JP2008279295A - 穴かがり縫いミシン - Google Patents

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Atsushi Kamano
淳 蒲野
Takashi Kondo
隆 近藤
Etsuzo Nomura
悦造 野村
Akihiro Funahashi
暁洋 舟橋
Yukio Nishida
幸夫 西田
Itaru Shibata
到 柴田
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Abstract

【課題】 2重縫いを実行する場合に、既に縫い目を形成している上糸を切断することのない穴かがり縫いミシンの提供。
【解決手段】 本穴かがり縫いミシンでは、縫製機構及び送り台の制御によって左右の千鳥縫い目と前後の閂止め縫い目とから成る穴かがり縫い目を形成することができる。そして、上記穴かがり縫い目の縫い始め及び縫い終わりを一方の閂止め縫い目に配設することにより、その閂止め縫い目を上記縫製機構に2重縫いさせる場合、縫い始め側の針落ち点と縫い終わり側の針落ち点とをずらして配設する。従って、2重縫いを実行する場合に、既に縫い目を形成している上糸を切断することがない。
【選択図】 図13

Description

本発明は、ボタン穴の形成部を挟んで配設される一対の千鳥縫い目及びその千鳥縫い目の両端に配設される一対の閂止め縫い目を有する穴かがり縫い目を、加工布に形成する穴かがり縫いミシンに関する。
従来より、この種の穴かがり縫いミシンとして、加工布を布送りする送り台と、上記加工布に縫い目を形成する縫製手段と、上記送り台及び上記縫製手段を制御して、ボタン穴の形成部を挟んで配設される一対の千鳥縫い目及びその千鳥縫い目の両端に配設される一対の閂止め縫い目を有する穴かがり縫い目を形成させる縫製制御手段と、を備えたものが考えられている。この穴かがり縫いミシンでは、縫製制御手段が送り台及び縫製手段を制御することにより、加工布を布送りしつつその加工布に縫い目を形成することができ、これによって、例えば図6に示す穴かがり縫い目70(詳しくは後述する)を形成することができる。
ところが、従来の穴かがり縫いミシンでは、例えば、左千鳥縫い目71及び右千鳥縫い目72の縫製時における縫い針の振り巾(以下、千鳥巾ともいう)が予め固定値に設定されるなど、形状に関わる微細な設定ができなかった。すなわち、従来の穴かがり縫いミシンでは、穴かがり縫い目70の全体としての大きさや縫い目のピッチを設定可能とする発想はあったものの、穴かがり縫い目70の形状自体や前後または左右のバランス等を設定可能とすることは考えられていなかった。このため、例えば次のような課題が発生していた。
通常、千鳥巾は左右で等しく設定されているが、上糸の締まり具合の相違によって左千鳥縫い目71と右千鳥縫い目72との実際の縫い上がり巾が違って見える場合がある。ところが、従来の穴かがり縫いミシンでは、これらの場合にも、調整によって左右のバランスを是正することはできなかった。同様に、前閂止め縫い目73と奥閂止め縫い目74との実際の縫い上がり長さが違って見えても、これを是正することはできなかった。
また、この種の穴かがり縫い目を加工布に形成する場合、一旦縫製を行った部分の近傍にもう一度縫製を行い、加工布上で上糸が重なり合うようにするいわゆる2重縫いを実行することがある。ところが、従来の穴かがり縫いミシンでは、このような2重縫いを実行する場合、1回目に縫い目を形成した位置と同一の針落ち点に2回目の縫い目を形成し、このときに、既に縫い目を形成している上糸を切断してしまう可能性があった。更に、このような2重縫いを部分的に実行する場合、2重縫いを実行した部分としなかった部分とで重厚さが変化するが、従来は穴かがり縫い目のパターンが一定であったので、この重厚さの変化の適否に応じた調整を行うこともできなかった。
そこで、本発明は、2重縫いを実行する場合に、既に縫い目を形成している上糸を切断することのない穴かがり縫いミシンを提供することを目的としてなされた。
本発明は、加工布を布送りする送り台と、上記加工布に縫い目を形成する縫製手段と、上記送り台及び上記縫製手段を制御して、ボタン穴の形成部を挟んで配設される一対の千鳥縫い目及びその千鳥縫い目の両端に配設される一対の閂止め縫い目を有する穴かがり縫い目を形成させる縫製制御手段と、を備えた穴かがり縫いミシンであって、上記縫製制御手段が、上記穴かがり縫い目の縫い始め及び縫い終わりを一方の上記閂止め縫い目に配設することにより、その閂止め縫い目を上記縫製手段に2重縫いさせる場合、縫い始め側の針落ち点と縫い終わり側の針落ち点とをずらして配設することを特徴としている。
