JP2006132603A - シールリング - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着防止のための追加工による設備やコストの増大を来さず、シール性能の悪化等を来さないシールリング1を提供する。
【解決手段】軸方向に対向する二部材間に介在される弾性材料からなるシールリング1において、軸方向両側に、装着状態において前記二部材に全面が密接される密封面13,14を有し、この密封面13,14は、除荷状態では軸心Oと垂直な平面に対して非平行な面、例えば互いに対称な傾斜面をなす。このため、シールリング1を軸方向に重ねた時の接触面積が小さくなって、互いの粘着が防止され、装着状態では圧縮を受けることによって、密封面13,14の全面が前記二部材に密接されるので、優れた密封性能が確保される。
【選択図】図2
【解決手段】軸方向に対向する二部材間に介在される弾性材料からなるシールリング1において、軸方向両側に、装着状態において前記二部材に全面が密接される密封面13,14を有し、この密封面13,14は、除荷状態では軸心Oと垂直な平面に対して非平行な面、例えば互いに対称な傾斜面をなす。このため、シールリング1を軸方向に重ねた時の接触面積が小さくなって、互いの粘着が防止され、装着状態では圧縮を受けることによって、密封面13,14の全面が前記二部材に密接されるので、優れた密封性能が確保される。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば油圧機器の接続フランジ部や、アルミ電解コンデンサの封口部等、対向する二部材間に介在されてその隙間を密封する、弾性材料からなるシールリングに関する。
二部材間の隙間を密封する弾性材製のシールリングとしては、断面が円形をなすOリングがよく知られているが、そのほかにも、断面が略長方形をなす角リングや、断面がD型をなすDリングなど、種々のものがある。そして、角リングやDリングのように、相手部材に対して平面状の密封面で密接されるものは、言い換えれば密封対象の流体が漏れる場合に通過すべき密接幅が大きいため、優れた密封性が得られる。
上述の角リングのような、平面状の端面を密封面とするシールリングは、機器への未装着状態で重ねておいたりすると、シールリング同士や、シールリングと他の部材が、ゴムの粘着性及び接触面の増大によって粘着してしまうことがある。そして、その対策としては、従来、下記のような方法が考えられている。
1.例えば、ワックス成分等をシールリングの表面にブルーミングさせる等、ゴム材料への配合手法により低摩擦化を図る方法。
2.シールリングの表面に低摩擦係数の材料をコーティングすることによって、低摩擦化を図る方法。
3.加熱処理等によるシールリングの表面硬化により、低摩擦化を図る方法。
(例えば、特許文献1参照)。
4.シールリングを成形する金型の内面をサンドショット等によって粗し、これによって、成形されるシールリングの面粗度を大きくし(梨地肌とし)、接触面積の減少を図る方法。
特開2001−233975
1.例えば、ワックス成分等をシールリングの表面にブルーミングさせる等、ゴム材料への配合手法により低摩擦化を図る方法。
2.シールリングの表面に低摩擦係数の材料をコーティングすることによって、低摩擦化を図る方法。
3.加熱処理等によるシールリングの表面硬化により、低摩擦化を図る方法。
(例えば、特許文献1参照)。
4.シールリングを成形する金型の内面をサンドショット等によって粗し、これによって、成形されるシールリングの面粗度を大きくし(梨地肌とし)、接触面積の減少を図る方法。
しかしながら、従来の技術による粘着防止対策では、次のような問題が指摘される。
1.ワックス成分等をシールリングのゴム材料に配合させる手法では、ワックス成分等の配合によって、引張強さの低下、圧縮永久歪率の悪化、あるいは密封対象による収縮といった、ゴム材料の性能低下を来す恐れがある。
2.低摩擦係数の材料をコーティングする方法では、ゴム材料でいったん成形したシールリングへのコーティングといった追加工や、そのための設備が必要であるため、製品単価の上昇を来し、製作に要する工期も長くなる問題がある。
3.加熱処理等によるシールリングの表面硬化を行う方法も同様に、ゴム材料でいったん成形したシールリングへの加熱処理といった追加工や、そのための設備が必要であるため、製品単価の上昇を来し、製作に要する工期も長くなる問題があり、表面硬化によるシール性の低下も懸念される。
