JP2002295531A - インチング用油圧クラッチの制御装置 - Google Patents

インチング用油圧クラッチの制御装置

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JP2002295531A JP2001100444A JP2001100444A JP2002295531A JP 2002295531 A JP2002295531 A JP 2002295531A JP 2001100444 A JP2001100444 A JP 2001100444A JP 2001100444 A JP2001100444 A JP 2001100444A JP 2002295531 A JP2002295531 A JP 2002295531A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建設機械でインチングを行う場合に、ペダルを
大きく踏み込んでいる領域ではオペレータの意図したと
おりの小さい牽引力Tを発生できるようにし、クラッチ
回転数Nの大きさ如何にかかわらずインチングフィーリ
ングを一定にして、インチング操作を容易に行えるよう
にし、作業の効率を向上させる。 【解決手段】クラッチ回転数Nが大きいほど、小さくな
る指令油圧Pが予め設定される。回転数検出手段17で
は回転数Nが検出される。そこで回転数検出手段17で
検出された回転数Nが大きくなり遠心油圧PCが大きく
なるほど、インチング用油圧クラッチ12に供給される
圧油の圧力Pが小さくなるように、供給圧油の圧力Pが
補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はモータグレーダ等の
建設機械車両でインチング作業を行う場合に使用される
インチング用油圧クラッチの制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】建設機械ではインチングによって作業が
行われる。インチングとは、インチングクラッチと呼ば
れる油圧クラッチを半クラッチ状態にしてエンジンから
駆動輪へ動力を伝達し、車両を微速走行させるという操
作方法である。
【0003】インチングクラッチは、ペダルの踏み込み
操作に応じて、インチングクラッチに作用する油圧が漸
減して係合状態から半クラッチ状態を経て解放状態とさ
れ、ペダルの踏み戻し操作に応じて、インチングクラッ
チに作用する油圧が漸増して解放状態から半クラッチ係
合を経て元の係合状態とされる。
【0004】具体的には、ペダルを踏み込んでペダル操
作量θを大きくするほど、インチングクラッチに与えら
れる指令油圧Pが減少する。指令油圧Pが減少すると、
インチングクラッチのピストン作動圧油室内の実際の油
圧P′が減少し、クラッチ作動ピストンに作用する圧力
が減少し、クラッチ摩擦板に作用する圧力が減少する。
するとインチングクラッチの係合力が減少するため、半
クラッチ状態になる。こうして車両が微速走行する。ペ
ダル操作量θをストロークエンドにすると、インチング
クラッチのクラッチ摩擦板が解放される。
【0005】またペダルを戻してペダル操作量θを小さ
くするほど、インチングクラッチに与えられる指令油圧
Pが増加する。指令油圧Pが増加するとインチングクラ
ッチのピストン作動圧油室内の実際の油圧P′が増加
し、クラッチ作動ピストンに作用する圧力が増加し、ク
ラッチ摩擦板に作用する圧力が増加して、インチングク
ラッチのクラッチ摩擦板が係合される。
【0006】本明細書では、インチングクラッチに与え
られる指令油圧をPとし、インチングクラッチのピスト
ン作動圧油室内の実際の油圧をP′であるとして説明す
る。
【0007】従来はインチングクラッチには、主に固定
クラッチが使用されている。固定クラッチとは、固定さ
れたケース内にピストン作動圧油室とクラッチ作動ピス
トンとが設けられた油圧クラッチのことである。
【0008】図5はペダル操作量θと、固定クラッチの
実油圧P′、指令油圧Pとの関係を示している。
【0009】図5に示すように、固定クラッチでは指令
油圧Pが実油圧P′にほぼ一致する。このためペダル操
作量θに応じた実油圧P′が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ここで回転クラッチ
を、インチングクラッチとして使用すると以下のような