本発明では、縫製制御手段が送り台及び縫製手段を制御することによって、一対の千鳥縫い目と一対の閂止め縫い目とを有する穴かがり縫い目を形成することができる。また、本発明では、上記穴かがり縫い目の縫い始め及び縫い終わりを一方の閂止め縫い目に配設することにより、その閂止め縫い目を縫製手段に2重縫いさせる場合、縫製制御手段が、縫い始め側の針落ち点と縫い終わり側の針落ち点とをずらして配設する。このため、縫い終わり時に上記一方の閂止め縫い目を形成すべく配設される針落ち点は、縫い始め時にその閂止め縫い目に配設された針落ち点とは一致しない。従って、本発明では、このような2重縫いを実行する場合にも、既に縫い目を形成している上糸が切断されるのを良好に防止することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された穴かがり縫いミシンMの外観を表す斜視図である。なお、本実施の形態の穴かがり縫いミシンMは、図示しない加工布に穴かがり縫い目70(図6参照)等を形成し、その穴かがり縫い目70の千鳥縫い目71,72の間を切断してボタン穴80を形成するいわゆるボタン穴用の穴かがり縫いミシンである。
図1に示すように、穴かがり縫いミシンMには、ミシンテーブル1に、ミシンモータ2,そのミシンモータ2を起動または停止するためのペダル3,穴かがり縫い目70及びボタン穴80を形成するための種々のデータを入力するための操作パネル4,及び後述の各部の駆動制御を行う制御装置5等が設けられている。
穴かがり縫いミシンMは、ベッド部6と脚柱部7とアーム部8とを有し、図2に示すように、加工布に穴かがり縫い目70を形成する縫製機構10と、加工布を布送りする送り台11と、送り台11を布送り方向へ駆動する送り台駆動機構12(図3参照)と、加工布の穴かがり縫い目70の千鳥縫い目71,72間の加工布を切断してボタン穴80を形成するカッタ13と、カッタ13を上下に駆動するカッタ駆動機構14(図4参照)とを備えている。
図2に示すように、縫製機構10は、アーム部8の頭部8aに設けられた針棒15及び針棒15の下端部に着脱自在に装着された縫い針16と、針棒15を上下に往復駆動し左右に揺動駆動する針棒駆動機構17(図5参照)と、ベッド部6に設けられ縫い針16と共働して穴かがり縫い目を形成する釜(図示略)とを備えている。そして、送り台11で加工布を布送りしながらこの縫製機構10を駆動することにより、例えば、図6に示す穴かがり縫い目70を形成することができる。図6に示すように、穴かがり縫い目70は、左千鳥縫い目71と右千鳥縫い目72とを有し、更に、その前端部には前閂止め縫い目73を、後端部には奥閂止め縫い目74を、それぞれ有している。なお、通常の縫製時には、前閂止め縫い目73の一部、左千鳥縫い目71、奥閂止め縫い目74、右千鳥縫い目72、前閂止め縫い目73の残りの部分の順で縫い目が形成される。また、図6に示す長さA,B,…は操作パネル4にて設定されるデータであるが、その設定方法については後に詳述する。
次に、前述の送り台11と送り台駆動機構12について説明する。図2,図3に示すように、送り台11は前後に長い板状に形成され、その前端部には、穴かがり縫い目70及びボタン穴80を形成するための長孔11aが形成されている。ベッド部6の上面部分には左右一対の案内板20がはめ込まれており、それらの案内板20の間に、送り台11が前後に移動可能にガイド支持されている。
送り台駆動機構12は、送り台11の後端部下面側に固定された可動部材21と、前後に長い連結ロッド23により可動部材21に固定的に連結された可動部材22と、可動部材22を次に述べる機構によって前後に駆動するステッピングモータ24とを備えている。
連結ロッド23は、可動部材21,22の左端部(図3の奥手側)を挿通して延び、可動部材21,22の前後両側において一対の軸受25を介してミシン機枠に前後に移動可能にガイド支持されている。また、連結ロッド23の右側には、前後に長いロッド26が固定的に設けられ、このロッド26に可動部材22の右端部が軸受22aを介して前後に移動自在にガイド支持されている。
ステッピングモータ24の出力軸には駆動プーリ27が固着され、駆動プーリ27の後方には図示しない従動プーリがミシン機枠に固定的に設けられ、これら両プーリに無端状のベルト28が掛け渡されている。このベルト28の一部に前述の可動部材22が固定され、ステッピングモータ24が駆動されると、可動部材22,21と共に送り台11が前後に駆動される。
ところで、可動部材22には、前端部に布押え31を取り付けた押え腕30の後端部が、左右方向向きの軸心回りに回動可能に連結されている。この布押え31は、図示しない付勢部材により押え腕30を介して下方へ付勢されており、布押え31で送り台11上に加工布を押圧固定できるようになっている。また、カッタ13は、次に説明するカッタ駆動機構14により上下動されるカッタ取付軸40下端のカッタホルダ41に、ビス41aを介して取り付けられている。