4.シールリングの面粗度を大きくする方法では、金型の内面を加工した後、サンドショット等による追加工が必要であるため、金型製作コストが嵩むと共に、金型製作に要する工期も長くなる問題がある。
1.ワックス成分等をシールリングのゴム材料に配合させる手法では、ワックス成分等の配合によって、引張強さの低下、圧縮永久歪率の悪化、あるいは密封対象による収縮といった、ゴム材料の性能低下を来す恐れがある。
2.低摩擦係数の材料をコーティングする方法では、ゴム材料でいったん成形したシールリングへのコーティングといった追加工や、そのための設備が必要であるため、製品単価の上昇を来し、製作に要する工期も長くなる問題がある。
3.加熱処理等によるシールリングの表面硬化を行う方法も同様に、ゴム材料でいったん成形したシールリングへの加熱処理といった追加工や、そのための設備が必要であるため、製品単価の上昇を来し、製作に要する工期も長くなる問題があり、表面硬化によるシール性の低下も懸念される。
4.シールリングの面粗度を大きくする方法では、金型の内面を加工した後、サンドショット等による追加工が必要であるため、金型製作コストが嵩むと共に、金型製作に要する工期も長くなる問題がある。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、粘着防止のための追加工による設備やコストの増大を来さず、シール性能の悪化等を来さないシールリングを提供することにある。
上記従来の技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るシールリングは、軸方向に対向する二部材間に介在される弾性材料からなるシールリングであって、軸方向両側に、装着状態において前記二部材に全面が密接される密封面を有し、この密封面は、除荷状態では軸心と垂直な平面に対して非平行な面をなすものである。このため、シールリングを軸方向に重ねた時の接触面積が小さくなって、互いの粘着が防止される。また、装着状態では密封対象の二部材間で圧縮を受けることによって、密封面の全面が前記二部材の対向面に密接されるので、優れた密封性能が確保される。
請求項2の発明に係るシールリングは、請求項1に記載された軸方向両側の密封面が、軸心と垂直な平面に対して傾斜した互いに略平行な傾斜面をなすものである。すなわち、このシールリングは、軸心を通る平面で切断した断面形状が、略平行四辺形をなすものである。
請求項3の発明に係るシールリングは、請求項1に記載された軸方向両側の密封面が、軸心と垂直な平面に対して傾斜した互いに略対称な傾斜面をなすものである。すなわち、このシールリングは、軸心を通る平面で切断した断面形状が、例えば台形をなし、あるいは一対の台形の上底同士又は下底同士を連結した形状をなすものである。
請求項4の発明に係るシールリングは、請求項1に記載された軸方向両側の密封面が、互いに略対称な曲面をなすものである。この曲面は、凸面をなすものであっても良いし、凹面をなすものであっても良い。
請求項1〜4の発明に係るシールリングによれば、シールリングを重ねておいたりしても、接触面積が小さいのでゴムの粘着性によって粘着するのを防止することができる。しかも、低摩擦材の配合やコーティング、あるいは表面硬化等の後処理によるもののように製造コストの上昇や工期の長期化を来したり、密封性能の低下を来すおそれもない。
以下、本発明に係るシールリングの好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。まず図1は、本発明に係るシールリング1の第一の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図、図2は、図1のシールリング1を軸方向に重ねた状態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図、図3は、本発明に係るシールリング1を軸方向に対向する二部材2,3間に装着した状態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
図1に示されるシールリング1は、ゴム状弾性材料で成形されたものであって、内周面11及び外周面12が円筒面状に形成され、軸方向両側の密封面13,14が、外周側ほど軸方向肉厚を増大するように、軸心Oと垂直な平面に対して円錐面状に傾斜した互いに略対称な傾斜面をなしている。すなわち、軸心Oを通る平面で切断した断面形状(図1に示される断面形状)が台形をなすように形成されている。軸心Oと垂直な平面に対して密封面13,14がなす角度αは、好ましくは、0°<α≦5°とする。また、密封面13,14の内周端部間の軸方向肉厚tは、後述する図3の一方の部材2における環状溝22の溝底面22aと他方の部材3の対向面3aとの対向距離L以上の大きさとなっている。
