JP2008275071A - サニタリー配管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッキンを簡単に、かつ、確実にリング状溝に着脱できる様にするとともに、パッキンの一部が配管内に落下しないようにすることである。
【解決手段】平滑衝接面3a、4aを対向せしめて配設される一対の継手部3、4と、前記平滑衝接面3a、4aに形成されたリング状溝7、8と、前記リング状溝に嵌着され、前記平滑衝接面間をシールするパッツキン12と、前記両継手部3、4を連結し、前記パッキン12を締め付けるヘルールクランプ15と、を備えたサニタリー配管継手において;前記パッキン12は、軸方向断面が台形状に形成された、フッ素樹脂製パッキンである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、食品、医薬品、化粧品等の製造に用いられるサニタリー配管に関するものであり、更に述べると、サニタリー配管同士を連結するサニタリー配管継手に関するものである。
従来、食品や医薬品等の製造プロセスラインでは、サニタリー配管を使用しているが、管内を流れる原料が管壁に付着するので、衛生上、該管内を洗浄し、きれいにすることが必要である。又、製品を切り替えて製造する場合には、製品管理上、管壁に付着している切替前の製品の原料が、切替後の製品に混入しないようにするために、管内をきれいにしておくことが重要である。
前記サニタリー配管は、継手を介して管同士が連結されているので、前記管内の清掃を行うためには、前記継手の脱着作業を行わなければならない。そこで、前記継手の着脱を容易にするための、次のような継手が開発されている(例えば、特許文献1、参照)。
双方の短部材の配管に接続される側と反対側の軸にフランジ部を形成し、そのフランジ部と反対側の面をテーパー形状として、この双方の短管部材に形成されたフランジ部の間にパッキンを介在させて、このテーパー形状のフランジ部をクランプし、前記両配管同士を水密に連結する。
前記パッキンは、シール性維持のために使用されるが、このパッキンの材料として、シリコン系プラスチック、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)等が利用されている。このパッキン(ガスケット)は、同心円状に中心部をくり貫いた所定の厚みを有する円板環状体であって、該環状体と同心円環状に円板部上下に凸部を有している(例えば、特許文献2、参照)。
登録新案第3037380号公報 特開平5−99343号公報
特許文献1では、両フランジ部間にガスケット(パッキン)を挟んで漏れを防いでいるが、前記両フランジのクランプ力が強すぎてパッキンを締付け過ぎると、該ガスケットの材質によっては、変形し管路口径を締め切ったり、又は、該ガスケットが破損して配管内に混入する恐れがある。
特許文献2では、ガスケット(パッキン)の締め付け応力が大きいと、ガスケットの中央部の貫通穴が応力により変形(伸びる)する。そのため、前記貫通穴の直径は、設計値よりも小さくなるので、前記管路内に水が溜まる事故が発生する。又、ガスケット(パッキン)の材料として、シリコン系プラスチック、又は、エチレンプロピレンゴムを用いると、経時的に劣化し、その一部が前記配管内に落下して異物として製品に混入されることがある。
特許文献2では、パッキンの外周縁部に鉤部を設け、ガスケットをフランジ部に仮固定し、パッキン着脱の際に落下しないようにしている。しかし、前記鉤部をフランジ部の外周面に正確に位置合わせしながらパッキンを装着しなければならないので、面倒であり時間もかかる。又、前記鉤部はフランジ部の外周面上に突出した状態で装着されるので、外観上好ましくない上、物に引っかかり障害となることがある。
この発明は、上記事情に鑑み、パッキンを簡単に、かつ、確実にリング状溝に着脱できる様にすることを目的とする。他の目的は、ガスケット(パッキン)の一部が配管内に落下しないようにすることである。
この発明は、平滑衝接面を対向せしめて配設される一対の継手部と、前記平滑衝接面に形成されたリング状溝と、前記リング状溝に嵌着され、前記平滑衝接面間をシールするパッツキンと、前記両継手部を連結し、前記パッキンを締め付ける締付固定手段と、を備えたサニタリー配管継手において;前記パッキンは、軸方向断面が台形状に形成された、フッ素樹脂製パッキンであることを特徴とする。
