JPH10153257A - 車両用油圧作動式変速機の制御装置 - Google Patents

車両用油圧作動式変速機の制御装置

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JPH10153257A
JPH10153257A JP9234774A JP23477497A JPH10153257A JP H10153257 A JPH10153257 A JP H10153257A JP 9234774 A JP9234774 A JP 9234774A JP 23477497 A JP23477497 A JP 23477497A JP H10153257 A JPH10153257 A JP H10153257A
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valve
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Tatsuyuki Ohashi
達之 大橋
Shoichi Tanizawa
正一 谷澤
Koji Shibuya
浩司 澁谷
Hiromitsu Ishibashi
弘光 石橋
Kazuo Okada
一雄 岡田
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/04Smoothing ratio shift
    • F16H2061/0477Smoothing ratio shift by suppression of excessive engine flare or turbine racing during shift transition

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  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アップシフトをショックを生ずることなく短
時間で行い得られるようにする。 【解決手段】 アップシフト時に解放側油圧連結要素の
油圧QUPOFFを、変速機の入出力速度比Grati
oが解放側油圧連結要素の連結で確立されるギア比を基
準にして設定される連結領域(YG(N)LとYG
(N)Hとの間の範囲)よりも低い所定の滑り領域(Y
G(N)S)に減少保持されるように制御し、連結側油
圧連結要素の油圧QUPONを漸増する。Gratio
がYG(N)Lを下回ってからYGCONOKまで上昇
した後の所定時期、例えば、所定時間YTMUP8経過
後にQUPOFFを所定の低圧QUPOFFBに低下さ
せ、Gratio>YGCONOKになってから第2の
所定時間YTMUP3経過後にQUPONを所定の高圧
QUPONBに上昇する。また、YTMUP8を車速の
増加に伴って短くなるように設定し、YTMUP3を車
速の増加に伴って長くなるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の油圧連結要
素の選択作動により確立される複数の変速段を有する車
両用油圧作動式変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の制御装置として、変速時
に解放側油圧連結要素の油圧(解放圧)と連結側油圧連
結要素の油圧(連結圧)とを電磁比例弁を用いて電子的
に制御し得るようにし、変速機の入出力速度比(出力軸
回転速度/入力軸回転速度)を検出して、入出力速度比
から変速の進行状態を判別し、解放圧と連結圧とを制御
するようにしたものが知られている。
【0003】そして、このような制御装置において、ア
ップシフトに際し、エンジンの吹上りを防止するため、
解放側油圧連結要素の滑りを生じないように、即ち、変
速機の入出力速度比が解放側油圧連結要素の連結によっ
て確立される変速段のギア比を基準にして設定される所
定の連結領域に収まるように解放圧を制御しつつ連結圧
を漸増させ、解放側油圧連結要素と連結側油圧連結要素
との共噛みによる入力軸回転速度の低下で入出力速度比
が連結領域よりも高い値に上昇したとき、変速状態がト
ルク相からイナーシャ相に移行したと判断して、連結圧
を所定の高圧に上昇させると共に解放圧を所定の低圧に
減少させるようにしたものも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のアップシ
フト制御では、トルク相における連結圧の漸増割合を大
きくすると、イナーシャ相移行時の連結側油圧連結要素
の連結力が過大になってショックが発生し易くなるた
め、連結圧を比較的緩やかに増加させており、その結
果、イナーシャ相に移行するまでに時間がかかり、アッ
プシフトに要する時間が長くなっている。本発明は、以
上の点に鑑み、アップシフトをショックを生ずることな
く短時間で行い得られるようにした制御装置を提供する
ことを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明は、複数の油圧連結要素の選択作動により確立さ
れる複数の変速段を有する車両用油圧作動式変速機の制
御装置において、アップシフト時に解放される解放側油
圧連結要素の油圧を解放圧、アップシフト時に連結され
る連結側油圧連結要素の油圧を連結圧として、アップシ
フト時に変速機の入出力速度比が、前記解放側油圧連結
要素の連結によって確立される変速段のギア比を基準に
して、該解放側油圧連結要素の滑りを生じないときに前
記入出力速度比が収まるような範囲に設定される所定の
連結領域よりも低い所定の比に減少保持されるように、
前記解放圧を減少制御する手段と、前記連結圧を漸増す
る手段と、変速機の入出力速度比が前記連結領域を下回
ってから再び前記連結領域に上昇したときに連結準備完
了信号を出力する連結準備判別手段と、前記連結準備完
了信号の出力後の所定時期に前記解放圧を所定の低圧に
減少する手段とを備える、ことを特徴とする。
【0006】本発明によれば、解放側油圧連結要素に若
干の滑りを生じた状態で連結圧が漸増されるため、連結
側油圧クラッチの連結力に応じて変速機の入出力速度比
が敏感に変化し、連結側油圧連結要素の連結準備の完了
時点を入出力速度比の前記連結領域への再上昇で検知で
き、このときに連結準備完了信号が出力される。そし
て、この出力後の所定時期に解放圧を低下させ、変速状
態をイナーシャ相に移行させる。この時点では、連結側
油圧連結要素の連結力がエンジンの吹上りを防止する程
度には上昇しており、かくて、エンジンの吹上りを防止
しつつ変速状態を早期にイナーシャ相に移行させて、ア
ップシフトに要する時間を短縮することができる。
【0007】前記所定時期は、連結準備完了信号の出力
時点から所定時間経過した時点に設定することができ
る。但し、車速が速くなると、遠心力の影響で解放側油
圧連結要素の圧低下に遅れを生ずる。この場合、前記所
定時間を、車速の増加に伴って短くなるように、車速に
応じて可変設定すれば、高車速では解放圧の低下時期が
早められ、高車速での解放側油圧連結要素の圧低下の遅
れに起因した共噛みの増加によるショックの発生が防止
される。連結圧を検出する油圧検出手段を設ける場合に
は、前記所定時期を連結圧の検出値が所定値を越えた時
点に設定しても良い。
【0008】また、連結準備完了信号の出力後に連結圧
の漸増割合を大きくして、イナーシャ相への移行を早め
ることが望ましく、更に、イナーシャ相移行後の変速の
進行を早めるために、連結準備完了信号の出力から第2
の所定時間経過後に連結圧を所定の高圧に上昇する手段
を設けることが望ましい。更に、前記第2の所定時間
を、車速の増加に伴って長くなるように、車速に応じて
可変設定すれば、高車速での共噛みの増加によるショッ
クの発生を一層効果的に防止できる。
【0009】尚、エンジンの出力トルクのスロットル開
度による変化度合は低スロットル開度領域で大きくな
り、スロットル開度が低開度に減少するとエンジントル
クが大幅に減少し、解放側油圧連結要素の滑りが減少し
て、連結側油圧連結要素が連結力を持ち始めていないの
に変速機の入出力速度比が連結領域に再上昇することが
ある。そのため、スロットル開度、即ち、エンジン負荷
が所定値以下のときは、入出力速度比が連結領域に再上
昇しても連結準備完了信号を出力させないようにし、連
結側油圧連結要素の連結準備が完了していないのに連結
準備完了信号が出力されることを防止することが望まし
い。
【0010】後記する実施形態において、上記「解放圧
を減少制御する手段」に相当するのは、図10のS10
−5−3,S10−5−4のステップであり、YG
(N)Sが上記所定の比である。上記「連結圧を漸増す
る手段」に相当するのは、図7のS18のステップであ
り、連結準備完了信号の出力後に連結圧の漸増割合を大
きくするのがS18″のステップである。上記所定時間
はYTMUP8であって、これを車速に応じて上記の如
く可変設定するのが図9のS10−12のステップであ
る。上記第2の所定時間はYTMUP3であって、これ
を車速に応じて上記の如く可変設定するのが図7のS2
6のステップである。上記連結準備判別手段に相当する
のは、図7のS14のステップ、即ち、図8のS14−
1〜S14−9のステップであって、FCONOK=1
が連結準備完了信号であり、エンジン負荷が所定値以下
のときに連結準備完了信号を出力させないようにするの
がS14−6のステップである。また、YG(N)Lが
上記連結領域の下限値、YGCONOKが入出力速度比
Gratioの連結領域への上昇を判別するための判別
基準値であり、S14−2のステップで入出力速度比が
連結領域を下回ったか否かを判別し、S14−7のステ
ップで入出力速度比が連結領域に上昇したか否かを判別
している。尚YGCONOKをYG(N)Lと等しい値
に設定しても良いが、連結側油圧連結要素の連結準備が
完了していない状態で入出力速度比の検出値がノイズ等
の影響で一時的にYG(N)Lを上回る可能性があるこ
とを考慮して、後記する実施形態ではYGCONOKを
YG(N)Lより若干高い値に設定している。
【0011】
【発明の実施の形態】図1を参照して、1は前進4段後
進1段の変速を行う油圧作動式変速機を示し、該変速機
1は、エンジンに流体トルクコンバータ2を介して連結
される入力軸3と、入力軸3にギア列4を介して常時連
結される中間軸5と、車両の駆動輪に連結される差動ギ
ア6上のファイナルギア6aに噛合する軸端の出力ギア
7aを有する出力軸7とを備えている。尚、図面上ファ
イナルギア6aと出力ギア7aとは離れているが、これ
は図面が展開図であるためであり、実際は両ギア6a,
7aが互に噛合している。
【0012】中間軸5と出力軸7との間には、1速と2
速の伝動系G1,G2が並設され、入力軸3と出力軸7
との間には、3速と4速の伝動系G3,G4と後進伝動
系GRとが並設されている。そして、中間軸5上に、1
速と2速の伝動系G1,G2に各介入される油圧連結要
素たる1速と2速の油圧クラッチC1,C2を設けると
共に、入力軸3上に、3速と4速の伝動系G3,G4に
各介入される油圧連結要素たる3速と4速の油圧クラッ
チC3,C4を設け、各油圧クラッチC1,C2,C
3,C4を連結させたとき対応する各伝動系G1,G
2,G3,G4が選択的に確立されるようにしている。
後進伝動系GRは、4速伝動系G4と4速油圧クラッチ
C4を共用するように構成されており、出力軸7上のセ
レクタギア8の図面で左方の前進側と右方の後進側への
切換動作で該ギア8を4速伝動系G4と後進伝動系GR
の各ドリブンギアG4a,GRaに噛合させることによ
り、4速伝動系G4と後進伝動系GRとを選択的に確立
するようにしている。尚、後進伝動系GRには図外のア
イドルギアが介設されている。図中9は出力軸7上に設
けたパーキングギアである。
【0013】前記各油圧クラッチC1〜C4は図2に示
す油圧回路によりその給排油を制御される。油圧回路
は、エンジンにより流体トルクコンバータ2のケーシン
グを介して駆動されるギアポンプから成る油圧源10
と、車室内のセレクトレバーに連動して切換操作される
マニアル弁11と、シフト弁ユニット12と、シフト弁
ユニット12の上流側の切換弁13と、切換弁13に接
続される第1と第2の1対の調圧弁141,142と、セ
レクタギア8に連結するフォーク8aを連結した前後進
切換用のサーボ弁15と、シフト弁ユニット12及び切
換弁13の切換制御を行う第1乃至第3の3個の電磁弁
161,162,163と、第1と第2の調圧弁141,1
2の調圧制御を行う第1と第2の1対の電磁比例弁1
1,172とを備えている。図中A1〜A4は各油圧ク
ラッチC1〜C4の急激な油圧変化を緩衝すべく設けた
アキュムレータである。
【0014】マニアル弁11は、パーキング位置たる
「P」と、後進位置たる「R」と、ニュートラル位置た
る「N」と、1速乃至4速の自動変速位置たる「D4
と、1速乃至3速の自動変速位置たる「D3」と、2速
保持位置たる「2」と、1速保持位置たる「1」との計
7位置に切換自在である。
【0015】マニアル弁11の「D4」位置では、油圧
源10に連なる第1油路L1が切換弁13に連なる第2
油路L2に接続され、第1油路L1から第2油路L2に
レギュレータ18で一定のライン圧に調圧された圧油が
供給されて、この圧油が切換弁13とシフト弁ユニット
12とを介して1速乃至4速の油圧クラッチC1〜C4
に選択的に給油され、1速乃至4速の自動変速が行われ
る。以下、図3を参照して、シフト弁ユニット12、切
換弁13、調圧弁141,142について詳述する。
【0016】シフト弁ユニット12は、第1乃至第3の
3個のシフト弁121,122,123で構成されてお
り、第1シフト弁121を切換弁13に第3と第4の2
つの油路L3,L4を介して接続し、第2シフト弁12
2を切換弁13に第5と第6の2つの油路L5,L6を
介して接続している。第1と第2の両シフト弁121
122は第7乃至第9の3つの油路L7,L8,L9を
介して接続され、また、第3シフト弁123は、第1シ
フト弁121に第10と第11の2つの油路L10,L
11を介して接続されると共に、第2シフト弁122
第12油路L12を介して接続されている。
【0017】1速油圧クラッチC1は第13油路L13
を介して第2シフト弁122に接続され、2速油圧クラ
ッチC2は第14油路L14を介して第1シフト弁12
1に接続され、3速油圧クラッチC3は第15油路L1
5を介して第2シフト弁122に接続され、4速油圧ク
ラッチC4は、該クラッチC4に連なる第16油路L1
6にマニアル弁11の「D4」「D3」「2」「1」位置
で接続される第17油路L17を介して第1シフト弁1
1に接続されている。
【0018】第1シフト弁121は、ばね121aで右方
位置に押圧されると共に、第1電磁弁161で制御され
る第18油路L18の油圧で左方位置に押圧され、第2
シフト弁122は、ばね122aで右方位置に押圧される
と共に、第2電磁弁162で制御される第19油路L1
9の油圧で左方位置に押圧される。第3シフト弁123
は、ばね123aで右方に押圧されると共に、マニアル
弁11の「2」「1」以外の位置で第1油路L1に接続
される第21油路L21の油圧により左方に押圧され、
マニアル弁11の「D4」位置では第21油路L21を
介して入力されるライン圧により左方位置に保持され、
第10油路L10が第3シフト弁123の排油ポート1
3bに接続されると共に、第11油路L11と第12
油路L12とが接続される。
【0019】マニアル弁11の「D4」位置における1
速走行時は、第1シフト弁121を左方位置、第2シフ
ト弁122を右方位置に切換えるもので、これによれ
ば、1速油圧クラッチC1用の第13油路L13が第2
シフト弁122と第8油路L8と第1シフト弁121とを
介して、切換弁13に対する第2の接続油路たる第4油
路L4に接続される。この際、2速油圧クラッチC2用
の第14油路L14は、第1シフト弁121と第10油
路L10とを介して、排油路たる第3シフト弁123
排油ポート123bに接続され、3速油圧クラッチC3
用の第15油路L15は、排油路たる第2シフト弁12
2の排油ポート122bに接続され、4速油圧クラッチC
4用の第16油路L16は、第17油路L17と第1シ
フト弁121と第11油路L11と第3シフト弁123
第12油路L12と第2シフト弁122とを介して、切
換弁13に対する第4の接続油路たる第6油路L6に接
続される。
【0020】2速走行時は、第2シフト弁122を右方
位置に保持したまま第1シフト弁121を右方位置に切
換えるもので、これによれば、2速油圧クラッチC2用
の第14油路L14が第1シフト弁121と第9油路L
9と第2シフト弁122とを介して、切換弁13に対す
る第3の接続油路たる第5油路L5に接続されると共
に、1速油圧クラッチC1用の第13油路L13が第2
