JP2008256966A - 電子線硬化のケイ素含有レジスト下層膜を形成するためのケイ素含有レジスト下層膜形成組成物 - Google Patents

電子線硬化のケイ素含有レジスト下層膜を形成するためのケイ素含有レジスト下層膜形成組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて用いられるレジスト下層膜形成組成物を提供する。
【解決手段】 半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいてフォトレジストの下層に使用されるレジスト下層膜を電子線照射によって硬化する組成物であって、重合性物質を含むレジスト下層膜形成組成物。前記重合性物質が電子線照射により重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する化合物である。電子線照射による重合可能な反応性基が、炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基、又はエポキシ基を有する反応性基である。炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基が、アクリレート基、メタクリレート基、又はビニルエーテル基である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体基板とフォトレジストの間にレジスト下層膜を形成するための組成物に関する。詳しくは、半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいてフォトレジストの下層に使用されるレジスト下層膜を電子線照射によって形成するためのレジスト下層膜形成組成物に関する。また、当該レジスト下層膜形成組成物を用いたレジスト下層膜の形成方法、及びフォトレジストパターンの形成方法に関する。
従来から半導体装置の製造において、フォトレジストを用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウエハ等の半導体基板上にフォトレジストの薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたフォトレジストパターンを保護膜として基板をエッチング処理することにより、基板表面に、前記パターンに対応する微細凹凸を形成する加工法である。
近年、半導体装置の高集積度化が進み、使用される活性光線もKrFエキシマレーザ(248nm)からArFエキシマレーザ(193nm)へと短波長化される傾向にある。これに伴い活性光線の基板からの乱反射や定在波の影響が大きな問題となってきた。そこで、この問題を解決すべく、フォトレジストと基板の間に反射防止膜(bottom anti−reflective coating)を設ける方法が広く検討されている。かかる反射防止膜としては、その使用の容易さなどから有機反射防止膜について数多くの検討が行われてきている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年、半導体装置のパターンルールの微細化に従い明らかになってきた配線遅延の問題を解決するために、配線材料として銅を使用する検討が行われており、そして、それと共に半導体基板への配線形成方法としてデュアルダマシンプロセスの検討が行われている。そして、デュアルダマシンプロセスではビアホールが形成され、大きなアスペクト比を有する基板に対して反射防止膜が形成されることになる。そのため、このプロセスに使用される反射防止膜に対しては、ホールを隙間なく充填することができる埋め込み特性や、基板表面に平坦な膜が形成されるようになる平坦化特性などが要求されている。しかし、有機系の反射防止膜用材料を大きなアスペクト比を有する基板に適用することは難しく、近年、埋め込み特性や平坦化特性に重点をおいた材料が開発されるようになってきている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照。)。
また、半導体装置等のデバイス製造において、誘電体層によるフォトレジストのポイズニング効果を減少させるために、架橋可能なポリマー等を含む組成物より形成されるバリア層を誘電体層とフォトレジストの間に設けるという方法が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
このように、近年の半導体装置の製造においては、反射防止効果を初め、さまざまな効果を達成するために、半導体基板とフォトレジストの間、すなわちフォトレジストの下層として、有機化合物を含む組成物から形成される有機系のレジスト下層膜が配置されるようになってきている。
ところで、これらの有機系のレジスト下層膜は、一般に、レジスト下層膜形成用の組成物を半導体基板上に塗布した後、半導体基板を170℃〜200℃程度の高温で加熱することによって形成されている。そのため、高温での加熱時にレジスト下層膜形成用の組成物に含まれている低分子量の成分が揮発または昇華し、周辺装置に付着し、装置を汚染するということが問題となっていた。また、装置に付着した成分が半導体基板上に落下し、パターン形成に悪影響を及ぼすということが問題になっていた。
米国特許第5919599号明細書 特開2000−294504号公報 特開2002−47430号公報 特開2002−190519号公報 国際公開第02/05035号パンフレット 特開2002−128847号公報
本発明の目的は、半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいてフォトレジストの下層に使用されるレジスト下層膜を電子線照射によって硬化させ、形成するためのケイ素原子含有レジスト下層膜形成組成物を提供することである。また、当該組成物を用いた半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいてフォトレジストの下層に使用されるレジスト下層膜の形成方法、及びフォトレジストパターンの形成方法を提供することであり、無機原子であるケイ素原子を5〜45%含むことにより、酸素ガスによるプラズマエッチング速度が小さくなり、エッチング耐性のあるハードマスク層となる。
即ち、フォトレジストパターンによる本発明のレジスト下層膜のエッチング時に使用されるフッ素系ガス(例えばCF)ガス条件下でフォトレジストに比べ大きなエッチング速度を有するため、形成されたレジスト膜とレジスト下層膜を保護膜として基板の加工ができる。
また、フォトレジストパターンによる本発明のレジスト下層膜のエッチング時に使用されるフッ素系ガス(例えばCF)ガス条件で、フォトレジストに比べ充分に高いエッチング速度を有しているためレジストパターンにより本発明のレジスト下層膜をエッチング除去することが可能であり、フォトレジストパターンを本発明のレジスト下層膜に転写することができる。更に本発明の下に有機膜を成膜する場合に、有機膜のエッチング時に用いられるO(酸素)ガス条件下で、有機膜(フォトレジストと同等のエッチング特性を有する。)に比べ遙かに小さいエッチング速度を有するため、本発明のレジスト下層膜(ハードマスクとして機能)に転写されたレジストパターンを更に有機膜に転写することが可能であり、その有機膜を保護膜として半導体基板を加工することができる。
本発明の目的は、上層に塗布、形成されるフォトレジストとのインターミキシングを起こさず、フォトレジストに比較してフッ素ガス系では、大きなドライエッチング速度を有するレジスト下層膜であり、そのレジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて、半導体基板上に形成されたフォトレジストへの露光照射光の基板からの反射を軽減させる下層反射防止膜、凹凸のある半導体基板を平坦化するための平坦化膜、及び加熱時などに半導体基板から発生する物質によるフォトレジストの汚染を防止する膜等として使用できるレジスト下層膜を光照射により形成するためのレジスト下層膜形成組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、半導体基板からの反射・散乱を抑えるための光吸収化合物を含む無機反射防止膜形成組成物を提供することである。
本願発明は第1観点として、半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいてフォトレジストの下層に使用されるレジスト下層膜を電子線照射によって形成するための組成物であって、ケイ素原子を5〜45質量%含有する重合性化合物(A)、及び溶媒(B)を含むレジスト下層膜形成組成物、
第2観点として、前記重合性物質が電子線照射により重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する化合物である第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第3観点として、電子線照射による重合可能な反応性基が、炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基、又はエポキシ基を有する反応性基である第2観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第4観点として、炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基が、アクリレート基、メタクリレート基、又はビニルエーテル基である第3観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第5観点として、前記重合性物質が、分子内に1個乃至4個のアクリレート基、メタクリレート基、又はビニルエーテル基を有する化合物である第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第6観点として、上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)が、式(I):