図4は、カッタ駆動機構14の構成を表す斜視図である。図4に示すように、カッタ13は縫い針16よりも僅かに後方において前述のようにカッタ取付軸40に取り付けられており、このカッタ取付軸40は、カッタ駆動用ソレノイド45のプランジャ45aにカッタ作動腕46等を介して連結されている。カッタ作動腕46は後端側が上方に屈曲した略L字型に形成され、その中央部が、左右方向に伸びる枢支軸46aを介してミシン機枠に揺動可能に支持されている。カッタ作動腕46の前端部はカッタ取付軸40に連結され、カッタ作動腕46の後上端部は、カッタ駆動用ソレノイド45から後方へ突出したプランジャ45aにリンク47を介して連結されている。また、カッタ作動腕46の前端部分は、バネ部材48により上方へ付勢されている。
このため、カッタ駆動用ソレノイド45のプランジャ45aを突出/退避させることによって、カッタ取付軸40を介してカッタ13を上下動させることができる。なお、カッタ駆動用ソレノイド45は、通電状態に応じてプランジャ45aを突出方向へも退避方向へも駆動することができるいわゆる双方向ソレノイドである。このため、バネ部材48はカッタ取付軸40からカッタ13に至る機構の重量を補償する程度のものであればよく、省略することも可能である。
次に、図5は、針棒駆動機構17の構成を表す斜視図である。図5に示すように、この針棒駆動機構17では、前述の針棒15は、アーム部8に揺動自在に設けられた針棒台51に上下方向に摺動可能に支持されている。また、この針棒15には、所定の位置に針棒抱き52が固定されている。
一方、一端53aが鉛直面内の円Cに沿って円運動する針棒連竿53の他端53bは、角コマ54を介して針棒抱き52に接続されている。なお、針棒抱き52の角コマ54側には、左右方向に断面矩形に形成された案内溝52aが形成され、角コマ54はこの案内溝52aに左右方向に移動自在に係合する。また、針棒連竿53の他端53bの角コマ54を設けた側と反対側には、角コマ55が設けられている。この角コマ55が針棒連竿案内56の垂直溝56aに係合することによって、針棒連竿53の他端53bは垂直方向にのみ移動可能に案内される。更に、針棒台51の側面には平板状の針棒案内57が固定されている。この針棒案内57には、針棒15に沿って伸びる長穴57aが形成され、この長穴57aには、針棒抱き52の側面から突出した突起52bが係合している。また、針棒台51の下端には、ステッピングモータ61の出力軸61aと一体に揺動する揺動レバー62の先端が、角コマ63を介して接続されている。
このように構成された針棒駆動機構17では、ミシンモータ2によって回転駆動される上軸64から針棒連竿53に加わる力を、角コマ54を介して針棒15に伝達し、それによって針棒15を上下動させることができる。また、ステッピングモータ61から揺動レバー62に加わる力を、角コマ63を介して針棒台51に伝達し、それによって針棒15を左右に揺動させることができる。そして、この両者の共働により、前述の穴かがり縫い目70等の縫製を実行することが可能となる。また、ステッピングモータ61の振り巾を制御することにより、後述のように穴かがり縫い目70の各部の巾を変化させることができる。
続いて、このように構成された穴かがり縫いミシンMの制御系の構成及びその制御について説明する。図7に示すように、制御装置5はCPU5a,ROM5b,RAM5cを主要部とするマイクロコンピュータによって構成され、ペダル3の操作状態に応じた信号や操作パネル4からの信号等が入力される入力インタフェース5dと、ミシンモータ2,ステッピングモータ24,ステッピングモータ61,及びカッタ駆動用ソレノイド45に図示しない駆動回路を介して駆動信号を出力すると共に、操作パネル4へも表示状態等の制御信号を出力する出力インタフェース5eとを備え、それらをバス5fにて接続して構成されている。
ここで、操作パネル4の構成及びその使用方法について、図8を用いて説明する。図8に示すように、操作パネル4は、右端に4桁の7セグメントディスプレイからなる表示部410を、左端に2桁の7セグメントディスプレイからなる表示部420を、それぞれ備え、中央には、穴かがり縫いミシンMの現在の制御モードを表すLED430を備えている。
表示部410に表示される数値は、アップダウンキー411によって増減されると共に、エンターキー413によってその増減後の数値を確定することができる。また、表示部420に表示される数値は、プログラムナンバキー421によって循環的に変更することができる。更に、穴かがり縫いミシンMは、後述するプログラムに基づいて通常の縫製を行うためのオート(AUTO)モードと、実際に縫い針16を落として縫製を行うことなく、単に針落ち点の変化のみを確認するためのテストフィード(TESTFEED)モードと、使用者が図示しないプーリを回して手動で縫製を行うためのマニュアル(MANUAL)モードと、後述するプログラムに関わる各種設定を行うためのプログラム(PROGRAM)モードとを備えており、これらのモードはセレクトキー431によって切り換えられる。そして、このモードの切り換えに応じて、現在設定されているモードに対応するLED430が点灯する。
操作パネル4は、この他、電源がONになっていることを示すLED441、何らかの異常が生じたことを示すLED443、異常に対する対処後に穴かがり縫いミシンMをリセットするためのリセットキー445、及びカッタ13をプログラムに依らずに駆動するためのカッタオンキー447を備えている。
