JP4989387B2 - 車両用軸ばねシステム - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両、トラック、産業用車両等に用いられる車両用軸ばねシステムに係り、詳しくは、主軸とこれと互いに同一又はほぼ同一の軸心を有する外筒との間に、複数の弾性層と硬質隔壁とを軸心と同心又はほぼ同心状態で径内外方向で交互に積層する積層ゴム構造で、かつ、軸心に沿う方向での断面視形状がハ字状を呈する弾性部が介装されて成る軸ばねを有する車両用軸ばねシステムに関するものである。
この種の軸ばね装置は、例えば鉄道車両においては、その蛇行動や上下動時の衝撃を吸収緩和するために、台車枠と車軸側部材との間に介装されている。即ち、軸箱支持装置の一例としての軸ばね装置は、特許文献1の図5に示すように、主軸とその周囲に配置された外筒との間に、複数の中間硬質筒とゴム製で複数の弾性層とが同心状態で、かつ、半径方向に交互に積層されて軸ばね装置が構成されている。
ここで、従来の一般的な軸ばねAは、図5に示すように、鉄道台車29において車輪25の車軸26を支える車軸箱(車輪側部材)27を台車枠(車体側部材)28に懸架支持させる手段であり、主軸30とその周囲に配置された外筒31との間に、複数の中間筒32,33と複数のゴム層34とが同心状態で、かつ、径方向に交互に積層されて軸ばね部35が構成されている。尚、37は主軸30に一体化されるストッパフランジである。
主軸30は、金属製のものであって、円錐筒状に形成され、その下端には車軸26の車箱27に固定するための筒状支軸部38が形成されている。この主軸30の周囲に配置される複数の中間筒32,33及び外筒31は、主軸30と同様に金属製のものであって、円錐筒状に形成されており、これらの筒は径方向で外側に向かうほど上方位置となるよう主軸30の軸心Qの方向にずれた状態で配置される。また、ゴム層34は、主軸30、中間筒32,33、及び外筒31の間に介在され、これらに加硫成形されて一体化されている。
ところで、この種の軸ばね装置の傾向としては、空車時等のような車体重量が小さいときの乗り心地や曲線走行時における輪重抜けのし難さをより強める等のために、軸ばね装置を構成する弾性層として柔らかいゴムを使用し、全体のばね定数を低く設定するケースが多い。しかしながら、全体のばね定数を低く設定すると、例えば、定員以上の大きな車体重量が負荷された場合、弾性層が大きく撓んで却って乗り心地が悪化したり、それら弾性層に亀裂やクリープの生じるおそれが強まる等、軸ばね装置耐久性や乗車感に悪影響が出易い傾向がある。
そこで、定員等の大荷重時の乗り心地向上、弾性層の亀裂やクリープを回避するためにばね定数を高く設定すると、今度は空車時等のような車体重量が小さいときの曲線走行時の追従性や乗り心地が悪化する。また、最近の輪重管理の点で各荷重時のばね定数が一定では輪重抜けし易いことや輪重調整に手間が掛る等の観点から、新車への採用が困難になる場合もあった。
上記問題を解決するために、前記特許文献1の図1に示すように、主軸の上部に補助ばねを設け、低荷重域(空車時)では補助ばねが作用せず、定員又は定員付近の大なる車体重量になった高荷重域では、補助ばねが複数の弾性層と協働してばね作用を発揮する非線形ばね特性を有する構成の軸のばね装置も開示されている。また、特許文献2の図2に示されるように、主軸のフランジを大径化し、かつ、最内側の硬質隔壁(中間筒)を下方に延長させて、ある程度弾性部が撓むとフランジと最内側の硬質隔壁とが当接する構造(所謂メタルタッチ構造)として、非線形特性を出す工夫も試されている。
特開2003−40107号公報 特開2006−57746号公報
しかしながら、特許文献1の図1に示される手段では、弾性層とは別に補助ばねを必要とするため、部品点数の増加を伴うことになるとともに、補助ばねを主軸の上部に固定するためには、脱落しない適切な固定手段を用いなければならず、その固定作業も困難を要することが予想される。特許文献2に示される構成要素どうしを干渉させる手段では、干渉時の騒音の問題が残るとともに、摩耗や疲労を伴うものであって長期に安定した特性を得ることが困難であると思われる。