(R(RSi(R4−(a+b) (I)
(但し、Rはエポキシ基、ビニル基、又はそれらを含有する重合性有機基でSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはハロゲン原子、又は炭素数1〜8のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、若しくはアルコキシアシル基であり、aは1の整数であり、bは0、1又は2の整数であり、a+bは1、2又は3の整数である。)及び式(II):
〔(RSi(R3−cY (II)
(但し、Rはエポキシ基、ビニル基、又はそれらを含有する重合性有機基でSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Yは酸素原子、メチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは1又は2の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)である第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第7観点として、上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)が、上記式(I)及び式(II)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)と、
一般式(III)、
(R(RSi(R4−(a+b) (III)
(但し、R及びRは、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはハロゲン原子、又は炭素数1〜8のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、若しくはアルコキシアシル基であり、a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+bは0、1、又は2の整数である。)及び、式(IV)、
〔(RSi(X)3−cY (IV)
(但し、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、アルコキシアルキル基又はアルコキシアシル基を示し、Yはメチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)との組み合わせである第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第8観点として、上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)が、上記(A1)、又は上記(A1)と(A2)の組み合わせからなり、(A1):(A2)がモル比で100:0〜50となる有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量100〜100000の重合性有機基を有する縮合物である第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第9観点として、上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)が、上記式(I)、又は上記式(I)と式(III)の組み合わせからなる有機ケイ素化合物中で、a+bの値が1となる有機ケイ素化合物が5〜75質量%の割合で含有する有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量100〜1000000の重合性有機基を有する縮合物である第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第10観点として、第1観点乃至第9観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程を含む半導体装置の製造方法、
第11観点として、第1観点乃至第9観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程、上記レジスト下層膜上にフォトレジスト組成物を塗布し加熱することによってフォトレジスト層を形成する工程、及び上記レジスト下層膜及びフォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、露光後にフォトレジストを現像しレジストパターンを得る工程、レジストパターンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法、
第12観点として、半導体基板上に有機層を形成する工程、その上に第1観点乃至第9観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程、その上にレジスト膜を形成する工程、露光と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、パターン化されたレジスト下層膜により有機層をエッチングする工程、パターン化された有機層により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法、
第13観点として、上記半導体基板が高さ/直径で示されるアスペクト比が1以上のホールを有する半導体基板である第10観点乃至第12観点のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法、及び
第14観点として、上記電子線照射が、吸収線量として1〜300kGyの範囲で行われる第10観点乃至第13観点のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物により、電子線照射によって、フォトレジストと比較して大きなドライエッチング速度を有し、フォトレジストとのインターミキシングを起こさない、優れたレジスト下層膜を形成することができる。
また、レジスト下層膜に基板加工時のハードマスク機能を持たせたレジスト下層膜にも使用できる。即ち、耐ドライエッチング速度が遅くなる様に炭素含有量の高い芳香族化合物を多用することにより、フォトレジストに比べてドライエッチング速度の遅いハードマスク機能を持ったレジスト下層膜が得られる。
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物により、高さ/直径で示されるアスペクト比が1以上であるホールを有する半導体基板の表面を平坦化することができる。そのため、その上に塗布、形成されるフォトレジスト等の膜厚の均一性を上げることができる。そして、ホールを有する基板を用いたプロセスにおいても、良好なフォトレジストパターンを形成することができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物により、半導体基板に形成されたホールを隙間(ボイド)を発生することなくレジスト下層膜で充填することができる。
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物は、半導体基板上に塗布した後に高温での加熱を行うことなく、電子線照射によってレジスト下層膜を硬化し形成することができる。そのため、低分子量の成分の揮発または昇華による周辺装置の汚染を防ぐことができる。昇華物の発生が有る場合は、加工装置内に昇華物が付着し、その昇華物が固まりを形成し、その固まりが半導体基板上に異物として落下し半導体製品の不良の原因となる。しかし、本発明のレジスト下層膜は、半導体基板に塗布した後、高温での加熱を必要とせず、溶剤の除去程度の加熱の後、電子線照射によりレジスト下層膜を硬化し形成する。従って、昇華物発生が原因となる様な上記の問題が起こらない。
また、高温での加熱を必要としないので、低分子量の成分をレジスト下層膜形成組成物に使用しても昇華等の懸念がなく、比較的多量の低分子量の成分をレジスト下層膜形成組成物に使用することができる。そのため、比較的低粘度のレジスト下層膜形成組成物を用いてレジスト下層膜を形成することができる。そして、ホールの充填性や半導体基板の平坦化性に優れたレジスト下層膜を形成することができる。
本発明は、半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいてフォトレジストの下層に使用されるレジスト下層膜を電子線照射によって形成するための組成物であって、重合性物質を含むレジスト下層膜形成組成物である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、重合性物質と溶剤を含み固形分は例えば0.5〜50質量%、又は3〜40質量%、又は10〜30質量%の範囲で用いることができる。固形分は、レジスト下層膜形成組成物から溶剤を除いた残りの全成分である。
上記重合性物質(A)は、電子線照射による重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する物質である。
重合性化合物(A)は、重合性有機基を含む有機ケイ素化合物、重合性有機基を含む有機ケイ素化合物の加水分解物、重合性有機基を含む有機ケイ素化合物の加水分解物の縮合物、又はそれらの混合物である。
電子線照射による重合可能な反応性基は、炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基、又はエポキシ基を有する反応性基である。
炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基は、炭素と炭素の二重結合、及び炭素と炭素の三重結合を含む反応性基であるが、炭素と炭素の二重結合が好ましく用いられる。
上記の炭素と炭素の二重結合を含む反応性基としては、例えばアクリレート基、メタクリレート基、及びビニルエーテル基が挙げられる。
