JP2008275009A - 軸ばね装置 - Google Patents

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Hiroshi Niimura
浩 新村
Takeshi Masuda
武司 増田
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【課題】部品点数の増加を招くことなく、弾性層の亀裂やクリープのおそれを低減して耐久性を高められるとともに、種々に変化するばね上重量の変化に拘らずに良好な乗り心地や揺れ軽減作用が発揮できるよう、より一層改善された軸ばね装置を実現する。
【解決手段】主軸1とこれと互いに同一の軸心Pを有する外筒2との間に、中間硬質筒7と弾性層8とを軸心Pと同心状態で径内外方向で交互に積層して成る弾性部3が介装されて成る軸ばね装置において、弾性部3は中間硬質筒7を複数備えるとともに、軸心P方向の荷重が増すに従って外筒2に固定される外筒側部材9と複数の中間硬質筒7とが径外側の中間硬質筒7から順次当接する変位差当接機構Bが装備される。
【選択図】図2

Description

本発明は、鉄道車両や大型建機、或いは大型船舶等に用いられる軸ばね装置に係り、詳しくは、主軸とこれと互いに同一又はほぼ同一の軸心を有する外筒との間に、中間硬質筒と弾性層とを前記軸心と同心又はほぼ同心状態で径内外方向で交互に積層して成る弾性筒部が介装されて成る軸ばね装置に関するものである。
この種の軸ばね装置は、例えば鉄道車両においては、その蛇行動や上下動時の衝撃を吸収緩和するために、台車枠と車軸側部材との間に介装されている。即ち、軸箱支持装置の一例としての軸ばね装置は、特許文献1の図5に示すように、主軸とその周囲に配置された外筒との間に、複数の中間硬質筒とゴム製で複数の弾性層とが同心状態で、かつ、半径方向に交互に積層されて軸ばね装置が構成されている。
ところで、この種の軸ばね装置の傾向としては、空車時等のような車体重量が小さいときの乗り心地や曲線走行時における輪重抜けのし難さをより強める等のために、軸ばね装置を構成する弾性層として柔らかいゴムを使用し、全体のばね定数を低く設定するケースが多い。しかしながら、全体のばね定数を低く設定すると、例えば、定員以上の大きな車体重量が負荷された場合、弾性層が大きく撓んで却って乗り心地が悪化したり、それら弾性層に亀裂やクリープの生じるおそれが強まる等、軸ばね装置耐久性や乗車感に悪影響が出易い傾向がある。
そこで、定員等の大荷重時の乗り心地向上、弾性層の亀裂やクリープを回避するためにばね定数を高く設定すると、今度は空車時等のような車体重量が小さいときの曲線走行時の追従性や乗り心地が悪化する。また、最近の輪重管理の点で各荷重時のばね定数が一定では輪重抜けし易いことや輪重調整に手間が掛る等の観点から、新車への採用が困難になる場合もあった。
上記問題を解決するために、前記特許文献1の図1に示すように、主軸の上部に補助ばねを設け、低荷重域(空車時)では補助ばねが作用せず、定員又は定員付近の大なる車体重量になった高荷重域では、補助ばねが複数の弾性層と協働してばね作用を発揮する非線形ばね特性を有する構成の軸のばね装置も開示されている。
特開2003−40107号公報
しかしながら、前記特許文献1の図1に示される手段では、弾性層とは別に補助ばねを必要とするため、部品点数の増加を伴うことになるとともに、補助ばねを主軸の上部に固定するためには、脱落しない適切な固定手段を用いなければならず、その固定作業も困難を要することが予想される。また、近年の鉄道車両等においては、通勤ラッシュ時等の定員時の荷重を大きく上回る満員時の荷重状態においても、乗り心地や揺れが少ない等の走行安定性を考慮する必要もあり、更なる改善の余地が残されているものであった。
本発明の目的は、上記実情に鑑みて、部品点数の増加を招くことなく、弾性層の亀裂やクリープのおそれを低減して耐久性を高められるとともに、種々に変化するばね上重量の変化に拘らずに良好な乗り心地や揺れ軽減作用が発揮できるよう、より一層改善された軸ばね装置を実現して提供する点にある。