プログラムモード以外のモードが設定されているときは、制御装置5は、表示部410には各種メッセージを表示し、表示部420には現在選択されているプログラムの番号を表示する。穴かがり縫いミシンMは、穴かがり縫い目70として、図6及び図9(A)に示すような矩形のものの他に、図9(B)に示すように一端が円形に膨らんだ鳩目形、図9(C)に示すように両端がテーパ状に細くなった舟形、図9(D)に示すように両端が半円状に形成された丸形等を備えており、それぞれが異なるプログラム番号に対応している。以下の説明では、矩形の穴かがり縫い目70を選択し、かつ、千鳥縫い目71,72の2重縫いをしない場合を例にとって説明する。
使用者がプログラムナンバキー421を操作して対応するプログラム番号を表示部420に表示させた後、セレクトキー431を操作してプログラムモードを設定すると、表示部420にはそのプログラムに対応するパラメータ番号が表示される。このプログラムに対応するパラメータは、表1に示すように番号00〜49に対応する第1パラメータと、表2に示すように番号50〜99に対応する第2パラメータとによって構成され、プログラムモードでプログラムナンバキー421を操作することによって表示部420に所望のパラメータ番号を表示させ、そのパラメータの設定を行うことができる。例えば、出荷当初の穴かがり縫いミシンMにおいて表示部420にパラメータ番号「00」を表示させると、表示部410には回転数の初期値3500(spm)が表示される。この値は、アップダウンキー411の操作によって100spmを1ステップとして変化させることができ、その設定可能な範囲は2000〜4000spmである。
Figure 2008279295
Figure 2008279295
なお、プログラムナンバキー421のみを操作した場合、通常、表1に示す第1パラメータの設定のみが行え、表2に示す第2パラメータを設定する場合(すなわち、表示部420にパラメータ番号として50〜99の数値を表示させる場合)は、エンターキー413とプログラムナンバキー421とを同時に操作する。また、第1パラメータはそのとき選択されているプログラムのみに対して有効なパラメータで、変更の頻度も多いが、第2パラメータは全てのプログラムに対して共通して使用されるパラメータで、変更の頻度は少ない。
表1に示すパラメータの内、番号「01」の「千鳥縫い長さ」は図6にAで示すように千鳥縫い目71,72の長さを表し、番号「02」の「千鳥ピッチ」はBで示すように千鳥縫い目71,72のピッチを、番号「03」の「千鳥巾」はCで示すように千鳥縫い目71,72の巾を、番号「04」の「閂止め長さ」はDで示すように閂止め縫い目73,74の長さを、番号「05」の「閂止めピッチ」はEで示すように閂止め縫い目73,74のピッチを、番号「06」の「カッタスペース」はFで示すようにボタン穴80のために設ける千鳥縫い目71,72の間隔を、それぞれ表している。以下、このように設定されたパラメータに基づいて制御装置5が実行する処理を説明する。
上記各種パラメータを設定した後、使用者がペダル3を踏み込むと、制御装置5は図10のフローチャートに示す処理を実行する。図10に示すように、処理を開始すると制御装置5は、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同様)にて、上記設定後のパラメータをRAM5cの所定領域に読み込み、続くS3では、そのパラメータに対応する針落ち点を算出する。次に、S5にて、上記パラメータに対応するカッタ13の駆動位置を算出する。なお、穴かがり縫いミシンMでは、前閂止め縫い目73の一部、左千鳥縫い目71、奥閂止め縫い目74、右千鳥縫い目72、前閂止め縫い目73の残りの部分の順で縫い目を形成するので、カッタ13の駆動位置とは、右千鳥縫い目72の形成中または形成終了直後の所定位置となる。
続くS11では、S3にて算出した各針落ち点に縫い目を形成する処理を実行する。具体的には、カウンタにて何針目かを計数しながら送り台11及び針棒台51を駆動し、所望の針落ち点で針棒15を上下動させる。一針分の縫い目を形成すると次のS13へ移行する。S13では、右千鳥縫い目72を形成する右千鳥縫いの実行中であるか否かを判断する。最初は前閂止め縫い目73の一部を形成するので、否定判断してS15へ移行する。S15では、縫製処理が終了したか否かを判断するが、最初は否定判断してS11へ復帰する。このようにして、S11〜S15の処理を繰り返しながら縫製を実行し、右千鳥縫いの実行にかかると(S13:YES)S17へ移行する。
S17では、S5にて算出したカッタ駆動位置まで縫製が終了したか否かを判断する。そして、カッタ駆動位置でない場合は(S17:NO)そのままS15へ移行して前述のように穴かがり縫い目70の縫製を続行し、カッタ駆動位置まで縫製が終了したときは(S17:YES)、S19にてカッタ13を駆動してボタン穴80を形成し、S15へ移行する。そして、このようにして穴かがり縫い目70の縫製を終了すると、S15にて肯定判断して処理を終了する。以上の処理によって、操作パネル4にて設定した各パラメータに対応する穴かがり縫い目70を形成することができる。