重合性化合物(A)を含むレジスト下層膜を電子線照射することにより、重合性化合物(A)の重合が進みレジスト下層膜が形成される。そして、前記重合性化合物(A)がエポキシ基を少なくとも一つ有する重合性化合物である場合、重合性化合物(A)から得られたレジスト下層膜に電子線照射することにより、重合性化合物(A)の重合が進みレジスト下層膜が形成される。反応性基はエポキシ基である場合は、重合性部位であるエポキシ基は重合性化合物(A)に二個以上有することで上塗りされるフォトレジストの溶媒に対する耐溶媒溶解性の点で好ましい。
また、前記重合性化合物(A)はエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する重合性化合物で有る場合、重合性化合物(A)から得られたレジスト下層膜に電子線照射することにより、重合性化合物(A)の重合が進みレジスト下層膜が形成される。そして、エチレン性不飽和結合はビニル基であることが好ましい。ビニル基としてはアクリロキシ基、又はメタクリロキシ基を含有する有機基が好ましい。重合性化合物(A)が縮合物である場合は、重合性部位であるビニル基は縮合物中に二個以上有することで上塗りされるフォトレジストの溶媒に対する耐溶媒溶解性の点で好ましい。
本発明ではケイ素原子を含有する重合性化合物(A)として、式(I):
(R(RSi(R4−(a+b) (I)
(但し、Rはエポキシ基、ビニル基、又はそれらを含有する重合性有機基でSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはハロゲン原子、又は炭素数1〜8のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、若しくはアルコキシアシル基であり、aは1の整数であり、bは0、1又は2の整数であり、a+bは1、2又は3の整数である。)及び式(II):
〔(RSi(R3−cY (II)
(但し、Rはエポキシ基、ビニル基、又はそれらを含有する重合性有機基でSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Yは酸素原子、メチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは1又は2の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)を用いることができる。
これら重合性化合物(A1)に該当する式(I)の有機ケイ素化合物としては、メタクリルアミドトリメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)ビス(トリメチロキシ)メチルシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトシキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエチル)シラン、メタクリロキシトリメトキシシラン、メタクリロキシトリブトキシシラン、メタクリロキシトリイソプロポキシシラン、メタクリロキシトリフェノキシシラン、メタクリロキシフェニルジメトキシシラン、メタクリロキシフェニルメチルメトキシシラン、メタクリロキシフェニルジクロロシラン、メタクリロキシフェニルジメチルシラン、メタクリロキシフェニルジエトキシシラン、メタクリロキシフェニルジクロロシラン、メタクリロキシトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルジメトキシシラン、メタクリロキシメチルジエトキシシラン、メタクリロキシメチルジアセトキシシラン、メタクリロキシジフェニルクロロシラン、アクリルアミドトリメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、(アクリロキシメチル)ビス(トリメチロキシ)メチルシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトシキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリス(メトキシエチル)シラン、アクリロキシトリメトキシシラン、アクリロキシトリブトキシシラン、アクリロキシトリイソプロポキシシラン、アクリロキシトリフェノキシシラン、アクリロキシフェニルジメトキシシラン、アクリロキシフェニルメチルメトキシシラン、アクリロキシフェニルジクロロシラン、アクリロキシフェニルジメチルシラン、アクリロキシフェニルジエトキシシラン、アクリロキシフェニルジクロロシラン、アクリロキシトリメトキシシラン、アクリロキシメチルジメトキシシラン、アクリロキシメチルジエトキシシラン、アクリロキシメチルジアセトキシシラン、アクリロキシジフェニルクロロシラン等のビニル基含有シラン化合物、そしてグリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン化合物などを好ましく例示することができる。
重合性化合物(A1)に該当する式(II)の有機ケイ素化合物としては、ビス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]テトラメチルジシロキサン、ジ(グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、ジ(グリシドキシプロピル)テトラフェニルジシロキサン等のエポキシ基含有シラン化合物、ジ(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、ジ(3−メタクリロキシプロピル)テトラフェニルジシロキサン、ジ(3−アクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、ジ(3−アクリロキシプロピル)テトラフェニルジシロキサン等のビニル基含有シラン化合物などを好ましく例示することができる。
重合性化合物(A1)は、上記式(I)と式(II)の有機ケイ素化合物、その有機ケイ素化合物の加水分解物、及びその有機ケイ素化合物の加水分解物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)である。
本発明では重合性化合物(A1)に、エッチング耐性、反射防止特性、保存安定性及び基板とのぬれ性等を改善する目的でエポキシ基及びビニル基等の重合性有機基を含有しないケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)を組み合わせることができる。
上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)は、一般式(III)、
(R(RSi(R4−(a+b) (III)
(但し、R及びRは、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはハロゲン原子、又は炭素数1〜8のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、若しくはアルコキシアシル基であり、a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+bは0、1、又は2の整数である。)及び、式(IV)、
〔(RSi(X)3−cY (IV)
(但し、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、アルコキシアルキル基又はアルコキシアシル基を示し、Yはメチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する化合物である。
この重合性化合物(A2)に該当する式(III)の有機ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等を好ましく例示することができる。
この重合性化合物(A2)に該当する式(IV)の有機ケイ素化合物としては、メチレンビスメチルジメトキシシラン、エチレンビスエチルジメトキシシラン、プロピレンビスエチルジエトキシシラン、ブチレンビスメチルジエトキシシラン等を好ましく例示することができる。
重合性化合物(A2)は、上記式(III)と式(IV)の有機ケイ素化合物、その有機ケイ素化合物の加水分解物、及びその有機ケイ素化合物の加水分解物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)である。
本発明では上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)は、上記(A1)、又は上記(A1)と(A2)の組み合わせからなる。(A1):(A2)のモル比は100:0〜50となる割合で有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量100〜100000の重合性有機基を有する縮合物が好ましい。
上記有機ケイ素化合物を加水分解し縮合させる際に、有機ケイ素化合物の加水分解性基(例えば塩素原子やアルコキシ基)の1モル当たり、1モルを越え100モル以下、好ましくは1モル〜50モルの水を用いる。
本発明の重合性化合物(A)を製造するに際しては、上記化合物から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を加水分解、縮合させる際に、触媒を用いることが特徴である。この際に用いることの出来る触媒としては、チタンやアルミニウムなどの金属キレート化合物、酸触媒、アルカリ触媒が挙げられる。
