JP2008273312A - 農業機械用タイヤ - Google Patents

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JP2008273312A JP2007117152A JP2007117152A JP2008273312A JP 2008273312 A JP2008273312 A JP 2008273312A JP 2007117152 A JP2007117152 A JP 2007117152A JP 2007117152 A JP2007117152 A JP 2007117152A JP 2008273312 A JP2008273312 A JP 2008273312A
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Abstract

【課題】製造コストを増大させることなく良好な乗り心地性を具備させる。
【解決手段】トレッド部11に、タイヤ幅方向Hの外方端からタイヤ幅方向Hの中央部に至るラグ12が、タイヤ周方向Sに間隔をあけて複数突設されるとともに、トレッド部11のタイヤ幅方向Hにおける大きさが、このタイヤ10の総幅SW以下とされた農業機械用タイヤ10であって、ラグ12においてトレッド部11のタイヤ幅方向Hの中央部に位置する中央部分TCには、タイヤ径方向の内方に凹む窪み部13が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は農業機械用タイヤに関するものである。
近年、この種の農業機械用タイヤにおいては、従来からのトラクション性能に限らず、例えば舗装された道路を走行しているときの良好な乗り心地性も要求されている。
ところで、良好な乗り心地性を阻害する要因として、ラグの頂面に作用する接地圧がタイヤ幅方向でばらつくことが挙げられる。すなわち、農業機械用タイヤでは、ラグにおいて、トレッド部のタイヤ幅方向の中央部に位置する部分、およびトレッド部のタイヤ幅方向の外方端部に位置する部分に作用する各接地圧が、他の部分に作用する接地圧よりも高くなっていた。
そこで、このような要求に応えるために、従来では例えば下記特許文献1に示されるように、タイヤ幅方向の中央部に振動吸収ゴムを埋設することにより、ラグの頂面に作用する接地圧のタイヤ幅方向におけるばらつきを抑制することが提案されている。
特開2005−289315号公報
しかしながら、前記従来の農業機械用タイヤでは、振動吸収ゴムを埋設していたので、製造コストがかかるという問題があった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、製造コストを増大させることなく良好な乗り心地性を具備させることができる農業機械用タイヤを提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の農業機械用タイヤは、トレッド部に、タイヤ幅方向の外方端からタイヤ幅方向の中央部に至るラグが、タイヤ周方向に間隔をあけて複数突設されるとともに、前記トレッド部のタイヤ幅方向における大きさが、このタイヤの総幅以下とされた農業機械用タイヤであって、前記ラグにおいてトレッド部のタイヤ幅方向の中央部に位置する中央部分には、タイヤ径方向の内方に凹む窪み部が形成されていることを特徴とする。
この発明では、ラグの前記中央部分に、タイヤ径方向の内方に凹む窪み部が形成されているので、この中央部分の頂面に作用する接地圧を低減することが可能になり、当該ラグの頂面におけるタイヤ幅方向に沿った接地圧の分布を抑えることができる。したがって、舗装された路面上を走行しているときに、この農業機械用タイヤがタイヤ径方向に振動する、つまりRFVが生ずるのを抑制することが可能になり、良好な乗り心地性を具備させることができる。
さらに、前記窪み部は、例えばこの農業機械用タイヤを加硫するときに同時に形成することができ、前記従来の農業機械用タイヤのような振動吸収ゴム等の新たな部材を設けなくてもよいので、この農業機械用タイヤの製造コストが上昇するのを抑えることができる。
なお、トレッド部のタイヤ幅方向における大きさが、このタイヤの総幅以下となっているので、良好なトラクション性能は維持しつつ、前述のような良好な乗り心地性を具備ささせることができる。
ここで、前記窪み部の、前記ラグの頂面におけるタイヤ幅方向の大きさは、前記トレッド部のタイヤ幅方向における大きさの10%以上20%以下とされるとともに、この窪み部のタイヤ径方向の内方に向けた凹み量は、前記ラグの前記中央部分における突出高さの5%以上15%以下となってもよい。