シフト弁122と第8油路L8と第1シフト弁121とを
介して、切換弁13に対する第1の接続油路たる第3油
路L3に接続される。この際、3速油圧クラッチC3用
の第15油路L15は、1速走行時と同様に第2シフト
弁122の排油ポート122bに接続され、4速油圧クラ
ッチC4用の第16油路L16は、第17油路L17を
介して排油路たる第1シフト弁121の排油ポート121
bに接続される。
【0021】3速走行時は、第1シフト弁121を右方
位置に保持したまま第2シフト弁122を左方位置に切
換えるもので、これによれば、3速油圧クラッチC3用
の第15油路L15が第2シフト弁122と第7油路L
7と第1シフト弁121とを介して第4油路L4に接続
されると共に、2速油圧クラッチC2用の第14油路L
14が第1シフト弁121と第9油路L9と第2シフト
弁122とを介して第6油路L6に接続される。この
際、1速油圧クラッチC1用の第13油路L13は第2
シフト弁122の排油ポート122bに接続され、4速油
圧クラッチC4用の第16油路L16は2速走行時と同
様に第17油路L17を介して第1シフト弁121の排
油ポート121bに接続される。
【0022】4速走行時は、第2シフト弁122を左方
位置に保持したまま第1シフト弁121を左方位置に切
換えるもので、これによれば、4速油圧クラッチC4の
第16油路L16が第17油路L17と第1シフト弁1
1と第11油路L11と第3シフト弁123と第12油
路L12と第2シフト弁122とを介して第5油路L5
に接続されると共に、3速油圧クラッチC3用の第15
油路L15が第2シフト弁122と第7油路L7と第1
シフト弁121とを介して第3油路L3に接続される。
この際、1速油圧クラッチC1用の第13油路L13は
3速走行時と同様に第2シフト弁122の排油ポート1
2bに接続され、2速油圧クラッチC2用の第14油
路L14は1速走行時と同様に第1シフト弁121と第
10油路L10とを介して第3シフト弁123の排油ポ
ート123bに接続される。
【0023】切換弁13には、ライン圧油路たる上記第
2油路L2と、第1乃至第4の接続油路たる上記第3乃
至第6油路L3,L4,L5,L6と、第1調圧弁14
1で調圧される第1の調圧油路たる第22油路L22
と、第2調圧弁142で調圧される第2の調圧油路たる
第23油路L23とが接続されている。切換弁13は、
第1油路L1に接続したモジュレータ弁19の下流側の
第24油路L24に出力される、ライン圧より低い一定
の油圧(以下、モジュレータ圧と記す)により第1の切
換位置たる右方位置に押圧され、ばね13a及び第3電
磁弁163で制御される第20油路L20の油圧で第2
の切換位置たる左方位置に押圧される。
【0024】切換弁13が右方位置に存するときは、第
3油路L3が第22油路L22に接続されると共に、第
5油路L5が第23油路L23に接続されて、第3と第
5の各油路L3,L5の油圧を夫々第1と第2の各調圧
弁141,142で調圧可能となる。この際、第4油路L
4は第2油路L2に接続され、第6油路L6は排油路た
る切換弁13の排油ポート13bに接続される。
【0025】切換弁13が左方位置に存するときは、第
4油路L4が第22油路L22に接続されると共に、第
6油路L6が第23油路L23に接続され、第4と第6
の各油路L4,L6の油圧を夫々第1と第2の各調圧弁
141,142で調圧可能となる。この際、第3油路L3
は排油路たる切換弁13の排油ポート13cに接続さ
れ、第5油路L5は第2油路L2に接続される。
【0026】第1シフト弁121を左方位置、第2シフ
ト弁122を右方位置として、1速油圧クラッチC1を
第4油路L4に接続する1速時は、切換弁13が右方位
置に切換保持されて、第4油路L4が第2油路L2に接
続される。かくて、1速油圧クラッチC1の油圧(以
下、1速圧と記す)がライン圧となり、該クラッチC1
の連結で1速伝動系G1が確立される。
【0027】第1と第2の両シフト弁121,122を右
方位置として、1速油圧クラッチC1を第3油路L3、
2速油圧クラッチC2を第5油路L5に夫々接続する2
速時は、切換弁13が左方位置に切換保持されて、第3
油路L3が排油ポート13cに接続されると共に、第5
油路L5に第2油路L2が接続される。かくて、1速圧
が大気圧に低下して1速油圧クラッチC1の連結が解除
され、一方、2速油圧クラッチC2の油圧(以下、2速
圧と記す)がライン圧となり、該クラッチC2の連結で
2速伝動系G2が確立される。
【0028】1速から2速へのアップシフトに際して
は、切換弁13を1速時の位置、即ち、右方位置に保持
したまま、先ず、第1と第2の両シフト弁121,122
を2速時の状態に切換える。この場合、1速と2速の油
圧クラッチC1,C2に各接続される第3と第5の油路
L3,L5は第22と第23の油路L22,L23に各
接続される。従って、第1調圧弁141により1速圧の
降圧特性を制御すると共に、第2調圧弁142により2
速圧の昇圧特性を制御することができ、1速から2速へ
の円滑なアップシフトを行い得られる。そして、変速完
了後に切換弁13を左方位置に切換え、1速油圧クラッ
チC1から第1調圧弁141を介さずに排油すると共
に、2速油圧クラッチC2に第2調圧弁142を介さず
にライン圧の圧油を供給する。
【0029】2速から1速へのダウンシフトに際して
は、第1と第2の両シフト弁121,122を2速時の状
態に保持したまま、先ず、切換弁13を2速時の位置か
ら1速時の位置、即ち、左方位置から右方位置に切換え
る。これによれば、1速から2速へのアップシフト時と
同様に、1速と2速の油圧クラッチC1,C2が第22
と第23の油路L22,L23に各接続される。従っ
て、第1調圧弁141により1速圧の昇圧特性を制御す
ると共に、第2調圧弁142により2速圧の降圧特性を
制御することができ、2速から1速への円滑なダウンシ
フトを行い得られる。そして、変速完了後に第1と第2
の両シフト弁121,122を1速時の状態に切換え、2
速油圧クラッチC2を第3シフト弁123の排油ポート
123bに接続して、該クラッチC2から第2調圧弁1
2を介さずに排油すると共に、1速油圧クラッチC1
に1速時と同様に第1調圧弁141を介さずにライン圧
の圧油を供給する。
【0030】第1シフト弁121を右方位置、第2シフ
ト弁122を左方位置として、2速油圧クラッチC2を
第6油路L6、3速油圧クラッチC3を第4油路L4に
夫々接続する3速時は、切換弁13が右方位置に切換保
持されて、1速時と同様に、第6油路L6が排油ポート
13bに接続されると共に、第4油路L4が第2油路L
2に接続される。かくて、2速圧が大気圧に低下して2
速油圧クラッチC2の連結が解除され、一方、3速油圧
クラッチC3の油圧(以下、3速圧と記す)がライン圧
となり、該クラッチC3の連結で3速伝動系G3が確立
される。
【0031】2速から3速へのアップシフトに際して
は、切換弁13を2速時の位置、即ち、左方位置に保持
したまま、先ず、第1と第2の両シフト弁121,122
を3速時の状態に切換える。この場合、3速と2速の油
圧クラッチC3,C2に各接続される第4と第6の油路
L4,L6は第22と第23の油路L22,L23に各
接続される。従って、第1調圧弁141により3速圧の
昇圧特性を制御すると共に、第2調圧弁142により2
速圧の降圧特性を制御することができ、2速から3速へ
の円滑なアップシフトを行い得られる。そして、変速完
了後に切換弁13を右方位置に切換え、2速油圧クラッ
チC2から第2調圧弁142を介さずに排油すると共
に、3速油圧クラッチC3に第1調圧弁141を介さず
にライン圧の圧油を供給する。
【0032】3速から2速へのダウンシフトに際して
は、第1と第2の両シフト弁121,122を3速時の状
態に保持したまま、先ず、切換弁13を3速時の位置か
ら2速時の位置、即ち、右方位置から左方位置に切換え
る。これによれば、2速から3速へのアップシフト時と
同様に、3速と2速の油圧クラッチC3,C2が第22
と第23の油路L22,L23に各接続される。従っ
て、第1調圧弁141により3速圧の降圧特性を制御す
ると共に、第2調圧弁142により2速圧の昇圧特性を
制御することができ、3速から2速への円滑なダウンシ
フトを行い得られる。そして、変速完了後に第1と第2
の両シフト弁121,122を2速時の状態に切換え、3
速油圧クラッチC3を第2シフト弁122の排油ポート
122bに接続して、該クラッチC3から第1調圧弁1
1を介さずに排油すると共に、2速油圧クラッチC2
に2速時と同様に第2調圧弁142を介さずにライン圧
の圧油を供給する。
【0033】第1と第2の両シフト弁121,122を左
方位置として、3速油圧クラッチC3を第3油路L3、
4速油圧クラッチC4を第5油路L5に夫々接続する4
速時は、切換弁13が左方位置に切換保持されて、2速
時と同様に、第3油路L3が排油ポート13cに接続さ
れると共に、第5油路L5に第2油路L2が接続され
る。かくて、3速圧が大気圧に低下して3速油圧クラッ
チC3の連結が解除され、一方、4速油圧クラッチC4
の油圧(以下、4速圧と記す)がライン圧となり、該ク
ラッチC4の連結で4速伝動系G4が確立される。
【0034】3速から4速へのアップシフトに際して
は、切換弁13を3速時の位置、即ち、右方位置に保持
したまま、先ず、第1と第2の両シフト弁121,122
を4速時の状態に切換える。この場合、3速と4速の油
圧クラッチC3,C4に各接続される第3と第5の油路
L3,L5は第22と第23の油路L22,L23に各
接続される。従って、第1調圧弁141により3速圧の
降圧を制御すると共に、第2調圧弁142により4速圧
の昇圧を制御することができ、3速から4速への円滑な
アップシフトを行い得られる。そして、変速完了後に切
換弁13を左方位置に切換え、3速油圧クラッチC3か
ら第1調圧弁141を介さずに排油すると共に、4速油
圧クラッチC4に第2調圧弁142を介さずにライン圧
の圧油を供給する。
【0035】4速から3速へのダウンシフトに際して
は、第1と第2の両シフト弁121,122を4速時の状
態に保持したまま、先ず、切換弁13を4速時の位置か
ら3速時の位置、即ち、左方位置から右方位置に切換え
る。これによれば、3速から4速へのアップシフト時と
同様に、3速と4速の油圧クラッチC3,C4が第22
と第23の油路L22,L23に各接続される。従っ
て、第1調圧弁141により3速圧の昇圧特性を制御す
ると共に、第2調圧弁142により4速圧の降圧特性を
制御することができ、4速から3速への円滑なダウンシ
フトを行い得られる。そして、変速完了後に第1と第2
の両シフト弁121,122を3速時の状態に切換え、4
速油圧クラッチC4を第1シフト弁121の排油ポート
121bに接続して、4速油圧クラッチC4から第2調
圧弁142を介さずに排油すると共に、3速油圧クラッ
チC3に第1調圧弁141を介さずにライン圧の圧油を
供給する。
【0036】第1と第2の各調圧弁141,142は、各
ばね141a,142aと第22と第23の各油路L2
2,L23の油圧とによって該各油路L22,L23を
各排油ポート141b,142bに接続する右方の排油側
に押圧され、また、第1と第2の各電磁比例弁171
172の出力側の第25と第26の各油路L25,L2
6の油圧によって第22と第23の各油路L22,L2
3を第2油路L2に接続する左方の給油側に押圧され、
かくて、第22と第23の各油路L22,L23の油圧
は、各電磁比例弁171,172の出力圧に比例して増減
される。ところで、変速ショックを軽減するには、解放
側の油圧クラッチと連結側の油圧クラッチとの連結過渡
領域での微妙な油圧制御が必要になる。本実施形態で
は、変速完了後に連結側と解放側の油圧クラッチが調圧
弁141,142を介さずに給排油されるため、調圧弁1
1,142は比較的低圧の連結過渡領域での油圧制御の
みを分担すれば良く、油圧制御の分解能を高めて、変速
時における連結側油圧クラッチの昇圧特性及び解放側油
圧クラッチの降圧特性の連結過渡領域における微妙な制
御を精度良く行うことができる。
【0037】第1と第2の両電磁比例弁171,172
は第24油路L24を介してモジュレータ圧が入力され
ており、ここで、第1電磁比例弁171としては非通電
時に出力圧が最大(モジュレータ圧)となるものを用
い、第2電磁比例弁172は非通電時に出力圧が最小
(大気圧)となるものを用いている。
【0038】また、第1電磁弁161は、第24油路L
24に絞り161aを介して接続される第18油路L1
8を大気開放する2方向弁で構成され、非通電時に閉弁
して第18油路L18の油圧を高圧(モジュレータ圧)
にする。
【0039】第2と第3の各電磁弁162,163は、そ
の出力側の第19と第20の各油路L19,L20を第
24油路L24に接続する給油位置と、この接続を断っ
て該各油路L19,L20を各排油ポート162a,1
3aに接続する排油位置とに切換自在な3方向弁で構
成され、非通電時に給油位置に切換えられて第19と第
20の各油路L19,L20の油圧を高圧(モジュレー
タ圧)にする。
【0040】尚、第2と第3の電磁弁162,163を第
1の電磁弁161と同様の2方向弁で構成することも考
えられる。然し、2方向弁は開弁時のリーク量が多くな
り、また、低温時は開弁しても残圧が生ずるため、制御
の応答性が悪くなる。ここで、エンジン回転数が低下す
る1速での徐行時や停止時は油圧源10からの吐出油量
が減少するためリーク量を少なくする必要がある。そし
て、1速時は、第2シフト弁122と切換弁13とを右
方位置にするため第19と第20の油路L19,L20
を大気圧にする必要があり、第2と第3の電磁弁1
2,163を2方向弁で構成したのではリーク量が過大
になってしまう。このことを考慮し、また、応答性良く
切換えることが必要な切換弁13の切換制御を第3電磁
弁163で行うことを考慮し、本実施形態では、第2、
第3電磁弁162,163を3方向弁で構成し、スペース
を考慮して第1電磁弁161のみを小型の2方向弁で構
成している。
【0041】マニアル弁11の「D4」位置での1速乃
至4速時と各変速時における、第1乃至第3電磁弁16
1,162,163の通電状態と、第1、第2シフト弁1
1,122及び切換弁13の位置と、第1、第2調圧弁
141,142の出力圧(第22、第23油路L22,L
23の油圧)とは下表の通りになる。
【0042】 (○…通電、×…非通電) 本実施形態では、第1と第2の両調圧弁141,142
うち前回の変速に際し連結側油圧クラッチの油圧を昇圧
する給油用調圧弁として機能したものが次回の変速に際
し解放側油圧クラッチの油圧を降圧する排油用調圧弁と
して機能し、また、前回の変速に際し排油用調圧弁とし
て機能したものが次回の変速に際し給油用調圧弁として
機能するため、変速後各調圧弁141,142の出力圧を
そのままの値に保持して次回の変速に備えることができ
る。これに対し、第1と第2の両調圧弁141,142
一方を給油専用、他方を排油専用にすると、変速時に昇
圧された給油用調圧弁の出力圧を降圧すると共に変速時
に降圧された排油用調圧弁の出力圧を昇圧して次回の変
速に備える必要がある。この場合には、低温時に短時間
で次回の変速が行われると、給油用調圧弁の出力圧の降
圧や排油用調圧弁の出力圧の昇圧が充分でないうちに変
速が開始され、変速時の油圧制御が不調になって、変速
ショックを生じ易くなる。従って、本実施形態のよう
に、各調圧弁141,142を変速の度に給油用と排油用
とに交互に使い分けることが望ましい。
【0043】第1乃至第3電磁弁161,162,163
と第1と第2の電磁比例弁171,172は、後記詳述す
るロックアップクラッチ用の第4電磁弁164と共に、
図4に示すマイクロコンピュータから成る電子制御回路
20により制御される。
【0044】電子制御回路(ECU)20には、エンジ
ンの回転速度Neとスロットル開度θと冷却水温TWと
を検出するエンジンセンサ21からの信号と、車速Vを
検出する車速センサ22からの信号と、変速機の入力軸
3の回転速度Ninを検出する速度センサ23からの信号
と、変速機の出力軸7の回転速度Noutを検出する速度
センサ24からの信号と、セレクトレバーのポジション
センサ25からの信号とが入力されている。
【0045】そして、「D4」位置では、ECU20に
記憶されている1速−4速の変速マップに基づいて現在
のスロットル開度θと車速Vとに適合する変速段を選択
し、1速乃至4速の自動変速を行う。
【0046】「D3」位置においても「D4」位置と同一
の油路構成になり、ECU20に記憶されている1速−
3速の変速マップに基づいて1速乃至3速の自動変速が
行われる。
【0047】「2」「1」位置では、ECU20に記憶
