つの遊星歯車90を備えており、これらの歯車部材を組み立てて多重一体化したギヤユニットである。
図12及び図15に示すように、リア歯車60は、外周部に複数のギヤ歯61が設けられた歯車部材である。リア歯車60の中央には小径の太陽歯車62が配設されている。太陽歯車62の背面(下面)には太陽歯車固定突起63が設けられており(図14参照)、この太陽歯車固定突起63を装置フレーム4の浅い凹部4cの回り止め凹部58に係合させることで太陽歯車62が装置フレーム4に対して回転不能に固定される。他方、リア歯車60は太陽歯車62を回転中心軸として回転可能となっている。なお、太陽歯車62の中心には中央支軸64が立設されている。この中央支軸64は、リア歯車60、フロント歯車70及び中歯車80の三者に共通の回転中心軸に相当する。
リア歯車60の正面側には、3本の遊星歯車支軸65と3本の歯車連結ボス66とが中央支軸64と平行に立設されている。3本の遊星歯車支軸65は、中央支軸64から等距離の位置にてリア歯車60の周方向に等角度間隔(中央支軸64を中心として120度間隔)で配列されている。同様に3本の歯車連結ボス66も、中央支軸64から等距離の位置にてリア歯車60の周方向に等角度間隔(中央支軸64を中心として120度間隔)で配列されている。但し、3本の遊星歯車支軸65の配置と3本の歯車連結ボス66の配置との間には60度の位相差があり、隣り合う2本の歯車連結ボス66の中間に1本の遊星歯車支軸65が位置する。なお、各歯車連結ボス66の先端部には、雄ネジとしてのビス75(図13参照)を螺合するための雌ネジが形成されている。
図16(A)及び(B)に示すように、3つの遊星歯車90の各々はその歯車本体の正面(上面)側に円板部91を備え、その円板部91の背面(下面)側において複数のギヤ歯92が設けられている。遊星歯車90の中心には、遊星歯車支軸65を挿通するための支軸通し孔93が貫通形成されている。また、円板部91の正面(上面)には、支軸通し孔93から偏心した位置において遊星歯車ボス94が立設されている。そして図19に示すように、リア歯車60の3本の遊星歯車支軸65に対して3つの遊星歯車90がそれぞれ装着されると共に、各遊星歯車90が太陽歯車62に噛み合わされている。その際、3つの遊星歯車ボス94が中央支軸64を中心として等角度間隔(120度間隔)で配置されるように、太陽歯車62と各遊星歯車90との噛み合わせが決定されている。ちなみに太陽歯車62又は中央支軸64を中心としてリア歯車60が回転すると、各遊星歯車90は、遊星歯車支軸65を中心として自転しながら太陽歯車62の周囲を公転する。それに伴い、各遊星歯車90上の遊星歯車ボス94は遊星歯車支軸65の周囲を公転する。
図17に示すように、中歯車80は、外周部に複数のギヤ歯81が設けられた歯車部材である。中歯車80の中心には、中央支軸64を挿通するための支軸通し孔82が貫通形成されている。この中歯車80には、複数個(本例では3つ)の歯車連結ボス逃がし孔83と、複数個(本例では3つ)の遊星歯車ボス案内溝84とが貫通形成されている。3つの歯車連結ボス逃がし孔83は、周方向に等角度間隔(支軸通し孔82に対して120度間隔)で配列されている。各歯車連結ボス逃がし孔83は、中歯車80の周方向に沿って円弧状に形成されており、歯車連結ボス逃がし孔83のどの部位も支軸通し孔82から等距離に位置する。各歯車連結ボス逃がし孔83の幅は、歯車連結ボス66を無理なく挿通可能な幅に設定されている。このような歯車連結ボス逃がし孔83に歯車連結ボス66が挿通されることにより、歯車連結ボス逃がし孔83の範囲内でリア歯車60に対する中歯車80の相対回転が許容されている。
他方、3つの遊星歯車ボス案内溝84は、周方向に等角度間隔(支軸通し孔82に対して120度間隔)で配列されると共に、各遊星歯車ボス案内溝84は隣り合う二つの歯車連結ボス逃がし孔83の中間に位置している。各遊星歯車ボス案内溝84は、中歯車80の半径方向に延びるように形成されている。これらの遊星歯車ボス案内溝84の各々には、各遊星歯車90の遊星歯車ボス94が係入可能となっている。