請求項1に係る発明は、主軸1とこれと互いに同一又はほぼ同一の軸心Pを有する外筒2との間に、中間硬質筒7と弾性層8とを前記軸心Pと同心又はほぼ同心状態で径内外方向で交互に積層して成る弾性部3が介装されて成る軸ばね装置において、
前記弾性部3は前記中間硬質筒7を複数備えるとともに、前記軸心P方向の荷重が増すに従って、前記外筒2に固定される外筒側部材9と前記複数の中間硬質筒7とが径外側の前記中間硬質筒7から順次当接する、又は前記主軸1に固定される主軸側部材1Fと前記複数の中間硬質筒7とが径内側の前記中間硬質筒7から順次当接する、変位差当接機構Bが装備されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の軸ばね装置において、前記変位差当接機構Bは、前記軸心P方向の荷重が増すに従って前記外筒側部材9と前記複数の中間硬質筒7とが径外側の前記中間硬質筒7から順次当接する構成とされていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の軸ばね装置において、前記変位差当接機構Bは、前記外筒側部材9における各中間硬質筒7に対応する箇所9A,9Bの中間硬質筒側への突出高さを、前記各中間硬質筒7における径最外側に対応するものから径内側に行くに従って順次高くすることで構成されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項2に記載の軸ばね装置において、前記変位差当接機構Bは、前記各中間硬質筒7における外筒側部材側9への突出高さを、前記各中間硬質筒7における径最外側のものから径内側に行くに従って順次低くすることで構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載の軸ばね装置において、前記主軸1が前記外筒2の上方に位置して、前記外筒2が車軸側部材6に支持され、かつ、前記主軸1が車体側部材5に支持される上下反転姿勢に構成されていることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の軸ばね装置において、前記弾性層8における前記軸心Pに対する特定の径方向に、前記弾性層8を部分的に欠如させた肉ぬすみ部10が形成されていることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の軸ばね装置において、前記特定の径方向が車両進行方向に設定される鉄道車両用のものであることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、荷重が増すに連れて弾性部における複数の中間硬質筒が径外側から又は径内側から順次当接するので、その当接後のバネ定数を当接前のバネ定数よりも大にすることが可能であり、かつ、その当接が2箇所以上あるので、少なくともバネ定数が荷重増加に伴って三段階に大となる非線形特性を得ることができる。従って、懸架初期にはソフトなバネ定数による柔かいクッション作用が得られ、懸架中期にはそれ相応の踏ん張りとクッション作用が発揮されるとともに、懸架終期には強いバネ定数によって強く踏ん張りが効くハードなクッション作用が得られる。つまり、メカ的にバネ定数を変化させる手段であるから、弾性層の硬度を変化させる等のコストを要する手段や、クリープ、亀裂が生じ易い硬度の相当に小さい或いは大きいゴム等の弾性材料を使う無理も回避することが可能になる。
例えば、請求項1による軸ばね装置と懸架ストローク(図4のたわみ)が同じで、かつ、均一なバネ定数、或いは二段階に変化するバネ定数を有する軸ばね装置とを比べた場合、懸架ストローク初期ではよりソフトなクッション作用が発揮でき、懸架ストローク終期ではより強い荷重にも耐える腰の有るクッション作用が発揮できて、総合性能に勝る優れた懸架性能を得ることができる。従って、請求項1による軸ばね装置を鉄道車両に適用した場合には、空車時等のような車体重量が小さいときの乗り心地や曲線走行時における輪重抜けのし難さを得るための低いバネ定数と、定員等の大荷重時の乗り心地向上、弾性層の亀裂やクリープを回避するための高いバネ定数とを、より高次元で備えることが可能になる。しかも、補助ばねも不要である。