されている2速マップや1速マップに基づいて2速又は
1速への段階的なダウンシフトが行われ、以後2速又は
1速に保持される。尚、「2」「1」位置では、
「D4」「D3」位置で第1油路L1に接続されていた第
21油路L21が大気開放され、第3シフト弁123
右方位置に切換可能となる。
【0048】第3シフト弁123が右方位置に切換えら
れると、左方位置において排油ポート123bに接続さ
れていた第10油路L10が第12油路L12に接続さ
れ、左方位置において第12油路L12に接続されてい
た第11油路L11が第3シフト弁123の第2の排油
ポート123cに接続される。第10と第11の油路L
10,11は第1シフト弁121の右方位置では何れの
油圧クラッチ用の油路とも接続されておらず、第1シフ
ト弁121を右方位置にしたときは、「D4」位置におい
て第1シフト弁121を右方位置にしたときと同一の油
路構成になり、従って、第1と第2の両シフト弁1
1,122を右方位置(「D4」位置の2速時の状態)
にしたときは2速油圧クラッチC2に給油されて2速伝
動系G2が確立され、第1シフト弁121を右方位置、
第2シフト弁122を左方位置(「D4」位置の3速時の
状態)にしたときは、3速油圧クラッチC3に給油され
て3速伝動系G3が確立される。
【0049】一方、第1シフト弁121を左方位置にし
たときは、2速油圧クラッチC2用の第14油路L14
が第10油路L10、4速油圧クラッチC4用の第17
油路L17が第11油路L11に夫々接続されるから、
「D4」位置における油路構成とは異なったものにな
る。そして、第1シフト弁121を左方位置、第2シフ
ト弁122を右方位置(「D4」位置の1速時の状態)に
したときは、1速油圧クラッチC1用の第13油路L1
3が第4油路L4に接続されると共に(この接続は「D
4」位置と同一)、2速油圧クラッチC2用の第14油
路L14が第6油路L6に接続され(「D4」位置では
4速油圧クラッチC4用の第17油路L17が第6油路
に接続される)、第1と第2の両シフト弁121,122
を左方位置(「D4」位置の4速時の状態)にしたとき
は、3速油圧クラッチC3用の第15油路L15が第3
油路L3に接続されると共に(この接続は「D4」位置
と同一)、2速油圧クラッチC2用の第14油路L14
が第5油路L5に接続され(「D4」位置では4速油圧
クラッチC4用の第17油路L17が第5油路L5に接
続される)、4速油圧クラッチC4には給油されなくな
る。
【0050】ここで、第3シフト弁123は第26油路
L26を介して入力される第2電磁比例弁172の出力
圧で左方に押圧されるようになっているが、ヒューズ切
れ等によるシステムダウン時に第1乃至第3電磁弁16
1,162,163及び第1、第2電磁比例弁171,17
2への通電が停止されると、第1と第2の両シフト弁1
1,122と切換弁13とが左方位置に切換えられると
共に、第2電磁比例弁172の出力圧が大気圧になっ
て、第3シフト弁123が「2」「1」位置において右
方位置に切換えられ、「D4」「D3」位置において第2
1油路L21からのライン圧により左方位置に切換えら
れる。従って、「1」「2」位置において2速伝動系G
2、「D4」「D3」位置において4速伝動系G4が夫々
確立されることになり、システムダウン時にも2速と4
速とでの走行を行い得られる。
【0051】マニアル弁11の「R」位置では、第2油
路L2が大気開放されて、第1油路L1に第27油路L
27が接続され、該油路L27に第1サーボ制御弁27
を介して接続される第28油路L28を介してサーボ弁
15の左端の第1油室15aに給油される。これによれ
ば、サーボ弁15が右方の後進位置に押動されてセレク
タギア8が後進側に切換わると共に、第28油路L28
が第1油室15aに連通するサーボ弁15の軸孔15b
を介して第29油路L29に接続される。該油路L29
は、マニアル弁11の「R」位置において4速油圧クラ
ッチC4に連なる第16油路L16に接続されており、
かくて、4速油圧クラッチC4への給油とセレクタギア
8の後進側への切換えとで後進伝動系GRが確立され
る。
【0052】第1サーボ制御弁27は、第3電磁弁16
3の出力側の第20油路L20の油圧と第1電磁比例弁
171の出力側の第25油路L25の油圧とにより、第
27油路L27と第28油路L28とを接続する左方の
開き側に押圧されると共に、ばね27aと第2油路L2
の油圧と第29油路L29の油圧とにより、第27油路
L27と第28油路L28との接続を断って第28油路
L28を排油ポート27bに接続する右方の閉じ側に押
圧される。「D4」「D3」「2」「1」位置では、第2
油路L2を介して入力されるライン圧により、第1サー
ボ制御弁27は第3電磁弁163と第1電磁比例弁171
との出力圧が共に高くなっても右方位置に保持され、第
28油路L28への給油が阻止されて、サーボ弁15が
係止部材15cにより左方の前進位置に保持され、後進
伝動系GRの確立が阻止される。
【0053】また、所定車速以上で前進走行中にマニア
ル弁11を「R」位置に切換えたときは、第3電磁弁1
3と第1電磁比例弁171との出力圧を共に大気圧にし
て、第1サーボ制御弁27を右方位置に保持し、第28
油路L28への給油、即ち、後進伝動系GRの確立を阻
止する。
【0054】所定車速以下でマニアル弁11を「R」位
置に切換えたときは、第1電磁比例弁171の出力圧を
漸増させて第1サーボ制御弁27を左方の開き側に押圧
し、上記の如く第28油路L28とサーボ弁15と第2
9油路L29とを介して4速油圧クラッチC4に給油
し、該制御弁27を調圧弁として機能させて4速油圧ク
ラッチC4の油圧の昇圧を制御し、その後に第3電磁弁
163からモジュレータ圧を出力して該制御弁27を左
方位置に押し切り、4速油圧クラッチC4の油圧をライ
ン圧に保持する。尚、第3電磁弁163がオン故障して
その出力圧が大気圧のままになっても、第1電磁比例弁
171の出力圧によって4速油圧クラッチC4の連結に
必要な油圧が保証される。
【0055】マニアル弁11を「R」位置から「D4
「D3」「2」「1」位置に切換えたときは、これらの
位置において第2油路L2と同様に第1油路L1に接続
される第30油路L30から第2サーボ制御弁28と第
31油路L31とを介してサーボ弁15の中間の第2油
室15dにライン圧が入力され、サーボ弁15が左動し
て前進位置に切換えられる。
【0056】第2サーボ制御弁28は、第13油路L1
3を介して入力される1速圧と、第19油路L19を介
して入力される第2電磁弁162の出力圧と、第23油
路L23を介して入力される第2調圧弁142の出力圧
とにより、第30油路L30と第31油路L31とを接
続する左方位置に押圧され、ばね28aと第27油路L
27の油圧とにより、第30と第31の両油路L30,
L31の接続を断って第31油路L31を排油ポート2
8bに接続する右方位置に押圧される。
【0057】かくて、「R」位置では第2サーボ制御弁
28が第27油路L27からのライン圧で確実に右方位
置に切換えられ、「D4」「D3」「2」「1」位置への
切換後、1速圧が所定値に上昇するまで該制御弁28は
右方位置に保持され、第2油室15dへのライン圧の入
力が阻止されて、サーボ弁15は係止手段15cにより
後進位置に保持される。そして、1速圧が所定値以上に
なったとき、第2サーボ制御弁28が左方位置に切換え
られ、第2油室15dにライン圧が入力されてサーボ弁
15が前進位置に切換えられる。従って、アクセルペダ
ルを踏込んだ状態でマニアル弁11を「R」位置から
「D4」「D3」「2」「1」位置に切換えた場合でも、
サーボ弁15の切換時点では1速圧の上昇による1速伝
動系G1を介しての正転方向のトルク伝達で出力軸7の
逆転方向への回転が制止された状態になり、セレクタギ
ア8と4速伝動系G4のドリブンギアG4aとが大きな
相対回転を生じない状態で円滑に噛合し、両ギア8,G
4aの噛合部の摩耗が防止される。
【0058】ところで、第2サーボ制御弁28が異物の
かみ込み等で右方位置にロックされたり、また、該制御
弁28が左方位置に切換わってもサーボ弁15が後進位
置にロックされたりするような異常を生ずると、マニア
ル弁11を「R」位置から「D4」「D3」「2」「1」
位置に切換えてもセレクタギア8は後進側に残り、4速
油圧クラッチC4に給油されると後進伝動系GRが確立
されてしまう。そこで、本実施形態では、第3シフト弁
123の左端の油室に連なる第32油路L32を設ける
と共に、サーボ弁15の後進位置において該弁15の第
2油室15dに切欠溝15eを介して接続される第33
油路L33を設け、第32油路L32が第2サーボ制御
弁28の右方位置で第30油路L30、該制御弁28の
左方位置で第33油路L33に夫々接続されるようにし
ている。これによれば、上記異常を生ずると、第3シフ
ト弁123の左端の油室に第32油路L32を介してラ
イン圧が入力され、第3シフト弁123がこれを左方に
押圧する第21油路L21や第26油路L26の油圧の
如何に係わらず右方位置に切換保持され、4速油圧クラ
ッチC4への給油が阻止される。
【0059】第2サーボ制御弁28は、一旦左方位置に
切換えられると、第30油路L30と第31油路L31
とを接続する環状溝28cの左右のランドの受圧面積差
によって発生するセルフロック力により左方位置に保持
されるが、急旋回時で油面が大きく変動し、油圧源10
からの油圧が一瞬途絶えたときなどは、第2サーボ制御
弁28がばね28aの力で右方位置に切換わってしま
う。この場合、第2サーボ制御弁28を1速圧のみで左
方位置に押圧するように構成していると、2速乃至4速
時には油圧が回復しても第2サーボ制御弁28は左方位
置に戻らなくなる。そのため、本実施形態では、2速時
及び4速時に高くなる第2調圧弁142の出力圧と、3
速時及び4速時に高くなる第2電磁弁162の出力圧と
によっても第2サーボ制御弁28を左方位置に押圧して
いる。尚、1速乃至3速時は、第2サーボ制御弁28が
左方位置に戻らず、第32油路L32からのライン圧の
入力で第3シフト弁123が右方位置に切換えられて
も、各油圧クラッチC1〜C4の給排油に影響は及ばな
いが、4速時には、2速油圧クラッチC2に給油され
て、4速から2速にダウンシフトされてしまう。そのた
め、4速時は、第2調圧弁142の出力圧と第2電磁弁
162の出力圧とで第2サーボ制御弁28を左方に押圧
し、油圧回復後に一方の出力圧が正常値に上昇しなくて
も、第2サーボ制御弁28が確実に左方位置に切換えら
れるようにしている。
【0060】マニアル弁11の「N」位置では、第2油
路L2、第16油路L16、第17油路L17、第27
油路L27、第29油路L29及び第30油路L30が
共に大気開放され、何れの油圧クラッチC1〜C4も連
結解除される。また、「P」位置では、第1油路L1に
第27油路L27が接続され、第1サーボ制御弁27と
第28油路L28とを介してのライン圧の入力でサーボ
弁15が後進位置に切換わるが、「P」位置では第16
油路L16と第29油路L29との接続が断たれて第1
6油路L16が大気開放されるため、後進伝動系GRが
確立されることはない。
【0061】流体トルクコンバータ2はロックアップク
ラッチ2aを内蔵しており、油圧回路に、レギュレータ
18から第34油路L34を介して供給される油を作動
油としてロックアップクラッチ2aの作動を制御するロ
ックアップ制御部29が設けられている。
【0062】該制御部29は、ロックアップクラッチ2
aをオンオフ制御するシフト弁30と、ロックアップク
ラッチ2aのオン時の連結状態を滑りを生じないロック
アップ状態と滑り状態とに切換える切換弁31と、滑り
状態での連結力を増減制御する調圧弁32とで構成され
ている。
【0063】シフト弁30は、第34油路L34をロッ
クアップクラッチ2aの背圧室に連なる第35油路L3
5に接続すると共に、流体トルクコンバータ2の内部空
隙に連なる第36油路L36を排油用の第37油路L3
7に絞り部30aを介して接続する右方位置と、第34
油路L34を、切換弁31に連なる第38油路L38に
接続すると共に、絞り部30aを介して第36油路L3
6に接続し、更に、第35油路L35を調圧弁32に連
なる第39油路L39に接続する左方位置とに切換自在
であり、第4電磁弁164によって切換制御される。第
4電磁弁164は、モジュレータ弁19の出力側の第2
4油路L24に絞り164aを介して接続される第40
油路L40を大気開放する2方向弁で構成されている。
そして、シフト弁30を、第24油路L24の油圧、即
ち、モジュレータ圧により左方位置に押圧すると共に、
ばね30bと第40油路L40の油圧とにより右方位置
に押圧し、第4電磁弁164を閉弁して第40油路L4
0の油圧をモジュレータ圧に昇圧したときシフト弁30
が右方位置に切換えられ、第4電磁弁164を開弁して
第40油路L40の油圧を大気圧に降圧したときシフト
弁30が左方位置に切換えられるようにしている。
【0064】切換弁31は、流体トルクコンバータ2の
内部空隙に連なる第41油路L41を調圧弁32の左端
の油室に連なる第42油路L42に接続する右方位置
と、第42油路L42を大気開放すると共に、第38油
路L38を第36油路L36に接続する左方位置とに切
換自在であり、ばね31aで右方位置に押圧され、右端
側の油室に接続される第43油路L43の油圧で左方位
置に押圧される。
【0065】調圧弁32は、第39油路L39を第34
油路L34に接続すると共に、第41油路L41を絞り
32aを介して第37油路L37に接続する右方位置
と、第39油路L39と第34油路L34との接続を断
って第39油路L39を絞り付きの排油ポート32bに
接続すると共に、第41油路L41と第37油路L37
との接続を断つ左方位置との間で移動自在であり、ばね
32cと第42油路L42の油圧とにより右方に押圧さ
れ、第39油路L39の油圧と第43油路L43の油圧
とにより左方に押圧される。ここで、第39油路L39
の油圧に対する受圧面積と第42油路L42の油圧に対
する受圧面積とを共にs1、第43油路L43の油圧に
対する受圧面積をs2、第39油路L39と第42油路
L42と第43油路L43との油圧を夫々Pa,Pb,
Pc、ばね32cの付勢力をFとすると、 s1・Pb+F=s1・Pa+s2・Pc Pb−Pa=(s2・Pc−F)/s1 になり、第42油路L42の油圧と第39油路L39の
油圧との差圧が第43油路L43の油圧に応じて増減さ
れる。
【0066】第43油路L43は、切換弁13の右方位
置で第1電磁比例弁171の出力側の第25油路L25
に接続され、切換弁13の左方位置で第2電磁比例弁1
2の出力側の第26油路L26に接続される。かく
て、切換弁13が右方位置になる1速及び3速時は第1
電磁比例弁171、切換弁13が左方位置になる2速及
び4速時は第2電磁比例弁172により夫々切換弁31
及び調圧弁32が制御される。
【0067】シフト弁30が右方位置に存するときは、
第34油路L34からの作動油がシフト弁30と第35
油路L35とを介してロックアップクラッチ2aの背圧
室に給油されると共に、流体トルクコンバータ2の内部
空隙が、第41油路L41と調圧弁32とを介して、及
び、第36油路L36とシフト弁30の絞り部30aと
を介して夫々第37油路L37に接続され、内部空隙か
らの第37油路L37を介しての排油により内部空隙の
内圧が低くなり、ロックアップクラッチ2aはオフ状
態、即ち、連結解除状態になる。
【0068】シフト弁30が左方位置に切換わると、ロ
ックアップクラッチ2aの背圧室が第35油路L35と
シフト弁30とを介して第39油路L39に接続され、
また、切換弁31が右方位置に存する間は、流体トルク
コンバータ2の内部空隙が、第36油路L36とシフト
弁30の絞り部30aとを介して第34油路L34に接
続されると共に、第41油路L41と切換弁31とを介
して第42油路L42に接続され、内部空隙の内圧と背
圧室の内圧との差圧を調圧弁32に入力する第43油路
L43の油圧で増減制御できるようになる。かくて、ロ
ックアップクラッチ2aは第1電磁比例弁171又は第
2電磁比例弁172の出力圧に応じた連結力を持って滑
り状態で連結する。
【0069】第43油路L43の油圧が所定値以上にな
って切換弁31が左方位置に切換えられると、第42油
路L42が大気開放されて調圧弁32が左方位置に切換
保持され、ロックアップクラッチ2aの背圧室が第35
油路L35とシフト弁30と第39油路L39とを介し
て調圧弁32の排油ポート32bに接続されたままにな
り、一方、第34油路L34からシフト弁30と第38
油路L38と切換弁31と第36油路L36とを介して
流体トルクコンバータ2の内部空隙に給油され、更に、
調圧弁32の左方位置への切換えで第41油路L41と
