JP2008281133A - 走行車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の油圧クラッチ(D、・・・)の各油圧クラッチ毎にエンジン出力軸1から該当する油圧クラッチのクラッチ軸までの減速比と該油圧クラッチの回転数をエンジン出力軸1の回転数センサ122の検出値に基づき推測し、油圧クラッチ毎に該油圧クラッチの回転により発生する遠心力の影響によるクラッチピストンの推力を補正し、該補正値に基づき油圧クラッチ毎の作動油の油圧圧力を補正して油圧クラッチ毎の非接続状態から接続状態までの前記油圧圧力を変更する油圧制御装置100を備えた走行車両である。
【選択図】図4
Description
請求項1記載の発明は、エンジン(62)と、該エンジン(62)の出力軸(1)の回転数を検出する回転数センサ(122)と、該エンジン(62)の動力を入力軸(2)より入力して非接続状態から接続状態まで、供給又は排出する作動油の油圧に応じて連続的に接続状態を変化させるクラッチピストン(78、・・・)を備えた一以上の油圧クラッチ(D、・・・)と、該油圧クラッチ(D、・・・)で得た動力で作動する動力伝達機構(A〜Cなど)と、該油圧クラッチ(D、・・・)に供給又は排出する作動油の油圧圧力を操作量により調整するクラッチ操作手段(115,119,121)と、油圧クラッチ毎に油圧クラッチの回転数をエンジン出力軸(1)から該当する油圧クラッチのクラッチ軸までの減速比で計算できる回転数に基づき推測し、油圧クラッチ毎にエンジン回転数に応じて油圧クラッチの回転により発生する遠心力の影響によるクラッチピストンの推力を補正し、該補正値に基づき油圧クラッチ毎の作動油の油圧圧力を補正して油圧クラッチ毎の非接続状態から接続状態までの前記油圧圧力をクラッチ操作手段(115,119,121)の操作量に応じて変更する油圧制御装置(100)とを備えた走行車両である。
ここで、本明細書において左右の走行車軸とは、作業車両の進行方向を向いて左右方向の走行車軸をいう。
図1にはトラクタを走行車両の一例であるトラクタの左側面図、図2は、図1のトラクタのトランスミッション内の動力伝動図、図3は図2の動力伝動図の油圧回路図、図4は図1の変速装置の前後進動力入切用の油圧クラッチシリンダの構成図、図5は図4の変速装置の前後進動力入切用の油圧クラッチの制御ブロック図、図6はペダル踏込み位置と前記前後進動力入切用の油圧クラッチの作動圧力の関係を示す図、図7は前記油圧クラッチの作動時の遠心力による補正値αとエンジン回転数の関係を示す図である。
乗用四輪駆動の走行形態を有するトラクタ車体Tは、ステアリングハンドル73で前輪61を操向しながら走行運転する。車体Tの後部にはロータリ耕耘装置84等の作業機を昇降可能に装着して対地作業を行うことができる。この車体Tは、前端部にフロントアクスルハウジングに支架させるエンジンブラケットを介してエンジン62を搭載し、このエンジン62の後側にクラッチハウジングや、ミッションケース65等を一体的に連結し、このミッションケース65の最後部にリヤアクスルハウジング75を設けて、左右両側部に後輪63を軸装する。
エンジン62は後側に突出のエンジン軸1を有し、このエンジン軸1をクラッチハウジング部の入力軸2に連結する。ミッションケース65内の伝動機構を介して後端部の出力軸3及びPTO軸14を連動すると共に、ミッションケース65の下部に設けた前輪出力軸5を連動する構成としている。この出力軸3はミッションケース65内の後部の略中央部において前後方向に沿うように軸受されて後端にドライブピニオンギヤ53を有し、リヤデフ45のデフリングギヤ46に噛合し、リヤアクスルハウジングに沿って軸装されたリヤデフ軸10と後輪軸11を遊星減速機構を介して連動する。また、前輪出力軸5はミッションケース65の下部からエンジン62の下部を経て、フロントアクスルハウジングの中央部に設けられるフロントデフ47の入力軸26に連結され、このフロントアクスルハウジングに沿って軸装されるフロントデフ軸12及び遊星減速機構等を介して前輪軸13へ連動する構成としている。なお、入力軸2から油圧ポンプ80(図3)への動力取り出し用のギヤ駆動軸15,17が入力軸2に並列配置されている。