その結果、部品点数の増加を招くことなく、弾性層の亀裂やクリープのおそれを低減して耐久性を高められるとともに、種々に変化するばね上重量の変化に拘らずに良好な乗り心地や揺れ軽減作用が発揮できるよう、より一層改善された軸ばね装置を提供することができる。
また、次のような効果も奏することが可能である。即ち、台車の上下固有振動と車体(車両)の曲げ固有振動とが共振する場合、減衰要素を追加するか、どちらかの質量又は剛性を変更する等の対策が必要である。しかしながら、共振を逃がす程にそれらの値を変化させると、コストアップ又はデッドウェイト追加等の設計のバランスが確保できなくなる問題があった。これに対して、本発明においては、例えば上下振動が問題となり易い空車時に、円錐積層軸ばね装置の上下剛性をコイルバネ並に低く設計できるため、台車振動の共振点を下げて、車両との共振を回避できるようになった。
請求項2〜4の発明によれば、最も体積の大なる最外径側の弾性層からそのクッション機能を無くすように作用させることになるから、例えば、最内径側の中間硬質筒から順次当接させる場合に比べて、バネ定数の増加率を大きくすることが可能になる(図4におけるK1とK2との傾きの角度差、及びK2とK3との傾きの角度差を参照)。これに対して、最も体積の小なる最内径側の弾性層からそのクッション機能を無くすように作用させる場合(請求項1)には、例えば、最外径側の中間硬質筒から順次当接させる場合に比べて、バネ定数の増加率を小さくすることが可能になる(図4におけるK1とK4との傾きの角度差、及びK4とK5との傾きの角度差を参照)。
また、請求項3のように、外筒側部材の中間硬質筒側への突出高さを変更することで変位差当接機構Bを構成させる場合には、中間硬質筒の設計変更が不要になり、請求項4のように、中間硬質筒を延長することで変位差当接機構Bを構成させる場合には、外筒側部材の設計変更が不要になる。従って、求められるバネ定数の変化や装備する箇所の構造や荷重条件といった種々の緒元に合せて、請求項2〜4の軸ばね装置を適宜に選択して用いることができる便利さがある。
請求項5の発明によれば、最内側の中間硬質筒と主軸とに間に弾性層が存在しているから、中間硬質筒と外筒側部材とが当接した際の当接振動(金属どうしの衝突等:メタルタッチ)が台車枠等の車体側部材に伝播することが回避又は軽減される作用が生じ、メタルタッチによる振動や騒音、並びに乗り心地がさらに改善可能となる利点がある。
請求項6の発明によれば、軸心の特定系方向における弾性層に肉ぬすみ部が設けてあるので、その特定径方向における横方向のバネ定数を、特定径方向以外の径方向よりも小さくすることができる。故に、適用する車種や形状、荷重条件といった種々の緒元に合せて横方向のバネ定数を変更調節可能な汎用性に優れる軸ばね装置にすることができる。この場合、請求項7のように、肉ぬすみ部を弾性層における車両進行方向に設定すれば、前後方向に比べて左右方向の揺れは規制したい鉄道車両用として好適な軸ばね装置を提供することができる。
以下に、本発明による軸ばね装置の実施の形態を、鉄道車両に適用した場合について図面を参照しながら説明する。図1は鉄道車両の台車を示す側面図、図2,3は実施例1による軸ばね装置を示す一部切欠きの側面図、図4は図2の軸ばね装置の荷重とたわみ(撓み)との関係グラフを示す図、図5,6,7及び8,9は、それぞれ実施例2,3,4,5による軸ばね装置を示す一部切欠きの側面図である。
〔実施例1〕
鉄道車両用の軸ばね装置Aは、図1に示すように、主軸1と、外筒2と、これら主軸1と外筒2との間に介装される弾性部3とから成り、鉄道車両における車軸4の中心の前後両側のそれぞれの位置において、その軸心Pを上下垂直姿勢にした状態で台車枠(車体側部材の一例)5と軸箱(車軸側部材の一例)6との間に介装して用いられている。軸ばね装置Aは、通常は、主軸1が外筒2の下方に位置する正立姿勢(特許文献1等を参照)で用いられるが、本実施例1においては、主軸1が外筒2の上方に位置して、外筒2が軸箱6に支持され、かつ、主軸1が台車枠5に支持される上下反転姿勢(倒立姿勢)に構成されている。
