JP5585757B2 - 半導体基板の平坦化方法 - Google Patents
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Description
シリコン基板の表面にSiN膜を形成した後、シャロートレンチが形成される。シャロートレンチが形成されていない基板表面には、SiN膜が形成されている。この基板表面上に、TEOS膜などの、例えばHDP(High Density Plasma;高密度プラズマ)−CVD法やSOG(Spin−on−Glass)により、SiO2膜を堆積する。このSiO2膜はシャロートレンチ内に埋め込むことで、素子間を絶縁するためのものである。シャロートレンチ内にSiO2膜を埋め込むと共に、SiN膜上にもSiO2膜が形成される。この絶縁膜の埋め込みを行うときに、基板上のシャロートレンチの有無、またはシャロートレンチの疎密差により、絶縁膜埋め込み後には絶縁膜上に段差が発生する。
この段差を解消するためにCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、SiN膜をストッパ層として、STI用の溝内に埋め込まれているSiO2膜以外のSiO2膜を除去した後、半導体基体表面のSiN膜をウェットエッチングにより除去する。こうして、シャロートレンチ内にSiO2膜が埋め込まれ、素子領域等を絶縁分離する。その後、シャロートレンチにより絶縁分離された素子領域に所定のトランジスタ等を形成する。
(1)CMP法により、SiN膜をストッパ層としてSTI用の溝内に埋め込まれているSiO2膜以外のSiO2膜を除去する際、そのSiO2膜の膜厚に厚薄のバラツキがあるため、相対的に狭いパターンの凸部領域における相対的に薄い膜厚のSiO2膜を研磨除去した段階で、相対的に広いパターンの凸部領域における相対的に厚い膜厚のSiO2膜が完全には研磨除去されないまま残存してしまう。従って、その後のストッパ層としてのSiN膜を除去する工程において、SiN膜が十分良好に除去されず、それに起因してSTIの素子分離能力を含む半導体装置の性能が低下する場合が生じる。
(2)CMPによりSiN膜をストッパ層としてSTI用の溝内に埋め込まれているSiO2膜以外のSiO2膜を除去する際、相対的に広いパターンの凸部領域における相対的に厚い膜厚のSiO2膜を完全に研磨除去しようとして研磨時間を長くすると、相対的に狭いパターンの凸部領域における相対的に薄い膜厚のSiO2膜が過剰に研磨除去され、その下のストッパ層としてのSiN膜までも研磨されてしまう。従って、半導体装置基板にダメージが入り、それに起因してSTIの素子分離能力を含む半導体装置の性能が低下する場合が生じる。
第2観点として、第1観点に記載の塗布膜を硬化する工程が、前記絶縁膜上に塗布された塗布膜に紫外線を照射し、その後に前記塗布膜を加熱することで前記塗布膜を硬化させものである第1観点に記載の半導体装置の製造方法、
第3観点として、前記塗布膜及び前記絶縁膜を前記半導体基板表面までエッチングする方法が、塗布膜の溶剤、酸水溶液及びアルカリ水溶液からなる群より選ばれる1種の液を用いてウェットエッチングが行われるものである第1観点に記載の基板処理方法、
第4観点として、前記重合性化合物がカチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する重合性化合物であり、そして前記光重合開始剤が光カチオン重合開始剤であり、前記光カチオン重合開始剤より発生したカチオンにより重合し、塗膜を形成するものである第1観点に記載の製造方法、
第5観点として、前記重合性化合物がラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する重合性化合物であり、そして前記光重合開始剤が光ラジカル重合開始剤であり、前記光ラジカル重合開始剤より発生したラジカルにより重合し、塗膜を形成するものである第1観点に記載の製造方法、
第6観点として、前記重合性化合物が酸又は塩基によって水酸基を発生する官能基を少なくとも2つ有する重合性化合物であり、そして前記光重合開始剤が光カチオン重合開始剤又は光塩基発生剤であり、前記重合開始剤より発生した酸又は塩基により前記重合性化合物に水酸基を発生させ、発生した水酸基が前記重合開始剤より発生した酸又は塩基により重合し、塗膜を形成するものである第1観点に記載の製造方法、
第7観点として、前記カチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する重合性化合物が、二乃至四個のエポキシ環を有する重合性化合物である第4観点に記載の製造方法、
第8観点として、前記カチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する重合性化合物が、二乃至四個のオキセタン環を有する重合性化合物である第4観点に記載の製造方法、
第9観点として、前記重合性化合物がカチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する高分子化合物であり、そして前記光重合開始剤が光カチオン重合開始剤である第4観点に記載の製造方法、
第10観点として、前記重合性化合物がラジカル重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する高分子化合物であり、そして前記光重合開始剤が光ラジカル重合開始剤である第5観点に記載の製造方法、
第11観点として、前記重合性化合物が酸又は塩基によって水酸基を発生する官能基を少なくとも2つ有する高分子化合物であり、そして前記光重合開始剤が光カチオン重合開始剤又は光塩基発生剤である第6観点に記載の製造方法、
第12観点として、前記重合性化合物が光照射により発生した酸又は塩基によって水酸基を発生する官能基を少なくとも2つ有する重合性化合物であり、酸又は塩基によって水酸基を発生する官能基がアルコキシ基、アセトキシ基、又はハロゲン基である第6観点に記載の製造方法、
第13観点として、前記重合性化合物(A)が、式(A1−1):
(R1)a(R3)bSi(R2)4−(a+b) (A1−1)
(但し、R1はエポキシ基、オキセタニル基、ビニル基、又はそれらを含有する重合性有機基でSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R3はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基であり、aは1または2の整数であり、bは0、1または2の整数であり、a+bは1又は2の整数である。)及び式(A1−2):
〔(R4)cSi(R5)3−c〕2Y (A1−2)
