JP2008268649A - 電子写真装置用クリーニングブレード及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弾性ゴム部材11及び支持部材12を有する電子写真装置用クリーニングブレードであって、上記弾性ゴム部材は、エッジ層21及び上記エッジ層以外の層を有する2層以上の複層構造を有し、かつ、上記エッジ層を上側にした3点曲げ試験において、たわみ及び曲げ荷重のヒステリシスロス(B/A)が下記式(1);B/A<0.5 (1)の特性を満たす材料からなる電子写真装置用クリーニングブレード。
【選択図】図1
Description
B/A<0.5 (1)
の特性を満たす材料からなることを特徴とする電子写真装置用クリーニングブレードである。
B/A<0.5 (1)
の特性を満たす材料からなることが好ましい。
B/A<0.5 (1)
の特性を満たす材料からなることを特徴とする電子写真装置用クリーニングブレードの製造方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真装置用クリーニングブレード(以下、単に「クリーニングブレード」ともいう)の弾性ゴム部材は、エッジ層及び上記エッジ層以外の層を有する2層以上の複層構造を有している。また、上記弾性ゴム部材は、上記エッジ層を上側にした3点曲げ試験において、たわみ及び曲げ荷重のヒステリシスロス(B/A)がB/A<0.5の特性を満たす材料からなる。弾性ゴム部材がこのようなヒステリシスロス特性を有しているため、本発明のクリーニングブレードを使用した場合、トナーとして球形(真球状、異形状)で、小粒径の重合法トナーを使用した場合であっても、優れたクリーニング性(特に低温低湿下)が発揮される。
上記弾性ゴム部材は、上記クリーニングブレードの使用時に、像担持体表面のトナー及び外添剤等を掻き取るものである。上記弾性ゴム部材は、エッジ層及び上記エッジ層以外の層を有する2層以上の複層構造を有している。
試験片の寸法:長さ40mm、幅5.0mm、高さ2.0mm
試験速度(圧縮速度):20mm/分
たわみ:3.0mm
支点間距離:32mm
A:試験装置に静置した弾性ゴム部材をたわみ0mmの状態からたわみ3.0mmの状態まで試験速度(圧縮速度)20mm/分で変位させる(曲げる)3点曲げ試験において、試験で得られたたわみ(mm)及び曲げ荷重(gf)の関係曲線による面積値。
B:上記Aの面積値と、上記によってたわみ3.0mmの状態まで変位させた弾性ゴム部材を更にたわみ0mmの状態まで試験速度(圧縮速度)20mm/分で変位させる(戻す)3点曲げ試験において、試験で得られたたわみ(mm)及び曲げ荷重(gf)の関係曲線による面積値との差。
図2は、本発明における3点曲げ試験で得られたたわみ(d)及び曲げ荷重(F)の関係曲線の一例である。
図2においては、先ず、たわみ(d)0mmから3.0mmまで変位させる(曲げる)間に連続的に曲げ荷重値を測定して得られたたわみ−曲げ荷重曲線〔(イ)→(ロ)→(ハ)の曲線(図2の例では直線)〕が示されている。上記Aは、曲げ荷重(F)=0(gf)の直線、たわみ(d)=3.0(mm)、及び、(イ)→(ロ)→(ハ)の曲線によって囲まれた面積値(斜線部の面積値)である。
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、それらのエステル形成性誘導体等を挙げることができる。上記グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、p−キシレンジオール等の芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等を挙げることができる。これらによるポリエステルポリオールは、線状構造であるが、3価以上のエステル形成成分を用いて分枝状ポリエステルであってもよい。なかでも、優れたクリーニング性(特に低温低湿下)を得ることができる点から、上記ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、アジピン酸が特に好ましい。上記グリコールとしては、脂肪族グリコールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールが更に好ましい。
上述の電子写真装置用クリーニングブレードの製造方法としては特に限定されず、2層以上の複層構造の弾性ゴム部材を有するブレードの従来公知の製造方法によって製造することが可能であるが、以下に述べる製造方法が好ましい。このような製造方法も本発明の1つである。
上記付加硬化型シリコーンゴム組成物の市販品としては、例えば、TSE3032(GE東芝シリコーン社製)、KE103(信越ポリマー社製)等を挙げることができる。
プレポリマー法を用いる場合には、脱水処理を行ったポリオールとイソシアネートとを混合し、温度50〜80℃で10〜600分間反応させて得られるプレポリマーに、架橋剤等を加えて金型に注入し、硬化させる方法等により、硬化したエッジ層、ベース層を得ることができる。ワンショット法を用いる場合には、脱水処理を行ったポリオールと架橋剤とを計量し、更にそこにポリイソシアネートを加えて計量して混合して、金型に注入し、硬化させる方法等により、硬化したエッジ層、ベース層を得ることができる。