窪み部の、ラグの頂面におけるタイヤ幅方向の大きさが、トレッド部のタイヤ幅方向における大きさの10%未満になると、ラグの中央部分の頂面において接地圧が高くなる部分を十分にカバーすることができず、前述の作用効果が奏功されなくなるおそれがある。
また、窪み部の、ラグの頂面におけるタイヤ幅方向の大きさを、トレッド部のタイヤ幅方向における大きさの20%よりも大きくしても、前述の作用効果が有効に奏功されず、むしろラグの頂面全域の接地圧が高くなる等して他の性能を低下させるおそれがある。
窪み部のタイヤ径方向の内方に向けた凹み量が、ラグの前記中央部分における突出高さの5%未満になると、この中央部分に作用する接地圧を低減するのが困難になり、前述の作用効果が奏功されなくなるおそれがある。
また、窪み部のタイヤ径方向の内方に向けた凹み量を、ラグの前記中央部分における突出高さの15%よりも大きくしても、前述の作用効果が有効に奏功されず、むしろラグの曲げ剛性が低下する等して他の性能を低下させるおそれがある。
また、前記ラグにおいて、前記トレッド部のタイヤ幅方向の外方端に位置する部分の外径は、前記中央部分の外径よりも、前記トレッド部のタイヤ幅方向における大きさの12%以上20%以下小さくなってもよい。
この場合、ラグの頂面において、トレッド部のタイヤ幅方向の外方端部に位置する部分に作用する接地圧を低減することが可能になり、このラグの頂面におけるタイヤ幅方向に沿った接地圧の分布をより一層確実に抑えることができる。また、このように、ラグの頂面において、トレッド部のタイヤ幅方向の外方端部に位置する部分に作用する接地圧が低減されることから、走行時において、ラグに加わる荷重中心の作用点をタイヤ幅方向の中央部側に寄せることが可能になり、トレッド部においてタイヤ赤道部を基準に右側に配置されたラグと左側に配置されたラグとの間で、前記荷重中心の作用点が左右にずれる量を抑えることができる。これにより、横揺れが生ずるのを抑制することが可能になり、乗り心地性をさらに向上させることができる。
なお、ラグにおいて、トレッド部のタイヤ幅方向の外方端に位置する部分の外径を、前記中央部分の外径と比べて、トレッド部のタイヤ幅方向における大きさの20%を超えて小さくすると、ラグの表面積が小さくなりトラクション性能を低下させるおそれがある。
さらに、タイヤ幅方向に沿った縦断面視において、前記ラグのうち、前記中央部分の頂面は、この中央部分よりもタイヤ幅方向の外方に位置する部分の頂面よりも曲率半径が大きくなってもよい。
この場合、例えば偏摩耗等を生じ易くさせることなく前述の作用効果が奏功されることになる。
また、前記ラグの前記中央部分における頂面のタイヤ幅方向の大きさは、前記トレッド部のタイヤ幅方向における大きさの40%以上60%以下となってもよい。
この場合、例えば偏摩耗等を生じさせることなく前述の作用効果が確実に奏功されることになる。
さらに、タイヤ幅方向に沿った縦断面視において、前記ラグの前記中央部分における頂面の曲率半径は、このタイヤの外径以上となってもよい。
この場合、ラグの前記中央部分における接地圧を均等にすることができる。
この発明によれば、製造コストを増大させることなく良好な乗り心地性を具備させることができる。
以下、本発明に係る農業機械用タイヤの一実施形態を図1および図2を参照しながら説明する。この農業機械用タイヤ10のトレッド部11には、タイヤ幅方向Hの外方端からタイヤ幅方向Hの中央部に至るラグ12が、タイヤ周方向Sに間隔をあけて複数突設されている。また、各ラグ12は、トレッド部11においてタイヤ赤道部CLを基準に右側に位置する右側部分、および左側に位置する左側部分それぞれに、互いがタイヤ幅方向Hで不連続となるように、タイヤ周方向Sにおける配置位置を互いに異ならせて設けられている。
さらに、トレッド部11の前記右側部分および左側部分にそれぞれ形成された各ラグ12の形状は、タイヤ赤道部CLを基準にした線対称となっている。
また、トレッド部11のタイヤ幅方向Hにおける大きさ(以下、トレッド幅という)TWは、この農業機械用タイヤ10の総幅SW以下となっている。
さらに、トレッド部11のタイヤ径方向内側には図示されないカーカスプライが埋設されている。
また、本実施形態では、ラグ12において、トレッド部11のタイヤ幅方向Hの外方端に位置する部分(以下、トレッド端という)Eの外径Ehは、トレッド部11のタイヤ幅方向Hの中央部に位置する中央部分TCの外径よりも、トレッド幅TWの12%以上20%以下小さくなっている。なお、図示の例では、ラグ12の中央部分TCにおける頂面のタイヤ幅方向Hの大きさは、トレッド幅TWの40%以上60%以下となっている。