図1の形態によるシールリング1は、例えば保管の際や、あるいは不図示の自動組立装置によって機器へ装着する際に、図2に示されるように軸方向に重ねた状態では、軸方向両側の密封面13,14が、その外周部のみで互いに接触することになるため、長時間重ねておいても、ゴムの粘着性によって互いに粘着してしまうようなことがない。このため、低摩擦材の配合やコーティング、あるいは表面硬化等の後処理が不要である。
また、図3に示される装着状態において、軸方向に対向する二部材2,3は、不図示のボルト等で互いに結合されて、密封対象の流体が通る互いに連続した管路21,31を有するものであり、このうちの一方の部材2における他方の部材3との対向面には、前記管路4の開口部の外周に沿った環状溝22が形成されている。シールリング1は、この環状溝22内に半収納された状態で、両部材2,3間に介在している。
上述のように、シールリング1の軸方向両側の密封面13,14は、除荷状態すなわち未装着状態では、図1に示されるように円錐面状の傾斜面をなしているが、内周端部の軸方向肉厚tが一方の部材2における環状溝22の溝底面22aと他方の部材3の対向面3aとの対向距離L以上の大きさであるため、軸方向一側の密封面13の全面が溝底面22aと密接し、軸方向他側の密封面14の全面が前記対向面3aと密接した状態となり、従来の角リングと同様に、部材2,3に対する大きな密接幅を確保して、優れた密封性能を得ることができる。また、密封面13,14の傾斜角度αは5°未満の小さなものであるため、外周側で面圧が過大になってヘタリが発生するのを有効に抑制できる。
次に、図4は、本発明に係るシールリング1の第二の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
図4に示されるシールリング1も、ゴム状弾性材料で成形されたものであって、内周面11及び外周面12が円筒面状に形成され、軸方向両側の密封面13,14が、内周側ほど軸方向肉厚を増大するように、軸心Oと垂直な平面に対して円錐面状に傾斜した互いに略対称な傾斜面をなしている。すなわち、軸心Oを通る平面で切断した断面形状(図4に示される断面形状)が、図1とは逆の台形をなすように形成されている。軸心Oと垂直な平面に対して密封面13,14がなす角度αは、好ましくは0°<α≦5°である。また、密封面13,14の外周端部間の軸方向肉厚tは、先に説明した図3の一方の部材2における環状溝22の溝底面22aと他方の部材3の対向面3aとの対向距離L以上の大きさとなっている。
したがって、図4の形態によるシールリング1は、例えば保管の際や、あるいは不図示の自動組立装置によって機器へ装着する際に、軸方向に重ねた状態では、軸方向両側の密封面13,14が、その内周部のみで互いに接触することになるため、長時間重ねておいても、ゴムの粘着性によって互いに粘着してしまうようなことがない。このため、低摩擦材の配合やコーティング、あるいは表面硬化等の後処理が不要である。
そして図4のシールリング1も、装着状態では、先に説明した図3と同様、軸方向一側の密封面13の全面が、一方の部材2に形成された溝底面22aと密接し、軸方向他側の密封面14の全面が、他方の部材3の対向面3aと密接した状態となるので、従来の角リングと同様に、部材2,3に対する大きな密接幅を確保して、優れた密封性能を得ることができる。また、密封面13,14の傾斜角度αは5°未満の小さなものであるため、内周側で面圧が過大になってヘタリが発生するのを有効に抑制できる。
次に図5は、本発明に係るシールリング1の第三の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図、図6は、図5のシールリング1を軸方向に重ねた状態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