問題が生じる。回転クラッチとは、回転ハウジング内に
一方のクラッチ摩擦板とピストン作動圧油室とクラッチ
作動ピストンとが設けられ、回転ハウジングの回転と共
に一方のクラッチ摩擦板とピストン作動圧油室とクラッ
チ作動ピストンとが共に回転する油圧クラッチのことで
ある。つまり一方の回転板(クラッチ摩擦板)側にピス
トン作動圧油室が設けられている。
【0011】回転クラッチのピストン作動圧油室及びク
ラッチ作動ピストンは、一方のクラッチ摩擦板を備えた
回転ハウジングと共に回転する。つまり一方の回転板
(クラッチ摩擦板)と共にピストン作動圧油室が回転す
る。
【0012】するとピストン作動圧油室内の圧油には遠
心力が作用し、クラッチ摩擦板を係合する方向への力が
遠心力の大きさに応じて、クラッチ作動ピストンに付加
される。この付加される圧力のことを遠心油圧PCとい
う。
【0013】図6(a)はペダル操作量θと、回転クラ
ッチの実油圧P′、指令油圧Pとの関係を示している。
図6(b)は指令油圧Pを一定とした場合のクラッチ回
転数Nと牽引力Tとの関係を示している。なおクラッチ
回転数Nは、エンジン回転数、車速などにより定まる。
【0014】図6(a)に示すように、回転クラッチで
は遠心油圧PCの影響により実油圧P′が指令油圧Pよ
りも大きくなる。θ1をしきい値とすると、ペダル操作
量θがθ<θ1の領域では、指令油圧Pが大きく、実油
圧P′のうちで遠心油圧PCが占める割合が小さい。ペ
ダル操作量θがθ<θ1の場合は、遠心油圧PCの付加に
より実油圧P′が大きくなり牽引力が大きくなり車速S
が速くなるものの、指令油圧Pが大きく微妙なインチン
グ走行が必要となる領域ではない。したがってペダル操
作量θがθ<θ1の領域では、遠心油圧PCの付加による
牽引力の増加が、インチング走行に与える影響は小さ
い。
【0015】一方ペダル操作量θがθ1≦θの範囲で
は、指令油圧Pが小さく、実油圧P′のうちで遠心油圧
PCが占める割合が大きい。実油圧P′のうちで遠心油
圧PCが占める割合が大きいことは、オペレータがペダ
ル操作量θで意図している以上の牽引力Tが発生してい
ることを意味する。ペダル操作量θがθ1≦θの場合
は、指令油圧Pが小さく微妙なインチング走行が必要と
される。遠心油圧PCの付加により実油圧P′が大きく
なり、オペレータがペダル操作量θで意図している以上
の牽引力Tが発生するため、オペレータが意図するイン
チング走行速度にならない。このようにペダル操作量θ
がθ1≦θの領域では、遠心油圧PCの付加による牽引力
の増加がインチング走行に与える影響は大きい。
【0016】図6(b)に示すように指令油圧Pを一定
とすればクラッチ回転数Nが大きくなるに伴い、牽引力
Tは大きくなる。
【0017】このようにペダル操作量θが大きい領域
(θ1≦θ)の場合には、オペレータがペダル操作量θ
で意図している以上の牽引力Tが発生することになり、
クラッチ回転数Nが大きくなるにつれてその牽引力Tは
大きくなる。
【0018】このためペダルを大きく踏み込んでいる領
域ではオペレータの意図しない大きな牽引力Tが発生
し、オペレータに違和感を与えたり、クラッチ回転数に
よってインチングフィーリングが変わってしまうという
感覚をオペレータに与えるという不都合があった。この
ような操作上の違和感は、インチング操作に悪影響を与
え、オペレータに無理な操作を強いたり、予期しない誤
操作を招き作業効率を損なうことになっていた。
【0019】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、建設機械でインチングを行う場合に、ペダル
を大きく踏み込んでいる領域ではオペレータの意図した
とおりの小さい牽引力Tを発生できるようにし、クラッ
チ回転数Nの大きさ如何にかかわらずインチングフィー
リングを一定にして、インチング操作を容易に行えるよ
うにし、作業の効率を向上させることを解決課題とする
ものである。
【0020】
【課題を解決するための手段および作用、効果】そこで
第1発明は、エンジンと駆動輪との間に介在され、両回
転板のうち一方の回転板と共に圧油室が回転し、両回転
板が係合することにより前記エンジンの駆動力を前記駆
動輪に伝達させるインチング用油圧クラッチと、前記イ
ンチング用油圧クラッチの圧油室に、操作量に応じた圧
力の圧油を供給することにより、前記インチング用油圧
クラッチを係合または解放させる操作手段とを備えたイ