本発明の目的は、上記実情に鑑みて、上重量の種々に変化に拘らずに良好な乗り心地や揺れ軽減作用が発揮可能となる非線形特性を、部品点数の増加を招くことが極力なく、また騒音や早期摩耗のおそれがなく耐久性にも優れる状態としながら得ることができる改善された車両用軸ばねを提供する点にある。
請求項1に係る発明は、車体側部材18と車輪側部材21との何れか一方に取付けられる主軸1と、これと互いに同一又はほぼ同一の軸心Pを有する状態で車体側部材18と車輪側部材21との何れか他方に取付けられる外筒2との間に、複数の弾性層4と硬質隔壁5とを前記軸心Pと同心又はほぼ同心状態で径内外方向で交互に積層する積層ゴム構造の弾性部3が介装されて成る軸ばねAが、左右の車輪16,17毎に装備されている車両用軸ばねシステムにおいて、
前記外筒1の前記軸心P方向における一端を閉塞してその閉塞部6と前記主軸1と前記弾性部3とで囲まれる部分で密閉室7を形成し、かつ、その密閉室7に懸架用の流体8を封入することで成る流体クッション機構9が前記左車輪用軸ばねAと前記右車輪用軸ばねAとの双方に装備されるとともに、それら左右の密閉室7,7を連通させる連通路13が前記外筒2に嵌装される状態で設けられていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用軸ばねシステムにおいて、前記左右の密閉室7,7が差圧弁14を介して連通されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の車両用軸ばねシステムにおいて、前記流体8が空気であることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用軸ばねシステムにおいて、前記軸ばねAが、前記主軸1の外周面1a、前記弾性部3、及び前記外筒2の内周面2aそれぞれの前記軸心Pに沿う方向での断面視形状が互いに同じ向きに揃えられたハ字状に形成され、かつ、前記弾性部3が前記軸心Pに沿う方向においては前記主軸1に対してその小径側に寄せて配置され、かつ、前記外筒2が前記軸心Pに沿う方向においては前記弾性部3に対してその小径側に寄せて配置される円錐積層ゴム構造に構成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて説明するが、軸ばねによる線形のバネ特性と流体クッション機構による非線形のバネ特性とが合体された特性、即ち、非線形なバネ特性が得られるようになる。流体クッション機構は、密閉室に懸架用流体を封入させる一般的な構成のものであるから、メタルタッチ等の構成要素どうしの衝突が無く、騒音や耐久性の点で有利になるとともに、流体クッション機構はその殆どが軸ばねの構成要素で形成されているので、専用の追加部品等が少なくて済み、経済的でもある。その結果、種々に変化するばね上重量の変化に拘らずに良好な乗り心地や揺れ軽減作用が発揮可能となる非線形特を、部品点数の増加を招くことが極力なく、また騒音や早期摩耗のおそれがなく耐久性にも優れる状態としながら得ることができる改善された車両用軸ばねを提供することができる。
そして、左右の密閉室が連通路で連通されているから、軸ばねとしての大きさを変えることなく各流体クッション機構における密閉室の容積(体積)が実質的に拡大されており、穏やかな非線形特性等、所望のバネ特性を設定し易い利点がある。そして、密閉室に漏れが生じるといった具合に左右何れか一方の流体クッション機構が損傷したような場合には、正常な流体クッション機構の圧が、不具合のある流体クッション機構の低下した圧と同じになるから、車両全体が下がることになり、車体が左右いずれかに傾く不都合は回避可能になる。その結果、ばね上重量の種々に変化に拘らずに良好な乗り心地や揺れ軽減作用が発揮可能となる非線形特性を、部品点数の増加を招くことが極力なく、また騒音や早期摩耗のおそれがなく耐久性にも優れる状態としながら得ることができ、しかも左右一方に流体漏れが生じても車両の左右傾斜が防止されて左右バランス良く走行することができ、安定性も改善される車両用軸ばねを提供することができる。