次に、S3による針落ち点の算出処理について、図11〜20を用いて詳細に説明する。図11は、S3の処理を詳細に表すフローチャートである。図11に示すように、S3へ移行すると制御装置5は、先ず、S30の処理により縫い始め位置への空送りデータを作成する。図12に示すように、制御装置5では、穴かがり縫い目70の前端中央に原点位置(0,0)を有し、針振り方向にX軸,布送り方向にY軸を有する直交座標系を想定している。S30では、「カッタスペース(06)」(括弧内の2桁の数値はパラメータ番号を表す:以下同様)の設定値Fに基づき、次式により縫い始め位置の座標を算出する。
(X,Y)=(−F/2,0.2)
この結果、縫製開始直前における縫い針16の移動経路は、図12に実線で示すようになる。続くS31では、縫い始めの止め縫い部の針落ち点を算出する。
例えば、「前止め縫い針数(10)」が4に設定されているときは、次式により1針目〜5針目の針落ち点を算出する。
1針目=(−F/2−J1 ,0.2)
2針目=(−F/2 ,0.2+M)
3針目=(−F/2−J1 ,0.2+M)
4針目=(−F/2 ,0.2+2M)
5針目=(−F/2−CL1+0.2,0.2+2M)
但し、J1=「前止め縫い巾(12)」
M=「前止め縫いピッチ(13)」
CL1=2×(「千鳥巾(03)」+「前閂止め巾補正(14)」)
×「千鳥巾比率(09)」
すなわち、「前止め縫い針数(10)」分の縫製を行う間は縫い針16の振り巾をJ1とし、続いて、千鳥縫い目71,72の巾に前閂止め巾補正を加えた左側前閂止め巾CL1よりも更に0.2mm小さい振り巾とする。縫い始めの止め縫い部における残りの針数N1は次式で表され、この針数N1分の縫製を行う間の上記振り巾は上記CL1−0.2となる。
N1≒2×(D1−I1×M/2−0.2)/B ……(1)
但し、I1=「前止め縫い針数(10)」
D1=「閂止め長さ(04)」+「前閂止め長さ補正(16)」
B=「千鳥ピッチ(02)」
従って、この縫い始めの止め縫い部における実際のピッチP1は、
P1=(D1−I1×M/2−0.2)/(N1/2)
で表され、この部分における6針目以降の針落ち点は、
6針目=(−F/2 ,0.2+2M+P1)
7針目=(−F/2−CL1+0.2,0.2+2M+P1)
…………
I1+N1針目=(−F/2 ,D1)
で表される。この結果、縫い始めの止め縫いにおける縫い針16の移動経路は、図13に実線で示すようになる。なお、この縫い始めの止め縫い部では、式(1)によって針数N1を算出する関係上、パラメータにはD1>I1×M/2−0.2なる制約事項が必要となる。
続くS32では、左千鳥縫い目71(以下、行きの千鳥縫い部ともいう)の針落ち点を算出する。ここで、行きの千鳥縫い部の針数N2は次式で表され、これが偶数であるか奇数であるかによって、算出される針落ち点は次のように変化する。
N2≒2×A/B
但し、Aは「千鳥縫い長さ(01)」の設定値であり、この場合の針落ち点は次のように算出される。
[千鳥針数N2が偶数(例えば10)の場合]
1針目=(−F/2−CL, P2+D1)
2針目=(−F/2 , 2×P2+D1)
3針目=(−F/2−CL, 3×P2+D1)
4針目=(−F/2 , 4×P2+D1)
5針目=(−F/2−CL, 5×P2+D1)
6針目=(−F/2 , 6×P2+D1)
7針目=(−F/2−CL, 7×P2+D1)
8針目=(−F/2 , 8×P2+D1)
9針目=(−F/2−CL, 9×P2+D1)
10針目=(−F/2 ,10×P2+D1)
[千鳥針数N2が奇数(例えば9)の場合]
1針目=(−F/2−CL, P2+D1)
2針目=(−F/2 , 2×P2+D1)
3針目=(−F/2−CL, 3×P2+D1)
4針目=(−F/2 , 4×P2+D1)
5針目=(−F/2−CL, 5×P2+D1)
6針目=(−F/2 , 6×P2+D1)
7針目=(−F/2−CL, 7×P2+D1)
8針目=(−F/2 , 8×P2+D1)
9針目=(−F/2−CL, 9×P2+D1)
10針目=(−F/2 , 9×P2+D1)
但し、P2=A/N2
CL=2×「千鳥巾(03)」×「千鳥巾比率(09)」 ……(2)
従って、前者の場合は10×P2=Aであり、後者の場合は9×P2=Aである。このため、前者の場合は10針目のY座標が、後者の場合は9針目及び10針目のY座標が、それぞれA+D1となる。この結果、行きの千鳥縫い部における縫い針16の移動経路は、前者の場合は図14(A)に実線で示すようになり、後者の場合は図14(B)に実線で示すようになる。
続くS33では、奥閂止め縫い目74を後方に向かって縫製していく行きの奥閂止め部の針落ち点を算出する。ここで、行きの奥閂止め部の針数N3及びピッチP3は次式で表される。