軸ばね装置Aの構造を詳述すると、図1及び図2に示すように、主軸1とこれと互いに同一の軸心Pを有する外筒2との間に、金属製で二つの中間硬質筒7と筒状ゴムで三つの弾性層8とを軸心Pと同心状態で径内外方向で交互に積層して成る弾性部3を介装して成るコニカルストッパー型のものに構成されている。主軸1は台車枠5に内嵌されてボルト止めされており、外筒2は、これの下端部に内嵌固定される円板9が軸箱6の支持部6aにボルト止めされている。各中間硬質筒7及び各弾性層8は、いずれも上に行くに従って径がやや大きくなるテーパー円筒状に形成されており、主軸1及び外筒2における弾性部3との接合部位も同様なテーパー円筒面1a,2aに形成されている。また、主軸1は外筒2の内径側でかつ、やや上方に寄った位置に配置されている。
そして、軸心P方向の荷重が増すに従って外筒2に固定される外筒側部材である円板9と中間硬質筒7,7とが径外側の中間硬質筒7から順次当接する変位差当接機構Bが装備されている。変位差当接機構Bは、各中間硬質筒7,7における外筒側部材側、即ち円板9側への突出高さを、各中間硬質筒7,7における径最外側のものから径内側に行くに従って順次低くすることで構成されている。具体的には、図2に示すように、内外径側の中間硬質筒7,7の下端部を垂直に下方に延長させ、外径側中間筒7の延長部7Aと円板9との上下間隔d1よりも、内径側中間筒7の延長部7Bと円板9との上下間隔d2を大に設定することで構成されている。
上述の変位差当接機構Bにより、図2に示すように、空車時には外径側中間筒7と円板9とが上下に離れており、内外三つの弾性層8,8,8による柔かいバネ定数k1(図4参照)でもって支持されるソフト懸架状態が齎される。このソフト懸架状態は、空車時及びそれからある程度の荷重増減範囲で実現される。次に、定員が乗車する定員時には、図3に示すように、その定員重量によって外径側の中間筒7の延長部7Aの下端が円板9の上面9aに当接してリジッドとなり、内径側及び中間部の二つの弾性層8,8による中間のバネ定数K2(図4参照)でもって支持されるミディアム懸架状態が齎される。このミディアム懸架状態は、乗員数が定員±所定人員の範囲で実現される。
そして、満車時には、図示は省略するが、内径側の中間筒7の延長部7Bの下端も円板9の上面9aに当接してリジッドとなり、内径側の一つの弾性層8のみによる硬いバネ定数K3(図4参照)でもって支持されるハード懸架状態が齎される。このハード懸架状態は、乗員が(満員−所定人員)以上の範囲において実現される。このように、軸ばね装置Aのバネ定数が、乗員の数に伴って自動的に三段階に変化するようになるので、弾性層8の亀裂やクリープのおそれを低減して耐久性を高められるとともに、種々に変化するばね上重量の変化に拘らずに良好な乗り心地や揺れ軽減作用が発揮できるものとなっている。
〔実施例2〕
実施例2の軸ばね装置Aは、実施例1の軸ばね装置Aと変位差当接機構Bが異なるものである。即ち、図5に示すように、実施例2による変位差当接機構Bは、外筒2に固定される外筒側部材である円板9における各中間硬質筒7,7に対応する箇所の中間硬質筒側への突出高さを、各中間硬質筒7,7における径最外側に対応するものから径内側に行くに従って順次高くすることで構成されている。つまり、円板9における外径側の中間硬質筒7に対応する第1周部9Aの厚みを、これと外径側の中間硬質筒7との上下間隔がd1となるように上方に増すとともに、円板9における内径側の中間硬質筒7に対応する第2周部9Bの厚みを、これと内径側の中間硬質筒7との上下間隔がd2となるように上方に増してある。
この実施例2による変位差当接機構Bの効果は、実施例1による変位差当接機構Bの効果と同等である。ところで、図5においては、外筒2と円板9とを一体のものとして描いてあるが、図2等に示す構造のように、第1及び第2周部9A,9Bを有する円板9を外筒2とは別体として、ボルト等の固定手段を用いて一体化させる構造でも良い。また、これも図示は省略するが、円板9の断面形状を階段状として、厚み変化が無い又は殆ど無い状態で第1及び第2周部9A,9Bを有する円板9としても良い。
〔実施例3〕