(但し、R4はエポキシ基、オキセタニル基、ビニル基、又はそれらを含有する重合性有機基でSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R5はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基であり、Yは酸素原子、メチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは1又は2の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)である第1観点に記載の製造方法、
第14観点として、重合性化合物(A)が一般式(A2−1)、
(R1)a(R3)bSi(R2)4−(a+b) (A2−1)
(但し、R1及びR3は、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基であり、a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+bは0、1、又は2の整数である。)及び、式(A2−2)、
〔(R4)cSi(R5)3−c〕2Y (A2−2)
(但し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R5はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基であり、Yはメチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)である第1観点に記載の製造方法、
第15観点として、重合性化合物(A)が、上記式(A1−1)及び式(A1−2)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)と、上記式(A2−1)、及び式(A2−2)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)との組み合わせである第13観点又は第14観点に記載の製造方法、
第16観点として、重合性化合物(A)が、上記(A1)、(A2)、又は上記(A1)と(A2)の組み合わせからなり、(A1):(A2)がモル比で100:0〜0:100となる有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量500〜100000の重合性有機基を有する縮合物である第13観点乃至第15観点のいずれか一つに記載の製造方法、
第17観点として、重合性化合物(A)が、上記式(A1−1)、(A2−1)、又は上記式(A1−1)と式(A2−1)の組み合わせからなる有機ケイ素化合物中で、a+bの値が1となる有機ケイ素化合物が5〜100質量%の割合で含有する有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量500〜100000の重合性有機基を有する縮合物である第13観点乃至第16観点のいずれか一つに記載の製造方法、
第18観点として、重合性化合物(A)がカチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する高分子化合物として式(A3−1):
第19観点として、前記式(A3−1)及び式(A3−2)において、Pがアルキレン基、その誘導体又は脂肪族環状化合物若しくは芳香族化合物から誘導される有機基であり、Qが単結合、又はエステル結合、エーテル結合、若しくはアミド結合を有する有機基である第18観点に記載の製造方法、及び
第20観点として、更に、波長173nm、193nm、248nm、又は365nmに光吸収を有する吸光性基を含有する高分子化合物を含む第1観点乃至第19観点のいずれか一つに記載の製造方法である。
上記の塗布膜を形成する塗布膜形成組成物における固形分は、例えば0.5〜50質量%、1〜30質量%、又は1〜25質量%である。ここで固形分とは塗布膜を形成するための塗布膜形成組成物の全成分から溶剤成分を除いたものである。
固形分中に占める重合性化合物(A)は30.0〜99.5質量%、又は50〜99.5質量%、85〜99.5質量%である。
そして、前記カチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する重合性化合物が、二乃至四個のオキセタン環を有する重合性化合物を用いることができる。更に、前記重合性化合物がカチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する高分子化合物を用いることができる。
上記重合性化合物(A)がラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する重合性化合物を用いることができる。エチレン性不飽和結合はビニル基を挙げることができる。
上記(A1)は(A1−1)を用いることが好ましい。
また、前記重合性化合物(A)が、式(A2−1)及び式(A2−2)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)を用いることができる。上記(A2)は(A2−1)を用いることが好ましい。
また重合性化合物(A)は、上記式(A1−1)及び式(A1−2)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)と、一般式(A2−1)、及び、式(A2−2)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)との組み合わせを用いることができる。
重合性化合物が(A2)である場合は、ケイ素化合物の加水分解物による縮合物の末端に存在する水酸基同士の縮合反応によって重合することができる。この反応は酸または塩基によって触媒化され、光重合開始剤として加えた光カチオン重合開始剤または光塩基発生剤による酸または塩基を用いることができる。
重合性化合物(A)が、上記式(A1−1)、(A2−1)、又は上記式(A1−1)と式(A2−1)の組み合わせからなる有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量500〜100000、又は500〜10000の重合性有機基を有する縮合物を用いることができる。
また、前記重合性化合物(A1)は酸または塩基によって水酸基が発生する官能基を2つ以上有する重合性化合物であり、光重合開始剤として光カチオン重合開始剤もしくは光塩基発生剤を用いることができる。重合性化合物(A1)を含む塗布膜を光照射することにより光カチオン重合開始剤もしくは光塩基発生剤の作用により、重合性化合物(A1)の水酸基が発生し、発生した水酸基が酸もしくは塩基により縮合が進み硬化膜が形成される。このとき、重合性化合物(A1)はカチオン重合可能な反応性基もしくはラジカル重合可能な反応性基を同時に有することが出来る。そして、重合性基はアルコキシ基もしくはアセトキシ基であることが好ましい。