N3≒2×D2/E P3=D2/(N3/2)
但し、D2=「閂止め長さ(04)」+「奥閂止め長さ補正(17)」
E=「閂止めピッチ(05)」
そして、例えばN3=8の場合、針落ち点は次式で表され、縫い針16の移動経路は図15に実線で示すようになる。
1針目=(−F/2−CL2 , A+D1+P3)
2針目=(−F/2+R×P , A+D1+P3)
3針目=(−F/2−CL2 , A+D1+2×P3)
4針目=(−F/2+R×2×P, A+D1+2×P3)
5針目=(−F/2−CL2 , A+D1+3×P3)
6針目=(−F/2+R×3×P, A+D1+3×P3)
7針目=(−F/2−CL2 , A+D1+4×P3)
8針目=(−F/2+R×4×P, A+D1+4×P3)
但し、R=(CR2+F)/D2
CL2=2×(「千鳥巾(03)」+「奥閂止め巾補正(15)」)
×「千鳥巾比率(09)」
CR2=2×(「千鳥巾(03)」+「奥閂止め巾補正(15)」)
×(1−「千鳥巾比率(09)」)
また、ここでは、N3≧2なる制約事項が必要となる。
続くS34では、奥閂止め縫い目74を前方に向かって縫製していく帰りの奥閂止め部の針落ち点を算出する。ここで、帰りの奥閂止め部の針数N4及びピッチP4は、行きの奥閂止め部と同様に次式で表される。
N4≒2×D2/E P4=D2/(N4/2)
帰りの奥閂止め部は、千鳥針数N2が偶数であるか奇数であるかによって算出される針落ち点の形態が変化し、例えばN2=10(偶数)の場合、針落ち点は次式で表され、縫い針16の移動経路は図16(A)に実線で示すようになる。
1針目=(−CL2−F/2,A+D1+D2+0.2−P4)
2針目=( CR2+F/2,A+D1+D2+0.2−P4)
3針目=(−CL2−F/2,A+D1+D2+0.2−2×P4)
4針目=( CR2+F/2,A+D1+D2+0.2−2×P4)
5針目=(−CL2−F/2,A+D1+D2+0.2−3×P4)
6針目=( CR2+F/2,A+D1+D2+0.2−3×P4)
7針目=(−CL2−F/2,A+D1+D2+0.2−4×P4)
8針目=( CR2+F/2,A+D1+D2+0.2−4×P4)
9針目=(F/2,A+D1)
また、N2=9(奇数)の場合、針落ち点は次式で表され、縫い針16の移動経路は図16(B)に実線で示すようになる。
1針目=(−CL2−F/2,A+D1+D2+0.2−P4)
2針目=( CR2+F/2,A+D1+D2+0.2−P4)
3針目=(−CL2−F/2,A+D1+D2+0.2−2×P4)
4針目=( CR2+F/2,A+D1+D2+0.2−2×P4)
5針目=(−CL2−F/2,A+D1+D2+0.2−3×P4)
6針目=( CR2+F/2,A+D1+D2+0.2−3×P4)
7針目=(−CL2−F/2,A+D1+D2+0.2−4×P4)
8針目=( CR2+F/2,A+D1)
なお、ここでは、いずれの場合もN4≧2なる制約事項が必要となる。
続くS35では、右千鳥縫い目72(以下、帰りの千鳥縫い部ともいう)の針落ち点を算出する。ここで、帰りの千鳥縫い部の針数N5及びピッチP5は次式で表される。
N5≒2×A/B P5=A/N5
帰りの千鳥縫い部も、針数N5が偶数であるか奇数であるかによって算出される針落ち点の形態が変化し、例えばN5=10(偶数)の場合、針落ち点は次式で表され、縫い針16の移動経路は図17(A)に実線で示すようになる。
1針目=(F/2+CR,A+D1−P5)
2針目=(F/2 ,A+D1−2×P5)
3針目=(F/2+CR,A+D1−3×P5)
4針目=(F/2 ,A+D1−4×P5)
5針目=(F/2+CR,A+D1−5×P5)
6針目=(F/2 ,A+D1−6×P5)
7針目=(F/2+CR,A+D1−7×P5)
8針目=(F/2 ,A+D1−8×P5)
9針目=(F/2+CR,A+D1−9×P5)
10針目=(F/2 ,A+D1−10×P5)=(F/2,D1)
但し、CR=2×「千鳥巾(03)」×(1−「千鳥巾比率(09)」)
……(3)
また、N5=9(奇数)の場合、針落ち点は次式で表され、縫い針16の移動経路は図17(B)に実線で示すようになる。
1針目=(F/2 ,A+D1−P5)
2針目=(F/2+CR,A+D1−2×P5)
3針目=(F/2 ,A+D1−3×P5)
4針目=(F/2+CR,A+D1−4×P5)
5針目=(F/2 ,A+D1−5×P5)
6針目=(F/2+CR,A+D1−6×P5)
7針目=(F/2 ,A+D1−7×P5)
8針目=(F/2+CR,A+D1−8×P5)
9針目=(F/2 ,A+D1−9×P5)=(F/2,D1)
続くS36では、前閂止め縫い目73の針落ち点を算出する。ここで、前閂止め縫い目73の針数N6及びピッチP6は次式で表される。
N6≒2×D1/E P6=D1/(N6/2)
そして、例えばN6=9の場合、針落ち点は次式で表され、縫い針16の移動経路は図18に実線で示すようになる。
1針目=( CR1+F/2,D1)
2針目=(−CL1−F/2,D1)