この発明の前記リング状溝は、前記平滑衝接面の、前記継手部軸心側を欠如させて断面台形状に形成され、その溝底部は奥側に向かって外側に傾斜していることを特徴とする。
この発明の前記締付固定手段は、接続片により互い連結され、前記継手部の締付用テーパー部に嵌着される円弧状のクランプ片と、該両円弧状のクランプ片に設けられ、互いに対向する取付突状部と、該両取付突状部を連結するボルト及びナットと、を備えたへルールクランプであることを特徴とする。
この発明の前記パッキンの内径は、前記両継手部の内径と同一に形成されて、前記パッキンの厚肉部側は前記一方のリング状溝の溝底部に圧接され、その薄肉部側は他方のリング溝の溝底部に当接していることを特徴とする。
この発明のパッキンは、軸方向断面が台形状に形成された、フッ素樹脂製パッキンであるので、前記パッキンの厚肉部側は、一方のリング状溝の溝底部に圧接され強固に固定されるが、その薄肉部側は他方のリング溝の溝底部に当接状態となり、前記厚肉部よりも弱く固定される。そのため、前記パッキンをリング溝に嵌着する際に、前記厚肉部側をリング状溝に押し込んで嵌着すると、該パッキンから手を離しても落下することはない。また、前記継手を外す際に、両継手部を離間させると、前記パッキンの厚肉部側はリング状溝に圧接し、前記薄肉部は前記リング状溝に当接しているので、前記厚肉部側は前記リング状溝に固定された状態を維持し、前記薄肉部側は前記リング状溝から抜ける。そのため、前記パッキンは前記継手部を外す際にも落下することがない。
前記パッキンは、従来例(特許文献2)と異なり、鉤部を備えていないので、従来例のような問題の発生を防止することが出来る。
前記パッキンは、フッ素樹脂で形成されているので、耐熱性、耐摩耗性、非粘着性、低摩擦性、耐候性、などに優れている。そのため、シリコンゴム製パッキンなどと異なり、パッキンの一部が剥離して管内に落下するのを防止することができる。
この発明は、前記へルールクランプを設けたので、両継手部にパッキンを装着し締め付けた際、前記衝接面間に監視隙間を発生させることができる。このフッ素樹脂製パッキンが経年変化により磨耗した場合には、シール力が弱まるので、クランプ力を強めて、該パッキンを締め付け前記監視隙間を小さくするが、十分なシール力となると、それ以上締め付けることができなくなる。このようにしてクランプの締め付けを繰り返すうちに前記両衝接面が当接し、パッキンの締め付けが不可能となる。この時該パッキンは交換すべき状態となっているので、新しいものと交換する。この様にしてパッキンの交時期を知ることができる。
この発明の実施形態を図1〜図5により説明する。
サニタリー配管継手1は、互いに対向する一対の継手部3、4を備えている。この両継手部3、4の端面は、平滑衝接面、即ち、平坦な垂直面、3a、4aとなっており、その外周面には前記衝接面3a、4aと水平面3b、4bを介して連続する締付用テーパー面部3c、4cが設けられている。前記両テーパー面部3c、4cは互いに軸対称に形成され、その傾斜角度は同一である。
衝接面3a、4aの、継手部3、4の中心軸C側が切り欠かれてリング状溝7、8となっている。このリング状溝7、8の軸方向断面は台形状となっており、その溝底部7a、8aは奥側に向かって外側に傾斜している。この溝7、8の側壁7b、8bは、前記衝接面3a、4aと平行な垂直壁となっている。
パッキン(「ガスケット」ともいう)12は、テフロン(登録商標)製リングであり、その軸(直径)方向断面は台形状に形成されている。前記テフロン(登録商標)は、フッ素樹脂の商品名であるが、このフッ素樹脂の具体例として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、がある。
前記パッキン12の4辺はそれぞれ平滑面となっており、その内径dは、前記継手部3、4の内周面3d、4dの径と同一に形成されている。また、前記パッキン12の底辺12a側は厚肉部12Aであり、その頭辺12b側は、前記肉厚部12Aより肉厚が薄い、薄肉部12Bとなっている。前記厚肉部12Aは、前記リン溝7、8と合同形状に形成されている。前記底辺12aの長さと前記頭辺12bの長さとの差は、例えば、3mmであり、前記両辺12a、12b端部間を結ぶ側辺は、角度θ、例えば、θ=3度、傾斜している。