上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)は、上記式(I)、又は上記式(I)と式(III)の組み合わせからなる有機ケイ素化合物中で、(a+b)の値が1となる有機ケイ素化合物が5〜75質量%の割合で含有する有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量100〜1000000の重合性有機基を有する縮合物が好ましい。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、重合性化合物(A)を通常、有機溶媒に溶解または分散してなる。この有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン系溶媒からなる群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物には、さらにβ−ジケトン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤、シランカップリング剤、ラジカル発生剤、トリアゼン化合物、アルカリ化合物などの成分を添加してもよい。
本発明に用いられる有機ケイ素化合物は、通常有機溶媒中で加水分解し縮合する。
加水分解に用いられる有機溶媒としては、例えばn−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒;エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶媒等を挙げることができる。
特に、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートが溶液の保存安定性の点で好ましい。
また、有機ケイ素化合物を加水分解し縮合させる際には、触媒を使用しても良い。この際に使用する触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。金属キレート化合物としては、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。有機塩基としては、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を挙げることができる。無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、より好ましくはチタンキレート化合物、有機酸を挙げることができる。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
更に、レジスト密着性、下地基板に対する濡れ性、柔軟性、平坦化性等を向上させるために、必要により下記のケイ素原子を含まない重合性化合物を用い、上記のケイ素原子を含有する重合性化合物と共重合(ハイブリッド化)、又は混合させることができる。
ケイ素原子を含まずエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、3−フェノキシ−2−プロパノイルアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−ヘキシルエーテル、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシルエチル)−イソシアヌル酸エステル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、ここで、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレートとはエチレングリコールジアクリレートとエチレングリコールジメタクリレートとを意味する。
ケイ素原子を含まずエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物としては、また、多価イソシアネート化合物とヒドロキシアルキル不飽和カルボン酸エステル化合物との反応によって得ることができるウレタン化合物、多価エポキシ化合物とヒドロキシアルキル不飽和カルボン酸エステル化合物との反応によって得ることができる化合物、フタル酸ジアリル等のジアリルエステル化合物、及びジビニルフタレート等のジビニル化合物等を挙げることもできる。
また、ケイ素原子を含まずカチオン重合性の部位を有する重合性化合物としては、エポキシ環及びオキセタン環等の環状エーテル構造、ビニルエーテル構造及びビニルチオエーテル構造等を有する化合物が挙げられる。
ケイ素原子を含まずエポキシ環を有する重合性化合物としては、特に制限はないが、一個乃至六個、また二個乃至四個のエポキシ環を有する化合物を使用することができる。上記エポキシ環を有する重合性化合物としては、例えば、ジオール化合物、トリオール化合物、ジカルボン酸化合物及びトリカルボン酸化合物等の二個以上の水酸基またはカルボキシル基を有する化合物と、エピクロルヒドリン等のグリシジル化合物から製造することができる、二個以上のグリシジルエーテル構造またはグリシジルエステル構造を有する化合物を挙げることができる。
ケイ素原子を含まずエポキシ環を有する重合性化合物の具体例としては、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−(エポキシエチル)シクロヘキサン、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,1,3−トリス[p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルレゾルシノールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、トリス−(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジグリセロールポリジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−ターシャリーブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエーテル、o−フタル酸ジグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,6−ジメチロールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3’,4’−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサン、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、4’,5’−エポキシ−2’−メチルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレングリコール−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、及びビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等を挙げることができる。
ケイ素原子を含まずオキセタン環を有する重合性化合物としては、特に制限はないが、一個乃至六個、また二個乃至四個のオキセタン環を有する化合物を使用することができる。
ケイ素原子を含まずオキセタン環を有する重合性化合物としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3,3−ジエチルオキセタン、及び3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、1,4−ビス(((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、ジ((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル、及びペンタエリスリトールテトラキス((3−エチル−3−オキセタニル)メチル)エーテル等を挙げることができる。
ケイ素原子を含まずビニルエーテル構造を有する重合性化合物としては、特に制限はないが、一個乃至六個、また二個乃至四個のビニルエーテル構造を有する化合物を使用することができる。
ケイ素原子を含まずビニルエーテル構造を有する重合性化合物としては、例えば、ビニル−2−クロロエチルエーテル、ビニル−ノルマルブチルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、ビス(4−(ビニロキシメチル)シクロヘキシルメチル)グルタレート、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、アジピン酸ジビニルエステル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリス(4−ビニロキシ)ブチルトリメリレート、ビス(4−(ビニロキシ)ブチル)テレフタレート、ビス(4−(ビニロキシ)ブチルイソフタレート、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル及びシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等を挙げることができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物には、上記重合性化合物(A)の他、必要に応じて、界面活性剤、ポリマー化合物、酸化防止剤、熱重合禁止剤、表面改質剤及び脱泡剤等を添加することができる。
界面活性剤を添加することによって、ピンホールやストレーション等の発生を抑え、また、レジスト下層膜形成組成物の塗布性を向上させることができる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル及びポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル及びポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル化合物、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー化合物、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート及びソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル化合物、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート及びポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物が挙げられる。また、商品名エフトップEF301,EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を上げることができる。界面活性剤が使用される場合、その添加量としては、重合性化合物(A)100質量部に対して、例えば、0.1〜5質量部であり、または0.5〜2質量部である。
