JP2014117521A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】空間的な制約を抑えつつ、遊技への注目度を好適に高めることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤ユニットを構成する背面ブロックには、遊技状況に応じて所定の動作を行うことにより演出を行う第3可動演出装置が設けられている。第3可動演出装置は、回動用駆動モータ401からの動力に基づいて回転する表側ギア部材431と、表側ギア部材431と同軸となるように配置され当該表側ギア部材431が回転した場合に同表側ギア部材431との間に回転差が生じるようにして回転可能に設けられた裏側ギア部材441と、それら両ギア部材431,441の間に回転差が生じた場合にその回転差に応じて変位するスライダ451とを有してなる。スライダ451には、装飾部材451,452が固定されており、スライダ451の変位により装飾部材451,452が動作することで中央装飾体305の形態が変化する。
【選択図】 図25

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある。
また、例えば表示画面の周辺に発光部や可動体等からなる演出用手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、更なる注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−78904号公報
近年では上記表示画面が大型化する傾向にあり、このような表示画面の大型化によって、上記演出用手段の配置領域や動作領域等の確保が難しくなっている。このような空間的な制約は演出用手段を用いた演出を陳腐化させる要因となり得る。これは、演出用手段を設けた主旨に逆行するものであり好ましくない。
なお、演出用の構成の配置及び同構成における演出機能にかかる問題は、表示画面の周辺にのみ発生するものではなく、周辺部品等との間に空間的な制約が生じやすい箇所に上記演出用手段に相当する構成を配設する場合にも発生し得る。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、空間的な制約を抑えつつ、遊技への注目度を好適に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1に記載の発明は、
遊技状況に応じて所定の動作を行うことにより演出を行う演出機構と、前記演出機構を動作させる演出用駆動部とを有する演出手段を備え、
前記演出機構は、前記演出用駆動部からの駆動力に基づいて回転する第1回転体と、前記第1回転体と同軸となるように配置され当該第1回転体が回転した場合に同第1回転体との間に回転差が生じるようにして回転可能に設けられた第2回転体と、前記第1回転体及び前記第2回転体の間に回転差が生じた場合にその回転差に応じて変位する可動体とを有してなり、前記両回転体の少なくとも一方の回転による回転演出を実行し、前記可動体の変位に基づく特定演出を実行するように構成されていることを特徴とする。
空間的な制約を抑えつつ、遊技への注目度を好適に高めることができる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を前方から見た斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤ユニットの構成を示す正面図である。 遊技盤ユニットを前方から見た斜視図である。 遊技盤ユニットを背面側から見た斜視図である。 内枠の構成を示す背面図である。 パチンコ機の背面図である。 裏パックユニットを示す正面図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 遊技盤の正面図である。 背面ブロックの正面図である。 (a)第3可動演出装置を示す正面斜視図、(b)第3可動演出装置を示す背面斜視図である。 第3可動演出装置を前方から見た分解斜視図である。 第3可動演出装置を後方から見た分解斜視図である。 第3可動演出装置の昇降運動を示す動作説明図である。 (a)中央装飾体の正面図、(b)中央装飾体の背面図である。 中央装飾体を前方から見た分解斜視図である。 中央装飾体を後方から見た分解斜視図である。 第3可動演出装置による演出の流れを示す概略図である。 第3可動演出装置による演出の流れを示す概略図である。 中央装飾体における可動片の動作原理を示す概略図である。 中央装飾体の形態変化の様子を示す概略図である。 各ギア部材の動きと回転用駆動モータに加わる負荷を示す概略図である。 第3可動演出装置の昇降運動時におけるギアの位置関係の変化を示す概略図である。 隙間調整の動作原理を示す概略図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5に基づき内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた前扉用鉤部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、透明な合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された遊技盤80aと、遊技盤80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示装置、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなり、背面ブロック80bの前面部分が遊技盤80aを通じて視認可能となっている。
遊技盤80aの前面には遊技球が流下する上述した遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80a(詳しくは板体)は合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
以下、図6〜図8に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技盤80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を前方から見た斜視図、図8は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図7においては遊技盤80aを通じて視認可能となる構成についても2点差線によって表示し、実際に遊技盤ユニット80を見た場合の概観に近い状態としている。
遊技盤80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技盤80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技盤80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、左右一対の可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
この下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方)には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技盤80aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技盤80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技盤80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技盤80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技盤80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80a側、詳しくは遊技盤80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技盤80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図8及び図9に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図9は内枠13の背面図である。
図9に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図9の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技盤80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技盤80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技盤80aの背面に固定されることで、遊技盤80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技盤80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知する可変入賞装置用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図10及び図11に基づき裏パックユニット15について説明する。図10はパチンコ機10の背面図、図11は裏パックユニット15の正面図である。
図10に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211には、外部端子板(図示略)が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
既に説明したように、本実施の形態においては、透明な遊技盤80aの背後に、可動式の各種演出装置(以下、可動演出装置という)や発光機能する装飾部材が搭載されてなる背面ブロック80bを設け、遊技盤80aを通じてそれら演出装置等を視認可能としている。
特に、図12(遊技盤ユニット80の正面図)において2点鎖線により表示しているように、背面ブロック80bの一部は遊技領域PEの背後に位置している。これにより、遊技球が流下する遊技領域PEの背後を各種遊技演出用の実行領域として活用することが可能となっている。かかる構成によれば、従来周知の木製遊技盤が搭載された遊技機と比較して、遊技盤ユニット80の見栄え向上や演出実行領域の広域化に貢献できる。
また、背面ブロック80bを遊技盤80aの背後に設けることにより、可変表示ユニット252と遊技盤80aとの間のスペースを可動演出装置の設置領域とすることが可能となっており、上述した従来周知の構成と比較して可動演出装置の大型化や動作の多様化を容易なものとしている。本実施の形態においては、かかる可動演出装置に関して特徴的な構成を有している。
ここで、図13及び図14を参照して、遊技盤ユニット80の主要な構成について補足説明し、その後、上記特徴的な構成について詳しく説明する。図13は遊技盤80aの正面図、図14は背面ブロック80bの正面図である。なお、遊技盤80aが透明であることを考慮して、図12においては遊技盤80aを通じて実際に視認可能となる背面ブロック80bの一部を2点鎖線によって表示している。
遊技盤80aについては、主として遊技球の流下する領域(遊技領域PE)を形成する機能が付与されている。ここで、遊技にかかる各種装飾機能や演出機能の向上と遊技領域PEの確保とを両立しようとした場合、前者を優先することで必然的に遊技領域PEが圧迫される。この点、図13に示すように遊技盤80aの前面には遊技球の流下経路の確保や流入口等の確保にかかる必要最少限の構成を配置し、演出や装飾にかかる付加的な構成を背面ブロック80b側へ移設することにより、遊技領域PEが圧迫されることを回避している。つまり、遊技盤80a(詳しくは板体)の前面という限られた範囲内で、できるだけ広く遊技領域PEを確保することが可能となっている。
次に、図14を参照して既出の背面ブロック80bについて説明する。既に説明したように、背面ブロック80bは、可変表示ユニット252等の各種演出装置や報知・演出制御装置140等の各種制御装置が搭載される台座として上記ベース体251を有している。
ベース体251は遊技盤80aの背面に対向する平板状の対向部255と、対向部255から後方に膨出する膨出部256とが透明な合成樹脂材料によって一体成形されてなり、正面視における外形が遊技盤80aとほぼ同じ大きさ(詳しくは上下幅が若干ちいさい)となるように構成されている。
膨出部256は、前方(遊技盤80a側)に開放された箱状をなしており、その開口縁に沿って形成された取付用のフランジによって上記対向部255が構成されている。対向部255が遊技盤80aの背面に当接した状態で当該遊技盤80aにねじ止めされることにより、遊技盤80aと背面ブロック80bとが1ユニット化されている。
膨出部256の底部には、前後に貫通するようにして、すなわち上記遊技盤80aの中央開口85(図13参照)と連通するようにして開放部が形成されている。上記可変表示ユニット252はこの開放部を塞ぐようにして膨出部256の背面部に取り付けられており、当該開放部を通じて図柄表示装置253の表示画面253aが遊技機正面側に露出している。また報知・演出制御装置140及び表示制御装置が後者が前側、前者が後側となるように可変表示ユニット252(詳しくは図柄表示装置253)に対して積層配置されており、更にその下方には、膨出部256に対して主制御装置162が取り付けらている点に鑑みれば、膨出部の背面部については、見栄えに影響しない各種電気的構成を取り付ける取付部として機能している(図8等参照)。