第37油路L37との接続が断たれるため、内部空隙の
内圧は第41油路L41に接続したチェック弁33で設
定される比較的高圧に維持され、ロックアップクラッチ
2aはロックアップ状態で連結する。
【0070】図中34は第37油路L37に介設したオ
イルクーラ、35はオイルクーラ用のチェック弁、36
は変速機の各軸3,5,7の潤滑部にレギュレータ18
からのリーク油を供給する潤滑用の油路LBに介設した
絞り部材である。
【0071】次に、変速時における第1と第2の両電磁
比例弁171,172の制御について説明する。尚、以下
の説明では、変速時に連結される連結側油圧クラッチの
油圧を制御する電磁比例弁の出力圧をON圧、変速時に
解放される解放側油圧クラッチの油圧を制御する電磁比
例弁の出力圧をOFF圧とする。変速制御は、アップシ
フト制御と、ダウンシフト制御と、[P][N]レンジ
から「D4」「D3」「2」「1」「R」レンジへの切換
当初におけるインギア制御とに大別され、これら制御
は、第1電磁比例弁171と第2電磁比例弁172の出力
圧の大小関係及びインギア制御中の制御モードを図5
(A)の如く表わす比例弁モニタ値MATと、アップシ
フト時のON圧の制御モードとOFF圧の制御モードと
を図5(B)の如く表わすアップシフトモニタ値MUP
と、ダウンシフト時のON圧の制御モードとOFF圧の
制御モードとを図5(C)の如く表わすダウンシフトモ
ニタ値MDNとを用いて以下の如く行う。
【0072】アップシフト制御は、図7に示す手順で行
われるもので、その詳細を、アップシフト時のON圧、
OFF圧、変速機の入出力速度比Gratio(Nou
t/Nin)の夫々の変化を模式的に示す図6を参照し
て説明する。尚、Gratioは、速度検出パルスの脈
動やノイズ等により多少変動するが、油圧クラッチが完
全に連結していれば各変速段のギア比を基準にした所定
の上限値YG(N)Hと下限値YG(N)Lとの間に収
まる。
【0073】アップシフト制御は、確立すべき変速段を
指定する変速段指定信号SHが現在確立されている変速
段G(N)より高速の変速段G(N+1)を指定する信
号に切換えられたときに開始される。アップシフト制御
では、先ず、S1のステップでMATが「A,B」にセ
ットされる。MATがこのようにセットされると第1、
第2シフト弁121,122がアップシフトを行う状態に
切換えられる。次に、S2のステップでMUPのON側
の値(MUP(ON))が「0」か否かを判別する。M
UPは当初「0,0」にセットされており、S2のステ
ップで[YES」と判定されてS3のステップに進み、
ここで電子制御回路20に内蔵の減算式タイマの残り時
間TMを所定の初期値TMSTにセットすると共に、S
4のステップでON圧やOFF圧の演算に用いる各種値
の初期設定を行う。次に、S5のステップでMUP(O
N)=1にセットし、更に、S6のステップでON圧の
応答圧モードでの基準値QUPONAを算定する(S
6)。応答圧モードは、連結側油圧クラッチのピストン
の遊びを除去してその後のクラッチ圧の増加を応答性良
く行わせるための制御モードであり、QUPONAは、
車速とスロットル開度とに応じた適正値に設定され、経
時的に減少する。
【0074】次に、S7のステップに進み、マニアル変
速時、即ち、レンジ切換による変速時や、レバー操作で
1段宛の変速を可能とする変速機におけるレバー操作に
よる変速時に「1」にセットされるフラグFTIPの値
を見る。そして、FTIP=0であれば、S8のステッ
プに進み、ON圧の指令値QUPONをQUPONAに
設定する処理を行い、FTIP=1であればS9のステ
ップに進み、QUPONをQUPONAに所定の昇圧補
正値QUPONXを加算した値に設定する処理を行う。
S8やS9のステップでの処理後はS10のステップに
進み、後記詳述するOFF圧の指令値QUPOFFの演
算処理を行い、次にS11のステップに進み、第1と第
2の両電磁比例弁171,172のうち、今回の変速で連
結側油圧クラッチの油圧を制御する電磁比例弁の出力圧
の指令値をQUPONとし、解放側油圧クラッチの油圧
を制御する電磁比例弁の出力圧の指令値をQUPOFF
とする比例弁選択処理を行って、1回目のアップシフト
制御処理を完了する。
【0075】次回のアップシフト制御処理に際しては、
前回、S5のステップでMUP(ON)=1にセットさ
れているため、S2のステップで「NO」と判定され
る。このときは、S12のステップに進み、アップシフ
ト開始時からの経過時間(TMST−TM)が所定時間
YTMUP1に達したか否かを判別する。YTMUP1
は、アップシフトに要する通常の時間よりも長く設定さ
れており、TMST−TM≧YTMUP1になったとき
は、アップシフト制御が不調であると判断してS13の
ステップに進み、MATを「A,0」(2速→3速アッ
プシフト時)又は「0,B」(2速→3速以外のアップ
シフト時)にセットすると共に、MUPを「0,0」に
セットし、更に、TMを零にリセットするアップシフト
完了処理を行う。この処理でMATが「A,0」又は
「0,B」にセットされると、切換弁13が現在位置と
は異なる位置に切換えられ、連結側油圧クラッチの油圧
がライン圧、解放側油圧クラッチの油圧が大気圧にな
る。
【0076】TMST−TM<YTMUP1であれば、
S14のステップに進んで連結側油圧クラッチ(ONク
ラッチ)の準備判断を行う。この処理の詳細は図8に示
す通りであり、先ず、S14−1のステップでMUPが
「1,1」又は「1,2」か否かを判別し、その判別結
果が「YES」であれば、S14−2のステップに進
み、Gratioが変速前の確立変速段のギア比を基準
にして設定されるクラッチ連結判断の下限値YG(N)
Lを下回ったか否かを判別し、Gratio<YG
(N)LであればS14−3のステップに進み、前記S
4のステップで「0」にリセットされるフラグFCOF
FSを「1」にセットする。次に、S14−4のステッ
プでMUPが「2,2」であるか否かを判別し、その判
別結果が「YES」であれば、S14−5のステップに
進んでFCOFFS=1か否かを判別し、FCOFFS
=1であれば、S14−6のステップでスロットル開度
θが所定値YθCONOKを上回っているか否かを判別
し、θ>YθCONOKであればS14−7のステップ
に進み、GratioがYG(N)Lより僅かに大きく
設定される所定値YGCONOKを上回っているか否か
を判別する。そして、Gratio>YGCONOKで
あればS14−8のステップに進み、S4のステップで
「0」にリセットされるフラグFCONOKを「1」に
セットし、また、θ≦YθCONOKやGratio≦
YGCONOKの場合には、S14−9のステップに進
んでFCONOKを「0」にリセットする。
【0077】MUPが「1,1」「1,2」のときにG
ratio<YG(N)Lになるのは、OFF圧の後記
する減算モードでの制御により解放側油圧クラッチの滑
りを生じたときであり、また、MUPが「2,2」のと
きにGratio>YGCONOKになるのは、ON圧
の後記する加算モードでの制御により連結側油圧クラッ
チが連結力を持ち始めたとき、即ち、連結側油圧クラッ
チの連結準備が完了したときである。MUPが「1,
1」「1,2」のときにGratio<YG(N)Lに
ならないとFCOFFS=1にならず、この場合にはM
UPが「2,2」のときにGratio>YGCONO
KになってもFCONOK=0のままになる。ところ
で、エンジンの出力トルクのスロットル開度による変化
度合は低スロットル開度領域で大きくなり、スロットル
開度が低開度になると出力トルクが大幅に減少し、解放
側油圧クラッチの滑りが減少してGratio>YGC
ONOKになることがある。そこで、θ≦YθCONO
Kとなる低スロットル開度領域ではFCONOK=0と
し、出力トルクが大きく変動しない中・高スロットル開
度領域でのみGratioに基づくFCONOKのセッ
トを行い、連結側油圧クラッチの連結準備が完了してい
ないのにFCONOK=1にセットされることを防止し
ている。
【0078】上記の如くして連結側油圧クラッチの準備
判断処理を行うと、S15のステップでMUP(ON)
=1か否かを判別する。2回目のアップシフト制御処理
ではMUP(ON)=1になっているから、S15のス
テップで「YES」と判定されてS16のステップに進
み、アップシフト開始時からの経過時間(TMST−T
M)が所定時間YTMUP2に達したか否かを判別す
る。TMST−TM<YTMUP2のときはS5以下の
ステップに進み、TMST−TM≧YTMUP2になっ
たときS17のステップに進んでMUPのON側の値を
「2」にセットする。次に、S18′のステップで△Q
UPONAを比較的小さな値に設定してS18のステッ
プに進み、QUPONAを前回値に△QUPONAを加
算した値とする加算処理を行い、S7以下のステップに
進む。かくて、ON圧を段階的に増加する加算モードで
の制御が開始される。
【0079】S17のステップでMUP(ON)=2に
セットされると、次回のアップシフト制御処理ではS1
5のステップで「NO」と判別されて、MUP(ON)
=2か否かを判別するS19のステップに進み、ここで
「YES」と判定されてS20のステップに進み、Gr
atioが変速前の確立変速段のギア比を基準にして設
定されるクラッチ連結判断の上限値YG(N)H以上に
なったか否かを判別する。そして、Gratio<YG
(N)Hであれば、S21のステップに進んでFCON
OK=1か否かを判別し、FCONOK=0の場合はS
17以下のステップに進んで加算モードでの制御を続行
する。
【0080】FCONOK=1であれば、S22のステ
ップでその時点におけるTMの値をTMSTAとして記
憶し、次にS23のステップでMUPを「3,3」にセ
ットした後に後記するS25以下のステップに進む。次
回のアップシフト制御処理では、S19のステップで
「NO」と判別されて、MUP(ON)=3か否かの判
別を行うS24のステップに進み、ここで「YES」と
判別される。このときはS25のステップでYTMUP
3をセットし、次にS26のステップに進み、FCON
OK=1になった時点、即ち、連結側油圧クラッチの連
結準備完了時点からの経過時間(TMSTA−TM)が
YTMUP3に達したか否かを判別する。尚、YTMU
P3は、車速の増加に伴って長くなるように、車速Vを
パラメータとするテーブル値にセットされる。TMST
A−TM<YTMUP3のうちは、S18″のステップ
で△QUPONAを比較的大きな値に設定してからS1
8以下のステップに進み、加算モードでの制御を続行す
る。
【0081】TMSTA−TM≧YTMUP3になる
と、S27のステップに進んでFTIP=1か否かを判
別し、FTIP=0のときはS28のステップに進み、
ON圧の底上げモードでの基準値QUPONBをQUP
ONAの最終値に車速とスロットル開度とに応じて求め
られる値QUPONB0を加算した値に設定し、FTI
P=1のときはS29のステップに進み、QUPONB
を上記の値に更に所定の昇圧補正値QUPONYを加算
した値に設定する。尚、QUPONYはS9のステップ
で加算する昇圧補正値QUPONXより小さな値に設定
されている。S28やS29のステップでのQUPON
Bの設定処理が済むと、S30のステップに進んでMU
P(ON)=4にセットし、次にS31のステップでQ
UPONをQUPONBに設定し、ON圧の底上げモー
ドでの制御を開始する。尚、S20のステップでGra
tio>YG(N)Hと判別されたときは、S32のス
テップでMUPを「3,3」にセットして直接S27の
ステップに進む。
【0082】次回のアップシフト制御処理では、前回、
S30のステップでMUP(ON)=4にセットされて
いるため、S24のステップで「NO」と判定されて、
MUP(ON)=4か否かを判別するS33のステップ
に進み、ここで「YES」と判定される。このときはS
34のステップに進んでアップシフト開始時からの経過
時間(TMST−TM)が所定時間YTMUP4に達し
たか否かを判別し、TMST−TM<YTMUP4のう
ちはS27以下のステップに進んで底上げモードでの制
御を続行し、TMST−TM≧YTMUP4になったと
きはS35のステップでGratioが所定値YGUP
T以上になったか否かを判別し、Gratio<YGU
PTのときはS27以下のステップに進んで底上げモー
ドでの制御を続行する。
【0083】Gratio≧YGUPTになったとき
は、S36のステップに進んでMUPを「5,5」にセ
ットした後にS37のステップに進み、その時点でのT
Mの値をTMSTBとして記憶し、次にS38のステッ
ップに進んでQUPONをQUPONBの最終値にQU
PONCを加算した値に設定する。尚、QUPONCは
S4のステップで零にリセットされており、QUPON
=QUPONBとなって底上げモードでの制御が続行さ
れる。
【0084】次回のアップシフト制御処理では、前回、
S36のステップでMUPが「5,5」にセットされて
いるため、S33のステップで「NO」と判定されて、
MUP(ON)=5か否かを判別するS39のステップ
に進み、ここで「YES」と判定される。このときはS
40のステップでアップシフト開始時からの経過時間
(TMST−TM)が所定時間YTMUP5に達したか
否かを判別し、TMST−TM≧YTMUP5であれ
ば、S41のステップに進んでGratioが変速後の
確立変速段のギア比を基準にして設定されるクラッチ連
結判断の下限値YG(N+1)L以上か否かを判別し、
TMST−TM<YTMUP5かGratio<YG
(N+1)LであればS36以下のステップに進み、底
上げモードでの制御を続行する。
【0085】Gratio≧YG(N+1)Lになる
と、S42のステップでMUPを「7,7」にセットし
た後、S43のステップに進んでQUPONCを前回値
に所定値△QUPONCを加算した値に設定し、次にS
44のステップでGratioが変速後の確立変速段の
ギア比を基準にして設定されるクラッチ連結判断の下限
値YG(N+1)Lと上限値YG(N+1)Hとの間に
入っているか否かを判別する。その判別結果が「NO」
であればS37以下のステップに進む。この場合、S4
3のステップでの演算でQUPONCが△QUPONC
宛増加するため、S38のステップで求められるQUP
ONも漸増し、ON圧の終了モードでの制御が開始され
る。
【0086】次回のアップシフト制御処理では、前回、
S42のステップでMUPが「7,7」にセットされて
いるため、S39のステップで「NO」と判定されてS
42以下のステップに進む。この場合、YG(N+1)
L≦Gratio≦YG(N+1)Hであれば、即ち、
連結側クラッチが連結完了状態であれば、S45のステ
ップに進んで連結完了状態の継続時間(TMSTB−T
M)が所定時間YTMUP6に達したか否かを判別す
る。TMSTB−TM<YTMUP6のうちはS38の
ステップに進んで終了モードでの制御を続行し、TMS
TB−TM≧YTMUP6になったときS13のステッ
プに進んでアップシフト完了処理を行う。
【0087】S10のステップでのQUPOFFの演算
処理の詳細は図9に示す通りであり、先ず、S10−1
のステップにおいてOFF圧の底下げモードでの値QU
POFFBをスロットル開度に応じた適正値に設定し、
次に、S10−2のステップでMUPのOFF側の値
(MUP(OFF))が「0」か否かを判別する。1回
目のアップシフト制御処理ではMUP(OFF)=0に
なっているから、S10−2のステップで「YES」と
判定されてS10−3のステップに進み、MUP(OF
F)=1にセットする。次に、S10−4のステップに
進み、OFF圧のイニシャル圧モードでの基準値QUP
OFFAをスロットル開度と流体トルクコンバータ2の
速度比とに応じた適正値に設定し、更に、S10−5の
ステップでOFF圧の減算モードでの値を演算する処理
を行う。この処理の詳細は図10に示す通りであり、先
ず、S10−5−1のステップでMUP(OFF)=1
か否かを判別し、MUP(OFF)=1であれば、S1
0−5−2のステップで減算値△QUPOFFとフィー
ドバック補正値QWPとを共に零にリセットし、MUP
(OFF)≠1であれば、S10−5−3のステップで
△QUPOFFを所定値にセットすると共に、変速前の
確立変速段のギア比を基準にして設定されるクラッチ連
結判断の下限値YG(N)Lより若干低く設定されるク
ラッチ滑り目標値YG(N)Sと現時点のGratio
との偏差から関数演算によってQWPを算定する。そし
て、S10−5−4のステップでQUPOFFAをS1
0−4のステップで設定されるQUPOFFAの値から
△QUPOFF−QWPを減算した値とする処理を行
い、最後にS10−5−5及びS10−5−6のステッ