高分子化合物としては、その種類に特に制限はなく、重量平均分子量が1000〜1000000程度の種々のポリマー化合物を用いることができる。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環を有するアクリレートポリマー、メタクリレートポリマー、ノボラックポリマー、スチレンポリマー、ポリアミド、ポリアミック酸、ポリエステル及びポリイミド等を挙げることができる。
また、半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて、フォトレジスト下層の反射防止膜に使用されている吸光性能に優れた高分子化合物を使用することもできる。このような高分子化合物の使用によって、本発明のレジスト下層膜形成組成物から形成されるレジスト下層膜の反射防止膜としての性能を高めることができる。
高分子化合物が使用される場合、その添加量としては、重合性化合物(A)100質量部に対して、例えば、0.1〜50質量部である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、前記重合性化合物(A)又は前記重合性化合物(A)に任意に添加する成分(両者を合わせて固形分という)を溶媒(B)に溶かした溶液状態で使用されることが好ましい。固形分はレジスト下層膜形成組成物中で溶媒を除く残りの成分である。
溶媒としては、固形分を溶解し、均一溶液とできるものであれば使用することができる。有機ケイ素化合物を加水分解し縮合物を得てそれを重合性化合物(A)とする場合に、有機ケイ素化合物の加水分解に用いる有機溶媒をそのままレジスト下層膜形成組成物の溶媒(B)に用いることが好ましい。
この溶媒(B)に例としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N−ジメチルホルムアミド、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド及びN−メチルピロリドン等を挙げることができる。
これらの溶媒(B)は単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。溶媒としては、沸点が80〜250℃、または100〜200℃、または120〜180℃である溶媒が好ましく使用される。溶媒の沸点が低い場合には、レジスト下層膜形成組成物の塗布中に溶媒が多く蒸発し、粘度の上昇が生じ、塗布性の低下を招くことがある。溶媒の沸点が高い場合には、レジスト下層膜形成組成物の塗布後の乾燥に時間を要することが考えられる。溶媒は、レジスト下層膜形成組成物の固形分の濃度が、例えば0.5〜50質量%、または3〜40質量%、または10〜30質量%となるような量で使用することができる。
本発明では本発明のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布して塗布膜を形成する工程、及び前記塗布膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を形成する工程を含み半導体装置が製造される。
本発明のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布して塗布膜を形成する工程、前記塗布膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を形成する工程、前記レジスト下層膜の上にフォトレジスト用組成物を塗布し加熱することによってフォトレジストを形成する工程、前記レジスト下層膜と前記フォトレジストで被覆された半導体基板を露光する工程、露光後にフォトレジストを現像しレジストパターンを得る工程、レジストパターンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたフォトレジストとレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含み半導体装置が製造される。
半導体基板に塗布型有機膜形成組成物により有機膜を形成する工程、その上に本発明のレジスト下層膜形成組成物によるレジスト下層膜を電子線照射により形成する工程、更にその上にレジスト膜を形成する工程、露光と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、パターン化されたレジスト下層膜により有機膜をエッチングする工程、及びパターン化された有機膜により半導体基板を加工する工程を含み半導体装置が製造される。
前記半導体基板が高さ/直径で示されるアスペクト比が1以上のホールを有する半導体基板である。
以下、本発明のレジスト下層膜形成組成物の使用について説明する。
半導体装置に製造に使用される半導体基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンウエハ基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板、ITO基板、ポリイミド基板、低誘電率材料(low−k材料)被覆基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明のレジスト下層膜形成組成物が塗布され塗布膜が形成される。そして、塗布膜に電子線照射を行う前に、必要に応じて乾燥工程をおくことができる。溶剤を含むレジスト下層膜形成組成物が使用された場合は、乾燥工程をおくことが好ましい。
乾燥工程は、高温での加熱という方法でなければ特に制限はない。高温(例えば150℃、またはそれ以上の温度)で加熱されると、塗布膜に含まれる固形分の昇華等が起こり、装置を汚染することが考えられるからである。この様な昇華が起こると加工装置内を汚染し、加工装置内に付着した昇華物の固まりが半導体基板上に落下し、落下物が異物の原因となり半導体不良を起こす場合がある。本発明ではレジスト下層膜を塗布した後に乾燥工程を経て、電子線照射によりレジスト下層膜を硬化し形成するためこの様な問題が起こらない。
上記乾燥工程は、例えば、ホットプレート上、基板を50〜100℃で0.1〜10分間加熱することによって行うことができる。また、例えば、室温(20℃程度)で風乾することで行うことができる。
次に塗布されたレジスト下層膜に対して電子線照射が行われる。電子線照射には、前記の電子線重合化合物に作用し重合性物質の重合を起こすことができる方法であれば、特に制限なく使用することができる。照射する電子線量は、吸収線量として1から300kGy程度の範囲で調節するのが望ましい。1kGy未満では十分な照射効果が得られず、300kGyを超えるような照射は基材を劣化させる恐れがあるため好ましくない。電子線の照射方法としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などが用いられ、電子線 を照射する際の加速電圧は、照射する側の基材の厚さによりコントロールする必要があるが、20から100kV程度が適当である。
電子線照射によって塗布膜中の電子線重合化合物よりカチオン種や活性ラジカルが生じ、そして、これらにより塗布膜中の重合性物質の重合反応が起こる。電子線重合化合物中の付加重合性不飽和結合を有するラジカル重合が電子線照射により起こる。そして、この重合反応の結果、レジスト下層膜が形成される。このようにして形成されたレジスト下層膜は、その上層に塗布されるフォトレジスト用組成物に使用されている溶剤、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ピルビン酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチル等に対する溶解性が低いものとなる。このため、本発明のレジスト下層膜形成組成物より形成されるレジスト下層膜はフォトレジストとのインターミキシングを起こさないものとなる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物を、図1に示すような高さ/直径で示されるアスペクト比が1以上、例えば1〜10、または2〜5のホールを有する半導体基板に適用することができる。そして、本発明のレジスト下層膜形成組成物は、そのようなホールを隙間(ボイド)を発生させることなくレジスト下層膜で充填するために使用することができる。また、アスペクト比が1以上のホールを密疎に有する半導体基板(ホールが密に存在する部分と疎に存在する部分とを有する基板)に本発明のレジスト下層膜形成組成物を適用することができる。そして、本発明のレジスト下層膜形成組成物は、そのようなホールが密疎に存在する基板の表面に平坦なレジスト下層膜を形成するために使用することができる。
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物を1より小さいアスペクト比のホールを有する半導体基板や、段差を有する半導体基板に対しても使用することができる。また、段差などを有さない半導体基板に対しても使用することができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物より形成されるレジスト下層膜の膜厚としては、基板表面上で、例えば20〜2000nmであり、または30〜1000nmであり、または50〜800nmである。