請求項2の発明によれば、次のような効果がある。左右の流体クッション機構が正常な状態では、走行中は極端に車両が左右傾斜する程の圧力差が生じないので差圧弁は動作しない。しかしながら、一方の密閉室がパンクする等の左右の流体クッション機構に所定以上の大きな圧力差が発生する場合には、その圧力差によって差圧弁がその内部の弁を開くように動作し、圧力の高い密閉室から圧力の低い密閉室へと連通路を開放し、それによって車両の左右傾斜を防止することができる。また、鉄道車両に適用した場合において、曲線通過時等には左右で輪重の差が発生し、それが左側の密閉室と右側の密閉室との内圧差となるが、大きな輪重差が発生した場合には、差圧弁が作動して左右の密閉室の圧が互いに等しくなるように車両用軸ばねシステムが作用する。従って、左右で均一な輪重配分が実現されて鉄道車両の走行安定性が改善され、よりバランス良く走行できるようになる。
請求項3の発明によれば、流体クッション機構を、クッション媒体である流体として空気を用いたエアクッション機構としてあるので、差圧弁が空気用のもので済む等、比較的廉価なものとしながら明確な非線形特性が得られる合理的なシステムとすることができる。
請求項4の発明によれば、円錐積層ゴム構造を有する軸ばねにおいて請求項1〜3の構成によるいずれかの効果が発揮されるものとなり、例えば、鉄道車両に適用した場合には、乗り心地の向上や曲線通過性の向上といった利点が得られる車両用軸ばねを提供することができる。
以下に、本発明による車両用軸ばねシステムの実施の形態を、鉄道車両に適用された場合について図面を参照しながら説明する。図1は車両用軸ばねシステムの概略図、図2は軸ばねの構造図、図3は軸ばね単品のバネ特性グラフ、図4は鉄道車両の懸架構造を示す模式図、図5は一般的な鉄道台車における軸バネの組付け構造図である。
〔実施例1〕
実施例1による車両用軸ばねシステムSは、図1に示すように、軸ばね部aと空気ばね部bとを有して成る左側及び右側の軸ばねAa,Abと、左側軸ばねAaの空気ばね部bと右側軸ばねAbの空気ばね部bとを連通させるための連通路13と、連通路13に設けられる差圧弁14とを有して構成されている。各軸ばねAa,Abは、図4に示すように、鉄道車両Bの台車15に用いられており(詳細構造は図5のものと同じ)、左側軸ばねAa(A)は左側車輪16の懸架機構として、そして右側軸ばねAb(A)は右側車輪17の懸架機構としてそれぞれ装備されている。
図4に示す台車15において、18は台車枠(車体側部材の一例)、19はダイヤフラム式空気ばね、20は車軸、21は車軸箱(車輪側部材の一例)、Cは車両の左右中心である。図4では概略図として示してあるが、鉄道車両用の台車15としての概要構成は、図5に示す従来のものと同じであって既に説明されているものであるから、ここでの詳しい説明は割愛するものとする。
軸ばねAの構造を、右側軸ばねAbを用いて説明する。図2に示すように、右側軸ばねAbは、軸ばね部aと、これの上部に一体的に構成される空気ばね部bとを有して構成されている。軸ばね部aは、主軸1とこれと互いに同一(又はほぼ同一でも良い)の縦軸心Pを有する外筒2との間に、三層(複数の一例)の弾性層4と二層(複数の一例)の硬質隔壁5とを縦軸心Pと同心状態(又はほぼ同心状態でも良い)で径内外方向で交互に積層する積層ゴム構造の弾性部3を介装することで構成されている。空気ばね部bは、軸ばね部aの上部に一体的に形成されるエアクッション機構(流体クッション機構の一例)9を有して構成されている。
主軸1は、金属製のものであって、上窄まり状の円錐外周面1a、ストッパフランジ1b、下端開口1c、ネジ部1d(車軸の車箱に固定するために下端開口部10cに形成されるネジ部)、中空部1eを有する筒状部材に形成されている。外筒2は、下拡がり状の円錐内周面2a、上端内側の嵌合内周面2bを有する断面がハ字状の円錐筒に形成されている。外筒2は、主軸1に対してその上側(円錐外周面1a側)よりも上方に寄せて(軸心Pに沿う方向においては主軸1に対してその小径側に寄せて)配置されている。
弾性部3は、縦軸心Pを中心とする内外三層のゴム層(弾性層の一例)4A,4B,4Cと、同様に内外二層の硬質隔壁5A,5Bとから成り、円錐外周面1aと円錐内周面2aとの間に介装される状態で主軸1と外筒2とに亘って装備されている。各硬質隔壁5は鋼板等の金属板や強化プラスチック等から形成される。各ゴム層4及び各硬質隔壁5は、いずれも縦軸心Pに沿う方向での断面視形状がハ字状を呈するテーパ円筒状のものに形成されている。