実施例3の軸ばね装置Aは、実施例1の軸ばね装置Aと変位差当接機構Bが異なるものである。即ち、図6に示すように、実施例3による変位差当接機構Bは、主軸1に固定される主軸側部材1Fと複数の中間硬質筒7,7とが径内側の中間硬質筒7から順次当接する構成とされている。具体的には、主軸1に一体形成されるフランジ部1Fを、外径側の中間硬質筒7に対応する位置まで大径化するとともに、内外径側の中間硬質筒7,7の上端部を垂直に上方に延長させ、外径側中間筒7の上方延長部7Cとフランジ部1Fとの上下間隔をd1とし、かつ、内径側中間筒7の上方延長部7Dとフランジ部1Fとの上下間隔をd2に設定することで構成されている。
実施例1,2の変位差当接機構Bでは、最初に外径側の中間硬質筒7が当接する構造であり、内外三つの弾性層8,8,8による低いバネ定数K3→内径側及び中間部の二つの弾性層8,8による中間のバネ定数K2→内径側のみの弾性層8による硬いバネ定数K3という具合に変化する。これに対して、実施例3の変位差当接機構Bでは、定員時等の重量増によって先に内径側の中間硬質筒7の上方延長部7Dがフランジ部1Fに当接する構造であり、内外三つの弾性層8,8,8による低いバネ定数K3→外径側及び中間部の二つの弾性層8,8による中間のバネ定数K4→外径側のみの弾性層8による硬いバネ定数K5という具合に、実施例1,2のものとは異なる変化をする。即ち、実施例1〜3における弾性部3が互いに同じ場合には、K2>K4、かつ、K3>K5となる。
また、変位差当接機構Bを持たない従来の軸ばね装置と比べた場合、実施例1の変位差当接機構Bでは弾性部3の改造が、そして実施例2の変位差当接機構Bでは円板9の改造が夫々必要になる。従って、実施例1〜3の変位差当接機構Bは、軸ばね装置Aの構成や必要とされるバネ定数の変化具合等に応じて適宜に選択して設定するのが望ましいと思われる。尚、実施例1〜3においては、簡単化のために円板9又はフランジ部1Fと中間硬質筒7との上下間隔をd1とd2で共通化してあるが、各実施例1〜3においてそれら間隔d1,d2の値を種々に変化させても良いことは言うまでもない。
〔実施例4〕
軸ばね装置Aは、図7,8に示す構造のものでも良い。即ち、図2に示す実施例1による軸ばね装置を基本として、弾性層8,8,8における軸心Pに対する特定の径方向に、弾性層8を部分的に欠如させた肉ぬすみ部10が、車両進行方向で前後両側に設定される鉄道車両用の軸ばね装置Aとしても良い。図7,8において、矢印イ方向が車両進行方向(前後方向)であり、矢印ロ方向が左右方向である。
肉ぬすみ部10は、最外径側の弾性層8前後のに左右対称に計一対形成されているが、その他の弾性層8でも良く、また、複数箇所に設けても良い。肉ぬすみ部10の深さは、最外径側の弾性層8を上下に貫通するものでも、上下何れか一方から他方に架けての途中部位まで形成される穴状のものでも良い。この配置構成により、左右の横揺れはし難く、前後のショックや揺れは大きな変位で程よく吸収する好ましい軸ばね装置Aが実現できている。
〔実施例5〕
軸ばね装置Aは、図9に示す構造のものでも良い。即ち、外径側中間硬質筒7の延長部7A及び内径側中間硬質筒7の延長部7Bの夫々(何れか一方でも可)に、それら延長部7A,7Bを包み込むような断面が上向きコ字状の低摺動摩擦材を11を装着し、外筒2の最台車側となる下端部に、上面(中間硬質筒側の面)9aが磨き処理されたステンレス鋼板等の低摺動摩擦板製の円板9(図9における中心線Pの右側)を設ける構造である。その他は実施例1の軸ばね装置に準ずる。これにより、中間硬質筒7と円板9とが当接している状態でもそれら両者7,9は横方向(水平方向Z)に滑って動き易いことから、軸ばね装置としての前後や左右等の横方向の変位に対して中間硬質筒7と円板9との相対横移動が妨げられない、又は妨げ難く、当接していない中間硬質筒7の弾性層8に無理な歪が作用せず、耐久性が向上する効果がある。また、当接の有無によって横方向の剛性が極端に変化してしまうことを回避できる利点もある。
また、図9における中心線Pの左側に描かれているように、外筒2を若干下方(台車側)に延長して、その延長端2bに緩衝ゴム12を介してステンレス鋼板等の低摺動摩擦板13を設けて成るフロートタイプの円板9を装備する構造の軸ばね装置Aでも良い。この場合、緩円板9は、衝ゴム12の外周に加硫接着や焼付け等の手段によって一体化されている断面L字状で鋼板製のリング部材14を介して外筒2に装備されている。この構造によれば、低摺動摩擦材を11に寄る前記効果に加えて、中間硬質筒7と低摺動摩擦板13との当接ショックが緩衝ゴム12で減衰され、車両側への振動伝播を抑制することが可能となる利点がある。