次に、レジスト下層膜の上にフォトレジストが形成される。これによって、半導体基板上にレジスト下層膜及びフォトレジストの積層構造が形成される。フォトレジストの形成は、周知の方法、すなわち、フォトレジスト用組成物溶液のレジスト下層膜上への塗布及び加熱によって行なうことができる。本発明のレジスト下層膜の上に形成されるフォトレジストとしては特に制限はなく、汎用されているネガ型フォトレジスト、ポジ型フォトレジストのいずれも使用できる。例えば、ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジストなどがあり、例えば、シプレー社製商品名APEX−E、住友化学工業(株)製商品名PAR710、信越化学工業(株)製商品名SEPR430等が挙げられる。
次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)及びF2エキシマレーザ(波長157nm)等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(postexposure bake)を行なうこともできる。露光後加熱は、加熱温度70℃〜150℃、加熱時間0.3〜10分間から適宜、選択される。
次いで、現像液によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光された部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5〜50℃、時間0.1〜5分間から適宜選択される。
そして、このようにして形成されたフォトレジストのパターンを保護膜として、レジスト下層膜の除去及び半導体基板の加工が行なわれる。レジスト下層膜の除去は、テトラフルオロメタン、パーフルオロシクロブタン(C8)、パーフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素等のガスを用いたドライエッチングにより行うことができる。レジスト下層膜の除去によって、半導体基板上にレジスト下層膜及びフォトレジストからなるパターンが形成される。
また、本発明のレジスト下層膜の上には、フォトレジストの形成前に反射防止膜層を形成することができる。その反射防止膜としては特に制限はなく、既存の反射防止膜が使用可能であり、有機反射防止膜、ケイ素含有の無機反射防止膜、又は有機と無機をハイブリッド化させた反射防止膜を用いることができる。例えば、これまでリソグラフィープロセスにおいて慣用されている反射防止膜形成用の組成物を用いて、慣用されている方法、例えば、スピナー、コーターによるレジスト下層膜上への塗布、及び焼成によって反射防止膜の形成を行なうことができる。反射防止膜組成物としては、例えば、吸光性化合物、樹脂及び溶剤を主成分とするもの、化学結合により連結した吸光性基を有する樹脂、架橋剤及び溶剤を主成分とするもの、吸光性化合物、架橋剤及び溶剤を主成分とするもの、吸光性を有する高分子架橋剤及び溶剤を主成分とするもの、等が挙げられる。これらの反射防止膜組成物はまた、必要に応じて、酸成分、酸発生剤成分、レオロジー調整剤等を含むことができる。吸光性化合物としては、反射防止膜の上に設けられるフォトレジスト中の感光成分の感光特性波長領域における光に対して高い吸収能を有するものであれば用いることができ、例えば、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アゾ化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、トリアジン化合物等が挙げられる。樹脂としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリスチレン、ノボラック樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。化学結合により連結した吸光性基を有する樹脂としては、アントラセン環、ナフタレン環、ベンゼン環、キノリン環、キノキサリン環、チアゾール環といった吸光性芳香環構造を有する樹脂を挙げることができる。
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物を塗布する前に、半導体基板上に反射防止膜又は平坦化膜を形成することができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物より形成されるレジスト下層膜は、また、リソグラフィープロセスにおいて使用される光の波長によっては、その光に対する吸収を有することがある。そのような場合には、基板からの反射光を防止する効果を有する層、すなわち反射防止膜として機能することができる。さらに、本発明のレジスト下層膜は、基板とフォトレジストとの相互作用の防止するための層、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の半導体基板への悪作用を防ぐための層、加熱焼成時に半導体基板から生成する物質の上層フォトレジストへの拡散を防ぐための層等として使用することも可能である。
今後、レジストパターンの微細化が進行すると、解像度の問題やレジストパターンが現像後に倒れるという問題が生じ、フォトレジストの薄膜化が望まれてくる。そのため、基板加工に充分なレジストパターン膜厚を得ることが難しく、レジストパターンだけではなく、レジストと加工する半導体基板との間に作成されるレジスト下層膜にも基板加工時のマスクとしての機能を持たせるプロセスが必要になってきた。このようなプロセス用のレジスト下層膜として従来の高エッチレート性レジスト下層膜とは異なり、フォトレジストに近いドライエッチング速度の選択比を持つレジスト下層膜、フォトレジストに比べて小さいドライエッチング速度の選択比を持つレジスト下層膜や半導体基板に比べて小さいドライエッチング速度の選択比を持つレジスト下層膜が要求されるようになってきている。また、このようなレジスト下層膜には反射防止能を付与することも可能であり、従来の反射防止膜の機能を併せ持つことができる。
本発明では基板上に本発明のレジスト下層膜を成膜した後、レジスト下層膜上に直接、または必要に応じて1層乃至数層の塗膜材料をレジスト下層膜上に成膜した後、フォトレジストを塗布することができる。これによりフォトレジストのパターン幅が狭くなり、パターン倒れを防ぐ為にフォトレジストを薄く被覆した場合でも、適切なエッチングガスを選択することにより基板の加工が可能になる。
即ち、半導体基板にレジスト下層膜形成組成物により該レジスト下層膜を形成する工程、その上にケイ素成分等を含有する塗膜材料によるハードマスクを形成する工程、更にその上にレジスト膜を形成する工程、露光と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンによりハードマスクをエッチングする工程、パターン化されたハードマスクにより該レジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を経て半導体装置を製造することができる。
本発明のレジスト下層膜は、これらの要求を満たす適度なドライエッチング速度を得ることができる特性を有している。
さらに、本発明のレジスト下層膜材料は、プロセス条件によっては、光の反射を防止する機能と、更には基板とフォトレジストとの相互作用の防止或いはフォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する膜としての使用が可能である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
実施例1
3−(アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン(アズマックス(株)製分子量234.32)2.0g、水0.0768g、及びパラトルエンスルホン酸0.147gを乳酸エチル19.32gに加え、室温で3時間攪拌し、3−(アクリロキシプロピル)トリメトキシシランを加水分解しその縮合物を得た。
次いで、その溶液に界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名メガファックR30)0.05gを加え、乳酸エチル中で10質量%の溶液に調整した。そして、その溶液を孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
(フォトレジスト溶剤への溶出試験)
実施例1で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーにより、半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEANTRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上に塗布し塗布膜を形成した。そして、塗布膜を電子線照射装置((株)アイ・エレクトロンビーム製、型式CB250/15/180L)を用い、加速電圧100kV、電流値3.52mA、K値14.6、照射線量50.0kGyの条件で照射した。そして、溶剤を除去して乾燥させるため、ホットプレート上、130℃で1分間加熱し、レジスト下層膜(膜厚182nm)を形成した。これらのレジスト下層膜をフォトレジストに使用する溶剤である乳酸エチルに浸漬し、それらの溶剤に不溶であることを確認した。
(フォトレジストとのインターミキシングの試験)
前記と同様にして、実施例1で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液により、半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEANTRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上にレジスト下層膜(膜厚182nm)を形成し、上記と同様の条件で電子線照射をおこなった。このレジスト下層膜の上層に、フォトレジスト溶液(シプレー社製、商品名APEX−E)をスピナーにより塗布した。ホットプレート上、90℃で1分間焼成して、フォトレジストを形成した。そして、フォトレジストを露光後、露光後加熱を90℃で1.5分間行なった。フォトレジストを現像させた後、レジスト下層膜の膜厚を測定し、レジスト下層膜とフォトレジストとのインターミキシングが起こっていないこと確認した。