つまり、軸ばね部aは、主軸1の外周面1a、弾性部3、及び外筒内周面2aそれぞれの縦軸心Pに沿う方向での断面視形状が互いに同じ向きに揃えられたハ字状に形成され、かつ、弾性部3が縦軸心Pに沿う方向においては主軸1に対してその小径側に寄せて配置され、かつ、外筒2が縦軸心Pに沿う方向においては弾性部3に対してその小径側に寄せて配置される円錐積層ゴム構造に構成されている。
空気ばね部bであるエアクッション機構9は、外筒2の縦軸心P方向における一端を閉塞してその閉塞部6と主軸1との間に密閉室7を形成し、かつ、その密閉室7に懸架用の流体8を封入することで構成されている。詳述すると、主軸1の上端には、中空部1eを閉塞させるための栓10が装備されるとともに、外筒2の上端には、Oリング11を介することで外筒上端を閉塞するための円板蓋6が閉塞部として装備されている。従って、円板蓋6と弾性部3と栓10とで囲まれる部分で密閉室7が形成されており、その密閉室7に空気(流体の一例)8を封入させることでエアクッション機構9が構成されている。つまり、荷重変動等によって主軸1と外筒2とが縦軸心P方向に相対移動すると、密閉室7の容積が変化してエア(流体)8が圧縮(又は膨張)されることになり、それによってエアサスペンション機能が発揮されるのである。
尚、密閉室7の設定容積を調整(増減調節)するために、図2に示すように、水、不凍液、砂等の非圧縮性の液体や固体(細かい粒子)で成る内容積調整用体(非圧縮性部材)12を、予め密閉室7に封入しておいても良い。密閉室7の容積調整により、エアクッション機構9の初期荷重や非線形特性(後述)の調整が可能となる。尚、外筒2の上部側面には、左側軸ばねAaの密閉室7とを連通させるべく合成樹脂製のチューブや金属管等による連通路13が嵌装されている。
軸ばね部aによるバネ特性(懸架特性)は、従来の軸ばねによるものと同等であり、図3に破線で示されるラインXで示すように、外筒に下降移動量が増加するに対して弾性部3が外筒2を持上げようとするする力である反力荷重が比例して増加する線形特性(又はhほぼ線形特性)が得られる。つまり、外筒2の下降移動量の如何に拘らずにバネ定数は一定となる特性である。但し、ハ字状を為す縦軸心Pに対する傾斜角度や、主軸1に対する外筒2の高さ位置等の緒元値の如何によっては、若干の非線形特性(外筒2の下降移動量が増すに連れてバネ定数が僅かに大きくなる特性)を示す場合もある。
そして、空気ばね部bによるバネ特性(懸架特性)は、これはつまり一般的なエアサスペンションであるから、図3に一点破線のラインYで示すように、外筒2の下方移動量が増すに連れて前記反力荷重の増加率が大きくなる明確な非線形特性を発揮する。つまり、外筒2の下方移動量が大きくなる程、バネ定数も大きくなる特性である。従って、軸ばねA単品としての外筒2の下降移動と反力荷重との関係グラフは、図3に実線のラインZで示すように、ラインXとラインYとの合体、即ち、非線形特性を示すものとなっている。
さて、図1に示すように、左右の密閉室7,7どうしを結ぶ連通路13に設けられている差圧弁14は、図示は省略するが、弁体、弁座、逆止弁、バネ、バネ調節板等を有して構成されており、一般的な定義では「一次側と二次側又はそれぞれの圧力と系の異なる圧力との差を、ある値に保持する調整弁」というものである。この差圧弁14を実施例1のような構成として用いることにより、次のような機能を発揮可能になる。
即ち、鉄道車両Bの左右の空気ばね部a,aが正常な状態では、走行中は極端に傾斜する程の圧力差が生じないので差圧弁14は動作しない。しかしながら、一方の空気ばね部aがパンクする等の左右の空気ばね部a,aに所定以上の大きな圧力差が発生する場合には、その圧力差によって差圧弁14がその内部の弁を開くように動作し、圧力の高い空気ばね部aから圧力の低い空気ばね部aへと連通路13を開放し、それによって鉄道車両Bの傾斜を防止することができる。