ベース体251における左枠部261及び右枠部262、上枠部263、下枠部264にはそれぞれ可動演出装置が設置されており、これら可動演出装置によって表示画面253aが囲まれている。各可動演出装置は、膨出部256により形成された凹み内に収容されており、製造時等に背面ブロック80bが単体で持ち運びされる場合であっても、それら可動演出装置がジグ等の他の構成に干渉することが抑制されている。
また、左右の枠部261,262及び下枠部264に跨るようにして一連の装飾部材271が配置されている。装飾部材271については有色透明な樹脂材料によって形成されており、LED等の発光体が内蔵されている。これら発光体は、報知・演出制御装置140に接続されており、当該報知・演出制御装置140により遊技状況に応じて発光制御が行われることで遊技領域PEの背後にて発光演出が実行されることとなる。
また、装飾部材271には、遊技盤80aに形成された一般入賞口81や作動口83a,83b等の入球部へ流入した遊技球を回収する回収通路272が形成されており、その入口部分がそれら各入賞部に連通している。つまり、遊技盤80aにおける入球部へ流入した遊技球は、背面ブロック80bの回収通路272へ導かれ、その後裏パックユニット15の排出通路を通じて遊技ホールの島設備等へと返却されることとなる。
ここで、上記可動演出装置について補足説明する。下枠部264には、昇降可能且つ左右にスライド可能に設けられた装飾体を有する第1可動演出装置273が設けられている。この第1可動演出装置273の装飾体については、表示画面253aと重なる位置に突出しており、遊技機前方から視認可能となっている。一方、当該装飾体を移動させるための駆動機構は、上記装飾部材271によって前方から覆われており視認不可となるように構成されている。これは、第1可動演出装置273の見栄えを担保するための工夫である。
次に、上枠部263には、左右一対の扉部材を有してなる横長状の開閉扉281と、同開閉扉281を駆動させる駆動部282とを有する第2可動演出装置274が配置されている。第2可動演出装置274については、遊技盤80aの板材又は中央開口85を通じて遊技機前方から視認可能な位置に配置されている。駆動部282は報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、当該報知・演出制御装置140からの駆動信号が入力されることにより、開閉扉281を開状態と閉状態とに切替可能となっている。
第2可動演出装置274(詳しくは開閉扉281)は、当該第2可動演出装置274にかかる演出が実行されない状況下においては、閉状態に維持される。この第2可動演出装置274の背後には、同第2可動演出装置274に重なるようにして第3可動演出装置275が配置されている。本実施の形態においては、この第3可動演出装置275にかかる構成が特徴的なものとなっている。そこで以下、図14及び図15を参照して第3可動演出装置275について説明する。図15(a)は第3可動演出装置275を示す正面斜視図、図15(b)は第3可動演出装置275を示す背面斜視図である。
図14に示すように、第3可動演出装置275は、ベース体251の左枠部261に対する取付部を構成する右側取付ホルダ301と、ベース体251の右枠部262に対する取付部を構成する左側取付ホルダ302とを有してなり、これら各取付ホルダ301,302がベース体251に固定されることで、第3可動演出装置275とベース体251とが一体化されている。
図15に示すように、第3可動演出装置275は、各取付ホルダ301,302から他方のホルダ側に延びるアーム部303,304を有しており、これらアーム部303,304によって両アーム部303,304の境界部分(連結部310)に配置された中央装飾体(中間構成体又は可動装飾体)305が支持されている。
両アーム部303,304が取付ホルダ301,302に対する取付部分を中心として互いに逆方向となるようにして回動することにより、中央装飾体305が上記第2可動演出装置274の開閉扉281の背後に隠れた待機位置(初期位置)と当該待機位置よりも下側であって表示画面253aの中央部分に前方から重なる演出位置(変位位置)とに変位する(図14参照)。
2つの回動式アーム部303,304を用いてそのような中央装飾体305の変位を実現しようとした場合には、各アーム部303,304の回動先端部同士の距離が変化することとなる。そこで、本実施の形態に示すアーム部303,304は、それらアーム部303,304の回動先端部に設けられた連結部310によって回動先端部同士の相対変位が可能な状態で連結されている。具体的には、各アーム部303,304の回動先端部に設けられた連結部310は、両アーム部303,304の回動先端部同士の距離の変化を許容するリンク構造として右側アーム部303に形成されたリンク溝331と左側アーム部304に形成されそのリンク溝331に係合する係合ピン381とを採用している(図15(b)参照)。リンク溝331は、右側アーム部303の長手方向と同じ方向に延びており、各アーム部303,304が回動する場合に係合ピン381がリンク溝331内を移動することにより、両アーム部303,304の連結状態を維持しながらアーム部303,304の姿勢が変化することとなる。
なお、連結部310については、上記中央装飾体305の背後に位置し、遊技機前方から視認不可となるように構成されている。これにより、第3可動演出装置275の見栄えの低下が図られている。
ここで、図16及び図17を参照して、第3可動演出装置275の構造(特に、中央装飾体305の支持構造)について詳しく説明する。図16は第3可動演出装置275を前方から見た分解斜視図、図17は第3可動演出装置275を後方から見た分解斜視図である。
先ず、右側アーム部303の取付構造について説明する。図16及び図17に示すように、右側取付ホルダ301は、後側ケース部材301a及び前側ケース部材301bが前後に組み合わされてなり、全体として右枠部262(図14参照)に沿って延びる縦長の箱状をなしている。右側アーム部303は、前後一対の長板状部材が組み合わされてなる長尺状のアーム本体306と当該アーム本体306を遊技機前方から覆う装飾用のカバー部材308とが一体化されてなり、その右端部(すなわち連結部310とは反対側の端部)が右側取付ホルダ301における表示画面253a側の側面に形成されたスリットを通じて当該右側取付ホルダ301内に収容された状態となっている。
右側アーム部303の右端部にはアーム本体306から前後に突出する軸部332が形成されており、各ケース部材301a,301bには軸部332が挿通される軸受け部311が形成されている。これにより、右側アーム部303は軸部332(軸受け部311)の中心軸線を中心として回動可能な状態で保持されている。以下、右側アーム部303(アーム本体306)における右側の端部を回動基端部、左側の端部を回動先端部と称する。
左側アーム部304の取付構造についても右側アーム部303の取付構造と同様となっている。左側取付ホルダ302は、後側ケース部材302a及び前側ケース部材302bが前後に組み合わされてなり、全体として左枠部261(図14参照)に沿って延びる縦長の箱状をなしている。左側アーム部304は、前後一対の長板状部材が組み合わされてなる長尺状のアーム本体307と当該アーム本体307を遊技機前方から覆う装飾用のカバー部材309とが一体化されてなり、その左端部(すなわち連結部310とは反対側の端部)が左側取付ホルダ302における表示画面253a側の側面に形成されたスリットを通じて当該左側取付ホルダ302内に収容された状態となっている。左側アーム部304の左端部にはアーム本体307から前後に突出する軸部382が形成されており、各ケース部材302a,302bには軸部382が挿通される軸受け部361が形成されている。これにより、左側アーム部304は軸部382(軸受け部361)の中心軸線を中心として回動可能な状態で保持されている。以下、左側アーム部304(アーム本体307)における左側の端部を回動基端部、右側の端部を回動先端部と称する。
ここで、第3可動演出装置275において中央装飾体305を昇降させる駆動機構、すなわちアーム部303,304を回動させる駆動機構について説明する。当該駆動機構は、右側取付ホルダ301に集約されている。
具体的には、右側取付ホルダ301の下部には昇降用駆動モータ351が取付られている。昇降用駆動モータ351は、報知・演出制御装置140に接続されており、当該報知・演出制御装置140にて第3可動演出装置275を用いた演出を実行すると決定された場合に、駆動信号が出力される。具体的には、降下用の駆動信号が出力されることにより昇降用駆動モータ351が正回転し、上昇用の駆動信号が出力されることにより昇降用駆動モータ351が逆回転することとなる。
昇降用駆動モータ351の出力軸352は、右側取付ホルダ301内に挿入されており、その先端部に駆動ギア353が固定されている。右側取付ホルダ301には、駆動ギア353に噛み合う円板状の従動ギア354が内蔵されている。従動ギア354は、右側取付ホルダ301によって回動可能に保持されており駆動ギア353の動きに合わせて回動する。
従動ギア354の板面、すなわち従動ギア354の回動中心軸線と直交している部分又は従動ギア354の歯部と回転中心部との間に位置する部分には円柱状の突起が設けられている。この突起は従動ギア354の外周部寄りとなる位置に配置されており、右側アーム部303のアーム本体306にはこの突起に対して従動ギア354の放射方向における外側から当接する当接部が形成されている。以下説明においては便宜上、「突起」を「ギア側当接部355」、「当接部」を「アーム側当接部333」という。
このように、アーム側当接部333がギア側当接部355に当接した状態となることで、右側アーム部303が支持される。つまり、ギア側当接部355は右側アーム部303、ひいては両アーム部303,304及び中央装飾体305を支持する支持機能が付与されている。
従動ギア354が回転することにより、ギア側当接部355が従動ギア354の回転方向に変位する。これに追従してアーム側当接部333が変位することで右側アーム部303が回動してその姿勢が変化することとなる。
ここで、右側取付ホルダ301には、右側アーム部303の下方への回動限界位置を規定するストッパ312が設けられている。このストッパ312に対して右側アーム部303(詳しくはアーム本体306)に形成された突起335が当接することにより、それ以上の回動が阻止されることとなる。なお、このようにストッパ312によって規定された回動限界位置が中央装飾体305の演出位置に相当する。
なお、右側取付ホルダ301には、右側アーム部303が待機位置に配置されているか否かを検知する位置検知センサ359が内蔵されている。この位置検知センサ359は、報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、当該報知・演出制御装置140においては位置検知センサ359からの検知情報(検知信号)に基づいて、右側アーム部303が待機位置に配置されているか否かを把握することが可能となっている。例えば、中央装飾体305を演出位置から待機位置に復帰させる場合には、昇降用駆動モータ351に対して予め定められた駆動信号を出力するが、その結果、右側アーム部303が待機位置に復帰しなかった場合には、駆動信号を再出力する等して、待機位置への復帰を促す(リトライする)構成となっている。
ここで、図18を参照して、上記駆動機構による第3可動演出装置275の動作について説明する。図18(1)群は第3可動演出装置の昇降運動を示す動作説明図、図18(2)群は連結部310の部分拡大図である。なお、図18(1)群においては、両アーム部303,304の回動中心軸線を通過する仮想直線を1点鎖線によって表示し、第2可動演出装置274の下側の境界線を2点鎖線によって表示している。
報知・演出制御装置140にてリーチ演出等の決定を行う際に第3可動演出装置275を用いた特定演出が選択された場合には、図18(a)→図18(b)→図18(c)に示すように中央装飾体305を降下させる降下演出が実行される場合がある。
第3可動演出装置275を構成する両アーム部303,304及び中央装飾体305は、上記特定演出が選択された場合を除いた通常時には上記待機位置に配置されており、第2可動演出装置274の背後に隠れた状態となっている。第2可動演出装置274は有色不透明となっているため、かかる状態においては遊技者が遊技機前方から両アーム部303,304及び中央装飾体305を目視にて確認することは困難又は不可となっている。
中央装飾体305が待機位置に配置されている状態では、両アーム部303,304が全体として中央装飾体305(詳しくは連結部310)を中心として上方に凸となるへの字状をなしている。この状態ではリンク溝331におけるアーム基端側の端部と係合ピン381とが当接している。このため、中央装飾体305の重みは、リンク溝331→係合ピン381を通じて左側アーム部304側に分散されやすくなっている。詳しくは、両アーム部303,304が互いに支え合う形となり、中央装飾体305の重みが下向に向けた力と各アーム部303,304の回動中心部に向けた力とに分化される。このようにして重みを両アーム部303,304へ分散させることにより、一方のアーム部に負荷が集中することを抑制している。なお、リンク溝331については右側アーム部303の長手方向に延びる構成としたが、回動先端部から右側アーム部303の回動中心部に向けて延びる構成とすることにより、上記分散機能を一層好適に発揮させることができる。
例えば、図18(b)に示すように、各アーム部303,304が水平となる位置にて中央装飾体305を支えようとした場合には、上述したような力の流れを生じさせることが困難になり、分散機能が低下し得る。これは支持機能を担保して両アーム部303,304及び中央装飾体305の姿勢を安定させる上で好ましくない。この点、待機位置にて上述した上に凸となる形となるように構成することには、支持機能の担保、姿勢の安定化、更には耐久性の担保等の技術的意義がある。
