JP2008271669A - 電動機制御装置、電気機器、電気掃除機及び手乾燥装置 - Google Patents

電動機制御装置、電気機器、電気掃除機及び手乾燥装置 Download PDF

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美子 藤間
Hiroshi Numakura
弘 沼倉
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武彦 安島
Seiichi Jinbo
誠一 神保
Motohiro Murano
元宏 村野
Takeshi Kitakomi
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Abstract

【課題】火花発生の検出を、検出精度が高く、安価な構成で実現することができ、また、異常火花が発生したときの異常過熱によって生じた煙や異臭が、電動機を搭載した電気機器、電気掃除機及び手乾燥装置の開口部より外にでて、使用者に不快感、不安感を与えることなく、異常火花が発生したときの異常過熱による発煙・発火を防止することができる電動機制御装置、電気機器、電気掃除機及び手乾燥装置を提供する。
【解決手段】整流子とブラシとを有し、電気機器8の内部に搭載される電動機2の運転を制御する駆動手段5と、電動機2で発生する火花の発生を所定のサンプリングタイミングで検出する火花検出手段3と、火花検出手段3の出力から火花の異常を判断する火花判断手段4と、火花判断手段4の出力に応じて、電気機器8の内部と外部とを連通する開口部を開閉する開口部遮断手段6とを備えたものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、整流子とブラシとを有する電動機を制御する電動機制御装置とそれを搭載した電気機器、電気掃除機及び手乾燥装置に関するものである。
従来の電動機制御装置は、例えば、「ファンと整流子モータから成る電動送風機と、前記整流子モータより発生するスパークを検出するスパーク検出手段を備え、前記スパーク検出手段による出力に応じて、整流子モータを制御する…」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−136780号公報(請求項1)
従来の電動機を制御する電動機制御装置においては、商用電源電圧のゼロクロスから所定のタイミングT1から、所定の周期で電流センサーの出力をA/D変換器でサンプリングして、前回サンプリングした電圧と今回サンプリングした電圧レベルの比較を行うようにしたもので、電圧の大小変化が連続的に変化していればスパーク(以下、火花ともいう)が発生していないと判断し、電圧の大小変化が不連続の場合、火花が発生していると判断するようにしたものであり、ノイズ成分を抽出するように構成されているので、本来の測定ノイズ成分以外の外来ノイズも測定することになり、従って、火花発生の誤判断をする恐れがあり、火花検出の精度が低くなるという課題があった。
また、ひとたび火花が発生すれば、電動機を搭載した電気機器、電気掃除機及び手乾燥装置の開口部より、煙や異臭が外部にでて、使用者に不快感、不安感を与え、さらには、異常火花が発生したときの異常過熱による発煙・発火の恐れがあるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、火花発生の検出を、検出精度が高く、安価な構成で実現することができ、また、異常火花が発生したときの異常過熱によって生じた煙や異臭が、電動機を搭載した電気機器、電気掃除機及び手乾燥装置の開口部より外にでて、使用者に不快感、不安感を与えることなく、異常火花が発生したときの異常過熱による発煙・発火を防止することができる電動機制御装置、電気機器、電気掃除機及び手乾燥装置を提供することを目的とする。
この発明に係る電動機制御装置は、整流子とブラシとを有し、電気機器の内部に搭載される電動機の運転を制御する駆動手段と、前記電動機で発生する火花の発生を所定のサンプリングタイミングで検出する火花検出手段と、前記火花検出手段の出力から火花の異常を判断する火花判断手段と、前記火花判断手段の出力に応じて、前記電気機器の内部と外部とを連通する開口部を開閉する開口部遮断手段とを備えたものである。