さらに、タイヤ幅方向Hに沿った縦断面視において、ラグ12のうち、中央部分TCにおける頂面の曲率半径R1が、この中央部分TCよりもタイヤ幅方向Hの外方に位置する部分(以下、外側部分という)TSにおける頂面の曲率半径R2よりも大きくなっている。なお、本実施形態では、前記曲率半径R1は、このタイヤ10の外径H以上となっている。
そして、ラグ12の頂面において、トレッド端Eのタイヤ径方向内方に向けた前記中央部分TCからの凹み量δがトレッド幅TWの6%以上10%以下となっている。
そして、本実施形態では、ラグ12の中央部分TCには、タイヤ径方向の内方に凹む窪み部13が形成されている。
図示の例では、窪み部13は、ラグ12におけるタイヤ赤道部CL側の先端面12aおよびタイヤ周方向Sにおける両側面の双方に開口している。また、ラグ12の先端面12aは、タイヤ赤道部CL上に位置している。
また、この窪み部13の、ラグ12の頂面におけるタイヤ幅方向Hの大きさ(以下、窪み幅という)Aは、トレッド幅TWの10%以上20%以下となっている。さらに、この窪み部13のタイヤ径方向の内方に向けた凹み量(以下、窪み深さという)Bは、ラグ12の中央部分TCにおける突出高さNSDの5%以上15%以下となっている。
以上説明したように、本実施形態による農業機械用タイヤ10によれば、ラグ12の前記中央部分TCに、タイヤ径方向の内方に凹む窪み部13が形成されているので、この中央部分TCの頂面に作用する接地圧を低減することが可能になり、当該ラグ12の頂面におけるタイヤ幅方向Hに沿った接地圧の分布を抑えることができる。したがって、舗装された路面上を走行しているときに、この農業機械用タイヤ10がタイヤ径方向に振動する、つまりRFVが生ずるのを抑制することが可能になり、良好な乗り心地性を具備させることができる。
さらに、この窪み部13は、例えばこの農業機械用タイヤ10を加硫するときに同時に形成することができ、例えば振動吸収ゴム等の新たな部材を設けなくてもよいので、この農業機械用タイヤ10の製造コストが上昇するのを抑えることができる。
また、トレッド幅TWがこのタイヤ10の総幅SW以下となっているので、良好なトラクション性能は維持しつつ、前述のような良好な乗り心地性を具備させることができる。
さらに、本実施形態では、窪み部13の窪み幅Aがトレッド幅TWの10%以上20%以下とされ、かつ窪み部13の窪み深さBが前記突出高さNSDの5%以上15%以下となっているので、例えばトラクション性能等の他の性能を低下させることなく、前述の作用効果が確実に奏功されることになる。
また、本実施形態では、ラグ12のトレッド端Eにおける外径が、中央部分TCの外径よりも、トレッド幅TWの12%以上20%以下小さくなっているので、トラクション性能を低下させることなく、ラグ12の外側部分TSの頂面に作用する接地圧を低減することが可能になり、このラグ12の頂面におけるタイヤ幅方向Hに沿った接地圧の分布をより一層確実に抑えることができる。
さらに、このように、ラグ12の外側部分TSにおける頂面に作用する接地圧が低減されることから、走行時において、ラグ12に加わる荷重中心の作用点をタイヤ幅方向Hの中央部側に寄せることが可能になり、トレッド部11においてタイヤ赤道部CLを基準に右側に配置されたラグ12と左側に配置されたラグ12との間で、前記荷重中心の作用点が左右にずれる量を抑えることができる。これにより、横揺れが生ずるのを抑制することが可能になり、乗り心地性をさらに向上させることができる。
また、ラグ12の中央部分TCにおける頂面の曲率半径R1が、ラグ12の外側部分TSにおける頂面の曲率半径R2よりも大きくなっているので、例えば偏摩耗等を生じ易くさせることなく前述の作用効果が奏功されることになる。
さらに、ラグ12の中央部分TCにおける頂面のタイヤ幅方向Hの大きさが、トレッド幅TWの40%以上60%以下となっているので、例えば偏摩耗等を生じさせることなく前述の作用効果が確実に奏功されることになる。
また、ラグ12の中央部分TCにおける頂面の曲率半径R1が、このタイヤ10の外径H以上となっているので、ラグ12の中央部分TCにおける接地圧を均等にすることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、ラグ12の先端面12aが、タイヤ赤道部CL上に位置した構成を示したが、これに代えて例えば、ラグ12を、タイヤ赤道部CLをタイヤ幅方向Hで跨がせて配置してもよいし、あるいはラグ12を、タイヤ赤道部CLをタイヤ幅方向Hで跨がせずに、その先端面12aをこのラグ12のトレッド端E側に位置させるようにしてもよい。
次に、以上説明した作用効果についての検証試験を実施した。
まず、この試験に供する農業機械用タイヤについて説明する。