ここで、上記アーム側当接部333とギア側当接部355との関係について補足説明すると、図18(a)に示す状態では、アーム側当接部333におけるギア側当接部355との当接面334が従動ギア354の回動中心とギア側当接部355の中心線とを結んだ直線と直交している。つまり、当接面334を通じてギア側当接部355に伝わる力は、従動ギア354の回動中心に向けて伝達される。これにより、中央装飾体305の重さが従動ギア354を回転させるように作用することが抑制されている。
ここで、報知・演出制御装置140から昇降用駆動モータ351に降下用の駆動信号が出力されると、従動ギア354が時計回り(アーム側当接部333から遠ざかる側)に回動する。これにより、図18(a)→図18(b)→図18(c)に示すように、右側アーム部303が下方に回動し、これに追従して左側アーム部304も下方に回動する。この際、両アーム部303,304の回動先端部間の距離が小さくなるが、リンク溝を331がこのような距離の変化を許容する長さを有しており、下限位置へ向けた動きが妨げられることはない。
図18(c)に示すように、右側アーム部303の回動量が所定量に達すると、右側アーム部303の突起335がストッパ312に当たり、それ以上の回動が妨げられることとなる。これにより、中央装飾体305が演出位置に到達した状態となる。かかる状態では、両アーム部303,304及び中央装飾体305が上述した仮想直線及び境界線を越えて下方に変位することで遊技機前方から視認可能となる。詳しくは、中央装飾体305が表示画面253a(図14参照)の中央に位置することとなる。
この状態では、リンク溝331におけるアーム先端側の端部と係合ピン381とが当接し、中央装飾体305の重みが右側アーム部303だけでなく連結部310(リンク溝331→係合ピン381)を通じて、左側アーム部304の取付部分(回動基端部)に分散される。これにより、右側アーム部303及び左側アーム部304の両者によって中央装飾体305を支えることができる。
本実施の形態に示すように、中央装飾体305の移動方向と交差する方向に延びる二つのアーム部303,304によって同中央装飾体305の移動を実現する構成とすることで、中央装飾体305の移動にかかる構成を収容するためのスペースが上下方向(中央装飾体305の移動方向)に大きくなることを抑制できる。特に、駆動機構の主要部を構成する各アーム部303,304に付いても左右に長い装飾部に重ねて配置することで、中央装飾体305を昇降させる上下レール(縦レール)等が不要となり、図柄表示装置253の上方への拡張を促進することができる。
本実施の形態においては、上記特定演出として、単に中央装飾体305を昇降させるだけではなく、中央装飾体305自体が回転したり、中央装飾体305の形態を変化させたりすることにより、多様な演出を実現することが可能となっている。このような構成においては、中央装飾体305の重量が嵩みやすく、更には、中央装飾体305を動作させるための機構をアーム部303,304等に配設する必要が生じることでアーム部303,304自体の重量も嵩みやすくなる。このように演出の多様化等を実現する上で重量が嵩む構成にて、上述したような負荷の分散機能を付与することで、その効果を顕著に発揮させることが可能となる。つまり、上述した2つのアーム部303,304によって中央装飾体305を支える構成、更にはその支え方は、多様な動きを実現するための構成を有する可動演出装置にとって実用上好ましい構成であるといえる。
上述したように本実施の形態における中央装飾体305については、固定式ではなく可動式(回転可能)となっている。そこで以下、図16,図17,図19〜21を参照して中央装飾体305の動作を実現するための構成について説明する。図19(a)は中央装飾体305の正面図、図19(b)中央装飾体305の背面図、図20は中央装飾体305を前方から見た分解斜視図、図21は中央装飾体305を後方から見た分解斜視図である。
図16及び図17に示すように、中央装飾体305は左側アーム部304(アーム本体307)の回動先端部に取り付けられている。中央装飾体305は、左側アーム部304への取付部としての機能が付与され前方に開放されたケース体421と、ケース体421にその一部が内蔵される回転体422と、同ケース体421に固定され当該ケース体421の前方開放部分を覆う蓋体423とを有している。図19に示すように、中央装飾体305は、上述した回転体422の一部がケース体421及び蓋体423によって挟まれた領域から突出し、その概観が花を模すようにして形成されている。
ここで、図20及び図21を参照して、中央装飾体305の内部構造について説明する。ケース体421には、表側ギア部材431と裏側ギア部材441とが前後に重ねられた状態(面接触した状態)で収容されている。表側ギア部材431と裏側ギア部材441は同軸となるように配置されており、ケース体421及び蓋体423によって前後に延びる回動中心軸線を中心として回転可能な状態で保持されている。なお、蓋体423の前面には、複数の発光体(詳しくはLED)が埋設されており、これら発光体については報知・演出制御装置140に接続されている。つまり、報知・演出制御装置140よってそれら発光体の発光制御が行われる構成となっている。
表側ギア部材431及び裏側ギア部材441の間には、それらギア部材431,441の回転方向にて等間隔となるように配置された複数のスライダ451が埋設されている。具体的には、表側ギア部材431において裏側ギア部材441と対向している部分には、上記複数のスライダに1対1で対応させて複数の収容溝432が形成されており、これら各収容溝432にスライダ451が嵌っている。両ギア部材431,441の間にスライダ451を配置することにより、それらスライダ451の脱落が回避されている。
各収容溝432は表側ギア部材431の回転中心部から放射方向に延びており、その幅及び深さ寸法は、直方体状をなすスライダ本体部452(以下単に、本体部452という)の外形に合わせて設定されている。これにより、収容溝432内でのスライダ451の回転が規制されるとともに、同スライダ451の移動方向及び移動範囲が規定されている。
収容溝432の底部には、表側ギア部材431の厚さ方向に貫通する表側スリット433が形成されている。表側スリット433は、収容溝432と同一方向に延びており、この表側スリット433にスライダ451の本体部452から前方に延びる円柱状の表側係合突起453が挿入されている。
表側係合突起453には、蓋体423と表側ギア部材431との間に配置された裏側装飾部材462が固定されている。裏側装飾部材462は花びらを模して形成されており、各スライダ451に1対1で対応させて複数配設されている。これら裏側装飾部材462については、全て同一形状(且つ同じ重さ)をなしており、表側ギア部材431の周方向に並ぶようにして配設することにより重量バランスに偏りが生じることを回避している。また、各裏側装飾部材462には、蓋体423を前方から覆うようにして配置された表側装飾部材461が固定されている。表側装飾部材461は全て同一形状をなしており、裏側装飾部材462に1対1で対応させて設けられている。これにより、上述した重量バランスの偏りが生じることを抑制している。
ここで再び図16及び図17を参照して、中央装飾体305を回転させる際に使用されれる駆動機構について説明する。
左側取付ホルダ302には、遊技機前方から回転用駆動モータ401が取り付けられている。回転用駆動モータ401の出力軸402は、左側取付ホルダ302内に突出しており、この突出している部分に駆動ギア403が固定されている。左側取付ホルダ302には、駆動ギア403に噛み合うことで駆動力を伝達する従動ギア404が内蔵されている。
従動ギア404は左側取付ホルダ302によって回転可能な状態で保持されており、駆動ギア403の動きに追従して回転する。左側アーム部304のアーム本体307には、従動ギア404からの動力を中央装飾体305の表側ギア部材431に伝える伝達ギア383が複数内蔵されている。伝達ギア383は左側アーム部304に沿うようにして連設されており、これら一連の伝達ギア383によって回転用駆動モータ401からの駆動力を伝える伝達経路が構築されることとなる。
本実施の形態においては、第3可動演出装置275を用いた特定演出として、上述した降下演出に加え、中央装飾体305における回転演出が実行される。
ここで、図22及び図23の概略図を参照して、第3可動演出装置275における回転演出の流れについて簡単に説明する。回転演出が実行される際には、図22(a)→図22(b)→図22(c)→図23(a)→図23(b)→図23(c)の順に、第3可動演出装置275が動作する。
報知・演出制御装置140において特定演出のうち回転演出を実行する旨の決定がなされた場合には、先ず中央装飾体305を図22(a)に示す待機位置から図22(c)に示す演出位置へと降下させる。この際の詳しい動作態様については、図18にて説明したものと同様であるため説明を援用する。
中央装飾体305が演出位置に配置された後は、報知・演出制御装置140から回転用駆動モータ401に駆動信号が出力され、回転用駆動モータ401が回転を開始する。これにより、回転用駆動モータ401からの駆動力が従動ギア404→伝達ギア383→中央装飾体305の表側ギア部材431へと伝達され表側ギア部材431が回転を開始する(図23(a)参照)。表側ギア部材431にはスライダ451を介して各装飾部材461,462が取り付けられているため、回転用駆動モータ401からの駆動力により、中央装飾体305(例えば装飾部材461,462)が遊技機正面視にて時計回りに回転することとなる。
回転用駆動モータ401への駆動信号の出力が停止し、回転演出が停止した後は、上記昇降用駆動モータ351へ逆回転用の駆動信号が出力される。これにより、中央装飾体305が演出位置から待機位置へと復帰する。
ここで、本実施の形態においては、回転演出として仕様の異なる二つの演出態様が設定されている。具体的には、中央装飾体305がその形態を維持したまま(花びらが閉じたまま)回転する第1回転演出と、中央装飾体305がその形態を変化させながら(花びらを開きながら又は開いたまま)回転する第2回転演出とが設定されている。なお、図23(a)においては第2回転演出を実行した場合について例示している。
以下、再び図20及び図21を参照して、中央装飾体305の形態を変化させる構成について補足説明する。
既に説明したように、中央装飾体305には表側ギア部材431と裏側ギア部材441とが積層配置されている。これら2つのギア部材431,441は、所定の条件が成立した場合に回転差が生じるように構成されている。
具体的には、既に説明したように表側ギア部材431に形成された収容溝432及び表側スリット433は表側ギア部材431の回転中心から放射方向に延びる直線状をなしている。つまり、上記スライダ451については、これら収容溝432及び表側スリット433に沿って、表側ギア部材431の放射方向へ移動可能となっている。
裏側ギア部材441にも収容溝432(表側スリット433)に1対1で対応する裏側スリット442が形成されている。裏側スリット442についても裏側ギア部材441の厚さ方向に貫通しているものの、その形状が上記表側スリット433(収容溝432)とは異なっている。詳しくは、裏側スリット442は、表側スリット433(裏側ギア部材441の放射方向)と交差するようにして延びている。詳しくは、回転中心部寄りの端部よりも外周寄りの端部のほうが上記回転演出を行う際に表側ギア部材431が回転する方向(以下、所定方向という)における先側となるように延びており、全体として弧状をなすように形成されている。特に、外周寄りとなる部分では、その向きが裏側ギア部材441の外周に沿うように湾曲している。
この裏側ギア部材441にスライダ451の本体部452から後方に延びる裏側係合突起454が係合している。裏側係合突起454については円柱状をなしており表側係合突起453と同軸となるように形成されている。このため、表側ギア部材431と裏側ギア部材441との間に回転差が生じた場合には、回転差が発生していない状況下にてギア部材431,441の回転中心寄りに位置していたスライダ451が同ギア部材431,441の放射方向外側(外周側)に移動する。これにより両装飾部材461,462も放射方向へ移動する。この結果、花を模して形成された中央装飾体305の外形が大きくなるとともに表側装飾部材461の間に隙間が生じ、あたかも花びらが開いたかのような印象を与えることが可能となる。この際、表側装飾部材461の隙間から蓋体423の前面の一部が露出して、上記発光体からの光が前方へ照射されることとなる。発光体からの光は表側装飾部材461が回転することにより拡散され、中央装飾体305の表面中央部分(蓋体423)が全体的に光っているかのように表示される。
本実施の形態に示す中央装飾体305には、上記回転差を誘発させる手段として両ギア部材431,441のうち裏側ギア部材441に噛み合うことにより当該裏側ギア部材441の回転を妨げる抵抗ギア471が配設されている。なお、裏側ギア部材441の外径は表側ギア部材431の外径と異なっており(詳しくは小さく設定されており)、抵抗ギア471と表側ギア部材431との噛み合い、更には上述した伝達ギア383と裏側ギア部材441との噛み合いが回避されている。
抵抗ギア471は、各ギア部材431,441とは別体で設けられ、ケース体421に対して回動可能に取り付けられている。より詳細には、抵抗ギア471は台座部材にネジ止めされ、この台座部材がケース体421に固定されているが、ネジによる締め付けトルクにより、抵抗ギア471による抗力を調整することが可能となっている。
ここで、図24及び図25を参照して、両ギア部材431,441の回転差を利用した中央装飾体305の形態変化の原理について説明する。図24は中央装飾体305における可動体(スライダ451や装飾部材461,462)の動作原理を示す概略図、図25は中央装飾体305の形態変化の様子を示す概略図である。