図20に示すように、太陽歯車62の中心の中央支軸64に中歯車80の支軸通し孔82を通しつつ、図19の遊星歯車群の上側(前側)に中歯車80を重ね合わせることで、リア歯車60と中歯車80との間に3つの遊星歯車90が挟み込まれる。その際、リア歯車60の3本の歯車連結ボス66を中歯車80の3つの歯車連結ボス逃がし孔83にそれぞれ挿通して、歯車連結ボス66の先端部を中歯車80の正面(前面)よりも前方に突出させる。また、3つの遊星歯車ボス94を3つの遊星歯車ボス案内溝84にそれぞれ係入し、ボス94と案内溝84との相互係合に基づいて中歯車80と各遊星歯車90とを作動連結する。なお、遊星歯車ボス94及びそれに対応する遊星歯車ボス案内溝84は、遊星歯車ボス94の公転運動を中歯車80の周方向往復運動に変換する運動変換機構を構成する。
図12及び図18に示すように、フロント歯車70は外周部に複数のギヤ歯71が設けられた歯車部材である。フロント歯車70には3つの歯車連結ボス66の雌ネジに対応する3つのネジ孔73が貫通形成されている。図12及び図13に示すように、フロント歯車70は中歯車80の上側(前側)に装着される。その際、リア歯車60の各歯車連結ボス66とフロント歯車70の各ネジ孔73が一致するようにフロント歯車70を位置決めすると共に、歯車連結ボス66の雌ネジに対しそれぞれビス75を螺着してリア歯車60とフロント歯車70とを相互に連結する。こうして変速ギヤ55の組立てが完了する。
この変速ギヤ55は、太陽歯車62の固定突起63が装置フレーム4の回り止め凹部58に係合されると共に当該変速ギヤ55がリングスライダ56によってスラスト支持された状態で、装置フレーム4の浅い凹部4c内に保持される。その際、変速ギヤ55のフロント歯車70が第4歯車54に対して噛み合わされることで、ステッピングモータMの回転駆動力が第1〜第4歯車51〜54を介して変速ギヤ55に伝達可能となっている(図2参照)。このように装置フレーム4内の駆動装置6が構成されている。
なお、リア歯車60及びフロント歯車70は、歯車連結ボス66を介して一体連結されることで中歯車80に対して等価な存在となっている。このような観点から本実施形態においては、リア歯車60及びフロント歯車70が「ベース歯車」に相当し、中歯車80が「従動歯車」に相当する。また、遊星歯車90の遊星歯車ボス94が「偏心突起」に相当し、中歯車80の遊星歯車ボス案内溝84が「偏心突起案内溝」に相当する。
本実施形態の変速ギヤ55にあっては、リア歯車60とフロント歯車70とが歯車連結ボス66によって相互連結されているため、両歯車60,70は一体的に同期回転する。これに対し、中歯車80は、遊星歯車ボス案内溝84、遊星歯車ボス94、遊星歯車90の本体及び遊星歯車支軸65を介してリア歯車60に連結されているため、中歯車80は基本的にリア及びフロント歯車60,70に付き従って回転するものの、リア及びフロント歯車60,70に対し所定の角度範囲で相対回転することが許容されている。そして、リア歯車60と中歯車80とを作動連結する遊星歯車機構の動力伝達特性のために、変速ギヤ55の回転時にはリア歯車60と中歯車80との間に回転速度差が生ずると共に、これらの歯車の相対回転速度が時間の経過と共に増減する。
すなわち、ステッピングモータMの回転駆動力によってフロント歯車70及びリア歯車60が回転駆動されると、リア歯車60上の各遊星歯車90は太陽歯車62との噛合関係に基づき、リア歯車60の遊星歯車支軸65を中心として自転しながら太陽歯車62(及び中央支軸64)の周りを公転する。それに伴い、各遊星歯車90の遊星歯車ボス94は遊星歯車支軸65の周りを公転する。
遊星歯車支軸65を中心とした遊星歯車ボス94の公転運動は、リア歯車60の径方向に沿った単振動的往復運動と、周方向に沿った単振動的往復運動とに分解して考えることができる。この二種類の往復運動のうちの径方向往復運動は、中歯車80の径方向に延びる遊星歯車ボス案内溝84によって無条件に許容されており、従って遊星歯車ボス94の径方向往復運動が、リア歯車60と中歯車80との相対回転速度に影響を及ぼすことはない。これに対し、上記二種類の往復運動のうちの周方向往復運動は、遊星歯車ボス94が遊星歯車ボス案内溝84の内側縁を周方向のいずれかの向き(つまり時計回り方向又は反時計周り方向のいずれかの向き)に押すという押圧作用を生み出す。この遊星歯車ボス94の押圧力は、その押圧向きに応じて、リア歯車60に対する中歯車80の相対回転を遅らせる力又は進ませる力として作用する。このため、リア歯車60の遊星歯車支軸65の周りを遊星歯車ボス94が一周公転する間に、リア歯車60に対して中歯車80が相対的に減速される状況と増速される状況とが生まれる。その結果、リア歯車60と中歯車80との間に回転速度差が付与されると共に、両歯車60,80間の相対回転速度が時間の経過と共に変化(つまり増減速)する。