本実施例の走行動力伝達系では、PTO正逆切替ギヤ37機構を備えたPTO連動軸4を回転する伝動形態である正逆転PTOを設けている。
図3の油圧回路図では左右の後輪63を独立して制動する左右のブレーキシリンダ83、前輪61へ伝達する動力を「等速」もしくは「増速」に切り換える四駆切換クラッチシリンダ99、ステアリングハンドル73の回転操作により作動するパワーステアリング装置103、PTOクラッチシリンダ104、PTOクラッチ圧力コントロール用バルブ105,106などが設けられている。なお、一点鎖線部分の回路101はメイン油圧回路(作業機昇降・作業機水平や外部油圧取出しなど)となり、サブ回路(走行・ブレーキ・デフロック・PTO側回路)とあまり関係がないため、回路図の図示を省略している。
また、減圧弁81bを経由する作動油は、デフロック制御弁97を経てフロントデフ47用の前輪デフロックシリンダ98a及びリアデフ45用の後輪デフロックシリンダ98bに分岐される。
同様に、減圧弁81bを経由する作動油は、PTO用バルブ105,106を介してPTOクラッチシリンダ104に供給され、PTOクラッチの圧力を調整する。
また図3に示す油圧ポンプ80からの油圧は、パワステアリングハンドル73の操作で作動されるオービットロール107に作動油を供給する構成である。
シリンダ85の前後一対のシリンダ85F、85R内には流入する作動油(オイル)によりそれぞれ作動するピストン78F、78Rと該ピストン78F、78Rの作動で互いに接触する複数組の摩擦板からなる前後進切替クラッチパック60、60がそれぞれ設けられている。
まず、クラッチシリンダ85F又は85R内のオイルが、前進側クラッチパック60又は後進側クラッチパック60と完全に一体となって回転している場合の入力軸2の径方向の圧力Pは、下記の式で表される(強制渦の式)。そして圧力Pの入力軸2の径方向の分布は図6に示す通りであり、半径方向外側ほど圧力Pの値が大きくなっている。
ここで、P0:軸心圧力(Pa)、ρ:密度(kg/m3 )、r:軸心からの距離(m)、ω:クラッチ角速度(rad/s)である。
従って、ピストン78F又は78Rの推力は(1)式を半径方向に面積分することで次式(2)、(3)得られる。
φ2:ピストン外径(m)である。
式(3)より、前記油圧バルブによる圧力がゼロであっても、前進側クラッチパック60又は後進側のクラッチパック60が回転していれば、推力は発生しているため、リターンスプリング77F又は77Rのセット荷重は遠心力による推力より大きくなくてはならない。また、この推力は圧力センサでは測定できないが、入力軸2の回転数により決まるため、エンジン回転数(図5に示すエンジン回転数センサ112で検出する)より推測して、それに応じた制御を行うことが可能となる。
F’=(1/64)×ρπω2(φ24−φ14) (4)
P’=F’/A=(1/16)×ρω2(φ22+φ1 2) (5)
ここで、F’はシリンダ85F又は85R内のオイルの遠心力による推力(kgf)、P’はピストン78F又は78Rの推力の圧力換算(kgf/cm2)である。
P’=6.99×10-15×ρ×f2×(φ2 2+φ1 2) (7)
車両を動かす場合、車両の路面との摩擦により車両の挙動は異なる。人がショックと感じる加速度を与えずにコントロールすることでスムーズな発進・変速ができる。またPTO軸などにおいても、同様に回転力を与えることでスムーズに作業ができる。
3 出力軸 4 PTO連動軸
5 前輪出力軸 6 走行カウンタ軸
7 前輪駆動軸 8 バックカウンタ軸
9 PTOカウンタ軸 10 リヤデフ軸
11 後輪軸 12 フロントデフ軸
13 前輪軸 14 PTO軸
15,17 ギヤ駆動軸 18 PTO変速軸
19 主変速軸 20 副変速軸
21 クリープカウンタ軸 22 PTO正逆切替軸
23 PTO減速軸 24 PTO逆回転軸
25 前輪連動軸 26 入力軸
27 副変速カウンタ軸 28 前輪連動軸
31 入力ギヤ 32 PTO変速ギヤ
33 主変速ギヤ 34 高低速切替ギヤ