ンチング用油圧クラッチの制御装置において、前記イン
チング用油圧クラッチの両回転板のうち前記圧油室と共
に回転する前記一方の回転板の回転数を検出する回転数
検出手段と、前記回転数検出手段で検出された回転数が
大きくなるほど、前記インチング用油圧クラッチに供給
される圧油の圧力が小さくなるように、供給圧油の圧力
を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】第1発明を図1、図2、図3を用いて説明
する。
【0022】図2に示すように、インチング作業に用い
られる回転クラッチ12の回転ハウジング34内にはク
ラッチプレート12b、クラッチ作動ピストン36、ク
ラッチ作動圧油室37が設けられており、これらは共に
回転する。回転クラッチ12のクラッチプレート12b
の回転に伴い、クラッチ作動圧油室37内に供給される
圧油の圧力には、遠心油圧PCが付加される。
【0023】図3に示すように、回転数Nが大きいほ
ど、小さくなる指令油圧Pが予め設定される。
【0024】回転数検出手段17では回転数Nが検出さ
れる。そこで回転数検出手段17で検出された回転数N
が大きくなり遠心油圧PCが大きくなるほど、回転クラ
ッチ12に供給される圧油の圧力Pが小さくなるよう
に、供給圧油の圧力Pが補正される。
【0025】第1の発明によれば、回転数Nが大きくな
り遠心油圧PCが大きくなるほど、油圧クラッチ12に
供給される圧油の圧力Pが小さくなるように、供給圧油
の圧力Pを補正するようにしているので、ペダルを大き
く踏み込んでいる領域(θ1≦θ)であってもオペレー
タの意図したとおりの小さい牽引力Tを発生でき、クラ
ッチ回転数Nの大きさ如何にかかわらずインチングフィ
ーリングを一定にすることができる。このためインチン
グ操作を容易に行うことができ、作業効率が向上する。
【0026】また第2発明は、第1発明において、前記
インチング用油圧クラッチに対する供給圧油の圧力が低
くなる一定の操作領域で、前記操作手段が操作されてい
る場合に、前記補正手段によって供給圧油の圧力を補正
することを特徴とする。
【0027】第2発明を図1、図2、図3を用いて説明
する。
【0028】図3に示すように、回転クラッチ12に対
する供給圧油の圧力Pが低くなる(P≦PS)一定の操
作領域(θ1≦θ)で操作手段20が操作されている場
合に、回転数検出手段17で検出された回転数Nが大き
くなり遠心油圧PCが大きくなるほど、油圧クラッチ1
2に供給される圧油の圧力Pが小さくなるように、供給
圧油の圧力Pが補正される。
【0029】第2の発明によれば、遠心油圧PCがイン
チング走行に与える影響が大きい操作領域(θ1≦θ)
で、供給圧油の圧力Pが補正されるので、オペレータの
意図したとおりの小さな牽引力Tを発生でき、クラッチ
回転数Nの大きさ如何にかかわらずインチングフィーリ
ングを一定にすることができる。このためインチング操
作を容易に行うことができ、作業効率が向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る油圧クラッチの
制御装置の実施の形態について図面を参照して説明す
る。
【0031】図1はインチングを行う作業車両に搭載さ
れた動力伝達装置を示す図である。
【0032】同図1に示すようにエンジン11と駆動輪
15との間にはトルクコンバータ23、シャフト26、
インチングクラッチ12、シャフト27、ギヤトレイン
13、シャフト28、ディファレンシャル14が順に設
けられている。
【0033】トルクコンバータ23には、エンジン11
の出力軸と回転クラッチ12の入力シャフト26とを直
結にするロックアップクラッチ24が設けられている。
【0034】インチングクラッチ12は、圧油に応じて
係合または解放する油圧クラッチであり、クラッチ摩擦
板としてのクラッチディスク12aとクラッチプレート
12bとからなる。インチングクラッチ12は、回転ク
ラッチであり、図2で後述するように回転ハウジング3
4内に一方のクラッチ摩擦板12bとピストン作動圧油
室37とクラッチ作動ピストン36とが設けられ、回転
ハウジング34の回転と共に一方のクラッチ摩擦板12
bとピストン作動圧油室37とクラッチ作動ピストン3
6とが共に回転する。つまり一方の回転板12b(クラ
ッチ摩擦板12b)側にピストン作動圧油室37が設け
られている。
【0035】回転クラッチ12のピストン作動圧油室3