〔その他〕
本明細書においては、「主軸に固定される主軸側部材」とは、フランジ部1F等のように主軸1自体、及び主軸1にボルト等の固定手段を用いて固定される別部材(即ち主軸側部材)との総称であり、「外筒に固定される外筒側部材」とは、円板9等の外筒2に固定される外筒側部材及び外筒2自体との総称であると定義する。また、各実施例の軸ばね装置Aにおいて、外筒側部材9又は主軸側部材1Fと中間硬質筒7との直接衝突(メタルタッチ)を避けるために、いずれか一方にゴム、合成樹脂等の緩衝材を介装させる構成としても良い。その場合には、図4における非線形グラフの屈曲点を、滑らかな曲線で繋がる状態とすることができる。
尚、各実施例において、内筒1と外筒2とは、軸ばね装置Aとしての使用条件内にて互いに相手側に側に設けられている部材(円板9等)と当接することが無いように、上下に十分な間隔を空けて設けられており、中間硬質筒7は、内筒1又は外筒2側の部材(円板9等)と最初に当接する中間硬質筒7から順に当接するに要する上下間隔が小さく設定されている。例として、実施例1の軸ばね装置Aで、外筒2側の部材である円板9との上下間隔は、外径側中間硬質筒7が最も小さく(d1)、その次が内径側中間硬質筒7であり(d2)、内筒1とのは最も大きな上下間隔が設定されている(図2参照)。
軸ばね装置を鉄道車両用台車に用いた例を示す一部切欠きの側面図 図1の軸ばね装置の一部切欠きの拡大側面図(実施例1) 最外径側の中間硬質筒が車軸側部材に当接した状態を示す作用図 図2の軸ばね装置による非線形特性グラフを示す図 実施例2による軸ばね装置の構造を示す一部切欠きの側面図 実施例3による軸ばね装置の構造を示す一部切欠きの側面図 実施例4による軸ばね装置の断面側面図 図7の軸ばね装置の底面図 実施例5による軸ばね装置の断面側面図
符号の説明
1 主軸
1F 主軸側部材
2 外筒
3 弾性部
7 中間硬質筒
8 弾性層
9 外筒側部材
10 肉ぬすみ部
A 軸ばね装置
P 軸心

Claims (7)

  1. 主軸とこれと互いに同一又はほぼ同一の軸心を有する外筒との間に、中間硬質筒と弾性層とを前記軸心と同心又はほぼ同心状態で径内外方向で交互に積層して成る弾性部が介装されて成る軸ばね装置であって、
    前記弾性部は前記中間硬質筒を複数備えるとともに、前記軸心方向の荷重が増すに従って、前記外筒に固定される外筒側部材と前記複数の中間硬質筒とが径外側の前記中間硬質筒から順次当接する、又は前記主軸に固定される固定側部材と前記複数の中間硬質筒とが径内側の前記中間硬質筒から順次当接する、変位差当接機構が装備されている軸ばね装置。
  2. 前記変位差当接機構は、前記軸心方向の荷重が増すに従って前記外筒側部材と前記複数の中間硬質筒とが径外側の前記中間硬質筒から順次当接する構成とされている請求項1に記載の軸ばね装置。
  3. 前記変位差当接機構は、前記外筒側部材における各中間硬質筒に対応する箇所の中間硬質筒側への突出高さを、前記各中間硬質筒における径最外側に対応するものから径内側に行くに従って順次高くすることで構成されている請求項2に記載の軸ばね装置。
  4. 前記変位差当接機構は、前記各中間硬質筒における外筒側部材側への突出高さを、前記各中間硬質筒における径最外側のものから径内側に行くに従って順次低くすることで構成されている請求項2に記載の軸ばね装置。
  5. 前記主軸が前記外筒の上方に位置して、前記外筒が車軸側部材に支持され、かつ、前記主軸が車体側部材に支持される上下反転姿勢に構成されている請求項2〜4の何れか一項に記載の軸ばね装置。
  6. 前記弾性層における前記軸心に対する特定の径方向に、前記弾性層を部分的に欠如させた肉ぬすみ部が形成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の軸ばね装置。
  7. 前記特定の径方向が車両進行方向に設定される鉄道車両用のものである請求項6に記載の軸ばね装置。
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