35 副変速ギヤ 36 前輪取出ギヤ
37 PTO正逆切替ギヤ 38 副変速カウンタギヤ
39 主変速カウンタギヤ 40 高低速切替ギヤ
41 前輪駆動切換ギヤ 42 前後進切替ギヤ
43 バックカウンタギヤ 44 PTO変速カウンタギヤ
45 リヤデフ 46 デフリングギヤ
47 フロントデフ 48 入力ギヤ
49 クリープカウンタギヤ 50 PTO減速ギヤ
51 前輪連動ギヤ 52 PTO逆回転ギヤ
53 ドライブピニオンギヤ 54 前輪連動ギヤ
55 前輪ギヤ 56 切替駆動カウンタギヤ
59 カウンタ軸 60 前後進切替クラッチパック
61 前輪 62 エンジン
63 後輪 65 ミッションケース
66 PTOクラッチパック 67 前輪駆動クラッチパック
73 ステアリングハンドル 75 リヤアクスルハウジング
76 クラッチパック 77F、77R リターンスプリング
78F、78R ピストン 80 油圧ポンプ
81a,81b 減圧弁 82a ブレーキバルブ
82b 圧力制御弁 83 ブレーキシリンダ
84 作業機 85 前後進クラッチシリンダ
86 切替弁 89 変速制御弁
87,88,91,92 油圧クラッチシリンダ
93 変速制御弁 94 切替制御弁
95 ハイ・ロー油圧クラッチシリンダ
96a,96b 制御弁 97 デフロック制御弁
98a 前輪デフロックシリンダ 98b 後輪デフロックシリンダ
99 四駆切替クラッチシリンダ 100 制御装置
101 メイン油圧回路 103 パワーステアリング装置
104 PTOクラッチシリンダ
105,106 PTOクラッチ圧力コントロール用バルブ
107 オービットロール 110 前進側クラッチ圧力センサ
111 後進側クラッチ圧力センサ 112 エンジン回転数センサ
115 前後進切替レバー 119 クラッチペダル
120 クラッチペダルセンサ 121 クラッチペダルスイッチ
122〜125 車速(回転)センサ
129 オン・オフ制御弁 A 主変速装置
B ハイ・ロー変速装置 C 副変速装置
D 前後進クラッチ T トラクタ車体
Claims (3)
- エンジン(62)と、
該エンジン(62)の出力軸(1)の回転数を検出する回転数センサ(122)と、
該エンジン(62)の動力を入力軸(2)より入力して非接続状態から接続状態まで、供給又は排出する作動油の油圧に応じて連続的に接続状態を変化させるクラッチピストン(78、・・・)を備えた一以上の油圧クラッチ(D、・・・)と、
該油圧クラッチ(D、・・・)で得た動力で作動する動力伝達機構(A〜Cなど)と、
該油圧クラッチ(D、・・・)に供給又は排出する作動油の油圧圧力を操作量により調整するクラッチ操作手段(115,119,121)と、
油圧クラッチ毎に油圧クラッチの回転数をエンジン出力軸(1)から該当する油圧クラッチのクラッチ軸までの減速比で計算できる回転数に基づき推測し、油圧クラッチ毎にエンジン回転数に応じて該当する油圧クラッチの回転により発生する遠心力の影響によるクラッチピストンの推力を補正し、該補正値に基づき油圧クラッチ毎の作動油の油圧圧力を補正して油圧クラッチ毎の非接続状態から接続状態までの前記油圧圧力をクラッチ操作手段(115,119,121)の操作量に応じて変更する油圧制御装置(100)と
を備えたことを特徴とする走行車両。 - 請求項1の走行車両のエンジン(62)の出力軸(1)の回転数を検出する回転数センサ(122)の代わりに車両の走行速度を検出する後輪軸(11)の回転数センサ(123)を用いることを特徴とする走行車両。
- 請求項1の走行車両のエンジン(62)の出力軸(1)の回転数を検出する回転数センサ(122)の代わりにPTO軸(14)の回転数センサ(124)を用いることを特徴とする走行車両。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2007-05-11 JP JP2007126775A patent/JP2008281133A/ja active Pending
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