7及びクラッチ作動ピストン36は、一方のクラッチ摩
擦板12bを備えた回転ハウジング34と共に回転す
る。つまり一方の回転板12b(クラッチ摩擦板12
b)と共にピストン作動圧油室37が回転する。
【0036】ギヤトレイン13内には複数の変速クラッ
チが設けられている。
【0037】L/Cスイッチ26は、エンジン11から
回転クラッチ12への動力をトルクコンバータ23又は
ロックアップクラッチ24の何れを介して伝達するかを
選択するスイッチである。L/Cスイッチ26によって
「T/C」が選択されると、圧力制御弁25から圧油が
タンクに排出され、ロックアップクラッチ24のクラッ
チ摩擦板が解放される。このためエンジン11の動力は
トルクコンバータ23を介して回転クラッチ12へ伝達
される。またL/Cスイッチ26によって「L/C」が
選択されると、コントローラ19、圧力制御弁25を介
して制御圧油がロックアップクラッチ24に出力され、
ロックアップクラッチ24のクラッチ摩擦板が係合され
る。このためエンジン11の動力はロックアップクラッ
チ24を介して回転クラッチ12へ伝達される。
【0038】回転クラッチ12の出力側にはシャフト2
7の回転数Nを検出する回転センサ17が設けられてい
る。シャフト27の回転数Nを検出することによりクラ
ッチプレート12bの回転数Nつまりピストン作動圧油
室37(図2参照)の回転数N(これをクラッチ回転数
Nという)が検出される。
【0039】しかしピストン作動圧油室37がエンジン
11側(入力側)にある場合は、回転クラッチ12の入
力側のシャフト26の回転数を検出する回転センサ16
を設けてもよい。シャフト26の回転数を検出すること
によりクラッチディスク12aの回転数つまりピストン
作動圧油室37の回転数N(クラッチ回転数N)を検出
することができる。
【0040】またギヤトレイン13の出力側にシャフト
28の回転数を検出する回転センサ18を設けてもよ
い。シャフト28の回転数を検出することによりクラッ
チ回転数Nを検出することができる。
【0041】回転センサ17あるいは16あるいは18
の検出信号はコントローラ19に入力される。
【0042】クラッチディスク12aとクラッチプレー
ト12bとの係合操作および解放(係合解除)操作はイ
ンチングペダル20によって行われる。インチングペダ
ル20の基準位置からの操作量θは、ポテンショメータ
21で検出され検出信号がコントローラ19に入力され
る。インチングペダル20が戻されており(基準位置に
あり)操作量θが零のときには、回転クラッチ12は係
合している。インチングペダル20が踏み込まれており
操作量θが最大のときには、回転クラッチ12は解放し
ている。
【0043】コントローラ19は、回転センサ17で検
出されたクラッチ回転数Nとポテンショメータ21で検
出された操作量θとに基づいて、圧力制御弁22に対し
て指令信号を出力する。圧力制御弁22は入力された指
令信号に応じた指令油圧Pを生成し、回転クラッチ12
に出力する。
【0044】図2は回転クラッチの断面を示す図であ
る。
【0045】回転クラッチ12は、大きくは各々別体の
シャフト31と回転ハウジング34とからなる。回転ハ
ウジング34の中心にはシャフト31が挿通されてお
り、回転ハウジング34はシャフト31に対して回転自
在となっている。
【0046】シャフト31の外周側には、軸方向スプラ
イン歯32により複数のクラッチディスク12aが固定
されている。回転ハウジング34のドラム内周側には、
軸方向スプライン歯33により複数のクラッチプレート
12bが固定されている。複数のクラッチディスク12
aと複数のクラッチプレート12bとは互いに交互に配
置されている。回転ハウジング34には、ピストン作動
圧油室37が設けられている。ピストン作動圧油室37
内には、供給圧油に応じて作動するクラッチ作動ピスト
ン36が摺動自在に収容されている。クラッチ作動ピス
トン36はクラッチプレート12bに当接している。ピ
ストン作動圧油室37内の圧油の実油圧P′によってク
ラッチ作動ピストン36が作動し、クラッチプレート1
2bに押圧力が作用する。
【0047】回転ハウジング34にはギヤ38が固定さ
れている。
【0048】圧力制御弁22からピストン作動圧油室3
7に指令油圧Pの圧油が供給されると、ピストン作動圧
油室37内で実油圧P′が発生し、この実油圧P′によ
ってクラッチ作動ピストン36を介してクラッチプレー