上記重合性化合物末端の重合性基が酸又は塩基によって水酸基に変化することができる。後添加の加水分解性シランとしては上記式(A1)及び/又は(A2)から選ばれる加水分解性シランが挙げられる。このとき、シラノール基1モルに対して、後添加の加水分解性シランの加水分解性基が0.5〜4.0モルの割合になるように添加することができる。
加水分解に用いる原料シランの加水分解基1モルに対して、その加水分解と縮合が進行し完了するまでに加える加水分解性シランは加水分解性基が0.6〜3.0モルの割合になるように添加することにより、加水分解縮合物(ポリシロキサン)のシラノール基が後添加の加水分解性シランと反応し、シラノール基が少なくなり、塗布組成物は保存安定性に優れたものとなる。
アミノ基を有する有機基としては、アミノエチル基、アミノプロピル基等が挙げられる。
メルカプト基を有する有機基としては、エチルメルカプト、ブチルメルカプト、ヘキシルメルカプト、オクチルメルカプト等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、炭素数1〜20の直鎖、分岐、環状のアルキル部分を有するアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチロキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、1,2−ジメチル−n−プロポキシ、2,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−エチル−n−プロポキシ、n−ヘキシロキシ、1−メチル−n−ペンチロキシ、2−メチル−n−ペンチロキシ、3−メチル−n−ペンチロキシ、4−メチル−n−ペンチロキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1,2−ジメチル−n−ブトキシ、1,3−ジメチル−n−ブトキシ、2,2−ジメチル−n−ブトキシ、2,3−ジメチル−n−ブトキシ、3,3−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、2−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、1,2,2−トリメチル−n−プロポキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ及び1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ等が、また環状のアルコキシ基としてはシクロプロポキシ、シクロブトキシ、1−メチル−シクロプロポキシ、2−メチル−シクロプロポキシ、シクロペンチロキシ、1−メチル−シクロブトキシ、2−メチル−シクロブトキシ、3−メチル−シクロブトキシ、1,2−ジメチル−シクロプロポキシ、2,3−ジメチル−シクロプロポキシ、1−エチル−シクロプロポキシ、2−エチル−シクロプロポキシ、シクロヘキシロキシ、1−メチル−シクロペンチロキシ、2−メチル−シクロペンチロキシ、3−メチル−シクロペンチロキシ、1−エチル−シクロブトキシ、2−エチル−シクロブトキシ、3−エチル−シクロブトキシ、1,2−ジメチル−シクロブトキシ、1,3−ジメチル−シクロブトキシ、2,2−ジメチル−シクロブトキシ、2,3−ジメチル−シクロブトキシ、2,4−ジメチル−シクロブトキシ、3,3−ジメチル−シクロブトキシ、1−n−プロピル−シクロプロポキシ、2−n−プロピル−シクロプロポキシ、1−i−プロピル−シクロプロポキシ、2−i−プロピル−シクロプロポキシ、1,2,2−トリメチル−シクロプロポキシ、1,2,3−トリメチル−シクロプロポキシ、2,2,3−トリメチル−シクロプロポキシ、1−エチル−2−メチル−シクロプロポキシ、2−エチル−1−メチル−シクロプロポキシ、2−エチル−2−メチル−シクロプロポキシ及び2−エチル−3−メチル−シクロプロポキシ等が挙げられる。
ハロゲン基としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
そしてグリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン化合物などを好ましく例示することができる。
重合性化合物(A1)は、上記式(A1−1)と式(A1−2)の有機ケイ素化合物、その有機ケイ素化合物の加水分解物、及びその有機ケイ素化合物の加水分解物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)である。
上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)は、一般式(A2−1)及び式(A2−2)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する化合物である。
重合性化合物(A2)は、上記式(A2−1)と式(A2−2)の有機ケイ素化合物、その有機ケイ素化合物の加水分解物、及びその有機ケイ素化合物の加水分解物の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)とすることができる。
本発明では上記ケイ素原子を含有する重合性化合物(A)は、上記(A1)、(A2)、又は上記(A1)と(A2)の組み合わせからなる。(A1):(A2)のモル比は100:0〜0:100となる割合で有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量500〜100000の縮合物が好ましい。
上記有機ケイ素化合物を加水分解し縮合させる際に、有機ケイ素化合物の加水分解性基(例えば塩素原子やアルコキシ基)の1モル当たり、0.4モルを越え100モル以下、好ましくは0.6モル〜50モルの水を用いる。
本発明に用いられる重合性化合物(A)を製造するに際しては、上記化合物から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を加水分解、縮合させる際に、触媒を用いることが特徴である。この際に用いることの出来る触媒としては、チタンやアルミニウムなどの金属キレート化合物、酸触媒、アルカリ触媒が挙げられる。