この発明の電動機制御装置は、整流子とブラシとを有する電動機で発生する火花の発生を検出して火花の異常を判断し、この判断に応じて開口部遮断手段を制御することにより、異常火花が発生したときの異常過熱により発生する煙や異臭が電動機を搭載した電気機器の電動機の周囲と外気とが連通する開口部より外にでることを防止することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における電動機制御装置のブロック構成図である。図1において、電動機制御装置は、火花検出手段3と、火花判断手段4と、駆動手段5と、開口部遮断手段6とにより構成され、商用電源1から供給される電力により駆動される整流子とブラシとを有する電動機2の運転を制御し、また後述の動作により電気機器8の空気噴出し口7(後述)の遮断を行うものである。さらに、火花検出手段3は、電動機2に流れる電流を検出する電流検出手段31と、電流検出手段31の出力を整流するための整流手段32と、整流手段32の出力をデジタル値として検出するA/D変換手段33とにより構成されている。また、火花判断手段4は、A/D変換手段33の検出結果から火花の発生を判断して判断結果を駆動手段5へ出力する。駆動手段5は、例えば、トライアック等からなり、火花判断手段4の出力に基づいて電動機2の制御を行う。開口部遮断手段6は、火花判断手段4の出力に基づいて、電動機2が搭載される電気機器8の空気噴出し口7(後述)を開閉する。このような構成による本実施の形態1の動作の詳細を、図2〜図5に基づき次に説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における商用電源波形を示す波形図、図3はこの発明の実施の形態1における火花検出手段の検出波形を示す波形図であり、図3(a)は火花が発生しておらず正常な時の電動機2に流れる電流を電流検出手段31が検出した波形図、図3(b)は火花が異常の時の電動機2に流れる電流を電流検出手段31が検出した波形図、図3(c)は電流検出手段31の出力を整流手段32により整流した波形図である。図4はこの発明の実施の形態1における火花検出手段の検出タイミング及び火花判断手段の動作を示す図であり、図4(a)は整流手段32の出力をA/D変換手段33により検出するサンプリングのタイミング図、図4(b)は整流手段32の出力をA/D変換手段33で検出した検出値、図4(c)はA/D変換手段33の検出値の今回データと前回データとの差の絶対値である変化量と火花判断手段4の火花異常判断レベルを示す図、図4(d)は火花判断手段4の判断結果を示す図、図4(e)は火花判断手段4の判断結果によって駆動手段5が制御する電動機2の運転状態を示す図である。さらに、図5はこの発明の実施の形態1における電動機の内部構成及び火花と電動機電流との関係を示す図であり、図5(a)は整流子とブラシとの間で発生する火花の大きさと電動機電流との関係を説明するための電動機2の模式図、図5(b)は火花電圧Vaと電動機電流Imとの関係を示す概略図である。
まず、電動機2が駆動していない場合には当然火花は発生していないため火花判断手段4は火花正常と判断し、駆動手段5によって、図2に示す商用電源電圧が電動機2に供給され、電動機2は運転を開始する。運転開始後の火花が正常な場合の電流検出手段31の検出波形は図3(a)に示すような波形となるが、電動機2に火花が発生すると火花による電圧降下が生じて、電動機2に作用する電圧が低下するために電動機2に流れる電流(以下、電動機電流という)も低下し、電流検出手段31の検出波形は図3(b)のようになる。この現象において、火花は不安定なために電動機2に作用する電圧の低下も不安定なものとなり、結果的に電動機電流も不安定な状態となる。このような現象について、さらに詳細な説明を、図5を用いて説明する。
図5(a)において、ステータ巻線が巻設された整流子2bとブラシ2cとの間に発生する火花の火花電圧Vaと、電動機2に流れる電動機電流Imとの関係は、商用電源1の電圧をVs、電動機2のインピーダンスをZmとしたとき、ブラシ2c1、2c2の2箇所での火花電圧が2Vaとなるため、Im=(Vs−2Va)/Zmとなる。ここで、便宜上、Zmが火花の発生により大きさが変化しないものとすると、火花が発生していないときの電動機2に流れる電動機電流Im1は、火花電圧Va=0(ゼロ)であるため、Im1=Vs/Zmとなる。しかし、火花が発生すると火花電圧Vaが発生するため、このときの電動機2に流れる電流をIm2とすると、Im2=(Vs−2Va)/Zmとなる。Vaは0と同じかそれより大きい値であるから、上記ケースで電動機電流Imを考えると、Im1>Im2となる。この時、火花電圧Vaは火花の大きさに比例して変化するから、前述の電動機2に流れる電動機電流Imを表す式にあてはめると、結果的に火花の大きさに比例して、電動機電流Imも変化することになる。