ト12bに押圧力が作用する。これにより複数のクラッ
チプレート12bと複数のクラッチディスク12aとが
互いに係合する。こうしてクラッチディスク12aとク
ラッチプレート12bとの間で動力の伝達が可能にな
る。したがってシャフト31とクラッチディスク12
a、クラッチプレート12bと回転ハウジング34とが
共に回転して、回転ハウジング34に設けられたギヤ3
8からシャフト27へ動力が出力される。
【0049】図3はインチングペダル20の操作量θ
と、指令油圧Pとの関係をクラッチプレート12bの回
転数の大きさ毎に示している。図3の関係はコントロー
ラ19に予め設定されている。
【0050】コントローラ19には、指令油圧Pが低圧
領域(P≦PS)にある場合、つまりインチングペダル
20が最大操作領域θ1≦θで操作されている場合に、
クラッチ回転数Nが高くなるほど、指令油圧Pが小さく
なる特性43、41、42が予め設定されている。
【0051】インチングペダル20が最大操作領域θ1
≦θで操作されている場合に、図6(a)に示す従来の
特性40′に対して補正した特性43、41、42を設
定しているのは、ペダル操作量θが大きくなるほど、指
令油圧Pが小さくなり、実油圧P′のうちで遠心油圧P
Cが占める割合が大きくなるからである。
【0052】またクラッチ回転数Nが大きくなるほど指
令油圧Pが小さくなるように補正しているのは、クラッ
チ回転数Nが大きくなるほど、遠心油圧PCが大きくな
るからである。
【0053】コントローラ19には、クラッチ回転数N
の各回転数領域つまり低回転領域、中回転領域、高回転
領域ごとに、特性43、特性41、特性42がそれぞれ
設定されている。コントローラ19は、回転センサ17
で検出した回転数Nが0≦N<N1である場合に「低回
転領域」であると判定し、N1≦N<N2の場合である場
合に「中回転領域」であると判定し、N2≦Nの場合に
「高回転領域」であると判定する。
【0054】以下指令油圧Pが低圧領域(P≦PS)に
ある場合、つまりインチングペダル20が最大操作領域
θ1≦θで操作されている場合であって、操作量が最大
操作領域θ1≦θ中のθ3である場合を例にとり説明す
る。
【0055】クラッチ回転数Nが低回転領域にある場合
の遠心油圧は小さく、このときの遠心油圧をPCLとす
る。この場合は一点鎖線で示す特性43にしたがい指令
油圧Pが補正される。つまり操作量θ3に対応する指令
油圧PはPLとなる。
【0056】クラッチ回転数Nが中回転領域にある場合
の遠心油圧は低回転領域のときの遠心油圧PCLよりも大
きくこのときの遠心油圧をPCMとする。この場合は実線
で示す特性41にしたがい指令油圧Pが補正される。つ
まり操作量θ3に対応する指令油圧Pは、低回転領域PL
よりも小さい指令油圧PMとなる。
【0057】クラッチ回転数Nが高回転領域にある場合
の遠心油圧は中回転領域のときの遠心油圧PCMよりも大
きくこのときの遠心油圧をPCHとする。この場合は破線
で示す特性42にしたがい指令油圧Pが補正される。つ
まり操作量θ3に対応する指令油圧Pは、中回転領域PM
よりも小さい指令油圧PHとなる。
【0058】定量的には、遠心油圧PCL、PCM、PCH、
指令油圧PL、PM、PHとの間には、 PL+PCL≒PM+PCM≒PH+PCH という関係が成立するように指令油圧Pが補正される。
つまり遠心油圧PCL、PCM、PCHの大きさ如何にかかわ
らず、回転クラッチ12のピストン作動圧油室37内の
実油圧P′は、ほぼ一定の値になる。
【0059】図4はコントローラ19で実行される処理
の手順をフローチャートで示している。
【0060】すなわちオペレータがインチングペダル2
0を踏み込むことによって、操作量θがポテンショメー
タ21によって検出され、検出信号がコントローラ19
に入力される(ステップ501)。
【0061】またシャフト27の回転数がクラッチ回転
数Nとして回転センサ17によって検出され、検出信号
がコントローラ19に入力される(ステップ502)。
【0062】コントローラ19では、入力されたクラッ
チ回転数Nが0≦N<N1、N1≦N<N2、N2≦Nのい
ずれに属しているかを判定することによって、「低回転
領域」、「中回転領域」、「高回転領域」の何れに該当
するかを判定する(ステップ503)。
【0063】この回転領域が「低回転領域」、「中回転
領域」、「高回転領域」のいずれであるかに応じて、図