本発明の塗布膜形成組成物では重合性化合物(A)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物を通常、有機溶媒に溶解または分散してなる。この有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン系溶媒からなる群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
本発明の塗布膜形成組成物には、さらにβ−ジケトン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤、シランカップリング剤、ラジカル発生剤、トリアゼン化合物、アルカリ化合物などの成分を添加してもよい。
加水分解に用いられる有機溶媒としては、例えばn−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒;エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶媒等を挙げることができる。
特に、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートが溶液の保存安定性の点で好ましい。
ケイ素原子を含まずエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、3−フェノキシ−2−プロパノイルアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−ヘキシルエーテル、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシルエチル)−イソシアヌル酸エステル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、ここで、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレートとはエチレングリコールジアクリレートとエチレングリコールジメタクリレートとを意味する。
上記のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1、A2)と重合性化合物(A3)を共に用いることもできる。
塗布膜形成組成物における重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用によって重合する重合性の部位を分子内に一個以上有する化合物であれば特に制限はない。有機溶剤に対する溶解の低い下層膜を形成するという観点から、重合性の部位を二個以上、例えば二個乃至六個、または三個乃至四個有する化合物が本発明の塗布膜形成組成物における重合性化合物として好ましく使用される。
エポキシ環を有する重合性化合物としては、特に制限はないが、一個乃至六個、また二個乃至四個のエポキシ環を有する化合物を使用することができる。エポキシ環を有する重合性化合物としては、例えば、ジオール化合物、トリオール化合物、ジカルボン酸化合物及びトリカルボン酸化合物等の二個以上の水酸基またはカルボキシル基を有する化合物と、エピクロルヒドリン等のグリシジル化合物から製造することができる、二個以上のグリシジルエーテル構造またはグリシジルエステル構造を有する化合物を挙げることができる。
この高分子化合物(A3)としては式(A3−1)及び式(A3−2)で示される構造を示し、カチオン重合性の部位であるエポキシ環及びオキセタン環等を有する。
式(A3−1)及び式(A3−2)において、Pは高分子主鎖を構成する連結基である。Pに該当するアルキレン基としてはエチレン基、プロピレン基であり、これら有機基の水素原子をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)や、ベンゼン環で置換したアルキレン基の誘導体を用いることができ、これらはアクリル酸、メタクリル酸系の高分子化合物である。
Pに該当する脂肪族環状化合物から誘導される有機基としては、脂肪族多価アルコール、脂肪族多価カルボン酸の重合物であり、例えばシクロヘキサントリオール、シクロヘキサントリカルボン酸やこれらをアルキル基やハロゲン原子で置換した誘導体に相当する有機基を用いることができ、これらはポリエーテルやポリエステルである。
Pに該当する芳香族化合物から誘導される有機基としては、芳香族多価アルコール、芳香族多価カルボン酸の重合物や、芳香族化合物アルコールとアルデヒド類との縮合によるノボラック樹脂や、これらをアルキル基やハロゲン原子で置換した誘導体に相当する有機基を用いることができ、これらは例えばフェノールノボラック、ナフタレンノボラックである。
Qはこれらの樹脂の主鎖から懸垂するエポキシ環やオキセタン環をつなぐ結合であり、直接結合(単結合)又は連結基による結合がある。連結基は、エステル結合、エーテル結合、アミド結合等を有する二価の有機基である。
式(A3−1)又は式(A3−2)の高分子化合物(A3)を合成する際は、それらの原料となるモノマーに共重合可能な他のモノマーと共に共重合体を製造し、本願発明の高分子化合物として使用することができる。この共重合可能なモノマーとしてはアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル化合物、スチレン、マレイミド、マレイン酸無水物、アクリロニトリル等の付加重合性モノマーを使用することができる。得られる高分子化合物において、式(A3−1)又は式(A3−2)の単位構造と、付加重合モノマーによる単位構造の比率は質量比で、10/1〜1/10であり、また5/1〜1/5であり、また3/1〜1/3である。
この高分子化合物の重量平均分子量は100以上であり、例えば1000〜200000であり、又は1500〜50000であり、又は3000〜50000であり、又は4000〜30000である。これらの高分子化合物は例えば以下のものが例示される。
例えば、光照射によって活性ラジカルを生じ前記重合性化合物のラジカル重合を起こすことのできる化合物、すなわち光ラジカル重合開始剤、及び光照射によってプロトン酸及び炭素陽イオン等のカチオン種を生じ前記重合性化合物及び重合性基を有する高分子化合物がカチオン重合を起こすことのできる化合物、すなわち光カチオン重合開始剤、等を挙げることができる。
光照射は、例えば、波長が150nm〜1000nm、または193〜700nmである光を用いて行うことができる。そして、露光量1〜2000mJ/cm2、または10〜1500mJ/cm2、または10〜1000mJ/cm2、または10〜100mJ/cm2によって活性ラジカルを生じる光ラジカル重合開始剤、またはカチオン種を生じる光カチオン重合開始剤が、光重合開始剤として好ましく使用される。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、イミダゾール化合物、ジアゾ化合物、ビスイミダゾール化合物、N−アリールグリシン化合物、有機アジド化合物、チタノセン化合物、アルミナート化合物、有機過酸化物、N−アルコキシピリジニウム塩化合物、及びチオキサントン化合物等が挙げられる。