この火花電圧Vaと電動機電流Imとの関係は、図5(b)に示すようになり、火花は不安定であるため、火花電圧Vaは、電動機電流Imのピーク値を不安定とする一つの変数的な作用をする。つまり、電動機電流Imのピーク電流を計測すると、商用電源1の電圧の最大値とほぼ同期して、電流のピークが現れる。また、火花が発生した際には、その大きさに比例した火花電圧Vaが発生し、電動機電流Imの実効値や瞬時値の値を不安定にする要素となっている。さらに、整流子2bとブラシ2cとの接触状態も不安定なために接触抵抗値も不安定となり、この影響も受けて電動機電流は不安定になっている。
このような電動機電流を検出する電流検出手段31の出力を、図3(c)に示すように、整流手段32は、ダイオードブリッジ(図示していない)などにより全波整流する。A/D変換手段33は、整流手段32の出力を、商用電源1の周期に同期して、所定の時間の位相差で所定回数サンプリングする。即ち、図4(a)に示すように、商用電源電圧の正極側及び負極側の各ゼロクロス(図2のゼロクロス1〜ゼロクロス6)から所定のタイミングT1後に、例えば商用電源1の1/4周期の時間(商用電源の周波数が50Hzの場合、T1=5ms)、図3(c)に示した、整流手段32の出力を例えば1回サンプリングする。このようにしてA/D変換手段33によりサンプリングした検出値は図4(b)に示すようになる。
次に、火花判断手段4は、図4(c)に示すように、A/D変換手段33がサンプリングしたデジタル値の今回データ値と前回データ値との変化量(差の絶対値)を求め、これを逐次繰り返す。この時、火花判断手段4は、求めた変化量と、予め設定してある所定の火花異常判断レベルとを比較して、変化量が火花異常判断レベルを超えたとき、火花異常と判断する。尚、火花異常判断レベルは電動機2によって異なるため、実験値などで設定されるものである。
図4(d)は、図4(c)の電流の変化量に対して火花異常判断レベルで判断した火花判断手段4の検知例を示しており、火花判断手段4は、図4(c)の電流変化量ΔI1〜ΔI4までは火花異常判断レベルよりも低いため、火花正常と判断するが、電流変化量ΔI5では火花異常判断レベルよりも高いため、火花異常と判断し、駆動手段5に対して判断結果を出力する。
駆動手段5は、この火花判断手段4の出力に基づいて電動機2の制御を行う。電動機2の制御は、電動機2から発煙・発火が起きず安全が確保できるように、例えば、電動機2への電力供給を遮断して運転を停止するように制御する。また、電動機2の運転を停止させるような電力供給の遮断をしなくとも安全が確保できるような電力を供給して運転を継続することも可能であり、例えば、通常使用時の弱運転モードよりもさらに供給電力が小さい方法での制御も可能である。
さらに、開口部遮断手段6は、この火花判断手段4の出力に基づいて、電気機器8の空気噴出し口7を開閉する。これにより、異常火花が発生したと判断されて電動機2の運転が停止したとき、空気噴出し口7を閉じ、異常過熱により発生する煙や異臭が、電動機2を搭載した電気機器8の空気噴出し口7より外に出ることを防止する。その詳細な説明を、図6を用いて次に説明する。
図6はこの発明の実施の形態1におけるシャッターの機構を示す概略構成図であり、図6(a)は、開口部遮断手段6が動作せずに空気噴出し口7が開いた状態を示す図、図6(b)は、開口部遮断手段6が動作して空気噴出し口7を閉じた状態を示す図である。図6に示すように、開口部遮断手段6は、火花判断手段4の出力に基づいて、所定の角度回転駆動する駆動装置61と、この駆動装置61と駆動軸63を介して接続され、駆動装置61の動作に応じてスライドして空気噴出し口7を塞ぐシャッターである開閉板62とにより構成される。開閉板62は、空気噴出し口7に対応した穴部と、その穴部の開口面積よりも大きい平板部とからなり、駆動装置61によりスライドした際に空気噴出し口7を塞ぐことができるものである。
開口部遮断手段6は、図6(a)に示すように、通常は空気噴出し口7を開いた状態とし、電気機器8の内部に搭載された電動機2の周囲と電気機器8の外部とが連通し、例えば電動機2により回転駆動されるファンにより排出された空気がこの空気噴出し口7から吐出する。上述したように、火花判断手段4により火花異常と判断されて電動機2の運転が停止されたとき、開口部遮断手段6は駆動装置61を駆動し、図6(b)に示すように、開閉板62をスライドさせて空気噴出し口7を塞いで電動機2の周囲と電気機器8の外部との連通を遮断し、電動機2より生じた煙や異臭が電気機器8の外へ排出されるのを防止する。