3の特性43、特性41、特性42がそれぞれ選択され
る。そして、選択された特性から、入力された操作量θ
に対応する指令油圧Pを補正指令油圧Pとして求める
(ステップ504)。
【0064】つぎに補正指令油圧Pに対応する指令信号
(電気信号)がコントローラ19から圧力制御弁22に
出力される。この結果圧力制御弁22から回転クラッチ
12には、補正指令油圧Pが制御油圧として出力される
(ステップ505)。
【0065】以上のように本実施形態によれば、インチ
ングペダル20が最大操作領域(θ1≦θ)で操作され
ている場合に、回転センサ17で検出されたクラッチ回
転数Nが大きくなるほど、油圧クラッチ12に供給され
る指令油圧Pが小さくなるように、指令油圧Pを補正す
るようにしている。このためインチングペダル20を大
きく踏み込んでいる領域(θ1≦θ)においてオペレー
タの意図したとおりの小さい牽引力Tを発生でき、エン
ジン回転数(クラッチ回転数)Nの大きさ如何にかかわ
らずインチングフィーリングを一定にすることができ
る。このためインチング操作を容易に行うことができ、
作業効率が向上する。
【0066】なお本実施形態ではクラッチ回転数Nの領
域を3段階に離散的に設定して、特性43、特性41、
特性42を3段階に離散的に設定している。しかし図7
に示すようにクラッチ回転数Nの連続的な変化に応じ
て、特性42と特性43との間で連続的に特性を変化さ
せるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は建設機械の動力伝達装置を示す図であ
る。
【図2】図2は回転クラッチの断面を示す図である。
【図3】図3はインチングペダルの操作量θと指令油圧
Pとの関係をクラッチプレートbの回転数別に示す図で
ある。
【図4】図4はコントローラによる処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図5】図5は固定クラッチにおいての実油圧P′及び
指令油圧Pとペダル操作量θとの関係を示す図である。
【図6】図6(a)は回転クラッチにおいての実油圧
P′及び指令油圧Pとペダル操作量θとの関係を示す図
であり、図6(b)は指令油圧Pを一定とした場合のク
ラッチ回転数Nと牽引力Tとの関係を示す図である。
【図7】図7はクラッチ回転数の連続的な変化に対して
指令油圧の特性が連続的に変化する実施例を示す図であ
る。
【符号の説明】
11 エンジン 12 回転クラッチ 12a クラッ
チディスク 12bクラッチプレート 15 駆動輪
17 回転センサ 19 コントローラ 20 インチ
ングペダル 22 圧力制御弁 37 圧油室
フロントページの続き Fターム(参考) 3J057 AA04 BB03 GA32 GB12 GB13 GE13 HH04 JJ01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと駆動輪との間に介在さ
    れ、両回転板のうち一方の回転板と共に圧油室が回転
    し、両回転板が係合することにより前記エンジンの駆動
    力を前記駆動輪に伝達させるインチング用油圧クラッチ
    と、前記インチング用油圧クラッチの圧油室に、操作量
    に応じた圧力の圧油を供給することにより、前記インチ
    ング用油圧クラッチを係合または解放させる操作手段と
    を備えたインチング用油圧クラッチの制御装置におい
    て、 前記インチング用油圧クラッチの両回転板のうち前記圧
    油室と共に回転する前記一方の回転板の回転数を検出す
    る回転数検出手段と、 前記回転数検出手段で検出された回転数が大きくなるほ
    ど、前記インチング用油圧クラッチに供給される圧油の
    圧力が小さくなるように、供給圧油の圧力を補正する補
    正手段とを備えたことを特徴とするインチング用油圧ク
    ラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記インチング用油圧クラッチに対
    する供給圧油の圧力が低くなる一定の操作領域で、前記
    操作手段が操作されている場合に、前記補正手段によっ
    て供給圧油の圧力を補正することを特徴とする請求項1
    記載のインチング用油圧クラッチの制御装置。
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