プでの処理によりQUPOFFAがQUPOFFBを下
回らないようにする。
【0088】上記の如くしてS10−5のステップでの
処理が終ると、S10−6のステップでQUPOFFを
QUPOFFAとする処理を行い、1回目のアップシフ
ト制御処理におけるQUPOFFの演算処理を完了す
る。2回目のアップシフト制御処理では、前回、S10
−3のステップでMUP(OFF)=1にセットされて
いるため、S10−2のステップで「NO」と判定され
て、MUP(OFF)=1か否かを判別するS10−7
のステップに進み、ここで「YES」と判定される。こ
のときはS10−8のステップに進み、アップシフト開
始時からの経過時間(TMST−TM)が所定時間YT
MUP7に達したか否かを判別する。TMST−TM<
YTMUP7であれば、S10−3以下のステップに進
む。この場合、QUPOFFはS10−4のステップで
求められるQUPOFFAの値に等しくなり、イニシャ
ル圧モードでの制御が行われる。
【0089】TMST−TM≧YTMUP7になると、
S10−9のステップでMUP(OFF)=2にセット
してからS10−4以下のステップに進む。この場合、
QUPOFFはS10−4のステップでマップから求め
られるQUPOFFAから△QUPOFF−QWPを減
算した値になり、減算モードでの制御が開始される。次
回のアップシフト制御処理では、前回、S10−9のス
テップでMUP(OFF)=2にセットされているた
め、S10−7のステップで「NO」と判定されて、M
UP(OFF)=2か否かを判別するS10−10のス
テップに進み、ここで「YES」と判定されてS10−
9以下のステップに進み、減算モードでの制御が続行さ
れる。減算モードではQUPOFFが順に減少し、解放
側油圧クラッチが滑り始めてGratioがYG(N)
Lを下回るが、Gratio<YG(N)SになるとQ
WP>0になってQUPOFFAの減算幅が小さくな
り、Gratio=YG(N)Sになるようにフィード
バック制御される。
【0090】上記したS23やS32のステップでMU
Pが「3,3」にセットされると、S10−10のステ
ップで「NO」と判別され、MUP(OFF)=3か否
かを判別するS10−11のステップに進み、ここで
「YES」と判定される。このときはS10−12のス
テップでYTMUP8をセットしてからS10−13の
ステップに進み、連結側油圧クラッチの連結準備完了時
点からの経過時間(TMSTA−TM)がYTMUP8
に達したかを判別する。尚、YTMUP8は、車速の増
加に伴って短くなるように、車速Vをパラメータとする
テーブル値にセットされる。TMSTA−TM<YTM
UP8のうちはS10−4以下のステップに進んで減算
モードでの制御を続行し、TMSTA−TM≧YTMU
P8になったとき、S10−14のステップでMUP
(OFF)=4にセットしてからS10−15のステッ
プに進み、QUPOFFをQUPOFFBに設定して、
底下げモードでの制御を開始する。次回のアップシフト
制御処理では、前回、S10−14のステップでMUP
(OFF)=4にセットされているため、S10−11
のステップで「NO」と判定されて、MUP(OFF)
=4か否かを判別するS10−16のステップに進み、
ここで「YES」と判定されてS10−14以下のステ
ップに進み、底下げモードでの制御が続行される。
【0091】上記したS36のステップでMUPが
「5,5」にセットされると、S10−16のステップ
で「NO」と判定されて、MUP(OFF)=5か否か
を判別するS10−17のステップに進み、ここで「Y
ES」と判定される。このときはS10−18のステッ
プに進み、QUPOFFをQUPOFFBからGrat
ioに応じて漸減する値QUPOFFCに設定して、テ
ールモードでの制御を行う。そして、上記したS42の
ステップでMUPが「7,7」にセットされると、S1
0−17のステップで「NO」と判定され、S10−1
9のステップに進んでQUPOFFを零にする終了モー
ドでの制御を行う。
【0092】上記したアップシフト制御では、OFF圧
の減算モードでの制御により、GratioがYG
(N)SになるようにOFF圧がフィードバック制御さ
れて、解放側油圧クラッチに若干の滑りを生じ、この状
態でON圧の加算モードでの制御が行われるため、連結
側油圧クラッチの連結力に応じてGratioが敏感に
変化し、連結側油圧クラッチの連結準備の完了時点をG
ratioのYGCONOKへの上昇で検知できる。
尚、従来は、エンジンの吹上りを防止するため、解放側
油圧クラッチの滑りを生じないように、即ち、Grat
ioがYG(N)LとYG(N)Hとの間に収まるよう
にOFF圧を制御しつつON圧を漸増させ、解放側油圧
クラッチと連結側油圧クラッチとの共噛みによる入力軸
回転速度の低下でGratioがYG(N)Hを上回っ
たとき、変速状態がイナーシャ相に移行したと判断し
て、OFF圧を急減すると共にON圧を急増させるよう
にしているが、ON圧の漸増割合を大きくすると、イナ
ーシャ相移行時の連結側油圧クラッチの連結力が過大に
なってショックが発生するため、ON圧の漸増割合は左
程大きくすることができず、そのためイナーシャ相に移
行するまでに時間がかかり、変速に要する時間が長くな
る。これに対し、本実施形態では、連結側油圧クラッチ
の連結準備の完了を上記の如く検知し、連結準備の完了
時点からYTMUP8後にOFF圧を底下げモードへの
切換えで急減しているため、エンジンの吹上りを防止し
つつ変速状態を早期にイナーシャ相(Gratio>Y
G(N)Hの状態)に移行させて、変速に要する時間を
短縮することができる。更に、本実施形態では、ON圧
の加算モードでの漸増割合を連結準備完了時点から増加
させているため、イナーシャ相への移行が一層早められ
る。
【0093】ところで、車速が速くなると、遠心力の影
響で解放側油圧クラッチの油圧低下に遅れを生ずるが、
本実施形態ではYTMUP8を車速の増加に伴って短く
なるように設定しているため、高車速ではOFF圧の底
下げモードへの切換え時期が早められ、高車速での解放
側油圧クラッチの圧低下の遅れに起因した共噛みの増加
によるショックの発生が防止される。更に、本実施形態
では、イナーシャ相移行後の変速を促進するために、連
結側油圧クラッチの連結準備完了時点からYTMUP3
後にON圧を底上げモードへの切換えで急増させている
が、YTMUP3を車速の増加に伴って長くなるように
設定しているため、高車速での共噛みの増加によるショ
ックの発生は確実に防止される。
【0094】尚、OFF圧の減算モードでの制御が不調
であると、解放側油圧クラッチの滑りを生じないままO
N圧の上昇による共噛みでGratio>YG(N)H
になることがある。この場合は、イナーシャ相に移行し
たと判断して、OFF圧の制御モードとON圧の制御モ
ードとを夫々底下げモードと底上げモードとに直ちに切
換える。
【0095】FTIP=1になるマニアル変速時は、変
速時間を自動変速時よりも短縮することが望まれ、その
ため本実施形態ではマニアル変速時にON圧を昇圧補正
して変速時間を短縮するようにしている。更に、本実施
形態では、イナーシャ相移行前の応答圧モードと加算モ
ードでの昇圧補正値QUPONXを比較的大きく設定し
て、イナーシャ相に移行するまでの時間を短縮し、ま
た、イナーシャ相移行後の底上げモードでの昇圧補正値
QUPONYを比較的小さく設定して、ショックが大き
くなることを防止している。
【0096】尚、上記実施形態では、連結準備の完了時
点から所定時間YTMUP8経過後にOFF圧の制御モ
ードを底下げモードに切換えているが、油圧回路に、図
2に仮想線で示す如く、2速乃至4速の油圧クラッチC
2〜C4の油圧を検出する、油圧スイッチ等からなる油
圧検出手段261〜263を設ける場合は、これら検出手
段の出力信号を電子制御回路20に入力し、連結側油圧
クラッチの油圧の検出値が所定値を越えたときにOFF
圧の制御モードを底下げモードに切換えても良い。例え
ば、油圧検出手段261〜263を油圧が所定値を越えた
ときにオンする油圧スイッチで構成する場合、図9のS
10−13のステップにおいて、連結側油圧クラッチ用
の油圧スイッチがオンしているか否かを判別し、オンし
ていればS10−14のステップに進み、オフしていれ
ばS10−4のステップに進むようにする。
【0097】ダウンシフト制御は、図12に示す手順で
行われるもので、その詳細を、ダウンシフト時のON
圧、OFF圧、Gratioの夫々の変化を模式的に示
す図11を参照して説明する。ダウンシフト制御は、変
速段指定信号SHが現在確立されている変速段G(N)
より低速の変速段G(N−1)を指定する信号に切換え
られたときに開始される。ダウンシフト制御では、先
ず、S101のステップでMATを「A,B」にセット
する。MATがこのようにセットされると切換弁13が
現在位置とは異なる位置に切換えられる。次に、S10
2のステップでMDNのON側の値(MDN(ON))
が「0」か否かを判別する。MDNは当初「0,0」に
セットされているため、S102のステップで「YE
S」と判定され、S103のステップに進んでTMをT
MSTにセットすると共に、S104のステップでON
圧やOFF圧の演算に用いる各種値の初期設定を行う。
次に、後記詳述するS104′のステップを経てS10
5のステップに進んでMDN(ON)=1にセットし、
更に、S106のステップでON圧の応答圧モードでの
値QDNONAを車速とスロットル開度とに応じた適正
値に設定する。尚、QDNONAは経時的に減少する。
次に、S107のステップでON圧の指令値QDNON
をQDNONAに設定した後、S108のステップで後
記詳述するOFF圧の指令値QDNOFFの演算処理を
行い、その後でS109のステップに進み、第1と第2
の両電磁比例弁171,172のうち、今回の変速で連結
側油圧クラッチの油圧を制御する電磁比例弁の出力圧の
指令値をQDNONとし、解放側油圧クラッチの油圧を
制御する電磁比例弁の出力圧の指令値をQDNOFFと
する比例弁選択処理を行って、1回目のダウンシフト制
御処理を完了する。
【0098】次回のダウンシフト制御処理に際しては、
前回、S105のステップでMDN(ON)=1にセッ
トされているため、S102のステップで「NO」と判
定される。このときはS110のステップに進み、ダウ
ンシフト開始時からの経過時間(TMST−TM)が所
定時間YTMDN1に達したか否かを判別する。YTM
DN1は、ダウンシフトに要する通常の時間よりも若干
長く設定されており、TMST−TM≧YTMDN1に
なったときは、ダウンシフト制御が不調であると判断し
てS111のステップに進み、MATを「0,B」(3
速→2速のダウンシフト時)か「A,0」(3速→2速
以外のダウンシフト時)にセットし、更に、MDNを
「0,0」にリセットすると共に、TMを零にリセット
するダウンシフト完了処理を行う。この処理でMATが
「0,B」又は「A,0」にセットされると、第1、第
2シフト弁121,122の位置がダウンシフトを行う状
態に切換えられ、連結側油圧クラッチの油圧がライン
圧、解放側油圧クラッチの油圧が大気圧になる。
【0099】TMST−TM<YTMDN1であれば、
S112のステップに進んでMDN(ON)=1か否か
を判別する。2回目のダウンシフト制御処理ではMDN
(ON)=1であるから、S112のステップで「YE
S」と判定されてS113のステップに進み、Grat
ioが所定値YGDNSを上回っているか否かを判別す
る。Gratio>YGDNSであれば、S114のス
テップに進んでダウンシフト開始時からの経過時間(T
MST−TM)が所定時間YTMDN2に達したか否か
を判別し、TMST−TM<YTMDN2のときはS1
05以下のステップに進んで、ON圧の応答圧モードで
の制御を行う。
【0100】Gratio≦YGDNSかTMST−T
M≧YTMDN2になると、S115のステップに進ん
でMDN(ON)=2にセットしてからS116のステ
ップに進み、ON圧の低圧補正モードでの値QDNON
Bを車速とスロットル開度とに応じた適正値に設定し、
S117のステップでQDNONBをQDNONAから
上記の如く設定される値に徐々に変化させるなまし処理
を行い、次にS118のステップでQDNONをQDN
ONBに設定して、ON圧の低圧補正モードでの制御を
開始する。
【0101】次回のダウンシフト制御処理では、前回、
S115のステップでMDN(ON)=2にセットされ
ているため、S112のステップで「NO」と判定され
て、MDN(ON)=2か否かの判別を行うS119の
ステップに進み、ここで「YES」と判定される。この
ときはS120のステップに進み、GratioがYG
DNSを上回っているか否かを判別する。Gratio
>YGDNSであれば、S121のステップに進んでダ
ウンシフト開始時からの経過時間(TMST−TM)が
所定値YTMDN3に達したか否かを判別する。そし
て、TMST−TM<YTMDN3であれば、S115
以下のステップに進んで低圧補正モードでの制御を続行
する。
【0102】Gratio≦YGDNSになれば、S1
22のステップでMDNを「3,3」にセットした後に
S123のステップに進み、また、Gratio>YG
DNSのうちにTMST−TM≧YTMDN3になれば
S123のステップに直接進み、MDN(ON)=3に
セットする。次に、S124のステップでON圧のシン
クロモードでの基準値QDNONCを車速とスロットル
開度とに応じた適正値に設定し、S125のステップで
QDNONCをQDNONBから上記の値に徐々に変化
させるなまし処理を行う。次にS126のステップに進
み、ダウンシフト制御中に変速段指定信号SHが更に低
速の変速段G(N−2)を指定する信号に切換えられた
とき「1」にセットされるフラグFTBDの値を見る。
そして、FTBD=0のときはS127のステップに進
み、QDNONをQDNONCにQDNONDを加算し
た値に設定する。QDNONDは初期設定で零に設定さ
れており、QDNON=QDNONCとなってON圧の
シンクロモードでの制御が開始される。
【0103】次回のダウンシフト制御処理では、前回、
S123のステップでMDN(ON)=3にセットされ
ているため、S119のステップで「NO」と判定され
て、MDN(ON)=3か否かを判別するS128のス
テップに進み、ここで「YES」と判定される。このと
きはS129のステップに進み、ダウンシフト開始時か
らの経過時間(TMST−TM)が所定時間YTMDN
4に達したか否かを判別し、TMST−TM<YTMD
N4であればS123以下のステップに進み、シンクロ
モードでの制御を続行する。
【0104】TMST−TM≧YTMDN4になれば、
S130のステップに進んでGratioが変速後の確
立変速段のギア比を基準にして設定されるクラッチ連結
判断の上限値YG(N−1)H以下になったか否かを判
別し、Gratio≦YG(N−1)HになったときS
131のステップに進み、後記する如くGratio≦
YG(N−1)Hになった時点でのTMの値にセットさ
れるタイマ値TMSTCを用いて、Gratio≦YG
(N−1)Hになった時点からの経過時間(TMSTC
−TM)が所定時間YTMDN5に達したか否かを判別
する。そして、Gratio>YG(N−1)H又はT
MSTC−TM<YTMDN5のときはS123以下の
ステップに進んでシンクロモードでの制御を続行し、T
MSTC−TM≧YTMDN5になったとき、S132
のステップに進んでFTBD=1か否かを判別し、FT
BD=0であれば、S133のステップでMDN(O
N)=4にセットした後、S134のステップでQDN
ONCを車速とスロットル開度とに応じた適正値に設定
すると共に、S135のステップでQDNONDを前回
値に△QDNONDを加算した値に設定する。次に、S
136のステップでGratioが変速後の確立変速段
のギア比を基準にして設定されるクラッチ連結判断の上
限値YG(N−1)Hと下限値YG(N−1)Lとの間
に入っているか否かを判別し、その判別結果が「NO」
であれば、S137のステップでTMSTDをその時点
でのTMの値に設定してからS127のステップに進
む。この場合、S135の演算でQDNONDが△QD
NOND宛増加するため、S127のステップで求めら
れるQDNONも漸増し、ON圧の終了モードでの制御
が開始される。
【0105】次回のダウンシフト制御処理では、前回、
S133のステップでMDN(ON)=4にセットされ
ているため、S128のステップで「NO」と判定され
てS132以下のステップに直接進み、終了モードでの
制御を続行する。そして、S136のステップで「YE
S」と判定されたときにS138のステップに進み、G
ratioがYG(N−1)HとYG(N−1)Lとの