以上のように、本実施の形態1においては、電動機2で発生する火花を検出して火花の異常を判断し、この判断に応じて電動機2の運転を制御することができる。そしてこの判断に応じて電動機2の動作を停止したときに、空気噴出し口7を塞いで電動機2の周囲と電気機器8の外部との連通を遮断することにより、異常火花が発生したときの異常過熱により発生する煙や異臭が、電動機2を搭載した電気機器8の空気噴出し口7より外にでることを防止することができる。
尚、本実施の形態1では、電動機電流の検出を商用電源電圧の正極側及び負極側の各ゼロクロス毎(図2のゼロクロス1〜ゼロクロス6)に行う場合を説明したが、本発明はこれに限らず、正極側(図2のゼロクロス1、3、5)又は負極側(図2のゼロクロス2、4、6)の何れか一方の極側のみで行っても同様の検出が可能である。
さらに、本実施の形態1では、電動機電流を測定するための整流手段32の出力をA/D変換するための所定のタイミングT1を、商用電源電圧のゼロクロスから商用電源1の1/4周期の時間、例えばT1=5ms、とした場合を説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、4msでも6msでも良く、電動機電流のA/D変換後における今回データ値と前回データ値とを比較する際に、所定のタイミングT1が同じであれば問題なく同様の検出ができることは言うまでも無い。
さらに、本実施の形態1では、電流検出手段31の出力を商用電源電圧の周波数成分とノイズ成分を分別することなく、A/D変換手段33でサンプリングするように構成しているが、火花によるノイズ成分の影響が強い場合や外来ノイズの影響を受ける場合には、適切なカットオフ周波数を設定し、回路の適切な位置、例えば、A/D変換手段33の前段又は電流検出手段31の後段に、ローパスフィルターを設けることで、さらに確実な火花検知ができることは言うまでも無い。
さらに、本実施の形態1では、電流検出手段31の出力を整流手段32で整流した後にA/D変換手段33でデジタル値を検出しているが、整流手段32を設けることなく適当に電子回路を設計したり、適当にA/D変換手段33の検出値をデータ処理することで、電流検出手段31の出力を直接A/D変換手段33で検出しても同様の効果が得られることは言うまでも無い。
さらに、本実施の形態1では、整流手段32は、ダイオードブリッジなどにより全波整流する場合を説明をしたが、半波整流回路でもA/D変換手段33のサンプリングするタイミングを適当にすれば、同様の効果が得られることは言うまでも無い。
さらに、本実施の形態1では、所定のタイミングT1後に、1回だけA/D変換するような構成で説明したが、所定のタイミングT1後に複数回数のA/D変換をする場合には、複数回数のA/D変換して得られたデータについて平均値処理を施して、所定のタイミングT1後のデータとしてその平均値処理した値を扱うことでも良い。
さらに、本実施の形態1では、所定のタイミングT1は、商用電源電圧のゼロクロスを基点として説明したが、商用電源電圧の所定の電圧値を基点として構成しても同様の効果が得られることは言うまでも無い。
さらに、本実施の形態1では、シャッターの機構として、スライド式の開閉板62を用いる場合を説明したが、本発明はこれに限るものでなく、巻き取り式の開閉板や、回転運動により開閉可能なブラインドタイプのシャッターを用いることでも同様の効果が得られることは言うまでも無い。
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2における電気掃除機の概略構成図である。本実施の形態2における電気掃除機は、上記の実施の形態1の電動機制御装置および電動機2を搭載し、空気噴出し口(後述)にシャッターを設けたものである。
図7において、電気掃除機本体101には、空気を塵埃と共に吸上げる動力としての電動送風機102が内蔵され、電動送風機102の上流側には集塵室103が設けられている。この電動送風機102は、整流子とブラシとを有する電動機2とこの電動機2により回転駆動するファンとから成り、電動機2は上記実施の形態1の電動機制御装置により制御される。また、電気掃除機本体101には、延長目的でホースユニット105が設けられており、このホースユニット105を構成するホース106の一端には電気掃除機本体101に着脱可能に連結される接続部107が設けられており、他端に手元ハンドル108が設けられている。そして、手元ハンドル108には延長管109が着脱可能に連結され、さらに延長管109の上流側には床用吸込具110が着脱可能に連結されて、床用吸込具110から電動送風機102の集塵室103までの間に負圧の吸引風路が形成され、集塵室103の下流側から排気口すなわち電気掃除機の内部と外部とを連通する開口部である空気噴出し口111の間には排気風路が形成されている。