図21(A)及び(B)のグラフは、本実施形態の変速ギヤ55を構成する各歯車の回転特性を示す。図21のグラフ(A)は、ベース歯車としてのリア歯車60及びフロント歯車70が一定速度V2で回転する場合における従動歯車としての中歯車80の回転速度の経時変化を示す。時間0から時間f2までの区間がベース歯車が1回転するのに要する時間(つまり1周期)であり、中間の時間f1がベース歯車の半回転時である。グラフ(A)からわかるように、ベース歯車が1回転する毎に従動歯車はその回転速度を最遅速度V1から最速速度V3の範囲で変化させる(但しV1<V2<V3)。また従動歯車は、時間0から時間f1の区間では速度V1からV3に向けて次第に増速する一方、時間f1から時間f2の区間では速度V3からV1に向けて次第に減速する。このように本実施形態の変速ギヤ55によれば、ベース歯車が1回転する間に従動歯車は増速及び減速を経てベース歯車よりも速い状況と遅い状況とを作り出すと共に、ベース歯車の1回転毎にこのような回転速度の変化を繰り返す。
図21のグラフ(B)は、ベース歯車と従動歯車との間の角度差(回転位相差)の経時変化を示す。グラフ(B)によれば、従動歯車が増速から減速に転じる時間f1においてベース歯車と従動歯車との間の角度差が最大角度差R1となる。なお、グラフ(A)では従動歯車の最遅速度V1を速度0より大きい正の値としているが、太陽歯車62と遊星歯車90とのギヤ比、遊星歯車ボス94の偏心位置等の設定状況により、最遅速度V1は負の値にもなり得る。その場合には、グラフ(B)においてベース歯車と従動歯車との間の角度差(回転位相差)が負の値をとり得る。速度V1や角度差が負の値となる時間範囲では、従動歯車はベース歯車の回転方向と逆方向に回転することになる。
[可動装飾装置全体での作用及び効果]
図2に示すように、駆動装置6が設けられた装置フレーム4に対して装飾リングアセンブリ5を装着することで、可動装飾装置3が完成する。その際、装飾リングアセンブリ5におけるリアリング体10の外周部ギヤ歯11、中リング体30の外周部ギヤ歯31及びフロントリング体20の外周部ギヤ歯21は、変速ギヤ55におけるリア歯車60のギヤ歯61、中歯車80のギヤ歯81、フロント歯車70のギヤ歯71にそれぞれ噛み合わされる。つまり、装飾リングアセンブリ5のリアリング体10及びフロントリング体20は、変速ギヤ55のリア歯車60及びフロント歯車70によって回転駆動される。他方、装飾リングアセンブリ5の中リング体30は、変速ギヤ55の中歯車80によって回転駆動される。
上述のように、ステッピングモータMの回転駆動力が変速ギヤ55に伝達されると、リア歯車60及びフロント歯車70は同じ速度で一体回転するのに対し、中歯車80は、リア及びフロント歯車60,70とは異なる速度で、しかもその速度を増減させながらリア及びフロント歯車60,70に追従するように回転する。このような変速ギヤ55の出力特性を反映して、装飾リングアセンブリ5の各リング体の回転速度にも差が生ずる。即ち、リアリング体10及びフロントリング体20は同じ速度で同期一体的に回転するのに対し、中リング体30は、リア及びフロントリング体10,20とは異なる速度で、しかもその速度を増減させながらリア及びフロントリング体10,20に追従するように回転する。
そして、例えばリア及びフロントリング体10,20が時計回りに回転する場合において、リア及びフロントリング体10,20の回転速度に対して中リング体30の回転速度が増速すると、ガイド溝34内でのガイドピン44の相対位置が溝の外端部寄りに変化する結果、各羽根部材41,42の先端部が装飾リングアセンブリ5の回転中心軸から離間する方向に各羽根部材41,42の姿勢角が変化し、装飾リングアセンブリ5は図3(A)に示すような開状態を呈する。他方、中リング体30の回転速度が増速状態から一転して減速すると、ガイド溝34内でのガイドピン44の相対位置が溝の内端部寄りに変化する結果、各羽根部材41,42の先端部が装飾リングアセンブリ5の回転中心軸に接近する方向に各羽根部材41,42の姿勢角が変化し、装飾リングアセンブリ5は図10に示すような閉状態を呈する。