実施例の農業機械用タイヤ10として図1および図2に示すタイヤを採用し、従来例の農業機械用タイヤとして、図1および図2に示す農業機械用タイヤ10において窪み部13を有しない農業機械用タイヤを採用した。
これらの実施例および従来例それぞれの農業機械用タイヤのサイズはともにAGS 13.6−26 4PR T13Hとした。また、それぞれの農業機械用タイヤにおける主要寸法を表1に示す。
Figure 2008273312
そして、これらの実施例および比較例の各農業機械用タイヤを標準リムに組み付け、最大負荷能力に対応する内圧に調整した後、41馬力の2輪駆動トラクターの後輪に装着し、コンクリート路を速度16km/hで直進走行したときの乗り心地性について、計器計測および運転者のフィーリング評価を行った。
なお、前記計器計測は、運転席直下の床に取り付けた加速度計により車両の上下方向の加速度をそれぞれ計測し、その計測結果に基づいて、従来例の農業機械用タイヤで得られた結果を100とした指数で評価した。なお、この指数が小さいほど、乗り心地性が優れていることを表している。
結果を表2に示す。
Figure 2008273312
この結果、実施例の農業機械用タイヤでは、計器計測の結果およびフィーリング評価の結果ともに従来例と比べて乗り心地性が向上できたことが確認された。さらに、表2には記載していないが、横揺れ振動も抑えることが可能になることが確認された。
製造コストを増大させることなく良好な乗り心地性を具備させることができる。
本発明に係る一実施形態において、農業機械用タイヤのタイヤ幅方向に沿った縦断面図である。 図1に示す農業機械用タイヤの平面図である。
符号の説明
10 農業機械用タイヤ
11 トレッド部
12 ラグ
13 窪み部
A 窪み幅
B 窪み深さ
E トレッド端
H タイヤ幅方向
NSD 突出高さ
R1、R2 曲率半径
S タイヤ周方向
SW 総幅
TC 中央部分
TW トレッド幅

Claims (6)

  1. トレッド部に、タイヤ幅方向の外方端からタイヤ幅方向の中央部に至るラグが、タイヤ周方向に間隔をあけて複数突設されるとともに、前記トレッド部のタイヤ幅方向における大きさが、このタイヤの総幅以下とされた農業機械用タイヤであって、
    前記ラグにおいてトレッド部のタイヤ幅方向の中央部に位置する中央部分には、タイヤ径方向の内方に凹む窪み部が形成されていることを特徴とする農業機械用タイヤ。
  2. 請求項1記載の農業機械用タイヤであって、
    前記窪み部の、前記ラグの頂面におけるタイヤ幅方向の大きさは、前記トレッド部のタイヤ幅方向における大きさの10%以上20%以下とされるとともに、この窪み部のタイヤ径方向の内方に向けた凹み量は、前記ラグの前記中央部分における突出高さの5%以上15%以下となっていることを特徴とする農業機械用タイヤ。
  3. 請求項1または2に記載の農業機械用タイヤであって、
    前記ラグにおいて、前記トレッド部のタイヤ幅方向の外方端に位置する部分の外径は、前記中央部分の外径よりも、前記トレッド部のタイヤ幅方向における大きさの12%以上20%以下小さくなっていることを特徴とする農業機械用タイヤ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の農業機械用タイヤであって、
    タイヤ幅方向に沿った縦断面視において、前記ラグのうち、前記中央部分の頂面は、この中央部分よりもタイヤ幅方向の外方に位置する部分の頂面よりも曲率半径が大きくなっていることを特徴とする農業機械用タイヤ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の農業機械用タイヤであって、
    前記ラグの前記中央部分における頂面のタイヤ幅方向の大きさは、前記トレッド部のタイヤ幅方向における大きさの40%以上60%以下となっていることを特徴とする農業機械用タイヤ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の農業機械用タイヤであって、
    タイヤ幅方向に沿った縦断面視において、前記ラグの前記中央部分における頂面の曲率半径は、このタイヤの外径以上となっていることを特徴とする農業機械用タイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018141710A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 住友ゴム工業株式会社 タイヤの試験装置

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