図8はこの発明の実施の形態2におけるシャッター機構を示す概略構成図である。図8に示すように、電気掃除機本体101の空気噴出し口111には、火花判断手段4の出力に基づいて、所定の角度回転駆動する駆動装置112aと、この駆動装置112aと駆動軸112cを介して接続され、駆動装置112aの動作に応じてスライドして空気噴出し口111を塞ぐシャッターである開閉板112bとにより構成される。
このような構成により、通常運転時においては空気噴出し口111を開いた状態とし、電動送風機102の動作により吸引された空気が、この空気噴出し口111から排気される。そして上述した実施の形態1と同様に、電動機制御装置の火花判断手段4により火花異常と判断されて電動機2の運転が停止されたとき、開口部遮断手段6は駆動装置112aを駆動し、開閉板112bをスライドさせて空気噴出し口111を塞いで電動機2より生じた煙や異臭が電気掃除機本体101の外へ排出されるのを防止する。
以上のように、本実施の形態2においては、上記実施の形態1の電動機制御装置および電動機2を搭載し、電気掃除機の内部と外部とを連通する開口部にシャッターを設け、電動機2とファンとから成る電動送風機102の制御を行い、電動機2の異常火花が発生したとき、電動機2ならびにファンを止め、シャッターにより空気噴出し口111を塞ぐので、煙や異臭を電気掃除機本体101の外へ排出することが無く、当該電気掃除機を使用する室内を煙で汚染することも無い。また、不快な臭いが付着することも無いために、火花異常によって室内の衛生性を損なうことなく、使用者に不快感、不安感を与えることがなく、電動機2の発火を防止して火災に関連する安全性の高い電気掃除機を提供することができる。
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3における手乾燥装置の概略構成図である。本実施の形態3における手乾燥装置は、上記の実施の形態1の電動機制御装置および電動機2を搭載し、空気噴出し口(後述)にシャッターを設けたものである。
図9において、本体箱体201内の上部に高圧空気流発生部202が組込まれ、本体箱体201内の下部に高圧空気流発生部202との間に手を出し入れできる処理空間203を形成して水受け部が設けられ、水受け部の下部に水受け部からの水を受容するドレン容器204が本体箱体201の前面からの抜差しを可能に設けられている。高圧空気流発生部202は、吸込口205から空気を吸込み、高圧空気を生成して処理空間203の前面の手挿入口近傍において水分を吹飛ばす手乾燥に関する作動気流としての高速の気流をエアーノズルすなわち手乾燥装置の内部と外部とを連通する開口部である空気噴出し口210により下向きに吹き出すものである。この高圧空気流発生部202は、整流子とブラシとを有する電動機2と、この電動機2により回転駆動するターボファンとにより構成され、電動機2は上記実施の形態1の電動機制御装置により制御される。また、処理空間203の底部は、排水孔206を有する水受け部として構成され、水受け部の下に収められるドレン容器204の内側に導水枠207と、この導水枠207に係脱可能に保持させた水受け板208と、水受け板208の前縁に上から重なる庇209とにより構成されている。
図10はこの発明の実施の形態3におけるシャッターの機構を示す概略構成図である。
図10に示すように、空気噴出し口210には、火花判断手段4の出力に基づいて、所定の角度回転駆動する駆動装置210aと、この駆動装置210aと駆動軸210cを介して接続され、駆動装置210aの動作に応じてスライドして空気噴出し口210を塞ぐシャッターである開閉板210bとにより構成される。
このような構成により、通常運転時においては空気噴出し口210を開いた状態とし、高圧空気流発生部202により生成された高圧空気が、空気噴出し口210から手乾燥に関する作動気流として処理空間203に吹き出される。そして上述した実施の形態1と同様に、電動機制御装置の火花判断手段4により火花異常と判断されて電動機2の運転が停止されたとき、開口部遮断手段6は駆動装置210aを駆動し、開閉板210bをスライドさせて空気噴出し口210を塞いで電動機2より生じた煙や異臭が本体箱体201の外へ排出されるのを防止する。