回転用駆動モータ401から駆動力が供給されると、伝達ギア383を介して表側ギア部材431に駆動力が伝達される。これにより、図24(a)に示すように、表側ギア部材431が上記所定方向に回転を開始する。ここで、両ギア部材431,441が積層配置されているため、それらギア部材431,441の間に摩擦力が生じる。その摩擦力によって裏側ギア部材441が表側ギア部材431に追従して回転を開始する。両者が完全に一体となって回転している状態では回転差が生じないため、図25(a)に示すように、可動体を構成するスライダ451及び装飾部材461,462は初期位置に待機したまま両ギア部材431,441とともに回転することとなる。
表側ギア部材431に生じる回転トルクが両ギア部材431,441の間に生じる静止摩擦力を下回っている場合には、上記同期回転が維持される。但し、裏側ギア部材441には抵抗ギア471が接続されており、回転対する抵抗が表側ギア部材431大きくなっている。この抵抗差は、表側ギア部材431の回転トルクが増大することにより静止摩擦力を超える助けとなり、表側ギア部材431の回転トルクが静止摩擦力を超えることで裏側ギア部材441の回転が遅れることとなる(図24(b)参照)。これにより、回転差(X1)が発生する。
このような回転差が生じることにより、収容溝432(表側スリット433)と裏側スリット442とに位相差が生じる。このような位相差が生じることにより、裏側ギア部材441(詳しくは裏側スリット442)によってスライダ451(詳しくは裏側係合突起454)が外周側に押されることとなる(図25(b)参照)。この際、可動体の重みによって生じる遠心力もスライダ451の外周側への移動に寄与することで、同可動体の動きをより円滑なものとしている。
両ギア部材431,441の回転差が増大し、予め設定された量(X2)に達すると(すなわち収容溝432(表側スリット433)と裏側スリット442との位相差が予め設定された最大値となると)、スライダ451が収容溝432の端部に当接するとともに表側係合突起453が表側スリット433の端部に当接し、更に裏側係合突起454が裏側スリット442の端部に当接することとなる(図25(c)参照)。これにより、中央装飾体305の形態変化が完了することとなる。
このように、同軸となるように配置された2つの回転体の回転差を利用して形態変化を生じさせる構成においては、スライダ451を周方向に多数配置させても、当該スライダ451を移動させるための構成が過度に複雑になることを回避できる。
ここで、第1回転演出及び第2回転演出の違いについて補足説明する。第1回転演出においては、回転用駆動モータ401に生じる駆動力が上記所定の値よりもを小さく抑えることで、両ギア部材431,441の間に生じる静止摩擦力を超えないように設定されている。この場合、2つのギア部材431,441に回転差が生じないため、それらギア部材431,441は完全に同期して回転を続けることとなる。
一方、第1回転演出においては、回転初期においては一見すると第1回転演出と同様に見えるように駆動力が抑えられているが、所定のタイミングにて回転用駆動モータ401に生じる駆動力が所定の値よりも大きくなるようにして駆動信号が出力されるように設定されている。こうすることにより、両ギア部材431,441の間に回転差が生じ、図23(a)に示したように中央装飾体305の形態が変化した状態で回転することとなる。
本実施の形態に示す構成においては、表側ギア部材431のほうが裏側ギア部材441よりも大きく(重く)設定されている。このため、回転用駆動モータ401への駆動信号の出力が停止した際に各ギア部材431,441に生じている慣性力は前者のほうが後者よりも大きくなる。故に、駆動信号の出力が停止された後も、図23(a)に示すように、中央装飾体305の形態変化が維持されたままとなる。つまり、回転停止を契機として中央装飾体305の形態が元の状態に復帰することはない。これにより、特定演出終了後もその余韻を楽しむ猶予が与えられ、遊技者の特定演出に対する注目が回転停止とともに一気に低下することを回避できる。
なお、抵抗ギア471の存在によって裏側ギア部材441の回転が表側ギア部材431の回転よりも遅れるという現象は、駆動信号の出力停止後であっても継続される。故に、抵抗ギア471の存在も、上記回転差の維持に寄与しているともいえる。
但し、第3可動演出装置275が繰り返し使用されることを前提とすれば、このような回転差を維持する構成においては特定演出終了後には次回の回転演出や降下演出に備えて中央装飾体305を元の形態に復帰させておく必要がある。そこで、特定演出終了後には報知・演出制御装置140から回転用駆動モータ401に逆回転用の駆動信号が出力され中央装飾体305の待機位置への復帰が促される(図23(a)→図23(b)参照)。こうして中央装飾体305が待機位置へ復帰した場合には、その事実が上記位置検知センサ359からの検知情報に基づいて把握され、報知・演出制御装置140から上記回転用駆動モータ401を逆回転させる駆動信号が出力される。これにより、図23(b)→図23(c)に示すように両ギア部材431,441の間に生じていた回転差が解消され、中央装飾体305が元の形態に復帰することとなる。
本実施の形態に示す中央装飾体305においては、当該中央装飾体305の形態変化自体を遊技者の注目を得るための手段として活用している。この場合、仮に形態変化があまりに素早く行われると、変化を目で追うことが困難になったり、形態変化の過程を見逃す可能性が高くなったりすると想定される。本実施の形態においては、このような不都合を解消するための工夫が施されている。以下図26を参照して、その工夫について説明する。図26は各ギア部材431,441の動きと回転用駆動モータ401に生じる負荷を示す概略図である。
既に説明したように、本実施の形態においては各ギア部材431,441を積層配置して、それらギア部材431,441の間に生じる摩擦抵抗を利用することで、裏側ギア部材441の初動を表側ギア部材431に追従させる構成としている。このため、駆動信号の出力が開始されたt0のタイミングから表側ギア部材431の回転トルクが静止摩擦力を超えるt1のタイミングまでは、両ギア部材431,441が一体となって回転することとなる。
t1のタイミングにて静止摩擦力を超えた後は、両ギア部材431,441が非同期となって回転する(詳しくは裏側ギア部材441の回転が遅れ始める)。しかしながら、この場合であっても、両ギア部材431,441の間に生じる動摩擦力によって裏側ギア部材441が引き摺られることとなり、裏側ギア部材441についても加速レベルは低くなるものの、その回転速度は上昇を続けることとなる。t2のタイミングにて表側ギア部材431の回転速度が最大となった後は、上述した回転差が予め設定された最大量となるまでその状態を維持し、t3のタイミングにて回転差が最大となることで、スライダ451を介して表側ギア部材431と裏側ギア部材441とがリンクし、両ギア部材431,441の回転が再度同期することとなる。
このように、裏側ギア部材441についても回転差が最大となるまで表側ギア部材431を追うようにして速度を上げることにより、中央装飾体305の形態変化に要する期間を引き伸ばす(遅延させる)ことができる。これにより、上述した各種不都合の発生を抑えている。
ここで、両ギア部材431,441が一体となって回転している場合には、抵抗ギア471の抵抗が回転用駆動モータ401の負荷を増大させる要因になり得る。つまり、抵抗ギア471の存在によって、上述した各種恩恵を享受できる反面、回転演出時に発生する負荷が大きくなると懸念される。この点、本実施の形態においては、スライダ451及び各装飾部材461,462が放射方向に移動するため、両ギア部材431,441の回転差が最大となって非同期回転から同期回転に移行した後は、回転に伴って発生する慣性力が大きくなる。これにより、抵抗ギア471の存在により回転用駆動モータ401に生じる負荷が過度に大きくなることを抑制し、回転用駆動モータ401を保護することができる。
本実施の形態に示したように、第3可動演出装置275によって中央装飾体305を昇降させるだけでなく、中央装飾体305を回転させる構成においては、回転演出を実現するために伝達ギア383を多数設けた場合に、これら伝達ギア383の存在が中央装飾体305の円滑な昇降運動を妨げる要因となり得る。
このような構成においては各伝達ギア383の間に生じる遊び(所謂バックラッシュ)をある程度大きく設定することにより、伝達ギア383が上記阻害要因となることを抑制することが可能である。しかしながら、このようなバックラッシュの存在は、中央装飾体305の昇降を円滑に行う上では有益ではあるが、中央装飾体305に駆動力を伝達する際のハンディキャップになり得る。つまり、バックラッシュが大きければ大きいほど、伝達ギア383に生じる衝撃が大きくなるため変形や破損を生じて動作不良を引き起こしやすくなる。また、バックラッシュを詰めるだけの回転量が駆動力の伝達経路を確保する上で必須となるため、回転演出実行時の応答性の低下を招来する要因なりやすい。つまり、単にバックラッシュを大きくするだけでは、上記昇降運動の円滑化を実現できても、動作不良や応答性の低下等の新たな問題を招来し得ると懸念される。
本実施の形態においては、多様な動作によって演出機能の向上を図る上で生じる上記各種不都合を同時に解決するための工夫が施されている。以下、図27及び図28を参照して、当該工夫について説明する。図27は第3可動演出装置275の昇降運動時における伝達ギア383の位置関係の変化を示す概略図、図28は隙間調整の動作原理を示す概略図である。なお、図27及び図28の(a)群は中央装飾体305が待機位置に配置された状態を示し、(c)群は中央装飾体305が演出位置に配置された状態を示しており、中央装飾体305自体の図示は説明の便宜上省略している。中央装飾体305の位置については図22及び図23を参照されたい。
図27に示すように、伝達ギア383は大別して、左側アーム部304が回動した場合であってもその位置が変化しない固定ギア384と、左側アーム部304の回動に伴ってその位置が変化する(取付位置は変化しない)複数の可動ギア385とによって構成されている。
固定ギア384は可動ギア385よりもその外形が大きくなるように設定されており、
その回転中心線が左側アーム部304の回転中心線と同軸となるように配置されている。複数の可動ギア385のうち、固定ギア384と噛み合っている可動ギア385(以下、特定可動ギア386と称する)は、左側アーム部304の回転中心から自身の外周部までの距離が固定ギア384の半径寸法と同等となる位置に配置されている。このため、図27(a)→図27(b)→図27(c)に示すように、左側アーム部304が回動することにより、特定可動ギア386は固定ギア384の外周に沿って移動する。
このような相対位置の変化が生じた場合であっても、両ギア384,386の噛み合いが担保される。しかしながら、このような位置関係の変化によれば、固定ギア384の外周部に形成された歯部391と、特定可動ギア386の外周部に形成された歯部395との噛み合い箇所が変化することとなる。
ここで、固定ギア384は、従動ギア404を介して回転用駆動モータ401に接続されており(可動ギア385よりも伝達経路における上流側に位置しており)、固定ギア384が回転する際に生じる回転抵抗と可動ギア385(特定可動ギア386)が回転する際に生じる回転抵抗とを比較した場合には、後者よりも前者のほうが大きくなっている。
このため、特定可動ギア386が固定ギア384の外周に沿って移動する際には、固定ギア384の歯部391と特定可動ギア386の歯部395とが引っ掛かることにより、特定可動ギア386が優先的に回転することとなる。これにより、固定ギア384の歯部391と特定可動ギア386の歯部395との位置関係が変化する。
より具体的には、図28(1)群に示すように、各歯部391,395には中央装飾体305を所定方向(時計回り)に回転させる場合に接触する第1接触面392,396と、所定方向とは反対側(反時計回り)に回転させる場合に接触する第2接触面393,397とを有してなり、左側アーム部304が回動を開始する前には、バックラッシュが第2接触面393,397の間では存在せず、第1接触面392,396の間に存在するように偏りが生じている。この偏りは、左側アーム部304を下方に回動させる場合に、固定ギア384と特定可動ギア386との位置関係の変化を容易にする役割を果たし、ギア同士の支えを生じにくくさせる上で有利に作用する。
ここで、図28(a1)→図28(b1)に示すように、左側アーム部304の下方へ回動すると、特定可動ギア386の歯部395が固定ギア384の歯部391との噛み合いを維持すべくその姿勢が変化する(回動する)。この変化自体は微小ではあるものの上記バックラッシュと比較すれば十分に大きいため、特定可動ギア386の姿勢の変化に伴ってバックラッシュの偏りが小さくなる。詳しくは、第1接触面392,396の間と第2接触面393,397の間との両方に隙間が生じることとなる。
その後、更に左側アーム部304が回動を継続して最大回動位置に到達すると、図28(c1)に示すように第1接触面392,396間での隙間が消失し、第2接触面393,397間に隙間が移るようにしてバックラッシュに図28(1)に示した待機位置とは逆の偏りが生じる。このようにして第1接触面392,396同士が当たった状態となることで、固定ギア384と特定可動ギア386との間で動力伝達の準備が整うこととなる。なお、図28においては、上記バックラッシュの偏りがゆっくりと変化して、最終的に中央装飾体305(図23等参照)が演出位置に到達することでバックラッシュの偏りが最大となるように表示しているが、実際には図28(a)→図28(c)の動作過程にてバックラッシュの偏りが最大となり、その状態を維持するようにして演出位置へ到達することとなる。