3針目=( CR1+F/2,D1−P6)
4針目=(−CL1−F/2,D1−P6)
5針目=( CR1+F/2,D1−2×P6)
6針目=(−CL1−F/2,D1−2×P6)
7針目=( CR1+F/2,D1−3×P6)
8針目=(−CL1−F/2,D1−3×P6)
9針目=( CR1+F/2,0)
但し、CR1=2×(「千鳥巾(03)」+「前閂止め巾補正(14)」)
×(1−「千鳥巾比率(09)」)
また、ここでは、N6≧2なる制約事項が必要となる。
続くS37では、縫い終わりの止め縫い部の針落ち点を算出する。ここでは「後止め縫い針数(11)」の設定値I2に基づいて、次のようにして針落ち点を算出する。
(A)I2≧2の場合
この場合、ピッチP7は次式によって算出される。
P6=(CL1+F/2)/(I2−1)
そして、針落ち点は次式で表され、例えばI2=3の場合、縫い針16の移動経路は図19(A)に実線で示すようになり、I2=2の場合、縫い針16の移動経路は図19(B)に実線で示すようになる。
1針目=(0,0)
2針目=( −P6,0)
3針目=(−2×P6,0)
…………
I2針目=(−CL1−F/2,0)(B)I2=1の場合
この場合、針落ち点は次式で表され、縫い針16の移動経路は図19(C)に実線で示すようになる。
1針目=(−CL−F/2,0)
続くS38では、最終針の針落ち点を算出する。この最終針の針落ち点は、
(X,Y)=(0.5−CL1−F/2,−0.2)
で表され、最終針に至るときの縫い針16の移動経路は、図20に実線で示すようになる。なお、この最終針の針落ち点は、糸切り動作時に周知の糸捌きによって下糸及び上糸が下方に引き抜かれることによって、実質的な縫い目ではなくなる。更に、続くS39では、縫い針16を原点位置(0,0)へ移動させるための空送りデータを作成し、続いて、S40にて、縫製終了(S15)を指示するための終了データを作成した後、前述のS5の処理へ移行する。
また、「カッタX位置補正(07)」または「カッタY位置補正(08)」に0以外の値が設定されている場合、S5では次のような処理を実行する。「カッタY位置補正(08)」が設定されている場合は、その設定値(mm)を針数に変換し、その針数に応じてカッタ駆動用ソレノイド45の駆動タイミングをずらす。これによって、ボタン穴80の形成位置を、穴かがり縫い目70に対して相対的にY方向にずらすことができる。また、「カッタX位置補正(07)」が設定されている場合は、縫い針16の1針目の移動量にその設定値を加える。これによって、S3にて算出した針落ち点が全体的にX方向にずれ、ボタン穴80の形成位置を穴かがり縫い目70に対して相対的にX方向にずらすことができる。
このように、本実施の形態の穴かがり縫いミシンMでは、前述の式(2),(3)に示すように、「千鳥巾(03)」と「千鳥巾比率(09)」との値を所望に応じて設定することにより、千鳥縫い目71,72の千鳥巾(CL,CR)を左右個別に設定することができる。このため、千鳥巾(CL,CR)を左右で個々に設定して穴かがり縫い目70の形状を微細に変化させ、延いては、その穴かがり縫い目70の左右のバランスを調整することができる。
また、穴かがり縫いミシンMでは、「前閂止め巾補正(14)」及び「奥閂止め巾補正(15)」を設定することによって、一対の千鳥縫い目71,72の全体としての縫い目巾(CL+F+CR)と閂止め縫い目73,74の縫い目巾(CL1+F+CR1またはCL2+F+CR2)とを個別に設定することができる。このため、穴かがり縫い目70の形状を微細に変化させ、延いては、千鳥縫い目71,72と閂止め縫い目73,74との巾のバランスを調整することができる。しかも、穴かがり縫いミシンMでは、前閂止め縫い目73の巾と奥閂止め縫い目74の巾とを個別に設定することができるので、一層良好にバランスを調整することができる。
更に、穴かがり縫いミシンMでは、「前閂止め長さ補正(16)」及び「奥閂止め長さ補正(17)」を設定することによって、各閂止め縫い目73,74の長さを個別に設定することができる。このため、穴かがり縫い目70の形状を微細に変化させ、延いては、その穴かがり縫い目70の前後のバランスを調整することができる。
また、穴かがり縫いミシンMでは、前述のように、プログラム番号の選択によって鳩目形,舟形,丸形等の特殊な穴かがり縫い目70を形成することもでき、更に、千鳥縫い目71,72の2重縫いを行うこともできる。従って、装飾的な効果を一層良好に有する穴かがり縫い目70を形成することができる。
ここで、2重縫いを行う場合のS3の処理について説明する。2重縫いのために針落ち点を算出する処理方法としては、図11におけるS32の処理及びS33の処理の間にS35と同様の処理及びS32と同様の処理を順次挿入する方法があり、また、S32〜S36の処理を2回続けて実行する方法もある。前者の方法(タイプA)では、予め2重縫いとなっている閂止め縫い目73,74と同様に、千鳥縫い目71,72も2重縫いとなり、穴かがり縫い目70が全体として均一な重厚さとなる。また、後者の方法(タイプB)では、穴かがり縫い目70の重厚さが全体的に2倍となる。穴かがり縫いミシンMでは、パラメータ番号「20」の設定によりこのような2重縫いを選択した場合、2重縫いを上記いずれの方法で実施するかの選択が可能になる。