アジド化合物としては、p−アジドベンズアルデヒド、p−アジドアセトフェノン、p−アジド安息香酸、p−アジドベンザルアセトフェノン、4,4’−ジアジドカルコン、4,4’−ジアジドジフェニルスルフィド、及び2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン等を挙げることができる。
ジアゾ化合物としては、1−ジアゾ−2,5−ジエトキシ−4−p−トリルメルカプトベンゼンボロフルオリド、1−ジアゾ−4−N,N−ジメチルアミノベンゼンクロリド、及び1−ジアゾ−4−N,N−ジエチルアミノベンゼンボロフルオリド等を挙げることができる。
チタノセン化合物としては、ジシクロペンタジエニル−チタン−ジクロリド、ジシクロペンタジエニル−チタン−ビスフェニル、ジシクロペンタジエニル−チタン−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニル−チタン−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニル−チタン−ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニル−チタン−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニル−チタン−ビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−チタン−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−チタン−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−チタン−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)、及びジシクロペンタジエニル−チタン−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)等を挙げることができる。
光カチオン重合開始剤としては、スルホン酸エステル、スルホンイミド化合物、ジスルホニルジアゾメタン化合物、ジアルキル−4−ヒドロキシスルホニウム塩、アリールスルホン酸−p−ニトロベンジルエステル、シラノール−アルミニウム錯体、(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)等が挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−ノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、及びメチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、また、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンを挙げることができる。
芳香族ヨードニウム塩化合物としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフエート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−ノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−ノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
本発明の塗布膜形成組成物において光重合開始剤は、一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の塗布膜形成組成物における重合性化合物と光重合開始剤の含有量としては、重合性化合物100質量部に対して、光重合開始剤が、例えば、0.2〜20質量部であり、または0.3〜10質量部である。光重合開始剤の量がこれより少ないと、重合反応が十分に進行せず、塗布膜の硬度及び耐摩耗性が不十分なものとなる場合がある。光重合開始剤の量がこれより多くなると、塗布膜の表面近傍のみで硬化が起こり、塗布膜内部まで完全に硬化し難くなる場合がある。
本発明の塗布膜形成組成物には、上記重合性化合物と光重合開始剤の他、必要に応じて、界面活性剤、増感剤、アミン化合物、ポリマー化合物、酸化防止剤、熱重合禁止剤、表面改質剤及び脱泡剤等を添加することができる。
ポリマー化合物を使用することにより、本発明の塗布膜形成組成物から形成される塗布膜の屈折率、減衰係数、及び吸光性能等を調節することができる。例えば、ベンゼン環を有するポリマー化合物を使用することにより、ArFエキシマレーザ(波長193nm)に対する塗布膜の吸光性能を高めることができる。また、例えば、ナフタレン環またはアントラセン環を有するポリマー化合物を使用することにより、KrFエキシマレーザ(波長248nm)に対する塗布膜の吸収性能を高めることができる。
本発明の塗布膜形成組成物は、前記重合性化合物等の各成分(以下、「固形分」という)を溶剤に溶かした溶液状態で使用されることが好ましい。溶剤としては、固形分を溶解し、均一溶液とできるものであれば使用することができる。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N−ジメチルホルムアミド、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド及びN−メチルピロリドン等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。溶剤としては、沸点が80〜250℃、または100〜200℃、または120〜180℃である溶剤が好ましく使用される。溶剤の沸点が低い場合には、塗布膜形成組成物の塗布中に溶剤が多く蒸発し、粘度の上昇が生じ、塗布性の低下を招くことがある。溶剤の沸点が高い場合には、塗布膜形成組成物の塗布後の乾燥に時間を要することが考えられる。溶剤は、塗布膜形成組成物の固形分の濃度が、例えば0.5〜50質量%、または3〜30質量%となるような量で使用することができる。