軸ばね部aには、走行に伴いさまざまな荷重(空車荷重、定員荷重、満車荷重、走行振動による荷重、加減速による荷重、等)を受け撓みを生じるとともに、密閉室7にはそれに応じた内圧が発生するようになる。そして、曲線通過時等には左右で輪重(車輪16,17に掛る荷重)の差が発生し、それが左側軸ばねAaの密閉室7と右側軸ばねAaの密閉室7との内圧差となる。大きな輪重差が発生した場合には、差圧弁14が作動して左右の密閉室7,7の内圧(圧)が互いに等しくなるように車両用軸ばねシステムSが作用する。その結果、左右で均一な輪重配分が実現されて鉄道車両Bの走行安定性が改善され、よりバランス良く走行できるものとなる。
このように、車輪軸20に近い箇所に配置される左右の軸ばねA,Aを用いて左右の輪重調整が行えるので、例えば、鉄道車両を支える左右の空気ばね(台車と車両との上下間に配されるダイヤフラムを用いた空気ばね)を用いて構築される同様なシステムに比べて、システムの小型化を図りながら応答性に優れるという利点がある。
〔別実施例〕
実施例1の車両用軸ばねシステムSは、左右一つずつの軸ばねA,Aを用いた構造のものであるが、左右二つずつの軸ばねの密閉室を一つの差圧弁14を介して相互連通させる構造のものや、図1に示される構成のシステムを、各車軸ごとに設ける構成のものでも良い。また、例えば、前後に並ぶ右側車輪の軸ばねの密閉室どうしを連通させる等、前後に並ぶ車輪どうしの軸ばねを用いた車両用軸ばねシステムも可能である。
また、図1において、差圧弁14を省略し、左右の密閉室7,7どうしを連通路13で連通接続させるのみの構成による車両用軸ばねシステムSでも良い。この場合には、左右の密閉室7,7の圧(内圧)は常時等しくなるので、図3に示す非線形特性(軸ばねA単品としての非線形特性)の立ち上がりが、図3に示す場合よりも緩くなる。そして、密閉室7に漏れが生じるといった具合に左右何れか一方の空気ばね部aが損傷した場合には、正常な空気ばね部aの圧が不具合のある空気ばね部aの低下した圧と同じになるから、車両全体が下がることになり、車体が左右いずれかに傾く不都合は回避可能になる。
鉄道用の車両用軸ばねシステムSを示す系統図(実施例1) 軸ばねの構造を示す断面 図2の車両用軸ばねの外筒下降移動量と反力荷重との関係グラフを示す図 左右軸ばねの鉄道車両への概略の搭載箇所を示す模式図 鉄道台車に装備された従来の軸ばねを示す一部切欠きの側面図
符号の説明
1 主軸
1a 外周面
2 外筒
2a 内周面
3 弾性部
4 弾性層
5 硬質隔壁
6 閉塞部
7 密閉室
8 懸架用の流体
9 流体クッション機構
13 連通路
14 差圧弁
16 左車輪
17 右車輪
18 車体側部材
21 車輪側部材
A 車輪用軸ばね
P 軸心

Claims (4)

  1. 車体側部材と車輪側部材との何れか一方に取付けられる主軸と、これと互いに同一又はほぼ同一の軸心を有する状態で車体側部材と車輪側部材との何れか他方に取付けられる外筒との間に、複数の弾性層と硬質隔壁とを前記軸心と同心又はほぼ同心状態で径内外方向で交互に積層する積層ゴム構造の弾性部が介装されて成る軸ばねが、左右の車輪毎に装備されている車両用軸ばねシステムであって、
    前記外筒の前記軸心方向における一端を閉塞してその閉塞部と前記主軸と前記弾性部とで囲まれる部分で密閉室を形成し、かつ、その密閉室に懸架用の流体を封入することで成る流体クッション機構が前記左車輪用軸ばねと前記右車輪用軸ばねとの双方に装備されるとともに、それら左右の密閉室を連通させる連通路が前記外筒に嵌装される状態で設けられている車両用軸ばねシステム。
  2. 前記左右の密閉室が差圧弁を介して連通されている請求項1に記載の車両用軸ばねシステム。
  3. 前記流体が空気である請求項1又は2に記載の車両用軸ばねシステム。
  4. 前記軸ばねが、前記主軸の外周面、前記弾性部、及び前記外筒の内周面それぞれの前記軸心に沿う方向での断面視形状が互いに同じ向きに揃えられたハ字状に形成され、かつ、前記弾性部が前記軸心に沿う方向においては前記主軸に対してその小径側に寄せて配置され、かつ、前記外筒が前記軸心に沿う方向においては前記弾性部に対してその小径側に寄せて配置される円錐積層ゴム構造に構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用軸ばねシステム。
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