間に継続して入っている時間、即ち、連結側油圧クラッ
チの連結完了状態の継続時間(TMSTD−TM)が所
定時間YTMDN6に達したか否かを判別し、TMST
D−TM≧YTMDN6になったときS111のステッ
プに進み、ダウンシフト完了処理を行う。また、S12
6やS132のステップでFTBD=1と判別されたと
きは、S111のステップに直接進んでダウンシフト完
了処理を行う。尚、FTBDのセット処理は図27に示
す通りであり、1段低速の変速段G(N−1)へのダウ
ンシフト制御中にそれより更に低速の変速段G(N−
2)へのダウンシフト指令が出されたとき(S120
1,S1202)、FTBD=1にセットし(S120
3)、それ以外のときはFTBD=0にリセットする
(S1204)。
【0106】上記の制御によれば、Gratio≦YG
DNSになったときON圧がシンクロモードへの移行で
上昇するが、連結側油圧クラッチの実際の油圧(以下、
ONクラッチ圧と記す)が上昇するまでには応答遅れが
ある。この応答遅れは、遠心力の影響で、高車速では短
く、低車速では長くなる。そこで、図13(A)に示す
如く、低車速時の応答遅れaと高車速時の応答遅れbと
の差を考慮して、YGDNSを低車速時には比較的高
く、高車速時には比較的低く設定し、GratioがY
G(N−1)HとYG(N−1)Lとの間のシンクロ領
域に入った時点で、車速に係りなく、ONクラッチ圧が
クラッチの滑りを生じない所定圧に昇圧されるようにし
ている。また、エンジン温度が低いときは、アイドルア
ップによりエンジンの出力トルクが増大し、ダウンシフ
ト時のGratioの減少速度が図13(B)に示す如
く高温時より大きくなる。そこで、エンジン温度、即
ち、エンジンの冷却水温度TWを検出して、YGDNS
を低水温時には高水温時よりも高く設定し、低水温時に
もGratioがシンクロ領域に入った時点でONクラ
ッチ圧がクラッチの滑りを生じない所定圧に昇圧される
ようにしている。尚、ONクラッチ圧の昇圧応答遅れa
はエンジン温度に係りなく一定であるが、車速によるO
Nクラッチ圧の昇圧応答遅れの差に対処し得るよう、本
実施形態では、S104′のステップでYGDNSを車
速と冷却水温とをパラメータとして例えばマップから算
定している。
【0107】上記したS108のステップにおけるQD
NOFFの演算処理の詳細は図14に示す通りであり、
先ず、S108−1のステップでMDN(OFF)=0
か否かを判別する。1回目のダウンシフト制御処理では
MDNが「0,0」にセットされているため、S108
−1のステップで「YES」と判定されてS108−2
のステップに進み、OFF圧のイニシャル圧モードでの
初期値QDNOFFAを車速とスロットル開度とに応じ
た適正値に設定する。次に、S108−3のステップで
MDN(OFF)=1にセットすると共に、S108−
4のステップでその時点での流体トルクコンバータ2の
速度比etr(入力軸3の回転速度/エンジン回転速度)
をetrmとして記憶し、次いでS108−5のステッ
プに進み、流体トルクコンバータ2の滑りに起因したエ
ンジン回転速度の上昇によるダウンシフト開始時におけ
るエンジン回転速度の変速進行度合に応じた昇圧補正値
QDNOFFZを算定する。QDNOFFZは、スロッ
トル開度に応じた基準値QDNOFFZOにetrmを
パラメータとして関数演算により求められる変速進行度
係数Kを乗算して算定される。係数Kについては後記詳
述する。QDNOFFZを算定するとS108−6のス
テップに進み、OFF圧の低圧保持モードでの値QDN
OFFBをスロットル開度に応じた基準値QDNOFF
BOにQDNOFFZを加算した値に設定し、次にS1
08−7のステップでQDNOFFBをQDNOFFA
から上記の如く設定される値に徐々に減少させるなまし
処理を行った後、S108−8のステップでQDNOF
FをQDNOFFBに設定する。かくて、OFF圧をQ
DNOFFAから漸減するイニシャル圧モードでの制御
が開始される。
【0108】次回のダウンシフト制御処理では、前回、
S108−3のステップでMDN(OFF)=1にセッ
トされているため、S108−1のステップで「NO」
と判定されて、MDN(OFF)=1か否かを判別する
S108−9のステップに進み、ここで「YES」と判
定される。このときはS108−10のステップに進
み、Gratioが変速前の確立変速段のギア比を基準
にして設定されるクラッチ連結判断の下限値YG(N)
L以下になったか否かを判別し、Gratio>YG
(N)Lであれば、S108−11のステップでダウン
シフト開始時からの経過時間(TMST−TM)が所定
時間YTMDN7に達したか否かを判別し、TMST−
TM<YTMDN7のうちはS108−3以下のステッ
プに進んでイニシャル圧モードでの制御を続行する。そ
して、Gratio≦YG(N)LかTMST−TM≧
YTMDN7になったとき、S108−12のステップ
でMDN(OFF)=2にセットしてからS108−5
以下のステップに進み、OFF圧の低圧保持モードでの
制御が開始される。
【0109】次回のダウンシフト制御処理では、前回、
S108−12のステップでMDN(OFF)=2にセ
ットされているため、S108−9のステップで「N
O」と判定されて、MDN(OFF)=2か否かを判別
するS108−13のステップに進み、ここで「YE
S」と判定される。このときはS108−14のステッ
プに進み、Gratioが所定値YGDNT以下になっ
たか否かを判別し、Gratio>YGDNTであれ
ば、S108−15のステップでダウンシフト開始時か
らの経過時間(TMST−TM)が所定時間YTMDN
8に達したか否かを判別し、TMST−TM<YTMD
N8のうちはS108−12以下のステップに進んで低
圧保持モードでの制御を続行する。そして、Grati
o≦YGDNTかTMST−TM≧YTMDN8になっ
たとき、S108−16のステップでMDN(OFF)
=3にセットしてからS108−17のステップに進
み、OFF圧のテールモードでの値QDNOFFCをス
ロットル開度に応じた適正値に設定し、次にS108−
18のステップでQDNOFFをQDNOFFCに設定
し、OFF圧を低圧保持モードよりも低圧に保持するテ
ールモードでの制御を開始する。
【0110】次回のダウンシフト制御処理では、前回、
S108−16のステップでMDN(OFF)=3にセ
ットされているため、S108−13のステップで「N
O」と判定されて、MDN(OFF)=3か否かを判別
するS108−19のステップに進み、ここで「YE
S」と判定される。このときはS108−20のステッ
プに進み、ダウンシフト開始時からの経過時間(TMS
T−TM)が所定時間YTMDN4に達したか否かを判
別し、TMST−TM≧YTMDN4であればS108
−21のステップに進んでGratioがYG(N−
1)H以下になったか否かを判別し、TMST−TM<
YTMDN4かGratio>YG(N−1)Hのとき
はS108−16以下のステップに進んでテールモード
での制御を続行する。そして、TMST−TM≧YTM
DN4で、且つ、Gratio≦YG(N−1)Hにな
ったときS108−22のステップに進み、その時点で
のTMの値を上記S131のステップの計時処理に用い
るTMSTCにセットする。次に、S108−23のス
テップでMDN(OFF)=4にセットすると共に、S
108−24のステップでOFF圧の終了モードでの値
QDNOFFDをQDNOFFCから徐々に減少する値
に設定し、S108−25のステップでQDNOFFを
QDNOFFDに設定して、OFF圧の終了モードでの
制御を行う。
【0111】上記変速進行度係数Kは、流体トルクコン
バータ2の速度比etrが基準値Yetrに保持された
ままダウンシフトが行われたときのエンジン回転速度の
変化量に対するダウンシフト開始時点での流体トルクコ
ンバータ2の滑りによるエンジン回転速度の上昇量の比
を表わす。ここで、ダウンシフト前の確立変速段のギア
比(Nin/Nout)をYG(N)、ダウンシフト後
の確立変速段のギア比をYG(N−1)とすると、et
r=Yetrのままダウンシフトが行われた場合、ダウ
ンシフト前のエンジン回転速度NeG(N)とダウンシ
フト後のエンジン回転速度NeG(N−1)とは、変速
機の出力軸7の回転速度をNout(一定)として、 NeG(N)=Nout・YG(N)/Yetr …(1) NeG(N−1)=Nout・YG(N−1)/Yetr …(2) になる。ダウンシフト開始時の実際のetrをetrm
とすると、その時点でのエンジン回転速度Neは、 Ne=Nout・YG(N)/etrm …(3) になる。変速進行度係数Kは、 K=(Ne−NeG(N))/(NeG(N−1)−NeG(N))…(4) で表わされ、(4)式に(1),(2),(3)式を代入してまとめ
ると、 K={(Yetr/etrm−1)}/{(YG(N−1)/YG(N))−1} …(5) になる。
【0112】アクセルペダルをゆっくり踏込んだ場合、
車速が変化しないと流体トルクコンバータ2の滑りでエ
ンジン回転速度のみが増加し、ダウンシフト開始時点で
エンジン回転速度がNeG(N)より上昇することがあ
る。この場合は、ダウンシフト開始後に解放側油圧クラ
ッチの滑りを生じたとき入力軸3の回転速度が予め上昇
しているエンジン回転速度に近づくように急増し、Gr
atioの減少速度が大きくなり、ONクラッチ圧が充
分に昇圧しないうちにGratioがシンクロ領域に入
り、シンクロ時点で連結側油圧クラッチを連結させるこ
とができなくなる。そこで、本実施形態では、etrm
をパラメータとして(5)式から求められる変速進行度係
数Kを用いて昇圧補正値QDNOFFZを演算し、その
分だけQDNOFFBを加算し、解放側油圧クラッチの
連結力によりGratioの減少を抑え、シンクロ時点
で連結側油圧クラッチが充分に連結するようにしている
のである。尚、変速完了時点でのetrはエンジン運転
状態に応じて微妙に変化するため、上記(5)式に代入す
るYetrの値をエンジン運転状態に応じて持替えるこ
とが望ましい。
【0113】また、本実施形態では、G(N)からG
(N−1)へのダウンシフト制御中に変速段指定信号S
Hが更に低速の変速段G(N−2)を指定する信号に切
換えられてFTBD=1にセットされると、ON圧の低
圧補正モードでの制御が終了したとき(ON圧のシンク
ロモードでの制御中にFTBD=1にセットされた場合
はシンクロモードでの制御が終了したとき)、ダウンシ
フト完了処理が行われて、G(N−1)からG(N−
2)へのダウンシフト制御が開始される。このようにし
てG(N)からG(N−1)へのダウンシフト制御が早
期に完了されるため、G(N)からG(N−2)へのダ
ウンシフトに要する時間が短縮され、ドライバビリティ
が向上する。
【0114】ところで、G(N)からG(N−1)への
ダウンシフト制御中に変速段指定信号SHがG(N)を
指定する信号に切換えられたり、G(N)からG(N+
1)へのアップシフト制御中に変速段指定信号SHがG
(N)を指定する信号に切換えられることがある。この
ような場合、第1、第2シフト弁121,122や切換弁
13の位置を切換えなくても、変速に関与する油圧クラ
ッチの油圧を第1、第2電磁比例弁171,172で制御
できる。そこで、G(N)からG(N−1)へのダウン
シフト制御中に変速段指定信号SHがG(N)を指定す
る信号に切換えられたときは、ダウンシフト制御を途中
で中止してG(N−1)からG(N)へのアップシフト
制御に切換える乗換えアップシフトを行い、G(N)か
らG(N+1)へのアップシフト制御中に変速段指定信
号SHがG(N)を指定する信号に切換えられたとき
は、アップシフト制御を途中で中止してG(N+1)か
らG(N)へのダウンシフト制御に切換える乗換えダウ
ンシフトを行うようにしている。
【0115】乗換えアップシフト制御の詳細は図16に
示す通りであり、ON圧、OFF圧、Gratioの夫
々の変化を模式的に示す図15を参照して説明する。先
ず、S201のステップでMUPを「4,4」にセット
すると共にMDNを「0,0」にリセットした後、S2
02のステップでTMをTMSTにセットし、次にS2
03のステップでアップシフト開始時からの経過時間
(TMST−TM)が所定時間YTMUP1に達したか
否かを判別し、TMST−TM≧YTMUP1になれば
S204のステップに進んでアップシフト完了処理を行
う。この処理の内容は図7に示したS13のステップで
の処理と同一である。
【0116】TMST−TM<YTMUP1であれば、
S205のステップでアップシフトにおけるON圧の底
上げモードでの値QUPONBを算定し、次にS206
のステップでMUP(ON)=4か否かを判別する。1
回目の処理ではS206のステップで「YES」と判定
されてS207のステップに進み、GratioがYG
UPT以上になったか否かを判別する。Gratio<
YGUPTであれば、S208のステップでQUPON
Bを直前のダウンシフト制御でのQDNOFFの最終値
からS205のステップで求めたQUPONBの値に徐
々に変化させるなまし処理を行い、S209のステップ
でQUPONをQUPONBに設定した後、S210の
ステップでQUPOFFの演算処理を行い、次にS21
1のステップで比例弁選択処理を行う。QUPOFFの
演算処理は、図9のS10−16〜S10−19のステ
ップでの処理と同様に行われる。比例弁選択処理は図7
のS11のステップでの処理と同一である。
【0117】Gratio≧YGUPTになると、S2
12のステップでMUPを「5,5」にセットすると共
に、S213のステップでTMSTBをその時点でのT
Mの値にセットし、次にS214のステップでQUPO
NをQUPONBにQUPONCを加算した値に設定す
る。QUPONCの初期値は零であり、QUPON=Q
UPONBとなってON圧の底上げモードでの制御が行
われる。
【0118】次回の処理では、前回、S212のステッ
プでMUPが「5,5」にセットされているため、S2
06のステップで「NO」と判定されて、MUP(O
N)=5か否かを判別するS215のステップに進み、
ここで「YES」と判定される。このときはS216の
ステップでGratioがYG(N)L以上になったか
否かを判別し、Gratio<YG(N)LのうちはS
212以下のステップに進んでON圧の底上げモードで
の制御を続行する。Gratio≧YG(N)Lになっ
たときはS217のステップでMUPを「7,7」にセ
ットしてS218以下のステップに進む。従って、次回
の処理ではS215のステップで「NO」と判定されて
S217のステップに直接進む。S218のステップで
はQUPONCをその前回値に△QUPONCを加算し
た値に設定する処理が行われる。次にS219のステッ
プでGratioがYG(N)LとYG(N)Hとの間
に入っているか否かを判別し、その判別結果が「NO」
であればS213以下のステップに進む。この場合、S
218のステップでの演算でQUPONCが△QUPO
NC宛増加するため、S214のステップで求められる
QUPONも漸増し、ON圧の終了モードでの制御が行
われる。YG(N)L≦Gratio≦YG(N)Hで
あれば、即ち、連結側油圧クラッチが連結完了状態であ
れば、S220のステップで連結完了状態の継続時間
(TMSTB−TM)が所定時間YTMUP6に達した
か否かを判別し、TMSTB−TM≧YTMUP6にな
ったときS204のステップに進んでアップシフト完了
処理を行う。
【0119】乗換えダウンシフトの詳細は図18に示す
通りであり、ON圧、OFF圧、Gratioの夫々の
変化を模式的に示す図17を参照して説明する。先ず、
S301のステップでMUPを「0,0」にリセットす
ると共にMDNを「2,2」にセットした後、S302
のステップでTMをTMSTにセットし、次にS303
のステップでダウンシフト開始時からの経過時間(TM
ST−TM)が所定時間YTMDN1に達したか否かを
判別し、TMST−TM≧YTMDN1になればS30
4のステップに進んでダウンシフト完了処理を行う。こ
の処理の内容は図12に示したS111のステップでの
処理と同一である。
【0120】TMST−TM<YTMDN1であれば、
S305のステップでMDN(ON)=2か否かを判別
する。1回目の処理ではS305のステップで「YE
S」と判定されてS306のステップに進み、Grat
ioがYGDNSを上回っているか否かを判別し、Gr
atio>YGDNSであればS307のステップでQ
DNONBを算定し、S308のステップでQDNON
Bを直前のアップシフト制御でのQUPOFFの最終値
からS307のステップで求めたQDNONBの値に徐
々に変化させるなまし処理を行い、S309のステップ