半導体装置に製造に使用される半導体基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンウエハ基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板、ITO基板、ポリイミド基板及び低誘電率材料(low−k材料)被覆基板等)の上にCVD法もしくはSOGによって処理を行う。上記処理を行い、半導体基板上に50〜2000nmまたは80〜1500nmの絶縁膜を堆積させる。上記CVD法もしくはSOGによって処理を行った基板上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明の塗布膜形成組成物が塗布され塗布膜が形成される。そして、塗布膜に光照射を行う前に、必要に応じて乾燥工程をおくことができる。溶剤を含む塗布膜形成組成物が使用された場合は、乾燥工程をおくことが好ましい。
乾燥工程は、高温での加熱という方法でなければ特に制限はない。高温(例えば150℃、またはそれ以上の温度)で加熱されると、塗布膜に含まれる固形分の昇華等が起こり、装置を汚染することが考えられるからである。乾燥工程は、例えば、ホットプレート上、基板を50〜100℃で0.1〜10分間加熱することによって行うことができる。また、例えば、室温(20℃程度)で風乾することで行うことができる。
次に塗布膜に対して光照射が行われる。光照射には、前記の光重合開始剤に作用し重合性化合物の重合を起こすことができる方法であれば、特に制限なく使用することができる。光照射は、例えば、波長が150nm〜1000nm、または193〜700nmである光を用いて行うことができる。光照射は例えば、超高圧水銀ランプ、フラッシュUVランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、DEEP−UV(深紫外)ランプ、キセノンショートアークランプ、ショートアークメタルハライドランプ、YAGレーザ励起用ランプ及びキセノンフラッシュランプ等を使用して行うことができる。例えば、超高圧水銀ランプを用い、紫外域の289nm、297nm、303nm、313nm(j線)、334nm、365nm(i線)や、可視光域の405nm(h線)、436nm(g線)、546nm、579nmの波長をピークとした輝線スペクトルを含めた波長250nm程度から650nm程度までの全波長を照射することによって行うことができる。
ドライエッチングは例えばテトラフルオロメタン(CF4)、パーフルオロシクロブタン(C4F8)、パーフルオロプロパン(C3F8)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素等のガスを用いて行うことができる。
ウェットエッチングは例えば塗布膜の溶剤、フッ酸またはフッ化水素酸とフッ化アンモニウムの混合液であるバッファードフッ酸(BHF)、塩酸、硫酸または硝酸等の酸、及びNaOHやKOH等のアルカリをエッチング液として用いることが出来る。好ましくはフッ酸を用いることが出来、濃度は0.1%〜50%、または0.2%〜20%を好ましくは用いることが出来る。エッチング液の温度としては例えば0℃〜80℃、好ましくは10℃〜50℃を用いることが出来る。
陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース株式会社製、商品名15Jwet)20.98g、エタノール(関東化学株式会社製)66.24g、水10.26g、テトラエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)18.00gそしてジメチルジメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)10.39gを混合した溶液を12時間以上攪拌した後、陽イオン交換樹脂を除去、その後テトラエトキシシランを27.00g加え、窒素雰囲気下にて24時間還流を行った。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて溶媒置換を行った。得られた重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnは1987、重量平均分子量Mw(標準ポリスチレン換算)は4073であった。
陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース株式会社製、商品名15Jwet)15.76g、エタノール(関東化学株式会社製)49.80g、水7.65g、テトラエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)11.50gそしてイソブチルトリメトキシシラン(Gelest)9.84gを混合した溶液を12時間以上攪拌した後、陽イオン交換樹脂を除去、その後テトラエトキシシランを20.13g加え、窒素雰囲気下にて24時間攪拌した。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルにて溶媒置換を行った。得られた重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnは998、重量平均分子量Mw(標準ポリスチレン換算)は1178であった。
陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース株式会社製、商品名15Jwet)16.63g、エタノール47.11g、水6.32g、テトラエトキシシラン9.50gそしてn−オクチルトリメトキシシラン(Gelest)10.69を混合した溶液を12時間以上攪拌した後、陽イオン交換樹脂を除去、その後テトラエトキシシランを16.63g加え、窒素雰囲気下にて24時間攪拌した。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルにて溶媒置換を行った。得られた重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnは1205、重量平均分子量Mw(標準ポリスチレン換算)は1401であった。
陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース株式会社製、商品名15Jwet)18.09g、エタノール56.00g、水10.47g、そしてメチルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)24.00gを混合した溶液を12時間以上攪拌した後、陽イオン交換樹脂を除去、その後テトラエトキシシランを27.53g加え、窒素雰囲気下にて24時間攪拌した。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルにて溶媒置換を行った。得られた重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnは955、重量平均分子量Mw(標準ポリスチレン換算)は1345であった。