以上のように、本実施の形態3においては、上記実施の形態1の電動機制御装置および電動機2を搭載し、手乾燥装置の内部と外部とを連通する開口部にシャッターを設け、電動機2とターボファンとから成る高圧空気流発生部202の制御を行い、電動機2の異常火花が発生したとき、電動機2ならびにターボファンを止め、シャッターにより空気噴出し口210を閉じるので、火花異常による発煙・発火を防止でき、処理空間203に挿入して乾燥をしようとした手に炎が噴出して火傷するようなことは無い。また、乾燥をしようとした手に煙が掛かって手に異臭が付着することも無く、煙を体内に吸込むことも無く、さらに、空気噴出し口210から煙や炎が出ないために慌てて乾燥しようとしていた手を遠ざけようとして、思わぬところに当たって怪我をすることも無く、かつ、火災関連の安全性が高く、怪我に対する安全性も高く、衛生的にも高い手乾燥装置を提供することができる。
尚、上記実施の形態2及び3では、電気掃除機及び手乾燥装置に実施の形態1の電動機制御装置および電動機2を搭載し、開口部にシャッターを設ける場合を説明したが、本発明はこれに限るものでなく、電動機2を搭載した他の電気機器であっても、同様の効果を奏するものである。
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、シャッターを用いて開口部を開閉する場合を説明したが、本実施の形態4においては、上述したシャッターを用いた開口部遮断手段に換えて、泡発生器を用いた開口部遮断手段を設け、泡を用いて開口部を塞ぐものである。尚、電動機制御装置の構成及びその動作は実施の形態1と同様である。
図11はこの発明の実施の形態4における泡発生器の機構を示す概略構成図である。図11(a)は、泡発生器の動作前の状態を示す図、図11(b)は、泡発生器が動作して空気噴出し口を泡により閉じた状態を示す図である。図11に示すように、本実施の形態4における開口部遮断手段6は、火花判断手段4の出力に基づいて開閉する泡発生弁602と、この泡発生弁602が開くことによって泡603を放出する泡発生器601とにより構成される。泡603は空気噴出し口7に対応した穴と、その穴の開口面積を十分ふさぐ容量であり、泡発生器601に内蔵されているものである。
通常は泡発生弁602を閉じた状態とし、電気機器8の内部に搭載された電動機2の周囲と電気機器8の外部とが連通し、例えば電動機2により回転駆動されるファンにより排出された空気がこの空気噴出し口7から吐出する。上述したように、火花判断手段4により火花異常と判断されて電動機2の運転が停止されたとき、開口部遮断手段6は泡発生弁602を開き、図11(b)に示すように、泡発生器601から吐出された泡603により空気噴出し口7を塞いで、電動機2より生じた煙や異臭が電気機器8の外へ排出されるのを防止する。
以上のように、本実施の形態4においては、電動機2で発生する火花を検出して火花の異常を判断し、この判断に応じて電動機2の運転を制御することができる。そしてこの判断に応じて電動機2の動作を停止したときに、空気噴出し口7を塞いで電動機2の周囲と電気機器8の外部との連通を遮断することにより、異常火花が発生したときの異常過熱により発生する煙や異臭が、電動機2を搭載した電気機器8の空気噴出し口7より外にでることを防止することができる。
この発明の実施の形態1における電動機制御装置のブロック構成図である。 この発明の実施の形態1における商用電源波形を示す波形図である。 この発明の実施の形態1における火花検出手段の検出波形を示す波形図である。 この発明の実施の形態1における火花検出手段の検出タイミング及び火花判断手段の動作を示す図である。 この発明の実施の形態1における電動機の内部構成及び火花と電動機電流との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるシャッターの機構を示す概略構成図である。 この発明の実施の形態2における電気掃除機の概略構成図である。 この発明の実施の形態2におけるシャッターの機構を示す概略構成図である。 この発明の実施の形態3における手乾燥装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態3におけるシャッターの機構を示す概略構成図である。 この発明の実施の形態4における泡発生器の機構を示す概略構成図である。