でQDNONをQDNONBに設定した後、S310の
ステップでQDNOFFの演算処理を行い、次にS31
1のステップで比例弁選択処理を行う。これによりON
圧の低圧補正モードでの制御が行われる。尚、QDNO
FFの演算処理は、図14のS108−15とS108
−20のステップを省略した形態でのS108−13以
下のステップと同様に行われる。比例弁選択処理は図1
2のS109のステップでの処理と同一である。
【0121】Gratio≦YGDNSになると、S3
12のステップでMDNを「3,3」にセットした後、
S313のステップでQDNONCを算定し、S314
のステップでQDNONCをQDNONBの最終値から
S312のステップで求めた値に徐々に変化させるなま
し処理を行い、次にS315のステップでQDNONを
QDNONCにQDNONDを加算した値に設定する。
QDNONDの初期値は零であり、QDNON=QDN
ONCとなってON圧のシンクロモードでの制御が開始
される。
【0122】次回の処理では、前回、S312のステッ
プでMDNが「3,3」にセットされているため、S3
05のステップで「NO」と判定されて、MDN(O
N)=3か否かを判別するS316のステップに進み、
ここで「YES」と判定される。このときはS317の
ステップでGratioがYG(N)H以下になったか
否かを判別し、Gratio≦YG(N)HであればS
318のステップに進み、Gratio≦YG(N)H
になった時点からの経過時間(TMSTC−TM)が所
定時間YTMDN5に達したか否かを判別し、Grat
io>YG(N)HかTMSTC−TM<YTMDN5
のときはS313以下のステップに進んでシンクロモー
ドでの制御を続行する。
【0123】TMSTC−TM≧YTMDN5になると
S319のステップでMDN(ON)=4にセットし、
次にS320のステップでQDNONCを算定すると共
に、S321のステップでQDNONDをその前回値に
△QDNONDを加算した値に設定した後、S322の
ステップでGratioがYG(N)LとYG(N)H
との間に入っているか否かを判別する。その判別結果が
「NO」であればS323のステップでTMSTDをそ
の時点でのTMの値にセットしてからS315のステッ
プに進む。この場合、S321のステップでの演算でQ
DNONDが△QDNOND宛増加するため、S315
のステップで求められるQDNONも漸増し、ON圧の
終了モードでの制御が行われる。S322のステップで
「YES」と判定されると、S324のステップで連結
側油圧クラッチの連結完了状態の継続時間(TMSTD
−TM)が所定時間YTMDN6に達したか判別し、T
MSTD−TM≧YTMDN6になったときS304の
ステップに進んでダウンシフト完了処理を行う。
【0124】以上の通り、乗換えアップシフト制御や乗
換えダウンシフト制御において変速開始時点からの経過
時間(TMST−TM)に基づく判別を行うのは変速時
間が異常判別の基準となるYTMUP1,YTMDN1
に達したか否かの判別を行うときだけである。これは、
乗換え変速が直前の変速の途中で開始されて、変速開始
時点からの経過時間では変速の進行状態を判断すること
ができなくなるためである。そのため、変速の進行状態
はGratioでのみ判断せざるを得なくなる。そし
て、センサの故障等でGratioを正確に検出できな
くなると、変速の進行状態に応じてON圧やOFF圧を
適切に制御することが不可能になる。そこで、Grat
ioを正確に検出できなくなったときに「1」にセット
されるフラグFGFAILを用い、FGFAIL=1の
ときは乗換え変速を禁止するようにしている。また、
「D4」「D3」等の前進レンジでは、車速とスロットル
開度とをパラメータとして設定される変速マップに従っ
て変速を行っているが、車速センサ22は対地速度では
なく車輪の回転速度に基づいて車速を検出しており、そ
のため低μ路等でのブレーキングによりタイヤロックを
生じた場合、実際の車速は殆んど変わらないのに車速セ
ンサ22で検出される車速Vは零近くまで低下し、変速
マップに従ってダウンシフトが行われ、タイヤのグリッ
プ回復後車速に応じてアップシフトが行われ、無駄な変
速を生ずる。また、レバー操作で1段宛の変速を行うマ
ニアル変速状態では、停車後に1速段で再発進できるよ
うに車速が極く低速になると1速段に自動的にダウンシ
フトされ、その後のレバー操作でアップシフトが行われ
るようになっている。そのため、タイヤロックを生じて
1速段にダウンシフトされると、タイヤのグリップ回復
後も1速段が確立されたままになり、運転者に車速に適
合した変速段へのアップシフト操作を強いることにな
る。このような不具合を解消するため、車速センサ22
で検出される車速がタイヤロックによって急減速された
ときに、即ち、車速が所定値以上の減速度で低下したと
きに、所定時間「1」にセットされるフラグFLOCK
を用い、FLOCK=1のときはダウンシフトを禁止す
るようにしている。
【0125】図19はFGFAILとFLOCKとを用
いたシフト選択処理を示している。この処理では、先
ず、S401のステップで変速段指定信号SHにより指
定される変速段G(SH)がそれまで指定されていた変
速段G(SHO)と同じであるか否かを判別し、G(S
H)≠G(SHO)のときはS402のステップでG
(SH)がG(SHO)より高速段であるか否かを判別
し、G(SH)>G(SHO)であればS403のステ
ップでアップシフトフラグFUPを「1」にセットし、
G(SH)<G(SHO)であればS404のステップ
でFLOCK=1か否かを判別し、FLOCK=0のと
きS405のステップでFUPを「0」にリセットす
る。次に、S406のステップでMATが「A,B」に
セットされているか否か、即ち、変速制御中か否かを判
別し、MAT=A,BであればS407のステップで乗
換え変速フラグFCSを「1」にセットし、MAT≠
A,BであればS408のステップでFCSを「0」に
リセットする。そして、S409のステップでFCS=
1か否かを判別し、FCS=0であればS410のステ
ップでFUP=1か否かを判別し、FUP=1のときは
S411のステップに進んでアップシフト制御を行い、
FUP=0のときはS412のステップに進んでダウン
シフト制御を行う。FCS=1のときは、S413のス
テップでFGFAIL=1か否かを判別し、FGFAI
L=0であればS414のステップでFUP=1か否か
を判別して、FUP=1であればS415のステップで
乗換えアップシフト制御を行い、FUP=0であればS
416のステップで乗換えダウンシフト制御を行う。そ
して、FGFAIL=1のときはそのまま処理を終了し
て乗換え変速を禁止し、S404のステップでFLOC
K=1と判別されたときもそのまま処理を終了してダウ
ンシフトを禁止する。尚、FLOCKは所定時間後に
「0」にリセットされるから、ダウンシフトが禁止され
るのはタイヤロックを生じてから所定時間の間であり、
その後は停車に備えてダウンシフトを許可する。
【0126】FGFAILのセット処理には、非変速時
にGratioがその時点で確立されている変速段G
(N)のギア比を基準に設定されるクラッチ連結判断の
下限値YG(N)Lと上限値YG(N)Hとの間に入っ
ている時間を計数したタイマ値TMG(N)を用いる。
TMG(N)は各変速段毎に用意されており、図20
(A)に示す如く、先ず、S1100のステップでMA
Tが「A,0」又は「0,B」にセットされているか否
か、即ち、非変速時であるか否かを判別し、非変速時で
あればS1101のステップでGratioが1速段用
の上下限値YG(1)L,YG(1)H間の範囲に入っ
ているか否かを判別し、この範囲に入っているときはS
1102のステップで1速段用のタイマ値TMG(1)
を加算し、この範囲から外れたときはS1103のステ
ップでTMG(1)を減算する。そして、同様の処理を
S1104,S1105,S1106のステップで2速
段、S1107,S1108,S1109のステップで
3速段、S1110,S1111,S1112のステッ
プで4速段、S1113,S1114,S1115のス
テップで後進段について実行し、2速段用乃至後進段用
のタイマ値TMG(2)、TMG(3)、TMG
(4)、TMG(R)の加減算を行う。従って、これら
各変速段用のタイマ値TMG(1)〜TMG(R)は、
Gratioが対応する上下限値YG(1)L、YG
(1)H〜YG(R)L、YG(R)H間の範囲に入っ
ている時間の累積時間とこの範囲外になった時間の累積
時間との差になる。Gratioの検出が正確であれ
ば、乗換え変速の直前の変速前に確立されていた変速段
G(N)用のタイマ値TMG(N)は充分大きな値にな
る。そこで、図20(B)に示す如く、S1116のス
テップでTMG(N)と所定のしきい値YTMGとを比
較し、TMG(N)>YTMGのときにS1117のス
テップでFGFAIL=0、TMG(N)≦YTMGの
ときにS1118のステップでFGFAIL=1にセッ
トしている。
【0127】FLOCKは、図21(A)に示すよう
に、車速センサ22で検出される車速Vが比較的高く設
定した第1の所定車速YVH(例えば40km/h)か
ら比較的低く設定した第2の所定車速YVL(例えば1
0km/h)に減少するまでの時間tを計測し、この時
間tが所定値以下になったときに所定時間の間「1」に
セットされる。この所定値は、例えば、(YVH−YV
L)/tが1G(重力加速度)程度になるように設定す
る。FLOCKのセット処理の詳細は、図21(B)に
示す通りであり、先ずS1001のステップで車速Vが
YVHを下回ったか否かを判別し、V≧YVHであれば
S1002のステップに進み、上記変速制御用のタイマ
とは別の演算式タイマの残り時間tmを初期値tmst
にセットし、次にS1003のステップでFLOCK=
0にリセットする。V<YVHであれば、S1004の
ステップで車速VがYVLを下回ったか否かを判別し、
V≧YVLであればS1003のステップに進む。そし
て、V<YVLになったとき、FLOCK=1か否かを
判別するS1005のステップに進み、FLOCK=0
であればS1006のステップで車速VがYVHからY
VLに低下するまでにかかった時間t(tmst−t
m)が所定時間Ytmlock以下になったか否かを判
別する。tmst−tm≦Ytmlockであれば、S
1007のステップでtmが零になったか否か(V<Y
VHになってからtmstが経過したか否か)を判別
し、tm≠0であればS1008のステップでFLOC
K=1にセットする。次回からはV<VHLである限
り、S1005のステップからS1008のステップに
進み、tm=0になるまでの所定時間(tmst−Yt
mlock)FLOCK=1に保持される。尚、この所
定時間は、停車を意図しない一時的なブレーキングを行
う場合のブレーキング時間より若干長く設定されるもの
で、例えば10秒程度に設定される。
【0128】インギア制御の詳細は図23に示す通りで
あり、これをインギア時のON圧とGratioの変化
を模式的に示す図22を参照して説明する。インギア制
御では、先ず、S501のステップでMATが「2,
0」「4,0」「6,0」の何れかにセットされている
か否かを判別する。1回目の処理では、S501のステ
ップで「NO」と判定され、S502のステップでTM
をTMSTにセットすると共に、S503のステップで
ON圧の応答圧モードでの値QINGAをスロットル開
度に応じた適正値に設定する。尚、QINGAは経時的
に減少する。次に、S504のステップでMATを
「2,0」にセットした後、S505のステップでイン
ギア制御でのON圧の指令値QINGをQINGAに設
定し、次にS506のステップに進み、第1、第2電磁
比例弁171,172のうちインギア時に連結させる油圧
クラッチの油圧を制御する一方の電磁比例弁の出力圧の
指令値をQINGとし、他方の電磁比例弁の出力圧の指
令値を大気圧とする比例弁選択処理を行う。
【0129】次回の処理では、前回、S504のステッ
プでMATが「2,0」にセットされているため、S5
01のステップで「YES」と判定されてS507のス
テップに進み、インギア開始時点からの経過時間(TM
ST−TM)が異常判断のリミット値YTMING1に
達したか否かを判別し、TMST−TM≧YTMING
1になったときはS508のステップに進み、MATを
「A,0」(1速段、3速段、後進段へのインギア時)
か「0,B」(2速段へのインギア時)にセットすると
共にTMを零にリセットするインギア完了処理を行う。
TMST−TM<YTMING1であれば、MATが
「2,0」にセットされているか否かを判別するS50
9のステップに進み、ここで「YES」と判定される。
このときはS510のステップに進み、インギア開始時
点からの経過時間が所定時間YTMING2に達したか
否かを判別し、TMST−TM<YTMING2のうち
はS503以下のステップに進んで応答圧モードでの制
御が行われる。
【0130】TMST−TM≧YTMING2になる
と、S511のステップに進んでMATを「4,0」に
セットし、次にS512のステップでGratioが所
定値YGINGS以上になったか否かを判別する。Gr
atio<YGINGSのときは、S513のステップ
でフラグFINGを「1」にセットすると共にS514
のステップでその時点でのTMの値をTMDとして記憶
し、次にS515のステップで△QINGXを比較的大
きな値にセットする。油圧クラッチが連結し始めてGr
atio≧YGINGSになればS516のステップで
FING=1か否かを判別し、FING=0であればS
515のステップに進み、FING=1であればS51
7のステップに進み、インギア開始時点からGrati
o≧YGINGSになるまでに要した時間(TMST−
TMD)が所定時間YTMING3以上になったか否か
を判別する。そして、TMST−TMD<YTMING
3であればS518のステップで△QINGXを比較的
小さな値にセットし、TMST−TMD≧YTMING
3であればS519のステップで△QINGXを中程度
の値にセットする。このようにして△QINGXをセッ
トすると、S520のステップに進んでQINGXをそ
の前回値に△QINGXを加算した値に設定し、次にS
521のステップでON圧の加算モードでの値QING
BをQINGAの最終値にQINGXを加算した値に設
定し、S522のステップでQINGをQINGBに設
定する。次回の処理では、前回、S511のステップで
MATが「4,0」にセットされているため、S509
のステップで「NO」と判定されて、MATが「4,
0」にセットされているか否かを判別するS523のス
テップに進み、ここで「YES」と判定される。このと
きはS524のステップに進み、Gratioがインギ
ア時に確立される変速段のギア比を基準にして設定され
るクラッチ連結判断の下限値YG(N)L以上になった
か否かを判別する。Gratio<YG(N)Lのうち
はS511以下のステップに進み、加算モードでの制御
が行われる。
【0131】Gratio≧YG(N)Lになったとき
はS525のステップに進んでMATを「6,0」にセ
ットする。次回からはS523のステップで「NO」と
判定されてS525のステップに直接進む。次に、S5
26のステップに進んでGratio≧YG(N)Lか
否かを判別し、Gratio<YG(N)Lであれば、
S527のステップでその時点でのTMの値をTMST
Eとして記憶してS528のステップに進み、Grat
io≧YG(N)Lであれば直接S528のステップに
進む。S528のステップでは、QINGCをその前回
値に△QINGCを加算した値に設定する。次に、S5
29のステップに進んでGratio≧YG(N)Lの
状態、即ち、クラッチの連結完了状態の継続時間(TM
STE−TM)が所定時間YTMING4に達したか否
かを判別する。そして、TMSTE−TM<YTMIN
G4のうちはS530のステップに進み、QINGをQ
INGBの最終値にQINGCを加算した値に設定し
て、ON圧の終了モードでの制御を行い、TMSTE−
TM≧YTMING4になったときS508のステップ
に進んでインギア完了処理を行う。
【0132】上記の制御によれば、加算モードにおいて
Gratio≧YGINGSになるまでは、△QING
Xが大きな値にセットされるためON圧の昇圧速度が大
きくなり、その後はON圧の昇圧速度が小さくなる。従
って、インギア時のタイムラグを短縮して、且つ、イン
ギアショックの発生を防止することができる。また、高
温等の油圧が低下し易い条件下では、クラッチの連結開
始までに時間がかかる。このような条件下では、Gra
tio≧YGINGSになってからのON圧の昇圧速度
を小さくすると、クラッチの連結完了までに時間がかか