実施例1〜4で得た塗布膜形成組成物の溶液をスピナーにより、シリコンウエハー上に塗布し塗布膜を形成した。塗布膜を超高圧水銀ランプ(ウシオ電気株式会社製、型式UIS−5011MIKY、出力500W)を用い、248nmのバンドパスフィルターを透過したランプの全波長を照射した(露光量40mJ/cm2)。そして、溶剤を除去して乾燥させるため、ホットプレート上、150℃で1分間加熱し、塗布膜(膜厚150nm)を形成した。そして、50%ふっ化水素酸を純水にて100倍希釈した0.5%ふっ酸水溶液に1分間浸し、その塗布膜のウェットエッチング速度(単位時間当たりの膜厚の減少量)を測定した。得られた結果は、ウェットエッチング速度の選択比として示す。熱酸化膜(SiO2)ウェハーを同様の条件でふっ酸水溶液に浸したときのウェットエッチング速度を1.00とした時の、塗布膜のウェットエッチング速度の比を示したものが、ウェットエッチング速度の選択比である。
表1
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ウェットエッチング速度の選択比
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実施例1 8.98
実施例2 14.92
実施例3 8.27
実施例4 0.81
――――――――――――――――――
上記エッチング速度の違いは塗布膜中の有機成分の導入量、分布によるものであると考えられる。フッ酸に溶解しない有機成分をSiO2膜中に導入することで、有機成分の存在している部分でフッ酸の溶解速度を落とすことができるため、導入した有機成分、量及び分布によりエッチング速度に違いを出すことが可能となる。また、反応性等の観点から、SiO2膜中に鎖長が長い、芳香族等の大きな有機成分を入れれば溶解速度をより落とすことが出来るとは一概には言えず、低分子成分を導入した方が反応性が高く、有機成分の導入量、分布に有利である場合がある。実施例4は低分子成分が良好であった例であり、低分子成分、好ましくはメチル基やエチル基が絶縁膜とのエッチング速度の調整に有利であったことを示している。
絶縁膜の上層の塗布膜の形成により、平坦化した後にウェットエッチングにて絶縁膜を平坦化するためには、塗布膜と絶縁膜の除去速度の速度比(選択比)は、同等かもしくは塗布膜の除去速度が絶縁膜の除去速度よりもやや小さいくらいが好ましい。この理由としては、絶縁膜上に塗布膜を形成することで基板表面を平坦化した、もしくは段差を軽減した後で、この段差のばらつきを解消し、基板表面を平坦化するために上記速度比が有利であるためである。
上記に基づくと、実施例4が最も効果的であるといえる。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート38.45g、オキセタニル基含有シルセスキオキサン誘導体(東亜合成株式会社製、商品名OX−SQ、数平均分子量1900、重量平均分子量2500)を8.00g、光重合開始剤(ローディア株式会社製、商品名PI2074)を0.40g、及び界面活性剤(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名メガファックR30)を0.040gを加え、18質量%溶液とし、塗布膜形成組成物の溶液を調製した。
実施例5で得た塗布膜形成組成物の溶液よりシリコンウエハー基板上に塗布膜を形成した。この塗布膜をラップマスター LGP612(ラップマスターエスエフティ株式会社製)を用いてCMPを行った。研磨条件はパッド回転数78rpm、ヘッド回転数80rpm、研磨剤:セリア研磨剤(Ferro株式会社製、商品名:Tizox8270)、研磨剤流量200ml/min、研磨圧力1psiにて60sec研磨を行った。
得られた結果は、研磨速度の選択比として示す。熱酸化膜(SiO2)ウェハーを同様の条件で研磨したときの研磨速度を1.00とした時、実施例5を用いてシリコンウェハー上に塗布した塗布膜の選択比は0.53であった。
bは使用した半導体基板における当初のホールの深さである。
cは絶縁膜である。
dは絶縁膜が形成された半導体基板である。
eは絶縁膜上に形成された塗布膜である。
Claims (20)
- 微細なトレンチアイソレーションによって素子分離を行う半導体装置の製造方法であって、半導体装置基板上に微細トレンチアイソレーション用の溝を形成する第1の工程と、半導体基板全面にCVD法又はSOGを用いて絶縁膜を形成して、前記微細トレンチアイソレーション用の溝を埋め込むと共に、基板全体に前記絶縁膜を堆積させる第2の工程と、前記第2の工程によって生じた段差を平坦にするために、重合性基を有する重合性化合物(A)、光重合開始剤(B)、及び溶剤(C)を含む塗布膜形成組成物によって前記絶縁膜上に塗布膜を形成する第3の工程と、前記塗布膜を硬化させる第4の工程と前記塗布膜によって平坦化された表面を化学的機械的研磨(CMP)又はドライ若しくはウェットエッチングにより前記塗布膜及び前記トレンチアイソレーション用の溝外に存在する絶縁膜を0.2〜1.6の(塗布膜の除去速度/絶縁膜の除去速度)で同時に除去し、基板表面を平坦化する第5の工程を含む半導体装置の製造方法。
- 請求項1に記載の塗布膜を硬化する工程が、前記絶縁膜上に塗布された塗布膜に紫外線を照射し、その後に前記塗布膜を加熱することで前記塗布膜を硬化させものである請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記塗布膜及び前記絶縁膜を前記半導体基板表面までエッチングする方法が、塗布膜の溶剤、酸水溶液及びアルカリ水溶液からなる群より選ばれる1種の液を用いてウェットエッチングが行われるものである請求項1に記載の基板処理方法。
- 前記重合性化合物がカチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する重合性化合物であり、そして前記光重合開始剤が光カチオン重合開始剤であり、前記光カチオン重合開始剤より発生したカチオンにより重合し、塗膜を形成するものである請求項1に記載の製造方法。
- 前記重合性化合物がラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する重合性化合物であり、そして前記光重合開始剤が光ラジカル重合開始剤であり、前記光ラジカル重合開始剤より発生したラジカルにより重合し、塗膜を形成するものである請求項1に記載の製造方法。