図5に示されるシールリング1も、ゴム状弾性材料で成形されたものであって、内周面11及び外周面12が円筒面状に形成され、軸方向両側の密封面13,14が、軸心Oと垂直な平面に対して円錐面状に傾斜した互いに略平行な傾斜面をなしている。すなわち、一方の密封面13は内周側が凸、他方の密封面14は内周側が凹であり、軸心Oを通る平面で切断した断面形状(図5に示される断面形状)が、平行四辺形をなすように形成されている。したがって軸方向肉厚tは径方向全域で略均一である。またこの場合も、軸心Oと垂直な平面に対して密封面13,14がなす角度αは、好ましくは0°<α≦5°であり、先に説明した図3の一方の部材2における環状溝22の溝底面22aと他方の部材3の対向面3aとの対向距離L以上の大きさとなっている。
図5の形態によるシールリング1は、例えば保管の際や、あるいは不図示の自動組立装置によって機器へ装着する際に軸方向に重ねる場合は、図6に示されるように軸方向両側の密封面13,14の傾斜方向が、軸方向に隣接するシールリング1,1同士で逆向きになるようにすれば、軸方向に隣接するシールリング1,1は外周部のみ又は内周部のみで互いに接触することになるため、長時間重ねておいても、ゴムの粘着性によって互いに粘着してしまうようなことがない。したがって、低摩擦材の配合やコーティング、あるいは表面硬化等の後処理が不要である。
そして図5のシールリング1も、装着状態では、先に説明した図3と同様、軸方向一側の密封面13の全面が、一方の部材2に形成された溝底面22aと密接し、軸方向他側の密封面14の全面が、他方の部材3の対向面3aと密接した状態となるので、従来の角リングと同様に、部材2,3に対する大きな密接幅を確保して、優れた密封性能を得ることができる。また、密封面13,14の傾斜角度αは5°未満の小さなものであるため、内周側及び外周側で面圧が過大になってヘタリが発生するのを有効に抑制できる。
次に図7は、本発明に係るシールリング1の第四の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
図7に示されるシールリング1も、ゴム状弾性材料で成形されたものであって、内周面11及び外周面12が円筒面状に形成され、軸方向両側の密封面13,14が、径方向中間部で最も軸方向肉厚が大きくなるように膨らんだ形状であって、軸心Oと垂直な平面に対して互いに略対称な曲面をなしている。そして、密封面13,14の内周端部との接線及び外周端部との接線が、軸心Oと垂直な平面に対してなす角度αは、好ましくは0°<α≦5°である。また、内周端部及び外周端部の軸方向肉厚tは互いに等しく、先に説明した図3の一方の部材2における環状溝22の溝底面22aと他方の部材3の対向面3aとの対向距離L以上の大きさとなっている。
したがって、図7の形態によるシールリング1は、例えば保管の際や、あるいは不図示の自動組立装置によって機器へ装着する際に、軸方向に重ねた状態では、軸方向両側の密封面13,14が、その径方向中間部の、最も膨らんだ部分のみで互いに接触することになるため、長時間重ねておいても、ゴムの粘着性によって互いに粘着してしまうようなことがない。したがって、低摩擦材の配合やコーティング、あるいは表面硬化等の後処理が不要である。
そして図7のシールリング1も、装着状態では、先に説明した図3と同様、軸方向一側の密封面13の全面が、一方の部材2に形成された溝底面22aと密接し、軸方向他側の密封面14の全面が、他方の部材3の対向面3aと密接した状態となるので、従来の角リングと同様、部材2,3に対する大きな密接幅を確保して、優れた密封性能を得ることができる。また、密封面13,14の曲率は、その内周部及び外周部の傾斜角度αが5°未満の小さなものであるため、径方向中間部で面圧が過大になってヘタリが発生するのを有効に抑制できる。
次に図8は、本発明に係るシールリング1の第五の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
図8に示されるシールリング1も、ゴム状弾性材料で成形されたものであって、内周面11及び外周面12が円筒面状に形成され、軸方向両側の密封面13,14は、径方向中間部で最も軸方向肉厚が大きくなるように、軸方向に互いに略対称な山形をなしている。すなわちこのシールリング1を、軸心Oを通る平面で切断した断面形状(図8に示される断面形状)が、一対の台形の下底同士を連結した形状(六角形)をなすものである。
密封面13における山形の頂部13aの両側の円錐面13b,13c及び密封面14における山形の頂部14aの両側の円錐面14b,14cが、それぞれ軸心Oと垂直な平面に対してなす角度αは、好ましくは0°<α≦5°である。また、内周部及び外周部の軸方向肉厚tは互いに等しく、先に説明した図3の一方の部材2における環状溝22の溝底面22aと他方の部材3の対向面3aとの対向距離L以上の大きさとなっている。