(光学パラメータの測定)
前記と同様にして、実施例1で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液より半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEANTRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上にレジスト下層膜(膜厚膜厚182nm)を形成し、上記と同様の条件で電子線照射をおこなった。そして、分光エリプソメーターにより、レジスト下層膜の波長193nmでの屈折率(n値)及び減衰係数(k値)を測定したところ、屈折率は1.61であり、減衰係数は0.14であった。
(ドライエッチング速度の試験)
前記と同様にして、実施例1で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液より半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEANTRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上にレジスト下層膜(膜厚182nm)を形成し、上記と同様の条件で電子線照射をおこなった。そして、日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてOとCF4を使用した条件下で、そのレジスト下層膜のドライエッチング速度(単位時間当たりの膜厚の減少量)を測定した。得られた結果は、ドライエッチング速度の選択性として示す。KrFレーザーリソグラフィー用のフォトレジスト(信越化学工業(株)製、商品名SEPR430)の同様の条件下でのドライエッチング速度を1.00とした時の、レジスト下層膜のドライエッチング速度の比を示したものが、ドライエッチング速度の選択比である。
ドライエッチングガスとしてOのエッチング速度の選択比は0.06でありほとんどエッチングされず、CF4のエッチング速度の選択比は1.6である。
実施例2
ビニルトリメトキシシラン(アズマックス(株)製)10.0g、水0.605g、及びパラトルエンスルホン酸1.16gを乳酸エチル105.9gに加え、室温で3時間攪拌し、ビニルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランを加水分解しその縮合物を得た。
次いで、界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名メガファックR30)0.20gを加え、乳酸エチル中で10質量%の溶液に調整した。そして、その溶液を孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
(フォトレジスト溶剤への溶出試験)
実施例2で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーにより、半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEAN TRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上に塗布し塗布膜を形成した。そして、塗布膜を電子線照射装置((株)アイ・エレクトロンビーム製、型式CB250/15/180L)を用い、加速電圧100kV、電流値3.52mA、K値14.6、照射線量50.0kGyの条件で照射した。そして、溶剤を除去して乾燥させるため、ホットプレート上、130℃で1分間加熱し、レジスト下層膜(膜厚174nm)を形成した。これらのレジスト下層膜をフォトレジストに使用する溶剤である乳酸エチルに浸漬し、それらの溶剤に不溶であることを確認した。
(フォトレジストとのインターミキシングの試験)
前記と同様にして、実施例2で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液により、半導体基板(東京エレクトロン製 CLEAN TRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上にレジスト下層膜(膜厚174nm)を形成し、上記と同様の条件で電子線照射をおこなった。このレジスト下層膜の上層に、フォトレジスト溶液(シプレー社製、商品名APEX−E)をスピナーにより塗布した。ホットプレート上、90℃で1分間焼成して、フォトレジストを形成した。そして、フォトレジストを露光後、露光後加熱を90℃で1.5分間行なった。フォトレジストを現像させた後、レジスト下層膜の膜厚を測定し、レジスト下層膜とフォトレジストとのインターミキシングが起こっていないこと確認した。
(光学パラメータの測定)
前記と同様にして、実施例2で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液より半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEAN TRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上にレジスト下層膜(膜厚膜厚174nm)を形成し、上記と同様の条件で電子線照射をおこなった。た。そして、分光エリプソメーターにより、レジスト下層膜の波長193nmでの屈折率(n値)及び減衰係数(k値)を測定したところ、屈折率は1.63であり、減衰係数は0.06であった。
(ドライエッチング速度の試験)
前記と同様にして、実施例2で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液より半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEAN TRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上にレジスト下層膜(膜厚174nm)を形成し、上記と同様の条件で電子線照射をおこなった。そして、日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてOとCF4を使用した条件下で、そのレジスト下層膜のドライエッチング速度(単位時間当たりの膜厚の減少量)を測定した。得られた結果は、ドライエッチング速度の選択性として示す。KrFレーザーリソグラフィー用のフォトレジスト(信越化学工業(株)製、商品名SEPR430)の同様の条件下でのドライエッチング速度を1.00とした時の、レジスト下層膜のドライエッチング速度の比を示したものが、ドライエッチング速度の選択比である。
ドライエッチングガスとしてOのエッチング速度の選択比は0.05でありほとんどエッチングされず、CF4のエッチング速度の選択比は1.6である。
実施例3
ビニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(アズマックス(株)製 VDT−731 トリメチルシロキサン末端)2.0g、シクロヘキサノン5.723g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.723g、及び界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、商品名メガファックR30)0.20gを加え、15質量%溶液に調整した。そして、その溶液を孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
(フォトレジスト溶剤への溶出試験)
実施例3で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーにより、半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEAN TRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上に塗布し塗布膜を形成し、上記と同様の条件で電子線照射をおこなった。そして、塗布膜を電子線照射装置((株)アイ・エレクトロンビーム製、型式CB250/15/180L)を用い、加速電圧100kV、電流値3.52mA、K値14.6、照射線量50.0kGyの条件で照射した。そして、溶剤を除去して乾燥させるため、ホットプレート上、130℃で1分間加熱し、レジスト下層膜(膜厚219nm)を形成した。これらのレジスト下層膜をフォトレジストに使用する溶剤である乳酸エチルに浸漬し、それらの溶剤に不溶であることを確認した。
(フォトレジストとのインターミキシングの試験)
前記と同様にして、実施例3で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液により、半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEAN TRACKACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上にレジスト下層膜(膜厚219nm)を形成し、上記と同様の条件で電子線照射をおこなった。このレジスト下層膜の上層に、フォトレジスト溶液(シプレー社製、商品名APEX−E)をスピナーにより塗布した。ホットプレート上、90℃で1分間焼成して、フォトレジストを形成した。そして、フォトレジストを露光後、露光後加熱を90℃で1.5分間行なった。フォトレジストを現像させた後、レジスト下層膜の膜厚を測定し、レジスト下層膜とフォトレジストとのインターミキシングが起こっていないこと確認した。
(光学パラメータの測定)