- 前記重合性化合物が酸又は塩基によって水酸基を発生する官能基を少なくとも2つ有する重合性化合物であり、そして前記光重合開始剤が光カチオン重合開始剤又は光塩基発生剤であり、前記重合開始剤より発生した酸又は塩基により前記重合性化合物に水酸基を発生させ、発生した水酸基が前記重合開始剤より発生した酸又は塩基により重合し、塗膜を形成するものである請求項1に記載の製造方法。
- 前記カチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する重合性化合物が、二乃至四個のエポキシ環を有する重合性化合物である請求項4に記載の製造方法。
- 前記カチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する重合性化合物が、二乃至四個のオキセタン環を有する重合性化合物である請求項4に記載の製造方法。
- 前記重合性化合物がカチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する高分子化合物であり、そして前記光重合開始剤が光カチオン重合開始剤である請求項4に記載の製造方法。
- 前記重合性化合物がラジカル重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する高分子化合物であり、そして前記光重合開始剤が光ラジカル重合開始剤である請求項5に記載の製造方法。
- 前記重合性化合物が酸又は塩基によって水酸基を発生する官能基を少なくとも2つ有する高分子化合物であり、そして前記光重合開始剤が光カチオン重合開始剤又は光塩基発生剤である請求項6に記載の製造方法。
- 前記重合性化合物が光照射により発生した酸又は塩基によって水酸基を発生する官能基を少なくとも2つ有する重合性化合物であり、酸又は塩基によって水酸基を発生する官能基がアルコキシ基、アセトキシ基、又はハロゲン基である請求項6に記載の製造方法。
- 前記重合性化合物(A)が、式(A1−1):
(R1)a(R3)bSi(R2)4−(a+b) (A1−1)
(但し、R1はエポキシ基、オキセタニル基、ビニル基、又はそれらを含有する重合性有機基でSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R3はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基であり、aは1または2の整数であり、bは0、1または2の整数であり、a+bは1又は2の整数である。)及び式(A1−2):
〔(R4)cSi(R5)3−c〕2Y (A1−2)
(但し、R4はエポキシ基、オキセタニル基、ビニル基、又はそれらを含有する重合性有機基でSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R5はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基であり、Yは酸素原子、メチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは1又は2の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)である請求項1に記載の製造方法。 - 重合性化合物(A)が一般式(A2−1)、
(R1)a(R3)bSi(R2)4−(a+b) (A2−1)
(但し、R1及びR3は、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、又はメルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基であり、a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+bは0、1、又は2の整数である。)及び、式(A2−2)、
〔(R4)cSi(R5)3−c〕2Y (A2−2)
(但し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R5はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基であり、Yはメチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)である請求項1に記載の製造方法。 - 重合性化合物(A)が、上記式(A1−1)及び式(A1−2)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A1)と、上記式(A2−1)、及び式(A2−2)で表される有機ケイ素化合物、その加水分解物、及びその縮合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素原子を含有する重合性化合物(A2)との組み合わせである請求項13又は請求項14に記載の製造方法。
- 重合性化合物(A)が、上記(A1)、(A2)、又は上記(A1)と(A2)の組み合わせからなり、(A1):(A2)がモル比で100:0〜0:100となる有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量500〜100000の重合性有機基を有する縮合物である請求項13乃至請求項15のいずれか1項に記載の製造方法。
- 重合性化合物(A)が、上記式(A1−1)、(A2−1)、又は上記式(A1−1)と式(A2−1)の組み合わせからなる有機ケイ素化合物中で、a+bの値が1となる有機ケイ素化合物が5〜100質量%の割合で含有する有機ケイ素化合物を加水分解し、それを縮合した重量平均分子量500〜100000の重合性有機基を有する縮合物である請求項13乃至請求項16のいずれか1項に記載の製造方法。
- 重合性化合物(A)がカチオン重合可能な反応性基を少なくとも一つ有する高分子化合物として式(A3−1):
(式(A3−1)中、Pは高分子主鎖を構成する連結基を示し、Qは直接結合又は連結基を示す。)、又は式(A3−2):
(式(A3−2)中、Pは高分子主鎖を構成する連結基を示し、Qは直接結合又は連結基を示す。)で示される高分子化合物(A3)である請求項1に記載の製造方法。 - 前記式(A3−1)及び式(A3−2)において、Pがアルキレン基、その誘導体又は脂肪族環状化合物若しくは芳香族化合物から誘導される有機基であり、Qが単結合、又はエステル結合、エーテル結合、若しくはアミド結合を有する有機基である請求項18に記載の製造方法。
- 更に、波長173nm、193nm、248nm、又は365nmに光吸収を有する吸光性基を含有する高分子化合物を含む請求項1乃至請求項19のいずれか1項に記載の製造方法。
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