したがって、図8の形態によるシールリング1は、例えば保管の際や、あるいは不図示の自動組立装置によって機器へ装着する際に、軸方向に重ねた状態では、軸方向両側の山形の凸面をなす密封面13,14が、その径方向中間の頂部13a,14aで互いに接触することになるため、長時間重ねておいても、ゴムの粘着性によって互いに粘着してしまうようなことがない。したがって、低摩擦材の配合やコーティング、あるいは表面硬化等の後処理が不要である。
そしてこの図8のシールリング1も、装着状態では、先に説明した図3と同様、軸方向一側の密封面13の全面が、一方の部材2に形成された溝底面22aと密接し、軸方向他側の密封面14の全面が他方の部材3の対向面3aと密接した状態となるので、従来の角リングと同様に、部材2,3に対する大きな密接幅を確保して、優れた密封性能を得ることができる。また、密封面13,14における各円錐面13b,13c,14b,14cの傾斜角度αは、5°未満の小さなものであるため、頂部13a,14aで面圧が過大になってヘタリが発生するのを有効に抑制できる。
次に図9は、本発明に係るシールリング1の第六の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
図9に示されるシールリング1も、ゴム状弾性材料で成形されたものであって、内周面11及び外周面12が円筒面状に形成され、軸方向両側の密封面13,14は、径方向中間部で最も軸方向肉厚が小さくなるように凹んだ形状であって、軸心Oと垂直な平面に対して互いに略対称な曲面をなしている。そして、密封面13,14の内周端部との接線及び外周端部との接線が、軸心Oと垂直な平面に対してなす角度αは、好ましくは0°<α≦5°である。また、最も軸方向肉厚の小さい径方向中間部の軸方向肉厚tは、先に説明した図3の一方の部材2における環状溝22の溝底面22aと他方の部材3の対向面3aとの対向距離L以上の大きさとなっている。
したがって、図9の形態によるシールリング1は、例えば保管の際や、あるいは不図示の自動組立装置によって機器へ装着する際に、軸方向に重ねた状態では、軸方向両側の密封面13,14が、その内周部及び外周部のみで互いに接触することになるため、長時間重ねておいても、ゴムの粘着性によって互いに粘着してしまうようなことがない。したがって、低摩擦材の配合やコーティング、あるいは表面硬化等の後処理が不要である。
そして図9のシールリング1も、装着状態では、先に説明した図3と同様、軸方向一側の密封面13の全面が、一方の部材2に形成された溝底面22aと密接し、軸方向他側の密封面14の全面が、他方の部材3の対向面3aと密接した状態となるので、従来の角リングと同様に、部材2,3に対する大きな密接幅を確保して、優れた密封性能を得ることができる。また、密封面13,14の曲率は、その内周部及び外周部の傾斜角度αが5°未満の小さなものであるため、内周部及び外周部で面圧が過大になってヘタリが発生するのを有効に抑制できる。
次に図10は、本発明に係るシールリング1の第七の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
図10に示されるシールリング1も、ゴム状弾性材料で成形されたものであって、内周面11及び外周面12が円筒面状に形成され、軸方向両側の密封面13,14は、径方向中間部で最も軸方向肉厚が小さくなるように、軸方向に互いに略対称な略V字形をなす凹面に形成されている。すなわちこのシールリング1を、軸心Oを通る平面で切断した断面形状(図10に示される断面形状)が、一対の台形の上底同士を連結した形状をなすものである。
密封面13における最深部13dの両側の円錐面13e,13f及び密封面14における最深部14dの両側の円錐面14e,14fが、それぞれ軸心Oと垂直な平面に対してなす角度αは、好ましくは0°<α≦5°である。また、最も軸方向肉厚の小さい径方向中間部の軸方向肉厚tは、先に説明した図3の一方の部材2における環状溝22の溝底面22aと他方の部材3の対向面3aとの対向距離L以上の大きさとなっている。
したがって、図10の形態によるシールリング1は、例えば保管の際や、あるいは不図示の自動組立装置によって機器へ装着する際に、軸方向に重ねた状態では、略V字形の凹面をなす密封面13,14が、その内周部及び外周部のみで互いに接触することになるため、長時間重ねておいても、ゴムの粘着性によって互いに粘着してしまうようなことがない。したがって、低摩擦材の配合やコーティング、あるいは表面硬化等の後処理が不要である。