また、本実施の形態においては、隣り合う伝達ギア383間でのバックラッシュの大きさが同等となるように設定されている。詳しくは、固定ギア384及び特定可動ギア386の間に生じるバックラッシュの大きさと各可動ギア385間に生じるバックラッシュの大きさとが同等となるように設定されている。このため、図28(1)群に示した特定可動ギア386の回転に追従して他の可動ギア385も回転し、全ての可動ギア385間にて第1接触面396が接触することとなる。これにより、中央装飾体305を所定方向に回転させるための駆動力の伝達経路が確保される。
ここで、図28(2)群を参照して、特定可動ギア386の回転に伴う他の可動ギア385の動き及び各可動ギア385間に設けられたバックラッシュの変化について例示する。なお、図28(2)群においては、駆動源(回転用駆動モータ401)に近い側(上流側)の可動ギア385を上流側可動ギア385A、当該上流側可動ギア385Aの直下流側に設けられた可動ギア385を下流側可動ギア385Bとして区別する。なお、歯部395や各接触面396,397についても同様に符号の末尾に「A,B」を付与して区別している。
中央装飾体305が待機位置に存在している状況下においては、図28(a2)に示すように上流側可動ギア385Aの歯部395Aの第2接触面397Aと下流側可動ギア385Bの歯部395Bの第2接触面397Bとが接触しており、各可動ギア385A,385Bの第1接触面396A,396Bの間には隙間が存在している。つまり、バックラッシュは中央装飾体305を逆回転させる側に存在せず、逆回転用の動力を伝達する伝達経路が確保されている。
ここで、左側アーム部304が下方に回動して上記特定可動ギア386が回動すると、特定可動ギア386に続く可動ギア385が当該特定可動ギア386との噛み合いを維持するようにして回転することとなる。これにより、図28(b2)に示すように上流側可動ギア385Aの歯部395Aの第2接触面397Aと下流側可動ギア385Bの歯部395Bの第2接触面397Bとが離間し、それに合わせて各可動ギア385A,385Bの第1接触面396A,396B間の隙間が小さくなる。
更に左側アーム部304の回動が継続し、中央装飾体305が演出位置に到達した図28(c2)の状態では、バックラッシュが図28(a2)とは逆側に偏る。具体的には、上流側可動ギア385Aの歯部395Aの第1接触面396Aと下流側可動ギア385Bの歯部395Bの第1接触面396Bとが接触し、各可動ギア385A,385Bの第2接触面397A,397Bの間に隙間が移る。これにより、中央装飾体305を所定方向に回転させるための駆動力の伝達経路が確保されることとなる。
つまり、中央装飾体305が演出位置に到達した場合には、バックラッシュが回転演出実行時の駆動側に詰まって、駆動力が即時に伝達されることとなる。故に、上述した動作不良や応答性の低下等の不都合が生じることを抑制できる。
一方、例えば上述した第2回転演出を実行した後に、中央装飾体305が待機位置に復帰すると、図28(c)→図28(b)→図28(a)に示すように、特定可動ギア386が固定ギア384に沿って上昇することにより当該特定可動ギア386が左側アーム部304降下時とは逆に回転し、バックラッシュは再び元の状態に戻る。つまり、第2接触面397同士が接触した状態となり中央装飾体305を所定方向とは反対側に回転させる場合の駆動力の伝達経路が確保される。これにより、中央装飾体305の形態変化を元の状態に復帰させるべく上記回転用駆動モータ401に逆方向に回転する駆動信号が入力されたとしても、当該復帰を円滑に行うことが可能となる。そして、当該駆動信号に基づいて中央装飾体305が元の形態に復帰した状態では、上流側可動ギア385Aの歯部395Aの第2接触面397Aと下流側可動ギア385Bの歯部395Bの第2接触面397Bとが接触し、各可動ギア385A,385Bの第1接触面396A,396Bの間に隙間が移ったままの状態で維持される。
因みに、中央装飾体305の演出位置から待機位置への復帰時には、上記バックラッシュの偏りによって伝達ギア383の支えが抑制されるため、当該中央装飾体305の復帰が円滑に行われなくなることを回避できる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、「回転体」を構成する表側ギア部材431及び裏側ギア部材441を互いに接触した状態で配置(積層配置)し、両ギア部材431,441の間に生じる摩擦力を利用してそれらギア部材431,441間に生じる回転差(位相差)が所定量に至るまでに表側ギア部材431に追従させた裏側ギア部材441の回転を促す構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも表側ギア部材431の回転に伴って両ギア部材431,441の間に回転差を生じさせることが可能であれば足り、例えば両ギア部材431,441を離間させて配置することも可能である。
但し、このような構成においては、表側ギア部材431と裏側ギア部材441との相対速度が大きくなった状態でいきなりリンク部分同士が衝突することとなる。これでは、リンクに生じる負荷が大きくなるだけでなく、回転差が所定の量に達するまでの期間が短くなって、中央装飾体305の形態変化に要する期間が極端に短くなると想定される。これでは、「可動体」を構成する装飾部材461,462の動きを目で追うことが困難になるだけでなく、遊技者がその動きを見逃す可能性が高くなる。故に、演出機能が上手く発揮されなくなる。以上の理由から、上記実施の形態に示したように、裏側ギア部材441についてもある程度加速させて回転差の増加を遅延させる構成とすることが好ましい。
(2)上記実施の形態では、「遅延手段」として抵抗ギア471を採用し、当該抵抗ギア471によって回転差を発生させやすくしたが、回転差の発生に寄与できるのであれば足り、すなわちリンクにより係合して両者が一体となって回転を開始するまでの間に一方にのみ作用する抵抗を発生させることができるものであれば足り、例えば抵抗ギア471に変えてゴムローラ等を採用することも可能である。また、裏側ギア部材441との間に摺動抵抗を発生させるのであれば、裏側ギア部材441の歯部を省略して円板状とすることも可能である。
(3)上記実施の形態では、「遅延手段」をギア部材431,441とは別体で設けたが、各ギア部材431,441の軸受け部と軸部との間に生じる摩擦力に差を設けることで、裏側ギア部材441を遅延させる構成としてもよい。詳しくは裏側ギア部材441に生じる摩擦力が表側ギア部材431に生じる摩擦力よりも大きく設定すればよい。
但し、上記実施の形態に示したように「遅延手段」に相当する構成をギア部材431,441とは別体で設けることにより、抵抗の大きさを後調整することが容易となる。特に、ギア部材431,441間での摩擦を利用する構成においては、製造時の個体差や経時劣化等により、摩擦の発生具合に差が生じ得る。この点、本実施の形態に示す構成は、後調整によって遅延機能を担保できるので、実用上好ましい構成であるといえる。
(4)上記実施の形態では、「可動体」を構成するスライダ451及び装飾部材461,462をギア部材431,441の放射方向に変位させる構成としたが、回転差によって動作させるのでれば、その方向については任意であり、例えば可動体が回転差の増大に伴ってギア部材431,441の外周側から回転中心側へ移動する構成とすることも可能である。但し、抵抗ギア471の存在により回転用駆動モータ401への負荷が大きくなっていることを考慮すれば、可動体が外側に移動して慣性力を増大させることで、負荷を軽減させることが好ましい。
(5)上記実施の形態では、全てのスライダ451が同じ動作態様で且つ同じタイミング最大変位位置へ到達する構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、裏側スリット442等の全長を複数設定することで上記動作態様を変化させてもよいし、収容溝432(表側スリット433)の全長や向きを複数設定することで、最大変位位置への到達タイミングを異ならせることも可能である。
(6)上記実施の形態では、ギア部材431,441間に発生する静止摩擦力を利用して、回転初期に両ギア部材431,441が一体となって又は裏側ギア部材441が表側ギア部材431に追従して回転する構成としたが、このように一体となって回転する期間を設けなくてもよい。すなわち、少なくとも両ギア部材431,441の間に回転差が生じるのであれば、スライダ451を介してそれらギア部材431,441がロックされた時点で裏側ギア部材441が回転を開始する構成とすることも可能である。
(7)上記実施の形態では、複数の伝達ギア383の1つを固定ギア384とし、その固定ギア384に沿って特定可動ギア386が移動することにより、バックラッシュの偏りを調整する構成としたが、中央装飾体305の回転開始時に駆動方向におけるバックラッシュを無くすことができるのであればよく、例えば特定可動ギア386を上記駆動方向に付勢するバネやゴム等の付勢手段を設けることも可能である。但し、このような付勢手段の存在は回転数に制約を生じさせる要因になる点に配慮されたい。また、特定可動ギア386等が自重によって上記偏りを無くすように付勢される構成とすることも可能であるがこのような構成においては、常時特定可動ギア386の姿勢に偏りが生じることで中央装飾体305の動作に支障をきたす可能性が高くなる。故に、このような変更を行う場合には、自重による付勢機能がアーム部303,304の下方への回動によって無効化された状態から有効化された状態となるように特定可動ギア386の取り付けや回転演出終了時の特定可動ギア386の姿勢等を制御するといった別途工夫が必要となる。
(8)上記実施の形態では、特定可動ギア386を、左側アーム部304が回動する場合に当該左側アーム部304の動きに伴って固定ギア384の外周に沿って移動する位置に配置したが、少なくとも固定ギア384の歯部391と特定可動ギア386の歯部395との噛み合いが担保できるのであれば、必ずしも上記配置とする必要はない。つまり、固定ギア384を左側アーム部304の回動中心からずらして配置することも可能である。
(9)上記実施の形態では、固定ギア384の外径を特定可動ギア386の外径よりも大きくすることにより、左側アーム部304の回動に伴う特定可動ギア386の回転量が無駄に大きくなることを抑制したが、これら各ギア384,386の大小関係については任意に変更してよい。但し、固定ギア384の回転を抑えつつ、特定可動ギア386の回転を促すには、固定ギア384の外径を特定可動ギア386の外径よりも大きくすることが好ましい。
(10)上記実施の形態では、中央装飾体305が上下に変位する構成としたが、その変位方向は上下に限定されるものではなく、左右であってもよいし前後であってもよい。但し、中央装飾体305の重さを2つのアーム部303,304に分散させて支持機能を上手く発揮させるには、各アーム部303,304の回動中心部を左右に離して回動方向が互いに逆となるように構成することが好ましい。この点を配慮すれば、中央装飾体305用のアーム部303,304の配置を左右とすることには技術的意義がある。言い換えれば、2つのアーム部303,304によって支持負荷の分散を図る上では、上記実施の形態に示したアーム部303,304の配置は中央装飾体305の移動方向が上下又は前後であるものに適した構成である。
(11)上記実施の形態では、左側アーム部304に中央装飾体305を固定し、両アーム部303,304を直接連結する構成としたが、これに限定されるものではない。中央装飾体305に対して各アーム部303,304が接続されることで、当該中央装飾体305を連結部として機能させてもよい。
なお、中央装飾体305の配設対象を右側アーム部303とすることも可能であるが、この場合、動力の伝達機構が複雑化する可能性がある。そこで、同変更を行う場合には併せて伝達機構や駆動モータについても右側アーム部303に移植することにより当該不都合を解消できる。但し、このような変更を行った場合には、中央装飾体305を上下動させるための構成と回転させるための構成とが一方のアーム部側に集約され重量バランスの偏りが大きくなる。これは、支持機能の低下を招いたり、一方のアーム部の肥大化を招いたりする要因となる。以上の理由から、上記実施の形態に示したように左右のアーム部303,304に上記各機能を分けて付与することが好ましい。
(12)上記実施の形態では、両アーム部303,304が全体として上に凸となる位置から、下に凸となる位置へ変位する構成としたが、これに限定されるものではなく、各アーム部303,304の可動範囲は任意である。但し、支持機能を担保する上では待機位置においては少なくとも、両アーム部303,が一直線状となることを回避することが好ましい。
(13)上記実施の形態では、第3可動演出装置275が待機状態となっている場合にアーム部303,304及び中央装飾体305が第2可動演出装置274の背後に隠れる構成としたが、これに限定されるものではない。アーム部については、長尺状をなし回動することにより中央装飾体305を変位させる構成である点に着目すれば、中央装飾体305の変位方向と交差する方向に延びる構成であればよい。例えば、表示画面253aを囲む囲み部を別途有する場合には、囲み部のうち中央装飾体305の移動方向と交差する方向に延びる枠部の背後にアーム部や中央装飾体に相当する構成を配置することも可能である。
(14)上記実施の形態では、中央装飾体305を待機位置に保持した状態にて右側アーム部303のアーム側当接部333とギア側当接部355とが当接し、荷重の伝達方向がギア側当接部355を有する従動ギア354の回転中心に向く構成としたが、少なくとも待機位置に留める場合にギア(モータ)の回転が規制される構成であれば足り、待機位置に配置された場合に従動ギア354の回転を規制する規制部を有する構成とすることも可能である。