り、タイムラグが大きくなる。これに対し、本実施形態
では、クラッチの連結開始までに時間がかかると、TM
ST−TMD≧YTMING3になって、△QINGX
が中程度の値にセットされるため、Gratio≧YG
INGSになってからもON圧の昇圧速度は左程低下せ
ず、タイムラグを短縮できる。
【0133】また、「R」レンジでの後進走行中に「D
4」等の前進レンジに切換えると、GratioがYG
INGSを上回ったままになることがある。その理由は
以下の通りである。GratioはNout/Ninで
求めるが、停車中は出力軸7の回転速度が零であって、
出力軸回転速度をそのままNoutにすると、インギア
時にエンジン回転速度の低下でNinが低下しても、G
ratioは零のままになる。そこで、出力軸回転速度
に所定の嵩上げ値を加算した値にNoutを設定し、N
inの低下でGratioが増加するようにしている。
「R」レンジから前進レンジに切換えると、出力軸7は
逆転状態から正転状態に切換えられ、その途中で出力軸
回転速度は一旦零になるが、Noutを上記の如く嵩上
げしている関係でGratio≧YGINGSのままに
なることがある。「R」レンジから前進レンジへの切換
時は、ON圧の昇圧を早くして出力軸7を早期に正転状
態に切換えることが望まれる。本実施形態においては、
Gratio≧YGINGSのままであるとFING=
0になって、△QINGXが大きな値に保持され、上記
の要望に適合する。
【0134】また、「R」レンジでの高速走行中に「D
4」等の前進レンジに切換えた場合、変速マップに従っ
て高車速に適合する高速段が確立されると、出力軸7へ
の伝達トルクが小さくなるため、出力軸7の回転方向が
切換わるまでに時間がかかり、その間クラッチが滑り続
けて耐久性が悪化する。この場合、車輪の回転方向を判
別可能な車速センサを設ける等して、車両の走行方向が
前進か後進かを判別し、前進レンジで後進中と判別され
たときには、通常よりも低速の変速段を確立することに
より、上記の不具合を解消することができる。図24は
そのための制御を示しており、S601のステップで前
進レンジであると判別されると、S602のステップで
後進中か否かを判別し、その判別結果が「NO」であれ
ばS603のステップで変速マップとして通常の変速マ
ップを選択し、後進中であれば変速マップとして後進対
策用の変速マップを選択する。後進対策用変速マップ
は、例えば、通常マップでは3速段や2速段が確立され
る車速において夫々2速段や1速段を確立するように設
定される。
【0135】尚、回転方向の判別機能付車速センサとい
った前後進検出手段を設けるとコストが高くなるため、
特別のセンサを用いずに、以下の如き制御を行って、
「R」レンジから前進レンジへの切換時における変速マ
ップの選択を行うようにしても良い。この制御には、
「R」レンジで車速が所定値を上回り、「N」レンジで
車速が一度も所定値を下回らないときに「1」にセット
維持されるフラグFREVを用いて行う。その詳細は、
図25(A)に示す通りであり、S701のステップで
前進レンジであると判別されると、S702のステップ
でFREV=1か否かを判別し、FREV=0であれば
S703のステップで変速マップとして通常の変速マッ
プを選択する。FREV=1であれば、S704のステ
ップで変速マップとして上記と同様の後進対策用変速マ
ップを選択する。そして、S705のステップでMAT
が「2,0」「4,0」「6,0」の何れかにセットさ
れているか否かを判別し、その判別結果が「NO」にな
ったとき、即ち、インギア制御が完了したとき、S70
6のステップでFREVを「0」にリセットし、次回か
らは通常の変速マップを選択する。FREVのセット処
理の詳細は、図25(B)に示す通りであり、S801
のステップで「R」レンジと判別されたとき、S802
のステップで後進用変速段GRが確立されているか否か
を判別し、確立されていればS803のステップで車速
Vが所定値YVa(例えば10km/h)を上回ってい
るか否かを判別し、V>YVaのときにS804のステ
ップでFREVを「1」にセットする。そして、S80
5のステップで「N」レンジと判別されたとき、S80
6のステップで車速Vが所定値YVaを下回ったか否か
を判別し、V<YVaになったときにS807のステッ
プでFREVを「0」にリセットする。これによれば、
「R」レンジでV>YVaになってFREVが「1」に
セットされると、「N」レンジでV<YVaにならない
限りFREV=1のままになる。そのため、「R」レン
ジから「N」レンジを経て前進レンジに切換えられた場
合、FREV=1であれば後進中と判断できる。従っ
て、前進レンジでの後進中は後進対策用変速マップが選
択されることになり、後進状態から前進状態への切換え
を早くしてクラッチの耐久性を向上させることができ
る。尚、前進レンジから「R」レンジへの切換時、上記
の如く、車速が所定値以下に低下したところで後進用変
速段GRを確立するようにした場合、「R」レンジにお
いてV>YVaであるといっても後進中とは即断できな
い。そのため、本実施形態では、「R」レンジにおいて
後進用変速段GRが確立されている状態でV>YVaに
なったときにのみFREV=1にセットし、後進レンジ
で後進用変速段GRが確立されなかったときにはFRE
V=1にセットされないようにし、誤判断を防止してい
る。
【0136】ところで、走行中に電圧低下で電子制御回
路(ECU)20が一時的にダウンすることがあり、電
圧が上ったところでECU20は初期化動作を行い再起
動する。ECU20のダウン中は全ての電磁弁への通電
が停止され、第1、第2シフト弁121,122及び切換
弁13が左方位置に切換って4速段が確立される。ま
た、ECU20が再起動されても、ECU20の初期化
中は、車速やスロットル開度等のパラメータの値を読み
取ることができないため変速マップに従った変速段を指
定できず、そこで従来は、初期化中は高速段を確立し
(高速走行中の低速段の確立によるエンジンの過回転を
防止するため)、初期化終了後に変速マップに従った変
速段に変速するようにしている。この方式では、低速段
での走行中にECU20がダウンすると、初期化終了ま
での高速段の確立でエンジン回転速度が低下し、初期化
終了後の低速段へのダウンシフト時にエンジン回転速度
を大幅に上昇させることが必要になり、ダウンシフトに
時間がかかって、駆動力回復が遅れる。
【0137】ここで、本実施形態の油圧回路は、マニア
ル弁11が「R」「D4」「D3」「2」「1」といった
走行レンジ位置に切換えられているときでも、変速機を
ニュートラル状態にできるように構成されている。即
ち、第1、第2シフト弁121,122と切換弁13とを
変速時の状態として、第1、第2電磁比例弁171,1
2の出力圧を共に大気圧とすれば、何れの油圧クラッ
チC1〜C4の油圧も大気圧となり、変速機がニュート
ラル状態になる。そこで、ECU20が起動されたと
き、図26に示す如く、S901のステップで初期化が
終了したか否かを判別し、初期化中はS902のステッ
プでニュートラル信号を出力すると共に、S903のス
テップでフラグFINTを「1」にセットする。ニュー
トラル信号は、第1、第2シフト弁121,122と切換
弁13とを変速時の状態、例えば、第1、第2シフト弁
121,122を左方位置、切換弁13を右方位置とする
3速⇔4速の変速時の状態にすると共に、第1、第2両
電磁比例弁171,172の出力圧を大気圧にする信号で
あり、変速機はニュートラル状態になる。初期化が終了
するとS904のステップに進んでFINT=1か否か
を判別する。初期化終了直後はFINT=1であるから
S904のステップで「YES」と判定される。このと
きはS905のステップに進んで走行レンジか否かを判
別する。走行レンジでないとき、即ち、「N」又は
「P」レンジであれば、S906のステップでFINT
を「0」にリセットしてからS907のステップに進み
通常の制御を行う。キースイッチオンによるECU20
の起動に際しての処理はこのルートで行われる。走行レ
ンジであるときは、S908のステップに進んで変速マ
ップに従った変速段を確立するインギア制御を開始し、
次にS909のステップでMATが「2,0」「4,
0」「6,0」の何れかにセットされているか否かを判
別し、その判別結果が「NO」になったとき、即ち、イ
ンギア制御が完了したとき、S910のステップでFI
NTを「0」にリセットする。かくて、インギア制御完
了後はS904のステップで「NO」と判定されて通常
の制御が行われる。これによれば、低速段での走行中の
ECU20のダウンで4速段が確立されても、ECU2
0が再起動されると初期化が終了するまではニュートラ
ル状態になるためその間にエンジン回転速度が上昇し、
初期化終了後の低速段へのインギアが応答性良く行わ
れ、駆動力が早期に回復する。
【0138】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1,2,4の発明によれば、エンジンの吹上りを防止し
つつ変速状態を早期にイナーシャ相に移行させることが
でき、アップシフトを円滑且つ迅速に行い得られる。請
求項3の発明によれば、高車速での解放側油圧連結要素
の圧低下の遅れに起因した共噛みの増加によるショック
の発生を防止できる。請求項5の発明によれば、イナー
シャ相への移行を早めることができ、更に、請求項6の
発明によれば、イナーシャ相移行後の変速の進行も早め
ることができ、アップシフトに要する時間を一層短縮で
きる。請求項7の発明によれば、高車速での共噛みの増
加によるショックの発生を一層確実に防止できる。請求
項8の発明によれば、エンジン出力の変動による連結準
備の誤判断を防止して、連結準備が完了したか否かを正
確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用する変速機の一例の断面図
【図2】 変速機の油圧回路を示す図
【図3】 油圧回路の要部の拡大図
【図4】 油圧回路に備える電磁弁の制御系のブロック
回路図
【図5】 (A)(B)(C)変速制御に用いる各種モ
ニタ値と制御モードとの関係を示す図
【図6】 アップシフト時のON圧、OFF圧、Gra
tioの変化を示すタイムチャート
【図7】 アップシフト制御を示すフロー図
【図8】 図7のS14のステップでの制御内容を示す
フロー図
【図9】 図7のS10のステップでの制御内容を示す
フロー図
【図10】 図9のS10−5のステップでの制御内容
を示すフロー図
【図11】 ダウンシフト時のON圧、OFF圧、Gr
atioの変化を示すタイムチャート
【図12】 ダウンシフト制御を示すフロー図
【図13】 (A)ダウンシフト制御でのGratio
による変速進行状態の判定値YGDNSの車速に応じた
設定を示すグラフ、(B)YGNDNSの水温に応じた
設定を示すグラフ
【図14】 図12のS108のステップでの制御内容
を示すフロー図
【図15】 乗換えアップシフト時のON圧、OFF
圧、Gratioの変化を示すタイムチャート
【図16】 乗換えアップシフト制御を示すフロー図
【図17】 乗換えダウンシフト時のON圧、OFF
圧、Gratioの変化を示すタイムチャート
【図18】 乗換えダウンシフト制御を示すフロー図
【図19】 シフト選択制御を示すフロー図
【図20】 (A)図19の制御で用いるフラグFGF
AILのセット処理で使用するタイマ値TMG(N)の
計数処理を示すフロー図、(B)FGFAILのセット
処理を示すフロー図
【図21】 (A)図19の制御で用いるフラグFLO
CKのセット原理を示すグラフ、(B)FLOCKのセ
ット処理を示すフロー図
【図22】 インギア時のON圧、Gratioの変化
を示すタイムチャート
【図23】 インギア制御のフロー図
【図24】 変速マップ選択処理の一例を示すフロー図
【図25】 (A)変速マップ選択処理の他の例を示す
フロー図、(B)図25(A)の処理で用いるフラグF
REVのセット処理を示すフロー図
【図26】 ECUの初期化中と初期化後の制御を示す
フロー図
【図27】 図12の制御で用いるフラグFTBDのセ
ット処理を示すフロー図
【符号の説明】
C1〜C4 1速乃至4速油圧クラッチ(油圧連結要
素) G1〜G4 1速乃至4速伝動系(変速段) 20 電子制御回路 261〜263 油圧検出手段 S14 ONクラッチ準備判別を行うステップ(連結準
備判断手段) FCONOK フラグ(FCONOK=1が連結準備完
了信号) YTMUP8 所定時間 YTMUP3 第2の所定時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:46 (72)発明者 石橋 弘光 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 岡田 一雄 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の油圧連結要素の選択作動により確
    立される複数の変速段を有する車両用油圧作動式変速機
    の制御装置において、 アップシフト時に解放される解放側油圧連結要素の油圧
    を解放圧、アップシフト時に連結される連結側油圧連結
    要素の油圧を連結圧として、 アップシフト時に変速機の入出力速度比が、前記解放側
    油圧連結要素の連結によって確立される変速段のギア比
    を基準にして、該解放側油圧連結要素の滑りを生じない
    ときに前記入出力速度比が収まるような範囲に設定され
    る所定の連結領域よりも低い所定の比に減少保持される
    ように、前記解放圧を減少制御する手段と、 前記連結圧を漸増する手段と、 変速機の入出力速度比が前記連結領域を下回ってから再
    び前記連結領域に上昇したときに連結準備完了信号を出
    力する連結準備判別手段と、 前記連結準備完了信号の出力後の所定時期に前記解放圧
    を所定の低圧に減少する手段とを備える、 ことを特徴とする車両用油圧作動式変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記所定時期は、前記連結準備完了信号
    の出力時点から所定時間経過した時点であることを特徴
    とする請求項1に記載の車両用油圧作動式変速機の制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記所定時間は、車速の増加に伴って短
    くなるように、車速に応じて可変設定されることを特徴
    とする請求項2に記載の車両用油圧作動式変速機の制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記連結圧を検出する油圧検出手段を備
    え、前記所定時期は、連結圧の検出値が所定値を越えた
    時点であることを特徴とする請求項1に記載の車両用油
    圧作動式変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記連結準備完了信号の出力後に前記連
    結圧の漸増割合を該連結準備完了信号の出力前より大き
    くすることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に
    記載の車両用油圧作動式変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記連結準備完了信号の出力時点から第
    2の所定時間経過後に前記連結圧を所定の高圧に上昇す
    る手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れ
    か1項に記載の車両用油圧作動式変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の所定時間は、車速の増加に伴
    って長くなるように、車速に応じて可変設定されること
    を特徴とする請求項6に記載の車両用油圧作動式変速機
    の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記連結準備判別手段は、エンジン負荷
    が所定値以下のときは連結準備完了信号を出力しないよ
    うに構成されることを特徴とする請求項1乃至7の何れ
    か1項に記載の車両用油圧作動式変速機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008281133A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Iseki & Co Ltd 走行車両

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