前記継手3、4は、へルールクランプ15により連結され、一体となっている。このへルールクランプ15は、円弧状に形成された第1及び第2クランプ部材16、17と、該両クランプヘン部材16、17の一端に連結され、両部材16、17を回動可能に連結する連結片19と、前記クランプ部材16の他端に設けた取付突状部16aに連結され、前記クランプ部材17の取付突状部17aを貫通するボルト21と、該ボルト21に螺着される蝶ナット23と、から構成されている。前記クランプ部材16、17は、嵌合凹部24を有し、その両側壁24a、25bは前記継手部3、4の締付用テーパー面部3c、4cに嵌着される。
次に、本実施形態の作動について説明する。
サニタリー配管継手の分解:
サニタリー配管を清掃する場合には、蝶ナット23を緩む方向に回転させてボルト21を外し、へルールクランプ15の固定を解除する。
この状態において、パッキン12の厚肉部12Aは、リング状溝7の底部に圧接し、その薄肉部12Bはリング状溝8に当接している。そのため、一方の継手部3を引っ張り他方の継手部4から離間させると、パッキン12は継手部3に固定された状態で、前記リング状溝8から抜けるので、該パッキン12は、落下することはない。
その後、該パッキン12を引っ張って前記リング状溝7から抜き出し、配管継手3、4の洗浄(清掃)を行う。
サニタリー配管の組み立:
前清掃が完了後、パッキン12の厚肉部12Aを継手部3のリング状溝7に圧入して嵌着し、溝底部7aに圧接させる。この時、パッキン12は、片持ちの状態でリング状溝7に強固に固定されている。
この状態で、該パッキン12の薄肉部12Bを継手部4のリング状溝8に挿入する。その後、クランプ部材16、17をテーパー面部3c、4cに嵌着し、蝶ナット23を締め付け方向に回して締め付けるが、一定の回数回転させると、それ以上回らなくなる。この時、パッキン12は、前記両リング状溝7、8に嵌着され、その両底壁12a、頭壁12bはリング状溝7、8の両側壁に圧接して密着するが、前記薄肉部12B側の外周面は溝底部8aに当接し、ほとんど隙間は存在しなくなる。
パッキンの交換:
前記状態において、両衝接面合3a、4a間には、監視隙間wが空いている。この隙間wはパッキン12の交換時期を判断する目安となる。
即ち、経年変化によりパッキン12が減った場合には、蝶ナット23を回して締め付け、これ以上回らない程度まで締め直し、シール力を維持させる。この様な調整行程を繰り返すうちに、両衝接面3a、4aは当接する様になる。
前記両衝接面3、4が当接すると、パッキン12は、使用限界に達していることになる。そこで、新しいパッキンと交換する。このように前記監視隙間wによりパッキンの交換時期を知ることが出来る。
本件発明の実施例を示す平面図である。 図1のII−II線断面図である。 図2の要部拡大図である。 パッキンの正面図である。 図4のV−V線断面図である。
符号の説明
1 サニタリー配管継手
3 継手部
3a 平滑衝接面
4 継手部
4a 平滑衝接面
7 リング状溝
8 リング状溝
12 パッキン
12A 厚肉部
12B 薄肉部
15 ヘルールクランプ

Claims (4)

  1. 平滑衝接面を対向せしめて配設される一対の継手部と、前記平滑衝接面に形成されたリング状溝と、前記リング状溝に嵌着され、前記平滑衝接面間をシールするパッツキンと、前記両継手部を連結し、前記パッキンを締め付ける締付固定手段と、を備えたサニタリー配管継手において;
    前記パッキンは、軸方向断面が台形状に形成された、フッ素樹脂製パッキンであることを特徴とするサニタリー継手配管。
  2. 前記リング状溝は、前記平滑衝接面の、前記継手部軸心側を欠如させて断面台形状に形成され、その溝底部は奥側に向かって外側に傾斜していることを特徴とする請求項1記載のサニタリー配管継手。
  3. 前記締付固定手段は、接続片により互い連結され、前記継手部の締付用テーパー面部に嵌着される円弧状のクランプ片と、該両円弧状のクランプ片に設けられ、互いに対向する取付突状部と、該両取付突状部を連結するボルト及びナットと、を備えたへルールクランプであることを特徴とする請求項1、又は、2記載のサニタリー配管継手。
  4. 前記パッキンの内径は、前記両継手部の内径と同一に形成されて、前記パッキンの厚肉部側は前記一方のリング状溝の溝底部に圧接され、その薄肉部側は他方のリング溝の溝底部に当接していることを特徴とする請求項2、又は、3記載のサニタリー配管継手。
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