(15)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある。また、例えば表示画面の周辺に発光部や可動体等からなる演出用手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、更なる注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特開2002−78904号公報参照)。近年では上記表示画面が大型化する傾向にあり、このような表示画面の大型化によって、上記演出用手段の配置領域や動作領域等の確保が難しくなっている。このような空間的な制約は演出用手段を用いた演出を陳腐化させる要因となり得る。これは、演出用手段を設けた主旨に逆行するものであり好ましくない。なお、演出用の構成の配置及び同構成における演出機能にかかる問題は、表示画面の周辺にのみ発生するものではなく、周辺部品等との間に空間的な制約が生じやすい箇所に上記演出用手段に相当する構成を配設する場合にも発生し得る。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴A1.遊技状況に応じて所定の動作を行うことにより演出を行う演出機構(中央装飾体305)と、前記演出機構を動作させる演出用駆動部(例えば回転用駆動モータ401)とを有する演出手段(第3可動演出装置275)を備え、
前記演出機構は、前記演出用駆動部からの駆動力に基づいて回転する第1回転体(表側ギア部材431)と、前記第1回転体と同軸となるように配置され当該第1回転体が回転した場合に同第1回転体との間に回転差が生じるようにして回転可能に設けられた第2回転体(裏側ギア部材441)と、前記第1回転体及び前記第2回転体の間に回転差が生じた場合にその回転差に応じて変位する可動体(スライダ451に固定された装飾部材461,462)とを有してなり、前記両回転体の少なくとも一方の回転による回転演出を実行し、前記可動体の変位に基づく特定演出を実行するように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、特定演出用の可動体が両回転体の回転差によって変位する。このため、回転演出及び特定演出の両演出を実現するにあたり、その駆動源を共有化できる。故に、駆動系統の簡素化を図りつつ多様な演出を実現することができる。かかる構成によれば、多様な演出を実現しようとした場合に生じる構造の肥大化を抑えつつ(空間的な制約を抑えつつ)、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴A2.前記第1回転体及び前記第2回転体は相互に接触するように重ねて配置されており、前記第2回転体は前記第1回転体との間に生じる摩擦によって回転可能となっていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
回転差に基づいて可動体を動作させる構成においては、いきなり回転差が所望とする量に達することで、遊技者が可動体の動きを見逃す可能性が高くなる。また、可動体の急激な変位は回転体の回転開始と同時に特定演出が開始したかのように見える要因となり、両演出を区別して見せることが困難になる。つまり、回転差の発生(詳しくは回転差が所定量に達すること)があまりに急激となることは、特定演出の演出機能を上手く発揮させる上での障害になり得るため好ましくない。
この点、本特徴によれば、両回転体を積層配置(相互に接触するように重ねて配置され)して、摩擦により第2回転体を回転させることで、所望とする回転差が生じるまでの間にある程度の期間を要すこととなる。これにより、可動体の変位にゆとりを付与でき演出機能を上手く発揮させることができる。
特徴A3.前記第2回転体の回転を妨げる抵抗を発生させて前記第2回転体の回転を前記第1回転体の回転に対して遅らせることにより、前記回転差を生じさせる遅延手段(例えば抵抗ギア471)を備えていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第2回転体の回転を妨げる遅延手段(ブレーキ)を設けることで特徴A1に示した第1回転体と第2回転体との回転差を容易に生じさせることができる。
特に、特徴A2との組み合わせにおいては、両回転体の間に生じる摩擦が大きくなると静止摩擦力によって両回転体が一体となって回転する期間が無駄に長くなる。そこで、遅延手段を用いて積極的に抵抗を発生させることにより、静止摩擦力によって一体的に回転する期間が間延びすることを抑制することができる。
なお、遅延手段を第2回転体とは別体で設け、当該第2回転体に対して接触した状態で上記抗力を発生させる構成とすることが好ましい。両回転体の間に生じる摩擦力の大きさは製造時の個体差等によって容易に変化し得るため、遅延手段を別体とすることで、このような個体差を遅延手段側で補完することが容易となるからである。
また「遅延手段」により発生する抵抗は、第1回転体及び第2回転体の間に生じる静止擦抵抗よりも小さく設定されていることが好ましい。これは、遅延手段による抵抗が静止摩擦抵抗よりも大きいと、この抵抗が支配的となり両回転体が直ぐに分離してしまうことを回避する上で有益である。
特徴A4.前記可動体は、前記第1回転体及び前記第2回転体の回転に追従しそれら両回転体の回転中心部を中心として回転するように構成されており、前記両回転体の回転差が生じることに伴い前記回転中心部から遠ざかる側へ変位することを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A3に示す遅延手段を有する構成においては、上記各種効果が期待できる半面、演出用駆動部に生じる負荷が大きくなる。この点、可動体が回転差の発生に伴い回転体の回転中心部から遠ざかる側へ変位する構成との組み合わせによれば、回転差によって可動体が変位することで回転体に生じる慣性力が大きくなる。この慣性力は遅延手段による抵抗を打ち消す又は軽減するように作用するため、演出用駆動部に生じる負荷が大きくなることを抑制できる。
特徴A5.前記第1回転体及び前記第2回転体には、前記可動体を案内する案内部(スリット433,442)が設けられており、
前記案内部は、
前記第1回転体及び前記第2回転体のうち一方に設けられ、それら両回転体の放射方向に延びている第1案内部(表側スリット433)と、
前記第1回転体及び前記第2回転体のうち他方に設けられ、それら両回転体の放射方向と交差する方向に延びており、一端部が回転体の中心部寄り、他端部が回転体の外周部寄りとなるように形成された第2案内部(裏側スリット442)と
により構成されており、
前記可動体は、
前記第1案内部に係合し、その係合状態を維持したまま当該第1案内部に沿って移動可能な第1係合部(表側係合突起453)と、
前記第2案内部に係合し、その係合状態を維持したまま当該第2案内部に沿って移動可能な第2係合部(裏側係合突起454)と
を有し、
前記第1回転体及び前記第2回転体の回転差により前記第1案内部と前記第2案内部との位相差が生じ、当該位相差の発生により前記各係合部が前記各案内部により外周部側へ押されることにより前記可動体が前記回転体の回動中心部から遠ざかる側へと案内されることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5によれば、各回転体に設けられた案内部同士の位相差によって可動体を外周部側へ案内させることができる。これにより、例えば回転体が大きくなったかのような印象を遊技者に与えることができ、特定演出への注目度の向上を図ることができる。
また、本特徴によれば、可動体の係合部と回転体の案内部とによって、回転体の回転差の上限を規定することが可能である。しかしながら、このような制限機能を付与した場合には、回転差の増大が制限されたタイミングにて係合部や案内部に衝撃が生じやすい。このような衝撃の発生は両回転体の回転速度の差が大きくなることで増大する。この点、特徴A2等に示したように、両回転体の間に生じる摩擦力によって第2回転体が回転することを許容する構成においては、上記回転速度の差を小さくすることができ、結果として上述した衝撃の発生に伴う変形や破損等の不都合を生じにくくすることが可能となる。
特徴A6.前記第2案内部において前記外周部側となる前記他端部は、当該外周部に沿うように形成されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、可動体が第2案内部の上記他端部に到達した状況下においては同可動体を回転体の外周寄りとなる位置に保持することができる。具体的には、回転体への駆動力の供給が停止した場合であっても、可動体が自重等によって回動中心部側へ変位することを抑制し、可動体が元の位置に復帰しようとすることで位相差(回転差)が小さくなることを回避できる。これにより、回転体の回転が停止した場合に、演出機構の外観がいびつになることを抑制しつつ回転体の停止後であっても特定演出を継続することが可能となる。
なお、本特徴に示す技術的意義に鑑みれば、「第2案内部」を回転体の回転が停止された状態であっても両回転体間の回転差を維持する「維持手段」と称することも可能である。
特徴A7.前記可動体は、前記第1回転体又は前記第2回転体の外周に沿って等間隔となるようにして複数配設されていることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
2つの回転体の回転差は、回転体の一部においてのみ発生するものではなく全体で発生するものである。そこで、回転体の周方向に複数の案内部を並べて設けることで各案内部により可動体を変位させることが可能となる。
特に、特徴A5等に示したように案内部と係合部とを用いて2つの回転体の回転差に基づく可動体の変位を実現させる構成においては、可動体を変位させる構成の占有領域の拡がりを抑えることができる。つまり、可動体を複数備える構成としてもその変位を実現するための構成を回転体に配設することに支障が生じにくい。故に、特徴A5に示した構成と本特徴に示す構成との組み合わせにより、特定演出への注目度の向上する上で好ましい構成が実現できる。
また、可動体を複数有することにより、特徴A4に示した慣性力による負荷軽減機能を一層好適に発揮させることができる。特に、回転体の外周に沿って等間隔となるようにして配設することにより、回転時の挙動を安定させることも可能である。
なお、各回転体は可動体を含めた重量が周方向にて均等となるように構成することが好ましい。当該構成とすることで、上記負荷軽減機能や回転安定化機能を一層好適に発揮させることができる。
特徴A8.回転終了時に前記第1回転体に生じている慣性力が前記第2回転体に生じている慣性力よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、駆動力の供給が停止して両回転体が減速→停止する場合であっても、上記回転差が維持されやすくなる。このように、回転差を維持することにより回転演出終了後も特定演出を継続することが可能となる。
特徴A9.前記演出用駆動部は正逆両方向に回転可能に構成されており、
前記演出手段は、前記回転演出を実行する場合に前記演出用駆動部が正回転するように駆動制御し、前記回転演出終了後に前記演出用駆動部を逆回転するように駆動制御する駆動制御手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9によれば、演出用駆動部を逆回転させることにより、両回転体に生じていた回転差をなくすことが可能となる。これにより、回転演出や特定演出実行後に次回の回転演出等を実行可能な待機状態に演出機構を復帰させることができる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある。また、例えば表示画面の周辺に発光部や可動体等からなる演出用手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、更なる注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特開2002−78904号公報参照)。ここで、可動式の演出用手段を用いて演出を行うものについては、その動きを多様化(複雑化)することにより当該演出への注目度を好適に向上することが可能である。しかしながら、演出に複雑な動きが伴う構成においては注目度向上効果が期待できる反面、故障等の要因による動作不良発生等のリスクも高くなる。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴B1.演出機構(第3可動演出装置275)及び当該演出機構を駆動制御することにより所定演出を実行する制御装置(報知・演出制御装置140)を有する演出手段を備え、
前記演出機構は、
第1位置及び第2位置に変位可能に設けられ、同第2位置に配置された状態にて遊技機前方から視認可能となり、同状態にて回転することにより前記演出を行う回転体(中央装飾体305)と、
前記制御装置によって駆動制御されることにより、前記回転体を前記第1位置から前記第2位置へ変位させる第1駆動手段(昇降用駆動モータ351)と、
前記制御装置によって駆動制御されることにより、前記回転体を回転させる駆動力を発生する第2駆動部(回転用駆動モータ401)、及び当該第2駆動部の動作に基づいて回転することにより当該駆動部からの駆動力を前記回転体に伝達する複数の伝達ギア(伝達ギア383)を有する第2駆動手段と
を有し、
前記制御装置は、前記所定演出を実行する場合に、前記回転体を前記第2位置へ配置した状態にて当該回転体が所定方向に回転するように前記各駆動手段の駆動制御を行う設定となっており、
前記各伝達ギアは、それら各伝達ギアの外周部に沿って複数の歯部(例えば歯部391,395)が突設されてなり、隣り合う伝達ギア同士が噛み合うことにより駆動力を伝達する手段として機能するように構成されており、