前記と同様にして、実施例3で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液より半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEAN TRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上にレジスト下層膜(膜厚膜厚219nm)を形成し、上記と同様の条件で電子線照射をおこなった。そして、分光エリプソメーターにより、レジスト下層膜の波長193nmでの屈折率(n値)及び減衰係数(k値)を測定したところ、屈折率は1.58であり、減衰係数は0.09であった。
(ドライエッチング速度の試験)
前記と同様にして、実施例3で得たレジスト下層膜形成組成物の溶液より半導体基板(東京エレクトロン製、商品名CLEAN TRACK ACT−8TMのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理装置により接着助剤であるHMDS雰囲気に60秒間浸漬するベーパ法により疎水処理したシリコンウエハ基板)上にレジスト下層膜(膜厚219nm)を形成し、上記と同様の条件で電子線照射をおこなった。そして、日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてOとCF4を使用した条件下で、そのレジスト下層膜のドライエッチング速度(単位時間当たりの膜厚の減少量)を測定した。得られた結果は、ドライエッチング速度の選択性として示す。KrFレーザーリソグラフィー用のフォトレジスト(信越化学工業(株)製、商品名SEPR430)の同様の条件下でのドライエッチング速度を1.00とした時の、レジスト下層膜のドライエッチング速度の比を示したものが、ドライエッチング速度の選択比である。
ドライエッチングガスとしてOのエッチング速度の選択比は0.08でありほとんどエッチングされず、CF4のエッチング速度の選択比は1.6である。
図1はホールを有する半導体基板上に、本発明のレジスト下層膜形成組成物によるレジスト下層膜、及びフォトレジスト膜を形成した状態の断面図である。 図2はホールを有する半導体基板上に、有機膜、本発明のレジスト下層膜形成組成物によるレジスト下層膜、及びフォトレジスト膜を形成した状態の断面図である。
符号の説明
(1)は加工基板である。
(2)は有機膜である。
(3)は本発明のレジスト下層膜形成組成物によるレジスト下層膜である。
(4)はフォトレジスト膜である。
(a)はホールの直径である。
(b)は使用した半導体基板におけるホールの深さである。

Claims (14)

  1. 半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいてフォトレジストの下層に使用されるレジスト下層膜を電子線照射によって形成するための組成物であって、ケイ素原子を5〜45質量%含有する重合性化合物(A)、及び溶媒(B)を含むレジスト下層膜形成組成物。
  2. 前記重合性物質が電子線照射により重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する化合物である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  3. 電子線照射による重合可能な反応性基が、炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基、又はエポキシ基を有する反応性基である請求項2に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  4. 炭素と炭素の不飽和多重結合を有する反応性基が、アクリレート基、メタクリレート基、又はビニルエーテル基である請求項3に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  5. 前記重合性物質が、分子内に1個乃至4個のアクリレート基、メタクリレート基、又はビニルエーテル基を有する化合物である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  6. 上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)が、式(I):
    (R(RSi(R4−(a+b) (I)
    (但し、Rはエポキシ基、ビニル基、又はそれらを含有する重合性有機基でSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはハロゲン原子、又は炭素数1〜8のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、若しくはアルコキシアシル基であり、aは1の整数であり、bは0、1又は2の整数であり、a+bは1、2又は3の整数である。)及び式(II):
    〔(RSi(R3−cY (II)
    (但し、Rはエポキシ基、ビニル基、又はそれらを含有する重合性有機基でSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Yは酸素原子、メチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは1又は2の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  7. 上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)が、上記式(I)及び式(II)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)と、
    一般式(III)、
    (R(RSi(R4−(a+b) (III)
    (但し、R及びRは、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはハロゲン原子、又は炭素数1〜8のアルコキシ基、アルコキシアルキル基、若しくはアルコキシアシル基であり、a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+bは0、1、又は2の整数である。)及び、式(IV)、
    〔(RSi(X)3−cY (IV)
    (但し、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、アルコキシアルキル基又はアルコキシアシル基を示し、Yはメチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)との組み合わせである請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  8. 上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)が、上記(A1)、又は上記(A1)と(A2)の組み合わせからなり、(A1):(A2)がモル比で100:0〜50となる有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量100〜100000の重合性有機基を有する縮合物である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  9. 上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)が、上記式(I)、又は上記式(I)と式(III)の組み合わせからなる有機ケイ素化合物中で、a+bの値が1となる有機ケイ素化合物が5〜75質量%の割合で含有する有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量100〜1000000の重合性有機基を有する縮合物である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程を含む半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程、上記レジスト下層膜上にフォトレジスト組成物を塗布し加熱することによってフォトレジスト層を形成する工程、及び上記レジスト下層膜及びフォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、露光後にフォトレジストを現像しレジストパターンを得る工程、レジストパターンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
  12. 半導体基板上に有機層を形成する工程、その上に請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を塗布してレジスト下層膜を形成する工程、及び上記レジスト下層膜に電子線照射することによってレジスト下層膜を硬化する工程、その上にレジスト膜を形成する工程、露光と現像によりレジストパターンを形成する工程、レジストパターンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、パターン化されたレジスト下層膜により有機層をエッチングする工程、パターン化された有機層により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
  13. 上記半導体基板が高さ/直径で示されるアスペクト比が1以上のホールを有する半導体基板である請求項10乃至請求項12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 上記電子線照射が、吸収線量として1〜300kGyの範囲で行われる請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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