符号の説明
1 商用電源、2 電動機、2a 電動機のステータ巻線、2b 整流子、2c ブラシ、3 火花検出手段、4 火花判断手段、5 駆動手段、6 開口部遮断手段、7 空気噴出し口、8 電気機器、31 電流検出手段、32 整流手段、33 A/D変換手段、61 駆動装置、62 開閉板、63 駆動軸、101 電気掃除機本体、102 電動送風機、103 集塵室、105 ホースユニット、106 ホース、107 接続部、108 手元ハンドル、109 延長管、110 床用吸込具、111 空気噴出し口、112a 駆動装置、112b 開閉板、112c 駆動軸、201 本体箱体、202 高圧空気流発生部、203 処理空間、204 ドレン容器、205 吸込口、206 排水孔、207 導水枠、208 水受け板、209 庇、210 空気噴出し口、210a 駆動装置、210b 開閉板、210c 駆動軸、601 泡発生器、602 泡発生弁、603 泡、Vs 商用電源電圧、Va 火花電圧、Zm インピーダンス、Im 電動機電流。

Claims (14)

  1. 整流子とブラシとを有し、電気機器の内部に搭載される電動機の運転を制御する駆動手段と、
    前記電動機で発生する火花の発生を所定のサンプリングタイミングで検出する火花検出手段と、
    前記火花検出手段の出力から火花の異常を判断する火花判断手段と、
    前記火花判断手段の出力に応じて、前記電気機器の内部と外部とを連通する開口部を開閉する開口部遮断手段と
    を備えたことを特徴とする電動機制御装置。
  2. 前記駆動手段は、
    前記火花判断手段が火花の異常を判断したとき、前記電動機の運転を停止させ、
    前記開口部遮断手段は、
    前記火花判断手段が火花の異常を判断したとき、前記開口部を閉じることを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
  3. 前記開口部遮断手段は、
    前記開口部を覆うシャッターにより前記開口部を開閉することを特徴とする請求項1又は2記載の電動機制御装置。
  4. 前記開口部遮断手段は、
    前記開口部を覆う泡により前記開口部を閉じることを特徴とする請求項1又は2記載の電動機制御装置。
  5. 前記火花検出手段は、
    前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段の出力を整流する整流手段と、
    前記整流手段の出力をデジタル値としてサンプリングするA/D変換手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電動機制御装置。
  6. 前記A/D変換手段は、前記電動機に供給される商用電源の周期に同期して、所定の時間の位相差で所定回数、前記電動機に流れる電流をサンプリングすることを特徴とする請求項5記載の電動機制御装置。
  7. 前記A/D変換手段は、前記所定の時間の位相差を、前記商用電源の周期の1/4の時間とすることを特徴とする請求項6記載の電動機制御装置。
  8. 前記A/D変換手段は、前記所定回数を、前記商用電源の半周期毎に1回とすることを特徴とする請求項6又は7記載の電動機制御装置。
  9. 前記火花判断手段は、前記A/D変換手段がサンプリングした前記デジタル値の今回データと前回データとの差を求め、求めた差の値が予め設定した所定の火花判断レベルより大きいとき、火花異常と判断することを特徴とする請求項5〜8の何れかに記載の電動機制御装置。
  10. 整流子とブラシとを有する電動機と、
    請求項1〜9の何れかに記載の電動機制御装置と
    を備えたことを特徴とする電気機器。
  11. 整流子とブラシとを有する電動機と、
    請求項1〜9の何れかに記載の電動機制御装置と
    を備えたことを特徴とする電気掃除機。
  12. 前記電動機制御装置の開口部遮断手段は、
    電機掃除機本体に設けられた排気口を開閉することを特徴とする請求項11記載の電気掃除機。
  13. 整流子とブラシとを有する電動機と、
    請求項1〜9の何れかに記載の電動機制御装置と
    を備えたことを特徴とする手乾燥装置。
  14. 前記電動機制御装置の開口部遮断手段は、
    手乾燥装置本体に設けられた空気噴出し口を開閉することを特徴とする請求項13記載の電気掃除機。
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