前記各伝達ギアは、隣り合う伝達ギアにおいて噛み合っている各歯部の間に、それら各伝達ギアの回転方向に所定の隙間(バックラッシュ)が形成されるように構成されており、
前記演出機構は、前記回転体の前記第1位置から前記第2位置への変位に伴って前記複数の伝達ギアの何れかを回転させることにより、前記所定の隙間において前記回転体を所定方向に回転させる場合に前記歯部同士が接触する側の隙間が占める割合を減少させる隙間調整手段(昇降用駆動モータ351からの動力に基づいて固定ギア384と特定可動ギア386との位置関係を変化させる機能)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B1に示すように回転体の位置の変位と同回転体の回転とを利用して演出機能を発揮させる構成においては、各伝達ギアの歯部の間に上記所定の隙間(所謂「バックラッシュ」)を設けることにより、第1位置/第2位置間での回転体の変位が伝達ギアの支え等によって円滑に行われなくなることを抑制できる。
ここで、意図的にて伝達ギアの噛み合わせにゆとり(遊び)を与えることは第1位置/第2位置間での回転体の変位を円滑に行う上では有益である。しかしながら、このようなゆとりは、回転体を回転させる際(動力伝達時)に伝達ギア間にて発生する衝撃が大きくなる要因となったり、演出実行時の応答性を低下させる要因になったりし得る。特に、そのような衝撃の発生は、伝達ギアに生じる負荷を大きくしてそれら伝達ギアの変形や破損等を招来すると想定される。これは、演出機構の動作不良が生じやすくする要因になるため好ましくない。
この点、本特徴によれば、回転体が第1位置から第2位置へ変位することにより所定の隙間のうち回転体を所定方向に回転させる場合に前記歯部同士が接触する側の隙間が占める割合が減少する(すなわち噛み合っている歯部同士の位置関係に動作方向への偏りを発生する)。これにより、上述した衝撃の発生を抑えて第2駆動手段の保護を図ったり、応答性の低下を抑制したりすることができ、演出機能の担保に貢献できる。
以上の理由から、多様な演出を実現しつつそれに伴って発生し得る、動作不良等のリスクを軽減できる。
なお、「隙間調整手段」については、前記回転体の前記第1位置から前記第2位置への変位に伴って、前記伝達ギアの回転位置を変化させて前記所定の隙間のうち前記回転体を所定方向に回転させる場合に前記歯部同士が接触する側の隙間を減少させる機能に着目すれば、所定の隙間自体を維持しつつ隙間に偏りを発生させる「可変手段」等と称することも可能である。また「隙間調整手段」については「回転体を所定方向に回転させる前に隙間をなくすように調整する手段」であってもよい。
特徴B2.前記隙間調整手段は、前記回転体の前記第1位置から前記第2位置への変位に伴って、前記所定の隙間のうち前記回転体を所定方向に回転させる場合に前記各伝達ギアが回転する方向における隙間が前記所定方向とは反対側に回転させる場合に前記各伝達ギアが回転する方向における隙間よりも小さくなるように調整することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、回転体を所定方向に回転させる場合の各伝達ギアの回転方向(「第1回転方向」ともいう)と、回転体を所定方向とは逆に回転させる場合の各伝達ギアの回転方向(「第2回転方向」ともいう)とで上記隙間の大きさを比較した場合に、第1回転方向に回転することで接触する面同士の隙間が、第2回転方向に回転することで接触する面同士の隙間よりも小さくなる。これにより、回転体を回転させる際に発生する衝撃を好適に軽減し、特徴B1に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴B3.前記隙間調整手段は、前記回転体の前記第1位置から前記第2位置への変位に伴って前記各伝達ギアの何れかを回転させることでそれら各伝達ギアの歯部同士を当接させることにより、前記回転体を所定方向に回転させる場合の駆動力の伝達経路を確保することを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、回転体が第1位置から第2位置(例えば回転演出の実行位置)へ変位することで各伝達ギアの歯部同士が当接して駆動力の伝達経路が確保される。このように歯部間の隙間を詰めることにより歯部同士が勢いよく衝突することを回避することができる。故に、特徴A1に示した衝撃の発生を一層好適に抑えることができる。また、本特徴に示す構成によれば、駆動部の動作に対して回転体の動作が遅れることを抑制し、駆動部に対する回転体の動作の応答性を向上できる。
特徴B4.前記複数の伝達ギアとして第1ギア部材(例えば固定ギア384)及び第2ギア部材(例えば特定可動ギア386)を有し、
前記第1ギア部材は、前記回転体の前記第1位置から前記第2位置への変位に関係なくその位置が変化しないように配設されており、
前記第2ギア部材は、前記回転体の前記第1位置から前記第2位置間への変位に伴って前記第1ギア部材との噛み合いを維持しながら当該第1ギア部材との位置関係が変化する位置に配設されており、
前記隙間調整手段は、前記第2ギア部材と前記第1ギア部材との相対位置の変化に伴って同第2ギア部材が回転することにより、前記所定の隙間において前記回転体を所定方向に回転させる場合に前記歯部同士が接触する側の隙間の占める割合を減少させるものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、第1ギア部材と第2ギア部材との相対位置が変化することで噛み合いのポイント(各歯部の接触箇所)が変化する。このような動きを利用することで、構成の複雑化を抑えつつ、特徴B1に示した隙間の変化(偏り)を生じさせることが可能となる。
特徴B5.前記複数の伝達ギアとして第1ギア部材(例えば固定ギア384)及び第2ギア部材(例えば特定可動ギア386)を有し、
前記第2ギア部材は、前記第1位置から前記第2位置への前記回転体の変位に伴って前記第1ギア部材との噛み合いを維持しながら当該第1ギア部材の外周に沿って移動するように構成されており、
前記隙間調整手段は、前記第2ギア部材が第1ギア部材に沿って移動する際に当該第2ギア部材の中心軸線を中心部として同第2ギア部材が回転することにより、前記所定の隙間において前記回転体を所定方向に回転させる場合に前記歯部同士が接触する側の隙間の占める割合を減少させるものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1ギア部材と第2ギア部材との相対位置が変化することで噛み合いのポイント(各歯部の接触箇所)が変化する。このような動きを利用することで、構成の複雑化を抑えつつ、特徴B1に示した隙間の変化(偏り)を生じさせることが可能となる。
特に、第2ギア部材は、第1位置から第2位置への前記回転体の変位に伴って第1ギア部材との噛み合いを維持しながら当該第1ギア部材の外周に沿って移動する。このため、噛み合いの度合いが緩くなったり強くなったりすることを回避することができ、第2駆動部の動力伝達機能を安定して発揮させることが可能となる。
なお、特徴B4及び特徴B5に示した各構成においては、第1ギア部材が停止した状態(第1駆動部の非駆動状態)にて第2ギア部材が変位する構成とすることにより、第2ギア部材の回転を好適誘発させることできる。
特徴B6.前記演出機構が搭載されたベース体(ベース体251又は取付ホルダ302)を備え、
前記ベース体には、前記回転体を保持する保持部(軸受け部361)が設けられており、
前記保持部は回動可能となるようにして前記ベース体に取り付けられており、当該保持部が回動することにより前記回転体が前記第1位置と前記第2位置とに変位する構成となっており、
前記駆動部は前記ベース体に取り付けられており、
前記第1ギア部材は、その回転中心軸線が前記保持部の回動中心軸線と同一軸線上に位置するようにして配置されており、
前記第2ギア部材は、その回転中心軸線と前記保持部の回動中心軸線とが同一軸線上に位置しないようにして前記保持部に取り付けられていることを特徴とする特徴B4又は特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、保持部が回動することにより回転体が第1位置/第2位置に変位することとなる。ここで、保持部の回動基端部に当該保持部の回動中心軸線と同一軸線上に位置するようにして第1ギア部材を設け、第2ギア部材を保持部の回動中心軸線から離れた位置に設けることで、特徴B4又は特徴B5に示した機能を簡易な構成で発揮させることが可能である。
なお、望ましくは第1ギア部材の外径を第2ギア部材の外周部分が保持部の回動に伴って通過するについて軌道と一致するように構成するとよい。
特徴B7.前記保持部は、長尺状をなし、その回動先端部に前記回転体が配設されており、
前記保持部において当該保持部の回動基端部と前記回転体との間には、前記伝達ギアとして前記第2ギア部材を含む複数のギア部材が当該保持部の長手方向に並べて配置されていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7に示すように、複数のギア部材を保持部の長手方向に沿って並べる構成とすれば、動力の伝達経路を確保しつつ保持部の幅が無駄に大きくなることを抑制でき、演出機構の見栄えの向上に貢献できる。
また、ギア部材の数が多くなればなるほどバックラッシュの総和が大きくなるが、隣り合う各ギア部材間での個々のバックラッシュが過度に大きくなることがない。このため、第1ギア部材と第2ギア部材との位置関係を大きく変化させることなく個々のバックラッシュを詰めることができる。
特徴B8.前記回転体は、当該回転体を前記所定方向に回転させることでその形態が第1形態から第2形態に切り替わり、前記所定方向とは逆方向に回転させることで、その形態が前記第2形態から前記第1形態に復帰するように構成されており、
前記隙間調整手段は、前記回転体の前記第2位置から前記第1位置への変位に伴って各伝達ギアを回転させることにより、前記所定の隙間のうち前記回転体を所定方向とは逆方向に回転させる場合に前記歯部同士が接触する側の隙間の占める割合を減少させることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、第2位置から第1位置に復帰することで、噛み合っている歯部の位置関係が所定の隙間がそれまでとは反対側に偏るように変化する。これにより、回転体を第2形態から第1形態に復帰させる際に第2駆動部を逆回転させたとしても、それにより伝達ギアに大きな衝撃が発生することを回避することができる。
特徴B9.前記回転体は、前記第1位置に配置された状態では遊技機前方から視認不可となるように且つ前記第2位置に配置された状態では遊技機前方から視認可能となるように構成されていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第1位置に復帰して回転体が視認不可となっている状況にて、上記第1形態への復帰させることが可能となる。第2位置にて第2形態となった回転体がその場で第1形態に復帰した場合には演出機構を用いた演出のインパクトが弱くなってしまう。この点、本特徴によれば、第2形態のまま第1位置に復帰させて、第1形態に復帰させることが可能であるため、演出のインパクトが低下することを抑制できる。
特に、特徴B8に示したように、第1位置への復帰により第1形態への切替準備が完了した状態となるため、切替動作も円滑に実施することができる。
なお、以上詳述した特徴B群に特徴A群に示した技術的思想及び後述する特徴C群に示す技術的思想を適用することも可能である。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた入球部への入球を契機として絵柄の変動表示を行う絵柄表示装置を備え、この絵柄表示装置の表示画面にて各種演出を行うことにより、遊技に対する注目度の向上が図られているものがある。また、例えば表示画面の周辺に発光部や可動体等からなる演出用手段を設け、絵柄の変動表示による演出と演出用手段による演出とに所定の対応関係をもたせることにより、更なる注目度の向上を図った遊技機が提案されている(例えば特開2002−78904号公報参照)。ここで、可動式の演出用手段を用いて演出を行うものについては、その動きを多様化(複雑化)することにより当該演出への注目度を好適に向上することが可能である。しかしながら、演出に複雑な動きが伴う構成においては注目度向上効果が期待できる反面、故障等の要因による動作不良発生等のリスクも高くなる。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴C1.第1位置及び第2位置に変位可能な装飾部(中央装飾体305)を有する演出機構(第3可動演出装置275)と当該演出機構が搭載されるベース部(ベース体251)とを備えた遊技機であって、
前記演出機構には、前記ベース部に回動可能に取り付けられ、前記装飾部を支持する第1アーム部(右側アーム部303)及び第2アーム部(左側アーム部304)が設けられており、
前記装飾部は、前記第1アーム部の回動基端部と前記第2アーム部の回動基端部との間に位置するように配置されており、前記第1アーム部及び前記第2アーム部が互いに逆の回転方向に回動することにより前記装飾部を前記第1位置及び前記第2位置へと変位するように構成され、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部は、前記装飾部を前記第1位置及び前記第2位置へと変位させる場合に前記装飾部の支持機能を維持しつつそれら各アーム部の回動先端部同士の距離が変化することを許容されるようにして直接的に又は間接的に繋がっていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、装飾部を挟んだ両側に配置された二つのアーム部によって装飾部を支持することにより、装飾部の支持機能を好適に発揮させることができる。近年では、遊技機の多くが装飾部を片持ちとする構成を採用している。しかしながら、このような構成では重量の嵩む装飾部を用いた演出を繰り返すことで支持機能が低下すると懸念される。この点、本特徴に示す構成によれば、装飾部の重さを二つのアーム部に分散させることができ、重量の嵩みやすい大型や可動式の装飾部の使用を促進できる。