(シリコーンゴム層の形成)
公知の遠心成形機の成形金型ドラム(内径:700mm、奥行き:500mm、常温での振れ精度:0.06mm、成形時の回転数:800rpm、粗面状態:Ra=0.30)を40℃に加熱し、シリコーンゴム材料として、付加反応により硬化する付加硬化型シリコーンゴム組成物「TSE3032(A)」(主剤、GE東芝シリコーン社製)と「TSE3032(B)」(硬化剤)との混合液(配合質量比10:1)を、上記成形金型ドラム内に流し込み、120分間加熱硬化させ、シリコーンゴム層を形成した。得られたシリコーンゴム層は、空気側面が均一な鏡面状であり、厚さが0.7mmであった。
エッジ層用材料を140℃に予熱した遠心成形機の金型内のシリコーンゴム層上に注入し、10分間硬化させた。上記硬化反応の後、ベース層用材料を硬化したエッジ層上に注入し、30分間硬化させた。上記硬化反応後、2層構造の弾性ゴム部材のシート体のみ金型から取り出すことにより、厚さ2.00mmの円柱状の2層構造シート体を得ることができた。これを幅12mm、長さ330mmの短冊状にカットすることにより、弾性ゴム部材を得ることができた。また、弾性ゴム部材のエッジ層の表面状態(シリコーンゴム接触面)は、鏡面状態であり、欠陥は全く発見されなかった。
また、表1〜2中のポリウレタンは、表3に示した配合からなるものである。
脱水処理を行ったポリオールとイソシアネートとを混合し、温度70℃で240分間反応させて得られるプレポリマーに、架橋剤を加えてから注入した(プレポリマー法)。
脱水処理を行ったポリオールと架橋剤とを計量し、更にそこにポリイソシアネートを加えて計量して混合して、金型に注入し(ワンショット法)。
実施例、比較例で得られたクリーニングブレードを市販の普通紙複写機(有機感光体使用、速度10枚/分)に装着し、印字テストを行った。テストは、(1)温度23℃、湿度50%、(2)温度10℃、湿度15%の条件下で行った。印字テストは、1000枚ごとにトナーのすり抜けが生じているか否かをチェックして、印刷物にトナーのすり抜けに起因するスジが認められた時点で終了とし、その印刷枚数を記録した。100000枚印刷してもスジが発生しなかったものは、そこでテストを終了した。テスト中のトナーのすり抜けや反転めくれの発生を評価した。結果を表1に示した。
12 支持部材
13 接着剤層
14 像担持体(相手材)
21 エッジ層
22 ベース層
23 エッジ層側の面
24 加圧くさびの加圧方向(エッジ層側を上側にした場合)
Claims (5)
- 弾性ゴム部材及び支持部材を有する電子写真装置用クリーニングブレードであって、
前記弾性ゴム部材は、エッジ層及び前記エッジ層以外の層を有する2層以上の複層構造を有し、かつ、
前記エッジ層を上側にした3点曲げ試験において、たわみ及び曲げ荷重のヒステリシスロス(B/A)が下記式(1);
B/A<0.5 (1)
の特性を満たす材料からなる
ことを特徴とする電子写真装置用クリーニングブレード。 - 弾性ゴム部材は、エッジ層及びベース層からなる2層構造を有し、かつ、
前記エッジ層を上側にした3点曲げ試験において、たわみ及び曲げ荷重のヒステリシスロス(B/A)が下記式(1);
B/A<0.5 (1)
の特性を満たす材料からなる
請求項1記載の電子写真装置用クリーニングブレード。 - エッジ層がポリカプロラクトンポリオール及び/又はポリエステルポリオールをポリオール成分とするポリウレタンからなり、かつ、エッジ層以外の層の少なくとも1層がポリカプロラクトンポリオール及び/又はポリエステルポリオールをポリオール成分とするポリウレタンからなる請求項1又は2記載の電子写真装置用クリーニングブレード。
- 遠心成形法を用いた請求項1、2又は3記載の電子写真装置用クリーニングブレードの製造方法であって、
金型の内側にシリコーンゴムの成形体を製造する工程(I)と、
前記工程(I)で得られたシリコーンゴムの成形体上に、弾性ゴム部材のエッジ層を構成する成形体を製造する工程(II)と、
前記工程(II)で得られたエッジ層を構成する成形体上に、弾性ゴム部材のエッジ層以外の層を構成する成形体を製造する工程(III)とを含み、
得られた弾性ゴム部材を構成する成形体は、エッジ層を上側にした3点曲げ試験において、たわみ及び曲げ荷重のヒステリシスロス(B/A)が下記式(1);
B/A<0.5 (1)
の特性を満たす材料からなる
ことを特徴とする電子写真装置用クリーニングブレードの製造方法。 - シリコーンゴムの成形体は、ケイ素原子に結合する脂肪族不飽和炭化水素基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合する水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジエンポリシロキサン、及び、白金系触媒を含む付加硬化型シリコーンゴム組成物から得られるものである請求項4記載の電子写真装置用クリーニングブレードの製造方法。
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