ステッピングモータMの回転駆動力が変速ギヤ55に伝達され続ける限り、装飾リングアセンブリ5の全体が例えば時計回りに回転し続けると共に、その回転中において、リア及びフロントリング体10,20に対して相対速度差が付与された中リング体30の作用(各羽根部材41,42の姿勢角を切り替えるカムとしての作用)により、装飾リングアセンブリ5の開状態と閉状態とが周期的又は定期的に繰り返し実現される。かかる状況を遊技者の側から見るならば、装飾リングアセンブリ5の内周部に環状配列された羽根部材41,42の集団が中心軸周りを円運動しながら、なお且つ、各羽根部材41,42が装飾リングアセンブリ5のリング本体から中心軸に向けた出没動作を繰り返しているように見える。その結果として、装飾リングアセンブリ5の内側に区画された表示部2の露出領域の外形状(輪郭)が外方向に開いたり、内方向に閉じたりするのを繰り返しているように見える。このように表示部2の露出領域の形状及び面積が変化する様子は、遊技機の表示部2の周囲における演出としては極めて斬新且つ新鮮なものである。従って、従来に無い新趣向の演出として遊技者に心理的インパクトを与え、遊技を更に効果的に盛り上げることができる。
本実施形態の駆動装置6によれば、単一の駆動源であるステッピングモータMの回転駆動力に基づいて、ベース歯車としてのリヤ及びフロント歯車60,70からの第1の回転駆動力と、従動歯車としての中歯車80からの第2の回転駆動力という二種類の回転駆動力を同時に出力することができる。また、ベース歯車の回転速度に対する従動歯車の回転速度を時間の経過と共に変化させることで、両歯車間の相対速度を変化させることができる。このように本実施形態の駆動装置6によれば、単一の駆動源から互いに異なる二種類の回転駆動力を同時に得ることができるので、これを遊技機用役物装置の駆動装置として用いた場合には、当該役物装置が具備する可動物の動作又は演出の自由度を従来以上に広げることができ、遊技を更に効果的に盛り上げることが可能になる。
[変更例]上記実施形態を以下のように変更してもよい。
中リング体30とリア側及びフロント側羽根部材41,42との間におけるガイド溝34とガイドピン44との配設関係を変更してもよい。即ち、中リング体30の側にガイドピンを形成すると共に、羽根部材41,42の側にガイド溝を形成してもよい。
上記実施形態の装飾リングアセンブリ5からフロントリング体20(又はリアリング体10)を取り除いてもよい。即ち、第1回転体としてのリアリング体10(又はフロントリング体20)、第2回転体としての中リング体30、並びに第1及び第2回転体間に環状配列される一群の羽根部材41(又は42)だけで装飾リングアセンブリ5を構成してもよい。そのような場合には、駆動装置6の変速ギヤ55からフロント歯車70を取り除き、ベース歯車としてのリア歯車60、従動歯車としての中歯車80、並びに両歯車間に配設される遊星歯車機構(62,90等)だけで変速ギヤ55を構成してもよい。但し、リア歯車60を第4歯車54に直接噛み合わせる等の修正が必要なことは当然である。
変速ギヤ55において太陽歯車62の周囲に配設される遊星歯車90の個数は3個に限定されるものではなく、1個、2個又は4個以上の複数個であってもよい。
[付記]上記実施形態から把握できる他の技術的思想について以下に記載する。
(イ):請求項1〜3に記載の遊技機の可動装飾装置において、前記駆動手段は、駆動源及び変速ギヤを備えた駆動装置であり、前記変速ギヤは、前記駆動源によって直接又は間接的に回転駆動されるベース歯車と、前記ベース歯車と同軸にて回転可能な従動歯車と、前記ベース歯車と従動歯車との間に介在して両歯車を作動連結する遊星歯車機構とを備えており、前記遊星歯車機構は、前記ベース歯車の中央位置にて回転不能に設けられた太陽歯車と、前記ベース歯車に立設された遊星歯車支軸と、前記遊星歯車支軸に対し回転可能に支持されると共に前記太陽歯車と噛み合う遊星歯車と、前記遊星歯車支軸から偏心した位置にて前記遊星歯車上に突設された偏心突起と、前記従動歯車においてその径方向に延びるように形成され且つ前記遊星歯車の偏心突起と係合可能な偏心突起案内溝とを具備すること。更に、前記第1回転体の外周部には前記ベース歯車と噛み合うギヤ歯が形成され、前記第2回転体の外周部には前記従動歯車と噛み合うギヤ歯が形成されていること。この構成によれば、駆動源の駆動力に基づいて回転するベース歯車及びそれに追従して回転する従動歯車により、回転速度差が付与された二種類の回転駆動力が同時に生み出される。そしてベース歯車が第1回転体を駆動し、従動歯車が第2回転体を駆動することで、第1及び第2回転体はそれらの周方向に回転駆動されると共に第1及び第2回転体間には回転速度差が付与される。