すなわち、穴かがり縫いミシンMでは、穴かがり縫い目70を2重縫いする場合、千鳥縫い目71,72のみを2重縫いさせるモードと、閂止め縫い目73,74及び千鳥縫い目71,72の両方を2重縫いさせるモード(この場合、閂止め縫い目73,74は実質的には4重縫いとなる)とを切り換えることができる。従って、穴かがり縫い目70における千鳥縫い目71,72と閂止め縫い目73,74との重厚さのバランスを容易に調整することができる。
また更に、穴かがり縫いミシンMでは、図13及び図18に示すように、S31にて算出される縫い始めの止め縫い部の針落ち点を、S36にて算出される前閂止め縫い目73の針落ち点よりも0.2mm内側に配設している。このため、前閂止め縫い目73の2重縫いの際に、既に縫い目を形成している上糸が切断されるのを良好に防止することができる。なお、奥閂止め縫い目74の縫製時にも、行きの針落ち点を帰りの針落ち点に対して0.2mm内側に配設してもよい。この場合、上糸が切断されるのを一層良好に防止することができる。但し、前閂止め縫い目73には縫い始めと縫い終わりとの針落ち点が配設されるため、実際に縫い目が形成される針落ち点に誤差が生じる可能性が高くなる。穴かがり縫いミシンMでは、このような前閂止め縫い目73に対して行きの針落ち点を0.2mm内側に配設し、帰りの針落ち点と重なるのを確実に防止しているので、上糸の切断防止効果が一層顕著に現れる。
なお、上記実施の形態において、縫製機構10が縫製手段に、制御装置5が縫製制御手段に相当する。
また、本発明は上記実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、プログラムの切り換えや一部のパラメータの設定はディップスイッチ等によって行ってもよい。また、針落ち点の算出処理(S3)は縫い目の形成処理(S11)とは独立した別個の処理として実行してもよく、針落ち点の算出処理(S3)を実行しながら縫い目の形成処理(S11)を実行してもよい。更に、針落ち点の算出処理(S3)を独立した処理として実行する場合、穴かがり縫いミシンMの本体とは別体のパーソナルコンピュータ等のデータ作成装置によって実行してもよい。
本発明を適用した穴かがり縫いミシンの外観を表す斜視図である。 そのミシンの縫製機構の要部構成を表す右側面図である。 上記ミシンの送り台駆動機構の構成を表す斜視図である。 上記ミシンのカッタ駆動機構の構成を表す斜視図である。 上記ミシンの針棒駆動機構の構成を表す斜視図である。 上記ミシンが形成する穴かがり縫い目の構成を表す説明図である。 上記ミシンの制御系の構成を表す説明図である。 上記ミシンの操作パネルの構成を表す説明図である。 上記穴かがり縫い目の各種変形例の構成を表す説明図である。 上記制御系で実行される処理を表すフローチャートである。 その処理におけるS3の処理の詳細を表すフローチャートである。 縫製開始直前における縫い針の移動経路を表す説明図である。 縫い始めにおける縫い針の移動経路を表す説明図である。 行きの千鳥縫い部における縫い針の移動経路を表す説明図である。 行きの奥閂止め部における縫い針の移動経路を表す説明図である。 帰りの奥閂止め部における縫い針の移動経路を表す説明図である。 帰りの千鳥縫い部における縫い針の移動経路を表す説明図である。 前閂止め縫い目における縫い針の移動経路を表す説明図である。 縫い終わりにおける縫い針の移動経路を表す説明図である。 最終針に至る縫い針の移動経路を表す説明図である。
符号の説明
2…ミシンモータ 4…操作パネル 5…制御装置 10…縫製機構
11…送り台 12…送り台駆動機構 13…カッタ
14…カッタ駆動機構 31…布押え 51…針棒台
70…穴かがり縫い目 71…左千鳥縫い目 72…右千鳥縫い目
73…前閂止め縫い目 74…奥閂止め縫い目 80…ボタン穴
411…アップダウンキー 421…プログラムナンバキー
M…穴かがり縫いミシン

Claims (1)

  1. 加工布を布送りする送り台と、上記加工布に縫い目を形成する縫製手段と、上記送り台及び上記縫製手段を制御して、ボタン穴の形成部を挟んで配設される一対の千鳥縫い目及びその千鳥縫い目の両端に配設される一対の閂止め縫い目を有する穴かがり縫い目を形成させる縫製制御手段とを備えた穴かがり縫いミシンであって、
    上記縫製制御手段が、上記穴かがり縫い目の縫い始め及び縫い終わりを一方の上記閂止め縫い目に配設することにより、その閂止め縫い目を上記縫製手段に2重縫いさせる場合、縫い始め側の針落ち点と縫い終わり側の針落ち点とをずらして配設することを特徴とする穴かがり縫いミシン。
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