そしてこの図10のシールリング1も、装着状態では、先に説明した図3と同様、軸方向一側の密封面13の全面が、一方の部材2に形成された溝底面22aと密接し、軸方向他側の密封面14の全面が、他方の部材3の対向面3aと密接した状態となるので、従来の角リングと同様に、部材2,3に対する大きな密接幅を確保して、優れた密封性能を得ることができる。また、密封面13,14における各円錐面13e,13f,14e,14fの傾斜角度αは、5°未満の小さなものであるため、内周部及び外周部で面圧が過大になってヘタリが発生するのを有効に抑制できる。
更に図11は、本発明に係るシールリング1の第八の形態を、その軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
図11に示されるシールリング1も、ゴム状弾性材料で成形されたものであって、内周面11が円筒面状に形成され、外周面12が外周側へ膨らんだ曲面状に形成され、軸方向両側の密封面13,14が、内周側ほど軸方向肉厚を増大するように、軸心Oと垂直な平面に対して円錐面状に傾斜した互いに略対称な傾斜面をなしている。軸心Oと垂直な平面に対して密封面13,14がなす角度αは、好ましくは、0°<α≦5°とする。また、密封面13,14の外周端部間での軸方向肉厚tは、図3に示される一方の部材2における環状溝22の溝底面22aと他方の部材3の対向面3aとの対向距離L以上の大きさとなっている。
図11の形態によるシールリング1は、先に説明した図4の形態と同様の効果を実現し得るもので、すなわち軸方向に重ねた状態では、軸方向両側の密封面13,14が、その内周部のみで互いに接触することになるため、長時間重ねておいても、ゴムの粘着性によって互いに粘着してしまうようなことがない。また、装着状態では、図3と同様、密封面13の全面が一方の部材2における溝底面22aと密接し、密封面14の全面が他方の部材3の対向面3aと密接するので、大きな密接幅を確保して、優れた密封性能を得ることができる。また、密封面13,14の傾斜角度αは5°未満の小さなものであるため、外周側で面圧が過大になってヘタリが発生するのを有効に抑制できる。
その他にも、例えば断面形状を図11と内外周逆にしたものなど、種々の形態が考えられる。
1 シールリング
11 内周面
12 外周面
13,14 密封面
2 一方の部材
21,31 管路
22 環状溝
22a 溝底面
3 他方の部材
3a 対向面
O 軸心
11 内周面
12 外周面
13,14 密封面
2 一方の部材
21,31 管路
22 環状溝
22a 溝底面
3 他方の部材
3a 対向面
O 軸心
Claims (4)
- 軸方向に対向する二部材(2,3)間に介在される弾性材料からなるシールリング(1)であって、軸方向両側に、装着状態において前記二部材(2,3)に全面が密接される密封面(13,14)を有し、この密封面(13,14)は、除荷状態では軸心(O)と垂直な平面に対して非平行な面をなすことを特徴とするシールリング。
- 軸方向両側の密封面(13,14)が、軸心(O)と垂直な平面に対して傾斜した互いに略平行な傾斜面をなすことを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
- 軸方向両側の密封面(13,14)が、軸心(O)と垂直な平面に対して傾斜した互いに略対称な傾斜面をなすことを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
- 軸方向両側の密封面(13,14)が、互いに略対称な曲面をなすことを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
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JP (1) | JP2006132603A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008275071A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Izumi Kosho Kk | サニタリー配管継手 |
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2004
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