一実施形態における遊技盤の概略正面図。 一実施形態における可動装飾装置(役物装置)の概略正面図。 (A)は装飾リングアセンブリの正面図、(B)はその側面図。 リアリング体の正面図。 (A)はリア側羽根部材の正面図、(B)はフロント側羽根部材の正面図。 中リング体の正面図。 装飾リングアセンブリの組立て過程(その1)を示す正面図。 装飾リングアセンブリの組立て過程(その2)を示す正面図。 装飾リングアセンブリの組立て過程(その3)を示す正面図。 装飾リングアセンブリの開状態を示す正面図。 可動装飾装置(役物装置)の駆動装置及びその近傍の概略正面図。 駆動装置の変速ギヤの側面図。 駆動装置の変速ギヤの正面図(上面図)。 駆動装置の変速ギヤの背面図(下面図)。 変速ギヤのリア歯車及び太陽歯車の正面図。 (A)は遊星歯車の正面図、(B)はその背面図。 変速ギヤの中歯車の正面図。 変速ギヤのフロント歯車の正面図。 変速ギヤの組立て過程(その1)を示す正面図。 変速ギヤの組立て過程(その2)を示す正面図。 (A)及び(B)は変速ギヤの回転特性を示すグラフ。
符号の説明
2…表示部、3…可動装飾装置(役物装置)、5…装飾リングアセンブリ、6…駆動装置(駆動手段)、10…リアリング体(第1回転体)、20…フロントリング体(第1回転体)、30… 中リング体(第2回転体)、34…ガイド溝(第2回転体の係合部)、41…リア側羽根部材(可動片)、42…フロント側羽根部材(可動片)、44…ガイドピン、55…変速ギヤ、60…リア歯車(ベース歯車)、62…太陽歯車、65…遊星歯車支軸、70…フロント歯車(ベース歯車)、80…中歯車(従動歯車)、84…遊星歯車ボス案内溝(偏心突起案内溝)、90…遊星歯車、94…遊星歯車ボス(偏心突起)、M…ステッピングモータ(駆動源)。

Claims (3)

  1. 遊技機の表示部に対して適用される可動装飾装置であって、
    前記表示部の前方において回転可能に設けられたリング状の第1回転体と、
    前記第1回転体と平行に且つ同軸にて回転可能に設けられたリング状の第2回転体と、
    前記第1及び第2回転体の間において両回転体の内周に沿って配列された複数の可動片と、
    前記第1及び第2回転体をそれらの周方向に回転駆動すると共に両回転体間に回転速度の差を付与可能な駆動手段とを備え、
    前記複数の可動片の各々は前記第1回転体に対し回動可能に軸支され、
    前記第2回転体は前記複数の可動片にそれぞれ対応する複数の係合部を有し、
    前記各可動片には、相互案内可能なガイドピン及びガイド溝のうちの一方が形成され、その可動片に対応する第2回転体の係合部には、前記ガイドピン及びガイド溝のうちの他方が形成され、これらガイドピン及びガイド溝を介して各可動片と第2回転体とが作動連結されており、
    前記駆動手段によって生じる第1及び第2回転体間の回転速度差に基づいて各ガイド溝内での各ガイドピンの相対位置を変化させ、複数の可動片の姿勢角を同期して変化させることにより、前記第1及び第2回転体の内側に区画された前記表示部の露出領域の形状又は面積を変化させることを特徴とする遊技機の可動装飾装置。
  2. 前記可動片は薄板状の羽根部材であり、その羽根部材には前記第1及び第2回転体の回転中心軸と平行に延びる前記ガイドピンが設けられており、前記可動片としての羽根部材に対応する第2回転体の係合部には前記ガイドピンが係合可能なガイド溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機の可動装飾装置。
  3. 前記第2回転体の係合部に設けられたガイド溝は、第2回転体の半径方向に対して斜めに傾斜すると共に弧状に湾曲した溝であり、第2回転体の回転中心軸に相対的に近い内端部と当該回転中心軸から相対的に遠い外端部とを有していることを特徴とする請求項2に記載の遊技機の可動装飾装置。
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