両アーム部が互いに逆側に回動することで、両回動基端部を繋ぐ仮想線と交差する方向へ装飾部を変位させることができる。このような装飾部の動きを実現する場合には両アーム部の距離が変化して互いに干渉等することにより、一方のアーム部が他方のアーム部の動きを妨げる要因になり得る。この点、本特徴においては両アーム部が装飾部の支持機能を維持しつつそれら各アーム部の回動先端部同士の距離が変化することが許容されるようにして直接的に又は間接的に繋がっているため、そのような不都合を生じない。これにより、上述したように装飾部の支持機能の向上を図りつつ、装飾部の変位による演出機能を担保することができる。故に、可動式の演出機構を有する遊技機にて演出機構を用いた演出への注目度の向上を図りつつそれに起因した動作不良等の発生リスクを抑えることが可能となる。
特徴C2.前記第1アーム部及び前記第2アーム部は、それらアーム部の回動基端部が左右に離れるように配置され、前記第1アーム部の回動先端部が前記第2アーム部の回動基端側、前記第2アーム部の回動先端部が前記第1アーム部の回動基端側を向くように構成されており、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部を繋いでいる部分は、前記装飾部が前記第1位置に配置されている状態にて前記第1アーム部及び前記第2アーム部が全体として当該繋ぎ部を中心に前記各アーム部の回動基端部を繋ぐ仮想直線を挟んで一方側に凸となり、前記装飾部が前記第1位置に配置されている状態にて前記第1アーム部及び前記第2アーム部が全体として当該繋ぎ部を中心に前記仮想直線を挟んで他方側に凸となる範囲での両アーム部の回動先端部同士の距離の変化を許容していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、両アーム部の先端部の距離が最も近づく状態を経由して第1位置(上方に凸)及び第2位置(下方に凸)となるように変位する。これにより、第1位置〜第2位置間での移動距離を稼ぐだけでなく、遊技者が目視で装飾部の位置を認識した場合に各位置の差を明確なものとすることができる。
特徴C3.前記第1アーム部及び前記第2アーム部は、それらアーム部の回動基端部が左右に離れるように配置され、前記第1アーム部の回動先端部が前記第2アーム部の回動基端側、前記第2アーム部の回動先端部が前記第1アーム部の回動基端側を向くように構成されており、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部を繋いでいる部分は、前記装飾部が前記第1位置に配置されている状態にて前記第1アーム部及び前記第2アーム部が全体として当該繋ぎ部を中心に上方に凸となり、前記装飾部が前記第1位置に配置されている状態にて前記第1アーム部及び前記第2アーム部が全体として当該繋ぎ部を中心に下方に凸となる範囲での両アーム部の回動先端部同士の距離の変化を許容していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C3によれば、両アーム部の先端部の距離が最も近づく状態を経由して第1位置(上方に凸)及び第2位置(下方に凸)となるように変位する。これにより、第1位置〜第2位置間での移動距離を稼ぐだけでなく、遊技者が目視で装飾部の位置を認識した場合に各位置の差を明確なものとすることができる。
第1位置及び第2位置では両アーム部が略への字状をなす。これにより、各位置に待機している状態にて装飾部の重みを下方から左右へ分散させることが可能となる。これにより、支持部分に対して特定方向(例えば下方)への負荷が大きくのしかかることを抑制できる。例えば、第1位置及び第2位置の何れかにて各アーム部が一直線状となる場合と比較して、支持機能を上手く発揮させることが可能である。
特徴C4.前記繋いでいる部分は、前記装飾部の背後に配置されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C1等に示した構成を実現する上で上記繋いでいる部分(機構部分)が露出することは、演出機構の見栄えを低下させる要因となり得る。そこで、本特徴に示すように、装飾部の背後に当該機構部分を隠すことにより、見栄えの低下を抑えることが可能となる。特に、上述の如く2つのアーム部によって装飾部を支持する構成によれば、大型の装飾部を採用することが可能である。故に、上記機構部分の隠蔽を容易に実現できる。
特徴C5.前記演出機構は、前記第1アーム部を回動させる第1駆動手段(昇降用駆動モータ351)を有し、
前記繋いでいる部分は、前記第1駆動手段からの駆動力に基づく前記第1アーム部の動きに連動して前記第2アーム部を回動させるリンク部(連結部310)であることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C1等に示したように二つのアーム部によって装飾部を支持する構成においては、それら2つのアーム部の動きが同期しないと、装飾部の変位が円滑に行われなくなる可能性がある。仮に、両アーム部に1対1で対応させて2つの駆動手段を設けた場合には、上記同期が上手く実現されなくなる可能性が生じる。一方、第1駆動手段からの駆動力を第1アーム部を経由することなく第2アーム部にも伝える構成とすれば駆動力を伝達するための構成が複雑になる。この点、本特徴に示したように、1の駆動源によって一方のアーム部を駆動させ、両アーム部を繋いでいる部分をリンク構造として、他方のアーム部を連動させる構成とすれば上記各種不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴C6.前記装飾部は、その形態を第1形態及び第2形態に切替可能となっており、
前記演出機構は、前記第2アーム部側に設けられ前記装飾部の形態を切り替える駆動力を出力する駆動部と、前記第2アーム部に設けられ、前記駆動部からの駆動力を前記装飾部に伝達することで同装飾部の形態を切り替える駆動力伝達部とからなる第2駆動手段(回転用駆動モータ401)を有していることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、装飾部を第1位置及び第2位置へ変位させるための構成と、装飾部の形態を変化させるための構成とを各アーム部に分けて配設することにより、多様な動作を実現するために必要となる構成の偏りを抑制することができる。これにより、各アーム部の重量バランスが過度に偏ることを抑えることができ、演出機能の向上と支持機能の担保とを好適に両立させることができる。
特徴C7.絵柄を可変表示する絵柄表示部(図柄表示装置253)と、
前記絵柄表示部の前方に配置され、当該絵柄表示部における絵柄表示領域(例えば表示画面253a)を上方から囲む囲み部(センターフレーム95又は背面ブロック80bの第2可動演出装置274)と
を備え、
前記囲み部の上部は、左右に延びる長尺状をなし、その背後が遊技機前方から視認不可又は視認困難となるように構成されており、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部は、前記装飾部が前記第1位置に配置されている状態にて、前記囲み部の上部の背後に重なるようにして横向きに配置されており、
前記装飾部は、前記両アーム部が下側へ回動することで前記絵柄表示領域に前方から重なる前記第2位置へ変位するように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7によれば、囲み部の存在によって絵柄表示領域を囲むことで、遊技者が絵柄表示領域を把握しにくくなることを抑制できる。ここで、囲み部の上部の背後にアーム部を隠すことで、装飾部を上下に変位させる場合のストロークを担保するための構成が絵柄表示部(絵柄表示領域)を圧迫する要因になることを抑制できる。つまり、装飾部の上下の変位を実現する場合に、単に上下に延びるレール等を用いる場合と比較して、上下方向における演出機構(詳しくはストローク担保にかかる構成)の占有領域を小さくすることができる。故に、演出機構と絵柄表示部とを好適に共存させることができる。
なお、以上詳述した特徴C群に特徴A群及び特徴B群に示した技術的思想を適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、80…遊技盤ユニット、80a…遊技盤、80b…背面ブロック、140…報知・演出制御装置、251…ベース体、252…可変表示ユニット、253…図柄表示装置、253a…表示画面、274…囲み部としての第2可動演出装置、301,302…取付ホルダ、303…第1アーム部としての右側アーム部、304…第2アーム部としての左側アーム部、305…回転体を構成する装飾体、310…繋ぎ部としての連結部、311…保持部としての軸受け部、331…リンク溝、351…昇降用駆動モータ、361…軸受け部、381…係合ピン、383…伝達ギア、384…固定ギア、385…可動ギア、386…特定可動ギア、391…歯部、392…第1接触面、393…第2接触面、395…歯部、396…第1接触面、397…第2接触面、401…回動用駆動モータ、422…回転体、431…表側ギア部材、432…収容溝、433…案内部を構成する表側スリット、441…裏側ギア部材、442…案内部を構成する裏側スリット、451…スライダ、453,454…係合部を構成する係合ピン、461,462…装飾部材、471…抵抗ギア、PE…遊技領域、S…隙間。

Claims (9)

  1. 遊技状況に応じて所定の動作を行うことにより演出を行う演出機構と、前記演出機構を動作させる演出用駆動部とを有する演出手段を備え、
    前記演出機構は、前記演出用駆動部からの駆動力に基づいて回転する第1回転体と、前記第1回転体と同軸となるように配置され当該第1回転体が回転した場合に同第1回転体との間に回転差が生じるようにして回転可能に設けられた第2回転体と、前記第1回転体及び前記第2回転体の間に回転差が生じた場合にその回転差に応じて変位する可動体とを有してなり、前記両回転体の少なくとも一方の回転による回転演出を実行し、前記可動体の変位に基づく特定演出を実行するように構成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記第1回転体及び前記第2回転体は相互に接触するように重ねて配置されており、前記第2回転体は前記第1回転体との間に生じる摩擦によって回転可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記第2回転体の回転を妨げる抵抗を発生させて前記第2回転体の回転を前記第1回転体の回転に対して遅らせることにより、前記回転差を生じさせる遅延手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記可動体は、前記第1回転体及び前記第2回転体の回転に追従しそれら両回転体の回転中心部を中心として回転するように構成されており、前記両回転体の回転差が生じることに伴い前記回転中心部から遠ざかる側へ変位することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記第1回転体及び前記第2回転体には、前記可動体を案内する案内部が設けられており、
    前記案内部は、
    前記第1回転体及び前記第2回転体のうち一方に設けられ、それら両回転体の放射方向に延びている第1案内部と、
    前記第1回転体及び前記第2回転体のうち他方に設けられ、それら両回転体の放射方向と交差する方向に延びており、一端部が回転体の中心部寄り、他端部が回転体の外周部寄りとなるように形成された第2案内部と
    により構成されており、
    前記可動体は、
    前記第1案内部に係合し、その係合状態を維持したまま当該第1案内部に沿って移動可能な第1係合部と、
    前記第2案内部に係合し、その係合状態を維持したまま当該第2案内部に沿って移動可能な第2係合部と
    を有し、
    前記第1回転体及び前記第2回転体の回転差により前記第1案内部と前記第2案内部との位相差が生じ、当該位相差の発生により前記各係合部が前記各案内部により外周部側へ押されることにより前記可動体が前記回転体の回動中心部から遠ざかる側へと案内されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の遊技機。
  6. 前記第2案内部において前記外周部側となる前記他端部は、当該外周部に沿うように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
  7. 前記可動体は、前記第1回転体又は前記第2回転体の外周に沿って等間隔となるようにして複数配設されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の遊技機。
  8. 回転終了時に前記第1回転体に生じている慣性力が前記第2回転体に生じている慣性力よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の遊技機。
  9. 前記演出用駆動部は正逆両方向に回転可能に構成されており、
    前記演出手段は、前記回転演出を実行する場合に前記演出用駆動部が正回転するように駆動制御し、前記回転演出終了後に前記演出用駆動部を逆回転するように駆動制御する駆動制御手段を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の遊技機。
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